JP4892610B2 - ゴムまたはエラストマ材料を射出成型する射出成型機のための絞り - Google Patents

Description

本発明は、ゴムまたはエラストマ材料を射出成型する射出成型機のための絞りおよび相応する方法に関し、射出成型機は、絞りのような、射出成型の間、ゴムまたはエラストマ材料を温度調節するためのシステムを含む。

従来技術、例えば、ＷＯ２００６／００８１６４Ａ２は、射出成型機およびプラスチック材料、特にゴムおよびエラストマ材料を射出する射出成型方法を開示する。前記射出成型機は、エクストルーダと、第１ピストン／シリンダユニットと、直列に設置された第２ピストン／シリンダユニットとを含む。第１ピストン／シリンダユニットのシリンダは、充填されるべき射出成型モールドから距離を置いて位置する第２ピストン／シリンダユニットの端部に通じる。プラスチック材料は、第１ピストン／シリンダユニットによって第２ピストン／シリンダユニットのシリンダを通して射出成型モールドの中に導かれる。第２ピストン／シリンダユニットのピストンは、射出成型モールドの中への流路を開放する。その後、第１ピストン／シリンダユニットのピストンは、結合したシリンダの中へ移動させられ、第２シリンダの中に位置するプラスチック材料を射出成型モールドの中に導入する。射出成型機の２つのピストン／シリンダユニットは、好ましくは実質的に垂直で切換要素によって互いに接続されている。切換要素は、機械的に調節可能、或いは、電気、油圧または空圧で駆動され得、断面を変化させられる絞りを含む。この絞りによって、所定の目標温度にプラスチック材料を温度調節できる。

さらに、ＤＥ１９９５４６５３Ｂ４およびＤＥ２９９２３７５５Ｕ１は、エラストマ製品のためにゴム混合物の準備のためのエクストルーダを開示する。エクストルーダは、シリンダと、シリンダの中に回転可能に設置され、ゴム混合体を吸引、搬送および均質化するスクリュと、挿入された押し出し工具を含む押し出しヘッドとを含む。１つの実施形態によれば、エクストルーダの押し出しヘッドは、圧力の調節または増大によって、スクリュの流路の中および押し出しヘッドの中でゴム混合体の混合温度をさらに高め、高い混合温度において平均滞留時間を低下させるように設計された圧力部品を備える。

ＤＥ１９６４８９５Ａ、ＤＥ２００２１０２ＡおよびＣＨ５１２１９７８Ｃは、プラスチック材料の加工のための装置および方法に関する。ここで、シリンダに供給された冷たいプラスチック材料は、基本的に、ピストンを介して外部から熱供給されることなく断熱圧縮され、このため、加熱されて狭い出口を通して押し出され、それにより融合する。プラスチック材料の融合は、出口の約０．０５ｍｍの剪断ギャップを通してプラスチック材料を加圧する間に発生する高圧を伴う与えられた圧縮エネルギーの変換によって起こる。

対応するエクストルーダと同様のプラスチック材料の押し出しのためのさらなる方法は、例えば、ＤＥ３７３７６１８Ａ１、ＤＥ１５２９７７４およびＵＳ３６４７３４４に記載されている。

本発明の課題は、特に短いサイクルタイムおよび加工するゴムまたはエラストマ材料に関する高い変動性が確保された、射出成型モールド内でのゴムまたはエラストマ材料の加工を大きく改善する手段を提供することである。この目的は、独立請求項の特徴により達成される。好ましい実施形態は、従属請求項に記載される。

上記課題を解決するために、本発明の基本的アイデアは、射出成型機の流路に設けた絞りによって、ゴムまたはエラストマ材料の温度調節を保証することである。本発明の局面によれば、絞りは、ゴムまたはエラストマ材料の射出成型のための射出成型機に設けられ、絞りブロック、入口流路および出口流路並びに絞り手段を含む。入口流路は、角度、好ましくは４５°より大きな、より好ましくは７５°より大きな角度を付けて、出口流路に通じる。絞り手段は、材料の流れの低減と、ゴムまたはエラストマ材料の射出成型モールドへの注入との両方の役目を果たす絞りピストンを含む。

