JP4891045B2 - 光伝送路測定装置およびインパルス応答測定方法 - Google Patents

光伝送路測定装置およびインパルス応答測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバなどの光伝送路についてのインパルス応答を擬似ランダムパルス信号を用いて測定する光伝送路測定装置およびインパルス応答測定方法に関するものである。
この種の測定装置として、特開平9−26376号公報に開示された測定装置が知られている。この測定装置は、擬似ランダムパルス信号を発生するランダムパルス発生器と、ランダムパルス発生器からの擬似ランダムパルス信号を受けてランダム光パルスを発生するランダム光パルス発生器と、ランダム光パルスを伝送する光伝送路からの反射光パルスを検出する反射光検出手段と、ランダムパルス発生器からの擬似ランダムパルス信号を受けて任意の時間遅延させる可変遅延回路と、反射光検出手段からのパルス信号と可変遅延回路からのパルス信号との相互相関を求める相互相関検出器と、相互相関検出器で求めた相関係数値が最大のときの可変遅延回路の遅延時間を入力し光伝送路の障害点を求める距離演算器とを備え、OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)として構成されている。
この測定装置によれば、光パルスとして、例えばPN系列(PseudoNoise Sequence:擬似雑音系列)信号のような不規則なビット列で構成された擬似ランダムパルス信号で光波を変調させてランダム光パルスを発生させ、光伝送路を伝送させ、可変遅延させた擬似ランダムパルス信号と反射光パルスを光電変換したパルス信号との相互相関をとって、インパルス応答を測定することにより、雑音に埋もれた障害点からの反射光パルスを見い出すことが可能となるため、その障害点の位置、距離を精密に測定することが可能となっている。
具体例を挙げて説明すると、この種の測定装置では、図5に示すように、擬似ランダムパルス信号Spで光波を変調させて発生させたランダム光パルスLPを光伝送路に伝送させると共に、擬似ランダムパルス信号SpをΔt×0(=0),Δt×1,Δt×2,・・・,Δt×i(iは0以上n以下の整数),・・・,Δt×n(nは例えば500以上の整数)というように所定時間Δt(僅かな時間)ずつ遅延させた内部遅延パルス信号S0,・・・,Si,・・・,Snを装置内部で生成して、これらの各内部遅延パルス信号と反射光パルス(戻り光)を光電変換したパルス信号(戻り信号)との相互相関を演算する。この場合、この戻り信号Srには、光伝送路のランダム光パルスの入射端において反射されたランダム光パルスに基づく戻り信号Sr0、光伝送路の終端で反射されたランダム光パルス(フレネル反射)に基づく戻り信号Srt、ゴーストに基づく戻り信号Srg、および光伝送路の入射端や終端以外の他の部位で反射されたランダム光パルスに基づく複数の戻り信号Srxが含まれている。つまり、戻り信号Srは、各戻り信号Sr0,Srt,Srg,Srxの合成信号である。
測定装置では、これらの戻り信号Sr0,Srt,Srg,Srxのそれぞれに対して上記の各内部遅延パルス信号S0,S1,S2,・・・,Si,・・・,Snとの相互相関が演算される。例えば、光伝送路の入射端および終端での戻り信号Sr0,Srtのレベルと、ゴーストに基づく戻り信号Srgのレベルのみが高くなり、戻り信号Srxなどの光伝送路の他の部位での戻り信号のレベルは低くなるような光伝送路では、信号レベルの高い戻り信号Sr0,Srt,Srgについては、各内部遅延パルス信号S0,S1,・・・,Si,・・・,Snのうちの各戻り信号Sr0,Srt,Srgと位相の一致する(互いのビット列が一致する)内部遅延パルス信号との演算において相関係数値は大きくなるが、光伝送路の他の部位での信号レベルの低い戻り信号Srxについては、これらの戻り信号Srxと位相の一致する内部遅延パルス信号との演算においても相関係数値は小さなものとなる。一方、光伝送路に破断等の障害点が存在しているときには、この障害点において反射されたランダム光パルスに基づく戻り信号のレベルは、その前後の戻り信号のレベルとは異なる特異のものとなる場合があり、このような場合には、この障害点での戻り信号と各内部遅延パルス信号S0,S1,S2,・・・,Si,・・・,Snのうちの位相の一致する内部遅延パルス信号との演算で得られた相関係数値も特異な値となる。すなわち、このようにして得られた相関係数値は、戻り信号のレベルに依存したものとなる。
したがって、所定のレベルの戻り信号について、その光伝送路内での発生部位の入射端からの距離については、この戻り信号のレベルに対応する相関係数値が得られた内部遅延パルス信号(この戻り信号と位相の一致する内部遅延パルス信号)の遅延時間に基づいて算出することができる。具体的には、内部遅延パルス信号Si(遅延時間:Δt×i)と位相が一致した戻り信号の発生部位については、式(Vc×Δt×i/2)で光伝送路の入射端からの距離を求めることができる。ここで、Vcは、ランダム光パルスの光伝送路内での伝搬速度である。また、相関係数値から戻り信号のレベルを求めることもできる。
特開平9−26376号公報(第2−3頁、第1図)
ところが、上記の測定装置には、以下の問題点がある。すなわち、この種の測定装置では、上記したように、戻り信号Srに含まれるすべての戻り信号Sr0等について、各内部遅延パルス信号S0,S1,S2,・・・,Si,・・・,Snとの相互相関が演算されるが、これについて、図6を参照して、戻り信号Sr0を例に挙げてさらに詳細に説明する。戻り信号Sr0についての相関係数値は、内部遅延パルス信号S0の出力期間(内部遅延パルス信号S0との相互相関対象区間)内に含まれている戻り信号Sr0、および光伝送路の入射端から次第に離間する各部位からの戻り信号Sr1,Sr2,Sr3,・・・と内部遅延パルス信号S0との相互相関の合計値となる。この場合、ビット列の完全一致する内部遅延パルス信号S0との相関係数値が大きくなり、ビット列のずれる他の戻り信号Sr1,Sr2,Sr3,・・・との相関係数値は小さくなる。
