JP4895365B2 - 超音波診断装置及び超音波送信方法 - Google Patents

超音波診断装置及び超音波送信方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波診断装置及び超音波送信方法に係り、特に、複数方向からの超音波反射波を略同時に受信する機能を有した超音波診断装置及び超音波送信方法に関する。
超音波診断装置は、超音波プローブに内蔵された振動素子から発生する超音波を被検体内に放射し、被検体組織の音響インピーダンスの差異によって生ずる反射波を前記振動素子によって受信してモニタ上に表示するものである。この診断方法は、超音波プローブを体表に接触させるだけの簡単な操作でリアルタイムの画像データが容易に得られるため、臓器の機能診断や形態診断に広く用いられている。
被検体の組織あるいは血球からの反射波により生体情報を得る超音波診断法は、超音波パルス反射法と超音波ドプラ法の2つの大きな技術開発により急速な進歩を遂げ、上記技術を用いて得られるBモード画像とカラードプラ画像は、今日の超音波診断において不可欠なものとなっている。
今日、最も普及している電子走査方式の超音波診断装置では、一般に複数個の振動素子を一次元に配列し、これらの振動素子の夫々に対する駆動を高速制御することによって2次元画像データのリアルタイム表示を行なっている。
カラードプラ画像データを生成するカラードプラ法は、パルス状の超音波によって生体内の所定断面を走査し、血液(血球)などの移動する反射体に対して超音波が照射された場合、上記反射体の速度(血流速度)に対応して生ずるドプラ周波数偏移を捉えて画像化を行なうものである。カラードプラ法は、当初、速い血流速度を有する心腔内血流情報の画像化に用いられたが、今日では、腹部臓器の組織血流など極めて遅い血流の画像化に対しても適用が可能となってきている。
ところで、カラードプラ法における診断能を高めるためには、優れた計測精度(低流速検出能及び高流速検出能)や時間分解能、更には、空間分解能が要求される。移動している反射体に対して超音波パルスを照射し、その反射波のドプラ周波数偏移から反射体の移動速度を計測する場合、従来は、この反射体に対する超音波の送受信を所定の送信間隔Trで複数回(L回)繰り返し、観測時間Tobs(Tobs=Tr・L)で得られた一連の反射波に基づいてその移動速度を計測してきた。
この場合、低流速の反射体に対する検出能(低流速検出能:測定可能な流速の下限値)Vminは、上記L回の超音波送受信によって得られる一連の反射波の中からドプラ成分を検出するために用いられるフィルタ(例えば、MTIフィルタ)の特性、即ち、フィルタのカットオフ周波数と肩特性で決定される。そして、このときのVminは、送受信繰り返し周波数(レート周波数)をfr(fr=1/Tr)とすれば、次式(1)で示される。
Figure 0004895365
一方、測定可能な流速の上限値(高流速検出能)Vmaxは、送受信繰り返し周波数(レート周波数)frの1/2で定義されるナイキスト周波数によって決定され、次式(2)によって示される。但し、Cは被検体内の音速値、foは受信超音波の中心周波数、ξは超音波送受信方向と血流方向のなす角度である。そして、ドプラ周波数偏移が上記ナイキスト周波数を超えた場合には、ドプラ信号の周波数スペクトラムに折り返り現象が発生するため正確な血流速度の計測が不可能となる。
Figure 0004895365
即ち、カラードプラ法における第1の要求項目である低流速検出能Vminを向上させるためにはレート周波数frを低く設定するか、所定方向に対して繰り返し行なう送受信回数Lを増加させる必要がある。又、高流速検出能Vmaxを向上させるためには、レート周波数frを高く設定しなくてはならない。しかしながら、レート周波数frを高くした場合には、深部からの反射波が受信されないうちに次の超音波が放射されるため、隣接したレート区間の反射波が混入して受信される、所謂残留エコーの問題が生ずる。
又、第2の要求項目であるリアルタイム性は、単位時間当たりの表示画像枚数(フレーム周波数)Fnによって決定され、このフレーム周波数Fnは次式(3)によって示される。但し、Nは、1枚のカラードプラ画像データの生成に必要な超音波送受信方向の総数であり、リアルタイム性を向上させるためには、送受信回数L、あるいは走査方向総数Nを小さく設定しなくてはならない。
Figure 0004895365
更に、第3の要求項目である空間分解能を向上させるためには、上記超音波送受信方向総数Nを増加させる必要がある。即ち、フレーム周波数Fn、低流速検出能Vmin及び高流速検出能Vmax、空間分解能は相反する関係にあり、これらを同時に満足させることは困難であった。このため、循環器領域における血流計測の場合にはフレーム周波数Fnと高流速検出能Vmaxを、又、腹部や末梢臓器における血流計測の場合にはフレーム周波数と低流速検出能Vminが重要視されてきた。
このような問題点を解決するために、所定方向に対して送信超音波を放射し、前記所定方向に隣接した複数方向から反射波(受信超音波)を略同時に受信して単位時間当たりの受信信号数を増大させる所謂並列同時受信法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
但し、並列同時受信において送信ビームの中心軸と受信ビームの中心軸が異なる場合には送受信感度が劣化し、更に、並列同時受信方向が3方向以上の場合には、方位方向(超音波送受信方向に対し垂直な方向)に対して均一な送受信感度を得ることが困難であった。
このような問題点を改善するために、超音波送信に用いる振動素子の素子数を低減する方法や、各振動素子の駆動信号振幅を配列方向に対して重み付けして送信超音波のビーム幅を広げる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、異なる複数の方向に対して超音波の送受信を同時に行なう方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、配列された複数の振動素子を所定の遅延時間を有した駆動信号によって駆動することにより所定方向に対して送信超音波を放射する際、複数の送信方向の各々に対応した遅延時間を有する駆動信号を合成して前記振動素子に供給することにより複数方向に対する超音波送信を略同時に行なっている。
河野俊彦他、循環器用超音波診断装置のハイフレームレート化の検討、日本超音波医学会論文集、55,727(1989) 特開平3−155843号公報 米国特許第5856955号明細書
特許文献1の方法によれば、超音波送受信感度の不均一性は、送信音場のビーム幅を広げることによって従来法(即ち、並列同時受信を行なわない場合と同程度の送信音場を用いた場合)より改善されるものの、収束された送信音場を用いているため受信音場に対応させてビーム幅を広げることは困難である。このため、以下に述べる送受信音場の歪(以下では、ビーム曲がりと呼ぶ。)や送受信感度における不均一の問題が依然として残存する。
図14は、従来法あるいは上記特許文献1の方法の第1の問題点であるビーム曲がりについて、又、図15は、上述の方法の第2の問題点である送受信感度の不均一について示している。
図14(a)は、振動素子が凸面状に1次元配列されたコンベックス走査用超音波プローブを用い、所定方向(送信音場の中心軸方向)に対して超音波送信を行なった場合の送信音場(実線)とこの送信音場と重畳して形成される複数の受信音場(破線)による並列同時受信を示している。尚、この図では、説明を簡単にするために送信音場Btの端部に対応した受信音場Br−1及びBr−3と送信音場Btの中央部に位置した受信音場Br−2のみを示している。
従来の並列同時受信法における送信超音波は、非並列同時受信の場合と同様にして、被検体の所定位置(深さ)に収束されており、この領域に超音波エネルギーが集中する。一方、受信超音波は、受信タイミングに対応して収束点を順次深部方向に移動させる所謂ダイナミックフォーカス法が適用され、深部方向に連続して収束された受信音場を形成することが可能となる。
このような場合に、超音波送受信感度は送信音場と受信音場の積(即ち、送受信音場)によって決定される。そして、図14(a)に示した送信音場Btと、この送信音場Btの端部に位置する受信音場(例えば、受信音場Br−1)によって形成される送受信音場では、収束領域における送信音場が送受信音場に特に大きな影響を及ぼす。その結果、図14(b)に示すように送信音場の中心方向にビーム曲りが発生し、このようなビーム曲がりを有した送受信音場Bo−1あるいは図示しない送受信音場Bo−3によって生成される超音波画像データにおいて画像歪が生ずる。
