JP4887875B2 - ダイナミック・エレメント・マッチング方法及び装置 - Google Patents

ダイナミック・エレメント・マッチング方法及び装置 Download PDF

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本発明は、デジタル−アナログ変換器(DAC)などの電子装置などにおいて使用するダイナミック・エレメント・マッチングの方法および装置に関するものである。
既存のDACには、ΔΣ変調器を備え、オーバーサンプリングを用いているタイプのものがある。このようなDACに利用されているΔΣ変調器の特性は、動作周波数やオーバーサンプリング・レシオに大きく依存している。すなわち、オーバーサンプリング・レシオを高くすると、量子化ノイズ(帯域外ノイズのソース)は減少し、ノイズシェーピングされた帯域幅が広くなる。したがって、ΔΣ変調器のオーバーサンプリング・レシオを高くすればするほど良いことになる。一方、高いオーバーサンプリング・レシオは、アナログ部分(特にDACの重み発生器として機能する複数のアナログ・セグメント)の高い動作周波数を必要とするが、その動作周波数が高すぎると歪みが発生し、歪み性能(THD性能)が劣化する。このことから、オーバーサンプリング・レシオとアナログ歪みはトレードオフの関係にある。
従来、ΔΣ変調器タイプのDACにおいて、ダイナミック・エレメント・マッチング(DEM)回路が設けられている(非特許文献1〜3参照)。このようなDACにおいて、アナログ部分の歪みは、アナログ・セグメント(これは、重み発生器として機能し、変換エレメントとも呼ばれる)の高速スイッチングから生じ、そしてこのアナログ・セグメントのスイッチングは、主としてDACに含まれたDEM回路により支配されている。DEM回路は、アナログ・セグメント間のミスマッチ、すなわち各アナログ・セグメントの発生する重み間のミスマッチの影響を低減するため、アナログ・セグメントのスイッチング量を極端に増大させるが、これによってアナログ部分の歪みが増大する。
Tao Shui, Richard Schreier and Forrest Hudson, "Mismatch Shaping for a Current-Mode Multibit Delta-Sigma DAC", IEEE Journal of Solid-State Circuits, Vol.34, No.3, March 1999, pp. 331 - 338 R. Schreier and B. Zhang, "Noise-shaped multibit D/A convertor employing unit elements", Electronics Letters, 28th, September 1995, Vo.31, No. 20, pp. 1712 - 1713 Tao Shui, Richard Schreier and Forrest Hudson, "Modified Mismatch-Shaping for Continuous-Time Delta-Sigma Modulators", IEEE 1998, Custom Integrated Circuits Conference, pp. 225 - 228
したがって、本発明の目的は、改良したダイナミック・エレメント・マッチング(DEM)の方法および装置を提供することである。
本発明の別の目的は、上記のDEMの方法または装置を採用したDAC等の電子装置を提供することである。
本発明の1実施形態によるダイナミック・エレメント・マッチングの方法および装置は、デジタル入力に対し、該デジタル入力の第1の時間レートとは異なる第2の時間レートでダイナミック・エレメント・マッチング処理を行う。
本発明の別の実施形態によれば、前記第2時間レートは、前記第1時間レートよりも低くすることができる。また、本発明の別の実施形態によれば、前記第2時間レートは、前記第1時間レートよりも高くすることができる。
本発明の1実施形態によれば、DEMの処理速度を、DEM処理の適用対象として受ける入力と異なった処理速度とすることができる。このため、1実施形態では、DEM処理速度をDEM処理適用対象の入力より低い速度とすることにより、重み発生器として機能するアナログ・セグメントのスイッチング量を減らすことができる。このスイッチング量が減少すれば、歪みが減少し歪み(THD+N)性能が向上する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
