以下、本発明の一実施形態を図1〜図14(B)に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのフルカラー画像形成装置100の概略構成が示されている。
図1に示されるフルカラー画像形成装置100は、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)を重ね合わせてカラー画像を形成する装置であり、光走査装置900、4個の感光体ドラム(901a、901b、901c、901d)、4個の帯電チャージャ(902a、902b、902c、902d)、4個の現像ローラ(903a、903b、903c、903d)、4個のトナーカートリッジ(904a、904b、904c、904d)、4個のクリーニングケース(905a、905b、905c、905d)、転写ベルト906、給紙トレイ907、給紙コロ908、レジストローラ対909、転写チャージャ913、定着ローラ910、排紙トレイ911、排紙ローラ912及び位置検出装置913などを備えている。
感光体ドラム901a、帯電チャージャ902a、現像ローラ903a、トナーカートリッジ904a、及びクリーニングケース905aは、組として使用され、イエローのトナー画像を形成する画像形成ステーションを構成している。
感光体ドラム901b、帯電チャージャ902b、現像ローラ903b、トナーカートリッジ904b、及びクリーニングケース905bは、組として使用され、マゼンダのトナー画像を形成する画像形成ステーションを構成している。
感光体ドラム901c、帯電チャージャ902c、現像ローラ903c、トナーカートリッジ904c、及びクリーニングケース905cは、組として使用され、シアンのトナー画像を形成する画像形成ステーションを構成している。
感光体ドラム901d、帯電チャージャ902d、現像ローラ903d、トナーカートリッジ904d、及びクリーニングケース905dは、組として使用され、ブラックのトナー画像を形成する画像形成ステーションを構成している。
すなわち、フルカラー画像形成装置100は、4つの画像形成ステーションを有している。
各感光体ドラムは、転写ベルト906の移動方向(ここでは、X軸方向)に沿って等間隔に配置されている。各感光体ドラムの表面には、それぞれ感光層が形成されている。ここでは、各感光体ドラムは、図1における面内で時計回り(矢印方向)に回転する。
各帯電チャージャは、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置900は、上位装置(例えば、パソコン)90からのカラー画像情報(イエロー画像情報、マゼンタ画像情報、シアン画像情報、ブラック画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光ビームを、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。ところで、感光体ドラムの長手方向(回転軸に沿った方向、ここではY軸方向)は「主走査方向」と呼ばれ、感光体ドラムの回転方向は「副走査方向」と呼ばれている。なお、以下では、主走査方向の走査において、走査開始位置から走査終了位置に向かう方向を「走査方向」という。また、各感光体ドラムにおける走査開始位置から走査終了位置までの主走査方向の走査領域のうち、潜像が形成される領域を「画像形成領域」ともいう。この光走査装置900の構成については後述する。
トナーカートリッジ904aにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ903aに供給される。トナーカートリッジ904bにはマゼンダトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ903bに供給される。トナーカートリッジ904cにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ903cに供給される。トナーカートリッジ904dにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ903dに供給される。
各現像ローラは、回転に伴ってその表面に、対応するトナーカートリッジから供給されたトナーが帯電されて薄く均一に付着する。また、各現像ローラには、対応する感光体ドラムにおける帯電している部分(光が照射されなかった部分)と帯電していない部分(光が照射された部分)とで互いに逆方向の電界が生じるような電圧が印加されている。そして、この電圧によって、各現像ローラの表面に付着しているトナーは、対応する感光体ドラムの表面の光が照射された部分にだけ付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着された像(以下、「トナー画像」という。)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト906の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、タイミングを合わせて転写ベルト906上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ907には転写対象物としての記録紙が格納されている。この給紙トレイ907の近傍には給紙コロ908が配置されており、該給紙コロ908は、記録紙を給紙トレイ907から1枚づつ取り出し、レジストローラ対909に搬送する。該レジストローラ対909は、副走査方向の記録開始タイミングに合わせて記録紙を転写ベルト906に向けて送り出す。そして、転写チャージャ913により転写ベルト906上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ910に送られる。