図15(a)は、上記並列同時受信の方位方向における送信音場パターン、受信音場パターン及び送受信音場パターンを模式的に示したものであり、送信音場の端部における音圧は中央部より小さい。このため、同時受信方向が3方向以上設定された場合には送受信音場パターンの大きさ(即ち、送受信感度)は方位方向で不均一となり、この不均一な送受信音場によって生成される超音波画像データ上では濃淡の縞模様が発生して画質が劣化する。又、送信音場の端部における送受信感度の著しい低下は、Bモード画像データの画質を劣化させるのみならずカラードプラ画像データの生成における流速値や分散値等の推定を困難にする。
又、感度の不均一の改善を目的として図14(b)のように送信音場パターンを方位方向に広げた場合には、画像データの生成に関与しない領域に無駄な送信超音波のエネルギーが放射され、送受信感度を低下させるのみならず、サイドローブや多重反射による虚像(アーチファクト)の発生頻度が増大する。
即ち、ビーム曲がりや送受信感度の不均一、更には受信感度の劣化は超音波画像データの画質を劣化させ、その診断能を低下させる。
一方、特許文献2の方法を適用して並列同時受信用の送信音場を形成する場合、複数の送信方向の各々に対応した遅延時間を有する複数の駆動信号を合成する必要があり、送信部の回路構成が極めて複雑になるという問題点を有していた。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、並列同時受信における送受信音場のビーム曲りと送受信感度の不均一性の低減を簡単な回路構成で実現することにより、コストパフォーマンスに優れた超音波診断装置及び超音波送信方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、実施形態に係る超音波診断装置は、複数の振動素子の各々を駆動し、被検体に対して送信音場を形成する超音波診断装置において、並列同時受信用の送信音場に基づいて定めた第1のパルス群の送信条件と、第2のパルス群の送信条件とから、振動素子ごとに単一の駆動パルスからなる駆動パルス群の送信条件を求める送信条件設定手段と、前記駆動パルス群を発生して前記振動素子を駆動し前記被検体に対して超音波を送信する送信手段と、前記超音波の送信により前記被検体の複数方向から得られる反射波を並列同時受信する受信手段とを備えたことを特徴とする。
又、実施形態に係る超音波送信方法は、並列同時受信用の送信音場に基づいて定まる第1のパルス群の送信条件と、第2のパルス群の送信条件とから、駆動パルス群の送信条件を求めるステップと、前記駆動パルス群の送信条件に基づいて、振動素子ごとに単一のパルスからなる駆動パルス群を生成するステップと、前記駆動パルス群によって前記振動素子を駆動し、被検体に対して前記並列同時受信用の送信音場を形成するステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、並列同時受信における送受信音場のビーム曲りあるいは送受信感度の不均一性の低減が簡単な回路構成で実現可能となる。このため、リアルタイム性と画質に優れた超音波画像データの生成が可能となり、診断能が大幅に向上する。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
以下に述べる本発明の第1の実施例では、凸面上に振動素子が1次元配列されたコンベックス走査用の超音波プローブを用いて並列同時受信を行なう際、隣接した複数個の振動素子で構成された送信振動素子群に対する駆動パルスの遅延時間と駆動振幅を制御することにより、方位方向において均一かつ好適なビーム幅を有する送信音場を形成する。
この場合、上述の送信振動素子群の各振動素子に対する駆動パルスの遅延時間及び駆動振幅を決定する送信条件(送信遅延条件及び送信振幅条件)は、前記送信振動素子群を用いて非並列同時受信を行なう際の基準条件(基準遅延条件及び基準振幅条件)に基づいて設定される。
(装置の構成)
以下では、本発明の実施例における超音波診断装置の構成と各ユニットの基本動作につき図1乃至図8を用いて説明する。尚、図1は、本実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図2及び図8は、この超音波診断装置を構成する送受信部及びデータ生成部のブロック図である。
図1に示す超音波診断装置100は、凸面上に1次元配列された複数個(M1個)の振動素子を備え被検体に対して超音波の送受信を行なう超音波プローブ3と、M1個の振動素子の中から選択された隣接するM2個の振動素子(送信振動素子群)に対し駆動パルスを供給すると共に、M1個の振動素子の中から選択された隣接するM3個の振動素子(受信振動素子群)によって得られた受信信号に対しM方向並列同時受信あるいは非並列同時受信のための整相加算を行なう送受信部2と、送受信部2から得られた受信信号を信号処理してBモードデータ及びカラードプラデータを生成するデータ生成部4と、このデータ生成部4において生成された上記データを保存して2次元のBモード画像データ及びカラードプラ画像データを生成する画像データ生成5と、得られた画像データを表示する表示部6を備えている。
又、超音波診断装置100は、送受信部2及びデータ生成部4に対して送信超音波の中心周波数と略等しい周波数の連続波あるいは矩形波を供給する基準信号発生部1と、被検体情報、装置の初期設定情報、各種コマンド信号等が操作者によって入力される入力部7と、超音波診断装置100の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部8を備えている。
超音波プローブ3は、被検体の表面に対してその前面を接触させ超音波の送受信を行なうものであり、被検体との接触面にはM1個の振動素子が凸状に1次元配列されている。この振動素子は電気音響変換素子であり、送信時には電気的なパルス(駆動パルス)を超音波パルス(送信超音波)に変換し、又、受信時には超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換する機能を有している。
次に、図2に示した送受信部2は、並列同時受信あるいは非並列同時受信における送信音場を形成するために、M1個の振動素子の中から選択された隣接するM2個の振動素子に対し所定の遅延時間と駆動振幅を有した駆動パルスを供給する送信部21と、並列同時受信あるいは非並列同時受信における受信音場を形成するために、M1個の振動素子の中から選択された隣接するM3個の振動素子から得られた受信信号を整相加算(所定方向からの反射波に対応した受信信号の位相を一致させて加算合成)する受信部23と、M1個の振動素子の中から送信用及び受信用の振動素子を選択し送信部21及び受信部23との接続を行なう素子選択部22と、この素子選択部22を制御する素子選択制御部24を備え、更に、非並列同時受信における送信用の基準遅延条件及び基準振幅条件と受信用の基準遅延条件及び基準振幅条件を基準条件として発生する基準条件発生部25と、この基準条件発生部25が発生する基準遅延条件及び基準振幅条件に基づいて並列同時受信用の送信遅延条件及び送信振幅条件を送信条件として生成する送信条件生成部26を備えている。
送信部21は、レートパルス発生器211と、送信遅延回路212と、駆動回路213と、送信遅延設定部214と、送信振幅設定部215を備えている。
レートパルス発生器211は、基準信号発生部1から供給される連続波を分周することによって送信超音波の繰り返し周期を決定するレートパルスを生成する。M2チャンネルで構成される送信遅延回路212は、送信遅延設定部214から供給される遅延制御信号に基づき、送信超音波を所定距離に収束させるための送信遅延時間を前記レートパルスに与える。そして、M2チャンネルで構成される駆動回路213は、送信振幅設定部215から供給される振幅制御信号に基づき、送信遅延回路212において所定の遅延時間が与えられたレートパルスに同期した駆動パルスを生成する。
一方、送信遅延設定部214は、送受信部2の送信条件生成部26が生成する送信遅延条件に基づいて、送信遅延回路212における送信遅延時間を設定する。同様にして、送信振幅設定部215は、前記送信条件生成部26が生成した送信振幅条件に基づいて、駆動回路213における駆動振幅を設定する。
次に、受信部23は、M3チャンネルから構成されるプリアンプ231及びA/D変換器232と、チャンネル選択回路233と、Mチャンネルのビームフォーマ234−1乃至234−Mを備えている。プリアンプ231は、素子選択部22から供給されるM3チャンネルの受信信号を増幅して十分なS/Nを確保するためのものであり、その初段部には、送信部21の駆動回路213において発生する高電圧の駆動パルスから保護するための図示しないリミッタ回路が設けられている。
チャンネル選択回路233は、M方向の並列同時受信を行なうためにM3チャンネルの中の隣接したM4チャンネル(M4<M3)をM箇所で選択し、M4チャンネルから構成されるM個の受信信号群をビームフォーマ234−1乃至234−Mに供給する。
