JP4888562B2 - メモリ回路およびメモリ回路のデータ書き込み・読み出し方法 - Google Patents
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Description
本発明はメモリ回路およびメモリ回路のデータ書き込み・読み出し方法に係り、特にノイズに対する耐性を高めることが可能な構成のメモリ回路およびメモリ回路のデータ書き込み・読み出し方法に関する。
情報処理装置に使用される、いわゆるレジスタファイルと称されるメモリ等、高信頼性及び高性能が要求されるメモリに使用されるメモリ回路では、α線、中性子線等による保持データの変化、いわゆるソフトエラーに対する耐性が要求される。
図1にこのようなメモリ回路に使用されるラッチ回路の例を示す。
図1に示すラッチ回路では、クロック端子Ckに入力するクロック信号(Clock)のクロックタイミング毎に、データ端子Dataに入力するデータ(Write Data)が書き込まれ、次のクロックタイミングで新たなデータが書き込まれるまで保持され、出力端子から読出データ(Read)として読み出される。
このようなラッチ回路では、α線、中性子線等の影響により、その内部に保持されたデータが一時的に変化する場合があることが知られている。このようにα線、中性子線等の影響によって生ずる保持データの変化をソフトエラーと称する。
ソフトエラーによる、メモリ回路の保持データの信頼性の低下を防ぐため、例えば図2に示すごとくの回路構成をとることが考えられる。
図2のメモリ回路では図示の如く、図1とともに上述したラッチ回路が3個並列に接続され、それらの出力端子に3個のAND回路が接続され、更にこれらのAND回路の出力端子にOR回路が接続されている。
図2のメモリ回路において、後段の3個のAND回路とOR回路とでいわゆる多数決回路が構成されている。
図2メモリの回路では、3個並列接続されたラッチ回路の保持データのいずれかがソフトエラー等により異なる状態となった場合、各ラッチ回路の保持データ"1"または"0"のうち多数を占める方の値が多数決回路の出力としてOR回路の出力端子から得られる。
したがって、仮にソフトエラーの発生により3個のラッチ回路の保持データのうち一個のラッチ回路の保持データのみが変化したとしても、それ以外の2個のラッチ回路保持データが多数決回路の出力として得られる。したがって、ソフトエラーに対する耐性を向上させることが可能である。
また、図1に示す如くのラッチ回路によるメモリ回路に容量負荷を接続することで、ソフトエラーに対する耐性を向上させることも考えられる。
このように、メモリ回路に容量負荷を接続することによってラッチ回路の保持データの安定性を向上させることが可能であり、ソフトエラーに対する耐性を向上し得る。
しかしながら、図2の回路構成のメモリ回路の場合、図1の回路構成のメモリ回路に比してラッチ回路を3個使用するため、該当する半導体集積回路装置の実装面積が増大する。また、ラッチ回路からデータを読み出す際にAND回路およびOR回路を介するため、その分データ遅延が生ずるという問題が想定される。
また、上記の如くラッチ回路に容量負荷を接続する回路構成の場合、保持データの安定性が向上する反面、保持データを反転させるのに必要な時間が増大しその分データ遅延が増加するという問題が想定される。
特開平6−237151号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、半導体集積回路装置の実装面積の増大或いはデータ遅延の増加を極力回避した上でソフトエラー耐性等、ノイズに対する耐性を効果的に向上し得るメモリ回路およびメモリ回路のデータ書き込み・読み出し方法を提供することを目的とする。
