JP4893563B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のルーフ内部に畳まれた状態で収納されたエアバッグを車両のボディ側壁とシートとの間に展開膨張させるエアバッグ装置に関するものである。
エアバッグ装置として、車両のルーフ内部の収納空間に畳まれた状態で収納されたエアバッグと同エアバッグを膨張させるためのガスを発生するインフレータとを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。こうした装置では、車両に所定方向からの衝撃が加わると、インフレータが作動する。そして、これにより発生したガスによってエアバッグが上記収納空間から車室内に向けて膨出するとともに車両のボディ側壁とシートとの間に展開することによって、シートに着座した乗員が上記衝撃から保護される。
また上記エアバッグを幅方向に速やかに展開させるために、同エアバッグを、その内部に小型のエアバッグ(インナーバッグ)が設けられた二重構造にすることが提案されている。このインナーバッグとしては、膨張展開した際にエアバッグの幅方向に延びる形状のものが同エアバッグ内部に設けられている。エアバッグの膨張展開に際しては、インフレータの発生ガスがインナーバッグ内部からエアバッグの内部に噴出するようになっている。こうしたインナーバッグを設けることにより、発生ガスの流れがエアバッグの幅方向の両側に案内されるようになり、同エアバッグの幅方向における展開不良の発生が抑えられる。
特開2002−362284号公報
ところで、上記エアバッグ装置のエアバッグは、車両のボディ側壁とシートとの間において膨張展開する部分(エアバッグ本体)の他に、同エアバッグ本体とインフレータのガス噴出口とを連通する部分(ガス導入通路)を備えている。また、上記収納空間として設定可能なスペースが限られているために、上記ガス導入通路が途中で曲折した形状で延設されている。さらに上記インナーチューブは、その機能上、エアバッグ本体とガス導入通路との接続部分の近傍において曲折した形状で延設されている。このように上記エアバッグ装置では、ガス導入通路やインナーチューブが曲折した形状に延設されており、発生ガスのガス導入通路やインナーバックの通過に際して同ガスの偏当たりが発生しやすい。
また、ガス導入通路の内部やインナーバッグの内部を通過するガスの流速は極めて高い。しかもエアバッグの膨張速度を高くするほど、ガス導入通路の内部やインナーバッグの内部を通過するガスの単位時間あたりの通過量が多くなるために、上記流速は高くなってしまう。そのため、エアバッグを速やかに膨張展開させるべく上記ガス通過量を多くすると、エアバッグの膨張過程において同エアバッグにおける上記ガスの流れが強く当たる部分が不要に変形してしまうおそれがある。これは、エアバッグの膨張過程において一時的に生じる現象であるとはいえ、エアバッグが予め見込んだ態様と異なる態様で膨張展開する一因となるため、好ましくない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エアバッグを速やかに且つ所望の態様で的確に展開させることのできるエアバッグ装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、車両のルーフ内部に畳まれた状態で収納されるエアバッグと、該エアバッグを膨張させるためのガスを発生するインフレータとを備え、前記エアバッグは、前記車両のシートおよび同車両のボディ側壁の間で膨張展開するエアバッグ本体と、途中で一方向に曲折した形状で延設されて前記エアバッグ本体の展開状態における前記インフレータ側の部分および前記インフレータのガス噴出口を連通するガス導入通路と、同ガス導入通路を始点に前記エアバッグ本体の幅方向に延びるように前記エアバッグ本体の内部に設けられたインナーバッグと、を有してなるエアバッグ装置において、前記エアバッグは、前記エアバッグ本体の幅方向における前記インナーバッグの先端より前記ガス導入通路側の位置であって、且つ、前記エアバッグ本体の前記ガス導入通路側の部分における前記曲折した部分の外方側にあたる位置にのみ、前記エアバッグ本体を前記ルーフに固定するための固定部材が設けられており、前記エアバッグ本体の幅方向における前記インナーバッグの先端より前記ガス導入通路側の位置であって、且つ、前記エアバッグ本体の前記ガス導入通路側の部分における前記曲折した部分の内方側にあたる位置には、前記エアバッグ本体を前記ルーフに固定するための固定部材が設けられていないことをその要旨とする。
