本発明は、受信装置、外部アンテナ及び受信システムに関し、例えばディジタルラジオ放送等を受信可能な携帯電話に適用することができる。本発明は、外部アンテナをコネクタにより着脱可能として、このコネクタの配線により、チューナのアンテナ入力端への接続を内蔵アンテナから外部アンテナに切り換えることにより、簡易な構成により損失を有効に回避して、外部アンテナと内蔵アンテナとを切り換えることができるようにする。
従来、テレビジョン放送等を受信可能な携帯電話は、内蔵アンテナ、外部アンテナで放送波を受信している。ここで内蔵アンテナの場合、携帯電話のデザインが損なわれない特徴があるものの、外部アンテナに比して感度が劣り、内部ノイズの影響を受け易い等の欠点がある。これに対して外部アンテナには、ロッドアンテナ、イヤホンアンテナ等が使用される。
ここでロッドアンテナは、内蔵アンテナに比して感度等が優れる特徴があるものの、携帯電話のデザインが損なわれ、さらにはアンテナが突出する等の欠点がある。このため図48に示すように、ロッドアンテナを採用する携帯電話システム1では、必要に応じてロッドアンテナ2を取り外せるように構成されたものが提案されている。すなわちこの携帯電話システム1では、ロッドアンテナ2の根元にコネクタ3が設けられ、図49に示すように、このコネクタ3を携帯電話4のコネクタ5に接続すると、例えばコンデンサ6を介して携帯電話4に内蔵のチューナ7のアンテナ入力端にロッドアンテナ2が接続される。この携帯電話システム1では、コネクタ5からロッドアンテナ2を引き抜いて、ロッドアンテナ2を携帯電話4から取り外すことができる。
これに対してイヤホンアンテナは、オーディオ信号を伝送するケーブルがアンテナとして機能するアンテナであり、携帯電話のデザインを損なわないようにし、実用上十分な感度等を確保することができる。ここで図50は、イヤホンアンテナによる携帯電話システムを示す斜視図である。この携帯電話システム11は、中継ケーブル12を介してイヤホン13が携帯電話14に接続される。なお以下において、このようにアンテナとして機能する外部アンテナの部位をアンテナ素子と呼ぶ。
すなわち中継ケーブル12は、図51に示すように、例えば3線式のフラットケーブル15の両端にケーブル用のコネクタであるプラグ16及びジャック17が設けられる。中継ケーブル12は、プラグ16を携帯電話14のコネクタ18に接続してフラットケーブル15の一端が携帯電話14に接続される。またジャック17にイヤホン13のプラグ19を接続してフラットケーブル15の他端がイヤホン13に接続される。なおイヤホン13は、ケーブル20の一端にプラグ19が接続され、ケーブル20の他端にスピーカ21L及び21Rが接続される。
携帯電話14は、右チャンネル及び左チャンネルのオーディオ信号SAR及びSALを出力する増幅回路22R及び22Lの出力端がそれぞれ高周波遮断回路23R及び23L、コネクタ18、プラグ16を介してフラットケーブル15の対応するケーブル15R、15Lに接続され、このケーブル15R、15Lの他端がジャック17を介してイヤホン13に接続される。またこれらオーディオ信号SAR及びSALのアースラインが高周波遮断回路23G、コネクタ18、プラグ16を介してフラットケーブル15の対応するケーブル15Gに接続され、このケーブル15Gの他端がジャック17を介してイヤホン13に接続される。これにより携帯電話システム11では、中継ケーブル12により携帯電話14から出力されるオーディオ信号をイヤホン13に伝送する。なおここで高周波遮断回路23R、23L、23Gは、例えばチップインダクタにより構成され、ケーブル15R、15L、15Gに誘起された高周波信号の携帯電話14への進入を防止する。
携帯電話14は、これら高周波遮断回路23R、23L、23Gの何れかのコネクタ18側端がコンデンサ6を介してチューナ7のアンテナ入力端に接続される。これによりこの携帯電話システム11は、イヤホン13のケーブル20及びフラットケーブル15に誘起された高周波信号をチューナ7に入力し、中継ケーブル12及びイヤホン13のケーブル12、20をアンテナ素子として機能させる。なおイヤホンアンテナは、中継ケーブル15のケーブル15のみをアンテナ素子として機能させる構成、イヤホン13のケーブル20のみをアンテナ素子として機能させる構成も提案されており、またフラットケーブルに代えて多芯の同軸ケーブルを使用するものも提案されている。
携帯電話14では、厚みTを薄くし、小型化することが望まれていることにより、携帯電話14に設けられるコネクタ18、このコネクタ18に接続されるプラグ16についても、厚みを薄くし、小型化することが求められる。また携帯電話14は、落下の衝撃等を受ける場合もあり、これによりコネクタ18、プラグ16についても衝撃等に十分に耐えることが求められる。
そこで中継ケーブル12は、配線基板を介してプラグ16にケーブル15が接続され、さらに樹脂によりモールディングされる。すなわち図52は、中継ケーブル12におけるプラグ16の部位を示す分解斜視図である。ここでプラグ16は、この図52において、コネクタ18との接続用に、下面側に複数の端子が設けられ、これらの各端子が上面側に飛び出すように設けられる。中継ケーブル12は、配線基板26に設けられたスルーホールにこの上面側に飛び出す各端子が挿入されて、各端子が配線基板26に半田付けされた後、図53に示すように、この配線基板26にケーブル15L、15R、15Gが半田付けにより接続される。
中継ケーブル12は、他端側にジャック17が接続された後、図54に示すように、プラグ16、ジャック17を樹脂でモールディングして作成される。
このようにしてロッドアンテナ2、イヤホンアンテナ等による外部アンテナを使用する場合、外部アンテナを取り外すと、十分な電界強度が得られる場合でも、チューナ7へのアンテナ入力が極端に低下し、結局、テレビジョン放送等を受信できなくなる。
