JP4888268B2 - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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本発明は、バンクの開口部に機能層が形成された電気光学装置及び電子機器に関する。
上記した電気光学装置の一つに、有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置がある。有機EL装置は、陽極と陰極との間に発光材料からなる発光層が挟持された構造を有している。有機EL装置の製造方法としては、例えば、発光材料をインク化し、インクジェット法を用いてインクを基板上の発光領域に吐出する工程を有して形成される。基板上の発光領域には、所定部分にインクを充填するための、例えば、有機材料(例えば、アクリル樹脂)からなるバンクが形成されている。
バンクは、発光領域に相当する領域において、例えば、長辺と短辺とを有するトラック状の開口部が形成されている。短辺側に形成されている円弧の内側は、インクの濡れ性が悪く、インクが充填しにくいという問題がある。これにより、開口部に吐出されたインクの厚みにばらつきが生じ、その結果、均一な発光を得ることができない。
そこで、例えば、特許文献1に記載のように、バンクの開口部にインクを充填させやすくするための無機材料(例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜)を、アクリル樹脂のバンクの下側に二層(以下、「二層バンク」と称する。)、階段状に露出させて形成することにより、円弧の領域におけるインクの濡れ性を向上させてバンク内の膜厚を均一にさせる方法が知られている。
特開2005−158494号公報
しかしながら、高精細化に伴って発光領域が小さくなってくると、バンクの開口部を小さくする必要があり、特に開口部における幅が狭い側(長辺側)に露出する二層バンクの張り出し量の精度によって、吐出されたインクの厚みにばらつきが生じる。その結果、均一に発光することができない(発光特性にばらつきが生じる)という問題がある。また、階段状に二層バンクを形成することにより、発光領域側に張り出す量が多くなり、特に開口部における幅が狭い側の開口率が低下するという問題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る電気光学装置は、複数の発光領域を有する電気光学装置であって、基板と、前記基板上のうち前記発光領域を除いた領域に形成されると共に、前記発光領域を取り囲むように形成されたバンクと、前記バンクに囲まれた開口部に配置された機能層と、を備え、前記バンクは、上層バンクと、前記上層バンクより濡れ性の高い複数層の下層バンクとを有し、前記下層バンクは、前記開口部における第1領域に露出する前記下層バンクの層数と比較して、第2領域に露出する前記下層バンクの層数が少ないことを特徴とする。
この構成によれば、開口部における第1領域に少なくとも下層バンクが形成されているので、第1領域の下層バンクに液体を馴染ませることが可能となり、第1領域に液体を充填させることができる。よって、発光領域において液体の厚みのばらつきを抑えることができ、液体から機能層を形成した際に、厚みのばらつきが抑えられた機能層を得ることが可能となる。その結果、発光領域において均一に発光させることができる。更に、第2領域に露出する下層バンクの層数が少ないので、下層バンクの端部の張り出し量に起因する液体の厚みのばらつきを抑えることが可能となる。加えて、第2領域の開口面積を広くすることができる。
[適用例2]上記適用例に係る電気光学装置において、前記開口部は、法線方向から見てコーナーを有し、前記第1領域は、前記開口部のうち前記コーナーの一部を含む領域であることが好ましい。
この構成によれば、コーナーの一部を含む領域に少なくとも下層バンクが形成されているので、この領域の下層バンクに液体を馴染ませることが可能となり、液体が比較的充填しにくいコーナーの一部を含む領域に液体を充填させることができる。
[適用例3]上記適用例に係る電気光学装置において、前記開口部は、法線方向から見て円弧を有し、前記第1領域は、前記開口部のうち前記円弧の一部を含む領域であることが好ましい。
この構成によれば、円弧の一部を含む領域(円弧の内側の一部など)に少なくとも下層バンクが形成されているので、この領域の下層バンクに液体を馴染ませることが可能となり、液体が比較的充填しにくい円弧の一部の領域に液体を充填させることができる。
[適用例4]上記適用例に係る電気光学装置において、前記開口部は、法線方向から見て短辺と長辺とを有し、前記第1領域は、前記開口部のうち前記短辺側の領域であり、前記第2領域は、前記開口部のうち前記長辺側の領域であることが好ましい。
この構成によれば、短辺側の領域に少なくとも下層バンクが形成されているので、長辺側の領域と比べて開口部の幅が狭く液体が比較的充填しにくい短辺側(第1領域)に液体を充填することができる。加えて、長辺側(第2領域)の領域に露出する下層バンクの層数が少ないので、長辺で挟まれた幅の狭い方向の開口率を高くすることができる。
[適用例5]上記適用例に係る電気光学装置において、前記下層バンクは、前記基板側から第1下層バンクと第2下層バンクとを有し、前記第2下層バンクの液体に対する接触角が、前記第1下層バンクの液体に対する接触角に比べて小さいことが好ましい。
この構成によれば、第1領域に第1下層バンクより液体の接触角の小さい第2下層バンクが形成されているので、第1領域の液体の充填性を向上させることができる。
[適用例6]上記適用例に係る電気光学装置において、前記第1下層バンクは、シリコン酸化膜であり、前記第2下層バンクは、シリコン窒化膜であることが好ましい。
この構成によれば、シリコン酸化膜と、シリコン酸化膜に比べて濡れ性の高いシリコン窒化膜であるので、2つの膜質の下層バンクを選択して形成することにより、液体の充填性、また、絶縁性、表面処理の好適性などを考慮することができる。
[適用例7]上記適用例に係る電気光学装置において、前記第1領域は、前記第2下層バンクが露出して形成されていることが好ましい。
この構成によれば、比較的液体が充填しにくい第1領域に濡れ性の高い第2下層バンクを形成するので、第1領域に液体を充填させることができる。