しかしながら、他の戻り信号Sr1,Sr2,Sr3,・・・については、戻り信号Sr0と比較して相関係数値は小さな値となるものの、図6に示すように、内部遅延パルス信号S0と相互相関される区間(内部遅延パルス信号S0の出力期間)には、擬似ランダムパルス信号の含まれていない区間A1,A2,A3,・・・が存在するため、その相関係数値は、各区間A1,A2,A3,・・・が内部遅延パルス信号S0の出力期間からはみ出た擬似ランダムパルス信号(区間B1,B2,B3,・・・に含まれている擬似ランダムパルス信号)で埋められている状態での理想的な相互相関を行ったときの相関係数値と比較して大きな値となる。この結果、内部遅延パルス信号S0と内部遅延パルス信号S0の出力期間に含まれている各戻り信号Sr0,Sr1,Sr2,Sr3,・・・との各相関係数値の合計値で表される内部遅延パルス信号S0と戻り信号Srとの相関係数値も理想的な値とならずに、誤差を含んだ値となる。この誤差は、戻り信号Srに含まれる戻り信号Sr1,Sr2,Sr3,・・・についての相関係数値に含まれ、戻り信号Sr0などのような信号レベルの高い戻り信号の測定についてはそれほど問題とならないが、信号レベルの低い戻り信号の測定においては大きな影響を与えることになる。したがって、従来の測定装置には、光伝送路についてのインパルス応答を高い測定精度(高S/N比)で測定するのが困難であるという問題点が存在している。
この問題点に鑑み、本願発明者は、所定長の擬似ランダムパルス信号を生成するパルス生成部と、擬似ランダムパルス信号に基づいてランダム光パルスを生成すると共に光伝送路に射出する光パルス生成部と、光伝送路からのランダム光パルスの戻り光を受光して戻り信号に変換する光電変換部と、擬似ランダムパルス信号を所定時間ずつ遅延させた遅延ランダムパルス信号を生成して出力する遅延部と、擬似ランダムパルス信号および遅延ランダムパルス信号と戻り信号との各相互相関を演算して相関係数値を求める演算部と、演算部で求めた相関係数値に基づいて光伝送路のインパルス応答を測定する処理部とを備え、擬似ランダムパルス信号を1周期以上連続して生成可能にパルス生成部を形成し、パルス生成部によって生成された擬似ランダムパルス信号における1つの周期の中間の所定ビットから1つの周期に続けて生成した次以降の所定の周期の擬似ランダムパルス信号における所定ビットの1つ前のビットまでの所定長の特定擬似ランダムパルスを遅延部で遅延させて遅延ランダムパルス信号として出力する構成の光伝送路測定装置を提案している。
この光伝送路測定装置では、生成された擬似ランダムパルス信号における1つの周期の中間の所定ビットからこの擬似ランダムパルス信号に続けて生成される次の周期の擬似ランダムパルス信号における所定ビットの1つ前のビットまでの所定長の特定擬似ランダムパルス信号を所定時間ずつ遅延させて戻り信号(戻り光を光電変換したパルス信号)との相互相関を検出している。したがって、この光伝送路測定装置によれば、光伝送路の各部位からの戻り信号のいずれにも特定擬似ランダムパルス信号に対応するビット列の前に擬似ランダムパルス信号を含めることができる。図6を参照して説明すると、区間B1,B2,B3,・・・に含まれている擬似ランダムパルス信号を擬似ランダムパルス信号の含まれていない区間A1,A2,A3,・・・に埋めた状態とすることができる。このため、各遅延ランダムパルス信号との相互相関に際して、ビットが完全一致とならない状態(位相がずれている状態)であっても理想的な相関係数値(数値「−1」)を検出することができる。したがって、ビットが完全一致する戻り信号との相関係数値(数値「2−1」:kは4以上の整数)に対する誤差を最小にすることができる結果、光伝送路についてのインパルス応答特性の測定精度を十分に向上させることができる。
しかしながら、本願発明者は、自ら提案した上記の光伝送路測定装置をさらに検討した結果、この光伝送路測定装置に改善すべき点が存在していることを見出した。すなわち、この光伝送路測定装置によって算出される相関係数値は、詳細には、遅延ランダムパルス信号とビットが完全一致する戻り信号についての相関係数値(数値「2−1」)にこの戻り信号の信号強度(振幅)を乗算した値と、この遅延ランダムパルス信号とはビットが完全一致しない他の戻り信号についての相関係数値(数値「−1」)に各戻り信号の信号強度を乗算した値との合計値として算出される。このため、検出しようとする戻り信号(遅延ランダムパルス信号とビットが完全一致する戻り信号)のレベルが低い場合(つまり、信号強度の小さい戻り信号を検出する場合)には、この戻り信号についての相関係数値(数値「2−1」にこの戻り信号の信号強度を乗算した数値)も小さくなり、遅延ランダムパルス信号とビットが完全一致しないが信号強度の大きい他の戻り信号についての相関係数値(数値「−1」にこの戻り信号の信号強度を乗算した数値)の影響を大きく受けて、検出しようとする戻り信号の検出がより難しくなるという解決すべき課題が存在している。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、信号強度の小さい戻り信号を良好に検出でき、インパルス応答の測定精度を向上し得る光伝送路測定装置およびインパルス応答測定方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の光伝送路測定装置は、所定長の擬似ランダムパルス信号を生成するパルス生成部と、前記擬似ランダムパルス信号に基づいてランダム光パルスを生成すると共に光伝送路に射出する光パルス生成部と、前記光伝送路からの前記ランダム光パルスの戻り光を受光して戻り信号に変換する光電変換部と、前記擬似ランダムパルス信号を所定時間ずつ遅延させた遅延ランダムパルス信号を生成して出力する遅延部と、前記擬似ランダムパルス信号および前記遅延ランダムパルス信号と前記戻り信号との各相互相関を演算して相関係数値を算出する演算部と、当該相関係数値に基づいて前記光伝送路のインパルス応答を測定する処理部とを備え、前記パルス生成部は前記擬似ランダムパルス信号を1周期以上連続して生成可能に形成され、前記遅延部は、前記パルス生成部によって生成された前記擬似ランダムパルス信号における1つの周期の中間の所定ビットから当該1つの周期に続けて生成した次以降の所定の周期の擬似ランダムパルス信号における前記所定ビットの1つ前のビットまでの前記所定長の特定擬似ランダムパルスを遅延させて前記遅延ランダムパルス信号として出力し、前記処理部は、前記相関係数値のうちの特定の相関係数値を補正用相関係数値とすると共に、すべての前記相関係数値から当該補正用相関係数値を減算した補正後相関係数値に基づいて前記インパルス応答を測定する。
