JP4893370B2 - 熱式質量流量計 - Google Patents

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Description

本発明は、配管内を流れる流体の質量流量を流体の流れ方向における温度分布に基づいて測定する熱式質量流量計に関するものである。
従来、流体流量がμL(マイクロリットル)単位であればポンプによって計量することも可能であるが、流体流量がnL(ナノリットル)単位の微少な単位になるとポンプで正確に計量することは再現性にも乏しく困難である。
そこで、発熱素子を配管に接触させ、その上流と下流に配管温度を測定する温度センサを配置して、配管の温度分布の移動量から配管を流れる流体の流量を測定する熱式質量流量計によりnL単位の流量を測定することが考えられる。
図5は従来の熱式質量流量計の一例を示す図であり、(A)は熱式質量流量計の測定部の断面図、(B)は配管表面の温度分布を示すグラフである。(B)において、縦軸は温度であり、横軸は配管の流れ方向における位置である。なお、破線で示された曲線は配管内を流体が流れていない状態での温度分布を示し、実線で示された曲線は配管内を流体が流れている状態での温度分布を示している。
図5(A)に示されているように、配管30の周面の表面上に発熱素子32が熱伝導性の接着剤により固着され、さらに発熱素子32の上流側と下流側に配管の表面温度を測定する一対の温度センサ34a,34bが熱伝導性の接着剤により固着されている。
配管内の流体の流れが静止しているとき、発熱素子32によって配管内の流体を所定温度まで加熱し、発熱素子32の上流と下流に配置された温度センサ34aと34bでそれぞれ配管30の表面温度を測定する。発熱素子32によって暖められた流体の温度分布がガウス分布に従うことを前提とすると、流体が静止しているときは2つの温度センサ34aと34bで検出される温度は等しく、両者の測定温度差は0となる。配管30内を流体が流れると温度分布が下流側に移動し、温度センサ34aと34bで検出される温度に差が生じる。配管30表面の温度分布は配管30内を流れる流体の流量が増大するほど下流側に移動することから、配管30表面の温度分布の頂点が温度センサ34aと34bの間にあるときは、図5(B)に示されるように、温度センサ34a,34bの測定温度差は配管30内を流れる流体の流量が増大するほど大きい値となる。したがって、配管30内を流れる流体の流量と温度センサ34a,34bの測定温度差には相関関係が成立しており、この相関関係から温度センサ34aと34bの測定温度差を利用して配管30内を流れる流体の流量を算出することができる。
上記のような熱式質量流量計では、nL単位の微少な試料の送液量を測定するのに微少な温度変化を測定する必要があるため、外部の温度が変化してその影響を受けると、測定結果に大きな誤差が生じるという問題があった。また、熱式質量流量計自身が温度係数を有しているため、室温が変化するだけでも流量値が変化してしまい、特にnL流量の領域では安定して測定することが困難であった。
そこで本発明は、熱式質量流量計の測定部が外部の温度変化の影響を受けにくい熱式質量流量計を提供することを目的とするものである。
本発明の熱式質量流量計は、内部を流体が流れる配管の周面に固着され、配管内の流体を加熱するチップタイプの内側発熱素子と、配管の周面で配管に対して内側発熱素子と同じ側で配管内の流体の流れ方向に沿って内側発熱素子の上流側と下流側の等距離の位置に固着され、上記内側発熱素子とは別体として構成されたチップタイプの温度センサからなる温度センサ対と、を備え、配管中を流れる流体の流量が上記温度センサ対の温度差から求められるものである。そして、その内側発熱素子及び温度センサ対はそれらが固着されている配管部分とともに内側断熱材によって覆われ、その内側断熱材の外側は、内側発熱素子とは別の外側発熱素子及び温度検出素子を備えた熱伝導性部材によって覆われ、その熱伝導性部材はその外側が内側断熱材とは別の外側断熱材によって覆われていることを特徴とするものである。