まず図1は、本発明の1実施形態によるDEM(ダイナミック・エレメント・マッチング)回路1を示している。このDEM回路1は、図示のように、エンコーダ10とフィードバック回路12とで構成されている。エンコーダ10は、2つの入力と1つの出力とを備え、そして2つの入力の内の一方にDEM処理の対象であるデジタル入力を受け、他方の入力にフィードバック回路12の出力を受け、そして出力に、エンコードした結果のデジタル出力を発生する。一方、フィードバック回路12は、DEM処理対象のデジタル入力の時間レートとは異なった時間レートでDEM処理を実行するため、サンプリングレート・コンバータ120とループ・フィルタ122とを備えている。サンプリングレート・コンバータ120は、エンコーダ10から受けるデジタル出力のサンプリングレートを変換し、そしてその結果のデジタル信号を出力する。これにより、DEM処理の時間レートをデジタル入力の時間レートと異なったものとする。ここで、時間レートとは、具体的には、信号のサンプリング周波数である。次に、ループ・フィルタ122は、そのサンプリングレート変換後のデジタル信号を受け、そしてこれに対しフィルタ処理を実行することによって、エンコーダでの処理に適したフィルタ出力を発生する。
詳細には、エンコーダ10は、用意された複数のエレメント(例えば、DACにおけるアナログ・セグメント)間のミスマッチを動的に低減するため、それら複数のエレメントをできるだけ均等に使用するための信号を発生するものであって、例えば、ベクトル量子化器、ルックアップ・テーブル、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、その他の任意の回路で構成することができる。一方、サンプリングレート・コンバータ120は、公知の回路設計のものを使用することができ、そして例えば、サンプリングレートを低くするダウン・コンバータとすることができる。
図2は、1実施形態のダウン・コンバータ120aを示している。ダウン・コンバータ120aは、図示のように、デシメーション・フィルタ1200と、この出力を受けて(1/M)倍にダウン・サンプリングするダウン・サンプリング回路1202とを備えている。
また、ループ・フィルタ122は、例えば積分器で構成することができ、これによって、各エレメントについて最近の選択されなかった回数に対応する値を発生して、この値をエンコーダ10が使用して次に使用すべきエレメントを選択できるようにする。最近の選択されなかった回数に対応する値には、最近の選択されなかった回数または頻度に比例する値、あるいはそれに反比例する値などが含まれるが、これは、エンコーダ10における次に使用するエレメントの選択アルゴリズムに依存する。
以上の構成をもつDEM回路1によれば、DEM処理の時間レートをDEM処理対象のデジタル信号の時間レートと異なったものとすることができる。これにより、例えばDEM処理の時間レートをDEM処理対象のデジタル信号の時間レートよりも低いものとした場合、エレメントのスイッチング量を減らすことができ、これにより歪みが減少してTHD性能が向上する。一方、DEM処理の時間レートをDEM処理対象のデジタル信号の時間レートよりも高いものとした場合、ダイナミック・エレメント・マッチング速度が大きくなるため、DEM性能が向上する。このように、本発明の1実施形態によれば、ニーズに応じて、DEM処理対象のデジタル信号の時間レートとは異なった値をDEM処理の時間レートとして使用することができる。
次に、図3を参照して、図1のDEM回路1を用いた1実施形態のオーディオ用のデジタル−アナログ変換器(DAC)Aについて説明する。尚、この図では、図1の要素と対応する要素には、同じ番号に記号“A”を付してある。詳細には、図示のように、DACAは、ΔΣ変調器3と、DEM回路1Aと、重み発生器として機能する電流セグメントをN個備えた電流セグメント型DAC5とを備えている。尚、重み発生器は、セグメント・デバイス、インバータ、スイッチト・キャパシタ、電流源等により構成でき、そしてこれら重み発生器が発生する重みは、電流以外の電圧その他の任意の形態とすることができる。アナログ形態に変換すべきオーディオ・デジタル入力は、変調器3に供給され、そしてこの変調器は、受けたデジタル入力に対しノイズシェーピングのためΔΣ変調を行い、そしてその結果の変調出力をデジタル出力として発生する。この変調器からのデジタル出力が供給されるDEM回路1Aは、図1のDEM回路1に相当する要素であってサンプリングレート・コンバータ120として図2aに示されたダウン・コンバータ120aを備えたタイプのものである。したがって、このDEM回路は、変調出力の時間レートよりも低い時間レートのDEM処理を実行する。このDEM回路1Aは、変調出力に対しDEM処理を行い、そしてその結果のDEM出力を発生する。このDEM出力が供給される電流セグメント型DAC5は、従来から知られたDACであって、重み発生器として機能するアナログ・セグメントとして、互いに同じ大きさの電流を発生できる電流セグメントをN個備えている。これらN個の電流セグメントは、DEM出力に応じて選択されて使用され、その結果としてオーディオ・アナログ出力が発生される。