また、請求項2記載の光伝送路測定装置は、請求項1記載の光伝送路測定装置において、前記処理部は、前記遅延ランダムパルス信号のうちの最大の遅延時間の遅延ランダムパルス信号と前記戻り信号との相互相関を演算して前記補正用相関係数値を算出する。
また、請求項3記載のインパルス応答測定方法は、所定長の擬似ランダムパルス信号に基づいてランダム光パルスを生成すると共に光伝送路に射出し、前記光伝送路からの前記ランダム光パルスの戻り光を受光して戻り信号に変換し、前記擬似ランダムパルス信号および当該擬似ランダムパルス信号を所定時間ずつ遅延させた遅延ランダムパルス信号と前記戻り信号との各相互相関を演算して求めた相関係数値に基づいて前記光伝送路のインパルス応答を測定するインパルス応答測定方法であって、前記擬似ランダムパルス信号を1周期以上連続して生成し、前記擬似ランダムパルス信号における1つの周期の中間の所定ビットから当該1つの周期に続けて生成した次以降の所定の周期の擬似ランダムパルス信号における前記所定ビットの1つ前のビットまでの前記所定長の特定擬似ランダムパルスを遅延させて前記遅延ランダムパルス信号とし、前記相関係数値のうちの特定の相関係数値を補正用相関係数値とすると共に、すべての前記相関係数値から当該補正用相関係数値を減算した補正後相関係数値に基づいて前記インパルス応答を測定する。
また、請求項4記載のインパルス応答測定方法は、請求項3記載のインパルス応答測定方法において、前記遅延ランダムパルス信号のうちの最大の遅延時間の遅延ランダムパルス信号と前記戻り信号との相互相関を演算して前記補正用相関係数値を算出する。
請求項1記載の光伝送路測定装置および請求項3記載のインパルス応答測定方法では、パルス生成部によって生成された擬似ランダムパルス信号における1つの周期の中間の所定ビットからこの1つの周期に続けて生成した次以降の所定の周期の擬似ランダムパルス信号における所定ビットの1つ前のビットまでの所定長の特定擬似ランダムパルス信号を遅延させて生成した遅延ランダムパルス信号と光電変換部から出力される戻り信号との相互相関を演算して、各遅延ランダムパルス信号に対応する戻り信号についての相関係数値を算出し、この相関係数値のうちの特定の相関係数値を補正用相関係数値として他のすべての相関係数値から補正用相関係数値を減算して補正し、この補正後の相関係数値である補正後相関係数値に基づいてインパルス応答を測定する。したがって、この測定装置およびインパルス応答測定方法によれば、特定の相関係数値による各相関係数値に対する補正により、各遅延ランダムパルス信号に対応する各戻り信号について、他の戻り信号の影響を排除した状態で相関係数値を算出することができ、その結果、相関係数値を誤差のより少ない状態で検出することができる。したがって、この測定装置およびインパルス応答測定方法によれば、光伝送路についてのインパルス応答特性の測定精度を十分に向上させることができる。
また、請求項2記載の光伝送路測定装置および請求項4記載のインパルス応答測定方法では、遅延ランダムパルス信号のうちの最大の遅延時間の遅延ランダムパルス信号(つまり、最大の遅延時間の遅延ランダムパルス信号)と戻り信号との相互相関を演算して補正用相関係数値を算出する。したがって、この光伝送路測定装置およびインパルス応答測定方法によれば、遅延ランダムパルス信号のうちの最大の遅延時間の遅延ランダムパルス信号と戻り信号との相互相関を演算して補正用相関係数値を算出することにより、インパルス応答特性の測定に使用される各戻り信号の信号強度よりも確実に小さい信号強度を用いて補正用相関係数値を算出でき、この補正用相関係数値によって補正された各相関係数値に含まれる補正用相関係数値に起因した値(誤差)を小さくすることができる。したがって、光伝送路についてのインパルス応答特性の測定精度を確実に向上させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る光伝送路測定装置(以下、「測定装置」ともいう)およびインパルス応答測定方法の最良の形態について説明する。
測定装置1は、図1に示すように、パルス生成部2、光パルス生成部3、分岐部4、光電変換部5、遅延部6、演算部7、処理部8および表示部9を備え、光伝送路10についての特性(インパルス応答特性)を擬似ランダムパルス信号を用いた本発明に係るインパルス応答測定方法を実行して測定可能に構成されている。したがって、このインパルス応答測定方法については、測定装置1の説明と併せて説明する。
