JP4893164B2 - 触媒の温度推定装置および触媒の温度推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されたエンジンから排出される排ガスを浄化する触媒について、その温度を推定する装置および方法に関するものである。
従来より、車両のエンジンから排出される排ガスを触媒により浄化する種々の技術が存在し、また、この触媒の温度を検出あるいは推定する技術も種々存在する。なお、このような触媒温度の検出あるいは推定する技術の一例としては、以下の特許文献1の技術が挙げられる。
特開2002−122018号公報
ところで、所定条件が成立すると、走行中の車両のエンジンに対して燃料供給を停止し、燃費を向上させる制御が近年多く用いられるようになってきている。このような制御は、一般的に「燃料カット」制御として知られているものである。
しかしながら、燃料カットを実行すると、排ガス雰囲気がリーン化することにより、触媒内に付着している燃料成分(以下、単に、未燃成分という)の酸化が促進され、触媒の温度が急激に上昇してしまうという現象が生じる。もっとも、触媒はある程度の耐熱性があるため、未燃成分の酸化により昇温されたとしても、所定の耐熱温度までは耐えることができる。換言すれば、この耐熱温度を超えるような昇温は、触媒の溶損を避けるため、回避しなければならない。
他方、燃料カットをより頻繁に実行させることができれば、さらなる燃費向上を図ることが可能となるため、触媒の耐熱温度を超えない範囲内で、燃料カットの実行をできる限り停止しないようにすることが求められている。
しかしながら、触媒の温度を正確に推定することは難しく、特に、燃料カットが頻繁に行なわれるような状況における触媒温度の推定は困難である。
もちろん、触媒中に温度センサを設けて直接的に触媒の温度を検出する手法も考えられなくはないが、温度センサを追加することによるコストの増加や、温度センサ自体が劣化した際の交換作業に要するコストや手間を考慮すると、好ましい手法とはいえない。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、燃料カットの実行がされた場合であっても、触媒の温度をより正確,迅速且つ低コストで推定することができる、触媒の温度推定装置および触媒の温度推定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の触媒の温度推定装置(請求項1)は、エンジンからの排ガスを浄化する触媒を有する車両の触媒温度推定装置であって、該エンジンの燃料カットを実行する燃料カット実行手段と、該燃料カット実行手段が該燃料カットを実行することによる該触媒の温度上昇量を該触媒に付着した未燃成分と排ガス中の酸素との反応熱量、または該反応熱量および排ガスと触媒との間の熱伝達に基づき演算する温度上昇量演算手段とを備えることを特徴としている。
また、上記触媒の温度推定装置は、該触媒に付着する未燃成分の上限容量に基づいて規定された、1回当たりの該燃料カットの実行による該触媒の温度上昇量の限界である上昇限界量を記憶する限界上昇量記憶手段を備えることを特徴としている。
また、請求項記載の本発明の触媒の温度推定装置は、請求項1に記載の内容において、該燃料カットの停止による該触媒の温度低下量を、燃料カットが終了した時点における該触媒の詳細温度を用い、演算する温度低下量演算手段を備えることを特徴としている。
また、請求項記載の本発明の触媒の温度推定装置は、請求項2に記載の内容において、該温度低下量演算手段は、燃料カットが終了した時点における該触媒の詳細温度と排ガス流量に応じた温度低下率とに基づき該温度低下量を演算することを特徴としている。
また、請求項記載の本発明の触媒の温度推定装置は、請求項またはに記載の内容において、該温度上昇量演算手段により演算された該触媒の該温度上昇量と、該限界上昇量記憶手段により記憶された該上昇限界量と、該温度低下量演算手段により演算された該触媒の該温度低下量とに基づいて、該触媒の温度を推定する触媒温度推定手段を備え、該触媒温度演算手段は、該燃料カット実行手段による該燃料カットが実行されている間、該温度上昇量と該上昇限界量とに基づき該触媒の発熱温度量を求め、該発熱温度量に基づき該触媒の温度を演算するとともに、該燃料カット実行手段による該燃料カットが停止されている間、該燃料カットが終了した時点における該触媒の詳細温度である燃料カット停止基準温度と該温度低下量とに基づき該触媒の温度を推定することを特徴としている。
また、請求項6記載の本発明の触媒の温度推定装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内容において、該燃料カット実行手段による該燃料カットの実行されている燃料カット実行期間を検出する燃料カット実行期間検出手段と、該燃料カット実行期間中における単位時間当たりの該触媒の温度上昇量である温度上昇率を記憶する温度上昇率記憶手段とを有し、該温度上昇量演算手段は、該温度上昇率記憶手段に記憶された該温度上昇率と該燃料カット実行期間検出手段により検出された該燃料カット実行期間とに基づき該温度上昇量を求めることを特徴としている。
また、請求項記載の本発明の触媒の温度推定装置は、請求項2〜4のうちいずれか一項に記載の内容において、該燃料カット実行手段による該燃料カットが停止されている期間および燃料カット実行手段の非作動期間を燃料カット停止期間として検出する燃料カット停止期間検出手段と、該温度低下率を該燃料カット停止期間中における演算周期当たりの該触媒の温度低下率として記憶する温度低下率記憶手段とを有し、該温度低下量演算手段は、該温度低下率記憶手段に記憶された該温度低下率と該燃料カット停止期間検出手段により検出された該燃料カット停止期間と燃料カット停止基準温度とに基づき該温度低下量を求めることを特徴としている。