本発明の好ましい一態様として、内側発熱素子及び温度センサ対は電気絶縁性をもった熱伝導性材料層によって固着されており、かつ配管側の面が配管とともに熱伝導性材料層によって覆われており、内側発熱素子及び温度センサ対はそれらが固着されている配管に対し反対側の凸部が基板に形成された凹部に収容され、上記基板は全体が内側断熱材により覆われているものを挙げることができる。
また、好ましい他の態様として、内側発熱素子は配管の周面上の一方面側と他方面側に配管を挟むようにして配管内の流れに対して同じ位置に固着された一方面側内側発熱素子及び他方面側内側発熱素子からなり、上記温度センサ対は一方面側内側発熱素子及び他方面側内側発熱素子とは別体として構成され、一方面側で流体の流れ方向に沿って一方面側内側発熱素子の上流側と下流側の等距離の位置に固着された一方面側温度センサ対と、一方面側内側発熱素子及び他方面側内側発熱素子とは別体として構成され、他方面側で流体の流れ方向に沿って他方面側内側発熱素子の上流側と下流側の等距離の位置に固着された他方面側温度センサ対と、からなるものを挙げることができる。
本発明の熱式質量流量計は、内側発熱素子及び温度センサ対の全体がそれらが固着されている配管とともに内側断熱材によって覆われ、その内側断熱材の外側は外側発熱素子及び温度検出素子を備えた熱伝導性部材によって覆われ、その熱伝導性部材は外側が外側断熱材によって覆われているので、室温変動による影響を低減することができ、流量測定の安定性が向上する。
また、内側発熱素子及び温度センサ対が一体として作り込まれた流量測定用チップを用いるのではなく、それぞれが独立して製作された内側発熱素子と温度センサ対を用いているので、設備投資が高額なMEMS技術を利用することなく、配管内を流れる流体の流量を高感度で安価に測定できる。
熱式質量流量計を構成する内側発熱素子及び温度センサ対を熱伝導性材料層を介して一体化し、かつ熱式質量流量計の配管側の面を配管とともに配管に固着された状態で熱伝導性材料層によって覆い、内側発熱素子及び温度センサの配管と反対側の凸部は基板に形成された凹部に収容され、基板は全体が内側断熱材で覆われているようにすれば、流量測定の精度が向上する。また、内側発熱素子及び温度センサ対が固定されている基板全体は断熱材によって覆われているので、外部の温度変化の影響を受けにくくなり、流量測定の誤差を小さくすることができる。
さらに、一方面側温度センサ対を構成する一方面側温度センサと他方面側温度センサ対を構成する他方面側温度センサを、両面側で対応するものどうしが電気的に並列になるように接続すれば、SN比が向上して測定感度がさらに高まる。
以下に本発明の実施例を説明する。
[実施例1]
図1は一実施例の熱式質量流量計における測定部を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のX−X位置での断面図、(C)は(A)のY−Y位置での断面図である。
微少試料を送液する配管としてのキャピラリー2の下側に発熱素子4が接した状態で固着されている。ここでは図1(B)の状態をもとにして「下側」というが、特にこの状態に固着されることに限定されるわけではない。キャピラリー2が垂直方向に固着される場合であってもよく、その場合も素子4,6a,8aのキャピラリー2とは反対側の凸部の側を下側という。発熱素子4として例えばチップダイオードISS387(株式会社東芝の製品)やチップ抵抗RK73H1JT(コーア株式会社の製品)を用いることができる。発熱素子4の上流側及び下流側の発熱素子4から等しい位置に一対の温度センサチップ対を構成する温度センサチップ6a及び8aがキャピラリー2に接した状態で固着されている。温度センサチップ6a,8aとしてチップ型ダイオードが用いられている。発熱素子4と温度センサチップ6a,8aはこの熱式質量流量計の測定部を構成している。
測定部において隣り合う素子、すなわち発熱素子4と温度センサチップ6a,8aの間には熱伝導性接着剤からなる熱伝導性材料層9が介在しており、測定部を構成するこれらの素子は熱伝導性接着剤により一体化している。また、発熱素子4及び温度センサチップ6a,8aの上面に熱伝導性接着剤からなる熱伝導性材料層9が形成されており、キャピラリー2を含む測定部の上面は熱伝導性材料層9で覆われている。