[適用例8]上記適用例に係る電気光学装置において、前記第1領域は、前記第1下層バンク及び前記第2下層バンクが露出して形成され、前記第2領域は、前記第1下層バンク又は前記第2下層バンクのどちらかが露出して形成されていることが好ましい。
この構成によれば、比較的液体が充填しにくい第1領域に二層の下層バンクが形成されているので、第1領域に液体を充填させることができる。一方、第2領域において第1下層バンクのみが形成されている場合、濡れ性の高い第2下層バンクを形成した場合のように、第2下層バンク上に無駄な液体が多くのることを抑えることができる。よって、効率良く液体を使用することができる。また、第2領域において第2下層バンクのみが形成されている場合、第2下層バンクに液体をより馴染ませることが可能となり、発光領域において液体の平坦性を向上させることができる。
[適用例9]本適用例に係る電気光学装置は、複数の発光領域を有する電気光学装置であって、基板と、前記基板上のうち前記発光領域を除いた領域に形成されると共に、前記発光領域を取り囲むように形成されたバンクと、前記バンクに囲まれた開口部に配置された機能層と、を備え、前記バンクは、上層バンクと、前記上層バンクより濡れ性の高い下層バンクとを有し、前記下層バンクは、前記開口部における第1領域において露出し、第2領域において露出していないことを特徴とする。
この構成によれば、開口部における第1領域に下層バンクが露出しているので、第1領域の下層バンクに液体を馴染ませることが可能となり、第1領域に液体を充填させることができる。よって、発光領域において液体の厚みのばらつきを抑えることができ、液体から機能層を形成した際に、厚みのばらつきが抑えられた機能層を得ることが可能となる。その結果、発光領域において均一に発光させることができる。更に、第2領域に下層バンクが露出していないので、下層バンクの端部の張り出し量に起因する液体の厚みのばらつきを抑えることが可能となる。加えて、第2領域の開口面積を広くすることができる。
[適用例10]上記適用例に係る電気光学装置において、前記複数の発光領域の各々に対応して、前記基板の一方の面に形成された画素電極と、前記機能層を挟んで前記画素電極の反対側に設けられた共通電極とをさらに備え、前記機能層は少なくとも発光層を有することが好ましい。
この構成によれば、発光層を挟んで配置された画素電極と共通電極とを有する、例えば、有機EL装置において、均一に発光を行うことができる。
[適用例11]本適用例に係る電子機器は、上記した電気光学装置を備えることを特徴とする。
この構成によれば、開口率を向上させることができると共に、均一に発光させることが可能な電気光学装置を得ることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の電気光学装置としての有機EL装置の一部の構造を示す模式断面図である。図2は、有機EL装置におけるバンクが形成された段階でのバンクの構造を示す模式図である。(a)は、有機EL装置を上方から見た模式平面図である。(b)は、(a)に示す有機EL装置のA−A断面に沿う模式断面図である。(c)は、(a)に示す有機EL装置のB−B断面に沿う模式断面図である。なお、図1は、各構成要素の断面的な位置関係を示すものであり、相対関係は度外視されている。以下、有機EL装置の構造を、図1、図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、有機EL装置11は、発光領域12において発光が行われ、基板13と、基板13上に形成された回路素子層14と、回路素子層14上に形成された発光素子層15と、発光素子層15上に形成された陰極(共通電極)16とを有する。基板13としては、例えば、透光性を有するガラス基板が挙げられる(以下、「ガラス基板13」と称する。)。
回路素子層14には、ガラス基板13上にシリコン酸化膜(SiO2)からなる下地保護膜17が形成され、下地保護膜17上にTFT(Thin Film Transistor)素子18が形成されている。詳しくは、下地保護膜17上に、ポリシリコン膜からなる島状の半導体膜19が形成されている。半導体膜19には、ソース領域21及びドレイン領域22が不純物の導入によって形成されている。そして、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域23となっている。
更に、回路素子層14には、下地保護膜17及び半導体膜19を覆うシリコン酸化膜等からなる透明なゲート絶縁膜24が形成されている。ゲート絶縁膜24上には、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)などからなるゲート電極25(走査線)が形成されている。ゲート絶縁膜24及びゲート電極25上には、透明な第1層間絶縁膜26及び第2層間絶縁膜27が形成されている。第1層間絶縁膜26及び第2層間絶縁膜27は、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)、チタン酸化膜(TiO2)などから構成されている。ゲート電極25は、半導体膜19のチャネル領域23に対応する位置に設けられている。
半導体膜19のソース領域21は、第1層間絶縁膜26及びゲート絶縁膜24を貫通して設けられたコンタクトホール28を介して、第1層間絶縁膜26上に形成された信号線29と電気的に接続されている。一方、ドレイン領域22は、第2層間絶縁膜27、第1層間絶縁膜26、ゲート絶縁膜24を貫通して設けられたコンタクトホール31を介して、第2層間絶縁膜27上に形成された画素電極32と電気的に接続されている。
画素電極32は、発光領域12ごとに形成されている。また、画素電極32は、透明のITO(Indium Tin Oxide)膜からなり、例えば、平面方向から見て略矩形の形状となっている(図2参照)。なお、回路素子層14には、図示しない保持容量及びスイッチング用のトランジスタが形成されている。このようにして、回路素子層14には、各画素電極32に接続された駆動用のトランジスタが形成されている。