上記目的の達成のため本発明では、各々入力されたデータがクロック信号のタイミングで書き込まれこれを保持する第1ラッチ回路および第2のラッチ回路と、ライトイネーブル信号が書き込み可を示す状態の際に前記第1のラッチ回路および第2のラッチ回路に書き込みデータを入力するデータ入力回路と、ライトイネーブル信号が書き込み不可を示す状態の際に前記第2のラッチ回路の保持データを前記第1のラッチ回路に入力するライトバック回路とよりなり、前記第2のラッチ回路を前記第1のラッチ回路に比してノイズに対する耐性が高められた構成とした。
この構成によれば、書き込みデータは第1のラッチ回路および第2のラッチ回路の双方に書き込まれ、その後、第2のラッチ回路の保持データにより第1のラッチ回路の保持データが上書きされる。
ここで第2のラッチ回路は第1のラッチ回路に比してノイズに対する耐性が高められた構成とされている。したがってノイズの影響で第1のラッチ回路の保持データの変化が生ずるような場合でも、第2のラッチ回路ではこのような保持データの変化が生じにくい。
したがってノイズの影響による保持データの変化が第1のラッチ回路に生じても第2のラッチ回路には生じない可能性が高く、その場合、上記の如く第2のラッチ回路の保持データによって第1のラッチ回路の保持データを上書きすることで、第1のラッチ回路の保持データを修正することが可能となる。
また、第2のラッチ回路のノイズに対する耐性向上のために例えば容量負荷を設けた場合、結果的に動作遅延につながることが考えられる。しかしながら当該メモリ回路からデータを読み出す際に第1のラッチ回路の保持データを読み出すようにすることによって、少なくともメモリ回路の基本的な動作であるデータの書き込みおよび読み出しの各々に際し、当該容量負荷の接続による動作遅延の影響が及ばないようにすることが出来る。
したがってデータ遅延の増加を生ずることなくソフトエラー等、ノイズの影響による保持データの変化に対する耐性を向上させることが可能である。
また必要とされるラッチ回路の数を2個に抑えることが可能となり、半導体集積回路装置の実装面積の増大を最小限に押さえることが出来る。
本発明によれば、動作遅延の増大を招くことなく、また半導体集積回路装置の実装面積の増大を最小限に抑えた上で、メモリ回路におけるソフトエラー等、ノイズによる保持データの変化に対する耐性を向上させることが可能となる。
10 データ読出ラッチ回路(第1のラッチ回路)
20 α線対策ラッチ回路(第2のラッチ回路)
31 AND回路(データ入力回路)
32 AND回路(ライトバック回路)
33 OR回路(データ入力回路、ライトバック回路)
20 α線対策ラッチ回路(第2のラッチ回路)
31 AND回路(データ入力回路)
32 AND回路(ライトバック回路)
33 OR回路(データ入力回路、ライトバック回路)
以下、本発明の実施例の構成につき、図とともに説明する
図3は本発明の一実施例によるメモリ回路の回路図である。
図3は本発明の一実施例によるメモリ回路の回路図である。
図3のメモリ回路は、当該メモリ回路からデータが読み出される際、メモリ回路に保持された保持データが読み出されるデータ読出ラッチ回路10,ソフトエラー等、ノイズによる保持データの変化に対する耐性を高める機能を提供するα線対策ラッチ回路20,これらラッチ回路10,20に書き込むデータを当該ラッチ回路10,20に入力するためのAND回路31およびOR回路33、更にこのOR回路33とともにα線対策ラッチ回路20の保持データを双方のラッチ回路10,20に入力するためのAND回路32を含む。
図3の構成において、AND回路31の一の入力端子にはライトイネーブル信号(Write Enable)が入力し、AND回路31の他の入力端子には当該メモリ回路に書き込むべきデータ(Write Data)が入力する。
またAND回路32の一の入力端子には、上記ライトイネーブル信号が反転した信号が入力する。
また、AND回路31,32のそれぞれの出力端子は、OR回路33のそれぞれの入力端子に接続されている。