そして、本発明の触媒の温度推定方法(請求項)は、エンジンからの排ガスを浄化する触媒を有する車両の触媒温度推定方法であって、該エンジンの燃料カットを実行する燃料カット実行ステップ(ステップS11)と、該燃料カット実行ステップにおいて該燃料カットを実行することによる該触媒の温度上昇量を該触媒に付着した未燃成分と排ガス中の酸素との反応熱量、または該反応熱量および排ガスと触媒との間の熱伝達に基づき演算する温度上昇量演算ステップ(ステップS12)とを備えることを特徴としている。
また、上記触媒の温度推定方法は、触媒に付着する未燃成分の上限容量に基づいて規定された、1回当たりの該燃料カットの実行による該触媒の温度上昇量の限界である上昇限界量を記憶する限界上昇量記憶ステップ(ステップS13)を備えることを特徴としている。
また、請求項記載の本発明の触媒の温度演算方法は、請求項に記載の内容において、該燃料カットの停止による該触媒の温度低下量を、燃料カットが終了した時点における該触媒の詳細温度を用い、演算する温度低下量演算ステップ(ステップS17)を備えることを特徴としている。
また、請求項記載の本発明の触媒の温度推定方法は、請求項に記載の内容において、該温度低下量演算ステップは、該温度上昇量演算ステップにおいて演算された燃料カットが終了した時点における該触媒の詳細温度と排ガス流量に応じた温度低下率とに基づき該温度低下量を演算することを特徴としている。
また、請求項10記載の本発明の触媒の温度推定方法は、請求項8または9に記載の内容において、該燃料カットが実行されている間、該温度上昇量と該上昇限界量とに基づき該触媒の発熱温度量を求め、該発熱温度量に基づき該触媒の温度を演算するとともに、該燃料カットが停止されている間、該燃料カットが停止された際の該触媒の温度である燃料カット停止基準温度と該温度低下量とに基づき該触媒の温度を推定する触媒温度推定ステップ(ステップS14,S15,S17)を備えることを特徴としている。
また、請求項12記載の本発明の触媒の温度推定方法は、請求項11のうちいずれか1項に記載の内容において、該エンジンの燃料カットが実行されている期間である燃料カット実行期間を検出する燃料カット実行期間検出ステップ(ステップS31)と、該燃料カット実行期間中における単位時間当たりの該触媒の温度上昇量である温度上昇率を記憶する温度上昇率記憶ステップとを備え、該温度上昇量演算ステップは、該燃料カット実行期間検出ステップにおいて検出された該燃料カットの実行期間と該温度上昇率記憶ステップにおいて記憶された該温度上昇率とに基づき該燃料カットの実行による該触媒の温度上昇量を求めることを特徴としている。
また、請求項11記載の本発明の触媒の温度推定方法は、請求項10のうちいずれか1項に記載の内容において、該燃料カットが停止されている期間を燃料カット停止期間として検出する燃料カット停止期間検出ステップ(ステップS33)と、該温度低下率を該燃料カット停止期間中における演算周期当たりの該触媒の温度低下率として記憶する温度低下率記憶ステップとを備え、該温度低下量演算ステップは、該温度低下率記憶ステップで記憶された該温度低下率と該燃料カット停止期間検出ステップで検出された該燃料カット停止期間と燃料カット停止基準温度とに基づき該温度低下量を求めることを特徴としている。
本発明の触媒の温度推定装置および方法によれば、燃料カットの実行・停止に応じた触媒の温度の挙動を、より迅速且つ容易に推定することができる。また、実際に温度を検出するよりも応答の早い発熱量を推定することができ、温度の検出遅れによる触媒の一時的過昇温を抑制できるので、触媒の本質的な保護を図ることができる。(請求項1〜および請求項
また、燃料カット実行時における触媒の発熱温度量と、燃料カット停止時における触媒の温度低下量とに基づき触媒の温度を容易に推定できるので、この推定に要する演算負荷を低減することができる。(請求項および請求項10
また、燃料カット実行期間中における演算周期当たりの触媒の温度上昇量である温度上昇率を予め記憶しておくことで、触媒の温度の推定に要する演算負荷を低減することができる。(請求項6および請求項12
また、燃料カット停止期間中における演算周期当たりの触媒の温度低下割合である温度低下率を予め記憶しておくことで、触媒の温度の推定に要する演算負荷を低減することができる。(請求項および請求項11
以下、図面により、本発明の一実施形態に係る触媒の温度推定装置について説明すると、図1はその全体構成を含む車両のエンジン及び給排気系を示す模式的なブロック図、図2は触媒の温度推定の制御と燃料カットの制御系を示す模式的なブロック図、図3は触媒の発熱温度を推定する演算手法を示すフローチャート、図4は燃料カット制御の手法を示すフローチャート、図5は燃料カット制御と触媒の温度との関係を示すタイムチャート、図6は燃料カット制御の実行と触媒温度の上昇との関係を示すタイムチャート、図7は触媒の温度推定装置による演算手法(触媒の温度推定方法)の概要を示すフローチャートである。
図1に示すように、車両1には、ガソリンエンジン(以下、単に「エンジン」という)2が搭載されている。また、このエンジン2の図示しない吸気ポートにはインジェクタ3が設けられている。
このインジェクタ3は、後述するECU30から送信される燃料噴射信号に基づいて、エンジン2の吸気ポート(図示略)内に燃料を噴射するものである。
また、エンジン2の吸気ポートには吸気マニホールド4が接続されるとともに、図示しない排気ポートには排気マニホールド5が接続されている。
また、吸気マニホールド4の上流側には、エアクリーナ(A/C)7,エアフローセンサ(AFS)8およびスロットルボディ9が設けられている。
また、スロットルボディ9内にはスロットルバルブ11が設けられている。なお、このスロットルバルブ11は、ステッパモータ12により駆動され、その開度θTHが調節されるようになっている。
エアフローセンサ8は、エンジン2の吸気ポートに流れ込む新気の流量QFRを検出するものである。なお、このエアフローセンサ8による検出結果は、後述するECU30により読み込まれるようになっている。