好ましくは、絞り手段は、絞りピストンと相互作用し、流れ方向に円錐状に先細になった、そこに絞りピストンが導入され得る最も径が小さい端部を含む絞り領域さらに含む。絞りは絞りピストンが端部に達したなら閉鎖する。さらに、または、代案として、絞り手段には絞りブッシングおよび絞りブッシング挿入物を設けることが好ましい。絞りブッシングおよび絞りブッシング挿入物は、入口流路の接続口部分において出口流路に口環を形成する。この口環の断面は、好ましくは入口流路までの距離の増加と共に増大する。このため、供給されるゴムまたはエラストマ材料は、環状のギャップの中で可能な限り均一に分散され得る。

代案として、ゴムまたはエラストマ材料が絞りピストンの表面全体の周りに流れず、その円周部分にのみ流れるように、つまり、ピストンの約９０°がゴムまたはエラストマ材料と接触するように、絞りブッシング挿入物に流れ方向に円錐状に先細の穴を設けることも可能である。これにより、絞りピストンが引っ込んだときに汚染が少ないことが保証される。したがって、全ての実施形態において、絞りブッシング挿入物は、絞りピストンと相互作用する流れ方向に円錐状に先細の絞り領域を形成する。

本発明のさらなる局面によれば、絞りは、ゴムまたはエラストマ材料を射出成型する射出成型機のために提供される。前記絞りは、絞りブロック、絞りブロックの中に設けられた入口流路および出口流路、並びに、出口流路の中に配置された絞り手段を含む。入口流路は、出口流路に通じる。絞り手段は、絞りピストンと、絞りピストンと相互作用し、流れ方向に円錐状に先細の絞り領域とを含み、絞り領域は、それに絞りピストンが導入される径または断面が最小の端部を有する。絞りは、絞りピストンが端部を貫通すると閉鎖される。

絞り手段は、好ましくは、絞りブッシングおよび絞りブッシング挿入物を含む。絞りブッシングおよび絞りブッシング挿入物は、入口流路の接続口部分において出口流路に口環を形成する。好ましくは、この口環の断面は、入口流路から少し離れた位置または入口流路の反対側において、接続口部分より大きい。絞りブッシング挿入物は、好ましくは、流れ方向に円錐状に先細の絞り領域を確定する。

本発明のさらなる局面によれば、絞りは、ゴムまたはエラストマ材料の射出成型のための射出成型機に設けられ、絞りは、絞りブロックと、絞りブロックに設けられた入口流路および出口流路と、出口流路の中に配設された絞り手段とを含む。入口流路は、出口流路に通じる。絞り手段は、絞りピストン、絞りブッシングおよび絞りブッシング挿入物を含み、絞りブッシングおよび絞りブッシング挿入物は、入口流路の接続口部分において出口流路に口環を形成する。

好ましくは、前記口環は、入口流路までの距離の増加に伴って増加する断面を有する。多様な実施形態において、絞りブッシング挿入物は、好ましくは、絞りブッシングの中に配設される。さらにい、絞りブッシングと絞りブッシング挿入物とは、好ましくは、絞りブロックの反対側から取り付けられる。また、上述の実施形態において、絞りブッシング挿入物は、流れ方向に円錐状に先細で、絞りピストンと相互作用する絞り領域を画定する。

さらなる局面によれば、本発明は、エクストルーダと、直列に接続された第１ピストン／シリンダユニットおよび第２ピストン／シリンダユニットと、上述の絞りとを含む、ゴムまたはエラストマ材料を射出成型するための射出成型機に関する。絞りの入口流路は、第１ピストン／シリンダユニットの出口端部と流れが通じるように接続され、絞りの出口流路は、第２ピストン／シリンダユニットの入口端部と流れが通じるように接続されている。第２ピストン／シリンダユニットのピストンは、好ましくは、絞りピストンとしての役目を果たし、第２ピストン／シリンダユニットのシリンダを概ね全体的に空にする。

さらに、本発明は、射出成型の間、ゴムまたはエラストマ材料の温度調節のためのシステムに関し、システムは、上述の絞りの中に、および、それを通して、ゴムまたはエラストマ材料を供給するための第１ピストンおよび第１シリンダを含む第１ピストン／シリンダユニットと、それぞれのゴムまたはエラストマ材料のために予め定めたパラメータにしたがって材料の流れを減少させるために絞りピストンの位置を調節する手段とを含む。好ましくは、前記システムは、射出成型モールドの中にゴムまたはエラストマ材料を供給するために、第２ピストン／シリンダユニットの第２シリンダの中の絞り手段を通して絞りピストンを移動させる手段をさらに含む。

