JP3075627B2 - 沸騰水型原子炉の冷却材浄化系 - Google Patents
沸騰水型原子炉の冷却材浄化系Info
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- JP3075627B2 JP3075627B2 JP04039557A JP3955792A JP3075627B2 JP 3075627 B2 JP3075627 B2 JP 3075627B2 JP 04039557 A JP04039557 A JP 04039557A JP 3955792 A JP3955792 A JP 3955792A JP 3075627 B2 JP3075627 B2 JP 3075627B2
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- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型原子炉内での冷
却材の蒸発に伴って原子炉内に蓄積する不純物イオン、
浮遊物などを除去し、冷却材循環系を正常に保つための
冷却材浄化系に関する。
却材の蒸発に伴って原子炉内に蓄積する不純物イオン、
浮遊物などを除去し、冷却材循環系を正常に保つための
冷却材浄化系に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内で
は、冷却材の蒸発にともなって、冷却材中に混入した不
純物が蓄積する。このような不純物は、炉心から発生す
る大量の放射線によって放射化され、原子炉設備内の機
器を汚染したり、配管の狭窄やポンプ類の破損などの機
械的な悪影響をもたらす。これを防ぐため、従来、沸騰
水型原子力プラントでは、直接炉心から、あるいは冷却
材の再循環系の配管から冷却材を分岐して取り出し、再
生熱交換器、非再生熱交換器、低温ろ過・脱塩装置およ
びポンプなどからなる冷却材浄化系に通すことによって
原子炉冷却材の浄化を行っている。
は、冷却材の蒸発にともなって、冷却材中に混入した不
純物が蓄積する。このような不純物は、炉心から発生す
る大量の放射線によって放射化され、原子炉設備内の機
器を汚染したり、配管の狭窄やポンプ類の破損などの機
械的な悪影響をもたらす。これを防ぐため、従来、沸騰
水型原子力プラントでは、直接炉心から、あるいは冷却
材の再循環系の配管から冷却材を分岐して取り出し、再
生熱交換器、非再生熱交換器、低温ろ過・脱塩装置およ
びポンプなどからなる冷却材浄化系に通すことによって
原子炉冷却材の浄化を行っている。
【0003】冷却材浄化系によるプラントの熱効率の低
下をより少なくするために、上記のような冷却材浄化系
統と並列的に高温脱塩装置を使用した系統を配置し、こ
こで部分的に陽イオンのみの除去を行うという方法が、
特開昭53−118696号公報に示されている。この
方法を図5に示す。1は沸騰水型原子炉である。51は
高温脱塩装置であって、ポンプ52、非再生熱交換器5
3、低温脱塩装置54を含む低温冷却材浄化系に並列に
接続されている。55は給水加熱器、56は給水ポンプ
である。この方法では高温脱塩装置51の系統には熱交
換器を用いる必要がないため、プラントの熱効率が部分
的に向上する。
下をより少なくするために、上記のような冷却材浄化系
統と並列的に高温脱塩装置を使用した系統を配置し、こ
こで部分的に陽イオンのみの除去を行うという方法が、
特開昭53−118696号公報に示されている。この
方法を図5に示す。1は沸騰水型原子炉である。51は
高温脱塩装置であって、ポンプ52、非再生熱交換器5
3、低温脱塩装置54を含む低温冷却材浄化系に並列に
接続されている。55は給水加熱器、56は給水ポンプ
である。この方法では高温脱塩装置51の系統には熱交
換器を用いる必要がないため、プラントの熱効率が部分
的に向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の最後に述べた公
知例では、高温脱塩装置の系統を別に設置することによ
り、プラントの熱効率の改善が期待できるが、高温脱塩