また、排気マニホールド5の下流側には排気通路12が接続され、さらに、この排気通路12の下流側には三元触媒(触媒)13が設けられている。
この三元触媒13は、排ガスを浄化するものであって、より具体的には、排ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)のうち、NOxに含まれるOを取り除くことでNOxを窒素(N2)とするとともに、取り除いたOとCOおよびHCとを反応させることで、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)とするものである。
また、この車両1には、エンジン回転数センサ14,アクセルポジションセンサ(APS)15,車速センサ16および排ガス温度センサ17が設けられている。
これらのうち、エンジン回転数センサ14は、エンジン2の回転数Neを検出するものであって、この検出結果は、後述するECU30により読み込まれるようになっている。
アクセルポジションセンサ15は、ドライバにより踏み込まれたアクセルペダル(図示略)の踏込み量(アクセル開度)θAPを検出するものであって、その検出結果はECU30によって読み込まれるようになっている。
車速センサ16は、図示しないトランスミッションに設けられた電子式車速センサであって、この車速センサ16により検出された車速VsはECU30によって読み込まれるようになっている。
排ガス温度センサ17は、三元触媒13の上流側近傍における排気通路12内に設けられ、三元触媒13に供給される排ガスの温度TEXを検出するものである。なお、この排ガス温度センサ17により検出された排ガス温度TEXは、ECU30によって読み込まれるようになっている。
そして、この車両1には、インターフェースユニット、CPUおよびメモリなど(いずれも図示略)を備えた電子制御ユニット(ECU)30が設けられている。
また、このECU30には、燃料制御部(燃料制御手段)31,燃料カット実行部(燃料カット実行手段)32,燃料カット禁止部(燃料カット停止手段)33,理論温度上昇量演算部(理論温度上昇量演算手段)34,温度低下量演算部(温度低下量演算手段)35,温度概略推定部36および温度詳細推定部(触媒温度推定手段)37がいずれもソフトウェアとして設けられている。
また、このECU30には、燃料カット実行用カウンタ・タイマ(燃料カット実行期間検出手段)38および燃料カット停止用カウンタ・タイマ(燃料カット停止期間検出手段)39が、いずれもハードウェアとして設けられている。
さらに、このECU30の図示しないメモリには、温度上昇勾配記憶部(温度上昇率記憶手段)41,温度低下ゲイン記憶部(温度低下ゲイン記憶手段)42および温度上昇限界記憶部(限界上昇量記憶手段)43が、それぞれ記憶領域として設定されている。
これらのうち、燃料制御部31は、図2に示すように、エアフローセンサ8によって検出された新気流量QFRと、アクセルポジションセンサ15により検出されたアクセル開度θAPと、エンジン回転数センサ14により検出されたエンジン回転数Neなどのパラメータに応じ、パルス信号である燃料噴射信号をインジェクタ3に対して発信することで、インジェクタ3による燃料噴射を制御するものである。
また、この燃料制御部31は、燃料カット実行部32(詳しくは後述する)から、燃料カット実行フラグを含む信号である燃料カット実行信号SFCを受け取った場合には、インジェクタ3による燃料噴射を休止させるようになっている。
また、この燃料制御部31は、燃料カット禁止部33(詳しくは後述する)から、燃料カット禁止フラグを含む信号である燃料カット禁止信号SFSを受け取った場合には、燃料カット実行部32から燃料カット実行信号SFCを受け取っている場合であっても、この燃料カット実行信号SFCを無視して(つまり、燃料カット実行信号SFCよりも優先して)燃料カットを禁止し、通常の燃料噴射制御を実行するようになっている。
燃料カット実行部32は、所定の燃料カット実行条件が成立すると、図2に示すように、燃料カット実行フラグを含む信号である燃料カット実行信号SFCを燃料制御部31に送信することにより、エンジン2への燃料供給を中止させる制御である燃料カットを燃料制御部31に実行させ、他方、この燃料カット実行条件が成立しなくなると、燃料カット実行信号SFCの送信を中止することにより、燃料カットの実行を中止(即ち、燃料噴射を許可)するようになっている。
なお、この燃料カット実行条件は、本実施の形態では、エンジン回転数Neが所定回転数以上であり、且つ、アクセルペダル開度θAPが実質的にゼロとなった後で、予め設定されたディレイ時間tDRが経過した場合という条件で設定されている。
燃料カット禁止部33は、所定の燃料カット禁止条件が成立すると、図2に示すように、燃料カット禁止フラグを含む信号である燃料カット禁止信号SFSを燃料制御部31に送信することにより、燃料制御部31の燃料カットの実行を禁止させるものである。
なお、この燃料カット禁止条件は、詳しくは後述する温度概略推定部36により推定された三元触媒13の温度TCAT1が所定の規定温度TTH0(本実施形態においては、TTH0≒700℃)以上、且つ、温度詳細推定部37により推定された三元触媒13の温度TCAT2が所定の閾値である燃料カット禁止温度TTH2以上になった場合として設定されている。また、この燃料カット禁止温度TTH2は約120℃(一例)として設定されている。
なお、これらの温度TCAT1,TCAT2を、それぞれ「概略温度TCAT1」,「詳細温度TCAT2」という。また、「概略温度TCAT1」と「詳細温度TCAT2」を合算したものが最終的な触媒推定温度に相当する。また、ここで燃料カットの「停止」というのは、上述の燃料カット条件が成立しなくなったことに起因する燃料カットの実行の“中止”と、燃料カット禁止部33による強制的な燃料カットの“禁止”との双方を含むことを意味しているものとする。