この定着ローラ910では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ912を介して排紙トレイ911に送られ、排紙トレイ911上に順次スタックされる。
各クリーニングケースは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。なお、除去された残留トナーは、再度利用されるようになっている。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電チャージャの位置に戻る。
位置検出装置913は、感光体ドラム901aの+X側の近傍で、転写ベルト906に対向する位置に配置され、転写ベルト906上に形成されたトナーパッチ(特許第3644923号公報参照)に基づいて光スポットの位置情報が含まれる信号を出力する。
この位置検出装置913は、一例として図2に示されるように、3個の位置検出センサ(913a、913b、913c)を有している。そして、各位置検出センサは、それぞれ、転写ベルト906に向けて照明光を照射するLED素子と、該LED素子からの光を転写ベルト906の表面に集光する集光レンズと、転写ベルト906で反射された光(反射光)を集光する集光レンズと、該集光レンズで集光された反射光を受光するフォトセンサと、を含んで構成されている。各フォトセンサは、それぞれ受光光量に応じた光電変換信号を出力する。
《光走査装置》
次に、前記光走査装置900の構成について用いて説明する。
この光走査装置900は、図3に示されるように、4個の光源ユニット(250a、250b、250c、250d)、ポリゴンミラー213、レンズ218、4個の折り返しミラー(224a、224b、224c、224d)、4個のレンズ(220a、220b、220c、220d)、4個のハーフミラー(227a、227b、227c、227d)、8個の光検知センサ(302a、302b、302c、302d、303a、303b、303c、303d)、液晶偏向素子305、ビーム偏向回路350(図3では図示省略)及び処理回路815などを備えている。
光源ユニット250aは、半導体レーザ、カップリングレンズ、及びシリンドリカルレンズを有し、イエロー画像情報に応じて変調された光ビームを出射する。光源ユニット250bは、半導体レーザ、カップリングレンズ、及びシリンドリカルレンズを有し、マゼンタ画像情報に応じて変調された光ビームを出射する。光源ユニット250cは、半導体レーザ、カップリングレンズ、及びシリンドリカルレンズを有し、シアン画像情報に応じて変調された光ビームを出射する。光源ユニット250dは、半導体レーザ、カップリングレンズ、及びシリンドリカルレンズを有し、ブラック画像情報に応じて変調された光ビームを出射する。
各半導体レーザから放射された光ビームは、対応するカップリングレンズにより、以後の光学系に適合する光束形態、例えば、平行光束あるいは弱い発散性もしくは集束性の光束に変換され、対応するシリンドリカルレンズにより副走査方向に対応する方向に集束され、ポリゴンミラー213の偏向反射面近傍に、主走査方向に対応する方向に長い線像として結像される。
各半導体レーザは、一例として図4に示されるように、それぞれ互いにほぼ同じ発光特性を有する36個の発光部を有する、いわゆる面発光レーザである。
36個の発光部は、副走査方向に対応する方向(以下、便宜上「dir_sub方向」ともいう)と、該dir_sub方向とは異なる方向であり、かつ主走査方向に対応する方向(以下、便宜上「dir_main方向」ともいう)に対して角度θ(0度<θ<90度)だけ傾斜した方向(以下、便宜上「α方向」ともいう)と、にそれぞれ沿って二次元的に配列されている。ここでは、一例として、α方向に並ぶ発光部列の数を6列(図4における紙面上から下に向かって順に「A列〜F列」とする)、dir_sub方向に並ぶ発光部列の数を6列(図4における紙面左から右に向かって順に「第1列〜第6列」とする)、としている。そこで、以下では、例えば、B列で第3列目の発光部をB3発光部、F列で第6列目の発光部をF6発光部と呼ぶこととする。また、dir_sub方向については、図4における紙面上側から下側に向かう方向を+方向といい、α方向については、図4における紙面左側から右側に向かう方向を+方向というものとする。また、36個の発光部は、dir_main方向及びdir_sub方向のいずれの方向においても、それぞれ等間隔に配置されている。従って、α方向においても、各発光部は等間隔に並んでいる。
なお、感光体ドラムの表面に形成される潜像の副走査方向における画素密度を4800dpiとすると、dir_sub方向の発光部間隔は約5μmである。また、1つの発光部からの光ビームのビーム径は、dir_sub方向及びdir_main方向いずれも60μmであるものとする。