発熱素子4と温度センサチップ6a,8aの間に介在する熱伝導性材料層9は、測定部の上面に塗布された熱伝導性接着剤が発熱素子4と温度センサチップ6a,8aの間に入り込んだ状態で留まって硬化したものである。
発熱素子4と温度センサチップ6a,8aの間隔は熱伝導性材料層9を形成するための熱伝導性接着剤の粘性によって決定される。すなわち、発熱素子4と温度センサチップ6a,8aの間隔は、測定部の上面に塗布された熱伝導性接着剤が発熱素子4と温度センサ6a,8aとの隙間に入り込み、かつ熱伝導性接着剤の表面張力によってその隙間から下方に落ちることなく留まるような間隔に設定する必要がある。この実施例では、熱伝導性接着剤としてアレムコボンド860番を用いており、この熱伝導性接着剤はペースト状であり、発熱素子4と温度センサチップ6a,8aの間隔は1mm以下、例えば0.2mm〜0.3mm程度が適当である。また、このような熱伝導性接着剤としては、電気絶縁性をもったものである必要がある。
図示は省略されているが、温度センサチップ6aと8aはそれぞれ演算部に接続されている。演算部は予め求められた検量線データを保持しており、温度センサチップ6aと8aの測定温度を信号として読み取り、その温度差によってキャピラリー2内を流れる移動相の流量から検量線に基づいて算出するようになっている。すなわち、演算部には予め測定された温度センサチップ6aと8aの検出温度差と流体の流量との相関関係が検量線として記憶されており、温度センサチップ6aと8aの検出温度差からキャピラリー2内を流れる流体の流量が自動的に算出されるようになっている。演算部はCPUやパーソナルコンピュータにより実現される。
実施例1で用いられている基板10は測定部が配置されている中央部から外側に向かって配線パターン14が形成された配線基板であり、中央部に凹部12が形成されている。凹部12には、発熱素子4及び温度センサチップ6a,8aがキャピラリー2との接触面を上にした状態で挿入されている。5は発熱素子4の入出力端子、7aは温度センサチップ6aの入出力端子、7bは温度センサチップ8aの入出力端子である。入出力端子5,7a,7bは凹部12の縁に接触し、凹部12の縁から外側に向かって引き出されている配線パターン14に、例えば半田付けにより固着され、電気的に接続されている。キャピラリー2は例えば断熱性接着剤16により4点で基板10に固着されている。断熱性接着剤10としては、例えばRTVシリコーンゴム(東レ・ダウ・コーニングシリコーン株式会社の製品、SE9175)を挙げることができる。この場合のRTVシリコーンゴム接着剤は、低分子シロキサン低減品を用いるのが好ましい。
図2は同実施例の熱式質量流量計における全体構造を示した概略断面図である。
図1に示した熱式質量流量計の測定部が断熱材で覆われることで外部の温度変化の影響を受けにくいものとしている。
図2では測定部としてのキャピラリー2、発熱素子4及び温度センサチップ6a,8aを固定した基板10が、例えばシリコーンからなる内側断熱材18で覆われている。そして、内側断熱材18の外側は、発熱素子4とは別の発熱素子25及び温度検出素子27を備えた熱伝導性部材29(例えばアルミニウム)によって覆われ、その熱伝導性部材29は全体が内側断熱材18とは別の外側断熱材19によって覆われている。内側断熱材18と熱伝導性部材29の間は空気層であり、内側断熱材18は台を介して超伝導性部材29に固定されている。
発熱素子25は温度検出素子27による検出信号に基づいて、外側断熱材19内の温度を調整するものである。そして、発熱素子25は外側断熱材19内の温度を一定に保つことで、外側断熱材19内に配置されている基板10上の発熱素子4と温度センサチップ6a,8aに対する室温変動の影響を緩和し、測定部の温度変動を軽減させることで流量値の変動を抑えるものである。
同実施例の熱式質量流量計では、測定部を構成する発熱素子4及び温度センサチップ6a,8aはキャピラリー2が上面に接触した状態で熱伝導性接着剤8によって一体化されており、しかもその上面は同じ熱伝導性接着剤8で覆われているので、発熱素子4から各温度センサチップ6a,8aへの熱伝達がスムーズになって測定感度が向上した。また、測定部が基板10に一体化した状態で断熱材に覆われているので、測定部の一部分だけが外部の温度変化の影響を受けるのではなく、測定部全体として温度変化の影響を受けにくくなるので、測定部でのキャピラリー2の温度分布に歪みが発生しにくくなり、測定精度が向上する。