パルス生成部2は、1周期が所定長の擬似ランダムパルス信号Spを生成すると共に、生成した擬似ランダムパルス信号Spを1周期以上(本例では2周期)連続して出力し得るように構成されている。擬似ランダムパルス信号Spとしては、PN系列信号のM系列(Maximal length linear recurring sequence)、Legendre系列、Hall系列およびtwin−prime系列のいずれを使用してもよい。本例では、パルス生成部2は、一例として、k(kは4以上の整数。例えば27)段のシフトレジスタ、およびEXOR回路の帰還回路(いずれも図示せず)で構成されて、1周期の符号長が所定長q(=2−1)のM系列信号を擬似ランダムパルス信号Spとして出力する。また、パルス生成部2は、1つの周期(第1周期)の擬似ランダムパルス信号Spの中間の(途中の)所定ビット(mビット。mは10000以上の整数)から、この擬似ランダムパルス信号Spに続けて生成する次以降の所定の周期(本例では次の第2周期)の擬似ランダムパルス信号Spにおける所定ビット(上記の第1周期の所定ビットと同じビット位置のビット)の1つ前のビット((m−1)ビット)までの所定長qのビット列を特定擬似ランダムパルス信号Ssとして出力する(図2参照)。また、本例では、一例として、擬似ランダムパルス信号Spの1ビット長Tbは、20nsに設定されている。また、第1周期目の擬似ランダムパルス信号Spの出力開始から特定擬似ランダムパルス信号Ssの出力開始までの時間T0(=m×Tb。図2参照)は、例えば、ゴーストに基づく戻り信号Srgまでの特性を測定するときには、擬似ランダムパルス信号Spの生成開始から、ゴーストに基づく戻り信号Srgが光伝送路10の入射端に戻ってくるまでの時間以上の長さに設定する。また、パルス生成部2は、少なくとも後述する内部遅延パルス信号Sn+1の遅延部6からの出力が完了するまで、第2周期目の擬似ランダムパルス信号Spを生成する。
光パルス生成部3は、擬似ランダムパルス信号Spに基づいて、つまり擬似ランダムパルス信号Spで光を光変調することによってランダム光パルスLPを生成する。また、光パルス生成部3は、生成したランダム光パルスLPを分岐部4を介して光伝送路10内にその一端(入射端)から射出する。一例として、光パルス生成部3は、不図示のレーザー光源を備えて構成されて、このレーザー光源が擬似ランダムパルス信号Spで直接的にオン/オフ制御(光変調)されることによってランダム光パルスLPを出力する。分岐部4は、一例として、方向性結合器で構成されている。また、分岐部4は、光パルス生成部3によって生成されたランダム光パルスLPを上記のように光伝送路10に射出すると共に、ランダム光パルスLPの入射に起因して光伝送路10に発生すると共に光伝送路10の入射端から射出される戻り光Lrを光電変換部5に出力する。
光電変換部5は、APD(Avalanche photodiode)などのフォトダイオードを備えて構成されて、戻り光Lrを戻り信号Sr(電気信号)に変換して出力する。遅延部6は、遅延時間が同一(Δt。一例として20ns)に設定された複数(n個)の遅延回路6aと、遅延時間がΔt1に設定された1つの遅延回路6bとを備え、各遅延回路6aおよび遅延回路6bが互いに直列に接続されて構成されている。この構成により、遅延部6は、パルス生成部2から出力された特定擬似ランダムパルス信号Ssに基づき、この特定擬似ランダムパルス信号Ssを遅延させずに出力することにより、この特定擬似ランダムパルス信号Ssに対して遅延時間がゼロ(Δt×0=ゼロ)の内部遅延パルス信号S0を出力すると共に、直列に接続された各遅延回路6aおよび遅延回路6bの最初の1つに特定擬似ランダムパルス信号Ssを入力して各遅延回路6a,6bから出力される各信号を出力することにより、特定擬似ランダムパルス信号Ssに対して遅延時間が(Δt×1)の内部遅延パルス信号S1、・・・、特定擬似ランダムパルス信号Ssに対して遅延時間が(Δt×i)の内部遅延パルス信号Si、・・・、特定擬似ランダムパルス信号Ssに対して遅延時間が(Δt×(n−1))の内部遅延パルス信号Sn−1、特定擬似ランダムパルス信号Ssに対して遅延時間が(Δt×n)の内部遅延パルス信号Sn、および内部遅延パルス信号Snに対する遅延時間がΔt1の内部遅延パルス信号Sn+1を生成して出力する。
演算部7は、同一の構成を備えた複数(n+2)個の相互相関器7aを備えて構成されている。また、各相互相関器7aには、戻り信号Srがそれぞれ入力されると共に、遅延部6から出力された複数(n+2)の内部遅延パルス信号S0,S1,・・・,Sn+1のうちの対応する1つが入力される。また、各相互相関器7aは、入力した内部遅延パルス信号と戻り信号との相互相関を検出してその相関係数値を出力する。
具体的には、各相互相関器7aのうちの1番目の相互相関器7aは、入力した内部遅延パルス信号S0と戻り信号Srとの相互相関を検出してその相関係数値D0を出力する。この相関係数値D0は、戻り信号Srに含まれている各戻り信号Sr0,Sr1,・・・,Src,・・・と内部遅延パルス信号S0との相関係数値の合計値となるが、内部遅延パルス信号S0は特定擬似ランダムパルス信号Ssに対して遅延時間がゼロであって戻り信号Sr0とのみビットが完全一致するため、光伝送路10の入射端での戻り光Lrに基づく戻り信号Srについての相関係数値となる。また、2番目の相互相関器7aは、入力した内部遅延パルス信号S1と戻り信号Srとの相互相関を検出してその相関係数値D1を出力する。この相関係数値D1も、戻り信号Srに含まれている各戻り信号Sr0,Sr1,・・・,Src,・・・と内部遅延パルス信号S1との相関係数値の合計値となるが、内部遅延パルス信号S1は特定擬似ランダムパルス信号Ssに対して遅延時間がΔtであって、光伝送路10の入射端から距離(L1=Vc×Δt/2)だけ離間した位置での戻り光Lrに基づく戻り信号とのみビットが完全一致する。このため、この相関係数値D1は、光伝送路10の入射端から距離L1だけ離間した位置での戻り光Lrに基づく戻り信号についての相関係数値となる。
以下、同様にして、(i+1)番目(i≦n)の相互相関器7aは、入力した内部遅延パルス信号Siと戻り信号Srとの相互相関を検出してその相関係数値Diを出力する。この相関係数値Diも、戻り信号Srに含まれている各戻り信号Sr0,Sr1,・・・,Src,・・・と内部遅延パルス信号Siとの相関係数値の合計値となるが、内部遅延パルス信号Siは特定擬似ランダムパルス信号Ssに対して遅延時間が(Δt×i)であって、光伝送路10の入射端から距離(Li=Vc×Δt×i/2)だけ離間した位置での戻り光Lrに基づく戻り信号とのみビットが完全一致する。このため、この相関係数値Diは、光伝送路10の入射端から距離Liだけ離間した位置での戻り光Lrに基づく戻り信号についての相関係数値となる。なお、(n+1)番目の相互相関器7aは、光伝送路10の入射端から距離(Ln=Vc×Δt×n/2)だけ離間した位置での戻り光Lrに基づく戻り信号とのみビットが完全一致するが、本例では一例として、この戻り信号はゴーストに基づく戻り信号Srgとなるように設定されている。このため、この相関係数値Dnは、光伝送路10の入射端から距離Ln(光伝送路10の2倍の長さ)だけ離間した位置での戻り光Lrに基づく戻り信号Srgについての相関係数値となる。