ポリゴンミラー213は、4段構造の6面ミラーで構成されている。1段目の6面ミラーでは光源ユニット250dから光が偏向され、2段目の6面ミラーでは光源ユニット250cからの光が偏向され、3段目の6面ミラーでは光源ユニット250bから光が偏向され、4段目の6面ミラーでは光源ユニット250aから光が偏向される。ポリゴンミラー213は、高速回転による騒音が外部に漏れないようにするため、ハウジング(図示省略)内に略密閉されている。このハウジングには窓ガラス215が設けられており、各光源ユニットからの光は窓ガラス215を介して入射し、ポリゴンミラー213で偏向された光は窓ガラス215を介して出射するように配置されている。
レンズ218は、ポリゴンミラー213の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速に移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。ここでは、レンズ218は、主走査方向にパワーを有し、副走査方向にはノンパワーとしている。このレンズ218では、+Z方向に、イエローに対応した光ビームの入射位置、マゼンタに対応した光ビームの入射位置、シアンに対応した光ビームの入射位置、ブラックに対応した光ビームの入射位置、の順となっている。
各光検知センサは、それぞれ固定用基板に実装、固定されている。各光検知センサは、対応する感光体ドラム面上を走査する光ビームの副走査方向の位置に関する情報を含む信号、及び主走査方向の同期信号を出力する。
光源ユニット250aから出射された光ビームは、ポリゴンミラー213、レンズ218、折り返しミラー224a、及びレンズ220aを介してハーフミラー227aに入射する。ハーフミラー227aを透過した光ビームは、感光体ドラム901a上にスポット状に結像する。ここでは、光ビームは+Y方向に感光体ドラム901a上を走査する。そして、感光体ドラム901aがその回転中心軸を中心に回転することにより、主走査方向に直交する方向の走査すなわち副走査が行われる。画像形成領域の走査以前にハーフミラー227aで反射された光ビームは、光検知センサ302a上を走査する。また、画像形成領域の走査以後にハーフミラー227aで反射された光ビームは、光検知センサ303a上を走査する。すなわち、光検知センサ302aと光検知センサ303aは組として用いられる光検知センサである。
光源ユニット250bから出射された光ビームは、ポリゴンミラー213、レンズ218、折り返しミラー224b、及びレンズ220bを介してハーフミラー227bに入射する。ハーフミラー227bを透過した光ビームは、感光体ドラム901b上にスポット状に結像する。ここでは、光ビームは+Y方向に感光体ドラム901b上を走査する。そして、感光体ドラム901bがその回転中心軸を中心に回転することにより、副走査が行われる。画像形成領域の走査以前にハーフミラー227bで反射された光ビームは、光検知センサ302b上を走査する。また、画像形成領域の走査以後にハーフミラー227bで反射された光ビームは、光検知センサ303b上を走査する。すなわち、光検知センサ302bと光検知センサ303bは組として用いられる光検知センサである。
光源ユニット250cから出射された光ビームは、ポリゴンミラー213、レンズ218、折り返しミラー224c、及びレンズ220cを介してハーフミラー227cに入射する。ハーフミラー227cを透過した光ビームは、感光体ドラム901c上にスポット状に結像する。ここでは、光ビームは+Y方向に感光体ドラム901c上を走査する。そして、感光体ドラム901cがその回転中心軸を中心に回転することにより、副走査が行われる。画像形成領域の走査以前にハーフミラー227cで反射された光ビームは、光検知センサ302c上を走査する。また、画像形成領域の走査以後にハーフミラー227cで反射された光ビームは、光検知センサ303c上を走査する。すなわち、光検知センサ302cと光検知センサ303cは組として用いられる光検知センサである。
光源ユニット250dから出射された光ビームは、ポリゴンミラー213、レンズ218、折り返しミラー224d、及びレンズ220dを介してハーフミラー227dに入射する。ハーフミラー227dを透過した光ビームは、感光体ドラム901d上にスポット状に結像する。ここでは、光ビームは+Y方向に感光体ドラム901d上を走査する。そして、感光体ドラム901dがその回転中心軸を中心に回転することにより、副走査が行われる。画像形成領域の走査以前にハーフミラー227dで反射された光ビームは、光検知センサ302d上を走査する。また、画像形成領域の走査以後にハーフミラー227dで反射された光ビームは、光検知センサ303d上を走査する。すなわち、光検知センサ302dと光検知センサ303dは組として用いられる光検知センサである。
4個のレンズ(220a、220b、220c、220d)は、主走査方向にレンズ218よりも小さなパワーを有し、副走査方向にパワーを有している。
レンズ218及び4個のレンズ(220a、220b、220c、220d)の材料としては、非球面を形成することが容易で低コストなプラスチックが用いられる。具体的には、吸水性が低く、透明性が高く、成形性に優れたポリカーボネートあるいはポリカーボネートを主成分とする樹脂が好適である。