発光素子層15は、マトリックス状に配置された発光素子を具備してガラス基板13上に形成されている。詳述すると、発光素子層15は、画素電極32上に形成された機能層33と、機能層33を区画するバンク34とを主体として構成されている。機能層33上には、陰極16が配置されている。画素電極32と、機能層33と、陰極16とによって発光素子が構成されている。
バンク34は、例えば、平面に見て開口部35がトラック状に形成されている(図2(a)参照)。詳述すると、バンク34の開口部35は、アスペクト比の異なる発光領域12と、発光領域12の短辺側(Y方向)に形成された第1領域としての円弧44の領域とを有する。ここで、円弧44の領域とは、開口部35における円弧44の形状で囲われた領域を指す。また、円弧側の領域ともいう。
開口部35における円弧44の領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41と、第2下層バンク42と、上層バンク43とが、端部を露出すると共に階段状に積層されて構成されている(図2(b)参照)。
第1下層バンク41は、隣り合う画素電極32間の絶縁性を確保するために、画素電極32の周縁部上に乗り上げるように形成されている。つまり、画素電極32と第1下層バンク41は、平面的に一部が重なるように配置された構造となっている。第1下層バンク41の材料としては、例えば、無機材料であるシリコン酸化膜(SiO2)が挙げられる。
第2下層バンク42は、機能性液体(例えば、正孔注入層51のインク)との濡れ性をより向上させるために、第1下層バンク41上に形成されている。第2下層バンク42の材料としては、シリコン酸化膜より濡れ性の高い、例えば、無機材料であるシリコン窒化膜(SiN)が挙げられる。また、シリコン窒化膜は、シリコン酸化膜と比較して、誘電率が高い。
上層バンク43は、機能層33を区画するために用いられ、第1下層バンク41層及び第2下層バンク42層の上に形成されている。上層バンク43の材料としては、有機材料であるアクリル系樹脂が挙げられる。上層バンク43は、例えば、断面に見て傾斜面を有する台形状に形成されている。
開口部35における第2領域としての直線45の領域(長辺側)は、ガラス基板13側から第1下層バンク41と、上層バンク43とが、端部を露出すると共に階段状に積層されて構成されている(図2(c)参照)。ここで、直線45の領域とは、開口部35における直線部分から発光領域12に係る一部の領域を指す。また、直線部分の領域ともいう。直線部分の領域において第2下層バンク42は露出していない。また、第1下層バンク41及び上層バンク43の材料などは、上記したものと同じである。
このように、開口部35における円弧44の領域に、第1下層バンク41と共に濡れ性の高いシリコン窒化膜からなる第2下層バンク42が積層されていることにより、特に第2下層バンク42にインクを馴染ませることが可能となり、比較的インクが充填しにくい円弧44の領域にインクを充填させることができる。
また、開口部35における直線45の領域は、円弧44の領域より下層バンク46が一層少ない第1下層バンク41のみが形成されているので、下層バンク46の発光領域12への張り出し量のばらつきを抑えることが可能となり、インクの厚みを均一にすることができる。更に、下層バンク46が第1下層バンク41の1層のみで構成されているので、この領域(X方向の領域)の開口率を向上させることができる。
ここで、「濡れ性が高い」とは、インクとの接触角が相対的に小さいことを指す。つまり、濡れ性を高くした円弧側の領域(図2(a)参照)に、インクが充填しやすくなったと言える。
機能層33は、例えば、正孔注入層51と機能層としての発光層52とがバンク34に囲まれた領域、すなわち開口部35(発光領域12)に形成されている。正孔注入層51は、画素電極32を底部とし、バンク34(41,42,43)を側壁とする凹部に形成されている(図2(b),(c)参照)。
また、正孔注入層51は、導電性高分子材料中にドーパントを含有する導電性高分子層からなる。このような正孔注入層51は、例えば、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸を含有する3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT−PSS)などから構成することができる。
円弧44の領域に形成された第2下層バンク42の存在により、例えば、正孔注入層51を形成する際に吐出される機能液は、開口部35における円弧44の内側に濡れ広がりやすくなる(充填しやすくなる)。よって、正孔注入層51を容易にバンク34の中に形成することができ、正孔注入層51の厚さを均一にすることができる。
発光層52は、エレクトロルミネッセンス現象を発現する有機発光物質の層であり、正孔注入層51の上に形成されている。
陰極16は、発光層52及び上層バンク43の上に形成されている。言い換えれば、陰極16は、発光層52を挟んで画素電極32の反対側に形成されている。陰極16は、例えば、カルシウム(Ca)及びアルミニウム(Al)の積層体である。陰極16の上には、水や酸素の侵入を防ぐための、樹脂などからなる封止部材(図示せず)が積層されている。なお、発光素子層15と陰極16とによって表示素子53が構成される。
上述した発光層52は、上記したように、エレクトロルミネッセンス現象を発現する有機発光物質の層である。画素電極32と陰極16との間に電圧を印加することによって、発光層52には、正孔注入層51から正孔が、また、陰極16から電子が注入される。発光層52は、これらが結合したときに光を発する。
この有機EL装置11は、例えば、機能層33からガラス基板13側に発した光が、回路素子層14及びガラス基板13を透過してガラス基板13の下側に出射されると共に、機能層33からガラス基板13の反対側に発した光が陰極16により反射されて、回路素子層14及びガラス基板13を透過してガラス基板13の下側に出射されるようになっている。なお、陰極16として透明な材料を用いることにより、陰極16側から発光する光を出射させることもできる。
図3は、有機EL装置の製造方法を示す工程図である。以下、有機EL装置の製造方法を、図1〜図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、有機EL装置11の製造方法は、ステップS1〜ステップS6によってバンクを形成し、ステップS11〜ステップS16によって有機EL素子を形成する。まずステップS1では、ガラス基板13上に、公知の成膜技術を用いて回路素子層14を形成する。ステップS2では、回路素子層14上に、ITOからなる画素電極32を形成する。