図4は、図3のDEM回路1Aをより詳細に示している。尚、この図では、図1および図2aの要素と対応する要素には、同じ番号に記号“A”を付してある。図示のように、DEM回路1Aは、ベクトル量子化器10Aと、フィードバック回路として複数のフィードバック経路12A−1〜Lとを備えている。より詳細には、ベクトル量子化器10Aは、図5に示すようにΔΣ変調器3からの変調出力を信号入力(N)として受ける1つの入力と、入力ベクトル(I)(入力ベクトル要素I[1]〜I[L]を有する)を受けるL個のベクトル入力端と、出力ベクトル(O)(出力ベクトル要素O[1]〜O[L]を有する)を発生するL個のベクトル出力端とを備え、そして変調出力と入力ベクトルに応答して出力ベクトルを発生する。この出力ベクトルは、電流セグメント型DAC5のN個の電流セグメントに供給される。尚、通常、電流セグメントの数Nと、入力ベクトルおよび出力ベクトルにおけるベクトル要素の数Lとは互いに等しい。
また、ベクトル量子化器10Aの出力ベクトルのL個の要素O[1]〜O[L]は、それぞれ、L個のフィードバック経路12A−1〜Lにそれぞれ供給され、そしてそれら経路からの出力により入力ベクトルのL個の要素I[1]〜I[L]が形成される。ここで、本実施形態においては、出力ベクトルの各要素は、関連するアナログ・セグメントの使用を示す“1”と、その不使用を示す“−1”の2つの値のいずれかをとるものとする。尚、これら2つの値以外の値、例えば“1”と“0”としてもよい。これら出力ベクトル要素を受ける各フィードバック経路は同じであるため、そのうちの1つすなわちフィードバック経路12A−1について詳細に説明する。図示のように、フィードバック経路12A−1は、ダウン・コンバータ120aを構成するデシメーション・フィルタ1200A−1およびダウン・サンプリング回路1202A−1と、そしてループ・フィルタ122A−1とを備えている。デシメーション・フィルタ1200A−1は、出力ベクトル要素O[1]を受け、そしてフィルタ処理を行って出力に発生する。このフィルタは、図示のように、1つの遅延器と加算器とを備えた1次のフィルタで構成することができるが、2次以上のフィルタとすることもできる。このフィルタ出力を受けるダウン・サンプリング回路1202A−1は、ダウン・サンプリングを行うことによってサンプリングレートを1/Mにする。ここで、1/Mは、例えば、1/2、1/4、1/8等の整数分の一とすることができる。次に、このダウン・サンプリング回路からの出力を受けるループ・フィルタ122A−1は、図示のように、加算器と1つの遅延器とを備えた1次のローパス・フィルタすなわち積分器で構成することができるが、2次以上の積分器で構成することもできる。また、ループ・フィルタ122A−1は、積分器出力を反転したものをフィルタ出力として発生するための反転器を含む。このような構成のループ・フィルタが発生する出力は、関連する電流セグメントが最近最も多く選択されている場合には、最も小さな値である負の最大値を有し、そして最近最も少なく選択されていた場合には、最も大きな値である正の最大値を有し、そしてそれらの中間の選択頻度の場合にはそれら正の最大値と負の最大値との間の値を有する。このように、フィードバック経路12A−1は、出力ベクトル要素O[1]から、この要素が関連する電流セグメントの最近の選択回数に応じた値を入力ベクトル要素I[1]として発生する。その他のフィードバック経路12A−2〜Lも、これと同様の動作して、関連する電流セグメントの最近の選択回数に応じた値を発生して入力ベクトル要素I[2]〜I[L]とする。
次に、図6は、上記のように発生された入力ベクトル要素I[1]〜I[L]と信号入力(N)を受けるベクトル量子化器10Aのベクトル量子化アルゴリズムを示しており、このアルゴリズムにしたがって出力ベクトルを決定する。先ず、ステップS1において、いままでに出力ベクトル要素に“1”をセットした回数が、入力信号Nと等しいなら、ステップS4の処理へ進み、そうでないならステップS2の処理へ進む。値Nと等しくない場合、ステップS2で、入力ベクトルの各要素値で最も大きい値のものを探す。だだし、対応する出力要素O[x]がまだ定まっていないものの中から探し、そして見つかった要素番号をXとする。つまり、I[X]≧I[j]である。ここで、0≦j≦Lであり、またj≠Xで、Xは使用しない。次に、ステップS3に進み、ここで、ステップS2で見つかった要素番号に対応する出力ベクトルの要素の出力を“1”にセットする。つまり、O[X]=1とする。この後ステップS1に戻る。一方、ステップS1でYESとなった場合、すなわち、値Nに等しい数だけ“1”のセットを行っていた場合、ステップS4に進み、ここで、決定されていない出力ベクトルの要素をすべて、“−1”とする。これにより、本アルゴリズムは終了する。このような処理の結果、出力ベクトルにおいて、“1”がセットされた回数が少ない要素ほど対応する入力ベクトル要素はより大きな値となるため、次回“1”を出力する要素に選択され易くなる。この働きによって、DAC5内の電流セグメントの使用回数が平均化され、これによりDEM処理が実現される。
