JP4895640B2 - コンクリート製擬石ブロックの集合体付マット及びその施工方法 - Google Patents
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Description
そこで、本出願人は、施工表面で天然石模様の擬石の配置状況が不規則に見え、且つ、目地線も一直線的でなく不規則線を呈し施工面を流れる雨水などによって目地の土砂が流失しないように構成され草や小灌木が育生し自然破壊が最小限にとどまるように工夫したコンクリート製擬石ブロックを提供している(特許文献1)。また、天然石模様のコンクリート製擬石ブロックの護岸での施工を簡単にするために、擬石ブロックを小型にし、かつ、施工面における擬石の配置状況が不規則に見えるようにし、目地線も直線的でなく不規則線を呈し擬石ブロック表面を流れる雨水などによって目地の土砂が流失しないように工夫したコンクリート製擬石ブロックの集合体付のマットを提案している(特許文献2)。
また、ブロック相互の接合線が複雑になり現場で手でブロックを並べるのに手間取り、特に、特許文献2に示されるように、ブロックを小型にしてコンクリート製擬石ブロック集合体付マットとした場合の接合には、接合線が1cmでもずれると境目が目立ってしまい、ブロック集合体付マットとブロック集合体付マットのブロック集合体の接合面が複雑になると、一々、接合を手作業で確認しつつ行わなければならず、作業にてまどり作用効率からも問題点であった。
先行技術の特許文献3は、接合区画が単純となり、全体として接合線が目立つという問題点があった。また、ブロックがコンクリート製のため集合すると大きな重量となり、運搬や施工が厄介であり、擬石ブロック自体が大型であると折り曲げることが出来ないので、集合マットの取り扱いも厄介であるといった問題点があった。
特に、集合マット全体をより軽量にするために、擬石ブロックを従来よりも薄く(4cm程度)するとなると、擬石ブロックの外郭線や目地が擬石ブロックの表面に近くなり、より目立つことになるといった問題点があった。
なお、上記擬石ブロックの側面は多少の凸凹があるが、傾斜角度はその側面の平均的な面のマット面に対する角度である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のコンクリート製擬石ブロック集合体付マットにおいて、前記不規則な多角形からなる基本区画は、点対称である二種類の多角形であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のコンクリート製擬石ブロックにおいて、前記マットの擬石ブロックに基本区画が識別できるように予め識別印を施し、施工時に前記マットを切断して複数のマットを接合する際には、前記識別印から予め表示された基本区画の外郭線を探し出して、接合するマットの外郭線に合うように前記マットの端部を該外郭線に沿って切断して、互いのマット端部が合致する形状にすることを特徴とするコンクリート製擬石ブロックの集合体付マットの施工方法である。
請求項4の発明は、請求項1又は2に記載のコンクリート製擬石ブロックにおいて、前記マットの擬石ブロックについて、基本区画の沿った擬石ブロックの配列の施工図を予め作成し、施工時に前記マットを切断して複数のマットを接合する際には、接合するマットの外郭線に合うように、前記施工図から基本区画の外郭線を探し出して、前記マットの端部を該外郭線に沿って切断して互いのマット端部が合致する形状にすることを特徴とするコンクリート製擬石ブロックの集合体付マットの施工方法である。
また、擬石の基本区画自体も4辺以上の複雑な多角形としたので、基本区画自体も複雑となって自然の景観に調和するようになる。