また、(n+2)番目の相互相関器7aは、入力した内部遅延パルス信号Sn+1と戻り信号Srとの相互相関を検出してその相関係数値Dn+1を出力する。この相関係数値Dn+1も、戻り信号Srに含まれている各戻り信号Sr0,Sr1,・・・,Src,・・・と内部遅延パルス信号Sn+1との相関係数値の合計値となるが、内部遅延パルス信号Sn+1は特定擬似ランダムパルス信号Ssに対して遅延時間が((Δt×n)+Δt1)であって、光伝送路10の入射端から距離(Ln+1=Vc×((Δt×n)+Δt1)/2)だけ離間した位置での戻り光Lrに基づく戻り信号Srcとのみビットが完全一致する。このため、この相関係数値Dn+1は、光伝送路10の入射端から距離Ln+1だけ離間した位置での戻り光Lrに基づく戻り信号Srcについての相関係数値(本発明における補正用相関係数値)となる。
処理部8は、演算部7から出力される各相関係数値D0〜Dn+1に基づいて測定処理を実行して光伝送路10のインパルス応答特性を測定する。また、処理部8は、表示データDdを出力して測定した光伝送路10の特性を表示部9に表示させる。
次に、測定装置1の動作について説明する。なお、分岐部4には、測定対象としての光伝送路10(具体的には光ファイバー)の一端が、他端(終端)が開放された状態で予め接続されているものとする。また、発明の理解を容易にするため、光パルス生成部3での擬似ランダムパルス信号Spの入力からランダム光パルスLPの出力までの遅延時間、光電変換部5での戻り光Lrの入力から戻り信号Srの出力までの遅延時間、および分岐部4での遅延時間はゼロとする。
この測定装置1では、作動状態において、まず、パルス生成部2が、図2に示すように、1回目(第1周期)の擬似ランダムパルス信号Spの生成および出力を開始し、光パルス生成部3が、この擬似ランダムパルス信号Spに基づいて、1回目(第1周期)のランダム光パルスLPの生成を開始すると共に分岐部4への出力を開始する。これにより、分岐部4を介して光伝送路10に、1回目のランダム光パルスLPが入射され始める。
また、パルス生成部2は、1回目の擬似ランダムパルス信号Spの中間のmビット(本発明における所定ビット)目からは(先頭のビットの出力開始から時間T0を経過した時点からは)、光パルス生成部3への出力と共に、遅延部6へも擬似ランダムパルス信号Spを特定擬似ランダムパルス信号Ssとして出力し始める。また、パルス生成部2は、1回目の擬似ランダムパルス信号Spの生成の終了後に、この1回目の擬似ランダムパルス信号Spに連続するようにして、1回目の擬似ランダムパルス信号Spと同じ符号列の擬似ランダムパルス信号Spの2回目(第2周期)の生成を開始して光パルス生成部3に出力すると共に、特定擬似ランダムパルス信号Ssとして遅延部6にも出力する。これにより、光伝送路10に、2回目(第2周期)のランダム光パルスLPが入射され始める。また、パルス生成部2は、特定擬似ランダムパルス信号Ssについては、2回目の(m−1)ビット目まで出力した後に出力を停止し、一方、擬似ランダムパルス信号Spについては、一例として2回目の生成が完了した時点で出力を停止する。
遅延部6は、図2に示すように、入力した特定擬似ランダムパルス信号SsをΔt×0,Δt×1,Δt×2,・・・,Δt×i,・・・,Δt×(n−1),Δt×nというようにΔtずつ遅延させた内部遅延パルス信号S0,S1,S2,・・・,Si,・・・,Sn−1,Snと、特定擬似ランダムパルス信号Ssを(Δt×n)+Δt1だけ遅延させた内部遅延パルス信号Sn+1を生成して演算部7に出力する。
また、ランダム光パルスLPの入射に伴い、光伝送路10の入射端からは、ランダム光パルスLPの入射に起因する戻り光Lrが射出され始める。分岐部4はこの戻り光Lrを光電変換部5に出力し、光電変換部5は、戻り光Lrを戻り信号Srに変換して出力する。この場合、戻り信号Srには、図2に示すように、光伝送路10の入射端において反射されたランダム光パルスLPに基づく戻り信号Sr0、光伝送路10の終端で反射されたランダム光パルスLP(フレネル反射)に基づく戻り信号Srt、ゴーストに基づく戻り信号Srg、および光伝送路10の入射端や終端以外の他の部位で反射されたランダム光パルスに基づく戻り信号(例えば、入射端から順次離間した各位置P1,P2,・・・において反射されたランダム光パルスに基づく戻り信号Sr1,Sr2,・・・)などが含まれている。
演算部7では、各相互相関器7aが、内部遅延パルス信号S0,・・・,Sn+1のうちの対応する内部遅延パルス信号と戻り信号Srとの相互相関を検出してその相関係数値D0,・・・,Dn+1を出力する。各相互相関器7aでの内部遅延パルス信号S0,・・・,Sn+1と戻り信号Srとの相関係数値の算出動作について、一例として、1番目の相互相関器7aを例に挙げて説明する。なお、各戻り信号Sr0,Sr1,・・・,Srt,・・・,Srg,・・・,Src,・・・の光伝送路10内での信号強度をhr0,hr1,・・・,hrt,・・・,hrg,・・・,hrc,・・・とする。
図3に示すように、内部遅延パルス信号S0と戻り信号Srとの相互相関においては、戻り信号Srに含まれ、かつ内部遅延パルス信号S0の出力期間内に含まれているすべての戻り信号Sr0,Sr1,Sr2,Sr3,・・・,Src,・・・と内部遅延パルス信号S0との相互相関が演算される。この1番目の相互相関器7aでは、内部遅延パルス信号S0は、戻り信号Srに含まれている戻り信号Sr0とのみビットが完全一致する。したがって、この相互相関器7aでは、戻り信号Sr0と内部遅延パルス信号S0との相関係数値は、M系列の疑似ランダムパルスを相互相関したときの理論上の最大値(値「2−1」)に信号強度hr0を乗算した値となる。