装置では除去することが難しい陰イオンを除去するため
には、従来どうりの再生、非再生熱交換器、低温ろ過・
脱塩装置および冷却材の駆動力を得るためのポンプ等よ
りなる冷却材浄化系も必要となる。
知例では、高温脱塩装置の系統を別に設置することによ
り、プラントの熱効率の改善が期待できるが、高温脱塩
装置では除去することが難しい陰イオンを除去するため
には、従来どうりの再生、非再生熱交換器、低温ろ過・
脱塩装置および冷却材の駆動力を得るためのポンプ等よ
りなる冷却材浄化系も必要となる。
【0005】ポンプ等の動的機器を用いる際は、故障時
に備えて予備機を備えるのが通常であり、これに伴い、
機器の保守、点検の必要性が増える。また、ろ過・脱塩
装置に用いられる助材は消耗品であるため、定期的に放
射性廃棄物として排出され、また、その交換作業時の被
曝量なども増加させる。さらに、冷却材浄化系の多数の
熱交換器及び配管、弁は、プラントの構成を複雑化し、
運転操作を難しくするとともに、漏洩などの潜在的な故
障の可能性を含んでいる。
に備えて予備機を備えるのが通常であり、これに伴い、
機器の保守、点検の必要性が増える。また、ろ過・脱塩
装置に用いられる助材は消耗品であるため、定期的に放
射性廃棄物として排出され、また、その交換作業時の被
曝量なども増加させる。さらに、冷却材浄化系の多数の
熱交換器及び配管、弁は、プラントの構成を複雑化し、
運転操作を難しくするとともに、漏洩などの潜在的な故
障の可能性を含んでいる。
【0006】よって、本発明は、沸騰水型原子炉の冷却
材浄化系の必要な機能を維持しながら、冷却材浄化系統
を構成するのに必要な機器を減らすことにより、プラン
トの建設コストと不要な放射性廃棄物を減らし、運転操
作をより単純化し、故障の起こる可能性をより小さくす
ることが可能な原子炉冷却材浄化系を提供することを目
的とする。
材浄化系の必要な機能を維持しながら、冷却材浄化系統
を構成するのに必要な機器を減らすことにより、プラン
トの建設コストと不要な放射性廃棄物を減らし、運転操
作をより単純化し、故障の起こる可能性をより小さくす
ることが可能な原子炉冷却材浄化系を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、原子炉圧力容器内の冷却材が存在する部分に一端
が接続され他端が復水・給水系の復水ろ過・脱塩装置の
上流側の部分に接続された配管を設ける。原子炉圧力容
器内の放射化された不純物イオンや浮遊物等が上記配管
を通って比較的清浄な復水・給水系に流入することを防
止するために、高温で作用する高温ろ過・脱塩装置を上
記の配管の途中部分に設置する。また、上記配管内を流
れる冷却材の流量を調整するため、該配管に流量調整弁
を設ける。この配管を通って上記の如く復水・給水系に
流入する冷却材が原子炉容器内の高圧状態から、流量調
整弁によって急減圧することによって起こるフラッシン
グを防止するためには、流量調整弁の上流に冷却材を冷
却する熱交換器または流量調整弁の下流にフラッシュタ
ンクを上記配管中に設ける。
めに、原子炉圧力容器内の冷却材が存在する部分に一端
が接続され他端が復水・給水系の復水ろ過・脱塩装置の
上流側の部分に接続された配管を設ける。原子炉圧力容
器内の放射化された不純物イオンや浮遊物等が上記配管
を通って比較的清浄な復水・給水系に流入することを防
止するために、高温で作用する高温ろ過・脱塩装置を上
記の配管の途中部分に設置する。また、上記配管内を流
れる冷却材の流量を調整するため、該配管に流量調整弁
を設ける。この配管を通って上記の如く復水・給水系に
流入する冷却材が原子炉容器内の高圧状態から、流量調
整弁によって急減圧することによって起こるフラッシン
グを防止するためには、流量調整弁の上流に冷却材を冷
却する熱交換器または流量調整弁の下流にフラッシュタ
ンクを上記配管中に設ける。
【0008】
【作用】原子炉圧力容器内に蓄積された不純物イオン、
浮遊物などを含む高圧の冷却材は、原子炉圧力容器内の
高圧力と復水・給水系中の復水ろ過・脱塩装置の上流側
の部分の低圧力との圧力差を駆動力として、原子炉圧力
容器から上記配管を通り、復水・給水系に流入する。こ