更に、この集合体マットを複数枚を接合する際には、基本区画が識別できるように擬石ブロックに予め必要な識別印を施して表示、又は擬石ブロックに対応した施工図の表示に沿って切断すれば、現場での施工も容易となる。加うるに、接合面を主に45度、135度、平坦平面に構成できるので、斜面がガイドとなり、簡単に接合面を一致させ接合し易い。
[マット]
図4乃至図6に示すように、本実施例のマット1は、擬石ブロック2の底面に接する上面が、セメントなどのアルカリの化学反応に強いポリプロピレン繊維を配し、下面は強度のあるポリエステル繊維を配した複合素材の不織布で、さらに下面にはポリエステルのフィラメントを補強の為に混入したもので、マット1全体の厚さは3mm以上であり、図11に示すように、マットを湖や河川等に施工する際にはクレーン8でマット1ごと吊り上げたりするので、マット1の強度もコンクリート製擬石ブロック2の全体の重量に耐えるものでなければならず、縦方向の引張強度は2.94Kgf/5cmであり、引張伸度は15%以下であり、透水性は1×10−2cm/secの物性値のものを使用し、下面はポリエステル繊維が配されるが、この面は製造過程において表面側になり、マット製品として、施工の護岸においては裏面側となって護岸に接する面となる。
このマット1の擬石ブロック2の底面26に接するマット上面となる平面上には、4辺以上の窪みを有する不規則な多角形からなる基本区画3を設け、この基本区画の外郭線は45度の倍数の角度の傾きを有する直線からなり、且つ、該基本区画3は他の基本区画(図4.3’、3’’、4、4’・・)と密接して全体としてマット1を覆おう形状とする。
このマット1の平面上の基本となる基本区画3を、先ず、図1(a)で説明すると、第1の基本区画3は全体として横長の符号aからqを頂点とする16辺からなる不規則な多角形で、図1(a)に示すように、第1辺[ab]は矩形マット1の縦枠線11とは平行で0度の直線、第2辺[bc]は第1辺に対して45度の傾斜直線、第3辺[cd]は矩形マット1の縦枠線11とは直角の90度の直線(矩形マット1の横枠線12とは平行)、第4辺[de]は第1辺に対して135度の傾斜直線、第5辺[ef]は縦枠線11とは平行で0度の直線、第6辺[fg]は同様に135度の傾斜直線、第7辺[gh]は縦枠線11とは平行で0度の直線、第8辺[hi]は同様に135度の傾斜直線、第9辺[ij]は縦枠線11とは平行で0度の直線、第10辺[jk]は縦枠線11とは直角の90度の直線、第11辺[kl]は同様に135度の傾斜直線、第12辺[lm]は縦枠線11とは直角の90度の直線、第13辺[mn]は縦枠線11とは平行で0度の直線、第14辺[np]は同様に135度の傾斜直線、第15辺[pq]は縦枠線11とは平行で0度の直線、第16辺[qa]は同様に135度の傾斜直線である。
ここで、水平の第1辺[ab]と第13辺[nm]の長さを等しく、同様に第5辺[ef]と第7辺[ij]、直角の第3辺[cd]と第12辺[lm]、斜行の第6辺[fg]と第8辺[hi]、第14辺[np]と第16辺[qa]、第4辺[de]と第11辺[kl]の長さを等しくしておく。
第1の基本区画と第2の基本区画とが点対称、即ち、第1の基本区画を裏返した形状が第2の基本区画となることから、これらを合体した図2に示すように、第1の基本区画3の下側の第5辺[ef]に第2の基本区画4の第9辺[i'j']が密接し、同様に基本区画3の下側の第7辺[ij]に基本区画4の第5辺[e'f']が、基本区画3の第6辺[fg]に基本区画4の第8辺[h'i']が、基本区画3の第8辺[hi]に基本区画4の第6辺[f'g']が密接するようになる。
同様に、第2の基本区画4の下側の第13辺[m'n']に、次の第1の基本区画3’の第1辺[ab]が密接し、図4、図5に示すように、上下方向に隙間がなくマット1の地が露出しないように敷き詰められる。
また、左右方向にも、第1の基本区画の第12辺[lm]に、次の第1の基本区画3’’の第3辺[cd]が、第11辺[kl]に次の基本区画3’’の第4辺[de]が、第10辺[jk]に次の基本区画4’’第10辺[j'k']が密接し、左右方向に隙間がなくマット1の地が露出しないように敷き詰められる。