なお、ここでの位置ずれは、感光体ドラムの表面に形成される潜像の位置ずれを意味し、レンズ218の特性に起因する走査ムラ、ポリゴンミラー213における偏向反射面のいわゆる面倒れや、偏向反射面の回転軸からの距離のばらつき、ポリゴンミラー213の回転ムラ、半導体レーザから出射されるレーザ光の波長変動などによって生じるものである。そして、以下では、便宜上、主走査方向の位置ずれを「主走査方向ずれ」ともいい、副走査方向の位置ずれを「副走査方向ずれ」ともいう。
《液晶偏向素子》
液晶偏向素子305は、レンズ218の直後に配置されている。この場合には、液晶偏向素子305の位置がレンズ218に近いほど、副走査方向にパワーを有するレンズから遠くなり、副走査方向ずれの最大補正量を大きくすることができる。また、液晶偏向素子305の位置がレンズ218に近いほど、液晶偏向素子305の主走査方向の全長を短くすることが可能となり、材料の歩留まりも向上し安価に作成できる利点がある。
液晶偏向素子305は、一例として図5に示されるように、ブラックに対応した光ビーム(以下、便宜上「ブラックビーム」ともいう)が入射される部分領域305K、シアンに対応した光ビーム(以下、便宜上「シアンビーム」ともいう)が入射される部分領域305C、マゼンタに対応した光ビーム(以下、便宜上「マゼンダビーム」ともいう)が入射される部分領域305M、及びイエローに対応した光ビーム(以下、便宜上「イエロービーム」ともいう)が入射される部分領域305Yを有している。
各部分領域は、主走査方向が長手方向となるように形成され、主走査方向の長さは少なくとも画像形成領域をカバーできるように設定され、副走査方向の長さは少なくとも光ビームの副走査方向の幅をカバーできるように設定されている。特に副走査方向の長さは、光走査装置を構成する各素子の位置や寸法のばらつき(誤差)による光ビームのけられを考慮して、入射される光ビームの副走査方向の幅よりも少なくとも2mm大きくなるように設定されている。
部分領域305C、部分領域305M、及び部分領域305Yは、一例として、それぞれ主走査方向に10の区間(区間1〜区間10)に略均等(分割幅:W)に分割されている。また、ここでは一例として1区間内はさらに略均等に5つの部分区間に分割されている。なお、区間の数はレンズの特性に応じて設定される。図6(A)における枠311内を拡大したものが図6(B)に示されている。このように、区間内を分割することにより、区間の境界部における光ビームのプロファイルの劣化を目立たなくすることができる。
図6(A)における符号312は、液晶偏向素子305に入射する光ビームの断面を示している。この断面312は、光源ユニットのシリンドリカルレンズの作用によって主走査方向に長い線状になっている。そこで、1区間の幅は、入射する光ビームの主走査方向の幅L(以下、便宜上「ビーム幅L」という)よりも広くなるように設定されている。仮に、1区間の分割幅Wがビーム幅Lよりも狭いと、液晶偏向素子305で偏向された光ビームが副走査方向に分離され、光ビームが劣化する。
光ビームは、複数の部分区間からなる領域に入射する。隣接する部分区間との境界の幅は、ビーム幅Lの1/50以下となるように設定され、かつ境界線全数の幅の合計がビーム幅Lの1/10以下になるように設定されている。なお、部分区間の境界では、入射する光ビームは偏向されない。
ここでは、L=10mmであり、境界の幅は0.2mmであり、光ビームが主走査方向に4つの境界幅を跨ぐという設計になっている。この場合には、部分区間の境界の幅はビーム幅Lの1/50(=0.2mm/10mm)であり、境界線全数の幅の合計はビーム幅Lの1/12.5(=0.2mm×4/10mm)である。境界の幅がこれ以上になると、液晶偏向素子305で偏向された光ビームのプロファイルが劣化し、感光体ドラムに結像する光スポット径が太る等の不都合が発生する。
また、図6(B)に示されるように、部分領域305Cにおける部分区間の境界、部分領域305Mにおける部分区間の境界、及び部分領域305Yにおける部分区間の境界は、主走査方向における位置が互いに異なるように配置されている。仮に、各部分領域における部分区間の境界位置が主走査方向において互いに同じであれば、補正による光ビームの偏向角度が大きい場合に、各部分領域に入射した光ビームの走査線は、それぞれ主走査方向における同じ位置で分断され、形成される画像において主走査方向の同じ箇所にスジが発生する。部分区間の境界位置のずれ量は、少なくとも感光体ドラムに結像する光スポットの径(1/e2)以上が必要である。具体的には、ばらつきを考慮して50μm以上とするのが好適である。一方、ずれ量の上限は、分割幅Wの1/2である。仮に、分割幅Wと同じとすると、境界位置が一致してしまう。なお、各部分領域における部分区間の境界位置をずらす方法としては、配線パターンで行うことが好適である。配線パターンであれば、大量生産する際にも安定したずれ量が確保され、品質のばらつきが少ない。
各部分区間は、それぞれ図7に示されるように、対向して互いに平行に配置されたレーザ透過部材(例えば、透過率の高い樹脂、ガラスなど)403、該レーザ透過部材403の対向する面側に一体に配置された一対の透明電極405、この一対の透明電極405の対向する面側に一体に配置された一対の配向膜407、この一対の配向膜407間に所定の隙間を形成するスペーサ408、配向膜407とスペーサ408とで形成される空間内に液晶材が充填されることによって形成された液晶層409、を有している。