そして、データ読出ラッチ回路10およびα線対策ラッチ回路20のそれぞれのクロック端子C1,C2にはクロック信号(Clock)が入力し、データ読出ラッチ回路10およびα線対策ラッチ回路20のそれぞれのデータ入力端子D1,D2にはOR回路33の出力端子が接続される。データ読出ラッチ回路10の出力端子O1からは、当該メモリ回路の外部に対しその保持データが読み出され読み出しデータ(Read)として出力される。α線対策ラッチ回路20の出力端子O2は、AND回路32の他の入力端子に接続されている。
図4は、図3に示される、α線対策ラッチ回路20の内部回路構成例を示す回路図である。
α線対策ラッチ回路20のクロック端子C2には、PMOSトランジスタP1およびNMOSトランジスタN1よりなるインバータ回路I1の入力端子が接続される。また、α線対策ラッチ回路20のデータ入力端子D2には、PMOSトランジスタP2およびNMOSトランジスタN2よりなるインバータ回路I2の入力端子が接続されている。
α線対策ラッチ回路20のクロック端子C2は、PMOSトランジスタP6およびNMOSトランジスタN6よりなるゲート回路G1の反転入力端子に接続される。また、インバータ回路I1の出力端子は、ゲート回路G1の非反転制御入力端子に接続される。さらに、インバータ回路I2の出力端子がゲート回路G1のデータ入力端子に接続されている。
そして、ゲート回路G1の出力端子は、PMOSトランジスタP3およびNMOSトランジスタN3よりなるインバータ回路I3の入力端子に接続される。また、インバータ回路I3の出力端子は、PMOSトランジスタP4およびNMOSトランジスタN4よりなるインバータ回路I4の入力端子に接続される。さらに、インバータ回路I4の出力端子は、PMOSトランジスタP5およびNMOSトランジスタN5よりなるインバータ回路I5の入力端子に接続されている。
更にゲート回路G1の出力端子、インバータ回路I3の入力端子、インバータ回路I4の出力端子およびインバータ回路I5の入力端子相互の接続点X1には、その両端が接地されたPMOSトランジスタP7よりなる容量負荷が接続されている
また、インバータ回路I5の出力端子が、α線対策ラッチ回路20の出力端子O2に接続されている。
また、インバータ回路I5の出力端子が、α線対策ラッチ回路20の出力端子O2に接続されている。
以下、このような回路構成を有するα線対策ラッチ回路20の動作について説明する。
クロック端子C2に入力されるクロック信号がハイレベルの場合、即ちデータの書き込みが指示されていない場合、インバータ回路I1の出力はローレベルとなる。そして、ゲート回路G1の反転入力端子にはハイレベルの信号が、同じくゲート回路G1の非反転制御入力端子にはローレベルの信号が印加され、その結果ゲート回路G1は閉状態となる。したがって、この場合データ入力端子D2に入力したデータはインバータ回路I2以降、ゲート回路G1によって遮断される。よって、α線対策ラッチ回路20へのデータの書き込みはなされない。
他方、クロック端子C2に入力されるクロック信号がローレベルの場合、即ちデータの書き込みが指示されている場合、インバータ回路I1の出力はハイレベルとなる。これにより、ゲート回路G1の反転入力端子にはローレベルの信号が、また非反転制御入力端子にはハイレベルの信号が印加される。その結果ゲート回路G1は開状態となる。したがって、この場合データ入力端子D2に入力されたデータはインバータ回路I2以降、ゲート回路G1を通過し、インバータ回路I3に保持される。このようにして、α線対策ラッチ回路20へのデータの書き込みがなされる。
具体的には、例えばα線対策ラッチ回路20のデータ入力端子D2に入力したデータが"1"の場合、インバータI2でこのデータが反転されて"0"となり、これがそのままゲート回路G1を通過し、インバータ回路I3で再度反転されて"1"に戻され保持される。
インバータ回路I4は、インバータ回路I3に保持されたデータをインバータ回路I3の入力端子にフィードバックするための回路であり、インバータ回路I3の保持データを反転させる。インバータ回路I4により反転されたデータは、更にインバータI5により反転された上で、α線対策ラッチ回路20の出力端子O2から出力される。