ステップS3では、回路素子層14及び画素電極32上に、第1下層バンク41を形成する。詳しくは、まず、第1下層バンク41の材料となる、例えば、酸化シリコン(SiO2)からなる第1下層バンク層を、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等により、回路素子層14及び画素電極32上を覆うように形成する。次に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第1下層バンク層のうち発光領域12に対応する領域に開口部41a(図1参照)を形成する。
ステップS4では、第1下層バンク41の上に第2下層バンク42を形成する。詳しくは、第1下層バンク41を含むガラス基板13上に、第2下層バンク42を形成するためのシリコン窒化膜を積層する。積層する方法としては、例えば、蒸着法が挙げられる。次に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第2下層バンク42が開口部35における円弧側の領域のみ露出するようにパターンニングする。
ステップS5では、第2下層バンク42の上に上層バンク43を形成する。詳しくは、第1下層バンク41、第2下層バンク42を含むガラス基板13上に、上層バンク43を形成するためのアクリル系樹脂を積層する。積層する方法としては、例えば、蒸着法が挙げられる。次に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、発光領域12に対応する領域に開口部43a(図1参照)を形成する。
以上により、開口部35における円弧44の領域には、上層バンク43の下側に第1下層バンク41及び第2下層バンク42が階段状に露出する。一方、開口部35における直線45の領域には、上層バンク43の下側に第1下層バンク41のみが露出する。
ステップS6では、バンク34にプラズマ処理を施す。詳しくは、第1下層バンク41及び第2下層バンク42には、例えば、酸素(O2)ガスを用いた酸素プラズマ処理を行う。一方、上層バンク43には、例えば、テトラフルオロメタンを用いた四フッ化炭素(CF4)プラズマ処理を行う。
詳述すると、第1下層バンク41及び第2下層バンク42への酸素プラズマ処理は、例えばプラズマパワー100kW〜800kW、酸素ガス流量50ml/min〜100ml/min、板搬送速度0.5mm/sec〜10mm/sec、基板温度70℃〜90℃の条件で処理することで、第1下層バンク41及び第2下層バンク42を親液化(撥液性を低く)することができる。
一方、上層バンク43への四フッ化炭素プラズマ処理は、例えば、プラズマパワー100kW〜800kW、テトラフルオロメタンガス流量50ml/min〜100ml/min、基板搬送速度0.5mm/sec〜10mm/sec、基板温度70℃〜90℃の条件で処理することで、上層バンク43を撥液化(撥液性を高く)することができる。
以上により、インクとの接触角が30°である第2下層バンク42と、インクとの接触角が90°である上層バンク43とを有するバンク34が完成する。円弧44の領域にこの第2下層バンク42が形成されているので、円弧44の領域にインクを濡れ広がらせることができる。一方、上層バンク43の接触角が大きいので、直線部分の領域からインクが溢れることを抑えることができる。
引き続くステップS11では、画素電極32上におけるバンク34によって囲まれた発光領域12に、正孔注入層51の材料を含んだ機能液を液滴吐出法(例えば、インクジェット法)により吐出する。詳しくは、機能液の液滴を、画素電極32を底部としバンク34(41,42,43)を側壁とする凹部に向けて吐出する。正孔注入層51の機能液としては、例えば、PEDOT−PSS分散液を用いることができる。PEDOT−PSS分散液の一例としては、PEDOTとPSSとの重量比が1:10、かつ固形分濃度が0.5%であり、ジエチレングリコールを50%含み、残量が純水であるものを用いることができる。
ステップS12では、機能液を乾燥させて正孔注入層51を形成する。詳しくは、機能液を高温環境下で乾燥又は焼成して溶媒を蒸発させ、機能液に含まれるPEDOT−PSSを固形化させることにより、バンク34内に正孔注入層51を形成する。乾燥の条件としては、例えば200℃の環境下で、ガラス基板13を10分間放置する。これにより、50nmの正孔注入層51が形成される。
ステップS13では、正孔注入層51上に、発光層52の材料を含んだ機能液を液滴吐出法により吐出する。発光層52の機能液としては、例えば、赤色蛍光材料を固形分濃度0.8%で含み、シクロヘキシルベンゼンを溶媒とするものを用いることができる。
上述したように、開口部35の円弧44の領域に第1下層バンク41及び濡れ性の高い第2下層バンク42が階段状に形成されているので、特に第2下層バンク42にインクを馴染ませることが可能となり、比較的充填しにくい円弧44の領域(短辺側の領域)にインクを充填させることができる。加えて、インクを乾燥させた際に、インクが後退することを抑えることができる。これにより、バンク34内の発光層52の厚みが不均一になることを抑えることができる。加えて、円弧44の内側の領域は、発光領域12から離れている領域なので、第1下層バンク41及び第2下層バンク42の2層を形成したとしても、開口率を低下させることがない。
ステップS14では、機能液を乾燥させて、発光層52を形成する。詳しくは、機能液を高温環境下で乾燥又は焼成して溶媒を蒸発させ、機能液に含まれる赤色蛍光材料を固形化させることにより発光層52を形成する。乾燥させる条件としては、例えば100℃の環境下でガラス基板13を1時間放置する。形成された発光層52の膜厚としては、例えば、100nmである。こうして形成された発光層52は、正孔注入層51より大きな面積を有しているため、発光層52のうち比較的平坦な領域を発光に用いることができる。