上記構成では、ガス導入通路からエアバッグ本体の内部に流入するガスの流れが同エアバッグ本体の幅方向の側部に向かうように、インナーバッグが曲折した形状に延設される。そのため、エアバッグの膨張に際してガス導入通路からエアバッグ本体の内部に流入するガスの流れに押圧されることにより、同エアバッグの膨張過程において一時的であるとはいえ、上記インナーバッグ、ひいてはエアバッグ本体の展開位置がインフレータから離間する方向に不要に変化するおそれがある。
また上記構成では、ガス導入通路が曲折した形状に延設されているために、インナーバッグにおける上記曲折した形状の内方側にあたる部分に当接するガスの流れのエネルギと比較して、同曲折した形状の外方側にあたる部分に当接するガスの流れのエネルギが大きくなる。そのため、内部を通過するガスの流れからインナーバッグが受ける押圧力は、ガス導入通路より上記内方側の部分と比較して、同ガス導入通路より外方側の部分のほうが大きくなる。したがって、単にエアバッグを配設すると、上述のようにエアバッグ本体の展開位置が変化する場合に、その変化量が上記ガス導入通路より上記外方側の部分において大きくなる。
上記構成によれば、そのように展開位置の変化量が大きくなるおそれのある部分を車両のルーフに係止することができ、これにより同部分の展開位置の一時的な変化を抑えることができる。したがって、エアバッグ本体の展開位置の不要な変化を抑えた上で、同エアバッグ本体に流入するガスの単位当たりの流入量を多くすることが可能になり、エアバッグを速やかに且つ所望の態様で的確に展開させることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエアバッグ装置において、前記固定部材は、前記ガス導入通路を前記ルーフに固定するものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、ガス導入通路の展開位置が不要に変化することを抑制することができるようになり、エアバッグ本体の展開位置の不要な変化を好適に抑えることができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のエアバッグ装置において、前記固定部材は、前記インナーバッグを前記ルーフに固定するものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、ガスの流れによる押圧力が直接作用するインナーバッグの展開位置が不要に変化することを抑制することができるようになり、エアバッグ本体の展開位置の不要な変化を好適に抑えることができるようになる。
なお前記固定部材としては、請求項4によるように、エアバッグに設けられたストラップを採用することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエアバッグ装置において、前記エアバッグは、前記車両のルーフ後端の内部に収納されるとともに前記車両の最後部シートとリヤウインドウとの間で膨張展開するものであり、前記エアバッグ本体の展開形状が車両上下方向を基準として左右対称の形状に形成されてなるものであり、前記ガス導入通路が前記エアバッグ本体の車幅方向における中央部分に接続されてなるものであることをその要旨とする。
車両のルーフ後端の内部に収納されるとともに同車両の最後部シートとリヤウインドウとの間で膨張展開するエアバッグを備えた装置、いわゆる後突用エアバッグ装置が知られている。こうした装置では、エアバッグ本体が車両上下方向を基準として左右対称の形状に形成されることから、エアバッグ本体を好適に展開させるためには同エアバッグ本体を左右対称の状態で膨張展開することが望ましい。
上記構成によれば、そうした後突用エアバッグ装置にあって、エアバッグの展開態様についての車両右側の部分と左側の部分との間でのずれを抑制することができ、同エアバッグを的確に膨張展開させることができる。
本発明にかかるエアバッグ装置によれば、エアバッグを速やかに且つ所望の態様で的確に展開させることができるようになる。
以下、本発明にかかるエアバッグ装置を具体化した一実施の形態について説明する。
ここでは先ず、本実施の形態にかかるエアバッグ装置の概略構成について説明する。
図1に本実施の形態にかかるエアバッグ装置が搭載される車両の後方部分の側面構造を示し、図2に同車両の背面構造を示す。