なお、マット1に擬石ブロック2を敷き詰める際には、二つの基本区画3,4に対応する予め複数の擬石ブロック2を制作し、この二つの基本区画3,4ごとの擬石ブロックを裏返して並べて、公知の固定手段、すなわち、接着材を擬石ブロック2の裏側に塗布してマットに固定する。
次に、二つの基本区画3,4に配置する擬石ブロック2について説明するが、まず、従来の擬石ブロックは必ず基盤部を設け該基盤部上に擬石を配置していたが、コンクリート製擬石ブロックの集合体付マットでは、擬石ブロック2を大量に集合するマット1であることから重量も大きくなるので、本発明では、従来の基盤部を廃止して直接擬石部だけとし、擬石ブロック2の全体を薄くしている。
基本区画と擬石ブロックの関係は、基本的には、二つの基本区画3,4の区画内に配置するのであれば、任意の数、配置、大きさ、高さの擬石ブロックであっても、マット1の切断や接合に支障を来すことはない。
また、基本区画3,4を一個の擬石ブロックとすることも可能であるが、大きすぎて折り曲げる箇所がないのでマット1の柔軟性が損なわれ、また、区画の外郭線が2種類だけなので全体として規則性が表れ、自然の景観に調和しなくなることもあるので、基本区画3,4内の擬石ブロック2は、数個の擬石ブロック2に分割する必要がある。なお、擬石ブロック2の境界線の目地部は斜面がマット1にまで達して、分割可能となっているが、この目地部は5〜6mmの間隔が雨水等の排水溝となっており、より自然の状態に近くしている。更に、擬石ブロック2がコンクリート製であることから、更に、擬石ブロック2を複数擬石型枠61(後述)で一括制作することから、目地部の間隔5はどうしても5〜6mm程度が必要となる。
しかし、単に、基本区画3,4内の同じ形が擬石ブロックの上面の平面形状とした場合には、基本区画3,4の外郭線が目立ってしまい不自然となる。そこで、本発明の実施例は、基本区画3,4の外郭線や基本区画3,4内の数個の擬石ブロック2の基盤2aの外郭線(目地)が目立たないように、即ち外郭線や目地が外殻線擬石ブロック2の上面2bの形状と同じにならないように、また、側面斜面が緩やかでも外郭線(目地)が目立つので、斜面の傾斜を急勾配(45℃以下)にしたものであり、このことを、図2及び図3を参照して説明する。
図2の基本区画3内には、比較的大型の擬石ブロック21,22、中型の擬石ブロック23、小型の擬石ブロック24,25が配置されている。この擬石ブロックの基盤2aの外郭は、なるべく相互の間隔が5mm程度で接するような形状で、外郭は直線からなる幾何学模様にするが、これは、コンクリート製擬石ブロック集合体付マットの運搬時や施工時において、図11に示すように、擬石ブロック基盤2aの縁の外郭がマット1の弯曲に伴い擦れ合うことから、複雑な曲線では壊れやすく、直線の組み合わせの方が強度が保てるからである。また、擬石ブロック2の基盤2aの外郭形状を直線からなる幾何学模様とする他の利点としては基本区画3,4内での型枠の設計や脱形が簡単となる。
本発明の特徴の1つは、基本区画3,4が直線の組み合わせであり、擬石ブロック2の基盤2aの外郭線(外郭形状)も直線の幾何学形状であっても、基本区画3,4の擬石ブロック2の上面2bは、基本区画3、4や基盤2aの直線からなる幾何学模様の形状とは異なった曲線を含む任意の複雑な形状とし、図3から明らかなように、擬石ブロック2の基盤2aでの擬石ブロックの立上りの縁と上面2bと縁を結ぶ側面2cのマット面2に対する傾斜角度(平均斜度)を急斜面である45度乃至80度とし、該側面2cが45度以下の緩斜面となってしまう場合には、従来の基盤部がないことから、側面中間に棚部2dを設けて棚部2d以外の側面2cの傾斜角度を急斜面である45度乃至80度として、間隔5を奥まった位置にして目立たせない外観形状にしたものである。