理論温度上昇量演算部34は、燃料カット実行部32が燃料カット実行信号SFCを送信し、燃料制御部31が燃料カットを実行することによる三元触媒13の理論温度上昇量ΔTaCALを演算するものである。
より具体的に、この理論温度上昇量演算部34は、図2に示すように、温度上昇勾配記憶部41に記憶された温度上昇勾配RUP(後述する)と、燃料カット実行用カウンタ・タイマ38により検出された燃料カット実行期間tFCとを乗算することで(即ち、下式(1A)を用いて計算することで)、三元触媒13の理論温度上昇量ΔTaCALを演算するものである。
UP×tFC=ΔTaCAL ・・・(1A)
また、制御周期を加味した場合、この理論温度上昇量演算部34は、以下の式(1B)を用いて理論温度上昇量ΔTaCALを演算するようになっている。なお、ここで、「(n)」は今回の制御周期における値を、「(n−1)」は前回の制御周期における値を示す。また、fは制御周期である。
ΔTaCAL(n−1)+(RUP×f)=ΔTaCAL(n)(※ΔTaCAL(0)=0) ・・・(1B)
温度低下量演算部35は、燃料カット禁止部33が燃料カットを禁止(即ち、燃料噴射を強制的に許可)していること、或いは、燃料カット実行部32が非作動である(即ち、燃料噴射を一般的に許可している)ことによる三元触媒13の温度低下量ΔTbを演算するものである。
より具体的に、図2に示すように、この温度低下量演算部35は、温度低下ゲイン記憶部41で記憶された温度低下ゲインGDOWNを用いて算出される温度低下率RDOWN(詳しくは後述する)と、燃料カット停止基準温度TFSSとに基づいて、(即ち、下式(2)を用いて計算することで)、燃料カット禁止用カウンタ・タイマ39により検出された燃料カット停止期間tFS中の温度低下量ΔTbを算出するものである。
DOWN×ΔTb(n−1)=ΔTb(n)(※ΔTb(0)=TFSS) ・・・(2)
ここで、温度低下率RDOWNを算出する手法を詳述する。なお、ここで用いる各パラメータは、
h:熱伝達係数
s:三元触媒13と排ガスとが接触している面積
cat:三元触媒13の熱容量
EX:排ガス流量
DOWN:三元触媒13の温度低下ゲイン
ΔT:三元触媒13の温度上昇合計量
という記号でそれぞれ示す。
これらの記号を用いて、排ガスと三元触媒13との間での熱伝達量ΔHをΔH=h・s・τ・ΔTとすると(三元触媒と排ガスの温度差≒ΔTと近似)、三元触媒13の温度上昇合計量ΔTは以下の式(3)により表すことができる。なお、τは時間を示す。
Figure 0004893164
ただし、式(3)におけるτは、制御開始から制御周期(n−1)までの時間を示す。
ここで、 1−h・s・τ/Ccat=RDOWN とし、また、h≒h′・QEX とすると、温度低下率RDOWNは以下の式(4)で表すことができる。
Figure 0004893164
なお、h≒h′・QEX としたのは、熱伝達係数(h)が、排ガス流量QEXによって決定されることによるものである。また、実際の演算では排ガス流量QEXの代わりに、新気流量QFRを用いている。これは、排ガス流量QFR∝新気流量QEXという関係が成立するためである。
温度概略推定部36は、排気通路12内に設けられた排ガス温度センサ17により検出された排ガス温度TEXに対してフィルタリング処理を施すことで、触媒13の概略温度TCAT1を推定するものである。この時、排ガス温度センサの代わりに,推定処理により推定された排ガス温度を用いてもよい。なお、このフィルタリング処理を用いる手法は既に公知の手法であるため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、この温度概略推定部36により推定された概略温度TCAT1は、図2に示すように、燃料カット禁止部33により読込まれるようになっている。
温度詳細推定部37は、理論温度上昇量演算部34によって得られた理論温度上昇量ΔTaCALと、温度上昇限界量記憶部43に記憶された温度上昇限界量ΔTaMAXと、温度低下量演算部35によって得られた温度低下量ΔTbとに基づいて、三元触媒13の詳細温度TCAT2を推定するものである。
より具体的に、この温度詳細推定部37は、図2に示すように、温度概略推定部36により推定された概略温度TCAT1を随時読み込むようになっている。そして、この概略温度TCAT1が所定の規定温度TTH0(本実施形態においては、TTH0≒700℃)に達し、且つ、燃料カット実行部32から燃料カット実行信号SFCを受けた場合に、理論温度上昇量演算部34によって得られた理論温度上昇量ΔTaCALと、温度上昇限界記憶部43に記憶された温度上昇限界量ΔTaMAXとのうち小さい方に燃料カット開始基準温度TFCSを加算した値を触媒発熱量ΔTaとして設定し、この触媒発熱量ΔTaを詳細温度TCAT2として出力するようになっている。
また、この温度詳細推定部37は、燃料カット禁止部33から燃料カット禁止信号SFSを受けていない状態で燃料カット実行部32から燃料カット実行信号SFCを受信した時点における詳細温度TCAT2を燃料カット開始基準温度TFCSとして記憶するようになっている。
なお、ここで、温度詳細推定部37が燃料カット禁止部33から燃料カット禁止信号SFSを受けていない状態で燃料カット実行部32から燃料カット実行信号SFCを受信した場合とは、即ち、燃料カットが開始されたということである。
他方、燃料カット実行部32から受信していた燃料カット実行信号SFCを受信しなくなった場合、或いは、燃料カット禁止部33から燃料カット禁止信号SFSを受けた場合、この温度詳細推定部37は、燃料カット実行信号SFCを受信しなくなった時点、或いは、燃料カット禁止部33から燃料カット禁止信号SFSを受けた時点における詳細温度TCAT2を燃料カット停止基準温度TFSSとして記憶するようになっている。
なお、ここで、温度詳細推定部37が、燃料カット実行部32から受信していた燃料カット実行信号SFCを受信しなくなった場合、或いは、燃料カット禁止部33から燃料カット禁止信号SFSを受けた場合とは、即ち、燃料カットが停止されたということである。