一方、ビームフォーマ234−1乃至234−Mの各々は、図示しない遅延回路と加算回路を有し、チャンネル選択回路233で選択されたM4チャンネルの受信信号に対し、所定の深さからの受信超音波を収束するための遅延時間と所定の信号振幅を与えた後加算合成(整相加算)する。
この場合の遅延時間及び信号振幅は、受信部23の受信遅延/振幅設定部235から供給される遅延制御信号及び振幅制御信号に基づいて設定される。但し、ビームフォーマ234−1乃至234−Mでは、受信タイミングに伴って収束領域が深部に順次更新される所謂ダイナミックフォーカスのための遅延時間が与えられ、深さによらずに略均一なビーム幅を有した受信音場が形成される。
そして、受信遅延/振幅設定部235は、送受信部2の基準条件発生部25が発生した受信用の基準遅延条件及び基準振幅条件に基づいて、ビームフォーマ234−1乃至234−Mにおける遅延時間と信号振幅を設定する。
次に、送受信部2の素子選択部22は、素子選択制御部24から供給される素子選択制御信号に基づき、送信時には、超音波プローブ3に備えられたM1個の振動素子の中から隣接したM2個の振動素子を送信振動素子群として選択する。又、受信時には、前記M1個の振動素子の中から隣接したM3個の振動素子を受信振動素子群として選択する。この場合、送信振動素子群の中心位置と受信振動素子群の中心位置は略一致するように振動素子の選択が行なわれる。
一方、素子選択制御部24は、システム制御部8から供給される走査制御信号に基づいて、M2個の振動素子からなる送信振動素子群及びM3個の振動素子からなる受信振動素子群をレート周期で選択するための素子選択制御信号を素子選択部22に供給する。
素子選択部22による送信振動素子群及び受信振動素子群の選択と、チャンネル選択回路233によるMチャンネルの受信信号群の選択につき図3を用いて説明する。
図3は、隣接したM方向に対して並列同時受信を行なう際の送信振動素子群及び受信振動素子群の選択方法を模式的に示したものであり、説明を簡単にするために送信振動素子群の振動素子数M2及び受信振動素子数群の振動素子数M3を8、整相加算チャンネル数M4を5、並列同時受信数Mを4としているが、これらに限定されるものではない。
即ち、図3に示したコンベックス走査用の超音波プローブ3を用いて任意の隣接した4方向(M=4)に対し並列同時受信を行なう場合、素子選択部22は、超音波プローブ3において凸面状に配列された振動素子32−1乃至32−M1の中から振動素子32−X乃至32−(X+7)を送信振動素子群及び受信振動素子群として選択する。
一方、チャンネル選択回路233は、振動素子32−X乃至32−(X+7)から得られた8チャンネル(M3=8)の受信信号を、隣接した振動素子32−X乃至32−(X+4)、振動素子32−(X+1)乃至32−(X+5)、振動素子32−(X+2)乃至32−(X+6)、振動素子32−(X+3)乃至32−(X+7)の各5チャンネルの受信信号によって構成される4つ(M=4)の受信信号群に束ね、夫々の受信信号群における5チャンネルの受信信号はビームフォーマ234−1乃至234−Mに供給される。
即ち、振動素子32−X乃至32−(X+4)の受信信号はビームフォーマ234−1に供給され、振動素子32−(X+1)乃至32−(X+5)、振動素子32−(X+2)乃至32−(X+6)、振動素子32−(X+3)乃至32−(X+7)の各受信信号はビームフォーマ234−2乃至ビームフォーマ234−4に夫々供給される。そして、ビームフォーマ234−1乃至234−Mの各々は、受信遅延/振幅設定部235から供給される遅延制御信号及び振幅制御信号に基づき、チャンネル選択回路233において選択されたM4チャンネルの受信信号に対しダイナミックフォーカスのための遅延時間と信号振幅を与え整相加算処理する。そして、この整相加算処理により4つ(M=4)の受信音場が形成される。
以上述べた送受信方法により、振動素子32―X乃至32−(X+7)の送信振動素子群によって形成された送信音場の領域に重畳するように4つの受信音場が形成され、4方向の並列同時受信が行なわれる。
この場合の超音波の送信方向及び受信方向は振動素子の配列面に対して略垂直な方向に設定されるが、送信遅延回路212あるいはビームフォーマ234にて偏向用遅延時間を与えることにより送信方向及び受信方向を任意の方向に設定することも可能である。しかしながら、何れの場合においても、本実施例の並列同時受信では送信音場に重畳して受信音場が形成される。
図1に戻って、送受信部2の基準条件発生部25は、送信音場及びこの送信音場と略同一の中心軸を有して形成される受信音場を用いて画像データの生成を行なう、所謂、非並列同時受信法における送信時の基準遅延条件及び基準振幅条件と受信時の基準遅延条件及び基準振幅条件を発生する。
図4は、M2個の振動素子を送信振動素子群及び受信振動素子群として用い、距離Fに超音波ビームを収束させる場合の振動素子Pm(m=1乃至M2(M2=8))に対する基準遅延条件τo(m)を説明するための模式図であり、上述の振動素子P1乃至PM2は、図3に示した振動素子32−X乃至32−(X+7)に対応している。但し、受信時においてダイナミックフォーカスを行なう場合、基準条件発生部25は、異なる複数の距離に対し超音波ビームを収束するための基準遅延条件を発生する。
一方、図5は、M2個(M2=8)の振動素子を用いて送信音場を形成する場合の振動素子Pm(m=1乃至M2)に対する送信用の基準振幅条件Ao(m)(図5(a))と、この基準振幅条件Ao(m)に基づいた駆動振幅の駆動パルスによって生成された送信音場Ct0(図5(b))を示す。この場合、基準条件発生部25は、m番目の振動素子Pmに対する駆動パルスの基準振幅条件Ao(m)を、例えば、図5(a)に示すようなsinc関数に基づいて発生する。
そして、このようなsinc関数で示される送信用の基準振幅条件Ao(m)と上述の基準遅延条件τo(m)に基づく駆動パルスの駆動により収束領域には、図5(b)に示す矩形状の送信音場Ct0が生成される。尚、基準振幅条件は、通常、一様分布関数やHamming関数等に基づいて生成される。
次に、本実施例において最も重要なユニットである送信条件生成部26の機能につき図6乃至図7を用いて模式的に説明する。以下では、振動素子の配列方向に−ΔM及び+ΔM(例えば、ΔM=1)だけシフトさせた2つの送信用基準遅延条件τo(m−ΔM)及びτo(m+ΔM)と2つの送信用基準振幅条件Ao(m−ΔM)及びAo(m+ΔM)を用い、並列同時受信に好適なビーム幅と均一な強度を有する送信音場を形成する送信遅延条件τ(m)及び送信振幅条件A(m)を生成する。
図4に示した送信用の基準遅延条件τo(m)と図5に示した送信用の基準振幅条件Ao(m)に基づいた駆動パルスによって形成される送信音場は、通常、並列同時受信が要求する広いビーム幅を得ることができない。このため、図6に示すように送信用の基準遅延条件τo(m)及び基準振幅条件Ao(m)に基づく基準駆動パルス群PL0を振動素子配列方向に−ΔMだけシフトした第1の駆動パルス群PL1とΔMだけシフトした第2の駆動パルス群PL2を合成して第3の駆動パルス群PL3を生成する。そして、この第3の駆動パルス群PL3によって振動素子Pm(m=1乃至M2)を駆動することにより、図7に示す均一な強度と好適なビーム幅を有した送信音場Ct3が形成される。この送信音場Ct3は、図5(b)に示した基準駆動パルス群PL0による送信音場Ct0を±ΔMだけシフトさせて合成したものとなる。
即ち、収束領域において第1の駆動パルス群PL1による送信音場Ct1と第2の駆動パルス群PL2による送信音場Ct2はその端部が重なるようにして送信音場Ct3が形成される。このとき、第1の駆動パルス群PL1と第2の駆動パルス群PL2の中心間隔2ΔMを好適な値に設定することにより、送信音場Ct1のビーム幅BW1あるいは送信音場Bt2のビーム幅BW2に対して約2倍のビーム幅BW3を有し、均一でしかも端部が急峻に減衰した所望の送信音場Ct3が形成される。
上述の第1の駆動パルス群PL1と第2の駆動パルス群PL2の合成による送信音場Ct3の形成は、特許文献2に記載された技術によって実現可能となるが、既に述べたように、この方法は、送信部21の回路構成が極めて複雑になるという欠点を有している。
本実施例では、2つの駆動パルス群PL1及びPL2を合成することによって得られる送信音場Ct3と略等価な送信音場を単一の駆動パルス群の遅延時間と駆動振幅を制御することによって生成する。以下では、基準条件発生部25が発生した送信用の基準遅延条件τo(m)及び基準振幅条件Ao(m)に基づいて送信条件生成部26が生成する送信遅延条件τ(m)及び送信振幅条件A(m)の生成方法について述べる。