そこで外部アンテナを使用する携帯電話では、図55に示すように、別途、内蔵アンテナ28を有し、外部アンテナを取り外すと、内蔵の高周波スイッチ回路27により、チューナ7のアンテナ入力を内蔵アンテナ28に切り換え、外部アンテナを取り外した場合でも、テレビジョン放送を受信できるように構成されている。なお図55に示すように、携帯電話4、14では、各アンテナにマッチング回路を設け、インピーダンス整合を図る場合もある。
このようなアンテナの切り換えに関して、特開2006−41826号公報には、ダイバーシティの手法を適用して携帯電話のアンテナを切り換える方法が提案されている。
ところで内蔵の高周波スイッチ回路により、チューナのアンテナ入力を外部アンテナと内蔵アンテナとで切り換える場合、この高周波スイッチ回路の損失により感度が劣化する問題がある。またこの高周波スイッチ回路に加えて、高周波スイッチ回路を制御する制御回路等が必要になり、構成が複雑になる問題がある。
特開2006−41826号公報
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、高周波信号の損失を有効に回避して、外部アンテナと内蔵アンテナとを簡易に切り換えることができる受信装置、外部アンテナ及び受信システムを提案しようとするものである。
上記の課題を解決するため請求項1の発明は、受信装置に適用して、内蔵アンテナと、放送波を受信するチューナと、前記チューナのアンテナ入力端に一端を接続し、他端を前記内蔵アンテナに接続するインダクタと、少なくとも前記インダクタの前記内蔵アンテナ側端及び前記アンテナ入力側端、アースラインがそれぞれ端子に接続され、外部アンテナのコネクタが接続される外部アンテナ接続用コネクタとを有し、前記外部アンテナのコネクタが前記外部アンテナ接続用コネクタに接続されると、前記外部アンテナ接続用コネクタの前記アースラインを接続した端子と前記内蔵アンテナ側端が接続された端子とが前記外部アンテナのコネクタで接続されて前記内蔵アンテナが前記アースラインに接続されると共に、前記外部アンテナのコネクタで前記アンテナ入力側端が接続された端子に前記外部アンテナが接続されることにより、前記チューナのアンテナ入力端への接続が前記内蔵アンテナから前記外部アンテナに切り換えられるようにする。
また請求項2の発明は、受信装置に適用して、内蔵アンテナと、放送波を受信するチューナと、前記チューナのアンテナ入力端に一端を接続し、他端を前記内蔵アンテナに接続する第1の回路素子と、少なくとも前記第1の回路素子の前記内蔵アンテナ側端及び前記アンテナ入力側端がそれぞれ端子に接続され、外部アンテナのコネクタが接続される外部アンテナ接続用コネクタとを有し、前記外部アンテナのコネクタが前記外部アンテナ接続用コネクタに接続されると、前記外部アンテナのコネクタに設けられた第2の回路素子が前記第1の回路素子に並列接続されて前記第1及び第2の回路素子により前記チューナの受信周波数で共振するLC共振回路が形成されると共に、前記アンテナ入力側端を接続した端子に前記外部アンテナが接続されることにより、前記チューナのアンテナ入力端への接続が前記内蔵アンテナから前記外部アンテナに切り換えられるようにする。
また請求項3の発明は、受信装置に設けられた外部アンテナ接続用コネクタに外部アンテナのコネクタを接続して前記受信装置に接続される外部アンテナに適用して、前記受信装置は、内蔵アンテナと、放送波を受信するチューナと、前記チューナのアンテナ入力端に一端を接続し、他端を前記内蔵アンテナに接続するインダクタとを有し、前記外部アンテナ接続用コネクタに、少なくとも前記インダクタの前記内蔵アンテナ側端及び前記アンテナ入力側端、アースラインをそれぞれ接続した端子が設けられ、前記外部アンテナは、前記インダクタの前記アンテナ入力側端を接続した端子にアンテナ素子を接続すると共に、前記インダクタの前記内蔵アンテナ側端を接続した端子及び前記アースラインを接続した端子を短絡するように、前記外部アンテナのコネクタが配線され、前記外部アンテナ側コネクタが前記外部アンテナ接続用コネクタに接続されると、前記外部アンテナ接続用コネクタにより前記内蔵アンテナを前記アースラインに接続すると共に、前記アンテナ入力端に前記アンテナ素子を接続して、前記チューナのアンテナ入力端への接続を前記内蔵アンテナから前記アンテナ素子に切り換えるようにする。
また請求項5の発明は、受信装置に設けられた外部アンテナ接続用コネクタに外部アンテナのコネクタを接続して前記受信装置に接続される外部アンテナに適用して、前記受信装置は、内蔵アンテナと、放送波を受信するチューナと、前記チューナのアンテナ入力端に一端を接続し、他端を前記内蔵アンテナに接続する第1の回路素子とを有し、前記外部アンテナ接続用コネクタに、少なくとも前記第1の回路素子の前記内蔵アンテナ側端及び前記アンテナ入力側端をそれぞれ接続した端子が設けられ、前記外部アンテナは、前記外部アンテナのコネクタに、前記第1の回路素子との並列接続により、前記チューナの受信周波数で共振するLC共振回路を前記第1の回路素子と共に形成する第2の回路素子を有し、前記第1の回路素子に前記第2の回路素子を並列接続すると共に、前記第1の回路素子の前記アンテナ入力側端を接続した端子にアンテナ素子を接続するように、前記外部アンテナのコネクタが配線され、前記外部アンテナのコネクタが前記外部アンテナ接続用コネクタに接続されると、前記第1及び第2の回路素子で前記LC共振回路を形成すると共に、前記アンテナ入力端に前記アンテナ素子を接続して、前記チューナのアンテナ入力端への接続を前記内蔵アンテナから前記アンテナ素子に切り換えるようにする。