そして、燃料カットが停止されると、この温度詳細推定部37は、温度低下量演算部35により得られた温度低下率RDOWNと、燃料カット停止基準温度TFSSとに基づいて得られた値を詳細温度TCAT2として出力するようになっている。
燃料カット実行用カウンタ・タイマ38は、燃料カット実行部32による燃料カットの実行期間tFCを検出するものであって、より具体的には、図3を用いて後述する制御におけるステップS11のYesルート(即ち、燃料カット中である場合)の実行回数をカウントすることで、燃料カット実行期間tFCを検出するようになっている。
燃料カット禁止用カウンタ・タイマ39は、燃料カット禁止部33による燃料カットの禁止期間、および、燃料カット実行部32から燃料制御部31への燃料カット実行信号SFCの送信が中止されている期間を、燃料カット停止期間tFSとして検出するものであって、より具体的には、図3に示す制御におけるステップS11のNoルート(即ち、燃料カット停止中の場合)の実行回数をカウントすることで、燃料カット停止期間tFSを検出するようになっている。
なお、図3に示す制御の周期は100msとして設定されている。
温度上昇勾配記憶部41は、燃料カット実行期間tFC中における単位時間当たりの三元触媒13の温度上昇量ΔTaCALを温度上昇勾配(温度上昇率)RUPとして記憶するものである。
この温度上昇勾配RUPは、実験により得られた値と、シミュレーションにより得られた値とを加味して求められる値である。また、このシミュレーションは、三元触媒13に付着した未燃成分と燃料カット実行中に三元触媒13中へ流入する排ガス中の酸素との反応熱量を、反応速度に基づいて算出し、さらに、排ガスと三元触媒13との間の熱伝達量,排ガスの浄化反応熱量,三元触媒13の熱伝導量,三元触媒13の酸素貯蔵能力などを加味して、行なわれるようになっている。
なお、本実施形態においてこの温度上昇勾配RUPは、図5に示すように、1秒で約100℃上昇する傾きを持った直線として設定されている。
図1に示す温度低下ゲイン記憶部42は、燃料カット停止期間tFS中における演算周期当たりの温度低下ゲインGDOWNを記憶するものである。この温度低下ゲインGDOWNは、上述した通り、温度低下率RDOWNを算出する際に用いられる。
図1に示す温度上昇限界量記憶部43は、燃料カットの実行1回あたりの三元触媒13の温度上昇の限界量ΔTaMAXを記憶する記憶領域である。なお、この限界量ΔTaMAXは、以下の式(5)により求められるようになっている。
ΔTaMAX=触媒の未燃成分上限容量×反応熱量/触媒の熱容量・・・(5)
また、三元触媒13に付着する未燃成分の上限容量は、この三元触媒13の仕様によって異なるが、上述したシミュレーションと同様のシミュレーションを用いることで得られるようになっている。また、本実施形態においては、温度上昇限界量ΔTaMAXは、約70℃として設定されている(図5参照)。
また、この式(5)に示すように、三元触媒13に実際に付着している未燃成分の量を直接的に検出したり推測したりするのではなく、触媒13の未燃成分上限容量というパラメータを用いるようにしているのは、以下の理由による。
つまり、この三元触媒13は未燃成分を積極的に貯蔵するものではなく、したがって、リッチ雰囲気の排ガスが三元触媒13に流れ込むことで、未燃成分上限容量が一杯となる未燃成分が即座に三元触媒13に付着することとなることに着目したものである。
本発明の一実施形態に係る触媒の温度推定装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
まず、図3のフローチャートを用いて、温度詳細推定部37による触媒13の温度変化量ΔTCAT2の算出について説明する。
燃料カット実行部32により、燃料カットが実行されている場合(ステップS11のYesルート)、理論温度上昇量演算部34は、上述した式(1B)を用いて今回の制御周期における理論温度上昇量ΔTaCAL(n)を算出する(ステップS12)。なお、初回の制御周期においては、前回の理論温度上昇量ΔTaCAL(n−1)をゼロとして計算する。
そして、ステップS12において得られた今回の理論温度上昇量ΔTaCAL(n)が、温度上昇限界量記憶部43で記憶された温度上昇限界量ΔTaMAX以下である場合には(ステップS13のYesルート)、今回の理論温度上昇量ΔTaCAL(n)に燃料カット開始基準温度TFCSを加算した値を、今回の触媒発熱量ΔTaとして設定する(ステップS15)。
他方、ステップS12において得られた今回の理論温度上昇量ΔTaCAL(n)が、温度上昇限界量ΔTaMAX以上である場合には(ステップS13のNoルート)、今回の触媒発熱量ΔTa(n)を、基準温度TFCSと温度上昇限界量ΔTaMAXとを加算することによって得られた値として設定する(ステップS14)。
つまり、このステップS13〜S15の制御とは、今回の理論温度上昇量ΔTaCAL(n)と、温度上昇限界量ΔTaMAXとのうち、小さいほうに基準温度TFCSを加算した値を燃料カットによる触媒発熱量ΔTaであるとみなすための制御である。その後、温度詳細推定部37は、この触媒発熱量ΔTaを詳細温度TCAT2として設定する。
他方、燃料カット禁止部33により、燃料カットが禁止されている場合には(ステップS11のNoルート)、温度低下量演算部35が、上記式(4)に基づき温度低下率RDOWNを算出し(ステップS16)、さらに、この温度低下量演算部35が、前回の燃料カットが終了した時点における詳細温度TCAT2である燃料カット停止基準温度TFSS(図5参照)を温度詳細推定部37より読み込んで温度低下量ΔTb(n)の初期値として、上記式(2)に基づき燃料カット禁止による温度低下量ΔTb(n)を算出し、温度詳細推定部37へ出力する(ステップS17)。その後、この温度詳細推定部37は、この温度低下量ΔTbを詳細温度TCAT2として設定する。