上記の例では、インバータ回路I3の保持データが"1"の場合、保持データがフィードバック用のインバータ回路I4で反転されて"0"となり、出力用のインバータI5で更に反転され"1"に戻された上で、出力端子O2から出力される。
同様に、データ入力端子D2に入力したデータが"0"の場合、インバータI2でこれが反転されて"1"となり、これがそのままゲート回路G1を通過する。そして、ゲート回路G1を通過したデータが、インバータ回路I3で反転されて"0"に戻され保持される。このインバータ回路I3の保持データ"0"は、フィードバック用のインバータ回路I4で反転されて"1"となり、出力用のインバータI5で更に反転され"0"に戻された上で出力端子O2から出力される。
ここで、α線対策ラッチ回路20では、ソフトエラー等、ノイズによる保持データの変化に対する耐性を向上させる目的で、容量負荷C1が接続されている。
このため、容量負荷C1が接続された、ゲート回路G1の出力端子、インバータ回路I3の入力端子およびインバータ回路I4の出力端子相互の接続点X1のレベルを反転させるためには容量負荷に対する充放電を要するため、接続点のレベルは容易に変化し得ない。したがって、α線対策ラッチ回路20における保持データは容易に変化せず、保持データの安定性が向上し、もってソフトエラー等、ノイズによる保持データの変化に対する耐性を向上させることが出来る。
尚、本実施形態によるメモリ回路のデータ読出ラッチ回路10は、基本的には図4のα線対策ラッチ回路20と同様の回路構成を有し、α線対策ラッチ回路20と同様の動作によりデータの書き込みおよび読み出しを行う。
但し、データ読出ラッチ回路10にはソフトエラー等、ノイズによる保持データの変化に対する耐性を向上させるための容量負荷C1は含まれない。その結果、データ読出ラッチ回路10においては、保持データを形成する信号レベルを反転させるために容量負荷C1の充放電を要することが無く、もって容量負荷C1の充放電動作による動作遅延を生ずることがない。
また、データ読出ラッチ回路10におけるデータの書き込み、読み出し動作は、データ読出ラッチ回路10と並列に接続されているα線対策ラッチ回路20におけるデータの書き込み、読み出し動作とは別個独立して行われる。したがって、α線対策ラッチ回路20における容量負荷の設置により、データ読み出しラッチ回路10におけるデータの書き込み、読み出し動作が直接影響を受けることはなく、容量負荷攝津による動作遅延が生ずることは考えられない。
尚、α線対策ラッチ回路20に接続される容量負荷C1は、図4に示される単独のPMOSトランジスタP7に限られず、α線対策ラッチ回路20に含まれる各インバータ回路I1〜I5と同様の相補型MOSトランジスタ回路で構成するようにしてもよい。
次に図5のタイムチャートとともに、図3に示した構成を有する本実施例によるメモリ回路の動作について説明する。
図5中、時刻t1以前の時点では図示の如く、図5(b)のライトイネーブル信号のレベルがハイ、図5(c)のライトイネーブル信号(Write Enable)の反転信号のレベルがローとなっており、書き込み可を示す状態とされている。また、この時点では、図5(d)の、メモリ回路に書き込まれるべく入力されているデータ(Write Data)(以下単に「書き込みデータ」と称する)のレベルがローとなっており、即ちデータ"0"が入力されている。
その結果、AND回路31の一の入力端子には、ライトイネーブル信号としてハイレベルが印加され、AND回路31の他の入力端子に印加される書き込みデータを出力端子へと通過させる。図5の例の場合、書き込みデータは "0"でありローレベルであるため、AND回路31の出力はローとなる。
また、AND回路32の一の入力端子には、ライトイネーブル信号が反転された信号としてローレベルが入力されるため、AND回路32の他の入力端子に入力する信号、即ちα線対策ラッチ回路20の出力がAND回路32で遮断される。したがって、AND回路32の出力はローとなる。