同実施例で示したように、基板10を利用することで、キャピラリー2と発熱素子4及び温度センサチップ6a,8aとの固着が容易になり、また、発熱素子4と温度センサチップ6a,8aを基板10で保護することができる。そして、基板10として配線基板を用いることで発熱素子4及び温度センサチップ6a,8aの入出力端子を配線基板10の配線パターン14を用いて外部機器に引き出すことができるので、配線の引き回しが簡略化される。これにより、装置全体を小型化しながら流量測定の安定性を向上させることができるようになる。
[実施例2]
図3は他の実施例における熱式質量流量計の測定部を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のX−X位置における断面図、(C)は(A)のY−Y位置における断面図である。
実施例2の熱式質量流量計においては、キャピラリー2の上側で発熱素子4aの上流側に温度センサチップ6aが固着されており、キャピラリー2の上側で発熱素子4aの下流側に温度センサチップ8aが固着されている。温度センサチップ6aと8aは発熱素子4aから等距離の位置に固着されており、上側温度センサチップ対を構成している。さらに、キャピラリー2の下側で温度センサチップ6aの反対側にあたる位置に温度センサチップ6bが固着されており、キャピラリー2の下側で温度センサチップ8aの反対側にあたる位置に温度センサチップ8bが固着されている。温度センサチップ6bと8bは下側温度センサチップ対を構成している。
発熱素子4a,4b、温度センサチップ6a,6b,8a,8bは、例えば熱伝導性シリコーンシーラントKE3467(信越化学工業株式会社の製品)などの熱伝導性接着剤11によりキャピラリー2に固着されている。
発熱素子4a,4bとして、例えば実施例1と同様にチップダイオードISS387(株式会社東芝の製品)やチップ抵抗RK73H1JT(コーア株式会社の製品)を用いることができる。また、温度センサチップ6a,6b,8a,8bは熱電対やダイオードがチップ型に形成されたものである。
発熱素子4a,4b、温度センサチップ6a,6b,8a,8bは、それぞれ本体部分の下面から側方に延びた2本のリード端子を備えている。
発熱素子4a,4b、温度センサチップ6a,6b,8a,8bが固着された測定部は、下側断熱材としての基板10と上側断熱材としての内側断熱材18で覆われて外部とは隔離されている。実施例2での基板10は例えば金属膜からなる配線パターン14が形成されたプリント基板である。基板10は、例えばガラスエポキシ基板やポリイミド基板などである。基板10には矩形の凹部12が形成されており、配線パターン14は凹部12から外側に向かって引き出されている。発熱素子4a,4b、温度センサチップ6a,6b,8a,8bのリード端子は配線パターン14に電気的に接続されて外部に引き出されている。
図3では、内側断熱材18は基板10の上方から測定部を覆うようにして固着されている。なお、内側断熱材18は基板10の下からも覆うように備えてもよい。また、内側断熱材18と発熱素子4a,温度センサチップ6a,8aとの間には隙間が設けられて空気層20が介在している。内側断熱材18は、例えばトーレペフ(登録商標、東レ株式会社の製品)などの断熱性接着剤やシリコーンなどが外側に塗布されているものである。これにより、測定部の空気は外気から隔離されている。
次にキャピラリー2を含む測定部と基板10及び内側断熱材18との位置関係を図3(C)を用いて説明する。なお、ここでは温度センサチップ6a,6bが固着されている部分について説明するが、発熱素子4a,4b、温度センサチップ8a,8bが固着されている部分も同様の構造となっている。
温度センサチップ6bは本体部分の上面が下向きになった状態で基板10の凹部12に嵌め込まれている。凹部12の寸法は、温度センサチップ6bの本体部分と凹部12の内壁面との間に隙間が存在し、温度センサチップ6bはリード端子6a−1,6a−2でのみ基板10に支持されるように設定されている。温度センサチップ6bはリード端子6b−1,6b−2を介して配線パターン14に支持され、リード端子6b−1,6b−2ははんだ22によって配線パターン14に固着され電気的に接続されている。