なお、前記「傾斜角度(平均斜度)」としたのは、当然のことながら擬石ブロック2の表面は凸凹であるので、おおよその斜面の傾斜、すなわち傾斜角度の平均が45度乃至80度であるという意味である。
すなわち、複雑な上面の平面形状(外郭形状)2bと、基本区画3、4や基盤2aの形状とを異ならせるために、必然的に擬石ブロック2の基盤2aと上面2cの縁とを結ぶ側面2cの傾斜角度は多様になるが、図3(c)から明らかのように、緩い斜面については棚部2dを設けることにより、全てのマット面2に対する斜面の傾斜を45度乃至80度とする必要がある。これは、傾斜角度が80度以上だと擬石ブロック2の型枠6からの脱形が困難となるばかりでなく、擬石ブロック2相互の目地が雨水の排水溝として機能しずらくなるからであり、45度以下の緩斜面となると基本区画3、4や基盤2aの外郭線(目地)が擬石ブロック2の表面近くに位置することになり目立ってしまい、自然に調和しなくなるからである。
なお、図1の基本区画4と図2下半分の基本区画4とは同じであり、この基本区画4内での擬石ブロック2についても、基本区画3内の擬石ブロックと技術的には同じ意味合いであるので省略する。
図2の上半分の基本区画3において、A−A線での断面図が図3(a)であり、B−Bの断面図が図3(b)であり、C−Cの断面図が図3(c)である。
ところで、本実施例のコンクリート製擬石ブロック集合体付マットは、集合マットであることから、出来るだけ個々の擬石ブロックを薄くして、マット全体の軽量化を図ったもので、従来のような複数の擬石ブロックの共通の基盤部を無くして、擬石ブロック2の高さを3〜5cm程度にしたもので、この低くなったために、擬石ブロックの外郭線(目地)が従来よりも目立つようになったために、本発明に想到したのであるが、基本区画3,4の外周擬石ブロック2や基本区画3,4内の数個の擬石ブロック2の相互の間隔5は、コンクリート製の擬石ブロック2の制作上の制約から6mm程度が必要となるが、間隔5が余り不均等であると擬石ブロック2をマット1に整列する際に固定がしづらいからである。なお、擬石ブロック2は軽量化の為には、なるべく薄くしたほうが良いが、3cm以下にすると擬石ブロック2表面には凸凹があることから割れやすく強度がなくなり、5cm以上にすると、コンクリート製擬石ブロック集合体付マット全体としてもかなり重くなるので、上記のように擬石ブロック2の高さは好ましくは3〜5cm程度でよく、さらに好ましくは4cm程度である。
次に、図3(b)に示すように、対向する斜面の一方が傾斜角度がやや緩やかな斜面である場合、大型擬石ブロック21の右側部分は、基盤2aの擬石ブロックの立上りの縁から上面2bの縁に亘ってほぼ平均角度72度程度で直線的な急斜面2c形成し、対する小型擬石ブロック24の左側部分は基盤2aの擬石ブロックの立上りの縁から緩斜面でほぼ平均角度50度程度で直線的な斜面(側面)2cを形成するが、図に示すように、角度50程度(45度以上)の急斜面では、擬石ブロック2の高さが4cm程度の低さでも間隔(目地)5は余り目立つことがない。
そこで、間隔(目地)の近傍での側面を急傾斜(平均70度、55度)にして、間隔5を奥に位置させ外部からは目立たないようにして、斜面中間に棚部2d、即ち途中に平坦部を設けて、基盤2aの縁から平面上では離れた位置の上面の平面形状2bの縁に再び急斜面を形成する。
そこで説明すると、大型擬石ブロック22の右側部分は、基盤(底面)2aからほぼ中間の高さに水平で平坦な中間棚部2dを設け、基盤2aでの擬石ブロックの立上りの縁から中間棚部2dの縁に亘ってほぼ平均角度70度程度で直線的な斜面2cを形成し、更に中間棚部2dの奥まった斜面立ち上がり部から、上面2bの縁に亘ってほぼ平均角度65度程度で直線的な斜面2cを形成し、対する小型擬石ブロック25の左側部分も基盤2aでの擬石ブロックの立上りの縁から中間高さでの中間棚部2dの縁に亘ってほぼ角度55度程度で直線的な急斜面2cを形成し、更に中間棚部2dの隅から上面2bの縁に亘ってほぼ角度62度程度で直線的な急斜面(側面)2c形成している。