ステップS15では、発光層52の形成されたガラス基板13上の略全体に、カルシウム膜及びアルミニウム膜をこの順に、例えば蒸着法によって積層させることにより、陰極16を形成する。形成されたカルシウム膜は、例えば、5nmである。形成されたアルミニウム膜は、例えば、300nmである。
ステップS16では、陰極16上に、例えば、接着剤及びガラス基板を用いて封止を行って、有機EL素子が形成され、有機EL装置11が完成する。
図4は、上記した有機EL装置を備えた電子機器の一例として携帯電話機を示す模式図である。以下、有機EL装置を備えた携帯電話機を、図4を参照しながら説明する。
図4に示すように、携帯電話機61は、表示部62及び操作ボタン63を有している。表示部62は、内部に組み込まれた有機EL装置11によって、均一に発光することができる等、高品位な表示を行うことができる。なお、上記した有機EL装置11は、上記携帯電話機61の他、モバイルコンピュータ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器などの各種電子機器に用いることができる。
以上詳述したように、第1実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)第1実施形態によれば、充填しにくい円弧44の領域に、第1下層バンク41に加えて濡れ性の高いシリコン窒化膜からなる第2下層バンク42が形成されているので、開口部35の中にインクを吐出した際に、円弧44の領域にインクを濡れ広がらせることが可能となる。よって、開口部35の中のインクの厚みを均一にすることが可能となり、その結果、均一に発光させることができる。
(2)第1実施形態によれば、直線45の領域に、第1下層バンク41のみを形成するので、下層バンク46を2層形成する場合のように、下層バンク46の発光領域12側への張り出し量に起因して膜厚のばらつきが発生することを抑えることができる。よって、膜厚を均一にすることが可能となり、その結果、均一に発光させることができる。更に、下層バンク46を第1下層バンク41の1層のみで構成するので、幅の狭い直線45で挟まれた領域(X方向)の開口率を向上させることができる。また、第1下層バンク41は、シリコン窒化膜と比べて濡れ性が低いものの、インクとの濡れ性がよいシリコン酸化膜で構成されているので、インクの濡れ性によって直線部分の領域へインクを充填させることができる。
(3)第1実施形態によれば、直線45の領域の下層バンク46が一層で構成されているので、この領域(X方向)の開口幅が広くなる。これにより、インクを吐出した際に、インクが広く盛られ、直線部分の領域からインクが溢れることを抑えることができる。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態のバンクの構造を示す模式図である。(a)は、バンクを上方から見た模式平面図である。(b)は、(a)に示すバンクのA−A断面に沿う模式断面図である。(c)は、(a)に示すバンクのB−B断面に沿う模式断面図である。以下、バンクの構造を、図5を参照しながら説明する。なお、第2実施形態のバンクの構造は、円弧側の領域において上層バンクの下側に第1下層バンクが形成され、直線部分の領域において下層バンクが形成されていない部分が、第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態と同じ構成部材には同一符号を付し、ここではそれらの説明を省略又は簡略化する。
図5に示すように、開口部35における円弧44の領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41と上層バンク43とが、階段状に積層されて構成されている。開口部35における直線45の領域は、上層バンク43のみが形成されている。
このように、開口部35における円弧44の領域に、第1下層バンク41が形成されていることにより、シリコン窒化膜に比べて濡れ性が低下するものの、第1下層バンク41にインクを馴染ませることが可能となり、比較的インクが充填しにくい円弧44の領域にインクを充填させることができる。
以上詳述したように、第2実施形態によれば、上記した第1実施形態の(1)の効果に加えて、以下に示す効果が得られる。
(4)第2実施形態によれば、開口部35における直線45の領域は、上層バンク43のみが形成され、下層バンク46が形成されていないので、この領域(X方向の領域)の開口率を向上させることができる。更に、この直線45の領域の開口部35が広くなるので、インクを吐出した際に、インクが広い範囲に盛られ、よりインクが溢れにくくなる。加えて、上記したように、円弧44の領域にインクを充填させることができる。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態のバンクの構造を示す模式図である。(a)は、バンクを上方から見た模式平面図である。(b)は、(a)に示すバンクのA−A断面に沿う模式断面図である。(c)は、(a)に示すバンクのB−B断面に沿う模式断面図である。以下、バンクの構造を、図6を参照しながら説明する。なお、第3実施形態のバンクの構造は、直線部分の領域において上層バンクの下側に第2下層バンクのみが形成されている部分が、第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態と同じ構成部材には同一符号を付し、ここではそれらの説明を省略又は簡略化する。
図6に示すように、開口部35における円弧44の領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41、第2下層バンク42、上層バンク43が、階段状に積層されて構成されている。
開口部35における直線45の領域は、ガラス基板13側から第2下層バンク42と上層バンク43とが形成されている。また、第2下層バンク42は、画素電極32の絶縁性を確保するために、画素電極32の周縁部を乗り上げるように形成されている。
このように、開口部35における円弧44の領域に、第1下層バンク41に加えて第2下層バンク42が形成されていることにより、特に第2下層バンク42にインクを馴染ませることが可能となり、比較的インクが充填しにくい円弧44の領域にインクを充填させることができる。
以上詳述したように、第3実施形態によれば、上記した第1実施形態の(1)の効果に加えて、以下に示す効果が得られる。