図1および図2に示すように、エアバッグ10は、車両20の後部におけるルーフパネル21とその車両下方側に位置するルーフヘッドライニング22との間に畳まれた状態で収容される。また、ルーフパネル21とルーフヘッドライニング22との間におけるエアバッグ10の車両上方側であって車両前方側の部分には、同エアバッグ10を膨張させるためのガスを発生するインフレータ40が設けられている。
車両20の後部(例えば、その後部バンパ23)には、同車両20の後部に所定以上の衝撃が加えられたときに信号を出力するセンサ24が設けられている。このセンサ24の出力信号は制御装置25に入力されるようになっており、制御装置25はセンサ24からの信号入力に基づいてインフレータ40に対して作動信号を出力する。インフレータ40は、制御装置25からの作動信号を受けてガスを発生する。そして、この発生ガスがエアバッグ10に供給されることによって、同エアバッグ10が車両20の後方および下方に向けて膨張展開される。図1および図2中に二点鎖線で示すように、膨張展開した後のエアバッグ10は車両20の最後部シート26とリヤウインドウ27との間に位置するようになる。このように本実施の形態にかかるエアバッグ装置は、車両20の最後部シート26とリヤウインドウ27との間で膨張展開するエアバッグ10を備えた、いわゆる後突用エアバッグ装置である。
次に、エアバッグ10について詳細に説明する。
図3に展開状態のエアバッグ10を示す。
同図3に示すように、エアバッグ10はガス導入通路11を備えている。このガス導入通路11は、エアバッグ10の車両上方側かつ車両前方側(図3における上端)の部分であって展開状態におけるエアバッグ10の上記インフレータ40側の部分を構成するものである。上記ガス導入通路11は、その一端がインフレータ40(詳しくは、そのガス噴出口40a)に連通されるとともに、他端がエアバッグ10にあって最後部シート26とリヤウインドウ27との間で膨張展開する部分(エアバッグ本体12)の車幅方向における中央部分に連通されている。このガス導入通路11は、インフレータ40の設置スペースの都合上、途中で一方向(図3における右側)に曲折した形状に延設されている。詳しくは、エアバッグ本体12側の部分が車両上下方向かつ車両前後方向(図3における上下方向)に延びる形状であって、インフレータ40側の部分が車幅方向(図3における左右方向)に延びる形状に形成されている。
エアバッグ本体12の上記ガス導入通路11側の端部には、エアバッグ10が膨張展開する際に、同ガス導入通路11より車両下方側かつ車両後方側(図3における下方側)において車幅方向に延びる横セル13が形成されている。また、エアバッグ本体12の幅方向(本実施の形態では、車幅方向と同一)における両端部には、上記横セル13を始点に車両後方側であって車両下方側に延びるサイド用縦セル14がそれぞれ形成されている。さらに、横セル13の車幅方向における中央部分には、上記横セル13を始点に車両後方側であって車両下方側に延びる二つのセンタ用縦セル15がそれぞれ形成されている。そして、上記ガス導入通路11が横セル13と連通しており、同横セル13が各サイド用縦セル14や各センタ用縦セル15と連通している。なお、エアバッグ本体12は、その展開形状が車両上下方向を基準として左右対称の形状に形成されている。
エアバッグ10は基布を縫い合わせることによって形成されている。ガス導入通路11は筒形状に形成されている。またエアバッグ本体12にあって、同横セル13やサイド用縦セル14、センタ用縦セル15にあたる部分は袋形状に形成されている。さらにエアバッグ本体12にあってセンタ用縦セル15とその側方に位置するサイド用縦セル14との間にあたる部分は、一枚の基布によって各セル14,15が繋がれるように形成されている。
エアバッグ10は、各センタ用縦セル15が車両20の最後部シート26において車幅方向に並ぶ二つのヘッドレスト26aの間に位置するように、且つ各サイド用縦セル14がそれぞれ二つのヘッドレスト26aの車幅方向における外側に位置するように膨張展開する。また、センタ用縦セル15とサイド用縦セル14との間のシート状の部分(シート部16)は、エアバッグ10の膨張展開に際して、上記ヘッドレスト26aよりも車両後方側において展開して、同ヘッドレスト26aとリヤウインドウ27(図1参照)との間を遮断する。