また請求項7の発明は、所定の放送波を受信する受信装置と、前記受信装置の外部アンテナとによる受信システムに適用して、前記受信装置は、内蔵アンテナと、前記放送波を受信するチューナと、前記チューナのアンテナ入力端に一端を接続し、他端を前記内蔵アンテナに接続するインダクタと、少なくとも前記インダクタの前記内蔵アンテナ側端及び前記アンテナ入力側端、アースラインがそれぞれ端子に接続され、前記外部アンテナのコネクタが接続される外部アンテナ接続用コネクタとを有し、前記外部アンテナのコネクタが前記外部アンテナ接続用コネクタに接続されると、前記外部アンテナ接続用コネクタの前記アースラインを接続した端子と前記内蔵アンテナ側端が接続された端子とが前記外部アンテナのコネクタで接続されて前記内蔵アンテナが前記アースラインに接続されると共に、前記外部アンテナのコネクタで前記アンテナ入力側端が接続された端子に前記外部アンテナが接続されることにより、前記チューナのアンテナ入力端への接続が前記内蔵アンテナから前記外部アンテナに切り換えられるようにする。
また請求項8の発明は、所定の放送波を受信する受信装置と、前記受信装置の外部アンテナとによる受信システムに適用して、前記受信装置は、内蔵アンテナと、前記放送波を受信するチューナと、前記チューナのアンテナ入力端に一端を接続し、他端を前記内蔵アンテナに接続する第1の回路素子と、少なくとも前記第1の回路素子の前記内蔵アンテナ側端及び前記アンテナ入力側端がそれぞれ端子に接続され、前記外部アンテナのコネクタが接続される外部アンテナ接続用コネクタとを有し、前記外部アンテナのコネクタが前記外部アンテナ接続用コネクタに接続されると、前記外部アンテナのコネクタに設けられた第2の回路素子が前記第1の回路素子に並列接続されて前記第1及び第2の回路素子により前記チューナの受信周波数で共振するLC共振回路が形成されると共に、前記アンテナ入力側端を接続した端子に前記外部アンテナが接続されることにより、前記チューナのアンテナ入力端への接続が前記内蔵アンテナから前記外部アンテナに切り換えられるようにする。
請求項1、請求項3、又は請求項7の構成によれば、外部アンテナ接続用コネクタへの外部アンテナのコネクタの接続により、内蔵アンテナが接地されて内蔵アンテナが機能を停止し、また外部アンテナがチューナのアンテナ入力端に接続され、これによりコネクタにおける配線によりチューナのアンテナ入力端への接続を内蔵アンテナから外部アンテナに切り換えることができる。この場合、高周波スイッチ回路を設けることなくアンテナを切り換えることができ、高周波スイッチ回路を設けることによる損失の増大、構成の複雑化を防止することができる。
また請求項2、請求項5、又は請求項8の構成によれば、外部アンテナ接続用コネクタへの外部アンテナのコネクタの接続により、内蔵アンテナとチューナとの間にLC共振回路が設けられて内蔵アンテナが機能を停止し、また外部アンテナがチューナのアンテナ入力端に接続され、これによりコネクタにおける配線によりチューナのアンテナ入力端への接続を内蔵アンテナから外部アンテナに切り換えることができる。この場合、高周波スイッチ回路を設けることなくアンテナを切り換えることができ、高周波スイッチ回路を設けることによる損失の増大、構成の複雑化を防止することができる。
本発明によれば、簡易な構成により損失を有効に回避して、外部アンテナと内蔵アンテナとを切り換えることができる。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施例を詳述する。
(1)実施例の構成
図1は、本発明の実施例1の携帯電話システムを示すブロック図である。この携帯電話システム31において、図48、図49、図51に示す携帯電話システム1、11と同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。
ここでこの携帯電話システム31において、携帯電話34は、インダクタ35、コンデンサ6を介して、内蔵アンテナ28がチューナ7のアンテナ入力端に接続される。なおここで内蔵アンテナ28は、例えば携帯電話34の筐体裏面に所定形状の金属箔を貼り付けて作成され、チューナ7は、地上波ディジタル放送を受信するチューナである。ここでインダクタ35は、内蔵アンテナ28で不足するアンテナ長を補償してアンテナのマッチングを図るために設けられる。
携帯電話34は、このインダクタ35の両端が、コネクタ5の端子にそれぞれ接続される。またコネクタ5の所定の端子がアースラインに接続される。これにより図1との対比により図2に示すように、この携帯電話システム31は、携帯電話34のコネクタ5に何ら外部アンテナを接続しない場合には、内蔵アンテナに誘起される高周波信号をチューナ7に入力して、所望する放送波を受信する。
この携帯電話システム31は、外部アンテナにロッドアンテナ2が適用され、インダクタ35のコンデンサ6側端に対応するコネクタ3の端子に、ロッドアンテナ2が接続される。またインダクタ35の内蔵アンテナ28側端に対応するコネクタ3の端子と、コネクタ5のアースラインに対応するコネクタ3の端子とが、コネクタ3の部位で短絡される。なおこの図1において、括弧書により符号を示すように、ロッドアンテナ2に代えて、図51について上述した中継ケーブル12及びイヤホン13によるイヤホンアンテナを外部アンテナに適用するようにしてもよい。
これにより携帯電話システム31は、コネクタ3をコネクタ5に接続すると、コネクタ3、5を介してインダクタ35のコンデンサ6側端にロッドアンテナ2が接続され、ロッドアンテナ2がチューナ7のアンテナ入力端に接続される。また内蔵アンテナ28がコネクタ5、3を介して接地され、内蔵アンテナ28による放送波の受信が中止される。またインダクタ35により、内蔵アンテナ28を接地した部位とロッドアンテナ2側の給電点が高周波的に分離され、ロッドアンテナ2による放送波の受信に支障を来さないように保持される。