次に、図7〜図9を参照して、図3および図4に示したDACAにおけるDEM動作について説明する。図7は、8つのアナログ・セグメントを備えたDACにおいて、入力データがバイポーラ・ゼロ近傍にある場合(図示例では、4,4,5,4,3,4,4,5,4と入力データが変化)におけるそのアナログ・セグメントの使用/不使用の選択例を示しており、(a)はDEM処理なしの場合で(b)は1次のDEM処理を行った場合を示している。尚、図7並びに図8および図9においては、各サンプル1〜9の各々において、サンプルの入力データの値に等しい数のセグメントが選択される。
図7(a)から明らかなように、DEMなしの場合、入力データの変化のみよってアナログ・セグメントのスイッチングが生じ、したがってスイッチング数は非常に小さい。一方、図7(b)は、図7(a)の場合と同じ入力データを受ける場合であって1次のDEM処理を行った場合について示しており、この時、前回使用されたセグメントの今回での使用を最大限回避するため、“1”(すなわち使用)から“−1”(すなわち不使用)へ、および“−1”から“1”へ切り替わるセグメントの数が極端に増大し、この結果アナログ・セグメントのスイッチング量が増大する。例えば、サンプル1とサンプル2との間では、DEMなしの場合(図7(a))入力データに変化がないためスイッチングが発生しないが、DEMありの場合(図7(b))、4つの“1”から“−1”へのスイッチングと、4つの“−1”から“1”へのスイッチングが発生する。
一方、図8は、入力データがプラスのフル・スケール近傍(図8(a))とマイナスのフル・スケール近傍(図8(b))のときのアナログ・セグメントの使用/不使用の選択例を示している。この図8の例においては、DEM処理を行っている。図8から分かるように、フル・スケール近傍においては、アナログ・セグメントのスイッチング量は、バイポーラ・ゼロ近傍と比べ少ない。このように、スイッチング量は、入力データのレベルに大きく依存し、そしてバイポーラ・ゼロのとき最大となる。
次に、図9は、本発明によるDEM処理と従来のDEM処理とを比較して示すものである。すなわち、図9(a)は、図7の(b)に示したアナログ・セグメントの使用/不使用の選択例を示し、そして図9(b)は、図7(b)の例と同じ入力データに対し本発明のデシメート型DEMを施した場合のアナログ・セグメントの使用/不使用の選択例を示す。尚、図9(b)に示したデシメート型DEM処理では、M=2(すなわち、図4の回路1202Aによるダウン・サンプリング比が1/2)で、しかもループ・フィルタ122Aとして1次ループ・フィルタを使用している。図9(a)から分かるように、従来のDEM処理は、ΔΣ変調器とDEM処理に同じ動作周波数を用いているため、ΔΣ変調器におけるオーバーサンプリング・レシオが高くなればなる程DEM処理速度が大きくなり、その結果としてアナログ・セグメントのスイッチング量が増大する。一方、図9(b)に示す本発明によるデシメート型DEM処理では、1/2のダウン・サンプリングを行っているため、奇数サンプルから偶数サンプルへの遷移時には、ループ・フィルタ出力は変化せず、偶数サンプルから奇数サンプルへの遷移時にのみループ・フィルタ出力が変化する。このため、図9(a)の従来と比較すると、図9(b)の場合、セグメントのスイッチング量はおよそ半減している。例えば、サンプル1からサンプル2への遷移時には、ループ・フィルタ出力は変化しないため、入力データが同じ値「4」であることから、同じアナログ・セグメントが選択され、したがってアナログ・セグメントのスイッチングは全く発生しない。但し、入力データが変化するサンプル3からサンプル4への遷移時、サンプル5からサンプル6への遷移時、サンプル7からサンプル8への遷移時には、入力データの変化分(この場合、「1」)に等しい数しかアナログ・セグメントのスイッチングが発生しないため、歪み特性の劣化は非常に少ない。一方、ループ・フィルタ出力が変化する偶数サンプルから奇数サンプルへの遷移時、例えば、サンプル2からサンプル3への遷移時、サンプル4からサンプル5への遷移時等においては、デシメート型DEMの動作は従来のDEM処理と同様であるため、図9(a)の場合とほぼ同じ量のスイッチングしか発生しない。
以上に説明したように、本発明によるデシメート型DEMは、DEMによるセグメント間のミスマッチに対するノイズシェーピング動作を維持したまま、アナログ・セグメントのスイッチング量を大幅に減少させることができる。また、本発明によるDEMを用いれば、ΔΣ変調器の動作周波数をDEM処理の動作周波数とは異なったものとすることができる。このことから、DEMによる性能劣化なしで、ΔΣ変調器のオーバーサンプリング・レシオをより高くすることもできる。尚、上記の例では、ダウン・サンプリング回路1202Aにおけるダウン・サンプリング比を2(すなわち、M=2)としているが、4、8等のその他のダウン・サンプリング比を使用することもでき、このような比を使った場合でも、上述と同様のスイッチング量の低減を同様に図ることができる。