各部分区間におけるレーザ透過部材403は一体化され、透明電極405の一方は接地電極として共通化されている。一対の透明電極405の間には駆動回路401から電圧が印加される。この印加電圧を制御することにより、一例として図8に示されるように、入射光の入射角度に対して、出射光の出射角度を変更することができる。
一方、部分領域305Kは、入射光をそのまま透過させる。すなわち、部分領域305Kは、いわゆる「素通し領域」である。従って、ここでは、ブラックビームの走査線曲がりを基準として、イエロービーム、マゼンタビーム、及びシアンビームの各走査線曲がりを補正する。なお、部分領域305Kに他の部分領域と同様に液晶層を構成し、ブラックビームの走査線曲がりを補正することも可能であるが、そのためには、電極及び駆動回路が更に必要となるため、消費電力の増加や製造コストの上昇を招く。
また、各部分領域における光ビームの偏向角は、駆動電圧の波形、波高値及びパルス幅のデューティの少なくともいずれかにより制御することができる。
《処理回路》
前記処理回路815は、図9に示されるように、4つの光源制御回路(815a、815b、815c、815d)を有している。
光源制御回路815aは、イエロー画像情報、光検知センサ302aの出力信号、光検知センサ303aの出力信号、及び位置検出装置913の出力信号などに基づいて光源ユニット250aを制御する。
光源制御回路815bは、マゼンダ画像情報、光検知センサ302bの出力信号、光検知センサ303bの出力信号、及び位置検出装置913の出力信号などに基づいて光源ユニット250bを制御する。
光源制御回路815cは、シアン画像情報、光検知センサ302cの出力信号、光検知センサ303cの出力信号、及び位置検出装置913の出力信号などに基づいて光源ユニット250cを制御する。
光源制御回路815dは、ブラック画像情報、光検知センサ302dの出力信号、光検知センサ303dの出力信号、及び位置検出装置913の出力信号などに基づいて光源ユニット250dを制御する。
各光源制御回路は、ほぼ同様な回路構成を有している。そこで、以下では、光源制御回路815cについて説明する。
光源制御回路815cは、一例として図10に示されるように、信号調整回路28、書込制御回路30、画像処理回路40、及び光源駆動回路50などを有している。
画像処理回路40は、上位装置90からのマゼンダ画像情報に基づいて、マゼンダの画像データを生成する。
信号調整回路28は、光検知センサ302cの出力信号を増幅、2値化して信号S302cを生成する。また、信号調整回路28は、光検知センサ303cの出力信号を増幅、2値化して信号S303cを生成する。さらに、信号調整回路28は、位置検出装置913の各位置検出センサの出力信号を増幅、2値化して信号S913a〜S913cを生成する。
書込制御回路30は、画像処理回路40からの画像データを各画素に割り当てて変調データを生成し、該変調データをシリアル信号として出力する。ここでは、光源ユニット250cの各半導体レーザに対応した複数のシリアル信号が出力される。このとき、書込制御回路30は、信号S302c及び信号S303cの少なくとも一方に基づいて主走査方向の同期をとる。また、書込制御回路30は、信号S913a〜S913cに基づいて画素クロックの調整などを行う。
光源駆動回路50は、書込制御回路30からのシリアル信号に基づいて光源ユニット250cの駆動信号を生成する。ここでは、光源ユニット250cの各半導体レーザに対応した複数の駆動信号が生成される。
《ビーム偏向回路》
前記ビーム偏向回路350は、液晶偏向素子305を介して各光ビームの副走査方向ずれを補正する回路であり、一例として図11に示されるように、信号調整回路352、副走査方向ずれ検出回路354、及び駆動信号生成回路356を有している。
信号調整回路28は、光検知センサ302a〜302dの出力信号を増幅、2値化して信号S302a〜S302dを生成する。また、信号調整回路28は、光検知センサ303a〜303dの出力信号を増幅、2値化して信号S303a〜S303dを生成する。
副走査方向ずれ検出回路354は、信号S302a、信号S303a、信号S302d、及び信号S303dに基づいて、ブラックビームに対するイエロービームの副走査方向ずれを検出し、その検出結果が含まれる信号Smyを出力する。また、副走査方向ずれ検出回路354は、信号S302b、信号S303b、信号S302d、及び信号S303dに基づいて、ブラックビームに対するマゼンダビームの副走査方向ずれを検出し、その検出結果が含まれる信号Smmを出力する。さらに、副走査方向ずれ検出回路354は、信号S302c、信号S303c、信号S302d、及び信号S303dに基づいて、ブラックビームに対するシアンビームの副走査方向ずれを検出し、その検出結果が含まれる信号Smcを出力する。
駆動信号生成回路356は、信号Smyに基づいて、液晶偏向素子305の部分領域305Yに印加する電圧に対応する駆動信号Sdyを生成する。また、駆動信号生成回路356は、信号Smmに基づいて、液晶偏向素子305の部分領域305Mに印加する電圧に対応する駆動信号Sdmを生成する。さらに、駆動信号生成回路356は、信号Smcに基づいて、液晶偏向素子305の部分領域305Cに印加する電圧に対応する駆動信号Sdcを生成する。ここで生成された各駆動信号は、それぞれ液晶偏向素子305に出力される。