温度センサチップ6bの本体部分の下面上には、熱伝導性接着剤11によってキャピラリー2及び温度センサチップ6aが固着されているが、温度センサチップ6aのリード端子6a−1,6a−2もまた、温度センサチップ6bのリード端子6b−1,6b−2と同じはんだ22によって配線パターン14に電気的に接続されて固着されている。したがって、リード端子6a−1とリード端子6b−1、リード端子6a−2とリード端子6b−2が電気的に接続されていることになるので、温度センサチップ6aと6bは電気的に並列に接続されている。ここで、リード端子6a−1と6b−1は正極又は負極、リード端子6a−2と6b−2は負極又は正極である。
実施例2の熱式質量流量計は、同じ位置の温度を測定する温度センサチップ6aと6b、8aと8bが電気的に並列に接続されているので、温度センサチップからの電気信号のSN比が高くなり、高感度で温度検出を行なうことができる。これにより、キャピラリー2内を流れる移動相の流量測定の分解能が高くなり、熱式質量流量計としての性能が向上する。
発熱素子4a,4b、温度センサチップ6a,6b,8a,8bが固着されている部分を含む測定部が基板10及び内側断熱材18によって外部から隔離されているので、外気の温度変化の影響を受けにくく、精度の高い流量測定を行なうことができる。
さらに、発熱素子4b、温度センサチップ6b,8bがそれぞれのリード端子でのみ基板10に支持され、凹部12内側の壁面との間に隙間が設けられて空気層を介在させているので、空気層の高い断熱性を利用して断熱効果をさらに高めることができる。これにより、凹部12下の肉厚(基板10の厚さ)を薄くすることができ、コストの低減を図ることができる。同様に、発熱素子4a、温度センサチップ6a,8aと内側断熱材18との間に隙間を設けて空気層を介在させているので、空気層の高い断熱性を利用して断熱効果を高めることができる。
図4は同実施例の熱式質量流量計における全体構造を示した概略断面図である。
図3に示した熱式質量流量計の測定部は、内側断熱材18によって測定部の上面が覆われることで、外部の温度変化の影響の受けにくいようにしている。本発明はこの内側断熱材18のさらに外側を断熱材で覆うものである。
内側断熱材18の外側は、発熱素子4とは別の発熱素子25及び温度検出素子27を備えた熱伝導性部材29(例えばアルミニウム)によって覆われ、その熱伝導性部材29は全体が内側断熱材18とは別の外側断熱材19によって覆われている。内側断熱材18と熱伝導性部材29の間は空気層であり、例えば内側断熱材18は台を介して熱伝導性部材29に固定されている。
なお、上述の説明では測定部の上側から内側断熱材18を用い、下側から基板10を用いて覆うようにしたが、基板10全体を覆うように内側断熱材18を備えるようにしてもよい。
発熱素子25は温度検出素子27による検出信号に基づいて、外側断熱材19内の温度を調整するものである。そして、発熱素子25は外側断熱材19内の温度を一定に保つことで、外側断熱材19内にある基板10上の発熱素子4と温度センサチップ6a,6bに対する室温変動の影響を緩和し、測定部の温度変動を軽減させることで流量値の変動を抑えるものである。
図3及び4を用いて説明した実施例2の熱式質量流量計は、発熱素子4a,4bの上流側と下流側の等距離の位置にそれぞれ1つずつ、合計4つの温度センサチップ6a,6b,8a,8bが固着されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、発熱素子4a,4bの上流側と下流側の等距離の位置にそれぞれ2つ以上、合計8つ以上の温度センサチップが固着されていてもよい。
実施例2でも、キャピラリー2、発熱素子4a,4b、温度センサチップ6a,6b,8a,8bだけでなく、基板10も外部の温度変化の影響を受けにくくなるので、外部の温度変化が基板10を介してキャピラリー2、発熱素子4及び温度センサチップ6a,6bに伝達されるのを防止することができる。