次に、図10のシミュレーション結果を参照して、本発明によるデシメート型DEMにより歪み(THD+N)性能の向上について説明する。尚、このシミュレーションは、3次で17レベルのΔΣ変調器と、2次のDEMとをもつ構成で行った。また、このシミュレーションでは、ΔΣ変調器(DSM)のオーバーサンプリング・レシオを128倍(×128)に固定し、そしてDEMの動作周波数を、オーバーサンプリング・レシオと同じ128倍から64倍、32倍、16倍の4つの値(すなわち、それぞれダウン・サンプリング比(DSR)1,2,4,8に対応)に変化させた。図示のように、ダウン・サンプリング比(DSR)が大きくなるにつれ、歪み性能が向上し、そしてダウン・サンプリング比が8のとき、最大入力信号レベル時において約17dBの特性改善がみられることが分かる。
次に、図11を参照して、図1のDEM回路1を用いた別の実施形態のオーディオ用のデジタル−アナログ変換器(DAC)Bについて説明する。この実施形態のDACBは、N個の電流セグメントを使用して(2N+1)個の重みレベル数を実現する“時間ドメイン補間エンコーディング”を実施する構成のものである。ここで、“時間ドメイン補間エンコーディング”とは、補間重みレベルの発生を時間軸上の処理によって実現するという機能をいうものとする。尚、図11では、図1または図3と対応する要素には同じ参照番号の後に記号“B”を付してある。このDACBは、オーディオ・デジタル入力を受けるΔΣ変調器3Bと、補間エンコーダ2と、電流セグメント型DAC5Bとを備えている。補間エンコーダ2は、図示のように、変調器の出力を入力に受ける分離器20と、分離器の出力を入力に受けるDEM回路1Bと、変調器の出力を入力に受けるエンコード推定器22と、DEM回路1Bの出力を受ける入力とエンコード推定器22の出力を受ける入力をもちそしてDAC5Bに接続された出力をもつパターン発生器24を備えている。図3の構成と異なっている点は、補間エンコーダ2として、DEM回路1B以外に分離器20、エンコード推定器22およびパターン発生器24を備えている点である。この構成のDACBによれば、図3のDAC Aと比べ、同じN個の電流セグメントを用いて、ΔΣ変調出力のレベル数をNレベルから(2N+1)レベルに増やすことができる。
次に、図12〜図17を参照して、図11のDAC Bの各部を更に具体化した1実施形態の回路構成について説明する。尚、図12は、DAC Bの一部分のみ、すなわち図11の分離器20に相当する回路部分(すなわち除算器20C)と、DEM回路1Bに相当する回路部分(すなわちDEM回路1C)の一部、パターン発生器24に相当する回路部分(すなわちパターン発生器24C)の詳細を示している。図13は、図12のDEM回路1Cの一部の回路(すなわちベクトル量子化器(VQ)10C)を示し、図14は、エンコード推定器22に相当する回路部分(すなわちエンコード推定器22C)を示し、図17は、パターン発生器24Cの回路の詳細を示している。
先ず、図12を参照すると、図示した除算器20Cは、変調器3Bからの変調出力を受け、そして受けた変調出力を2で除算してその結果の商と余りを各出力に発生する。尚、図12〜図17に示す具体回路構成例では、奇数番目の重みレベルを補間重みレベルで構成することによって重みレベルをおよそ1/2にするため、除算器20Cでは2で除算する。この除算は、ΔΣ変調器のマルチビット出力のうち、最下位ビットとそれ以外のビット群とに分離することに等しいため、単に配線の分離によって変調器出力の最下位ビットとそれ以外のビット群とに分けることもできる。尚、図12に示した例では、変調器出力が値“9”の場合、商の値は“4”で余りの値は“1”となる。このようにして発生された商と余りは、DEM回路1C内のベクトル量子化器10Cに供給される。このベクトル量子化器(VQ)10Cに加えてDEM回路1Cを構成するのは、量子化器10Cの出力から入力へフィードバック回路12C(図1のフィードバック回路12に対応)である。このフィードバック回路12Cは、前述の例と同様に、1/2にダウン・サンプリングするものとし、これにより本発明によるデシメート型DEM処理を実現する。すなわち、ベクトル量子化器10Cは、ベクトル量子化を行って出力ベクトルを発生し、そしてこの出力ベクトルは、次回の量子化のためにフィードバック回路12Cを通してフィードバックされて量子化器への入力ベクトルとなる。本実施形態におけるベクトル量子化器は、図4の実施形態とは異なって、出力ベクトルの各出力が1.5ビットであり、“1”,“−1”の2つの値に加えて“0”の値の3つの値を取り得る。ここで、“0”は、“時間ドメイン補間エンコード”を行うビットであることを示し、値“1”と“−1”とは通常のビットで、しかも“1”は電流セグメントの使用を“−1”はその不使用を示すものである。
次に、図13を参照して、ベクトル量子化器10Cの動作についてより詳細に説明する。図示のように、ベクトル量子化器10Cは、L個の入力I[1]〜I[L]で構成される入力ベクトルIと、同じL個の出力O[1]〜O[L]で構成される出力ベクトルOを有している。また、ベクトル量子化器10Cは、入力ベクトル以外の別の信号入力として、図5のベクトル量子化器10Aでは1つ信号入力だけであるが、本実施形態では、除算器20Cから商信号Nと余り信号Mの2つを受けるように構成している。