ここで図3は、内蔵アンテナ28、ロッドアンテナ2を接続しない場合のチューナ7のアンテナ入力を測定した測定結果を示す特性曲線図である。なおここで符号LV及びLHは、それぞれ垂直偏波及び水平偏波の測定結果である。また図4及び図5は、この図3による特性曲線の垂直偏波及び水平偏波の測定結果を示す図表である。また図6は、図3との対比により、内蔵アンテナ28による受信感度を示す特性曲線図である。また図7及び図8は、この図6による特性曲線の垂直偏波及び水平偏波の測定結果を示す図表である。
これら図3〜図8によれば、アンテナを何ら接続しない場合、最大、−30〔dB〕程度しか受信感度を確保し得ないものを、内蔵アンテナ28の場合、感度を10〔dB〕以上向上することができることが判る。なお図2〜図5の測定結果は、図9に示すように、携帯電話34の配線基板に対応する所定の大きさによる矩形形状の金属板を設け、この金属板の長辺に沿って、所定間隔Lだけ金属板から離間して内蔵アンテナ28に対応する導体を配置して測定した結果である。
これに対して図10は、各周波数における内蔵アンテナ28の実際の指向性を示す特性曲線図である。ここでこの指向性の測定は、携帯電話34の操作パネルの正面を0度とした測定結果である。また図11は、図3との対比により、この内蔵アンテナ28の実際の利得の測定結果を示す特性曲線図であり、図12は、この図11の総合の利得を示す図表である。また図13及び図14は、この図11の測定結果の垂直偏波及び水平偏波の測定結果を示す図表である。
これに対して図15は、図10との対比により、ロッドアンテナ2を取り付けた場合の、実際の指向性を示す特性曲線図である。また図16は、図11との対比により、ロッドアンテナ2による実際の利得の測定結果を示す特性曲線図であり、図17〜図19は、図12〜図14との対比により、図11の測定結果を示す図表である。これら図10〜図19によれば、ロッドアンテナ2を接続することにより、感度、指向性が格段的に向上することが判る。
また図20及び図21は、それぞれ内蔵アンテナ28及びロッドアンテナ2における定在波比を示す特性曲線図であり、地上波ディジタル放送の帯域をBWで示す。この図20及び図21によれば、内蔵アンテナ28の場合には、必要とする帯域の全体で十分に定在波比を小さくすることが困難なものを、ロッドアンテナ2の場合には、必要とする帯域の全体で十分に定在波比を小さくできることが判る。
(2)実施例の動作
以上の構成において、この携帯電話システム31では、携帯電話34のコネクタ5に外部アンテナのコネクタ3を接続しない場合、内蔵アンテナ28に誘起された高周波信号がインダクタ35、コンデンサ6を介してチューナ7のアンテナ入力端に入力され(図2)、これによりチューナ7において、内蔵アンテナ28により放送波を受信する(図3〜図8)。これによりこの携帯電話システム31では、外部アンテナを接続しない場合に、内蔵アンテナ28により放送波を受信することができ、この場合、携帯電話34のデザインを損なわないようにすることができる。
しかしながら内蔵アンテナ28は、外部アンテナに比して感度が低く、また携帯電話34の内部で発生するノイズまでも受信してしまう欠点があり、これにより内蔵アンテナ28は、強電界の地域等でしか使用することができない(図10〜図14)。
そこでこの携帯電話システム31では、外部アンテナであるロッドアンテナ2のコネクタ3を携帯電話34のコネクタ5に接続すると(図1)、ロッドアンテナ2が、コネクタ3、5、コンデンサ6を介してチューナ7のアンテナ入力端に接続される。また内蔵アンテナ28の給電点が、コネクタ5、3を介して接地され、これにより内蔵アンテナ28に誘起された高周波信号のチューナ7への出力が停止され、内蔵アンテナ28が機能を停止する。またこのように内蔵アンテナ28の給電点を接地して、インダクタ35によりロッドアンテナ2に誘起された高周波信号のアースラインへの流出が防止される。
これによりこの場合、携帯電話34では、コネクタ3の接続により、チューナ7のアンテナ入力端への接続が、内蔵アンテナ28からロッドアンテナ2に切り換えられ、チューナ7は、ロッドアンテナ2により放送波を受信する。これによりこの携帯電話34では、内蔵アンテナ28より感度、指向性に優れたロッドアンテナ2により放送波を受信することにより(図15〜図21)、内蔵アンテナ28により放送波を受信する場合に比して、電界強度が弱い地域でも安定して放送を受信することができる。また内蔵アンテナ28による場合に比して、携帯電話34で発生するノイズも受信しないようにすることができ、これによっても一段と安定に放送波を受信することができる。
またこの携帯電話システム31では、この内蔵アンテナ28と外部アンテナとの切り換えをコネクタ3の抜き差しにより実行できることにより、高周波スイッチ回路によりアンテナを切り換える場合の、高周波スイッチ回路による損失の発生を有効に回避することができる。また高周波スイッチ回路を設ける必要が無いことにより、構成を簡略化することができる。
(3)実施例の効果
以上の構成によれば、外部アンテナをコネクタにより着脱可能として、このコネクタの配線により、チューナのアンテナ入力端への接続を内蔵アンテナから外部アンテナに切り換えることにより、簡易な構成により損失を有効に回避して、外部アンテナと内蔵アンテナとを切り換えることができる。
より具体的に、インダクタを介して内蔵アンテナをチューナのアンテナ入力端に接続するようにし、外部アンテナのコネクタの接続により、このインダクタのチューナ側端に外部アンテナを接続すると共に、このインダクタの内蔵アンテナ側を接地することにより、簡易な構成により損失を有効に回避して、外部アンテナと内蔵アンテナとを切り換えることができる。