の場合、復水・給水系の清浄度を保つために、冷却材は
上記の配管の途中に設置した高温で作用するろ過・脱塩
装置を通過せしめられ、このろ過・脱塩装置中で、少な
くとも陽イオンと浮遊物が冷却材から除去される。この
作用により、冷却材の清浄度は、復水・給水系の復水ろ
過・脱塩装置の上流側に放出しても復水・給水系を汚染
あるいは破損しない程度となる。上記配管中の該ろ過・
脱塩装置の上流または下流側に設けた流量調整弁によ
り、該配管を流れる冷却材の流量を調整することが可能
である。さらにこの流量調整弁による冷却材の急激な圧
力降下によって起こるフラッシング現像を防止するため
に、流量調整弁の上流側に設置した冷却材冷却用の熱交
換器、あるいは流量調整弁の下流側に設置したフラッシ
ュタンクによって、冷却材の飽和圧力を低下させる。こ
のような経路を経て復水・給水系の復水ろ過・脱塩装置
の上流側に流入した冷却材は、該復水ろ過・脱塩装置に
よって陰イオンを含めた不純物が取り除かれ、主蒸気系
側からの復水とともに復水・給水系の熱交換器(給水加
熱器)とポンプによって加熱・加圧され、原子炉圧力容
器内に給送される。
浮遊物などを含む高圧の冷却材は、原子炉圧力容器内の
高圧力と復水・給水系中の復水ろ過・脱塩装置の上流側
の部分の低圧力との圧力差を駆動力として、原子炉圧力
容器から上記配管を通り、復水・給水系に流入する。こ
の場合、復水・給水系の清浄度を保つために、冷却材は
上記の配管の途中に設置した高温で作用するろ過・脱塩
装置を通過せしめられ、このろ過・脱塩装置中で、少な
くとも陽イオンと浮遊物が冷却材から除去される。この
作用により、冷却材の清浄度は、復水・給水系の復水ろ
過・脱塩装置の上流側に放出しても復水・給水系を汚染
あるいは破損しない程度となる。上記配管中の該ろ過・
脱塩装置の上流または下流側に設けた流量調整弁によ
り、該配管を流れる冷却材の流量を調整することが可能
である。さらにこの流量調整弁による冷却材の急激な圧
力降下によって起こるフラッシング現像を防止するため
に、流量調整弁の上流側に設置した冷却材冷却用の熱交
換器、あるいは流量調整弁の下流側に設置したフラッシ
ュタンクによって、冷却材の飽和圧力を低下させる。こ
のような経路を経て復水・給水系の復水ろ過・脱塩装置
の上流側に流入した冷却材は、該復水ろ過・脱塩装置に
よって陰イオンを含めた不純物が取り除かれ、主蒸気系
側からの復水とともに復水・給水系の熱交換器(給水加
熱器)とポンプによって加熱・加圧され、原子炉圧力容
器内に給送される。
【0009】
【実施例】請求項2による本発明の1実施例を図1によ
り説明する。本実施例では、沸騰水型原子炉の原子炉圧
力容器1から引き出した配管5に高温ろ過・脱塩装置2
(例えば、コバルト吸着合金を用いたフィルタ、又は電
磁フィルタ)を接続し、高温ろ過・脱塩装置2の下流側
に流量調整弁8を接続し、さらに流量調整弁8の下流側
にフラッシュタンク9を接続し、さらにフラッシュタン
ク9の液相部を配管6により復水ろ過・脱塩装置の上流
部分の配管に接続してある。7は逆止弁である。図示の
如く、蒸気タービン(不図示)からの蒸気を復水する復
水器11からは、順に、低圧復水ポンプ12、復水ろ過
装置15、復水脱塩装置16、高圧復水ポンプ17、低
圧給水加熱器18、給水ポンプ19、高圧給水加熱器2
0を経て原子炉圧力容器1に至る復水・給水系が設けて
あることは従来の沸騰水型原子炉プラントと同様であ
る。前記の配管6は、この復水・給水系の復水ろ過装置
15の上流側配管に合流点Aにて接続されている。な
お、前記配管5は、原子炉圧力容器1から直接引き出し
たものに限らず、原子炉の再循環系の配管または残留熱
除去系の配管から分岐したものでもよい。
り説明する。本実施例では、沸騰水型原子炉の原子炉圧
力容器1から引き出した配管5に高温ろ過・脱塩装置2
(例えば、コバルト吸着合金を用いたフィルタ、又は電
磁フィルタ)を接続し、高温ろ過・脱塩装置2の下流側
に流量調整弁8を接続し、さらに流量調整弁8の下流側
にフラッシュタンク9を接続し、さらにフラッシュタン
ク9の液相部を配管6により復水ろ過・脱塩装置の上流