さらに、さらなる局面によれば、本発明は、第１ピストンおよび第１シリンダを含む第１ピストン／シリンダユニットを介して、さらに、上述の絞りを介して、ゴムまたはエラストマ材料を供給するステップを含む、射出成型の間の、ゴムまたはエラストマ材料の温度調節、並びに、それぞれのゴムまたはエラストマ材料について予め定めたパラメータにしたがう絞りピストンの調節のための方法に関する。その方法は、好ましくは、さらに、ゴムまたはエラストマ材料を射出成型モールドの中に供給するために、第２ピストン／シリンダユニットの第２シリンダの中の絞り手段を通して絞りピストンを移動させるステップを含む。

以下に、本発明の好ましい実施形態が、図面を用いて例示的に説明される。
本発明の絞りの第１実施形態の絞りピストンが実質的に開放したときの概略断面図である。 絞りピストンがゴムまたはエラストマ材料を温度調節するために絞り位置を移動した図１と同様の断面図である。 本発明の実施形態の断面斜視図である。 本発明の絞りに使用できる絞りブッシングの第１実施形態の断面斜視図である。 本発明の絞りに使用できる絞りブッシングのさらなる実施形態の断面斜視図である。 本発明の絞りに使用できる絞りピストンの実施形態の斜視図である。 本発明の絞りに使用できる絞りブッシング挿入物の第１実施形態の斜視図である。 絞りブッシング挿入物の第２実施形態の図６ａと同様の図である。 絞りブッシング挿入物の第３実施形態の斜視図である。 本発明に係る絞りの第１実施形態の断面図である。 本発明に係る絞りの第２実施形態の断面図である。 圧力降下に対する混合温度の線図である。 絞りピストン位置に対する温度の線図である。 絞りピストンの位置に対する圧力降下の線図である。

図１および２は、本発明の絞り２の第２実施形態の断面を示す。絞りは、基本的に、絞りブロック４、その中に設けられた入口流路６および出口流路８、並びに、絞り手段を含む。入口流路６は、０°より大きな、好ましくは４５°より大きな、より好ましくは７５°より大きな角度で、好ましくは出口流路８に通じる。図１および２に示した実施形態の入口流路６と出口流路８との間の角度は、約９０°である。

絞り手段は、基本的に、絞りブロック４の出口流路８の中に配設され、絞りブッシング１２の中で案内される絞りピストン１０を含む。絞りブッシング１２は、好ましくは、絞りブロック４の第１側面１４から取り付けられ、ねじで共締めされている。絞り手段は、絞りピストン１０と相互作用し、流れ方向に円錐状に先細の絞り領域１６をさらに含む。図１および２に示した実施形態において、前記絞り領域１６は、絞りブッシング挿入物１８によって形成されている。絞りブッシング挿入物１８は、好ましくは、絞りブロック４の第１表面１４と反対側から取り付けられ、絞りブッシング挿入物１８が絞りブッシング１２の中に配設されていることが好ましい。

絞り領域１６は、それに絞りピストン１０が導入され得る最小径を有する端部を含み、絞りは、好ましくは、絞りピストン１０がその端部に導入されたなら、概ね閉鎖する。絞りブッシング１２および絞りブッシング挿入物１８は、好ましくは、流路６の接続口部分において出口流路８に口環２０を形成する。この口環２０は、入口流路６を通して供給された材料を絞り手段の中にできる限り均一に分配するのに特に有利である。この状況で、口環２０を非対称に形成すること、好ましくは、入口流路６の接続口部部分に接する環状部分が接続口部分に対向する部分よりも大きいことが好ましい。これは、図６ｂおよび７ａに図示した具体的詳細について後で説明する。さらに、接続口部分までの距離が増大するのに伴って、連続的に、次第にまたは漸次増加する断面の拡大もまた可能である。そのような設計は、材料が、環状のギャップの中を流れるとき、絞りピストン１０の周りをより簡単に流れることを可能にし、絞りにおける材料の均一な温度調節を可能にする。口環のあらゆる径の変化は、ゴムまたはエラストマ材料が堆積可能な有り得るデッドゾーンをなくすために、十分な半径を有することがさらに好ましい。