その結果、OR回路33の他の入力端子には、AND回路32の出力として、α線対策ラッチ回路の出力によらずローレベルが印加されるため、OR回路33の他の入力端子に印加されるAND回路31の出力、即ち書き込みデータが通過する。図5のt1以前の場合、書き込みデータは"0"であるため、OR回路33の出力は書き込みデータ "0"を示すローレベルとなる。
この書き込みデータ "0"を示すローレベルが、双方のラッチ回路10,20のそれぞれのデータ入力端子D1,D2に印加され、即ちデータ"0"が入力される。
そして、時刻t1で図5(a)のクロック信号のレベルがローとなり、各ラッチ回路10,20に対しデータの書き込みを指示する状態になると、これを受けて双方のラッチ回路10,20では、それぞれのデータ入力端子D1,D2に印加されている書き込みデータ"0"を示すローレベルを取り込む。即ち、ラッチ回路10,20の各々には、書き込みデータ"0"が書き込まれて保持される。
その結果、データ読出ラッチ回路10からの出力、即ち出力端子O1の値は、図5(f)に読出データ(Read)として示されるごとく、書き込みデータと同様の"0"、即ちローレベルとなる。
同様にα線対策ラッチ回路20の出力端子O2からの出力値は、図5(e)にライトバック用のデータ(Write Back)として示されるごとく、書き込みデータと同様の"0"、即ちローレベルとなる。
尚、ライトバック用のデータとは後述の如く、図5(b)のライトイネーブル信号および図5(c)のライトイネーブル信号を反転した信号が書き込み不可を示す状態の場合に、書き込みデータを再度各ラッチ回路10,20に上書きするためのデータである。
上記の如く、α線対策ラッチ回路20は、図4に示す容量負荷C1の接続によってソフトエラー等、ノイズによる保持データの変化に対する耐性が向上された構成を有する。そのため、ソフトエラー等、ノイズによる保持データの変化が読出ラッチ回路10に生じた場合でも、α線対策ラッチ回路20には保持データの変化が極力生じないような構成とされている。
その結果、保持データの変化が読出ラッチ回路10に生じたが、α線対策ラッチ回路20には生じなかった場合、α線対策ラッチ回路20の保持データがライトバック用のデータとして読出ラッチ回路10に上書きされ、読出ラッチ回路10の保持データが修正され得る。
図5の説明に戻り、その後、時刻t2以前の時点において図5(b)のライトイネーブル信号がローとなり、図5(c)のライトイネーブル信号を反転した信号がハイとなり、書き込み不可を示す状態となると、AND回路31の一の入力端子にはライトイネーブル信号としてローレベルが印加され、AND回路31の他の入力端子に入力する信号、即ち書き込みデータがAND回路31で遮断される。その結果、AND回路31の出力はローとなる。
その結果、OR回路33の一の入力端子にはAND回路31の出力としてローレベルが印加され、OR回路33の他の入力端子に印加される信号を通過させる。
他方、AND回路32の一の入力端子には、ライトイネーブル信号を反転した信号としてハイレベルが印加されるため、AND回路32の他の入力端子に印加されているα線対策ラッチ回路20の出力信号、即ちライトバック用のデータがそのままAND回路32を通過する。図5のt2以前の状態では、ライトバック用のデータは"0" であるため、AND回路32の出力はローレベルとなり、この信号がOR回路33の他の入力端子に印加されてOR回路33を通過する。
ここで、OR回路の他の入力端子に印加される信号のレベルはライトバック用のデータ"0"を示すローレベルであるため、ローレベルの信号がOR回路33を通過して出力される。その結果、ライトバック用のデータ"0"が各ラッチ回路10,20に上書き、即ちライトバックされることになる。
このように、本実施例によるメモリ回路によれば、時刻t1で書き込みデータが各ラッチ回路10,20に書き込まれた後、クロック信号(Clock)の次のクロックタイミングである時刻t2において、ライトイネーブル信号およびライトイネーブル信号を反転させた信号が書き込み不可を示す状態であれば、α線対策ラッチ回路20の保持データがライトバック用のデータとしてデータ読み出しラッチ回路10に上書きされるのである。