これまで、配管温度や温度センサが発熱素子により発生された熱量以外のものによって影響を受けると正確な流量測定ができなくなることがあったが、本発明の熱式質量流量計では、発熱素子4により熱量を発生させてキャピラリー2を加熱し、その温度分布の頂点位置の移動によってキャピラリー2内を流れる流体の流量を測定する際、熱式質量流量計を二重の断熱材18,19で覆うようにしたので、外部の温度変化による影響を緩和することができる。また、断熱材19内の温度は発熱素子25と温度検出素子27による検出信号に基づいて調整される。これにより、測定部でのキャピラリー2の温度分布に歪みが発生しにくくなり、流量測定の精度が向上する。
本発明は、配管内を流れる流体の質量流量を、流体の流れ方向における温度分布に基づいて測定する熱式質量流量計に利用することができる。
一実施例の熱式質量流量計の測定部を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のX−X位置での断面図、(C)は(A)のY−Y位置での断面図である。 同実施例における熱式質量流量計の全体を示した概略断面図である。 他の実施例の熱式質量流量計の測定部を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のX−X位置における断面図、(C)は(A)のY−Y位置における断面図である。 同実施例における熱式質量流量計の全体を示した概略断面図である。 従来の熱式質量流量計の測定部の一例を示す図であり、(A)は断面図、(B)は配管の表面温度分布を示すグラフである。
符号の説明
2 キャピラリー
4,4a,4b,25 発熱素子
5,7a,7b 入出力端子
6a,6b,8a,8b 温度センサチップ
10 配線基板
12 凹部
14 配線パターン
16 断熱性接着剤
18 内側断熱材
19 外側断熱材
27 温度検出素子
29 熱伝導性部材

Claims (3)

  1. 内部を流体が流れる配管の周面に固着され、前記配管内の流体を加熱するチップタイプの内側発熱素子と、前記配管の周面で前記配管に対して前記内側発熱素子と同じ側で前記配管内の流体の流れ方向に沿って前記内側発熱素子の上流側と下流側の等距離の位置に固着され、前記内側発熱素子とは別体として構成されたチップタイプの温度センサからなる温度センサ対と、を備え、前記配管中を流れる流体の流量が前記温度センサ対の温度差から求められる熱式質量流量計において、
    前記内側発熱素子及び前記温度センサ対はそれらが固着されている配管部分とともに内側断熱材によって覆われ、
    前記内側断熱材の外側は、前記内側発熱素子とは別の外側発熱素子及び温度検出素子を備えた熱伝導性部材によって覆われ、
    前記熱伝導性部材はその外側が前記内側断熱材とは別の外側断熱材によって覆われていることを特徴とする熱式質量流量計。
  2. 前記内側発熱素子及び前記温度センサ対は電気絶縁性をもった熱伝導性材料層によって固着されており、かつ前記配管側の面が前記配管とともに前記熱伝導性材料層によって覆われており、
    前記内側発熱素子及び前記温度センサ対はそれらが固着されている前記配管に対し反対側の凸部が基板に形成された凹部に収容され、前記基板は全体が前記内側断熱材により覆われている請求項1に記載の熱式質量流量計。
  3. 前記内側発熱素子は前記配管の周面上の一方面側と他方面側に前記配管を挟むようにして配管内の流れに対して同じ位置に固着された一方面側内側発熱素子及び他方面側内側発熱素子からなり、
    前記温度センサ対は、前記一方面側内側発熱素子及び前記他方面側内側発熱素子とは別体として構成され、前記一方面側で前記流体の流れ方向に沿って前記一方面側内側発熱素子の上流側と下流側の等距離の位置に固着された一方面側温度センサ対と、
    前記一方面側内側発熱素子及び前記他方面側内側発熱素子とは別体として構成され、前記他方面側で前記流体の流れ方向に沿って前記他方面側内側発熱素子の上流側と下流側の等距離の位置に固着された他方面側温度センサ対と、からなるものである請求項1に記載の熱式質量流量計。
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