エアバッグ10の内部にはインナーバッグ17が設けられている。このインナーバッグ17は、エアバッグ10の膨張展開に際して略筒形状となるものであり、上記ガス導入通路11の内部において同ガス導入通路11と同一方向に延びる部分(導入部17a)とエアバッグ本体12の横セル13の内部において車幅方向に延びる部分(分配部17b)とによって構成されている。インナーバッグ17の分配部17bは、その車幅方向における両端がサイド用縦セル14に向けて開口している。また、インナーバッグ17の分配部17bの中央部分にはセンタ用縦セル15に向けて開口する孔17cが形成されている。そして本実施の形態では、インフレータ40の発生ガスがインナーバッグ17の導入部17aを通過した後に分配部17bに流入し、同分配部17bの車幅方向の両端の開口からサイド用縦セル14に流入するとともに、同分配部17bの孔17cからセンタ用縦セル15に流入する。このように本実施の形態では、インナーバッグ17により、インフレータ40の発生ガスがサイド用縦セル14やセンタ用縦セル15に分配されるようになっている。なお、インナーバッグ17は、エアバッグ本体12と同一の基布によって形成されており、同基布がエアバッグ本体12を構成する基布ともども縫い合わせられることによって形成されている。
エアバッグ本体12の車両上方側かつ車両前方側の縁部にあって車幅方向の両側には取付具18がそれぞれ設けられている。また、エアバッグ本体12の車両上方側かつ車両前方側の縁部において、上記ガス導入通路11の曲折した部分の外方側(図3におけるガス導入通路11より左側)にあたる位置であってインナーバッグ17の車幅方向における先端より上記ガス導入通路11側の位置には、固定具19が設けられている。なお、取付具18および固定具19は、エアバッグ10を車両20に取り付けるためのものであり、帯状の基布と同基布に固定された金具とによって構成されたもの(いわゆるストラップ)である。また固定具19は、エアバッグ本体12の基布とインナーバッグ17の基布とが一体に縫い合わされた部分から車両上方側かつ車両前方側に向けて延設されたものであり、エアバッグ本体12をインナーバッグ17ともども車両20に取り付けるためのものである。本実施の形態では、この固定具19が固定部材として機能する。
次に、車両20における上記エアバッグ10の取り付け部分およびその周辺の構造について説明する。
図4に、車両20のルーフ後端部分における図2のA−A線に沿った断面構造を示す。
同図4に示すように、ルーフパネル21の車両下方側にはルーフヘッドライニング22が取り付けられている。このルーフヘッドライニング22はルーフパネル21の車室内側の面の略全体を覆う形状に形成されている。ルーフパネル21とルーフヘッドライニング22との間にはインナパネル28が設けられており、このインナパネル28はルーフパネル21に固定されている。ルーフパネル21の車両後方側の端部は、インナパネル28側に接近するように屈曲した形状に形成されて同インナパネル28の車両後方側の端部に接続されており、車両20のバックドア30を支持するためのリヤルーフレール29となっている。なお本実施の形態では、ルーフパネル21とルーフヘッドライニング22とインナパネル28とによって車両20のルーフが構成されている。また、ルーフパネル21およびインナパネル28が共に金属の薄板によって形成されており、ルーフヘッドライニング22は可撓性を有する樹脂材料によって形成されている。
上記リヤルーフレール29にはバックドア30がヒンジ機構31を介して取り付けられている。これによりバックドア30はルーフパネル21の車両後方側の端部(リヤルーフレール29)を中心に開閉動作可能になっている。なお、バックドア30には上記リヤウインドウ27が設けられている。本実施の形態では、このバックドア30が車両のボディ側壁として機能する。
ルーフヘッドライニング22は、ルーフパネル21に対するインナパネル28の固定部分よりも車両前方側の部分を中心として車両下方側(図4中における下側)に回動可能となるようにルーフパネル21に取り付けられている。また、ルーフヘッドライニング22の車両後方側の端部は、リヤルーフレール29(具体的には、ルーフパネル21やインナパネル28)の車両後方側の端部に固定されたカバー片32と係合している。このルーフヘッドライニング22の後端部とカバー片32との係合は、エアバッグ10の膨張に際して同エアバッグ10によってルーフヘッドライニング22が車両下方側に押されることによって解除されるようになっている。