このような斜面の構成により、擬石ブロック2の高さが4cm程度の低さでも間隔5が余り目立つことがない。
(1)まず、基本区画3内に所望の集合体の擬石ブロック2(21〜25)、ここでは擬石ブロック2の集合体の基盤2aの外郭形状をほぼ直線で区分けする。
(2)次に、各基盤2a内において、任意の複雑な擬石ブロック2の上面2bの形状を決定する。この際、擬石ブロック2の表面や上面2b形状も自然石に近くなるように曲線を多用して、なるべく自然に調和するように設計する。
(3)前記(2)での擬石ブロックの上面の平面形状は基盤の平面形状は、基盤の直線からなる幾何学模様の外郭形状とは、殆ど、異なった複雑な形状となるが、擬石ブロック2の基盤2aでの擬石ブロックの立上りの縁と上面2bの形状の縁とを結ぶ側面を設計していくが、この側面の傾斜角度を45度乃至80度の範囲で形成し、これに収まらないようであれば、図3(c)で説明したように、側面2cの中間に棚部2dを設けて、棚部2d以外の側面の傾斜角度を45乃至80度の範囲で形成する。
この際、全体として余りに不自然な形状になるのであれば、擬石ブロック2の基盤2aの区画形状、或いは、上面2bの形状を変更すればよい。
(4)以下、同様の作業を繰り返し、複雑で多用な斜面を形成して、より自然に調和した擬石ブロック2の集合体を形成していけばよい。
なお、この斜面の角度の設定は、基本区画3,4の外郭の集合体の擬石ブロックの斜面の形成も同じように形成する必要がある。
このように、各擬石ブロックの側面の傾斜を設定してすれば、基本区画の外郭、その区画内の擬石ブロックの境目の外郭線が目立つことがなく、目地も複雑となって、全体としても自然の景観に調和するようになる。
図4にはコンクリート製擬石ブロックの集合体付マット1の角部を示し、この全体を図5に示すが、マット1の両端部1a,1bが露出し、図11に示すように、この両端部1a,1bをクレーン等の運搬装置8の把持具81で把持して吊り下げて移動する。
ここで、集合体付マット1の擬石ブロック2の接合部分の端部の外郭線2X,2Yは、図4に示されるように、図4での横(2X)方向、及び、縦(2Y)方向で全て45度か135度の傾斜面と平坦面からなるので、この互いの斜面の角度が水平線(垂直線)に対して45度及び135度をなし、且つ、斜面を有する窪み部(2A)と対向する台形凸部(2B)を有しているから、図面左右側又は図面上下側からマット1の擬石ブロック2を配置した基本区画3,4での接合部(2X,2Y)がクレーン8で吊り下げられて移動し接近しても、この斜面窪み部(2A)がガイドとなって、スムースに所定の箇所に案内され、図6に示されるように、既に,護岸F等に敷かれたマット1(A)の横方向のマット重ね部1cの端部の外郭線2Yに、次の接合するマット1B(1C,1D)の外郭縁(擬石ブロック2)1dの外郭線2Yが合致し、施工後は他の擬石ブロック集合面と区別がつかない程度になる。
以上、接合する場合を説明したが、縦横方向ともに長すぎてマットを切断する場合には、逆に、上述したジグザグ状の基本区画3,4の擬石ブロックの排水溝を兼ねた間隔(外郭線)5で切断すれば、この部分は繊維の不織布だけであるので簡単に切断できる。
この場合には、基本区画を集合体の擬石ブロックのうち基本区画に沿った擬石ブロックに予め識別印を施して表示するか、又は基本区画について複数の擬石ブロックの配列とともに表示された施工図を作成しておき、この表示された基本区画3,4の間隔5(外郭線、目地部)に沿って切断すれば、例えば、図5、図6の外郭線1dが得られる。