(5)第3実施形態によれば、直線45の領域においてシリコン窒化膜からなる第2下層バンク42が形成されているので、第2下層バンク42にインクを馴染ませることが可能となり、発光領域12においてインクの平坦性を向上させることができる。これにより、均一に発光させることができる。更に、画素電極32の周縁部にシリコン窒化膜が乗り上げるように形成されているので、画素電極32の絶縁性を確保することができる。
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態のバンクの構造を示す模式図である。(a)は、バンクを上方から見た模式平面図である。(b)は、(a)に示すバンクのA−A断面に沿う模式断面図である。(c)は、(a)に示すバンクのB−B断面に沿う模式断面図である。以下、バンクの構造を、図7を参照しながら説明する。なお、第4実施形態のバンクの構造は、直線部分の領域において上層バンクの下側に下層バンクが形成されていない部分が、第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態と同じ構成部材には同一符号を付し、ここではそれらの説明を省略又は簡略化する。
図7に示すように、開口部35における円弧44の領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41、第2下層バンク42、上層バンク43が、階段状に積層されて構成されている。開口部35における直線45の領域は、上層バンク43のみが形成されている。
このように、開口部35における円弧44の領域に、第1下層バンク41に加えて第2下層バンク42が形成されていることにより、特に第2下層バンク42にインクを馴染ませることが可能となり、比較的インクが充填しにくい円弧44の領域にインクを充填させることができる。
以上詳述したように、第4実施形態によれば、上記した第1実施形態の(1)の効果に加えて、以下に示す効果が得られる。
(6)第4実施形態によれば、開口部35における直線45の領域は、上層バンク43のみで下層バンク46が形成されていないので、この領域(X方向の領域)の開口率を向上させることができる。更に、この直線部分の領域の開口部が広くなるので、インクを吐出した際に、インクが広い範囲で盛られ、よりインクが溢れることを抑えることができる。
なお、実施形態は上記に限定されず、以下のような形態で実施することもできる。
(変形例1)
上記した第1実施形態〜第4実施形態のバンク34の構造に限定されず、例えば、図8及び図9に示すバンクの構造であってもよい。図8(a)は、バンクを上方から見た模式平面図である。図8(b)は、図8(a)に示すバンクのA−A断面に沿う模式断面図である。図8(c)は、図8(a)に示すバンクのB−B断面に沿う模式断面図である。図8に示すバンク34の構造は、円弧44の領域において、第1下層バンク41を覆うように第2下層バンク42が形成されている部分が、第1実施形態と異なっている。開口部35における円弧44の領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41、第2下層バンク42、上層バンク43が、階段状に積層されて構成されている。ただし、第2下層バンク42が第1下層バンク41を覆うように形成されているので、露出する下層バンク46は、第2下層バンク42のみとなる。第1下層バンク41は、画素電極32の周縁部に乗り上げるように形成されている。開口部35における直線45の領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41と上層バンク43とが形成されている。
このバンク34の構造によれば、円弧44の領域においてシリコン窒化膜からなる第2下層バンク42のみが露出して形成されているので、シリコン酸化膜からなる第1下層バンク41と比較して、第2下層バンク42にインクをより馴染ませることが可能となり、比較的充填しにくい円弧44の領域にインクを充填させることができる。また、第1下層バンク41が画素電極32の周縁部に乗り上げるように形成されているので、画素電極32の絶縁性を確保することができる。更に、直線45の領域においてシリコン酸化膜からなる第1下層バンク41が形成されているので、シリコン窒化膜からなる濡れ性の高い第2下層バンク42を形成した場合のように、第2下層バンク42上に無駄なインクが多くのることを抑えることができる。よって、効率良くインクを使用することができる。
図9(a)は、バンクを上方から見た模式平面図である。図9(b)は、図9(a)に示すバンクのA−A断面に沿う模式断面図である。図9(c)は、図9(a)に示すバンクのB−B断面に沿う模式断面図である。図9に示すバンク34の構造は、円弧44の領域において上層バンク43の下側に第1下層バンク41のみが形成され、直線45の領域において上層バンク43の下側に第2下層バンク42のみが形成されている部分が、第1実施形態と異なっている。開口部35における円弧44の領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41と上層バンク43とが、階段状に積層されて構成されている。第1下層バンク41は、画素電極32の周縁部に乗り上げるように形成されている。開口部35における直線45の領域は、ガラス基板13側から第2下層バンク42と上層バンク43とが階段状に積層されて構成されている。第2下層バンク42は、画素電極32の周縁部に乗り上げるように形成されている。
このバンク34の構造によれば、円弧44の領域において第1下層バンク41が形成されていることにより、円弧44の領域にインクを充填させることができることに加えて、シリコン窒化膜からなる濡れ性の高い第2下層バンク42を形成した場合のように、第2下層バンク42上に無駄なインクが多くのることを抑えることができる。よって、効率良くインクを使用することができる。更に、直線45の領域においてシリコン窒化膜からなる第2下層バンク42が形成されているので、第2下層バンク42にインクを馴染ませることが可能となり、発光領域12においてインクの平坦性を向上させることができる。これにより、均一に発光させることができる。
(変形例2)