図22は、図1との対比により本発明の実施例2の携帯電話システムを示すブロック図である。この携帯電話システム41は、外部アンテナに例えば図51について上述したイヤホンアンテナが適用される。なおイヤホンアンテナに代えて、ロッドアンテナ等を適用するようにしてもよい。この携帯電話システム41において、携帯電話44は、インダクタ35の内蔵アンテナ側端がコンデンサ46を介してコネクタ18に接続される点を除いて、実施例1の携帯電話34と同一に構成される。またイヤホンアンテナを構成する中継ケーブル42のプラグ16は、第1の実施例のロッドアンテナ2に係るコネクタ3と同様に、このコネクタ18に設けられた端子間を接続し、さらにはイヤホンアンテナをインダクタ35のコンデンサ6側端に接続する。
これによりこの実施例において、携帯電話システム41は、外部アンテナの接続によりコンデンサ46を介して高周波的に内蔵アンテナ28の給電点を接地し、内蔵アンテナ28の機能を停止させる。またこのように内蔵アンテナ28の機能を停止させた場合でも、直流的には、インダクタ35の内蔵アンテナ28側端を接地しないようにし、この内蔵アンテナ28側端の直流的な接地による不都合を回避する。
なおこの内蔵アンテナ28側端の直流的な接地による不都合にあっては、図51の例において、アースラインのケーブル15Gに代えて、オーディオ信号SAL又はSARを伝送するケーブル15L又は15Rをアンテナとして機能させる場合等である。この場合、インダクタ35のチューナ7側端にこのオーディオ信号SAL又はSARを伝送するケーブル15L又は15Rが接続されることにより、直流的にインダクタ35の内蔵アンテナ28側端を接地したのでは、オーディオ信号SAL又はSARを伝送することが困難になる。その結果、イヤホンアンテナのイヤホンとしての本来の機能が損なわれることになる。
しかしながらこの実施例によれば、外部アンテナを接続した場合でも、インダクタ35のチューナ7側端にあっては、直流的には接地されない状態に保持され、これによりオーディオ信号SAL又はSARを伝送することができる。
この実施例においては、外部アンテナのコネクタの接続により、コンデンサを介してインダクタの内蔵アンテナ側を接地することにより、外部アンテナをイヤホンアンテナ等により構成する場合に、このイヤホンアンテナ等の機能を損なうことなく、実施例1と同様の効果を得ることができる。
図23は、図22との対比により本発明の実施例3の携帯電話システムを示すブロック図である。この携帯電話システム51は、内蔵アンテナ28を高周波的に接地するコンデンサ46が、携帯電話54に代えて、外部アンテナのプラグ16に設けられる。また外部アンテナのマッチングを図るマッチング回路49がコンデンサ6とインダクタ35との間に設けられ、さらに内蔵アンテナ28のマッチングを図るマッチング回路48が内蔵アンテナ28とインダクタ35との間に設けられる。この実施例の携帯電話システム51は、これらの構成が異なる点を除いて、実施例2の携帯電話システム41と同一に構成される。
この実施例のように、内蔵アンテナ28を高周波的に接地して内蔵アンテナの機能を停止させるコンデンサを外部アンテナのコネクタ側に設けるようにしても、実施例2と同様の効果を得ることができる。
図24は、図22との対比により本発明の実施例4の携帯電話システムを示すブロック図である。この携帯電話システム61は、外部アンテナのマッチングを図るマッチング回路49がコンデンサ6とインダクタ35との間に設けられ、さらに内蔵アンテナ28のマッチングを図るマッチング回路48が内蔵アンテナ28とインダクタ35との間に設けられる。この実施例の携帯電話システム61は、これらの構成が異なる点を除いて、実施例2の携帯電話システム41と同一に構成される。
この実施例のように各アンテナにマッチング回路を設けるようにすれば、実施例2の構成に比して一段と性能を向上することができる。
図25は、図22との対比により本発明の実施例5の携帯電話システムを示すブロック図である。この携帯電話システム71は、内蔵アンテナ28のマッチングを図るマッチング回路48が内蔵アンテナ28とインダクタ35との間に設けられる。またコンデンサ47のコネクタ18側端の電位をコントローラ75により監視し、中継ケーブル72が接続されて、このコンデンサ47のコネクタ18側端の電位がアース電位に立ち下がると、コントローラ75により切替回路76の設定を切り換える。
ここで切替回路76は、中継ケーブル72が接続されていない場合には、増幅回路22L、22Rから出力されるオーディオ信号SAL、SARを内蔵のスピーカ77に出力する。また切替回路76は、中継ケーブル72が接続されると、ユーザーの操作に応動して内蔵のスピーカ77へのオーディオ信号SAL、SARの出力を中止すると共に、このオーディオ信号SAL、SARをコネクタ18の所定の端子に出力する。なおこの切替回路76とコネクタ18との間には、それぞれインダクタによる高周波遮断回路77R、77Lが設けられ、外部アンテナからの高周波信号の進入が防止される。またこれらオーディオ信号SAL、SARの端子に対応するアースラインの端子にあっても、同様にインダクタによる高周波遮断回路77Gが設けられ、この高周波遮断回路77Gを介して接地される。またさらにコントローラ75とコネクタ18との間にも、同様にインダクタによる高周波遮断回路77Cが設けられ、中継ケーブル72からの高周波信号の進入が防止される。
この携帯電話システム71では、中継ケーブル12に代えて、中継ケーブル72によりイヤホンアンテナが構成される。ここで中継ケーブル72は、多芯の同軸ケーブルである3芯の同軸ケーブル85の両端にそれぞれプラグ16及びジャック17が設けられる。すなわち中継ケーブル72は、同軸ケーブル85の芯線ケーブル85G、85R、85Lをシールドする被覆線85Sがプラグ16、コネクタ18を介してコンデンサ6のインダクタ35側端に接続され、これによりこの被覆線85Sがアンテナとして機能するように設定される。