勿論、複数の擬析ブロックの集合体である擬石ブロック2を1つ1つ作成してもかまわないが、図7に示すように、この型枠6の各擬石の型枠61にコンクリートを打設し、型どられた擬石ブロック2の底部の表面が上向きに露出しており、コンクリートが固まった時点で接着材料7をモルタルガン71で擬石ブロック2の基盤2aの底部に散布して、図9に示すように、厚さ3〜6mm程度の不織布のマット1を、型枠6の上面に押し当てながら敷き詰め、図10に示したように、擬石ブロック2とマット1の全面に接着材料7が塗布され、接着し固定されることになり、接着剤の硬化を早めるために熱い蒸気を噴霧する蒸気養生を行い、硬化終了した時点で、擬石ブロック2とマット1が一体になったコンクリート製擬石ブロック付きマットを型枠6から脱型すれば、一気にコンクリート製擬石ブロックの集合体付マット1が出来あがる。
1.砂 20〜27重量%
2.大粒の石(直径4〜5cm) 15〜22重量%
3.セメント 35〜47重量%
4.アクリル水性接着剤(エポキシ以外の接着剤)2〜6重量%
5.塩化カルシューム(セメント硬化促進剤) 2〜6重量%
6.水 適量
上記の組成において、(1)直径2〜5cm程度、好ましくは、直径4〜5cm程度の大粒の石を混入させることで、大粒の石はマット1の中に潜り、マット1と擬石ブロック2とに楔のように作用し、砂とセメントと接着剤のときよりも格段と接着性能が向上した。これは、砂とセメントと接着剤では、表面だけを強化しているので、引張った時に本体をむしり取って剥離するものと考えられ、表面の剥離が防げられ、石の直径が2cm以下だと接合強度の向上に余り効果がなく、好ましくは4cm以上がより効果的であり、逆に、5cm以上だと接着層の厚さが大きくなりすぎ全体が重くなるばかりか、接着材料も多量に必要になるので不経済であり、5cm以下がよい。また、(2)従来使用していたエポキシ接着剤は環境に悪影響があるので、アクリル水性接着剤を使用したが、これにより蒸気を噴霧してセメントの硬化を早める蒸気養生が可能となり、特に、寒冷地での作業の効率向上に寄与するものである。更に、(3)セメント硬化促進剤(塩化カルシューム)を混入したことで、早期に接着が完了し、製品の脱型時期を早めることができる。
本実施例では、マット1の全面Gに散布するが、使用する接着材がアクリル水性接着剤(エポキシ以外の接着剤)であり、マット1に擬石ブロック2を固定した後に、マット1の両端のマット把持部1a,1bをクレーンで把持して(必要ならば、前掲特開2004−255765号公報参照)で運搬、移動、施工を行い、マット1は必ず円弧状に曲げられるので、固化した接着剤に適当に亀裂が生じる。
この亀裂は、水が移動し植物が生育するために接着材料7が存在しない部分を作ることになるが、接着材の塗布量は余り厚くする必要はなく、むしろ、上下に貫通する亀裂が生じる程度の厚さ以下が好ましい。
このように、亀裂が生じる接着材料7を散布するのは、完全に植物を生育させないためではなく、むしろ、亀裂を生じさせてその部分で水の移動を可能とし、客土も堆積し植物の根も入り込むことが可能となって、植物が生育するためではあるが、余り雑草が生えるのも好ましくない場合があり、この場合には、このマット1と接着材料7とにより、多少雑草を生え難くしている。
また、擬石の基本区画自体も4辺以上の16辺と複雑な多角形としたので、基本区画自体も複雑となって自然の景観に調和するようになり、客土の流失が阻止でき、かつ、接合作業が容易であり、隣り合うマットがずれても目立つことがなく、上面が平らで自然石模様であるので、スリップ止めになり作業員や完成後に人が水辺を歩くにも適し、かつ、安価に製造できる。