上記したバンク34の開口部35の形状(ガラス基板13の法線方向から見た形状)は、平面に見てトラック状に限定されず、例えば、図10〜図13に示すような形状でもよい。図10に示すバンク71は、複数の発光素子を含む画素領域を区画する共通バンク(以下、「共通バンク71」と称する。)を示す図である。開口部35における円弧44の領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41、第2下層バンク42、上層バンク43が、階段状に積層されて構成されている。また、開口部35における画素電極32と画素電極32との間は、第1下層バンク41及び第2下層バンク42が形成されている。開口部35における直線45の領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41と上層バンク43とが、階段状に積層されて構成されている。つまり、開口部35の形状が異なるのみで、下層バンク46の構成は、第1実施形態と同じである。なお、このバンク71の構成に限定されず、第2実施形態〜第4実施形態、変形例1に示す下層バンク46の構造を、この共通バンク71に適用するようにしてもよい。これによれば、機能液が充填しにくい円弧44の領域に機能液を充填させることができると共に、X方向の開口率を向上させることができる。
図11に示すバンク75は、アスペクト比の異なる長方形であり、バンク75の開口部76において、長辺の直線77及び短辺の直線78と、それぞれの直線77,78を結ぶコーナーに円弧79が形成されている部分が第1実施形態のバンク34と異なっている。開口部76における円弧79の領域を含む短辺側の領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41、第2下層バンク42、上層バンク43が、階段状に積層されて構成されている。一方、長辺側の領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41と上層バンク43とが、階段状に積層されて構成されている。なお、この下層バンク46の構成に限定されず、第2実施形態〜第4実施形態、変形例1に示す下層バンク46の構造を、このバンク75に適用するようにしてもよい。また、2層の下層バンク46(41,42)を形成する領域を、円弧79の領域のみに形成するようにしてもよい。また、円弧79の一部の領域のみに形成するようにしてもよい。これによれば、少なくとも機能液が充填しにくい円弧79の部分に、機能液を充填させることができる。
図12に示すバンク81は、アスペクト比の異なる長方形であり、コーナーに円弧がない部分が図11に示すバンク75と異なっている。開口部82における短辺側の領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41、第2下層バンク42、上層バンク43が、階段状に積層されて構成されている。一方、長辺側の領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41と上層バンク43とが、階段状に積層されて構成されている。なお、この下層バンク46の構成に限定されず、第2実施形態〜第4実施形態、変形例1に示す下層バンク46の構造を、このバンク81に適用するようにしてもよい。また、2層の下層バンク46(41,42)を形成する領域を、コーナーの一部を含む領域に形成するようにしてもよい。これによれば、少なくとも機能液が充填しにくいコーナーの部分に、機能液を充填させることができる。
図13に示すバンク85は、アスペクト比が同じ(正方形)である部分が、図12に示すバンク81と異なっている。開口部86におけるコーナーの領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41、第2下層バンク42、上層バンク43が、階段状に積層されて構成されている。一方、それ以外の領域は、ガラス基板13側から第1下層バンク41と上層バンク43とが、階段状に積層されて構成されている。なお、この下層バンク46の構成に限定されず、第2実施形態〜第4実施形態、変形例1に示す下層バンク46の構造を、このバンク85に適用するようにしてもよい。また、2層の下層バンク46(41,42)を形成する領域を、コーナーの一部を含む領域に形成するようにしてもよい。これによれば、少なくとも機能液が充填しにくいコーナーの部分に、機能液を充填させることができる。なお、上記した種々の形状の開口部において、撥液性を低くしなくても親液性を満足することができる部分(又は、親液性が変わらない部分)であれば、下層バンク46を形成しないようにしてもよい。
(変形例3)
上記した第2実施形態及び第4実施形態において、直線45の領域の上層バンク43の下側に第1下層バンク41及び第2下層バンク42が形成されないとしたが、開口部35に露出しない状態で画素電極32の周縁部に第1下層バンク41及び第2下層バンク42の少なくとも一方が乗り上げるように形成されていてもよい。これによれば、画素電極32の絶縁性を確保することができる。
(変形例4)
上記したように、下層バンク46が第1下層バンク41及び第2下層バンク42で構成されることに限定されず、例えば、更に多い複数層で構成するようにしてもよい。また、第1下層バンク41及び第2下層バンク42の少なくともどちらかを露出させる選択方法として、絶縁性、インクの充填性、表面処理の好適性などを考慮して決定することが好ましい。
(変形例5)
上記したように、第1下層バンク41と第2下層バンク42とを別々にパターニングすることに限定されず、例えば、シリコン酸化膜からなる第1下層バンク41と、シリコン窒化膜からなる第2下層バンク42とのエッチングレートの差を利用して階段状にエッチングするようにしてもよい。
(変形例6)
上記したように、第2下層バンク42がシリコン窒化膜で構成されることに限定されず、例えば、誘電率の高い材料であるタンタルオキサイド、酸化マグネシウムなどを用いるようにしてもよい。
(変形例7)
上記したように、発光領域12に機能液を充填させる方法として液滴吐出法に限定されず、例えば、ディスペンサ塗布法を用いるようにしてもよい。
(変形例8)