次に、図4に示すフローチャートを用いて、燃料カット制御について説明する。
燃料カット実行部32により、燃料カットが実行されている場合には(ステップS21のYesルート)、燃料カット禁止部33が、概略温度TCAT1が規定温度TTH0以上であるか否かを判定する(ステップS22)。
ここで、概略温度TCAT1が規定温度TTH0以上であると判定された場合(ステップS22のYesルート)、さらに、この燃料カット禁止部33が、詳細温度TCAT2が燃料カット禁止温度TTH2以上であるか否かを判定する(ステップS23)。
ここで、詳細温度TCAT2が燃料カット禁止温度TTH2以上であると判定された場合には(ステップS23のYesルート)、三元触媒13が溶損するおそれがあるため、燃料カット禁止部33は、燃料カット禁止フラグを含む信号である燃料カット禁止信号SFSを燃料制御部31に送信し、燃料カットの実行を禁止する(ステップS26)。
他方、ステップS23において、詳細温度TCAT2が燃料カット禁止温度TTH2未満であると判定され(ステップS23のNoルート)、且つ、燃料カット禁止部33が既に燃料カット禁止信号SFSの送信を行なっている場合(ステップS24のYesルート)、燃料カット禁止部33は、詳細温度TCAT2が燃料カット実行温度TTH1以上であるか否かを判定する(ステップS25)。
ここで、詳細温度TCAT2が燃料カット実行温度TTH1以上であると判定された場合(ステップS25のYesルート)、燃料カット禁止部33は、引き続き、燃料カット禁止フラグを含む信号である燃料カット禁止信号SFSを燃料制御部31に送信し、燃料カットの実行を禁止する(ステップS26)。
他方、ステップS23において、詳細温度TCAT2が燃料カット禁止温度TTH2未満であると判定され(ステップS23のNoルート)、且つ、燃料カット禁止部33が燃料カット禁止信号SFSの送信を行なっていない場合(ステップS24のNoルート)、燃料カット禁止部33は、引き続き、燃料カット禁止部33が燃料カット禁止信号SFSの送信を行なわない(ステップS27)。
また、現在は燃料カット禁止部33が燃料カット禁止信号SFSの送信を行なっているものの(ステップS24のYesルート)、詳細温度TCAT2が燃料カット実行温度TTH1未満になっていると判定された場合(ステップS25のNoルート)、この燃料カット禁止部33は燃料カット禁止信号SFSの送信を中止する(ステップS27)。
つまり、ステップS23〜S25の制御により、詳細温度TCAT2が僅かに変動しただけで燃料カット禁止部33による燃料カットが頻繁に禁止されたりされなかったりする現象(いわゆる、ハンチング)を防ぐようになっている。
次に、図5に示すタイムチャートを用いて説明する。なお、ここでは、温度概略推定部36により推定された概略温度TCAT1が、既に規定温度TTH0に達した場合を示している。
1の時点において、燃料カット実行部32から燃料制御部31へ燃料カット実行フラグを含む信号である燃料カット実行信号SFCが送信され、1回目の燃料カットが実行されると、理論温度上昇量演算部34は、触媒13の温度上昇量ΔTaCALを演算する。しかし、この温度上昇量ΔTaCALは、温度上昇限界量記憶部43に記憶された温度上昇限界量ΔTaMAXを上限としてクリップされる(矢印A1参照)。
その後、t1の時点から燃料カット期間tFC1が経過した時点で、1回目の燃料カットが終了すると、単位時間(制御周期)あたりの温度低下率RDOWNに応じて、触媒13の詳細温度TCAT2は減少する(矢印A2参照)。
そして、t2の時点において、2回目の燃料カットが実行されると、理論温度上昇量演算部34は、再び触媒13の温度上昇量ΔTaCALを演算する。この2回目の燃料カットの実行においても、温度上昇量ΔTaCALを上限として温度上昇限界量ΔTaMAXでクリップされる(矢印A3参照)。
その後、t2の時点から燃料カット期間tFC2が経過した時点で2回目の燃料カットが終了すると、温度低下率RDOWNに応じて、再び、触媒13の詳細温度TCAT2は減少する(矢印A4参照)。
そして、t3の時点において、3回目の燃料カットが実行されると、理論温度上昇量演算部34は、再び触媒13の温度上昇量ΔTaCALを演算する。
この3回目の燃料カットの実行において、温度上昇量ΔTaCALが詳細温度TCAT2が燃料カット禁止温度TTH2を超えたため、燃料カット禁止部33が、燃料カット禁止フラグを含む信号である燃料カット禁止信号SFSを燃料制御部31に対して送信している(矢印A5参照)。これにより、燃料カットの実行が禁止され、触媒13が過昇温することが防止されている。
その後、燃料カットの禁止により詳細温度TCAT2が徐々に低下し(矢印A6参照)、燃料カット許可温度TTH1以下になると、燃料カット禁止部33は、燃料カット実行の禁止を解除し(矢印A7参照)、通常の制御へ復帰する。このとき、燃料カット実行温度TTH1が燃料カット禁止温度TTH2よりも小さい値として設定されているので、燃料カット禁止部33による燃料カット禁止制御のハンチングが回避されている。
ここで、図6を用いて、燃料カットの実行と禁止とが断続的に行なわれた場合を例にとって、従来の技術と本発明とを比較する。なお、この図6中、一点鎖線は従来技術により推定された三元触媒13の温度を示し、実線は本発明により推定された三元触媒13の詳細温度TCAT2を示す。
従来の技術においては(一点鎖線を参照)、フィルタリング処理が用いられているため、時点t5を経過するまでは三元触媒13が燃料カット禁止温度TTH2に達したことを検出できない。
これに対して、本発明においては(実線を参照)、燃料カットの実行および禁止に起因する三元触媒13の温度変化量ΔTCAT2を迅速に推定しているため、時点t5よりも前の時点t4で三元触媒13が燃料カット禁止温度TTH2に達したことを検出することができるのである。
最後に、本発明の触媒の温度推定装置による演算手法(触媒の温度推定方法)のコンセプトについて、フローチャートを用いて改めて説明しておく。