本実施形態では、各光ビームの副走査方向ずれを検出する際に、一例として図12に示されるように、各光源ユニットにおけるA6発光部、B1発光部、B6発光部、C2発光部、C6発光部、D3発光部、D6発光部、E4発光部、E6発光部、F5発光部、及びF6発光部、をほぼ同時に発光する。すなわち、dir_sub方向に並ぶ6個の発光部(A6発光部、B6発光部、C6発光部、D6発光部、E6発光部、F6発光部)と、dir_sub方向及びdir_main方向のいずれとも異なる方向に並ぶ5個の発光部(B1発光部、C2発光部、D3発光部、E4発光部、F5発光部)とがほぼ同時に発光される。これにより、一例として図13に示されるように、略V字型の発光パターンが各光検知センサ上を移動する。
そして、副走査方向ずれ検出回路354は、一例として図14(A)及び図14(B)に示されるように、2つのパルス間の時間を計測し、光ビームの副走査方向における位置を求める。そして、イエロービームの位置とブラックビームの位置との差から、ブラックビームに対するイエロービームの副走査方向ずれを検出し、マゼンダビームの位置とブラックビームの位置との差から、ブラックビームに対するマゼンダビームの副走査方向ずれを検出し、シアンビームの位置とブラックビームの位置との差から、ブラックビームに対するシアンビームの副走査方向ずれを検出する。このとき、組として用いられる2つの光検知センサの一方の検知結果のみを用いても良いし、両方の検知結果を用いても良い。
このように、略V字型の発光パターンが光検知センサ上を移動するため、光検知センサに用いる受光素子としては、廉価な1個タイプの受光素子が利用できる。その結果、廉価で色ずれの少ない高品位な画像形成装置が実現できる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光走査装置900では、ポリゴンミラー213によって偏向手段が実現され、8個の光検知センサ(302a、302b、302c、302d、303a、303b、303c、303d)によって光ビーム検知手段が実現されている。また、ビーム偏向回路350の副走査方向ずれ検出回路354によって位置検出手段が実現され、駆動信号生成回路356によって液晶偏向素子305にシフト量に応じた電気信号を供給する駆動信号生成手段が実現されている。
また、本実施形態に係るフルカラー画像形成装置100では、各感光体ドラムによって走査対象物が実現され、各帯電チャージャと各現像ローラと各トナーカートリッジと転写チャージャ913と定着ローラ910とによって転写装置が実現されている。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置900によると、dir_sub方向と該dir_sub方向及びdir_main方向のいずれとも異なるα方向とにそれぞれ沿って二次元的に配列されている36個の発光部をそれぞれ有する4個の光源ユニット(250a、250b、250c、250d)と、各光源ユニットからの複数の光ビームを偏向するポリゴンミラー213と、前記36個の発光部のうち、dir_sub方向(第1の方向)に並ぶ6個の発光部と、dir_sub方向及びdir_main方向のいずれとも異なる方向(第2の方向)に並ぶ5個の発光部から出射され、ポリゴンミラー213にて偏向された複数の光ビームを検知する8個の光検知センサ(302a、302b、302c、302d、303a、303b、303c、303d)を備えている。これにより、dir_sub方向に並ぶ発光部からの光ビームの検出結果と、dir_sub方向及びdir_main方向のいずれとも異なる方向に並ぶ発光部からの光ビームの検出結果とに基づいて、各感光体ドラムの表面上(被走査面上)における光ビームの副走査方向の位置を精度良く検出することが可能となる。
また、光検知センサを走査する光ビームは、画像形成領域の走査開始前の光ビーム、あるいは画像形成領域の走査終了後の光ビームであるため、光検知センサを走査する光ビームのビーム径は、画像形成領域に向かう光ビームのビーム径と必ずしも一致している必要は無く、主走査方向および副走査方向に一定であれば、すなわち温度変化等により変化しないものであれば良い。従って、所望のビーム径は画像領域領域に向かう光ビームのみで確保されれば良いため、光学素子の主走査方向端部での精度を緩和することが可能となり、小型化及び低コスト化を図ることが可能である。
また、本実施形態に係るフルカラー画像形成装置100によると、各感光体ドラムの表面上における光ビームの副走査方向の位置を精度良く検出することができる光走査装置900を備えているため、各感光体ドラムの表面上(被走査面上)を精度良く走査することが可能となり、結果として高品質の画像を形成することが可能となる。
なお、上記実施形態において、前記組として用いられる2つの光検知センサの温度差、例えば、光検知センサ302aと光検知センサ303aの温度差が5℃以上ある場合には、光検知センサ302aの固定用基板と光検知センサ303aの固定用基板を1枚の共通基板としても良い。その際の共通基板は、熱膨張率が1.0×10−5/℃以下の材質であることが好ましい。これにより、例えば、光検知センサの位置の変動、及び2つの光検知センサの相対位置関係の変動、により光ビームの位置の検出精度が低下する、という温度変動による悪影響を抑制することができる。