上記したように、電気光学装置として有機EL装置11を例に挙げたことに限定されず、製造する際、バンクにインクを充填させる工程を有するものであればよく、例えば、カラーフィルタを有する液晶装置、プラズマディスプレイ、電子ペーパーなどに適用することができる。
第1実施形態に係る有機EL装置の一部の構造を示す模式断面図。 有機EL装置におけるバンクの構造を示す模式図であり、(a)は有機EL装置を上方から見た模式平面図、(b)は(a)に示す有機EL装置のA−A断面に沿う模式断面図、(c)は(a)に示す有機EL装置のB−B断面に沿う模式断面図。 有機EL装置の製造方法を示す工程図。 有機EL装置を備えた携帯電話機を示す模式図。 第2実施形態に係る有機EL装置におけるバンクの構造を示す模式図であり、(a)は有機EL装置を上方から見た模式平面図、(b)は(a)に示す有機EL装置のA−A断面に沿う模式断面図、(c)は(a)に示す有機EL装置のB−B断面に沿う模式断面図。 第3実施形態に係る有機EL装置におけるバンクの構造を示す模式図であり、(a)は有機EL装置を上方から見た模式平面図、(b)は(a)に示す有機EL装置のA−A断面に沿う模式断面図、(c)は(a)に示す有機EL装置のB−B断面に沿う模式断面図。 第4実施形態に係る有機EL装置におけるバンクの構造を示す模式図であり、(a)は有機EL装置を上方から見た模式平面図、(b)は(a)に示す有機EL装置のA−A断面に沿う模式断面図、(c)は(a)に示す有機EL装置のB−B断面に沿う模式断面図。 バンクの構造の変形例を示す模式図であり、(a)はバンクを上方から見た模式平面図、(b)は(a)に示すバンクのA−A断面に沿う模式断面図、(c)は(a)に示すバンクのB−B断面に沿う模式断面図。 バンクの構造の変形例を示す模式図であり、(a)はバンクを上方から見た模式平面図、(b)は(a)に示すバンクのA−A断面に沿う模式断面図、(c)は(a)に示すバンクのB−B断面に沿う模式断面図。 バンクの構造の変形例を示す模式図であり、(a)はバンクを上方から見た模式平面図、(b)は(a)に示すバンクのA−A断面に沿う模式断面図、(c)は(a)に示すバンクのB−B断面に沿う模式断面図。 バンク形状の変形例を示す模式平面図。 バンク形状の変形例を示す模式平面図。 バンク形状の変形例を示す模式平面図。
符号の説明
11…電気光学装置としての有機EL装置、12…発光領域、13…基板としてのガラス基板、14…回路素子層、15…発光素子層、16…陰極、17…下地保護膜、18…TFT素子、19…半導体膜、21…ソース領域、22…ドレイン領域、23…チャネル領域、24…ゲート絶縁膜、25…ゲート電極、26…第1層間絶縁膜、27…第2層間絶縁膜、28…コンタクトホール、29…信号線、31…コンタクトホール、32…画素電極、33…機能層、34,75,81,85…バンク、35,41a,76,82,86…開口部、41…第1下層バンク、42…第2下層バンク、43…上層バンク、44,79…円弧、45,77,78…直線、46…下層バンク、51…正孔注入層、52…発光層、53…表示素子、61…電子機器としての携帯電話機、62…表示部、63…操作ボタン、71…共通バンク。

Claims (9)

  1. 複数の発光領域を有する電気光学装置であって、
    基板と、
    前記基板上のうち前記発光領域を除いた領域に形成されると共に、前記発光領域を取り囲むように形成されたバンクと、
    前記バンクに囲まれた開口部に配置された機能層と、を備え、
    前記開口部は、法線方向から見て短辺と長辺とを有し、
    前記開口部のうち前記短辺側には第1領域が配置され、前記長辺側の領域には第2領域が配置され、
    前記バンクは、上層バンクと、前記上層バンクより濡れ性の高い複数層の下層バンクとを有し、
    前記下層バンクは、前記開口部における前記第1領域に露出する前記下層バンクの層数と比較して、前記第2領域に露出する前記下層バンクの層数が少ないことを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1に記載の電気光学装置であって、
    前記開口部は、法線方向から見てコーナーを有し、
    前記第1領域は、前記開口部のうち前記コーナーの一部を含む領域であることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項1に記載の電気光学装置であって、
    前記開口部は、法線方向から見て円弧を有し、
    前記第1領域は、前記開口部のうち前記円弧の一部を含む領域であることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記下層バンクは、前記基板側から第1下層バンクと第2下層バンクとを有し、
    前記第2下層バンクの液体に対する接触角が、前記第1下層バンクの液体に対する接触角に比べて小さいことを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項に記載の電気光学装置であって、
    前記第1下層バンクは、シリコン酸化膜であり、
    前記第2下層バンクは、シリコン窒化膜であることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項又は請求項に記載の電気光学装置であって、
    前記第1領域は、前記第2下層バンクが露出して形成されていることを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項又は請求項に記載の電気光学装置であって、
    前記第1領域は、前記第1下層バンク及び前記第2下層バンクが露出して形成され、
    前記第2領域は、前記第1下層バンク又は前記第2下層バンクのどちらかが露出して形成されていることを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記複数の発光領域の各々に対応して、前記基板の一方の面に形成された画素電極と、前記機能層を挟んで前記画素電極の反対側に設けられた共通電極とをさらに備え、前記機能層は少なくとも発光層を有することを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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