絞りブッシング１２および分離された絞りブッシング挿入物１８を有する絞り手段の使用は、特に、簡単な生産性、簡単な設置性、および低減された運転コストの理由で特に有利である。絞り領域１６が絞りブッシング挿入物１８によって形成されるので、絞り領域は、摩耗のサインが出たら別々に交換でき、絞り領域を統合した一体の絞りブッシングを交換するより非常に安価である。絞りブッシング１２は、好ましくは、ラビリンスシール２２およびそれにより絞りブロック４内にシールされてゴムまたはエラストマ材料の漏れを防止する。

本発明の絞り２は、例えば、導入部において既に言及したＷＯ２００６／００８１６４Ａ２にあるような、２つのピストン／シリンダユニットを含む射出成型機において特に有利に使用できる。ここで、本発明の絞り２は、この文献に記載された第１ピストン／シリンダユニットと第２ピストン／シリンダユニットとの間での切換要素の機能も担う。

図１および２に示されるこの実施形態において、射出成型機の第１ピストン／シリンダのシリンダ２６の出口端部２４は、絞りブロック４の入口流路６に接続されている。第１ピストン／シリンダユニットのピストン（不図示）は、ゴムまたはエラストマ材料をシリンダ２６を通して絞り２の入口流路６の中に搬送する。絞り２の出口流路８は、第２ピストン／シリンダユニットの第２シリンダ３０の入口端部２８に接続されている。第２ピストン／シリンダユニットの出口端部３２は、射出成型モールド（不図示）に接続されるのに適する。

本発明によれば、絞り２の絞りピストン１０は、好ましくは第２ピストン／シリンダユニットのピストンとしての役目を果たす。絞りピストン１０は、一方で、絞り２を通る材料の流れを低減し、他方で射出成型モールドの中への第２ピストン／シリンダユニットの第２シリンダ３０から材料を供給する役目を果たすように形成されている。これに関して、シリンダ３０および絞り２の出口流路が、絞りピストン１０によって概ね完全に空にされ得、ゴムまたはエラストマ材料の残りがなくなることが特に有利である。

図１に示した位置において、絞りピストン１０は、入口流路８または絞りブッシング１２から離れるように引っ込められており、材料が概ね妨害されることなく或いは制限されることなく入口流路６から出口流路８および第２シリンダ３０の中に流れる。ここで絞りピストン１０の先端３４は、僅かに環状のギャップ２０の領域の中に延伸し、が僅かに絞りブッシング挿入物１８の中において終端する。絞りピストン１０の先端３４は、入口流路６から出口流路８への材料の流れを迂回させるのに有利な効果を有する。

図２に示した位置において、絞りピストン１０は、さらに絞り２の中に引き抜かれている。それにより、ピストンスカート３６がその長さの約４分の１だけ絞りブッシング挿入物１８の中に引き込まれて、環状のギャップ３８をピストンスカート３６と絞りブッシング挿入物１８の絞り領域１６との間に形成し、そこを通してゴムまたはエラストマ材料が加圧される。ここで材料は、絞り２の入口流路８および口環２０を通して、第１ピストン／シリンダユニットの出口端部２４から始まり、環状のギャップ３８を通して、第１ピストン／シリンダユニットの第２シリンダの入口端部に至るまで流れる。環状のギャップ３８の環状の幅および絞りの長さ、つまり、環状のギャップ３８の幅と、それによるゴムまたはエラストマ材料の絞り効果は、個々の材料および加工上の要求に合わせて最適な条件を創設するために、絞りピストン１０の位置によって調節され得る。絞り領域１６は、絞りブッシング挿入物１８が材料の流れ方向に先細になっているので、ピストン１０が絞りブッシング挿入物１８の中により挿入されるほど環状のギャップ３８が小さくなる。