この場合、基準遅延条件τo(m)及び基準振幅条件Ao(m)に基づいた振動素子Pmの基準駆動パルスをHo(m)とすれば、送信条件生成部26が生成した送信遅延条件τ(m)及び送信振幅条件A(m)に基づく駆動パルスH(m)は、次式(4)によって示すことができる。但し、W(t)及びWo(t)は駆動パルスH(m)及び基準駆動パルスHo(m)の包絡線関数である。
Figure 0004895365
ここで、通常は、ΔM≪M2が成立し、又、包絡線関数が駆動パルスの周期(即ち超音波中心周波数の逆数)に対して十分長い場合には下式(5)が近似的に成立する。
Figure 0004895365
従がって、駆動パルスH(m)の送信遅延条件τ(m)及び送信振幅条件A(m)は、基準駆動パルスHo(m)の基準遅延条件τo(m)及び基準振幅条件Ao(m)を用い、次式(6)によって示すことができる。
Figure 0004895365
以上述べたように、上式(6)から得られた送信遅延条件τ(m)と送信振幅条件A(m)に基づく駆動パルスH(m)によって振動素子P1乃至PM2を駆動することにより、第1の駆動パルス群PL1及び第2の駆動パルス群PL2の合成(図6参照)による送信音場(図7参照)と略等価の送信音場を得ることが可能となる。
即ち、送信条件生成部26は、基準条件発生部25から供給される送信用の基準遅延条件τo(m)及び基準振幅条件Ao(m)を用いた上述の演算から送信遅延条件τ(m)と送信振幅条件A(m)を生成し、この生成結果を送信部21の送信遅延設定部214及び送信振幅設定部215に供給する。そして、送信遅延設定部214及び送信振幅設定部215は、既に述べたようにこれらの送信遅延条件τ(m)と送信振幅条件A(m)に基づいて送信遅延回路212における遅延時間と駆動回路213における駆動振幅を設定する。
次に図1のデータ生成部4は、上述の受信部23のビームフォーマ234−1乃至234−Mから出力されたMチャンネルの受信信号を信号処理してBモードデータを生成するBモードデータ生成部41と、前記受信信号を信号処理してカラードプラデータを生成するカラードプラデータ生成部42を備えている。
図8に示したデータ生成部4のBモードデータ生成部41は、包絡線検波器411と対数変換器412を備えている。この包絡線検波器411は、送受信部2の受信部23におけるビームフォーマ234−1乃至234−Mから出力されたMチャンネルの受信信号に対して包絡線検波を行なう。又、対数変換器412は、この包絡線検波後の受信信号に対する対数変換処理によって小さな信号振幅を相対的に強調してM個の並列同時受信方向に対するBモードデータを生成する。
一方、データ生成部4のカラードプラデータ生成部42は、π/2移相器421、ミキサ422−1及び422−2、LPF(低域通過フィルタ)423−1及び423−2を備えており、送受信部2の受信部23から供給されたMチャンネルの受信信号に対し直交位相検波を行なって複素信号(I信号とQ信号)を生成する。
更に、カラードプラデータ生成部42は、ドプラ信号記憶部424、MTIフィルタ425及び自己相関演算器426を備えて、直交位相検波によって得られた複素信号は、ドプラ信号記憶部424に保存される。次いで、高域通過用のデジタルフィルタであるMTIフィルタ425は、ドプラ信号記憶部424に保存された前記複素信号を読み出し、この複素信号に対して臓器の固定反射体あるいは臓器の呼吸性移動や拍動性移動などに起因するドプラ成分(クラッタ成分)の除去を行なう。又、自己相関演算器426は、MTIフィルタ425によって抽出されたドプラ信号に対して自己相関値を算出し、更に、この自己相関値に基づいて血流の平均流速値、分散値及びパワー値を算出してM個の並列同時受信方向に対するカラードプラデータを生成する。
再び図1に戻って、画像データ生成記憶部5は、データ生成部4においてM個のラスタ単位で生成されるBモードデータ及びカラードプラデータを順次保存して、2次元のBモード画像データ及びカラードプラ画像データを生成する。
表示部6は、図示しない表示データ生成回路、変換回路及びモニタを備え、表示データ生成回路は、画像データ生成記憶部5において生成されたBモード画像データやカラードプラ画像データに対し所定の表示形態に対応した走査変換処理を行なって表示データを生成する。次いで、前記変換回路は、この表示データに対してD/A変換とテレビフォーマット変換を行ない前記モニタに表示する。
入力部7は、操作パネル上に表示パネルやキーボード、トラックボール、マウス、選択ボタン、入力ボタン等の入力デバイスを備え、患者情報の入力、データ収集条件、表示条件等の設定、更には、種々のコマンド信号の入力等を行なう。特に、本実施例では、送信振動素子群の振動素子数M2、受信振動素子群の振動素子数M3、整相加算のチャンネル数M4、並列同時受信数M及び送信音場の合成間隔ΔMの設定、更には基準振幅条件や並列同時受信モード/非並列同時受信モードの選択等を行なう。但し、上述の送信用及び受信用の振動素子数や重み付け条件等は、使用する超音波プローブ3の情報(例えば、プローブID)と並列同時受信の方向数Mの情報に基づいて設定してもよい。
そして、システム制御部8は、図示しないCPUと記憶回路を備え、操作者によって入力部7から入力あるいは設定される上述の各種情報は前記記憶回路に保存される。そして、前記CPUは、これらの情報に基づいて、送受信部2、データ生成部4、更には画像データ生成記憶部5の制御やシステム全体の制御を統括して行なう。又、システム制御部8は、送受信部2における素子選択制御部24と受信部23に対して制御信号を供給し、送信用振動素子によって形成された送信音場内のM方向に対して並列同時受信を行なうための制御と、送信用振動素子と受信用振動素子を振動子配列方向に順次シフトして被検体に対しコンベックス走査を行なうための制御を行なう。
(画像データの生成手順)
次に、本実施例の並列同時受信モードにおける画像データの生成手順につき図9のフローチャートに沿って説明する。但し、説明を容易にするために送信振動素子群の振動素子数M2と受信振動素子群の振動素子数M3は等しい場合について述べるが、これに限定されない。
超音波診断装置100の操作者は、先ず、図1の入力部7を介して超音波プローブ3のプローブIDや画像データの収集に必要な諸条件を設定し、これらの設定情報を、システム制御部8の図示しない記憶回路に保存する。上記の初期設定条件として、送信振動素子群及び受信振動素子群の振動素子数M2、整相加算のチャンネル数M4、並列同時受信数M、送信音場の合成間隔ΔM、更には、基準振幅条件等がある(図9のステップS1)。
そして、初期設定が終了したならば、操作者は、入力部7において並列同時受信モードを選択し、次いで、超音波プローブ3の先端(超音波送受信面)を被検体体表面上の所定位置に固定して超音波の送受信を開始する。このとき、システム制御部8は、自己の記憶回路に保存した送信振動素子群及び受信振動素子群の振動素子数M2の情報を送受信部2の素子選択制御部24、送信条件生成部26及び基準条件発生部25に、整相加算における受信信号群のチャンネル数M4及び並列同時受信数Mの情報を受信部23のチャンネル選択回路233に,送信音場の合成間隔ΔMを前記送信条件生成部26に、更には、基準振幅条件に関する選択情報を基準条件発生部25に夫々供給し、これらの情報を各ユニットの図示しない記憶回路に保存する。
送受信部2の基準条件発生部25は、システム制御部8から供給された送信振動素子群及び受信振動素子群の振動素子数M2の情報と基準振幅条件の選択情報に基づき送信用の基準遅延条件τo(m)と基準振幅条件Ao(m)を発生し、送信条件生成部26に供給する(図9のステップS2)。
送信条件生成部26は、基準条件発生部25から供給された基準遅延条件τo(m)及び基準振幅条件Ao(m)と自己の記憶回路に保存された送信音場の合成間隔ΔMを、例えば、式(6)に代入して送信遅延条件τ(m)と送信振幅条件A(m)を生成する(図9のステップS3)。
次いで、この送信遅延条件τ(m)を送信部21の送信遅延設定部214に、又、送信振幅条件A(m)を送信振幅設定部215に供給する。そして、送信遅延設定部214及び送信振幅設定部215は、これらの条件情報に基づいて送信遅延回路212における遅延時間と駆動回路213における駆動振幅を設定する(図9のステップS4)。
一方、受信部23の受信遅延/振幅設定部235は、基準条件発生部25から供給された受信用の基準遅延条件と基準振幅条件に基づいてビームフォーマ234−1乃至234−Mにおける遅延時間と受信振幅を設定する(図9のステップS5)。
次に、最初の方向(q=1)に対する超音波送受信に際し、素子選択制御部24は、システム制御部8から供給された送信時及び受信時における振動素子数M2の情報に基づいて素子選択部22の図示しないマルチプレクサに対し制御信号を供給し、素子選択部22は、最初の方向の超音波送受信に用いる振動素子32−1乃至32−M2を選択する(図9のステップS6)。