部分の配管に接続してある。7は逆止弁である。図示の
如く、蒸気タービン(不図示)からの蒸気を復水する復
水器11からは、順に、低圧復水ポンプ12、復水ろ過
装置15、復水脱塩装置16、高圧復水ポンプ17、低
圧給水加熱器18、給水ポンプ19、高圧給水加熱器2
0を経て原子炉圧力容器1に至る復水・給水系が設けて
あることは従来の沸騰水型原子炉プラントと同様であ
る。前記の配管6は、この復水・給水系の復水ろ過装置
15の上流側配管に合流点Aにて接続されている。な
お、前記配管5は、原子炉圧力容器1から直接引き出し
たものに限らず、原子炉の再循環系の配管または残留熱
除去系の配管から分岐したものでもよい。
【0010】本実施例の原子炉冷却材浄化系は、原子炉
圧力容器1から配管5、高温ろ過・脱塩装置2、調整弁
8、フラッシュタンク9、配管6を経て復水・給水系と
の合流点Aに至るまでの系と、さらに、合流点Aから、
復水・給水系との共通の部分としての、復水ろ過装置1
5、復水脱塩装置16、高圧復水ポンプ17、低圧給水
加熱器18、給水ポンプ19を経て原子炉圧力容器に至
る系と、から構成される。
圧力容器1から配管5、高温ろ過・脱塩装置2、調整弁
8、フラッシュタンク9、配管6を経て復水・給水系と
の合流点Aに至るまでの系と、さらに、合流点Aから、
復水・給水系との共通の部分としての、復水ろ過装置1
5、復水脱塩装置16、高圧復水ポンプ17、低圧給水
加熱器18、給水ポンプ19を経て原子炉圧力容器に至
る系と、から構成される。
【0011】図1により本実施例の動作を説明する。原
子炉圧力容器1内の不純物を含有した高圧の冷却材は、
低圧の復水系との圧力差を駆動源として配管5を通っ
て、高温で作用する高温ろ過・脱塩装置2へ流入する。
配管5を通って高温ろ過・脱塩装置2に流入する冷却材
の流量を調整するには、調整弁8を操作する。高温ろ過
・脱塩装置2では、放射化した金属イオンなどの陽イオ
ンおよび浮遊物等の異物を冷却材中から除去する。調整
弁8の下流側に設置したフラッシュタンク9において冷
却材に断熱変化を起こさせることによって、温度と圧力
を低下させる。この時、フラッシュタンク9内で発生し
た蒸気は配管10で復水器11に導いて凝縮させ、他
方、フラッシュタンク9の液相部からは液状の冷却材が
配管6、逆止弁7を通って復水ろ過装置15の上流側配
管に合流点Aから流入する。フラッシュタンク9におい
て冷却材の温度と圧力を低下させているため、調整弁8
によって減圧されても冷却材は復水系との合流点Aでは
フラッシング現象を発生せず、液の状態にて復水系に流
入する。
子炉圧力容器1内の不純物を含有した高圧の冷却材は、
低圧の復水系との圧力差を駆動源として配管5を通っ
て、高温で作用する高温ろ過・脱塩装置2へ流入する。
配管5を通って高温ろ過・脱塩装置2に流入する冷却材
の流量を調整するには、調整弁8を操作する。高温ろ過
・脱塩装置2では、放射化した金属イオンなどの陽イオ
ンおよび浮遊物等の異物を冷却材中から除去する。調整
弁8の下流側に設置したフラッシュタンク9において冷
却材に断熱変化を起こさせることによって、温度と圧力
を低下させる。この時、フラッシュタンク9内で発生し
た蒸気は配管10で復水器11に導いて凝縮させ、他
方、フラッシュタンク9の液相部からは液状の冷却材が
配管6、逆止弁7を通って復水ろ過装置15の上流側配
管に合流点Aから流入する。フラッシュタンク9におい
て冷却材の温度と圧力を低下させているため、調整弁8
によって減圧されても冷却材は復水系との合流点Aでは
フラッシング現象を発生せず、液の状態にて復水系に流
入する。
【0012】逆止弁7、配管6を通って復水ろ過装置1
5に流入した上記冷却材は、該復水ろ過装置15で再び
異物が除去され、続いて復水脱塩装置16に流入し、こ
こで陰イオンも含めた不純物イオンが除去される。この
ように浄化された冷却材は、高圧復水ポンプ17と低圧
給水加熱器18、および給水ポンプ19と高圧給水加熱
器20によって二段階に亘る加圧と加熱を受け、再び原
子炉圧力容器1内に給送される。
5に流入した上記冷却材は、該復水ろ過装置15で再び