一方、他の戻り信号Sr1,Sr2,Sr3,・・・,Src,・・・については、戻り信号Sr0に対してそれぞれが遅延しているため、図3に示すように、内部遅延パルス信号S0と、各戻り信号Sr1,Sr2,Sr3,・・・,Src,・・・に含まれているビット列であって特定擬似ランダムパルス信号Ssに対応するビット列(斜線を付した部分)とは、相互相関器7aにビットずれして入力されるため、互いのビットが完全一致しない結果、その相関係数値は小さな値となる。特に、本例では、図2に示すように、1回目の擬似ランダムパルス信号Spの中間のmビット目から始まる1周期分の擬似ランダムパルス信号を特定擬似ランダムパルス信号Ssとして、演算部7における相互相関の検出に使用すると共に、2回目(2周期目)の擬似ランダムパルス信号Spを内部遅延パルス信号Sn+1の遅延部6からの出力が完了するまで生成する構成としているため、各内部遅延パルス信号S0〜Sn+1の全出力期間T1中に、少なくとも戻り信号Sr0,Sr1,Sr2,Sr3,・・・,Srcが存在する状態となっている。したがって、図3に示すように、他の戻り信号Sr1,Sr2,Sr3,・・・,Src,・・・における内部遅延パルス信号S0と相互相関される各区間(相互相関対象区間)C1,C2,C3,・・・,Cn+1,・・・の全域において擬似ランダムパルス信号が存在しており、しかも、この各区間の擬似ランダムパルス信号は、内部遅延パルス信号S0(特定擬似ランダムパルス信号Ss)を構成するビット列を巡回させたものとなっている。したがって、この相互相関器7aでは、各戻り信号Sr1,Sr2,Sr3,・・・,Src,・・・と内部遅延パルス信号S0との相互相関が理想的な状態で検出される結果、それらの相関係数値は、M系列の疑似ランダムパルスをビットずれして相互相関したときの理論上の最低値(値「−1」)に各戻り信号Sr1,Sr2,Sr3,・・・,Src,・・・の信号強度hr1,・・・,hrt,・・・,hrg,・・・,hrc,・・・を乗算した値となる。したがって、この1番目の相互相関器7aは、この乗算して求めた各戻り信号Sr0,Sr1,・・・,Src,・・・と内部遅延パルス信号S0との相関係数値の合計値((2−1)×hr0+(−1)×(hr1+・・・+hrt+・・・+hrg+・・・+hrc+・・・))を相関係数値D0として出力する。
残りの2(3,・・・,i,・・・,(n+2))番目の各相互相関器7aでも、図示はしないが、上記した1番目の相互相関器7aと同様にして、戻り信号Srに含まれ、かつ内部遅延パルス信号S1(S2,・・・,Sn+1)の各出力期間内に含まれているすべての戻り信号Sr0,Sr1,Sr2,Sr3,・・・,Src,・・・と内部遅延パルス信号S1(S2,・・・,Sn+1)との相互相関を演算する。この結果、2番目の相互相関器7aは、各戻り信号Sr0,Sr1,・・・,Src,・・・と内部遅延パルス信号S1との相関係数値の合計値((2−1)×hr1+(−1)×(hr0+hr2+・・・+hrt+・・・+hrg+・・・+hrc+・・・))を相関係数値D1として出力する。また、(i+1)番目の相互相関器7aは、各戻り信号Sr0,Sr1,・・・,Src,・・・と内部遅延パルス信号Siとの相関係数値の合計値((2−1)×hri+(−1)×(hr0+hr1+・・・+hr(i−1)+hr(i+1)+・・・+hrt+・・・+hrg+・・・+hrc+・・・))を相関係数値Diとして出力する。また、(n+2)番目の相互相関器7aは、各戻り信号Sr0,Sr1,・・・,Src,・・・と内部遅延パルス信号Sn+1との相関係数値の合計値((2−1)×hrc+(−1)×(hr0+hr1+・・・+hr(i−1)+hri+hr(i+1)+・・・+hrt+・・・+hrg+・・・))を相関係数値Dn+1として出力する。この場合、この相関係数値Dn+1における第2項目は、戻り信号Srcを除く他のすべての戻り信号についての相互相関時の理論上の最低値(値「−1」)に各々の信号強度を乗算した値の合計となる。
最後に、処理部8が、演算部7から出力される各相関係数値D0〜Dn+1に基づいて測定処理を実行して光伝送路10のインパルス応答特性を測定する。この測定処理では、処理部8は、まず、内部遅延パルス信号S0に対する各内部遅延パルス信号S0,S1,S2,・・・,Snの遅延時間Δt×0,Δt×1,Δt×2,・・・,Δt×i,・・・,Δt×nに基づいて、各相関係数値D0,D1,D2,・・・,Di,・・・,Dnに対応する距離(Vc×Δt×i/2)を算出する。次いで、処理部8は、相関係数値Dn+1を補正用相関係数値として、各相関係数値D0〜Dnから相関係数値Dn+1を減算することにより、各相関係数値D0〜Dnを補正する。
これにより、補正後の相関係数値D0,D1,・・・,Di,・・・,Dnは、それぞれ((2−1)×(hr0−hrc)+(−1)×(hrc−hr0)),((2−1)×(hr1−hrc)+(−1)×(hrc−hr1)),・・・,((2−1)×(hri−hrc)+(−1)×(hrc−hri)),・・・,((2−1)×(hrn−hrc)+(−1)×(hrc−hrn))となる。この場合、戻り信号Srcはゴーストに基づく戻り信号Srgよりも遠い(十分遠い)位置からの戻り信号のため、その信号強度hrcは他の信号強度(hr0〜hrg)と比較して十分に小さい値(無視できる値)となっている。この結果、この戻り信号Srcについての相関係数値Dn+1を構成する値(2−1)×hrcも無視できる程度の小さい値となっている。このため、補正後の相関係数値D0,D1,・・・,Di,・・・,Dnは、さらに、それぞれ((2−1)×(hr0)+(−1)×(−hr0)),((2−1)×(hr1)+(−1)×(−hr1)),・・・,((2−1)×(hri)+(−1)×(−hri)),・・・,((2−1)×(hrn)+(−1)×(−hrn))となり、最終的に、それぞれ2×hr0,2×hr1,・・・,2×hri,・・・,2×hrnとなる。つまり、各戻り信号Sr0,Sr1,・・・,Srnについての相関係数値D0〜Dnは、ビットが完全一致しないときの理論上の最低値(値「−1」)に信号強度を乗算してなる値として表される他の戻り信号に起因した誤差を排除した状態で算出される。