また中継ケーブル72は、3芯の芯線ケーブル85G、85R、85Lがそれぞれアースライン、右チャンネル用オーディオ信号SAR、左チャンネル用オーディオ信号SALに割り振られ、プラグ16及びジャック17の対応する端子に接続される。なおアースラインの芯線ケーブル85Gは、インダクタによる高周波遮断回路88Gを介してプラグ16に接続される。
ここで図26は、図3との対比により、長さ150〔mm〕の中継ケーブル72のみを接続した場合の、チューナ入力を測定した測定結果を示す特性曲線図である。また図27及び図28は、この図26による特性曲線の垂直偏波及び水平偏波の測定結果を示す図表である。これら図26〜図28によれば、単に中継ケーブルのみを接続する場合でも、ロッドアンテナとほぼ同等の感度を確保できることが判る。
ここで図29〜図31は、図26〜図28との対比により、内蔵アンテナ28をコネクタ18に接続するコンデンサ47を省略して、図26について上述した中継ケーブル72を接続した場合の特性を示す特性曲線図及び図表である。これら図29〜図31によれば、単に内蔵アンテナ28と中継ケーブル72とを接続した場合には、内蔵アンテナ28の影響により、矢印Aにより示す周波数520〔MHz〕付近で、急激な利得の低下が観察される。しかしながら図26〜図28によれば、このような急激な利得の低下が見られず、これによりこの実施例によれば、内蔵アンテナ28の機能を確実に停止させて、内蔵アンテナ28の影響を十分に防止できることが判る。
また図32〜図34は、図26〜図28との対比により、図26について上述した中継ケーブル72にさらにイヤホン13を接続した場合の特性であり、図35〜図37は、コンデンサ47を省略した状態で、中継ケーブル72にさらにイヤホン13を接続した場合の特性である。
ここで中継ケーブル72にイヤホン13を接続すると、同軸ケーブル85の芯線ケーブル85L、85R、85Gにイヤホン13のケーブルが接続され、このイヤホン13のケーブルに誘起された高周波信号が、芯線ケーブル85L、85R、85Gと被覆線85Sとの結合により被覆線85Sに誘起される。その結果、イヤホン13及び中継ケーブル72は、モノポールアンテナとして機能することになり、この場合、アンテナ長が長くなった分、利得が増大することになる。
これにより図32〜図34によれば、イヤホン13を接続しない場合に比して、利得の増大を確認することができる。また図35〜図37により、このように中継ケーブル72にイヤホン13を接続した場合でも、単に内蔵アンテナ28と中継ケーブル72とを接続した場合には、内蔵アンテナ28の影響により、矢印Aにより示す周波数520〔MHz〕付近で、急激な利得の低下が観察される。
この実施例のように、中継ケーブルを多芯の同軸ケーブルにより作成し、この同軸ケーブルの被覆線をアンテナとして機能させてイヤホンアンテナを構成する場合でも、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
図38は、図23との対比により本発明の実施例6の携帯電話システムを示すブロック図である。この携帯電話システム81は、マッチング回路48、コンデンサ87、コンデンサ6、マッチング回路49を順次介して内蔵アンテナ28がチューナ7のアンテナ入力端に接続される。またコンデンサ87の両端がコネクタ18の端子に接続され、中継ケーブル12の接続により、この中継ケーブル12のプラグ16に設けられたインダクタ86が、コンデンサ87に並列接続される。この実施例の携帯電話システム81は、この内蔵アンテナ28に関する接続が異なる点を除いて、図23の携帯電話システム51と同一に構成される。
これにより図39に示すように、この携帯電話システム81は、外部アンテナが接続されていない場合、内蔵アンテナ28に誘起された高周波信号がマッチング回路48、コンデンサ87、コンデンサ6、マッチング回路49を順次介してチューナ7のアンテナ入力端に入力され、内蔵アンテナ28により放送波を受信する。
これに対して外部アンテナが接続されると、携帯電話システム81は、内蔵アンテナ28からチューナ7に至る経路に、コンデンサ87及びインダクタ86によるLC共振回路が設けられることになる。ここでこの携帯電話システム81は、チューナ7の受信周波数において、このLC共振回路がLC共振し、内蔵アンテナ28側から見たこのLC共振回路のインピーダンスが十分に高い値になるように、コンデンサ87及びインダクタ86の特性値が選定される。
これによりこの携帯電話システム81では、外部アンテナの接続により内蔵アンテナ28で誘起された高周波信号がチューナ7側に流出しないようにして、内蔵アンテナ28の機能を停止させる。また外部アンテナに誘起された高周波信号の内蔵アンテナ28側への流出を防止して、外部アンテナを使用した場合の性能の劣化を防止する。
この実施例によれば、LC共振回路により内蔵アンテナの機能を停止させるようにしても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
図40は、図38との対比により本発明の実施例7の携帯電話システムを示すブロック図である。この携帯電話システム91は、コンデンサ87及びインダクタ86がそれぞれプラグ16、携帯電話94に設けられる点を除いて、図38の携帯電話システム81と同一に構成される。
この実施例のように、LC共振回路を構成するコンデンサ及びインダクタの位置を入れ換えるようにしても、実施例6と同一の効果を得ることができる。