異物が除去され、続いて復水脱塩装置16に流入し、こ
こで陰イオンも含めた不純物イオンが除去される。この
ように浄化された冷却材は、高圧復水ポンプ17と低圧
給水加熱器18、および給水ポンプ19と高圧給水加熱
器20によって二段階に亘る加圧と加熱を受け、再び原
子炉圧力容器1内に給送される。
【0013】図1に示した実施例の変形実施例として、
図2のように、高温ろ過・脱塩装置2の温度特性によっ
ては、フラッシュタンク9を高温ろ過・脱塩装置2の上
流側に配置してもよい。さらに、図2の如く、調整弁8
も高温ろ過・脱塩装置2の上流側に配置することによ
り、高温ろ過・脱塩装置2の設計圧力を低くすることが
可能である。実際に高圧力となる部分は、原子炉圧力容
器1から調整弁8の位置までであるから、調整弁8を上
流側に配置することにより、従来のように冷却材浄化系
全体を高圧の冷却材が流れる場合と比較して、高圧力仕
様の機器や配管の長さを大幅に減らすことが可能であ
る。
図2のように、高温ろ過・脱塩装置2の温度特性によっ
ては、フラッシュタンク9を高温ろ過・脱塩装置2の上
流側に配置してもよい。さらに、図2の如く、調整弁8
も高温ろ過・脱塩装置2の上流側に配置することによ
り、高温ろ過・脱塩装置2の設計圧力を低くすることが
可能である。実際に高圧力となる部分は、原子炉圧力容
器1から調整弁8の位置までであるから、調整弁8を上
流側に配置することにより、従来のように冷却材浄化系
全体を高圧の冷却材が流れる場合と比較して、高圧力仕
様の機器や配管の長さを大幅に減らすことが可能であ
る。
【0014】次に請求項3による本発明の1実施例を図
3により説明する。本実施例では、前記の請求項2によ
る本発明の実施例におけるフラッシュタンク9の代わり
に、調整弁8の上流側に、補機冷却系によって冷却され
る非再生熱交換器3を配置し、これにより、冷却材の温
度を低下させる。この結果として、冷却材の飽和圧力が
下がり、調整弁8によって急な減圧が起こってもフラッ
シング現象が発生せず、合流点Aには液状の冷却材が流
入する。
3により説明する。本実施例では、前記の請求項2によ
る本発明の実施例におけるフラッシュタンク9の代わり
に、調整弁8の上流側に、補機冷却系によって冷却され
る非再生熱交換器3を配置し、これにより、冷却材の温
度を低下させる。この結果として、冷却材の飽和圧力が
下がり、調整弁8によって急な減圧が起こってもフラッ
シング現象が発生せず、合流点Aには液状の冷却材が流
入する。
【0015】この実施例においても、変形実施例とし
て、調整弁8と非再生熱交換器3の位置を高温ろ過・脱
塩装置2の上流側に配置してもよい。それによって、高
温ろ過・脱塩装置2や非再生熱交換器3の動作圧力を下
げることが可能である。
て、調整弁8と非再生熱交換器3の位置を高温ろ過・脱
塩装置2の上流側に配置してもよい。それによって、高
温ろ過・脱塩装置2や非再生熱交換器3の動作圧力を下
げることが可能である。
【0016】請求項4による本発明の1実施例を図4に
より説明する。本実施例は、前記の図3に示した実施例
において、更に熱回収用の再生熱交換器30を非再生熱
交換器3の上流側あるいは下流側に設置したものであ
る。この再生熱交換器30は、制御棒駆動系の水圧制御
ユニット32へ供給する制御棒駆動水の加熱器として用
いることができる。この場合、制御棒駆動水の流量や加
熱温度によっては非再生熱交換器3を削除してよい。こ
のように制御棒駆動水の加熱によって熱を回収して原子
炉圧力容器1内に戻すことにより、プラントの熱効率の
改善を図ることができる。
より説明する。本実施例は、前記の図3に示した実施例
において、更に熱回収用の再生熱交換器30を非再生熱
交換器3の上流側あるいは下流側に設置したものであ
る。この再生熱交換器30は、制御棒駆動系の水圧制御
ユニット32へ供給する制御棒駆動水の加熱器として用
いることができる。この場合、制御棒駆動水の流量や加
熱温度によっては非再生熱交換器3を削除してよい。こ
のように制御棒駆動水の加熱によって熱を回収して原子
炉圧力容器1内に戻すことにより、プラントの熱効率の