続いて、この補正された各相関係数値(本発明における補正後相関係数値)D0,D1,D2,・・・,Di,・・・,Dnと、各相関係数値D0,D1,D2,・・・,Di,・・・,Dnに対応する距離とに基づいて、光伝送路10のインパルス応答特性、具体的には光伝送路10の入射端からの距離に対する相関係数値の変化の様子を算出(測定)する。この場合、この補正された各相関係数値(本発明における補正後相関係数値)D0,D1,D2,・・・,Di,・・・,Dnをランダム光パルスLPの電力値で除算して、各相関係数値D0,D1,D2,・・・,Di,・・・,Dnに対応する反射係数をそれぞれ算出し、この各反射係数と各相関係数値D0,D1,D2,・・・,Di,・・・,Dnに対応する距離とに基づいて、光伝送路10のインパルス応答特性を算出することができる。これにより、測定処理が完了する。最後に、処理部8は、表示データDdを出力して測定結果を図4において太線E2で示すように表示部9に表示させる。なお、図4中の細線E1で示されるデータは、従来の方法で測定されたインパルス応答特性を示したものである。これにより、測定装置1による光伝送路10のインパルス応答特性の測定が完了する。作業者は、表示部9に表示されている測定結果(インパルス応答特性)を確認することにより、光伝送路10についてのフレネル反射やレイリー散乱やゴーストなどの発生状況を測定する。
このように、この測定装置1およびこの測定装置1が実行するインパルス応答測定方法では、パルス生成部2によって生成された擬似ランダムパルス信号Spにおける第1周期の中間のmビットからこの擬似ランダムパルス信号Spに続けて生成される次の第2周期の擬似ランダムパルス信号Spにおけるmビットの1つ前のビット、つまり(m−1)ビットまでの所定長q(=2−1)の特定擬似ランダムパルス信号Ssを遅延させて生成した各内部遅延パルス信号S0,・・・,Sn,Sn+1と戻り信号Srとの相互相関を演算して、内部遅延パルス信号S0,・・・,Sn,Sn+1に対応する戻り信号Srについての相関係数値D0,・・・,Dn,Dn+1を算出し、この相関係数値D0,・・・,Dn,Dn+1のうちの特定の相関係数値Dn+1を補正用相関係数値として、他のすべての相関係数値D0,・・・,Dnから補正用相関係数値Dn+1を減算して各相関係数値D0,・・・,Dnを補正し、この補正後の各相関係数値(本発明における補正後相関係数値)D0,・・・,Dnに基づいてインパルス応答を測定する。したがって、この測定装置1およびインパルス応答測定方法によれば、特定の相関係数値Dn+1による各相関係数値D0,・・・,Dnに対する補正により、各内部遅延パルス信号S0,・・・,Sn,Sn+1に対応する各戻り信号Srについて、他の戻り信号Srに起因した誤差を排除した状態で相関係数値D0,・・・,Dnを算出することができ、その結果、相関係数値D0,・・・,Dnを誤差のより少ない状態で検出することができる。したがって、この測定装置1およびインパルス応答測定方法によれば、光伝送路10についてのインパルス応答特性の測定精度を十分に向上させることができる。
また、この測定装置1およびこの測定装置1が実行するインパルス応答測定方法によれば、遅延ランダムパルス信号のうちの最大の遅延時間の遅延ランダムパルス信号(つまり内部遅延パルス信号S0,・・・,Sn,Sn+1のうちの最大の遅延時間の内部遅延パルス信号Sn+1)と戻り信号Srとの相互相関を演算して補正用相関係数値Dn+1を算出することにより、インパルス応答特性の測定に使用される戻り信号Sr0,Sr1,・・・,Srgの信号強度よりも確実に小さい信号強度を用いて補正用相関係数値Dn+1を算出でき、この補正用相関係数値Dn+1によって補正された各相関係数値D0〜Dnに含まれる補正用相関係数値Dn+1に起因した各値(2−1)×hrc,−hrcを小さくすることができる。したがって、光伝送路10についてのインパルス応答特性の測定精度を確実に向上させることができる。
なお、本発明は、上記した発明の実施の形態に限定されず、適宜変更が可能である。例えば、ゴーストに基づく戻り信号Srgの後に戻ってくる戻り信号Srcを補正値算出用の戻り信号として、補正用相関係数値としての相関係数値Dn+1を算出する例を挙げて説明したが、信号強度の小さい戻り信号であれば、いずれの領域の戻り信号を用いて補正用相関係数値を算出してもよいのは勿論である。具体的には、光電変換部5から出力される戻り信号Srを所定時間(例えばΔt)だけ遅延させて1番目の相互相関器7aに入力し、内部遅延パルス信号S0との相互相関によって得られた相関係数値D0を補正用相関係数値とすることもできる。この場合、1番目の相互相関器7aでは、内部遅延パルス信号S0と、戻り信号Srに含まれている戻り信号Sr0よりもΔtだけ早く戻ってきた戻り信号との相互相関が演算されるが、この戻り信号はそのビットが内部遅延パルス信号S0のビットとは完全一致とはならず、かつその信号強度は十分に小さいものとなっているため、1番目の相互相関器7aで算出される相関係数値D0は好ましい補正用相関係数値となる。なお、この場合には、この戻り信号にΔtだけ遅れて戻ってくる信号Sr0についての相関係数値が2番目の相互相関器7aから相関係数値D1として出力されることとなり、各戻り信号Sr1,Sr2,・・・についての相関係数値が1つずつずれて、各相互相関器7aから出力されることになる。したがって、遅延部6における最後の遅延回路6bの遅延時間Δt1をΔtとしておくことにより、処理部8において、この相関係数値D1〜Dn+1を、上記した発明の実施の形態における相関係数値D0〜Dnとして使用し、かつ相関係数値D0を補正用相関係数値として使用することにより、光伝送路10についてのインパルス応答特性を同様にして十分な測定精度で測定することができる。