更に、この集合体マット1を複数枚を接合する際には、基本区画が識別できるように基本区画に沿った擬石ブロックに予め必要な識別印を施して表示、又は擬石ブロックに対応した基本区画の線を施工図として表示し、これらに沿って切断すれば、現場での施工も容易となる。加うるに、接合面を主に45度、135度、平坦平面で窪みを有する多角形としたので、窪みと傾斜側面がガイドとなり、簡単に接合面を一致させることができ、また、接合作業が容易で不規則な多角形であるので隣り合うマットがずれても目立つことがなく、上面が平らで自然石模様であるので、スリップ止めになり作業員や完成後に人が水辺を歩くにも適し、かつ、安価に製造できる。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、前述した実施例に限定しないことは勿論である。
…第1の基本区画3の辺、
a'b',b'c',・・・・q'a'…第2の基本区画4の辺、
x0…点対称の定点,F…護岸、G…接着剤散布部分、
1(1A,1B,1C,1D)…マット、11…マット縁の縦枠線、
12…マット縁の横枠線、1a,1b… マット把持部、1c…マット重ね部、
1d…マット(擬石ブロック)の外郭縁、
2(21,22,23,24)…擬石ブロック(大型、中型、小型)、
2a…擬石ブロックの基盤,2b…上面,2c…側面(斜面)、
2d…中間棚部、
3…第1の基本区画、
4…第2の基本区画、
5…間隔(目地部)、51…底部隙間
6…型枠、61…擬石型枠、62…外枠、
7…接着材料、71…モルタルガン、
8…クレーン(運搬装置)、81…把持具
Claims (4)
- コンクリート製擬石ブロックの集合体付マットにおいて、該集合体付マットのマット上面に設けた平面上に4辺以上の窪みを有する不規則な多角形からなる基本区画を表示し、該基本区画の外郭線は直線からなり互いの直線の角度が45度の倍数であって、且つ、該基本区画は他の基本区画と密接して全体として前記マットを覆う形状とし、
前記各基本区画内に複数の擬石ブロックを配置するとともに、前記マットに接する前記複数の擬石ブロックの底面の基盤を任意の数、配置、大きさで前記基本区画内でマット地が露出しないように敷き詰め、
前記擬石ブロックの基盤の外郭形状はほぼ直線からなる幾何学模様とし、擬石ブロックの外郭形状は前記基盤とは異なった曲線を含む任意の複雑な形状とし、
前記基盤での擬石ブロックの立上りの縁と上面の縁とを結ぶ側面のマット面に対しての傾斜角度を急斜面である45度乃至80度とし、及び側面中間に棚部を設けた場合でも棚部以外の側面のマット面に対しての傾斜角度を急斜面である45度乃至80度として、前記擬石ブロックとその集合体の外観形状を複雑にした
ことを特徴とするコンクリート製擬石ブロックの集合体付マット。 - 前記不規則な多角形からなる基本区画は、点対称である二種類の多角形であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート製擬石ブロック集合体付マット。
- 前記マットの擬石ブロックに基本区画が識別できるように予め識別印を施し、施工時に前記マットを切断して複数のマットを接合する際には、前記識別印から予め表示された基本区画の外郭線を探し出して、接合するマットの外郭線に合うように前記マットの端部を該外郭線に沿って切断して、互いのマット端部が合致する形状にすることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート製擬石ブロックの集合体付マットの施工方法。
- 前記マットの擬石ブロックについて、基本区画の沿った擬石ブロックの配列の施工図を予め作成し、施工時に前記マットを切断して複数のマットを接合する際には、接合するマットの外郭線に合うように、前記施工図から基本区画の外郭線を探し出して、前記マットの端部を該外郭線に沿って切断して互いのマット端部が合致する形状にすることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート製擬石ブロックの集合体付マットの施工方法。
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