改善を図ることができる。
【0017】
【発明の効果】本発明においては、原子炉圧力容器内の
冷却材は、該圧力容器内の高圧と復水・給水系の復水ろ
過・脱塩装置上流側の低圧との圧力差を駆動力として、
原子炉圧力容器から配管を通り、その途中にて高温ろ過
・脱塩装置で陽イオンと浮遊物が除去された後、復水・
給水系に流入し、復水ろ過・脱塩装置で陰イオンを含め
た不純物が除去され、復水ポンプ、給水ポンプおよび給
水加熱器で加圧と加熱を受けて原子炉圧力容器に戻る。
それ故に、本発明によれば、少なくとも原子炉冷却材浄
化系専用のポンプ、加熱用熱交換器、陰イオンを除去可
能なろ過・脱塩器およびそれらを接続する配管類を必要
としなくなる。しかも、蒸気タービンの復水器から復水
・給水系に流れる復水・給水の流量に比べて、前記配管
および高温ろ過脱塩装置を通って復水・給水系に流入す
る冷却材の流量は1%程度であり、従って、復水・給水
系は従来のものと同じでよい。結果として下記のような
効果が期待できる。
冷却材は、該圧力容器内の高圧と復水・給水系の復水ろ
過・脱塩装置上流側の低圧との圧力差を駆動力として、
原子炉圧力容器から配管を通り、その途中にて高温ろ過
・脱塩装置で陽イオンと浮遊物が除去された後、復水・
給水系に流入し、復水ろ過・脱塩装置で陰イオンを含め
た不純物が除去され、復水ポンプ、給水ポンプおよび給
水加熱器で加圧と加熱を受けて原子炉圧力容器に戻る。
それ故に、本発明によれば、少なくとも原子炉冷却材浄
化系専用のポンプ、加熱用熱交換器、陰イオンを除去可
能なろ過・脱塩器およびそれらを接続する配管類を必要
としなくなる。しかも、蒸気タービンの復水器から復水
・給水系に流れる復水・給水の流量に比べて、前記配管
および高温ろ過脱塩装置を通って復水・給水系に流入す
る冷却材の流量は1%程度であり、従って、復水・給水
系は従来のものと同じでよい。結果として下記のような
効果が期待できる。
【0018】(1)設置機器が少なくなり、プラントの
建設コストが低減する。
建設コストが低減する。
【0019】(2)従来の原子炉冷却材浄化系よりも構
成が単純となり、運転操作、保守作業が容易になり、ま
た、プラント熱効率も向上する。
成が単純となり、運転操作、保守作業が容易になり、ま
た、プラント熱効率も向上する。
【0020】(3)本発明では、従来の原子炉冷却材浄
化系に用いられている低温ろ過・脱塩装置が無いので、
そこから発生する放射性廃棄物は無く、また、本発明で
は高温ろ過・脱塩装置を前記配管中に設けているが、高
温ろ過・脱塩装置は一般に寿命が長いので放射性廃棄物
(使用済ろ過助材)の発生量は少い。従って、本発明で
は、従来の原子炉冷却材浄化系から発生する放射性廃棄
物に比べて放射性廃棄物が少くなり、また、ろ過助材の
交換作業時の被曝量が少くなる。
化系に用いられている低温ろ過・脱塩装置が無いので、
そこから発生する放射性廃棄物は無く、また、本発明で
は高温ろ過・脱塩装置を前記配管中に設けているが、高
温ろ過・脱塩装置は一般に寿命が長いので放射性廃棄物
(使用済ろ過助材)の発生量は少い。従って、本発明で
は、従来の原子炉冷却材浄化系から発生する放射性廃棄
物に比べて放射性廃棄物が少くなり、また、ろ過助材の
交換作業時の被曝量が少くなる。
【0021】(4)本発明では、従来のように系全体を
高圧の冷却材が流れる原子炉冷却材浄化系と比較して、
圧力の低い復水系へ冷却材を流入させるので、高圧仕様
の配管部分が短くなることにより、設計条件が緩和し、
配管部分や該配管に設ける機器の建設コストが下がると
いう効果が期待できる。特に、該配管中の流量調整弁を
上流側に設置する場合には、この効果は顕著になる。
高圧の冷却材が流れる原子炉冷却材浄化系と比較して、
圧力の低い復水系へ冷却材を流入させるので、高圧仕様
の配管部分が短くなることにより、設計条件が緩和し、
配管部分や該配管に設ける機器の建設コストが下がると
いう効果が期待できる。特に、該配管中の流量調整弁を
上流側に設置する場合には、この効果は顕著になる。
【図1】請求項2の本発明による一実施例の概略図。
【図2】請求項2の本発明による別の実施例の概略図。