ところで上述の各実施例において、プラグ16側に高周波遮断回路、コンデンサ等を配置する場合に、高周波遮断回路、コンデンサ等を構成するチップ部品を、図53について上述した配線基板26に実装することにより、これら高周波遮断回路、コンデンサ等の実装工程を簡略化することができると考えられる。
しかしながら実際上、プラグ16にあっては、厚みが薄く、小型形状であることにより、配線基板26に十分な部品実装スペースを確保することが困難な問題がある。特に、イヤホンアンテナを構成する中継ケーブルにあっては、イヤホン13側のジャック17の部位に携帯電話の動作を切り換えるリモートコマンダを設けたもの、マイクを有するイヤホンを接続するもの等もあり、これらの中継ケーブルでは、一段と部品実装スペースが小さくなり、チップ部品の実装が困難になる。
そこでこの実施例では、プラグ16の部位に、別途、配線基板を設けるようにし、部品実装スペースを増大させる。
ここで図41は、本発明の実施例8の携帯電話システムに適用される中継ケーブル102について、プラグ16の部位を示す分解斜視図である。中継ケーブル102は、配線基板26とほぼ同一の大きさによる配線基板106がフレキシブル配線基板107により配線基板26に接続され、この配線基板106の片面又は両面にチップ部品が実装される。
中継ケーブル102は、配線基板106にチップ部品を実装した後、フレキシブル配線基板107により配線基板26、106が接続される。その後、中継ケーブル102は、配線基板26に設けられたスルーホールにプラグ16の各端子が挿入された後、各端子が配線基板26に半田付けされる。また配線基板26の上に、絶縁シート108が配置された後、図42に示すように、フレキシブル配線基板107が折り曲げられ、絶縁シート108を間に挟んで、配線基板26に配線基板106が積層される。
中継ケーブル102は、その後、ケーブル15G〜15Rが接続された後、樹脂によりモールディングされる。なお絶縁シート108に代えて、配線基板26及び106間に枠形状等のスペーサを介挿するようにしてもよい。
この実施例のように、コネクタの背面に配線基板を積層して配置すれば、従来に比して部品実装スペースを増大させることができる。
図43及び図44は、図41及び図42との対比により、本発明の実施例9の携帯電話システムに適用される中継ケーブル112について、プラグ16の部位を示す分解斜視図である。この実施例の中継ケーブルは、配線基板26、106、フレキシブル配線基板107に代えて、フレキシブル配線基板116が設けられ、このフレキシブル配線基板107にチップ部品を実装する。またこのフレキシブル配線基板116に設けられたスルーホールによりプラグ16の各端子を半田付けし、さらにケーブルLG〜LRを半田付けする。
この実施例のように、フレキシブル配線基板によりコネクタの背面に配線基板を積層して配置するようにしても、実施例8と同様の効果を得ることができる。
図45及び図46は、図41及び図42との対比により、本発明の実施例10の携帯電話システムに適用される中継ケーブル122について、プラグ16の部位を示す分解斜視図である。この実施例の中継ケーブルは、フレキシブル配線基板107が省略されると共に配線基板106にもスルーホールが設けられ、この配線基板106のスルーホールにプラグ16の各端子を半田付けすることにより、配線基板26及び106を接続する。
これによりこの中継ケーブル122は、配線基板26に設けられたスルーホールにプラグ16の各端子が挿入された後、各端子が配線基板26に半田付けされ、これによりプラグ16に配線基板26が実装される。またその後、絶縁シート108が配置された後、配線基板106に設けられたスルーホールにプラグ16の各端子が挿入されて半田付けされ、これによりプラグ16に配線基板106が実装される。その後、中継ケーブル122は、ケーブル15G〜15Rが接続された後、図47に示すように、樹脂によりモールディングされる。
この実施例のように、プラグの端子により配線基板間を接続して、コネクタの背面に配線基板を積層して配置するようにしても、実施例8と同様の効果を得ることができる。
なお上述の実施例においては、中継ケーブル及びイヤホンのケーブルによりアンテナ素子を構成したイヤホンアンテナを使用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、イヤホンのケーブルのみによりアンテナ素子を構成したイヤホンアンテナを使用する場合にも広く適用することができる。なおこの場合は、中継ケーブルを多芯の同軸ケーブルにより作成し、この同軸ケーブルをイヤホンケーブルで誘起された高周波信号の伝送路として使用する場合である。
また上述の実施例においては、中継ケーブルを介してイヤホンを携帯電話に接続する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、イヤホンを直接携帯電話に接続してイヤホンアンテナとして機能させる場合にも広く適用することができる。
また上述の各実施例においては、それぞれロッドアンテナ又はイヤホンアンテナを外部アンテナとして使用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ロッドアンテナに代えてイヤホンアンテナを外部アンテナとして使用してもよく、またこれとは逆にイヤホンアンテナに代えてロッドアンテナを外部アンテナとして使用してもよく、さらにはロッドアンテナ、イヤホンアンテナ以外の各種のアンテナを外部アンテナとして使用してもよい。なおこのロッドアンテナ、イヤホンアンテナ以外のアンテナとしては、例えばデータ、信号、電源を伝送する伝送路をアンテナ素子として使用する各種アンテナ、テレビジョン放送受信用の屋外アンテナ等である。