絞り領域１６の長さは、好ましくは５ｍｍから５０ｍｍの間であり、より好ましくは１０ｍｍから４０ｍｍの間であり、最も好ましくは２０ｍｍから３０ｍｍの間である。絞り領域１６の先細りは、絞りブッシング挿入物１８の軸に対して、好ましくは０．５°から５°の間、より好ましくは１．５°から３．５°の間、最も好ましくは２°から３°の間で確定される。絞りブッシング挿入物１８の径は、好ましくは１０ｍｍから５０ｍｍ、より好ましくは１５ｍｍから４０ｍｍ、最も好ましくは２０ｍｍから３０ｍｍの間である。環状のギャップ２０は、絞りピストン１０のピストンスカート３６の径に対して、好ましくは２ｍｍ以上、より好ましくは４ｍｍ以上、最も好ましくは６ｍｍ以上大きな径を有する。環状のギャップ２０の幅は、通常、入口流路の径に略一致し、例えば、約１０ｍｍから１５ｍｍ、具体的には約１２ｍｍである。接続口部分と反対側の口環２０の拡大した断面において、口環２０は、好ましくは約２ｍｍ以上、より好ましくは４ｍｍ以上、接続口部分でのそれよりも大きい。

絞りピストン１０が絞りブッシング挿入物１８の最も径が小さい端部まで概ね引き込まれたなら、環状のギャップの幅は概ね０である、つまり、絞り手段は絞り２を通した流路を概ね完全に閉鎖する。絞りピストン１０が第２ピストン／シリンダユニットのシリンダ３０の中にさらに移動し、ゴムまたはエラストマ材料を射出成型モールドの中に供給するとき、入口流路６の開口は、ピストンによって、材料がそれ以上流れないように概ね閉鎖される。このために、絞りピストン１０は、全長に亘ってピストンスカート３６の領域と同じ径に形成され得る。代案として、絞りピストン１０を、ピストンスカート３６に続く領域４０において断面が減じられた形状に形成されることも好ましい。しかしながら、入口流路６の接続口部分の封止のために、ピストンの長手方向に延伸し、縮径するように接続口部分に面するつまり、ピストンスカート３６に一致する径を有する第１の領域を好ましくは形成せず、加えて、長手方向に延伸し、接続口部分と反対側にあり、径が先細るようなピストンの第２の領域を形成しないことが好ましい。これは、後から図５を参照してさらに詳しく説明する。

図３は、図１および２に示した実施形態と大体一致する本発明に係る絞り２の実施形態の断面斜視図を示す。図１および２の実施形態とは異なり、図３に係る絞り２の入口流路６は、絞りブロック４に、出口流路８に対して約８３°の角度で配設されている。それは別にして、図３に示した実施形態は、基本的に図１および２に示した実施形態に一致する。

図４ａは、図３に示した絞り２に取り付けられる絞りブッシング１２の第１実施形態を示す。絞りブッシング１２は、絞りブッシング１２を絞りブロック４に固定するための固定フランジ４２を含む。好ましくは、貫通穴４４および位置決めピン穴が取り付けのために設けられている。概ね一定の外形を有する延長部４８がフランジ４２から延伸し、そこに、絞りブロック４の中でブッシング１２をシールするためのラビリンスシール２２が設けられている。さらに、入口開口または接続開口５０が部分４８に設けられている。開口は絞りブロック４の入口流路６とぴったり合うように配設されており、絞りブッシング１２の中に材料が流れ込むことを保証する。その内部において、絞りブッシング１２は、絞りピストン１０またはピストンスカート３６の外形に略一致する径の部分５２を有する。この部分５２は、絞りブッシング１２の中の絞りピストン１０を案内するために形成されている。接続開口５０の領域で、内径は、大きな径を有する領域５４に拡大する。この絞りブッシング挿入物１８の径が大きい領域５４は、フランジ４２と反対側から挿入される。図６ａおよび６ｂは、図４ａに係る絞りブッシング１２と共に使用できる様々な絞りブッシング挿入物１８を示す。

図６ａに示した絞りブッシング挿入物１８の実施形態では、絞りブッシング挿入物１８と絞りブッシング１２の径が大きい領域５４の内面との間をシールするラビリンスシール５０も設けられている。さらに、絞りブッシング挿入物１８は、絞りブッシング挿入物１８の絞りブッシング１２への挿入長さを決定する係止フランジ５８を含む。取り付けた状態で、係止フランジ５８と反対側の絞りブッシング挿入物の端部は、絞りブッシング１２と共に口環２０を画定する。流れ方向に先細の絞り領域１６は、好ましくは絞りブッシング挿入物１８の内面全体に沿って形成され、フランジ５８の方向に径が先細る。