また、例えば、上述した実施の形態では、遅延部6をn個の遅延回路6aで構成すると共に、演算部7を(n+1)個の相互相関器7aで構成した例を挙げて説明したが、遅延部6、演算部7および処理部8をDSPで構成して、特定擬似ランダムパルス信号Ssに対する遅延処理や、各内部遅延パルス信号S0,・・・,Sn,Sn+1と戻り信号Srとの相互相関や、相関係数値に対する補正をソフトウェアで行う構成を採用することもできる。
また、パルス生成部2が擬似ランダムパルス信号Spを2周期連続して出力し、その内の最初の1周期(第1周期)の擬似ランダムパルス信号Spのmビットから、次の1周期(第2周期)の擬似ランダムパルス信号Spの(m−1)ビットまでの所定長q(擬似ランダムパルス信号Spの1周期分の長さ)のビット列を特定擬似ランダムパルス信号Ssとして出力する例について上記したが、擬似ランダムパルス信号Spを3周期以上連続して出力し、この内の任意の1つの周期の擬似ランダムパルス信号Spのmビットから、この1つの周期に続けて生成する次以降の所定の周期(例えば、1つの周期に続けて生成するj番目(jは1以上の整数)の周期)の擬似ランダムパルス信号Spの(m−1)ビットまでの所定長(q×j)のビット列を特定擬似ランダムパルス信号Ssとして出力する構成を採用することもできる。この構成において、遅延部6は、この所定長(q×j)のビット列で構成される特定擬似ランダムパルス信号Ssを遅延させることにより、各内部遅延パルス信号S0,・・・,Sn,Sn+1を生成し、演算部7では、各相互相関器7aが、この内部遅延パルス信号S0,・・・,Sn,Sn+1のうちの対応する内部遅延パルス信号と戻り信号Srとの相互相関を検出してその相関係数値D0,・・・,Dn,Dn+1を出力する。
測定装置1の構成を示す構成図である。 測定装置1の動作を説明するためのタイミングチャートである。 内部遅延パルス信号S0と戻り信号Srとの相互相関を説明するためのタイミングチャートである。 測定装置1および従来の測定装置の各インパルス応答特性を示す測定結果図である。 従来の測定装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 従来の測定装置によって行われる内部遅延パルス信号S0と戻り信号Srとの相互相関を説明するためのタイミングチャートである。
符号の説明
1 測定装置
2 パルス生成部
3 光パルス生成部
5 光電変換部
6 遅延部
7 演算部
8 処理部
10 光伝送路
D0〜Dn 相関係数値
Dn+1 補正後相関係数値
LP ランダム光パルス
q 所定長
S0〜Sn 内部遅延パルス信号
Sp 擬似ランダムパルス信号
Sr 戻り信号
Ss 特定擬似ランダムパルス信号

Claims (4)

  1. 所定長の擬似ランダムパルス信号を生成するパルス生成部と、前記擬似ランダムパルス信号に基づいてランダム光パルスを生成すると共に光伝送路に射出する光パルス生成部と、前記光伝送路からの前記ランダム光パルスの戻り光を受光して戻り信号に変換する光電変換部と、前記擬似ランダムパルス信号を所定時間ずつ遅延させた遅延ランダムパルス信号を生成して出力する遅延部と、前記擬似ランダムパルス信号および前記遅延ランダムパルス信号と前記戻り信号との各相互相関を演算して相関係数値を算出する演算部と、当該相関係数値に基づいて前記光伝送路のインパルス応答を測定する処理部とを備え、
    前記パルス生成部は前記擬似ランダムパルス信号を1周期以上連続して生成可能に形成され、
    前記遅延部は、前記パルス生成部によって生成された前記擬似ランダムパルス信号における1つの周期の中間の所定ビットから当該1つの周期に続けて生成した次以降の所定の周期の擬似ランダムパルス信号における前記所定ビットの1つ前のビットまでの前記所定長の特定擬似ランダムパルスを遅延させて前記遅延ランダムパルス信号として出力し、
    前記処理部は、前記相関係数値のうちの特定の相関係数値を補正用相関係数値とすると共に、すべての前記相関係数値から当該補正用相関係数値を減算した補正後相関係数値に基づいて前記インパルス応答を測定する光伝送路測定装置。
  2. 前記処理部は、前記遅延ランダムパルス信号のうちの最大の遅延時間の遅延ランダムパルス信号と前記戻り信号との相互相関を演算して前記補正用相関係数値を算出する請求項1記載の光伝送路測定装置。
  3. 所定長の擬似ランダムパルス信号に基づいてランダム光パルスを生成すると共に光伝送路に射出し、前記光伝送路からの前記ランダム光パルスの戻り光を受光して戻り信号に変換し、前記擬似ランダムパルス信号および当該擬似ランダムパルス信号を所定時間ずつ遅延させた遅延ランダムパルス信号と前記戻り信号との各相互相関を演算して求めた相関係数値に基づいて前記光伝送路のインパルス応答を測定するインパルス応答測定方法であって、
    前記擬似ランダムパルス信号を1周期以上連続して生成し、
    前記擬似ランダムパルス信号における1つの周期の中間の所定ビットから当該1つの周期に続けて生成した次以降の所定の周期の擬似ランダムパルス信号における前記所定ビットの1つ前のビットまでの前記所定長の特定擬似ランダムパルスを遅延させて前記遅延ランダムパルス信号とし、
    前記相関係数値のうちの特定の相関係数値を補正用相関係数値とすると共に、すべての前記相関係数値から当該補正用相関係数値を減算した補正後相関係数値に基づいて前記インパルス応答を測定するインパルス応答測定方法。
  4. 前記遅延ランダムパルス信号のうちの最大の遅延時間の遅延ランダムパルス信号と前記戻り信号との相互相関を演算して前記補正用相関係数値を算出する請求項3記載の光伝送路測定装置。
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