一方、図2のレートパルス発生器211は、基準信号発生部1から供給される基準信号を分周することにより超音波パルスの繰り返し周期を決定するレートパルスを生成して送信遅延回路212に供給し、M2チャンネルの送信遅延回路212は、送信遅延設定部214によって設定された遅延時間を前記レートパルスに与えて駆動回路213に供給する。
そして、駆動回路213は、送信遅延回路212から供給されたレートパルスに同期し、送信振幅設定部215によって設定された駆動振幅を有する駆動パルスを生成し、素子選択部22によって選択された振動素子32−1乃至32−M2に供給して被検体に送信超音波を放射する(図9のステップS7)。
振動素子32−1乃至32−M2の駆動によって被検体に放射された送信超音波の一部は、音響インピーダンスの異なる臓器間の境界面あるいは組織にて反射する。又、この超音波が心臓壁や血球などの動きのある反射体で反射する場合、その超音波周波数はドプラ偏移を受ける。
被検体の組織や血球にて反射した超音波反射波(受信超音波)は、既に素子選択部22において選択されている振動素子32−1乃至32−M2で受信されて電気信号(受信信号)に変換される。更に、この受信信号は、素子選択部22を介して受信部23に供給され、受信部23のプリアンプ231にて所定の大きさに増幅された後、A/D変換器232にてデジタル信号に変換される。
デジタル信号に変換されたM2チャンネルの受信信号は、チャンネル選択回路233に供給され、チャンネル選択回路233は、これらM2チャンネルの受信信号の中から隣接したM4チャンネル(M4<M2)の受信信号群をM個選択し、これらM個の受信信号群をMチャンネルのビームフォーマ234−1乃至234−Mに供給する。
即ち、振動素子32−1乃至32−M4によって得られた受信信号はビームフォーマ234−1に、振動素子32−2乃至32−(M4+1)によって得られた受信信号はビームフォーマ234−2に夫々供給される。同様にして、振動素子32−3乃至32−(M4+2)、振動素子32−4乃至32−(M4+3)・・・によって得られた受信信号はビームフォーマ234−3、ビームフォーマ234−4・・・に供給される。そして、ビームフォーマ234−1乃至234−Mの各々は、M4チャンネルの受信信号を整相加算してダイナミックフォーカスを行なう。
ビームフォーマ234−1乃至234−Mにおける整相加算によって得られたMチャンネルの受信信号は、図8のデータ生成部4におけるBモードデータ生成部41に供給され、包絡線検波と対数変換がなされた後、図1の画像データ生成記憶5におけるBモードデータ記憶領域に保存される。
一方、最初の走査方向に対するカラードプラデータの生成に際し、振動素子32−1乃至32−M2を用いた前記走査方向に対する連続的な超音波送受信によって得られた受信信号からドプラ信号を検出する。
即ち、システム制御部8は素子選択制御部24を制御し、振動素子32−1乃至32−M2を選択してカラードプラ用の超音波送受信を行なう。そして、得られたMチャンネルの受信信号を図8のデータ生成部4におけるカラードプラデータ生成部42に供給し、ミキサ422−1、422−2及びLPF423−1、423−2による直交位相検波に基づいて複素信号を生成する。次いで、この複素信号の実数成分(I成分)及び虚数成分(Q成分)の各々をドプラ信号記憶部424に保存する。同様にして、同一の振動素子群を用いた2回目乃至L回目の超音波送受信によって得られた受信信号についても複素信号を収集し、ドプラ信号記憶部424に保存する。
振動素子32−1乃至32−M2を用いたL回の超音波送受信によって得られたMチャンネルの複素信号の保存が終了したならば、システム制御部8は、ドプラ信号記憶部424に保存されているMチャンネルの複素信号の各々において所定位置(深さ)に対応したL個の複素信号成分を順次読み出し、MTIフィルタ425に供給する。そして、MTIフィルタ425は、供給された複素信号成分に対してフィルタ処理を行ない、固定反射体からの反射波に起因するドプラ成分を排除して血流の流れに起因するドプラ成分を抽出する。
次いで、血流ドプラ成分の複素信号が前記MTIフィルタ425から供給された自己相関演算器426は、この複素信号を用いて自己相関処理を行ない、更に、自己相関処理結果に基づいて血流の平均速度、分散、パワーなどを算出する。このような演算を、他の位置(深さ)に対しても行ない、算出された血流の平均速度、分散、更にはパワーなどを図1の画像データ生成記憶部5におけるカラードプラデータ記憶領域に保存する。
即ち、画像データ生成記憶部5のBモードデータ記憶領域及びカラードプラデータ記憶領域には、第1の走査方向に対応したM個の並列同時受信方向におけるBモードデータ及びカラードプラデータが保存される(図9のステップS8)。
同様の手順によって、システム制御部8は素子選択制御部24を制御して、振動素子32−(M2+1)乃至32−2M2による第2の方向(q=2)の超音波送信、振動素子32−(2M2+1)乃至32−3M2による第3の方向(q=3)の超音波送信、・・・を第Qの方向(q=Q)まで繰り返す。そして、夫々の超音波送信における並列同時受信によって得られたBモードデータとカラードプラデータをデータ記憶部6のBモードデータ記憶領域及びカラードプラデータ記憶領域に保存する(図9のステップS6乃至S8)。
上述の手順によって、第1の方向乃至第Qの方向の各々におけるM方向から得られたBモードデータとカラードプラデータは画像データ生成記憶部5に順次保存され、2次元あるいは3次元のBモード画像データ及びカラードプラ画像データが生成される。そして、表示部6の表示データ生成回路は、画像データ生成記憶部5において生成されたBモード画像データ及びカラードプラ画像データに対して所定の表示形態に対応した走査変換等の処理を行なって表示データを生成し、この表示データは、変換回路においてD/A変換とテレビフォーマット変換が行われモニタに表示される(図9のステップS9)。
以上述べた第1の実施例によれば、コンベックス走査用超音波プローブを用い被検体の診断対象部位に対して並列同時受信を行なう際に、並列同時受信における送受信音場のビーム曲りあるいは各並列受信方向における送受信感度の不均一性の低減が比較的簡単な回路構成で実現可能となる。
更に、上述の実施例では、Sinc関数をベースとした基準振幅条件を用いることにより、均一性に優れしかも端部においては急峻な減衰特性を有した送信音場を得ることができる。従がって、並列同時受信が行なわれる領域以外に放射される送信超音波は微小となるため送信エネルギーを有効に用いることができ、サイドローブや多重反射によるアーチファクトが低減され感度に優れた各種画像データを生成することが可能となる。
即ち、上述の実施例によれば、広い領域で均一な送信音場を形成することができるため並列同時受信方向数を増やすことが可能となり、優れた時間分解能や空間分解能あるいは検出能を有した画像データを生成することができる。又、送信音場を形成する送信部は簡単な回路構成によって実現できるため、コストパフォーマンスに優れた超音波診断装置及び超音波送信方法を提供することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。この第2の実施例では、直線状に振動素子が1次元配列されたセクタ走査用の超音波プローブを用いて並列同時受信を行なう際に、隣接した複数個の振動素子で構成された送信振動素子群に対する駆動パルスの遅延時間と駆動振幅を制御することにより、方位方向において均一かつ好適なビーム幅を有する送信音場を形成する。
この場合も、上述の第1の実施例と同様にして送信振動素子群の各振動素子に対する駆動パルスの遅延時間及び駆動振幅を決定する送信条件(送信遅延条件及び送信振幅条件)は、前記送信振動素子群を用いて非並列同時受信を行う際の基準条件(基準遅延条件及び基準振幅条件)に基づいて設定される。
(装置の構成)
本発明の第2の実施例における超音波診断装置と上述の第1の実施例における超音波診断装置は特に超音波プローブと送受信部の構成において差異がある。本実施例における超音波診断装置の構成と基本動作につき図10乃至図12を用いて説明する。
図10は、本実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図11は、この超音波診断装置を構成する送受信部の構成を示すブロック図である。尚、図10に示す本実施例の超音波診断装置において、上述の第1の実施例の超音波診断装置のユニットと同一の構成及び機能を有するユニットは同一の符号を付加し、詳細な説明は省略する。