図13aには、図13に示したベクトル量子化器10Cのベクトル量子化アルゴリズムを示しており、このアルゴリズムにしたがって出力ベクトルを決定する。尚、この図13aのアルゴリズムは、図6のアルゴリズムとは、ステップS5〜S7が追加されている点で異なっている。先ず、ステップS1において、いままでに出力ベクトル要素に“1”をセットした回数が、入力信号である商Nと等しいなら、ステップS4の処理へ進み、そうでないならステップS2の処理へ進む。商Nと等しくない場合、ステップS2で、入力ベクトルの各要素値で最も大きい値のものを探す。だだし、対応する出力要素O[x]がまだ定まっていないものの中から探し、そして見つかった要素番号をXとする。つまり、I[X]≧I[j]である。ここで、0≦j≦Lであり、またj≠Xで、Xは使用しない。次に、ステップS3に進み、ここで、ステップS2で見つかった要素番号に対応する出力ベクトルの要素の出力を“1”にセットする。つまり、O[X]=1とする。この後ステップS1に戻る。一方、ステップS1でYESとなった場合、すなわち、商Nに等しい数だけ“1”のセットを行っていた場合、ステップS5に進み、ここで、余りMがゼロでないか否か判定し、そしてゼロでないならステップS6へ、ゼロならステップS4に進む。もしゼロでなかった場合、ステップS6において、入力ベクトルの各要素値で最も大きい値のものを探す。だだし、対応する出力要素O[x]がまだ定まっていないものの中から探し、そして見つかった要素番号をXとする。つまり、I[X]≧I[j]である。ここで、0≦j≦Lであり、また、j≠Xで、Xは使用しない。このステップの後、ステップS7に進み、ここで、ステップS6で見つかった要素番号に対応する出力ベクトルの要素の出力を“0”にセットする。つまり、O[X]=0である。一方、ステップS5で、余りMがゼロであった場合あるいはステップS7の実行の後、ステップS4に進み、ここで、決定されていない出力ベクトルの要素をすべて、“−1”とする。これにより、本アルゴリズムは終了する。尚、入力ベクトルは、図4の実施形態の場合と同様に、フィードバック回路に含まれるループ・フィルタ(図4のループ・フィルタ122Aに相当)の出力に−1を掛けたものである。これは、出力ベクトルを各要素ごとに積分(高次の積分を含む)した値を反転したものである。そのため、出力ベクトルにおいて、あまり“1”がセットされていない要素に対応する入力ベクトル要素はより大きい値となるため、次回“1”を出力する要素に選択され易くなる。この働きによって、DAC5B内の電流セグメントの使用回数が平均化され、これによりDEM処理が実現される点は、前述と同じである。このように、ベクトル量子化器が2つの信号入力であるNとMを受ける場合でも、本発明によるデシメート型DEM処理を実現することができる。
以上に説明したベクトル量子化器10Cの動作について、図12に示した数値例で説明する。ここで、ベクトルの要素数L=8である。図示した数値例では、フィードバック回路12Cからの並列出力である入力ベクトルの各要素I[1]〜I[8]は、4、8,−2,−3,1,2,−5,6の値を有し(これら値は、ボックス内に示してある)、また除算器からの商は4で余りは1である。このとき、ベクトル量子化器は、入力ベクトル要素を、その値の大きい方から商の数“4”に相当する数だけ順次選択し、そして順次選択した各要素I[2],I[8],I[1],I[6]に対応する出力ベクトル要素O[2],O[8],O[1],O[6](出力b,h,f,aに対応)を順次、値“1”にセットする(尚、出力ベクトル要素の値は、ボックス内に示している)。この処理は、ステップS1〜S3を4回繰り返すことにより行われる。次に、商4に等しい回数“1”にセットした後、余りが1であるため、次に大きな値をもつ入力ベクトル要素I[5]を選択し、そしてこの選択した入力ベクトル要素に対応する出力ベクトル要素O[5](出力eに対応)を値“0”にセットする。これは、ステップS5〜S7の実行によって行う。次に、残りの入力ベクトル要素I[3],I[4],I[7]に対応する出力ベクトル要素O[3],O[4],O[7]を“−1”にセットする。これは、ステップS4を実行することによって実現する。このようにして、出力ベクトルの値が決定される。
次に、図14を参照して、エンコード推定器22Cの回路構成を詳細に示している。図示のように、エンコード推定器22Cは、直列に接続された2つの遅延器220および222と、パターン選択ロジック224とを備えている。選択ロジック224は、ΔΣ変調器3Bの出力を直接受ける入力(d[x+1])と、その変調器出力を遅延器220を介して受ける入力(d[x])と、遅延器220の出力をさらに遅延器222を介して受ける入力(d[x−1])とを備えた構成となっている。これにより、選択ロジック224は、変調器出力における現行のサンプルd[x]とこれに隣接する前後の2つのサンプル、すなわち直前サンプルd[x−1]および直後サンプルd[x+1]を受け、そしてこれら隣接サンプルの値に基づいて推定信号を出力に発生する。この推定信号は、パターン発生器24Cに供給されて、パターン発生器24Cにおいて選択すべき使用パターンを指定する。