ルーフパネル21とルーフヘッドライニング22との間においてインナパネル28の車両下方側の部分には、畳まれた状態のエアバッグ10とインフレータ40とが収容されている。インフレータ40は、ルーフパネル21とルーフヘッドライニング22との間であって車両20の後方から衝撃が加えられたときの変形の小さい部位(インナパネル28の中でも剛性が高い部位)に固定されている。またインフレータ40は、そのガス噴出口40a(図示略)がエアバッグ10のガス導入通路11内に位置するように設けられている。エアバッグ10は、その取付具18および固定具19がインナパネル28に固定されて、上記インフレータ40よりも車両下方側かつ車両後方側の位置に取り付けられている。
なおエアバッグ10は、ガス導入通路11に近い部分が蛇腹状に折り畳まれた状態であって、ガス導入通路11から遠い部分がロール状に畳まれた状態で収容されている。このように畳まれたエアバッグ10は、上記蛇腹状の折り畳み方を通じて形成された蛇腹部10aと、上記ロール状の畳み方を通じて形成されたロール部10bとを備えている。
そして、エアバッグ10は以下に記載する態様で膨張展開する。
すなわち先ず、インフレータ40の発生ガスが畳まれた状態のエアバッグ10に流入すると、同エアバッグ10の蛇腹部10aが膨張し、これによってルーフヘッドライニング22が車両下方側に押圧される。これにより、ルーフヘッドライニング22が蛇腹部10aよりも車両前方側の部分を中心として車両下方側(詳しくは、図4中に矢印Bで示す方向)に回動する。その結果、ルーフヘッドライニング22の車両後方側の端部とカバー片32との係合が解除され、同端部が図5に示すように車両下方側に変位する。
そして、その後におけるエアバッグ10の内部へのガス流入に伴い、同エアバッグ10のロール部10bがルーフヘッドライニング22の車両後方側の端部から車両後方側および車両下方側に向けて転がり出るように展開されつつ膨張するようになる。
このように膨張展開した後のエアバッグ10は図6に示す状態となる。同図6から分かるように、エアバッグ10は最後部シート26よりも車両後方側(図6における右側)に展開されて膨張するようになる。そして、膨張展開後のエアバッグ10においては、各センタ用縦セル15が最後部シート26の二つのヘッドレスト26aの間に位置し、各サイド用縦セル14がそれぞれ二つのヘッドレスト26aの車幅方向(図6における上下方向)の外側に位置する。また、このときセンタ用縦セル15とサイド用縦セル14との間のシート部16は、上記ヘッドレスト26aよりも車両後方側に位置する。このようにシート部16が展開することによって、ヘッドレスト26aとバックドア30のリヤウインドウ27との間が遮断されるとともに、各サイド用縦セル14や各センタ用縦セル15の展開位置の車両前方側へのずれが抑えられる。
ここで、本実施の形態にかかるエアバッグ装置では、ガス導入通路11(図3)からエアバッグ本体12の内部に流入するガスの流れが同エアバッグ本体12の幅方向(車幅方向)の側部に向かうように、インナーバッグ17が曲折した形状に延設されている。そのため、エアバッグ10の膨張に際してガス導入通路11からエアバッグ本体12の内部に流入するガスの流れに押圧されることにより、上記インナーバッグ17、ひいてはエアバッグ本体12の展開位置がインフレータ40から離間する方向に不要に変化するおそれがある。
こうしたエアバッグ本体12の展開位置がずれる現象はエアバッグ10の膨張過程において一時的に発生する現象であり、エアバッグ本体12の内部に十分な量のガスが充填されると、同エアバッグ本体12の形状は所定の形状になり、その展開位置も所定の位置になる。とはいえ、上記現象の発生によってエアバッグ本体12の展開位置が車両のルーフ(具体的には、インナパネル28)から離間する側であって車室内側に一時的に変化した場合、最後部シート26のヘッドレスト26aと展開途中のエアバッグ本体12とが不要に接触するなどして、エアバッグ10の速やかな展開が妨げられるおそれがある。
また、本実施の形態にかかるエアバッグ装置では、ガス導入通路11が曲折した形状に延設されているために、上記曲折した形状の外方側にあたる部分(図3における左側部分)におけるガスの流速が高くなったり流量が多くなったりするなど、ガス導入通路11(詳しくはインナーバッグ17)内におけるガスの流れに偏りが生じる。そして、こうしたガスの流れの偏りによって、インナーバッグ17における上記曲折した形状の内方側にあたる部分(図3における右側部分)に当接するガスの流れのエネルギと比較して、同曲折した形状の外方側にあたる部分に当接するガスの流れのエネルギが大きくなる。
そのため本実施の形態では、内部を通過するガスの流れからインナーバッグ17が受ける押圧力が、ガス導入通路11より上記内方側の部分と比較して、同ガス導入通路11より外方側の部分のほうが大きくなる。したがって、単にエアバッグ10を配設すると、上述のようにエアバッグ本体12の展開位置が不要に変化する場合において、その変化量が上記ガス導入通路11より上記外方側の部分において大きくなってしまう。