図10に示す本実施例の超音波診断装置200は、M0個の振動素子が直線状に配列され被検体に対して超音波送受信を行なうセクタ走査用の超音波プローブ3aと、前記振動素子に対して駆動信号を供給すると共に、これらの振動素子から得られた受信信号を整相加算する送受信部2aを備え、更に、第1の実施例の超音波診断装置100の場合と同様の構成と機能を有するデータ生成部4、画像データ生成部5、表示部6及び基準信号発生部1と、被検体情報や装置の初期設定等を行なう入力部7aと、超音波診断装置200における上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部8aを備えている。
図11の送受信部2aは、セクタ走査用の超音波プローブ3aが有する複数個(M0個)の振動素子に対し駆動信号を供給する送信部21aと、前記振動素子から得られた受信信号に対して整相加算する受信部23を備え、更に、非並列同時受信における送信用の基準遅延条件及び基準振幅条件を基準条件として発生する基準条件発生部25aと、この基準条件発生部25aが発生する基準遅延条件及び基準振幅条件に基づいた並列同時受信用の送信遅延条件及び送信振幅条件を送信条件として生成する送信条件生成部26aを備えている。
そして、送信部21aは、レートパルス発生器211と、送信遅延回路212aと、駆動回路213aと、送信遅延設定部214aと、送信振幅設定部215aを備えている。
レートパルス発生器211は、基準信号発生部1から供給される連続波を分周することによって送信超音波の繰り返し周期を決定するレートパルスを生成し、M0チャンネルで構成される送信遅延回路212aは、送信遅延設定部214aから供給される遅延制御信号に基づき、所定の遅延時間を前記レートパルスに与える。又、M0チャンネルで構成される駆動回路213aは、送信振幅設定部215aから供給される振幅制御信号に基づき、送信遅延回路212aにおいて所定の遅延時間が与えられたレートパルスに同期して所定振幅の駆動パルスを生成する。
一方、送信遅延設定部214aは、送信条件生成部26aが生成した送信遅延条件に基づいて、送信遅延回路212aにおける遅延時間を設定する、同様にして、送信振幅設定部215aは、送信条件生成部26aが生成した送信振幅条件に基づいて、駆動回路213aにおける駆動振幅を設定する。
次に、送受信部2aの基準条件発生部25aは、送信方向θ1乃至送信方向θPの所定距離に超音波を収束して形成された送信音場及びこれらの送信音場の中心軸と略同一の中心軸を有して形成された受信音場を用いて画像データの生成を行なう、所謂、非並列同時受信時の送信方向θpに対する基準遅延条件τpo(m)及び基準振幅条件Ao(m)を発生する。
次に、送信条件生成部26aにおける送信遅延条件及び送信振幅条件の生成方法につき図12を用いて説明する。但し、以下では、セクタ走査の送信方向θpに対して超音波を送信する際に送信条件生成部26aが生成する送信遅延条件τp(m)及び送信振幅条件Ap(m)について述べる。
送信条件生成部26aは、図12に示すように送信方向θpに超音波を送信するための基準遅延条件τpo(m)(図12の(a))及び基準振幅条件Ao(m)を有する基準駆動パルスHpo(m,0)に基づき、送信方向θp−Δθに超音波を送信するための第1の駆動パルスHpo(m,−Δθ)と送信方向θp+Δθに超音波を送信するための第2の駆動パルスHpo(m,Δθ)を生成し、これらを合成して並列同時受信用の駆動パルスHp(m)を得る。
この場合、第1の駆動パルスHpo(m,−Δθ)は、基準振幅条件Ao(m)と第1の遅延条件τpo(m)+Δτ(−mΔθ)(図12の(b))を有し、第2の駆動パルスHpo(m,Δθ)は、基準振幅条件Ao(m)と第2の遅延条件τpo(m)+Δτ(mΔθ)(図12の(c))を有している。但し、Δτ(−mΔθ)及びΔτ(mΔθ)は、−Δθ方向及びΔθ方向に対し送信超音波を偏向させるための遅延条件に対応している。
そして、第1の駆動パルスHpo(m,−Δθ)と第2の駆動パルスHpo(m,Δθ)の合成によって得られた送信遅延時間τp(m)(図12の(d))を有する駆動パルスHp(m)を用いてM0個の振動素子P1乃至PM0を駆動することにより、θp方向に対して均一な送信強度と好適なビーム幅を有した送信音場が形成される。
以下では、方向θpに対し送信指向性を設定するための基準遅延条件τpo(m)と基準振幅条件Ao(m)に基づいて、並列同時受信に好適なビーム幅と均一な強度の送信音場を形成する送信遅延条件τp(m)及び送信振幅条件Ap(m)を生成する場合について述べる。
この場合、基準遅延条件τpo(m)及び基準振幅条件Ao(m)に基づく振動素子Pmの基準駆動パルスをHpo(m,0)とすれば、送信条件生成部26によってその送信条件が生成される駆動パルスHp(m)は、次式(7)によって示すことができる。
Figure 0004895365
但し、Wp(t)及びWo(t)は駆動パルスHp(m)及び基準駆動パルスHpo(m,0)の包絡線関数である。又、Hpo(m,−Δθ)及びHpo(m,Δθ)は、θp−Δθ方向及びθp+Δθ方向に対する超音波の送信を可能にする第1の駆動パルス及び第2の駆動パルスであり、これらの駆動パルスの遅延条件は、上述の基準遅延条件τp(m)に対し−Δτ(mΔθ)及びΔτ(mΔθ)の遅延条件が加算されて生成される。ここで、包絡線関数が駆動パルスの周期(即ち超音波中心周波数の逆数)に対して十分長い場合には下式(8)が近似的に成立する。
Figure 0004895365
従がって、駆動パルスHp(m)の送信遅延条件τp(m)及び送信振幅条件Ap(m)は、基準駆動パルスHpo(m,0)の基準遅延条件τpo(m)及び基準振幅条件Ao(m)を用い、次式(9)によって示すことができる。
Figure 0004895365
以上述べたように、上式(9)から生成された送信遅延条件τp(m)と送信振幅条件Ap(m)に基づく駆動パルスHp(m)を用いて振動素子P1乃至PM0を駆動することにより、図7に示した送信音場と略等価の送信音場を得ることが可能となる。但し、本実施例では、図7の方位方向(X)を角度θ、ΔMをΔθに置き換える。
即ち、送信条件生成部26aは、基準条件発生部25aから供給される送信用の基準遅延条件τpo(m)及び基準振幅条件Ao(m)を用いた上述の演算から送信遅延条件τp(m)と送信振幅条件Ap(m)を生成し、この結果を送信部21aの送信遅延設定部214a及び送信振幅設定部215aに供給する。そして、送信遅延設定部214a及び送信振幅設定部215aは、送信遅延条件τp(m)及び送信振幅条件Ap(m)に基づいて送信遅延回路212aにおける遅延時間と駆動回路213aにおける駆動振幅を設定する。
次に、図10のデータ生成部4におけるBモードデータ生成部41は、受信部23のビームフォーマ234−1乃至234−Mから出力されたMチャンネルの受信信号を信号処理してBモードデータを生成し、カラードプラデータ生成部42は、前記受信信号を信号処理してカラードプラデータを生成する。又、画像データ生成5は、データ生成部4において生成されるBモードデータ及びカラードプラデータを順次保存して、2次元のBモード画像データ及びカラードプラ画像データを生成する。
表示部6は、画像データ生成記憶部5において生成されたBモード画像データやカラードプラ画像データに対し所定の表示形態に対応した走査変換処理を行ない、更に、D/A変換とテレビフォーマット変換を行なってモニタに表示する。
一方、入力部7aは、操作パネル上に表示パネルやキーボード、トラックボール、マウス、選択ボタン、入力ボタン等の入力デバイスを備え、患者情報の入力、データ収集条件、表示条件等の設定、更には、種々のコマンド信号の入力等を行なう。特に、本実施例では、整相加算のチャンネル数M4、並列同時受信数M、送信超音波の偏向角度−Δθ及びΔθの設定、更には基準振幅条件や並列同時受信モード/非並列同時受信モードの選択等を行なう。
システム制御部8aは、送受信部2a、データ生成部4、更には画像データ生成記憶部5の制御やシステム全体の制御を統括して行なう。又、システム制御部8aは、送受信部2aにおける受信部23に対して制御信号を供給し、送信音場内のM方向に対して並列同時受信を行なうための制御と、被検体に対するセクタ走査の制御を行なう。
(画像データの生成手順)
次に、本実施例の並列同時受信モードにおける画像データの生成手順につき図13のフローチャートに沿って説明する。但し、説明を容易にするために送信振動素子群の振動素子数と受信振動素子群の振動素子数は何れもM0の場合について述べるが、これに限定されない。又、以下では、Bモード画像データを生成する場合について述べるが、第1の実施例と同様の手順によりカラードプラ画像データ等の画像データを生成することも可能である。
超音波診断装置200の操作者は、先ず、図10の入力部7aにおいて超音波プローブ3aのプローブIDや画像データの収集に必要な諸条件を設定し、これらの設定情報を、システム制御部8aの図示しない記憶回路に保存する。上記の初期設定条件として、整相加算のチャンネル数M4、並列同時受信数M、送信超音波の偏向角−Δθ及びΔθ、更には、基準振幅条件等がある(図13のステップS11)。