まず、燃料カット実行中における単位時間当たりの三元触媒13の温度上昇量である温度上昇勾配RUPを温度上昇率記憶部41に予め記憶させるとともに(温度上昇率記憶ステップ)、1回当たりの燃料カット実行による三元触媒13の温度上昇量の限界である温度上昇限界量ΔTaMAXを温度上昇限界記憶部43に予め記憶させる(限界上昇量記憶ステップ)。また、燃料カット停止期間中における演算周期当たりの三元触媒13の温度低下量である温度低下ゲインGDOWNも温度低下ゲイン記憶部42に予め記憶させておく。
その上で、まず、燃料カット実行用カウンタ・タイマにより38により燃料カット実行期間を検出する(燃料カット実行ステップ;ステップS31)。
そして、温度上昇率記憶部41に記憶された温度上昇勾配RUPと、ステップS31において検出された燃料カットの実行期間tFCとを乗算することにより、燃料カットの実行による三元触媒13の理論温度上昇量ΔTaCALを算出する(温度上昇量算出ステップ;ステップS32)。
さらに、燃料カット停止期間tFSを検出する(燃料カット停止期間検出ステップ;ステップS33)。
そして、温度低下ゲイン記憶部43に記憶された温度低下ゲインGDOWNに基づいて得られる温度低下率RDOWNと、燃料カットが禁止された時点における三元触媒13の詳細温度TCAT2である燃料カット停止基準温度TFSSとに基づいて、ステップS33において検出された燃料カット停止期間tFSにおける三元触媒13の温度低下量ΔTbを算出する(温度低下量推定ステップ;ステップS34)。
その後、ステップS32において検出された理論温度上昇量ΔTaCALと、ステップS34において検出された温度低下量ΔTbと、温度上昇限界記憶部43に記憶された温度上昇限界量ΔTaMAXとに基づき、三元触媒13の詳細温度TCAT2を推定する(触媒温度推定ステップ;ステップS35)。
このように、本発明の一実施形態に係る触媒の温度推定装置および触媒の温度推定方法によれば、燃料カットの実行・停止に応じて、触媒13の温度をより迅速且つ容易に推定することができる。
また、燃料カットが実行されている間は、理論温度上昇量ΔTaCAL上昇限界量ΔTaMAXとのうち小さい方に燃料カット開始基準温度TFCSを加算した値を触媒13の発熱温度量ΔTaであるとして、この触媒13の詳細温度TCAT2を推定するとともに、他方、燃料カットが停止されている間は、燃料カットが停止された時点における触媒13の詳細温度TCAT2である燃料カット停止基準温度TFSSに基づいて温度低下量ΔTbを算出することで、この触媒13の詳細温度TCAT2を推定するというシンプルな計算を用いることで、触媒13の温度の推定に要する演算負荷を低減することができる。
また、燃料カット実行期間中tFCにおける単位時間当たりの触媒13の理論温度上昇量ΔTaCALである温度上昇勾配RUPを予め記憶しておくことで、触媒13の温度の推定に要する演算負荷を低減することができる。
また、燃料カット停止期間中tFSにおける触媒13の温度低下ゲインGDOWNを予め記憶しておくことで、触媒13の温度の推定に要する演算負荷を低減することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態においては、燃料カット実行条件を、エンジン回転数Neが所定回転数以上であり、且つ、アクセルペダル開度θAPが実質的にゼロとなった後で、予め設定されたディレイ時間tDRが経過した場合として説明したが、このような条件に限定するものではなく、車両の特性により種々の態様を設定することができる。
また、上述の実施形態においては、燃料カット禁止温度TTH2を約120℃として設定した場合を例にとって説明したが、これに限定するものではなく、触媒の仕様によって種々変更することができる
本発明の一実施形態に係る触媒の温度推定装置の全体構成を示す模式的なブロック図である。 本発明の一実施形態に係る触媒の温度推定装置の制御を示す模式的なブロック図である。 本発明の一実施形態に係る触媒の発熱温度を推定する演算手法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る燃料カット制御の手法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る燃料カット制御と触媒の温度との関係を示すタイムチャートである。 本発明の一実施形態に係る燃料カット制御の実行と触媒温度の上昇との関係を示すタイムチャートである。 本発明の一実施形態に係る触媒の温度推定装置による演算手法(触媒の温度推定方法)の概要を示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両
2 エンジン
13 三元触媒(触媒)
32 燃料カット実行部(燃料カット実行手段)
34 理論温度上昇量演算部(温度上昇量演算手段)
35 温度低下量演算部(温度低下量演算手段)
36 温度詳細推定部(触媒温度推定手段)
38 燃料カット実行用カウンタ・タイマ(燃料カット実行期間検出手段)
39 燃料カット停止用カウンタ・タイマ(燃料カット停止期間検出手段)
41 温度上昇勾配記憶部(温度上昇率記憶手段)
42 温度低下ゲイン記憶部(温度低下率記憶手段)
43 温度上昇限界記憶部(限界上昇量記憶手段)
DOWN 温度低下ゲイン(温度低下率)
DOWN 温度低下率(温度低下率)

Claims (12)

  1. エンジンからの排ガスを浄化する触媒を有する車両の触媒温度推定装置であって、
    該エンジンの燃料カットを実行する燃料カット実行手段と、
    該燃料カット実行手段が該燃料カットを実行することによる該触媒の温度上昇量を該触媒に付着した未燃成分と排ガス中の酸素との反応熱量、または該反応熱量および排ガスと該触媒との間の熱伝達に基づき演算する温度上昇量演算手段と、