また上述の実施例では、オーディオ信号を増幅する増幅回路、オーディオ信号の出力を切り換えるコントローラ等を携帯電話側に設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらの構成等をプラグの配線基板に設けるようにしてもよい。
また上述の実施例においては、テレビジョン放送受信機能を有する携帯電話に本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、各種放送受信機能を有する携帯機器、各種の据え置き型の放送受信装置に広く適用することができる。
本発明は、例えばテレビジョン放送受信機能を有する携帯電話に適用することができる。
本発明の実施例1の携帯電話システムを示すブロック図である。
図1の携帯電話システムにおいて外部アンテナを取り外した状態を示すブロック図である。
図1の携帯電話システムにおいて、内蔵アンテナ、ロッドアンテナを接続しない場合のチューナのアンテナ入力を測定した測定結果を示す特性曲線図である。
図3による特性曲線の垂直偏波の測定結果を示す図表である。
図3による特性曲線の水平偏波の測定結果を示す図表である。
図1の携帯電話システムにおいて、内蔵アンテナによる受信感度を示す特性曲線図である。
図6による特性曲線の垂直偏波の測定結果を示す図表である。
図6による特性曲線の水平偏波の測定結果を示す図表である。
図2〜図5の測定に使用した内蔵アンテナのモデルを示す斜視図である。
図1の携帯電話システムにおいて、各周波数における内蔵アンテナの実際の指向性を示す特性曲線図である。
図1の携帯電話システムにおいて、内蔵アンテナの実際の利得の測定結果を示す特性曲線図である。
図11の測定結果の総合の利得を示す図表である。
図11の測定結果の垂直偏波の測定結果を示す図表である。
図11の測定結果の水平偏波の測定結果を示す図表である。
図1の携帯電話システムにおいて、ロッドアンテナを取り付けた場合の指向性を示す特性曲線図である。
図1の携帯電話システムにおいて、ロッドアンテナを取り付けた場合の利得を示す特性曲線図である。
図16の測定結果の総合の利得を示す図表である。
図16の測定結果の垂直偏波の測定結果を示す図表である。
図16の測定結果の水平偏波の測定結果を示す図表である。
図1の携帯電話システムにおいて、内蔵アンテナにおける定在波比を示す特性曲線図である。
図1の携帯電話システムにおいて、ロッドアンテナにおける定在波比を示す特性曲線図である。
本発明の実施例2の携帯電話システムを示すブロック図である。
本発明の実施例3の携帯電話システムを示すブロック図である。
本発明の実施例4の携帯電話システムを示すブロック図である。
本発明の実施例5の携帯電話システムを示すブロック図である。
図25の携帯電話システムにおいて、所定長さの中継ケーブルのみを接続した場合のチューナ入力を示す特性曲線図である。
図26による特性曲線の垂直偏波の測定結果を示す図表である。
図26による特性曲線の水平偏波の測定結果を示す図表である。
図25の携帯電話システムにおいて、所定長さの中継ケーブルを内蔵アンテナと共に接続した場合のチューナ入力を示す特性曲線図である。
図29による特性曲線の垂直偏波の測定結果を示す図表である。
図29による特性曲線の水平偏波の測定結果を示す図表である。
図25の携帯電話システムにおいて、中継ケーブルにさらにイヤホンを接続した場合の特性を示す特性曲線図である。
図32による特性曲線の垂直偏波の測定結果を示す図表である。
図32による特性曲線の水平偏波の測定結果を示す図表である。
図25の携帯電話システムにおいて、所定長さの中継ケーブルを内蔵アンテナと共に接続した状態で、この中継ケーブルにさらにイヤホンを接続した場合の特性を示す特性曲線図である。
図35による特性曲線の垂直偏波の測定結果を示す図表である。
図35による特性曲線の水平偏波の測定結果を示す図表である。
本発明の実施例6の携帯電話システムを示すブロック図である。
図38の携帯電話システムにおいて外部アンテナが接続されていない状態を示すブロック図である。
本発明の実施例7の携帯電話システムを示すブロック図である。
本発明の実施例8の携帯電話システムにおいて、プラグの部位を示す分解斜視図である。
図41の組図である。
本発明の実施例9の携帯電話システムにおいて、プラグの部位を示す分解斜視図である。
図43の組図である。
本発明の実施例10の携帯電話システムにおいて、プラグの部位を示す分解斜視図である。
図45の組図である。
図46の続きの工程の説明に供する斜視図である。
ロッドアンテナを採用する従来の携帯電話システムを示す斜視図である。
図48の携帯電話システムのブロック図である。
従来のイヤホンアンテナによる携帯電話システムを示す斜視図である。
図50の携帯電話システムのブロック図である。
図51の携帯電話システムにおいて、プラグの部位を示す分解斜視図である。
図52のプラグの部位の組み立ての説明に供する斜視図である。
中継ケーブルを示す平面図である。
従来のアンテナ切り替えの説明に供するブロック図である。
符号の説明
1、11、31、41、51、61、71、81、91……携帯電話システム、2……ロッドアンテナ、3、5、18……コネクタ、4、14、34、44、54、64、74、84、94……携帯電話、6、36、46、87……コンデンサ、7……チューナ、12、42、72、102、112、122……中継ケーブル、13……イヤホン、15……フラットケーブル、16、19……プラグ、17……ジャック、20……ケーブル、22L、22R……増幅回路、23L、23R、23G、77L、77R、77G、77C、88G……高周波遮断回路、26、106……配線基板、28……内蔵アンテナ、35、86……インダクタ、47、48……マッチング回路、85……同軸ケーブル、85D……被覆線、85L、85R、85G……芯線ケーブル、107、116……フレキシブル配線基板