そして、初期設定が終了したならば、操作者は、並列同時受信モードを選択し、次いで、超音波プローブ3aの先端(超音波送受信面)を被検体体表面上の所定位置に固定して超音波の送受信を開始する。このとき、システム制御部8aは、自己の記憶回路に一旦保存した送信超音波の偏向角−Δθ及びΔθの情報を送信条件生成部26aへ、又、基準振幅条件の情報を基準条件発生部25aへ夫々供給し、これらの情報を各ユニットの図示しない記憶回路に保存する。
送受信部2aの基準条件発生部25aは、システム制御部8aから供給された送信振動素子群及び受信振動素子群の振動素子数M0の情報と基準振幅条件の選択情報と最初の送信方向θ1(p=1)の情報に基づき送信用の基準遅延条件τ1o(m)と基準振幅条件Ao(m)を発生し、送信条件生成部26aへ供給する(図13のステップS12)。
送信条件生成部26aは、基準条件発生部25aから供給された基準遅延条件τ1o(m)及び基準振幅条件Ao(m)と自己の記憶回路に保存された送信超音波の偏向角−Δθ及びΔθを、例えば、式(9)に代入して送信遅延条件τ1(m)と送信振幅条件A1(m)を生成する(図13のステップS13)。
次いで、この送信遅延条件τ1(m)を送信遅延設定部214aに、又、送信振幅条件A1(m)を送信振幅設定部215aに供給する。そして、送信遅延設定部214a及び送信振幅設定部215aは、これらの条件情報に基づいて送信遅延回路212aにおける遅延時間と駆動回路213aにおける駆動振幅を設定する(図13のステップS14)。
一方、受信部23の受信遅延/振幅設定部235は、基準条件発生部25aから供給された受信用の基準遅延条件と基準振幅条件に基づいてビームフォーマ234−1乃至234−Mにおける遅延時間と受信振幅を設定する(図13のステップS15)。
最初の送信方向θ1に対する超音波送信に際し、図11のレートパルス発生器211は、基準信号発生部1から供給された基準信号を分周することにより駆動パルスの繰り返し周期を決定するレートパルスを生成して送信遅延回路212aに供給し、M0チャンネルの送信遅延回路212aは、送信遅延設定部214aによって設定された遅延時間を前記レートパルスに与えて駆動回路213aに供給する。
そして、駆動回路213aは、送信遅延回路212aから供給されたレートパルスに同期し、送信振幅設定部215aによって設定された駆動振幅を有する駆動パルスを生成し、超音波プローブ3aの振動素子P1乃至PM0に供給して被検体に送信超音波を放射する(図13のステップS16)。
振動素子P1乃至PM0の駆動によって被検体のθ1方向に放射された送信超音波の一部は、音響インピーダンスの異なる臓器間の境界面あるいは組織にて反射する。又、この超音波が心臓壁や血球などの動きのある反射体で反射する場合、その超音波周波数はドプラ偏移を受ける。
被検体の組織や血球にて反射した超音波反射波(受信超音波)は、振動素子P1乃至PM0で受信されて電気信号(受信信号)に変換されて受信部23に供給され、受信部23のプリアンプ231にて所定の大きさに増幅された前記受信信号は、A/D変換器232にてデジタル信号に変換される。
デジタル信号に変換されたM0チャンネルの受信信号は、チャンネル選択回路233に供給され、チャンネル選択回路233は、これらM0チャンネルの受信信号の中から隣接したM4チャンネル(M4<M0)の受信信号群をM個選択し、これらM個の受信信号群をMチャンネルのビームフォーマ234−1乃至234−Mに供給する。そして、ビームフォーマ234−1乃至234−Mの各々は、M4チャンネルの受信信号を整相加算してダイナミックフォーカスを行なう。
ビームフォーマ234−1乃至234−Mにおける整相加算によって得られたMチャンネルの受信信号は、図10のデータ生成部4におけるBモードデータ生成部41に供給され、包絡線検波と対数変換がなされた後、画像データ生成記憶5のBモードデータ記憶領域に送信方向θ1のBモードデータとして保存される(図13のステップS17)。
次に、システム制御部8aは送受信部2aの基準条件発生部25a及び送信条件生成部26aを制御し、基準条件発生部25aは、上述の送信方向θ1に隣接した送信方向θ2(p=2)に超音波を送信するための基準遅延条件τ2o(m)と基準振幅条件Ao(m)を発生し(図13のステップS12)、送信条件生成部26aは、これらの基礎条件に基づいて送信方向θ2に対する送信遅延条件τ2(m)と送信振幅条件A2(m)を生成する(図13のステップS13)。
そして、送信遅延設定部214a及び送信振幅設定部215aは、これらの送信条件に基づいて送信遅延回路212aにおける遅延時間と駆動回路213aにおける駆動振幅を設定し(図13のステップS14)、駆動回路213aは、送信遅延回路212aにおいて所定時間遅延したレートパルスに同期して前記駆動振幅の駆動パルスを生成し、振動素子P1乃至PM0を駆動して被検体のθ2方向に送信超音波を放射する(図13のステップS16)。
次いで、受信部23は、この送信超音波に基づく受信超音波を並列同時受信し、データ生成部4はこのとき得られた受信信号を処理して送信方向θ2方向に対するBモードデータを生成し画像データ生成部5のBモードデータ記憶領域に保存する(図13のステップS17)。
以下同様の手順によって送信方向θp(p=3乃至P)に対しても超音波の送受信を行ない、得られたBモードデータは画像データ生成部5のBモードデータ記憶領域に保存されて2次元あるいは3次元のBモード画像データが生成される。そして、生成されたBモード画像データは所定の走査変換等の処理が行なわれ表示部6のモニタに表示される(図13のステップS18)。
以上述べた実施例によれば、セクタ走査用超音波プローブを用い被検体の診断対象部位に対して並列同時受信を行なう際に、並列同時受信における送受信音場のビーム曲りあるいは各並列受信方向における送受信感度の不均一性の低減が簡単な回路構成で実現可能となる。
更に、上述の実施例では、Simc関数をベースとした基準振幅条件を用いることにより、均一性に優れしかも端部においては急峻な減衰特性を有した送信音場を得ることができる。従がって、並列同時受信が行なわれる領域以外に放射される送信超音波は微小となるため送信エネルギーを有効に用いることができ、サイドローブや多重反射によるアーチファクトが低減され感度に優れた各種画像データを生成することが可能となる。
即ち、上述の実施例によれば、広い領域で均一な送信音場を形成することができるため並列同時受信方向数を増やすことが可能となり、優れた時間分解能や空間分解能あるいは検出能を有した画像データを生成することができる。又、送信音場を形成する送信部は簡単な回路構成によって実現できるため、コストパフォーマンスに優れた超音波診断装置及び超音波送信方法を提供することが可能となる。
以上、本発明の実施例について述べてきたが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、変形して実施することが可能である。例えば、上述の実施例では2つの駆動パルス群を合成することによって得られる送信音場と略等価な送信音場を単一の駆動パルス群の遅延時間及び駆動振幅を制御することによって形成する場合について述べたが、送信条件生成部26あるいは送信条件生成部26aは、3つ以上の駆動パルス群を合成して得られる送信音場と略等価な送信音場を得るための送信遅延条件及び送信振幅条件を生成してもよい。
例えば、4つの駆動パルス群PL1乃至PL4を2ΔM間隔で合成して得られる送信音場と等価な送信音場を得るための遅延時間τa(m)及び駆動振幅Aa(m)は、次式(10)によって得ることができる。
Figure 0004895365
一方、上述の実施例における送信信号群の振幅分布はSinc関数としたが、他の振幅分布であってもよい。例えば、Sinc関数にハミングの窓関数を乗算することにより振幅分布の端部における不連続の影響を低減することができるため、更に良好な送信音場を形成することができる。
更に、上述の実施例では、振動素子を1次元に配列した超音波プローブ3あるいは超音波プローブ3aについて述べたが2次元配列された超音波プローブであってもよい。又、超音波走査法はコンベックス走査法やセクタ走査法に限定されるものではなく、リニア走査法、ラジアル走査法等の他の走査法であっても構わない。
又、上述の実施例における基準条件発生部25あるいは基準条件発生部25aは基準遅延条件及び基準振幅条件を発生し、送信条件生成部26あるいは送信条件生成部26aは送信遅延条件及び送信振幅条件を生成する場合について述べたが、基準条件発生部25あるいは基準条件発生部25aは基準遅延条件及び基準振幅条件の少なくとも何れかを基準送信条件として発生し、送信条件生成部26あるいは送信条件生成部26aは、送信遅延条件及び送信振幅条件の少なくとも何れかを送信条件として生成してもよい。