さらに、前記光検知センサをフォトダイオードで構成した場合に、複数の光検知センサ間に電気ノイズが発生するときは、前記固定用基板を非導電性とするのが良い。具体的には、ガラス(熱膨張率:0.5×10−5/℃)、アルミナ(熱膨張率:0.7×10−5/℃)、炭化珪素(熱膨張率:0.4×10−5℃)が好適である。なお、アルミ合金(熱膨張率:2.4×10−5/℃)は、温度変動により検出精度を低下させるおそれがある。
なお、上記実施形態において、前記光検知センサに代えて、一例として図15に示されるように、dir_sub方向を長手方向とする第1受光部と、dir_sub方向及びdir_main方向のいずれとも異なる方向を長手方向とする第2受光部と、を有する受光素子PD1と、前記第1受光部に平行で第1受光部に隣接する受光部と、前記第2受光部に平行で第2受光部に隣接する受光部と、を有する受光素子PD2とを備える光検出器(PDaとする)を用いても良い。この場合には、光検出器PDaは、受光素子PD1の出力信号に対して電流電圧変換及び電圧増幅を行うアンプ(AMP1)、受光素子PD2の出力信号に対して電流電圧変換及び電圧増幅を行うアンプ(AMP2)、及びAMP1の出力信号とAMP2の出力信号との比較結果を出力する比較器(CMP)を更に備えている。
図15における角度θは、0<θ<90なる条件を満たすように設定することによって所望の機能を発揮させることができるが、30°〜60°の範囲が好適である。図15では、最も好適な角度である45°に設定している。上記角度θが30°よりも小さいと、走査される光ビームに対して後述するの時間T1、T2の差が少なくなり、検出感度が悪くなる(図17参照)。一方、角度θが60°を超えると、dir_main方向の受光面の全幅Dに対するdir_sub方向の検出高さHが小さくなり、必要な検出高さHを確保しようとすると受光面の全幅Dが大きくなり、受光面が画像形成領域内に入り込むという問題や、あるいは走査光学系の有効領域を広く設定する必要があり、走査レンズが長大化してしまうという問題がある。検出高さHと受光面の全幅Dは各々H=1〜3mm、D=5mm以下に設定すれば、上記の問題が発生せず好適である。なお、θ=45°は上記の問題がバランスよく配分されていずれの問題も許容できる範囲におさまり、最も好適である。
この場合に、一例として図16(A)に示されるように、光ビームL1と該光ビームL1に対して時間T3だけ遅延した光ビームL2とが上記受光素子PD1及び受光素子PD2に入射すると、一例として図17にAで示されるような信号(CMP比較信号)が比較器から出力される。各受光素子はそれぞれ光ビームが横切る二つの受光部を有しているため、各受光素子からは1つの光ビームあたり2つのパルスを含む信号が出力される。その2つのパルスの時間間隔(T1あるいはT2)は、光ビームが走査される副走査方向の位置に比例する。図16(A)では、各受光素子の上寄りの位置を横切れば2つのパルスの時間間隔は短く、各受光素子の下寄りの位置を横切れば2つのパルスの時間間隔は長くなる。なお、T3は光ビームL1が走査されてから次に光ビームL2が走査されるまでの時間であり、少なくとも受光素子PD1にて光ビームL1が非検出状態になってから、光ビームL2が走査されるように設定されている。これは、受光素子PD1又はPD2の受光部で同時に複数の光ビームが受光されると誤検知の要因となるからである。
そこで、前記ビーム偏向回路350の副走査方向ずれ検出回路354は、時間T1に基づいて光ビームL1の副走査方向における位置を求め、時間T2に基づいて光ビームL2の副走査方向における位置を求める。更に、副走査方向ずれ検出回路354は、次の(1)式に基づいて、光ビームL1と光ビームL2との間隔ΔPを求める。なお、vは光ビームの走査速度である。
ΔP = v×(T2−T1)/tanθ ……(1)
そして、駆動信号生成回路356は、副走査方向ずれ検出回路354での検出結果に基づいて、光ビームL1の副走査方向における位置、光ビームL2の副走査方向における位置、及び光ビームL1と光ビームL2との間隔、の少なくともいずれかを補正する駆動信号を生成する。なお、上記(1)式におけるvおよびθは実質的には定数であるため、(T2−T1)の演算結果を用いて光ビームL1と光ビームL2との間隔を補正する駆動信号を生成してもよい。ここでは、駆動信号生成回路356によって液晶偏向素子305に間隔調整量に応じた電気信号を供給する駆動信号生成手段が実現されている。ところで、例えば、記録密度が1200dpiの場合、副走査方向のビーム間隔は約21μmである。
更に、一例として図16(B)に示されるように、光ビームL1と同一の発光部(便宜上、発光部Xとする)からの光ビームであり光ビームL1とはポリゴンミラー213における異なる偏向反射面で偏向された光ビームL3、及び光ビームL2と同一の発光部(便宜上、発光部Yとする)からの光ビームであり光ビームL2とはポリゴンミラー213における異なる偏向反射面で偏向された光ビームL4を用いても良い。ここでは、光ビームL3は光ビームL2に対して時間T4だけ遅延し、光ビームL4は光ビームL3に対して時間T3´だけ遅延しているものとする。光ビームL3及び光ビームL4が上記受光素子PD1及び受光素子PD2に入射すると、一例として図17にBで示されるような信号(CMP比較信号)が比較器から出力される。この場合に、副走査方向ずれ検出回路354は、時間T1と時間T1´とに基づいて発光部Xからの光ビームの副走査方向における位置を求め、時間T2と時間T2´とに基づいて発光部Yからの光ビームの副走査方向における位置を求めても良い。そして、副走査方向ずれ検出回路354は、例えば次の(2)式に基づいて、発光部Xからの光ビームと発光部Yからの光ビームとの間隔ΔPxyを求めても良い。