【図3】請求項3の本発明による一実施例の概略図。
【図4】請求項4の本発明による一実施例の概略図。
【図5】高温フィルタを用いた冷却材浄化系の公知例の
概略図。
概略図。
1…原子炉圧力容器 2…高温ろ過・
脱塩装置 7…逆止弁 8…調整弁 9…フラッシュタンク 11…復水器 12…低圧復水ポンプ 15…復水ろ過
装置 16…復水脱塩装置 17…高圧復水
ポンプ 18…低圧給水加熱器 19…給水ポン
プ 20…高圧給水加熱器
脱塩装置 7…逆止弁 8…調整弁 9…フラッシュタンク 11…復水器 12…低圧復水ポンプ 15…復水ろ過
装置 16…復水脱塩装置 17…高圧復水
ポンプ 18…低圧給水加熱器 19…給水ポン
プ 20…高圧給水加熱器
Claims (4)
- 【請求項1】 発電用蒸気タービンからの蒸気を復水す
る復水器と、その下流に接続された、復水ポンプ、復水
ろ過・脱塩装置、給水ポンプおよび給水加熱器を含む復
水・給水系とを備えた沸騰水型原子炉において、一端が
原子炉圧力容器内部の冷却材が存在する部分に接続され
他端が前記復水・給水系の復水ろ過・脱塩装置の上流側
の部分に接続された配管を設け、上記配管の途中には、
上記配管内を流れる高温の冷却材中から陽イオンと浮遊
物を除去可能な高温ろ過・脱塩装置と、上記配管内を流
れる冷却材の流量を調整可能な流量調整弁とを設けたこ
とを特徴とする沸騰水型原子炉の冷却材浄化系。 - 【請求項2】 上記流量調整弁の下流側にて上記配管の
途中にフラッシュタンクを備えた請求項1の沸騰水型原
子炉の冷却材浄化系。 - 【請求項3】 上記流量調整弁の上流側にて上記配管の
途中に上記配管内を流れる冷却材からの熱除去が可能な
熱交換器を備えた請求項1または2の沸騰水型原子炉の
冷却材浄化系。 - 【請求項4】 上記配管の途中に、上記配管内を流れる
冷却材からの熱回収用の熱交換器を備えた請求項1、2
又は3の沸騰水型原子炉の冷却材浄化系。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04039557A JP3075627B2 (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | 沸騰水型原子炉の冷却材浄化系 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04039557A JP3075627B2 (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | 沸騰水型原子炉の冷却材浄化系 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05240996A JPH05240996A (ja) | 1993-09-21 |
JP3075627B2 true JP3075627B2 (ja) | 2000-08-14 |
Family
ID=12556376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04039557A Expired - Fee Related JP3075627B2 (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | 沸騰水型原子炉の冷却材浄化系 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3075627B2 (ja) |
-
1992
- 1992-02-26 JP JP04039557A patent/JP3075627B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05240996A (ja) | 1993-09-21 |
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Date | Code | Title | Description |
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