図15は、パターン選択ロジック224における選択アルゴリズムを示すエンコード・パターン選択表である。図16は、その選択アルゴリズムに基づくパターン選択動作を説明するための波形例を示す図である。図15のパターン選択表におけるケース1の場合、すなわち直前サンプルおよび直後サンプルの両方が現行サンプルよりも1低い場合、図16の(a)に示すように、“上に凸”のパターンを選択すべきことを示す。図16(a)では、補間エンコード対象のサンプルについて、点線は、補間エンコード前のΔΣ変調器出力を示し、そして実線は、“上に凸”のパターンが選択された結果としての補間エンコード後の出力を示している。パターン選択表におけるケース2の場合は、直前サンプルおよび直後サンプルの両方が現行サンプルよりも1高い場合であり、このときは、図16の(b)に示すように、“下に凸”のパターンを選択すべきことを示す。図16(b)では、補間エンコード対象のサンプルについて、(a)の場合と同様に、点線は、補間エンコード前のΔΣ変調器出力を示し、そして実線は、“下に凸”のパターンが選択された結果としての補間エンコード後の出力を示している。選択表におけるケース3の場合、すなわち、ケース1および2のいずれにも該当しないとき(直前サンプルおよび直後サンプルの一方が現行サンプルよりも大きく他方が現行サンプルよりも小さいとき)で、しかも現行サンプルが0以上の値をもつすなわち正のとき、図16の(c)に示すように、“上に凸”のパターンを選択すべきことを示す。図16(c)では、補間エンコード対象のサンプルについて、(a)の場合と同様に、点線は、補間エンコード前のΔΣ変調器出力を示し、そして実線は、“下に凸”のパターンが選択された結果としての補間エンコード後の出力を示している。一方、選択表のケース4の場合、ケース3のときと異なって、現行サンプルが負であるため、“下に凸”のパターンを選択すべきことを示す。選択ロジック224が発生する推定信号は、例えば、“下に凸”のパターンを示すときはローとなり、そして“上に凸”のパターンを示すときはハイとなる。
次に、図17を参照して、パターン発生器24Cの回路構成を詳細に説明する。図示のように、このパターン発生器24Cは、パターンメモリ2400と、8個のパターン・セレクタ2402a〜3402h(図12の実施形態におえるベクトル量子化器10Cの出力ベクトル要素の数8と同数)と、1つのスイッチ2404とを備えている。詳細には、パターンメモリ2400は、図示のように、時間ドメイン補間エンコードに用いる“上に凸”のパターンと“下に凸”のパターンの2つの波形データをそれぞれ格納した2つのメモリ領域A2およびA3を有している。さらに、本回路構成では、全体にわたってハイ(“1”に相当)およびロー(“−1”に相当)の2つのパターンの波形データ(これらは、補間エンコードには使用しない)を格納した2つのメモリ領域A1およびA4も有している。スイッチ2404は、2つの入力端と、1つの制御入力端と、1つの出力端を備え、2つの入力はメモリ領域A2およびA3の出力に接続され、そして制御入力端は、推定器22Cからの推定信号を受けるように接続されていて、推定信号がハイのときは“上に凸”のパターンを示すためメモリ領域A2の出力を選択し、推定信号がローのときは“下に凸”のパターンを示すためメモリ領域A3の出力を選択する。一方、パターン・セレクタ2402−a〜hは全て同じ構成のものであって、3つの入力端(“−1”、“0”、“+1”の記号で示す)と、1つの制御入力端と、1つの出力端を有している。このセレクタの3つの入力端のうち、入力端“−1”は、メモリ領域A4の出力に直接接続され、入力端“1”は、メモリ領域A1の出力に直接接続され、そして入力端“0”は、スイッチ2404の出力端に接続されている。また、このセレクタの制御入力端は、それぞれベクトル量子化器10Cの出力ベクトルのうちの対応する要素出力a〜hの対応するものに接続され、制御入力が“−1”のときは入力端“−1”の入力を選択し、制御入力が“0”のときは入力端“0”の入力を選択し、そして制御入力が“1”のときは入力端“1”の入力を選択して出力端に供給する。セレクタのこの出力端は、DAC5Bの入力に接続されている。
このような構成をもつパターン発生器24Cの動作について、図12に示した数値例を使い、また上述の図16も参照して説明する。まず、ベクトル量子化器10Cのベクトル要素出力a,b,f,hについて、図示例ではこれら出力の各々の値は1であるため、パターン・セレクタ2402a,b,f,hは、入力端“1”の入力、すなわちメモリ領域A1からの完全ハイのパターンを選択して出力する。一方、ベクトル要素出力c、d、gの場合、各要素出力の値は−1であるため、パターン・セレクタ2402c、d、gは、入力端“−1”の入力、すなわちメモリ領域A4からの完全ローのパターンを選択して出力する。これに対し、ベクトル要素出力eの場合、この要素出力の値は0であるため、パターン・セレクタ2402eは、入力端“0”の入力、すなわち推定器22Cからの推定信号に依存してメモリ領域A2またはA3からの補間エンコードのためのパターンを選択して出力し、これにより、図16(a)〜(c)に示したような補間エンコードを生じさせる。以上に説明したパターン発生器24Cでは、補間エンコード用のパターンだけでなく通常のパターンもパターンメモリ2400に格納しているが、これは、パターン発生動作にタイミング制御を容易にするという観点か採用した手法であり、したがって補間エンコード用のパターンのみをパターン・メモリに格納し、通常のパターンは、ベクトル量子化器10Cの出力をそのまま用いるように構成することもできる。