    該触媒に付着する未燃成分の上限容量に基づいて規定された、1回当たりの該燃料カットの実行による該触媒の温度上昇量の限界である上昇限界量を記憶する限界上昇量記憶手段とを備える
    ことを特徴とする、触媒の温度推定装置
  2. 該燃料カットの停止による該触媒の温度低下量を、燃料カットが終了した時点における該触媒の詳細温度を用い、演算する温度低下量演算手段を備える
    ことを特徴とする、請求項1に記載の触媒の温度推定装置。
  3. 該温度低下量演算手段は、燃料カットが終了した時点における該触媒の詳細温度と排ガス流量に応じた温度低下率とに基づき該温度低下量を演算する
    ことを特徴とする、請求項2に記載の触媒の温度推定装置。
  4. 該温度上昇量演算手段により演算された該触媒の該温度上昇量と、該限界上昇量記憶手段により記憶された該上昇限界量と、該温度低下量演算手段により演算された該触媒の該温度低下量とに基づいて、該触媒の温度を推定する触媒温度推定手段を備え、
    該触媒温度推定手段は、
    該燃料カット実行手段による該燃料カットが実行されている間、該温度上昇量と該上昇限界量とに基づき該触媒の発熱温度量を求め、該発熱温度量に基づき該触媒の温度を推定するとともに、
    該燃料カット実行手段による該燃料カットが停止されている間、該燃料カットが終了した時点における該触媒の詳細温度である燃料カット停止基準温度と該温度低下量とに基づき該触媒の温度を推定する
    ことを特徴とする、請求項2または3に記載の触媒の温度推定装置。
  5. 該燃料カット実行手段による該燃料カットが停止されている期間および燃料カット実行手段の非作動期間を燃料カット停止期間として検出する燃料カット停止期間検出手段と、
    該温度低下率を該燃料カット停止期間中における演算周期当たりの該触媒の温度低下率として記憶する温度低下率記憶手段とを有し、
    該温度低下量演算手段は、
    該温度低下率記憶手段に記憶された該温度低下率と該燃料カット停止期間検出手段により検出された該燃料カット停止期間と燃料カット停止基準温度とに基づき該温度低下量を求める
    ことを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の触媒の温度推定装置。
  6. 該燃料カット実行手段による該燃料カットの実行されている燃料カット実行期間を検出する燃料カット実行期間検出手段と、
    該燃料カット実行期間中における単位時間当たりの該触媒の温度上昇量である温度上昇率を記憶する温度上昇率記憶手段とを有し、
    該温度上昇量演算手段は、
    該温度上昇率記憶手段に記憶された該温度上昇率と該燃料カット実行期間検出手段により検出された該燃料カット実行期間とに基づき該温度上昇量を求める
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒の温度推定装置。
  7. エンジンからの排ガスを浄化する触媒を有する車両の触媒温度推定方法であって、
    該エンジンの燃料カットを実行する燃料カット実行ステップと、
    該燃料カット実行ステップにおいて該燃料カットを実行することによる該触媒の温度上昇量を該触媒に付着した未燃成分と排ガス中の酸素との反応熱量、または該反応熱量および排ガスと該触媒との間の熱伝達に基づき推定する温度上昇量演算ステップと、
    触媒に付着する未燃成分の上限容量に基づいて規定された、1回当たりの該燃料カットの実行による該触媒の温度上昇量の限界である上昇限界量を記憶する限界上昇量記憶ステップとを備える
    ことを特徴とする、触媒の温度推定方法
  8. 該燃料カットの停止による該触媒の温度低下量を、燃料カットが終了した時点における該触媒の詳細温度を用い、演算する温度低下量演算ステップを備える
    ことを特徴とする、請求項に記載の触媒の温度推定方法。
  9. 該温度低下量演算ステップは、
    該温度上昇量演算ステップにおいて演算された燃料カットが終了した時点における該触媒の詳細温度と排ガス流量に応じた温度低下率とに基づき該温度低下量を演算する
    ことを特徴とする、請求項に記載の触媒の温度推定方法。
  10. 該燃料カットが実行されている間、該温度上昇量と該上昇限界量とに基づき該触媒の発熱温度量を求め、該発熱温度量に基づき該触媒の温度を推定するとともに、
    該燃料カットが停止されている間、該燃料カットが終了した時点における該触媒の詳細温度である燃料カット停止基準温度と該温度低下量とに基づき該触媒の温度を推定する触媒温度推定ステップを備える
    ことを特徴とする、請求項8または9に記載の触媒の温度推定方法。
  11. 該燃料カットが停止されている期間を燃料カット停止期間として検出する燃料カット停止期間検出ステップと、
    該温度低下率を該燃料カット停止期間中における演算周期当たりの該触媒の温度低下率として記憶する温度低下率記憶ステップとを備え、
    該温度低下量演算ステップは、
    該温度低下率記憶ステップで記憶された該温度低下率と該燃料カット停止期間検出ステップで検出された該燃料カット停止期間と燃料カット停止基準温度とに基づき該温度低下量を求める
    ことを特徴とする、請求項10のいずれか1項に記載の触媒の温度推定方法。
  12. 該エンジンの燃料カットが実行されている期間である燃料カット実行期間を検出する燃料カット実行期間検出ステップと、
    該燃料カット実行期間中における単位時間当たりの該触媒の温度上昇量である温度上昇率を記憶する温度上昇率記憶ステップとを備え、
    該温度上昇量演算ステップは、
    該燃料カット実行期間検出ステップにおいて検出された該燃料カットの実行期間と該温度上昇率記憶ステップにおいて記憶された該温度上昇率とに基づき該燃料カットの実行による該触媒の温度上昇量を求め
    とを特徴とする、請求項11のいずれか1項に記載の触媒の温度推定方法。
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