したがって、時刻t1で書き込みデータが各ラッチ回路10,20に書き込まれた後、時刻t2迄の間にソフトエラー等、ノイズによる保持データの変化が読出ラッチ回路10に生じた場合、α線対策ラッチ回路20の保持データがライトバック用のデータとして読出ラッチ回路10に上書きされる。これにより、保持データの変化により誤った値となっていた読出ラッチ回路10の保持データが修正され、正しい保持データを有するように自動的に補正される。
図5の例の場合、時刻t1で書き込みデータ"0"が各ラッチ回路10,20に書き込まれた後、時刻t2迄の間にソフトエラー等、ノイズによる保持データの変化が読出ラッチ回路10に生じた場合には、α線対策ラッチ回路20の保持データ"0"がライトバック用のデータとして読出ラッチ回路10に上書きされる。これにより、誤った値、即ち"1"となっていた読出ラッチ回路10の保持データが修正され、正しい保持データ"0"を有するように補正される。
尚、図5に示した例は書き込みデータが"0"の場合であるが、書き込みデータが"1"の場合にも同様の動作がなされる。すなわち、時刻t1で書き込みデータ"1"が各ラッチ回路10,20に書き込まれ、その後時刻t2にてα線対策ラッチ回路20の保持データ "1"がライトバック用のデータとして各ラッチ回路10,20に上書きされる。
その結果、この場合も上記同様に、時刻t1で書き込みデータ"1"が各ラッチ回路10,20に書き込まれた後、時刻t2迄の間にソフトエラー等、ノイズによる保持データの変化が読出ラッチ回路10に生じた場合には、α線対策ラッチ回路20の保持データ"1"がライトバック用のデータとして読出ラッチ回路10に上書きされる。これにより、誤った値、即ち"0"となっていた読出ラッチ回路10の保持データが修正され、正しい保持データ"1"を有するように補正される。
このように、本実施例によるメモリ回路は、図3に示されるように、読出ラッチ回路10とα線対策ラッチ回路20とを別個に設けている。その結果、例えば図2のように多数決回路を利用した構成では、データを読み出す際にAND回路およびOR回路を介してデータを得るためデータ遅延が生ずるのに対し、図3の本実施例によるメモリ回路ではデータを読み出す際にAND回路、OR回路等を介さずに読出ラッチ回路10から直接保持データを得るため、このようなデータ遅延を回避し得る。
また、図2に示す多数決回路を利用した構成では3個のラッチ回路が必要であるのに対し、図3に示す本実施例によるメモリ回路では読出ラッチ回路10およびα線対策ラッチ回路20の2個で済み、実装サイズの縮小及び低消費電力化が図れる。
本発明の実施例によるメモリ回路は、例えばコンピュータを利用した情報処理システムにおいてソフトエラーレート(SER)が大きいと想定される部分に適用することが可能である。
その結果、情報処理システムにおいて、ラッチ回路、AND回路、OR回路等を極力減らすことで、それらを構成するゲート数を極力減らして実装面積の縮小及び低消費電力化を図った上で、メモリの保持データの信頼性を効果的に向上させることが可能となる。
図6は本発明の実施例によるメモリ回路の適用例としての、コンピュータを利用した情報処理システムの一例のブロック図を示す。
図6のシステムでは、多数のCPUがシステムコントロールユニットSC、クロスバースイッチユニットXB等を介してネットワーク接続され、互いに連携して所定の情報処理を実行する構成とされている。
このような構成を有する情報処理システムにおいて、上記システムコントロールユニットSC、クロスバースイッチユニットXB等に上述の本発明の実施例によるメモリ回路を適用することにより、ラッチ回路、AND回路、OR回路等を極力減らすことでそれらを構成するゲート数を極力減らして実装面積の縮小及び低消費電力化を図った上で、メモリの保持データの信頼性を効果的に向上させることが可能となる。