本実施の形態では、このような理由から、エアバッグ10が膨張展開する過程において同エアバッグ10の左右のバランスが悪くなりやすい。エアバッグ10を的確に膨張展開させる上では、同エアバッグ10が車両下方に向けて左右均等に膨張展開することが望ましい。
この点をふまえて本実施の形態では、エアバッグ本体12のガス導入通路11側の部分における前記曲折した部分の外方側にあたる位置であって、同エアバッグ本体12の車幅方向におけるインナーバッグ17の先端よりガス導入通路11側の位置に固定具19が設けられている。そして、この固定具19を介してエアバッグ10が車両20のルーフ(詳しくは、インナパネル28)に固定されている。
これにより、エアバッグ10における固定具19の周辺部分、言い換えれば、展開位置の変化量が大きくなるおそれのある部分がインナパネル28に係止されるようになり、同部分の展開位置の一時的な変化が抑えられるようになる。そのため、エアバッグ本体12の展開位置の不要な変化を抑えた上で、同エアバッグ本体12に流入するガスの単位当たりの流入量を多くすることができるようになる。したがって、エアバッグ10を速やかに且つ所望の態様で的確に展開させることができるようになる。
しかも、エアバッグ本体12における上記曲折した部分の外方側にあたる部分がインナパネル28に係止されるようになるために、エアバッグ10の展開態様についての車両右側の部分と左側の部分との間でのずれが抑えられるようになり、同エアバッグ10が的確に膨張展開するようになる。
また本実施の形態では、エアバッグ本体12がインナーバッグ17ともども車両20のルーフに固定されるために、ガスの流れによる押圧力が直接作用するインナーバッグ17の展開位置が不要に変化することを抑制することができ、エアバッグ本体12の展開位置の不要な変化を好適に抑えることができる。
なお、上記実施の形態のようにガス導入通路が曲折した形状に延設された装置であって、エアバッグ装置を収納可能なスペースがごく狭い車両に適用される装置では、そのエアバッグ本体における上記曲折した形状の内方側にあたる部分に取付具を新たに設けることが困難である。本実施の形態によれば、そうした装置にあって、ガス導入通路11の前記曲折した形状の外方側にあたる部分のみに固定具19を設けることにより、エアバッグ10を好適に膨張展開させることができるようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)エアバッグ10を速やかに且つ所望の態様で的確に展開させることができるようになる。
(2)エアバッグ本体12をインナーバッグ17ともども車両20のルーフに固定するようにしたために、エアバッグ本体12の展開位置の不要な変化を好適に抑えることができる。
(3)エアバッグ10の展開態様についての車両右側の部分と左側の部分との間でのずれを抑制することができ、同エアバッグ10を的確に膨張展開させることができる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・図7に示すエアバッグ50のように、エアバッグ本体12を固定するための固定具59として、同エアバッグ本体12の車両上方側かつ車両前方側の縁部とガス導入通路11における前記曲折した形状の外方側の縁部とにそれぞれ繋がる形状のものを設けるようにしてもよい。こうした構成によれば、エアバッグ本体12に加えて、ガス導入通路11についてもこれを車両20のルーフに固定することができる。したがって、ガス導入通路11の展開位置が不要に変化することを抑制することができるようになり、エアバッグ本体12の展開位置の不要な変化を好適に抑えることができるようになる。
・エアバッグ本体12とインナーバッグ17とが繋がっていない部分に固定具を設けるようにしてもよい。
・固定具の配設位置は、エアバッグ本体12のインフレータ40側の縁部に限らず、同エアバッグ本体12のインフレータ40側の部分であれば適宜変更可能である。
・エアバッグ本体12の構造は、横セル13やサイド用縦セル14、センタ用縦セル15、並びにシート部16を有する構造に限らず、任意に変更可能である。
・取付具や固定具は、ストラップに限らず、エアバッグ10を車両20のルーフに固定することができるものであれば、適宜変更可能である。
・本発明は、エアバッグ本体の展開形状が車両上下方向を基準として左右非対称の形状に形成された装置にも適用することができる。