図６ｂは、図６ａに示した実施形態と実質的に一致するが、フランジ５８と反対側の端部６０が絞りブッシング１２の中に取り付けられた状態でその幅が変化する口環２０を画定するために階段状になっている絞りブッシング挿入物１８の第２実施形態を示す。ここで、絞りブッシング挿入物１８は、絞りブッシング１２の中に階段状の領域６２が接続開口５０と反対側に位置し、入口流路６の接続口部分に対向する拡大された口環２０を形成し、口環２０の中での均一な材料の分配が促進されるように配置される。

図６ａおよび６ｂに示した絞りブッシング挿入物１８の実施形態の代案として、絞りブッシング挿入物の端部６０を、その回転軸に対して傾斜するように形成して、反対側の接続口部分から連続的に拡大する口環２０を形成することもできる。

絞りピストン１０は、さらに詳細に図５に示されている。図５の記載によれば、絞りピストン１０は、既に言及したピストンの先端３４およびスカート３６を含む。ピストンスカート３６の径は、絞りブッシング１２の小さい径を有する領域５２の内径に概ね一致する。ピストンスカート３６に隣接し長手方向に延伸する凹部６４が好ましくはピストン１０の周辺の一部に設けられる。この凹部は、ピストン１０が絞りブッシング１２に沿って、特に第２ピストン／シリンダユニットのシリンダ３０の中に容易に導入されるようにする。既に上述したように、接続開口５０に面するピストン１０の第１の領域６６は、ピストンスカート３６の領域におけるのと同じ直径または半径を有するように設計されており、接続開口５０が絞りピストン１０が前進したときに概ね閉鎖される。好ましくは、接続開口５０に背を向けるピストン１０の第２の領域６６は、ピストンスカート３６の領域と同じ直径または半径に形成されており、ピストンがシリンダの中で両側を案内される。

図７ａは、絞り２の設置状態における上述の実施形態を示す。ここで、特に階段状の、絞りブッシング１２を絞りブロック４の片側から取り付け、絞りブッシング挿入物１８を絞りブロック４の反対側から取り付けることで設けた口環２０が、はっきりと確認できる。

既に上述したように、口環２０の幅は、接続開口５０の領域において、概ね接続開口の径に一致し、口環２０の幅は、開口５０まで距離のある領域において増大する。これは、段階的または連続的になされてもよい。図７ａに示した実施形態において、口環の幅は、絞りブッシング挿入物１８の階段状の端部６０によって形成されている。

図４ｂは、同様に、フランジ４２およびそこから延伸して絞りピストン１０を受け入れるシリンダ部５２を含む絞りブッシング１２のさらなる実施形態を示す。さらに、取付開口４４と、位置決めピン開口４６と、ラビリンスシール２２とが設けられている。図４に係る絞りブッシング１２との実質的な違いとして、円筒部５２が大変短いことが目を引く、つまり、そのような長さにより、絞りブッシング１２の表面は、入口流路６の接続口部で終わっている。これは、取り付けた状態の本発明の絞り２の前記実施形態を示す図７ｂにはっきりと示されている。

図６ｃは、絞りブッシング１２と結合可能な絞りブッシング挿入物１８の実施形態を示す。この実施形態において、絞りピストンは、材料の流れによって環状に取り囲まれず、ピストンの表面の一部の周りのピストンの片面にのみ材料の流れが起こる。これについて、絞りブッシング挿入物１８において、絞り領域１６は、長手方向の軸に対して傾斜した溝６８の形状に画定される。前記溝６８は、絞りブッシング挿入物１８の長手方向の軸に沿って、好ましくは１５°から２５°、より好ましくは１８°から２０°の角度で延伸する。絞り２のこの実施形態によれば、接続開口５０は、入口流路６０からの絞りブッシング挿入物１８への材料の流入のために設けられている。接続開口５０から始まり、溝６８は、先細の流路が流れ方向に延伸することとなる角度で延伸する。好ましくは、溝６８は、表面領域の周囲に、絞りブッシング挿入物１８の完全な表面の約１０％から４０％、より好ましくは１５から３０％に設けられる。