尚、図3に示されるデータ読み出しラッチ回路10が第1のラッチ回路に対応し、α線対策ラッチ回路20が第2のラッチ回路に対応し、AND回路31およびOR回路33がデータ入力回路に対応し、AND回路32およびOR回路33がライトバック回路に対応する。
Claims (8)
- 各々入力されたデータがクロック信号のタイミングで書き込まれ、書き込まれたデータを保持する第1ラッチ回路および第2のラッチ回路と、
ライトイネーブル信号が書き込み可を示す状態の際に、前記第1のラッチ回路および第2のラッチ回路に書き込みデータを入力するデータ入力回路と、
ライトイネーブル信号が書き込み不可を示す状態の際に、前記第2のラッチ回路の保持データを前記第1のラッチ回路に入力するライトバック回路とを有し、
前記第2のラッチ回路は前記第1のラッチ回路に比してノイズに対する耐性が高められた構成とされてなるメモリ回路。 - 前記第1のラッチ回路の保持データが、当該メモリ回路の読出データとして出力される構成とされてなる請求項1に記載のメモリ回路。
- 前記第2のラッチ回路のノイズに対する耐性が高められた構成は、第2のラッチ回路に容量負荷が接続された構成よりなる請求項1に記載のメモリ回路。
- 前記容量負荷は、単独または相補型のトランジスタの構成よりなる請求項3に記載のメモリ回路。
- 前記第2のラッチ回路は、クロック信号のタイミングで入力データを通過させるゲート回路と、
前記ゲート回路の出力端子に接続され、ゲート回路の出力信号を保持する保持回路と、
前記保持回路の出力端子に接続され、当該保持回路に保持されたデータを前記ゲート回路の出力端子に結合するフィードバック回路とを有し、
前記容量負荷は、前記ゲート回路の出力端子、前記保持回路の入力端子および前記フィードバック回路の出力端子の相互接続点に接続されてなる請求項3に記載のメモリ回路。 - 各々入力したデータがクロック信号のタイミングで書き込まれ、書き込まれたデータを保持する第1ラッチ回路および第2のラッチ回路と、ライトイネーブル信号が書き込み可を示す状態の際に前記第1のラッチ回路および第2のラッチ回路に書き込みデータを入力するデータ入力回路と、ライトイネーブル信号が書き込み不可を示す状態の際に前記第2のラッチ回路の保持データを前記第1のラッチ回路に入力するライトバック回路とを有し、前記第2のラッチ回路は前記第1のラッチ回路に比してノイズに対する耐性が高められた構成とされてなるメモリ回路に対し、
前記ライトイネーブル信号を書き込み可を示す状態とし、且つクロック信号を書き込みを指示する状態とすることで、第1のラッチ回路および第2のラッチ回路の双方に書き込みデータを書き込むデータ書き込み段階と、
前記ライトイネーブル信号を書き込み不可を示す状態とし、且つクロック信号を書き込みを指示する状態とすることで、第2のラッチ回路の保持データを第1のラッチ回路に書き込むライトバック段階とを有する、メモリ回路のデータ書き込み・読み出し方法。 - 更に前記第1のラッチ回路の保持データを読み出して外部に出力する段階を有する、請求項6に記載のメモリ回路のデータ書き込み・読み出し方法。
- データが入力する第1の入力端と、データを出力する第1の出力端とを備え、前記第1の入力端から入力するデータを保持する、第1ラッチ回路と、
データが入力する第2の入力端と、データを出力する第2の出力端とを備え、前記第2の入力端から入力するデータを保持する、容量負荷が接続された第2ラッチ回路と、
ライトイネーブル信号が書き込み可を示すときに、書き込みデータを前記第1の入力端及び前記第2の入力端に対して出力すると共に、前記ライトイネーブル信号が書き込み不可を示すときに、前記第2の出力端から出力されるデータを前記第1の入力端及び前記第2の入力端に対して出力するデータ入力回路と、を備えることを特徴とするメモリ回路。
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