・本発明は、エアバッグ本体の車幅方向における中央部分からずれた位置にガス導入通路が接続される装置にも適用可能である。
・本発明は、畳まれた状態のエアバッグが車両のルーフ内部に収納されて、同エアバッグが同車両のシートとサイドウインドウとの間で膨張展開する装置、いわゆるサイドカーテンエアバッグ装置にも適用可能である。なお、そうした装置では、エアバッグ本体の幅方向は車両前後方向になる。
本発明にかかるエアバッグ装置が適用される車両の後方部分の側面構造を示す側面図。 同車両の背面構造を示す背面図。 展開状態のエアバッグの平面構造を示す平面図。 車両のルーフ後端部分における図2のA−A線に沿った断面構造を示す断面図。 エアバッグの膨張過程における車両のルーフ後端部分の断面構造を示す断面図。 膨張展開後におけるエアバッグの展開位置を示す略図。 変形例のエアバッグの展開状態における平面構造を示す平面図。
符号の説明
10,50…エアバッグ、10a…蛇腹部、10b…ロール部、11…ガス導入通路、12…エアバッグ本体、13…横セル、14…サイド用縦セル、15…センタ用縦セル、16…シート部、17…インナーバッグ、17a…導入部、17b…分配部、17c…孔、18…取付具、19,59…固定具、20…車両、21…ルーフパネル、22…ルーフヘッドライニング、23…後部バンパ、24…センサ、25…制御装置、26…最後部シート、26a…ヘッドレスト、27…リヤウインドウ、28…インナパネル、29…リヤルーフレール、30…バックドア、31…ヒンジ機構、32…カバー片、40…インフレータ、40a…ガス噴出口。

Claims (5)

  1. 車両のルーフ内部に畳まれた状態で収納されるエアバッグと、該エアバッグを膨張させるためのガスを発生するインフレータとを備え、
    前記エアバッグは、
    前記車両のシートおよび同車両のボディ側壁の間で膨張展開するエアバッグ本体と、
    途中で一方向に曲折した形状で延設されて前記エアバッグ本体の展開状態における前記インフレータ側の部分および前記インフレータのガス噴出口を連通するガス導入通路と、
    同ガス導入通路を始点に前記エアバッグ本体の幅方向に延びるように前記エアバッグ本体の内部に設けられたインナーバッグと、
    を有してなるエアバッグ装置において、
    前記エアバッグは、前記エアバッグ本体の幅方向における前記インナーバッグの先端より前記ガス導入通路側の位置であって、且つ、前記エアバッグ本体の前記ガス導入通路側の部分における前記曲折した部分の外方側にあたる位置にのみ、前記エアバッグ本体を前記ルーフに固定するための固定部材が設けられており、前記エアバッグ本体の幅方向における前記インナーバッグの先端より前記ガス導入通路側の位置であって、且つ、前記エアバッグ本体の前記ガス導入通路側の部分における前記曲折した部分の内方側にあたる位置には、前記エアバッグ本体を前記ルーフに固定するための固定部材が設けられていない
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 請求項1に記載のエアバッグ装置において、
    前記固定部材は、前記ガス導入通路を前記ルーフに固定するものである
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
  3. 請求項1または2に記載のエアバッグ装置において、
    前記固定部材は、前記インナーバッグを前記ルーフに固定するものである
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエアバッグ装置において、
    前記固定部材は、前記エアバッグに設けられたストラップである
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のエアバッグ装置において、
    前記エアバッグは、前記車両のルーフ後端の内部に収納されるとともに前記車両の最後部シートとリヤウインドウとの間で膨張展開するものであり、前記エアバッグ本体の展開形状が車両上下方向を基準として左右対称の形状に形成されてなるものであり、前記ガス導入通路が前記エアバッグ本体の車幅方向における中央部分に接続されてなるものである
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
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