位置決めピン７０によって、絞りブッシング挿入物１８の接続開口５０が入口流路６と並ぶように、絞りブッシング１２が絞りブッシング挿入物１８と適切に並んで位置することは、図７ｂに示した絞り２の取り付けた実施形態から明かである。図７ｂに示した絞りピストン１０の位置において、流入する材料の流路は、絞りピストン１０と絞りブッシング挿入物１８、特にそれに設けられた溝６８とによって画定され、そこでの流路は、広く、または、絞りピストン１０の位置に応じて狭くなる。前記実施形態は、特に、ゴムまたはエラストマ材料を射出成型モールドの中に注入した後に、絞りピストン１０が引き込またときの汚染の低減に関して有利である。

本発明に係る絞りの構造は、適切な絞りピストンの位置決めによって、多様なゴムまたはエラストマ材料の射出成型の短いサイクルタイムの実現と、それぞれ望ましい材料温度の調節とを可能にする。

本発明の絞り２を備える射出成型機のゴムまたはエラストマ材料における効果は、続いて、図８から１０を参照して例示的に説明される。この例に使用された射出成型機は、図１および２に示した射出成型機の構造と概ね一致する。絞りブッシング１２は、図４ｂに示した実施形態と一致する。絞りピストン１９および絞りブッシング挿入物１８は、図５または６ｃに示した実施形態と一致する。材料として、８ｍｍ×２５ｍｍの断面を有し、７０のショア堅さを有するエチレン−ポリフェニレン−ジエンゴムの混合物（ＥＰＤＭ７０ショア）から成るストリップが加工される。

図８は、第１ピストン／シリンダユニットのピストンにおける圧力降下に対するＥＰＤＭの混合温度を示す。言い換えると、図８は、絞り２を通した流れ抵抗が増大したとき、即ち、絞りの断面が小さくなったときの混合温度の挙動を示す。

表１は、図８の線図の元となるデータを開示する。ここで、抵抗または圧力降下は、第１ピストン／シリンダユニットの第１シリンダ２６から絞り２、第１ピストン／シリンダユニットの第２シリンダ３０およびノズル（不図示）を通して材料を注入するのに必要な圧力として表示されている。これに関し、第１ピストン／シリンダユニットのピストンは、シリンダ２６の中に１００ｃｍ^３／ｓの速度で移動させられた。それぞれの絞りピストンの位置は、シリンダ３０内に残る道程としてミリメートル単位で表されている。ピストン位置３１３ｍｍにおいて、絞りは、図１に大まかに示すように概ね完全に開放されている。ピストン位置約２８０ｍｍにおいて、絞りは、概ね完全に閉鎖され、残る２８０ｍｍの道程は、第２シリンダ３０から材料を排出する役目を果たす。絞り２は、３１３ｍｍから２８０ｍｍの間は部分的に開放される。

図９および１０に係る線図は、絞りの閉鎖の増大、即ち、絞りを通る流路断面の減少に伴い、第１ピストン／シリンダユニットの第１ピストンにおける必要圧力は、エラストマまたはゴム材料の温度増加を含めて、大きく増加する。材料の温度は、貫通プローブによって測定された。

Claims (14)