本発明の第1の実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図。 同実施例における送受信部の構成を示すブロック図。 同実施例の並列同時受信における送信用振動素子群及び受信用振動素子群の選択方法を模式的に示す図。 同実施例の振動素子に対する送信用の基準遅延条件を模式的に示す図。 同実施例の送信振動素子に対する送信用の基準振幅条件と、この基準振幅条件に基づく駆動パルスによって生成される送信音場を示す図。 同実施例における送信遅延/振幅条件の生成方法を説明するための図。 同実施例によって形成される送信音場を説明するための図。 同実施例におけるデータ生成部の構成を示すブロック図。 同実施例における画像データの生成手順をしめすフローチャート。 本発明の第2の実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図。 同実施例における送受信部の構成を示すブロック図。 同実施例における送信条件生成部の機能を模式的に説明するための図。 同実施例における画像データの生成手順をしめすフローチャート。 従来の並列同時受信における送受信音場のビーム曲がりを説明するための図。 従来の並列同時受信における送受信感度の不均一を説明するための図。
符号の説明
1…基準信号発生部
2、2a…送受信部
3、3a…超音波プローブ
4…データ生成部
5…画像データ生成部
6…表示部
7、7a…入力部
8、8a…システム制御部
21、21a…送信部
22…素子選択部
23…受信部
24…素子選択制御部
25、25a…基準条件発生部
26、26a…送信条件生成部
41…Bモードデータ生成部
42…カラードプラデータ生成部GENERATION UNIT
100、200…超音波診断装置
211…レートパルス発生器
212、212a…送信遅延回路
213、213a…駆動回路
214、214a…送信遅延設定部
215、215a…送信振幅設定部
231…プリアンプ
232…A/D変換器
233…チャンネル選択回路
234…ビームフォーマ
235…受信遅延/振幅設定部
411…包絡線検波器
412…対数変換器
421…Π/2移相器
422…ミキサ
423…LPF(低域通過フィルタ)
424…ドプラ信号記憶部
425…MTIフィルタ
426…自己相関演算器

Claims (18)

  1. 複数の振動素子の各々を駆動し、被検体に対して送信音場を形成する超音波診断装置において、
    並列同時受信用の送信音場に基づいて定めた第1のパルス群の送信条件と、第2のパルス群の送信条件とから、振動素子ごとに単一のパルスからなる駆動パルス群の送信条件を求める送信条件設定手段と、
    前記駆動パルス群を発生して前記振動素子を駆動し前記被検体に対して超音波を送信する送信手段と、
    前記超音波の送信により前記被検体の複数方向から得られる反射波を並列同時受信する受信手段と
    を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記送信条件は少なくとも遅延時間の情報を含み、
    前記送信条件設定手段は、前記第1及び第2のパルス群の送信条件の遅延時間の平均値を前記駆動パルスの遅延時間として求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記送信音場は、第1の音場と第2の音場との合成からなる合成音場であり、
    前記送信条件設定手段は、前記第1の音場に基づいて前記第1のパルス群の送信条件を、前記第2の音場に基づいて前記第2のパルス群の送信条件を定める
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記第1及び第2の音場は、それぞれ方位方向に対して略矩形の音場であって、
    前記送信条件設定手段は、前記第1及び第2の音場の端部が重なった前記送信音場が得られるように前記第1及び第2のパルス群の送信条件を定める
    ことを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
  5. 前記送信条件生成手段は、振動素子配列方向に対して相対的にシフトした前記第1及び第2のパルス群の送信条件に基づいて前記駆動パルスの送信条件を求めることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  6. 前記送信条件生成手段は、超音波送信方向に対し所定の角度を有した複数方向の音場に対応した前記第1及び第2のパルス群の送信条件に基づいて前記駆動パルスの送信条件を求めることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  7. 前記送信条件生成手段は、並列同時受信における受信条件を、前記第1及び第2のパルス群の送信条件に基づいて求めることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  8. 前記送信条件は少なくとも振幅条件の情報を含み、
    前記送信条件生成手段は、Sinc関数をベースとした前記振幅条件を前記第1及び第2のパルス群の送信条件において定めることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  9. 前記受信手段は、前記送信音場に対応させて前記並列同時受信の受信方向を設定することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  10. 並列同時受信用の送信音場に基づいて定まる第1のパルス群の送信条件と、第2のパルス群の送信条件とから、駆動パルス群の送信条件を求めるステップと、
    前記駆動パルス群の送信条件に基づいて、振動素子ごとに単一のパルスからなる駆動パルス群を生成するステップと、
    前記駆動パルス群によって前記振動素子を駆動し、被検体に対して前記並列同時受信用の送信音場を形成するステップと
    を有することを特徴とする超音波送信方法。
  11. 前記送信条件は少なくとも遅延時間の情報を含み、
    前記駆動パルス群の送信条件を求めるステップは、前記第1及び第2のパルス群の送信条件の遅延時間の平均値を前記駆動パルスの遅延時間として求める
    ことを特徴とする請求項10に記載の超音波送信方法。
  12. 前記送信音場は、第1の音場と第2の音場との合成からなる合成音場であり、
    前記駆動パルス群の送信条件を求めるステップは、前記第1の音場に基づいて前記第1のパルス群の送信条件を、前記第2の音場に基づいて前記第2のパルス群の送信条件を定める
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の超音波送信方法。
  13. 前記第1及び第2の音場は、それぞれ方位方向に対して略矩形の音場であって、
    前記駆動パルス群の送信条件を求めるステップは、前記第1及び第2の音場の端部が重なった前記送信音場が得られるように前記第1及び第2のパルス群の送信条件を定める
    ことを特徴とする請求項12に記載の超音波送信方法。
  14. 前記駆動パルス群の送信条件を求めるステップは、振動素子配列方向に対して相対的にシフトした前記第1及び第2のパルス群の送信条件とに基づいて駆動パルスの送信条件を求める
    ことを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の超音波送信方法。
  15. 前記駆動パルス群の送信条件を求めるステップは、超音波送信方向に対し所定の角度を有した複数方向の音場に対応した前記第1及び第2のパルス群の送信条件に基づいて前記駆動パルスの送信条件を求める
    ことを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の超音波送信方法。
  16. 前記並列同時受信における受信条件を、前記第1及び第2のパルス群の送信条件に基づいて求めるステップとを更に有する
    ことを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1項に記載の超音波送信方法。
  17. 前記送信条件は少なくとも振幅条件の情報を含み、
    前記送信条件生成手段は、Sinc関数をベースとした前記振幅条件を前記第1及び第2のパルス群の送信条件において定めること
    を特徴とする請求項10乃至16のいずれか1項に記載の超音波送信方法。
  18. 前記送信音場に対応させて前記並列同時受信の受信方向を設定するステップとを更に有する
    ことを特徴とする請求項10乃至17のいずれか1項に記載の超音波送信方法。
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