ΔPxy = v×{(T2−T2´)/2−(T1−T1´)/2}/tanθ …(2)
これにより、ポリゴンミラー213の面倒れやジターなどに起因する走査誤差成分の影響を少なくすることができる。なお、T4はT3よりも実質的に時間が長く、この間にデータ処理の演算を行っている。
また、この場合には、比較器の出力信号を前記各光源制御回路に供給し、主走査方向の同期信号として用いても良い。具体的には、図17におけるT1あるいはT1´を検知してから所定時間後に画像の書き込みを開始しても良い。
また、この場合に、3本以上の光ビームが受光素子PD1及び受光素子PD2に入射しても良い。ここでは、光ビームを2本ずつ組み合わせて、各組み合わせごとに上記(1)式に基づいて間隔を算出する。例えば、光ビームが3本のときは3回、4本のときは6回、上記(1)式に基づく演算を行う。
また、上記実施形態において、前記光検知センサに代えて、一例として図18に示されるように、dir_sub方向を長手方向とする第1受光部と、dir_sub方向及びdir_main方向のいずれとも異なる方向を長手方向とする第2受光部と、を有する受光素子PD1と、前記第1受光部と前記第2受光部との間に配置され、前記第1受光部に平行な辺と前記第2受光部に平行な辺とをそれぞれ一辺とする三角形状の受光部を有する受光素子PD2とを備える光検出器(PDbとする)を用いても良い。この場合には、光検出器PDbは、前記光検出器PDaと同様に、受光素子PD1の出力信号に対して電流電圧変換及び電圧増幅を行うアンプ(AMP1)、受光素子PD2の出力信号に対して電流電圧変換及び電圧増幅を行うアンプ(AMP2)、及びAMP1の出力信号とAMP2の出力信号との比較結果を出力する比較器(CMP)を更に備えている。
この場合に、一例として図19(A)に示されるように、前記光ビームL1及び光ビームL2が受光素子PD1及び受光素子PD2に入射すると、一例として図20にAで示されるような信号(CMP比較信号)が比較器から出力される。また、一例として図19(B)に示されるように、前記光ビームL3及び光ビームL4が受光素子PD1及び受光素子PD2に入射すると、一例として図20にBで示されるような信号(CMP比較信号)が比較器から出力される。そして、副走査方向ずれ検出回路354では、前記光検出器PDaのときと同様にして、各光ビームの副走査方向の位置及び間隔が求められる。
また、上記実施形態において、画像形成領域内での光量と光検知センサで必要な光量とが異なる場合には、各光源制御回路は、画像形成領域に向かう光ビームの光量と光検知センサに向かう光ビームの光量とがいずれも所望の光量となるように調整しても良い。これにより、光ビームの副走査方向の位置の検出精度を向上させることができる。
また、上記実施形態において、前記ハーフミラーに代えて、前記光検知センサを走査する光ビームの光路上に、該光ビームを光検知センサに向かう方向に反射する全反射ミラーを設けても良い。これにより、光検知センサで検知される光ビームの光量ロスを低減することができる。
また、上記実施形態において、複雑な走査線の曲がりが発生する場合や、各色毎に走査線の曲がりが相対的に異なる場合には、画像形成領域の両端のみではなく、画像形成領域内に向かう光ビームの一部を検知する光検知センサを更に設けても良い。
また、上記実施形態において、前記液晶変更素子305に代えて、光源ユニットから対応する感光体ドラムに至る光路上に配置された少なくとも一つの光学素子(例えば、走査レンズあるいはミラー)の姿勢を調整する姿勢調整機構を用いても良い。この場合には、前記駆動信号生成回路356は、前記副走査方向ずれ検出回路354での検出結果に基づいて、姿勢調整機構を駆動する駆動信号を生成することとなる。これにより、光ビームの副走査方向の位置及び2つの光ビームにおける副走査方向の間隔を補正することが可能である。
また、上記実施形態では、画像形成装置としてフルカラー画像形成装置100の場合について説明したが、これに限らず、例えばモノクロのレーザプリンタのように、1色の画像形成装置であっても良い。
100…フルカラー画像形成装置(多色画像形成装置)、213…ポリゴンミラー(偏向手段)、250a〜250d…光源ユニット、302a〜302d…光検知センサ(光ビーム検知手段)、303a〜303d…光検知センサ(光ビーム検知手段)、354…副走査方向ずれ検出回路(位置検出手段)、356…駆動信号生成回路(駆動信号生成手段)、900…光走査装置、901a〜901d…感光体ドラム(走査対象物)、902a〜902d…帯電チャージャ(転写装置の一部)、903a〜903d…現像ローラ(転写装置の一部)、904a〜904d…トナーカートリッジ(転写装置の一部)、910…定着ローラ(転写装置の一部)、913…転写チャージャ(転写装置の一部)。