1. 絞りブロック（４）と、前記絞りブロックに設けられた入口流路（６）および出口流路（８）と、絞りピストン（１０）を含む絞り手段とを含み、前記入口流路は、角度を付けて前記出口流路に通じ、前記絞りピストンは、材料の流れの低減と、ゴムまたはエラストマ材料の射出成型モールドの中への注入との役目を果たし、
   前記絞り手段は、絞りブッシング（１２）および絞りブッシング挿入物（１８）を含み、前記絞りブッシングと前記絞りブッシング挿入物とは、前記入口流路（６）の接続口部分において前記出口流路（８）に口環（２０）を形成し、好ましくは、前記口環（２０）の断面は、前記入口流路（６）からの距離と共に増大する、ゴムまたはエラストマ材料を射出成型する射出成型機のための絞り（２）。
2. 前記角度は、４５°より大きく、好ましくは７５°より大きい、請求項１に記載の絞り。
3. 前記絞り手段は、前記絞りピストン（１０）と相互作用し、流れ方向に円錐状に先細の絞り領域（１６）を含み、前記絞り領域は、径が最も小さく、そこに前記絞りピストン（１０）が導入され得る端部を含み、前記絞りピストンが前記端部に導入されたとき、絞り（２）は閉鎖される、請求項１または２に記載の絞り。
4. 前記絞りブッシング挿入物（１８）は、前記絞りピストン（１０）と相互作用する流れ方向に円錐状に先細の絞り領域（１６）を画定する、請求項１から３のいずれかに記載の絞り。
5. ゴムまたはエラストマ材料を射出成型する射出成型機のための絞り（２）であって、絞りブロック（４）と、前記絞りブロックに設けられた入口流路（６）および出口流路（８）と、前記出口流路に配設された絞り手段とを含み、前記入口流路は、前記出口流路に通じ、前記絞り手段は、絞りピストン（１０）と、前記絞りピストンと相互作用し、流れ方向に円錐状に先細の絞り領域（１６）とを含み、前記絞り領域は、径が最も小さく、そこに前記絞りピストン（１０）が導入され得る端部を含み、前記絞りピストンが前記端部に導入されたとき閉鎖され、
   前記絞り手段は、絞りブッシング（１２）および絞りブッシング挿入物（１８）を含み、前記絞りブッシングと前記絞りブッシング挿入物とは、前記入口流路（６）の接続口部分において前記出口流路（８）に口環（２０）を形成し、好ましくは、前記口環（２０）の断面は、前記入口流路（６）からの距離と共に増大する絞り（２）。
6. 前記絞りブッシング挿入物（１８）は、流れ方向に円錐状に先細の前記絞り領域（１６）を画定する、請求項５に記載の絞り。
7. 絞りブロック（４）と、前記絞りブロックに設けられた入口流路（６）および出口流路（８）と、前記出口流路に配設された絞り手段とを含み、前記入口流路は、前記出口流路に通じ、前記絞り手段は、絞りピストン（１０）と、絞りブッシング（１２）および絞りブッシング挿入物（１８）とを含み、前記絞りブッシングと前記絞りブッシング挿入物とは、前記入口流路（６）の接続口部分において前記出口流路（８）に口環（２０）を形成し、好ましくは、前記口環（２０）の断面は、前記入口流路（６）からの距離と共に増大する、ゴムまたはエラストマ材料を射出成型する射出成型機のための絞り（２）。
8. 前記絞りブッシング挿入物（１８）は、前記絞りブッシング（１２）の中に配設されている、請求項１から７のいずれかに記載の絞り。
9. 前記絞りブッシング（１２）と前記絞りブッシング挿入物（１８）とは、前記絞りブロック（４）の反対側から取り付けられる、請求項１から８のいずれかに記載の絞り。
10. 前記絞りブッシング挿入物（１８）は、流れ方向に円錐状の先細で、前記絞りピストン（１０）と相互作用する絞り領域（１６）を画定する、請求項７から９のいずれかに記載の絞り。
11. （ａ）請求項１から１０のいずれかに記載の絞り（２）の中へ、そしてそれを通して、ゴムまたはエラストマ材料を供給するための、第１ピストンおよび第１シリンダ（２６）含む第１ピストン／シリンダユニットと、
    （ｂ）それぞれのゴムまたはエラストマ材料について予め定めたパラメータにしたがって前記材料の流れを低減するために、前記絞りピストン（１０）の位置を調節する手段とを含む、
    射出成型の間、ゴムまたはエラストマ材料を温度調節するシステム。
12. （ｃ）前記ゴムまたはエラストマ材料を射出成型モールドの中に供給するために、第２ピストン／シリンダユニットの第２シリンダ（３０）の中の絞り手段を通して、前記絞りピストン（１０）を移動させる手段と含む、
    請求項１１に記載のシステム。
13. （ａ）第１ピストンおよび第１シリンダ（２６）含む第１ピストン／シリンダユニットによって、請求項１から１０のいずれかに記載の絞り（２）の中へ、そしてそれを通して、ゴムまたはエラストマ材料を供給するステップと、
    （ｂ）それぞれのゴムまたはエラストマ材料について予め定めたパラメータにしたがって、前記絞りピストン（１０）の位置を調節するステップと、
    を含む、射出成型の間、ゴムまたはエラストマ材料を温度調節する方法。
14. （ｃ）前記ゴムまたはエラストマ材料を射出成型モールドの中に供給するために、第２ピストン／シリンダユニットの第２シリンダ（３０）の中の絞り手段を通して、前記絞りピストン（１０）を移動させるステップ
    を含む、請求項１３に記載の方法。

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