以上に説明した時間ドメイン補間エンコーディングを実施するDACBにおいても、本発明によるDEM回路を用いて、電流セグメントのスイッチング量を低減することができる。また、上述の実施形態では、オーディオ信号に関して説明したが、オーディオ信号とは異なる周波数帯域の信号例えばビデオ信号や通信用の信号にも本発明を適用することができる。さらに、上述の実施形態においては、本発明のDEM回路を用いたDACについて例示したが、本発明は、その他の電子装置、例えばアナログ−デジタル変換器(ADC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、その他の電子デバイスに用いることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明したが、それらの実施形態に対し、種々の変更、修正を行うことができることは、当業者には明らかである。
図1は、本発明の1実施形態によるDEM(ダイナミック・エレメント・マッチング)回路を示すブロック図。 図2は、1実施形態のダウン・コンバータを示すブロック図。 図3は、図1のDEM回路を用いた1実施形態のオーディオ用のデジタル−アナログ変換器(DAC)を示すブロック図。 図4は、図3のDEM回路をより詳細に示すブロック図。 図5は、図4のベクトル量子化器の入力および出力を詳細に示す図。 図6は、図5のベクトル量子化器が実行するベクトル量子化アルゴリズムを示すフローチャート。 図7は、図3および図4に示したDACにおけるDEM動作により行われるアナログ・セグメントの使用/不使用の選択例を示すチャートであって、(a)は、比較のためDEMなしの場合を、(b)は従来の1次のDEM処理を行った場合を示している。 図8は、図7と同様のチャートであって、(a)は入力データがプラスのフル・スケール近傍の場合、そして(b)はマイナスのフル・スケール近傍の場合のアナログ・セグメントの使用/不使用の選択例を示している。 図9は、図7と同様のチャートであって、本発明によるDEM処理((b)に示す)と従来の1次DEM処理((a)に示す)とを比較して示す。 図10は、図3および図4に示したDACについて、4つの異なったダウン・サンプリング比を用いたときの入力レベルとその歪み(THD+N)との関係を示すグラフである。 図11は、図1のDEM回路を用いた別の実施形態のオーディオ用のデジタル−アナログ変換器(DAC)を示すブロック図。 図12は、図11のDACのいくつかの部分を更に具体化した1実施形態の回路構成を示すブロック図。 図13は、図12のDEM回路の一部であるベクトル量子化器を詳細に示すブロック図。 図13aは、図13に示したベクトル量子化器のベクトル量子化アルゴリズムを示すフローチャート。 図14は、図12のエンコード推定器のより具体化した回路構成を示すブロック図。 図15は、図14のパターン選択ロジックにおける選択アルゴリズムを示すエンコード・パターン選択表。 図16は、図15の選択アルゴリズムに基づくパターン選択動作を説明するための波形例を示す図。 図17は、図11のパターン発生器の回路構成を示す回路図。
符号の説明
1,1A,1B,1C ダイナミック・エレメント・マッチング(DEM)回路
10 エンコーダ
10A,10C ベクトル量子化器
12 フィードバック回路
3,3B ΔΣ変調器
5,5B 電流セグメント型DAC

Claims (16)

  1. デジタル入力に対し、該デジタル入力の第1の時間レートとは異なる第2の時間レートでダイナミック・エレメント・マッチング処理を行うことによりデジタル出力を発生するダイナミック・エレメント・マッチング方法であって、
    前記第2の時間レートが前記第1の時間レートよりも低い、
    ダイナミック・エレメント・マッチング方法
  2. 請求項1記載の方法であって、
    前記デジタル入力複数の重み発生器を使用するためのものである、
    ダイナミック・エレメント・マッチング方法。
  3. デジタル入力に対し、該デジタル入力の第1の時間レートとは異なる第2の時間レートでダイナミック・エレメント・マッチング処理を行うことによりデジタル出力を発生するダイナミック・エレメント・マッチング装置であって、
    前記第2の時間レートが前記第1の時間レートよりも低い、
    ダイナミック・エレメント・マッチング装置
  4. 請求項記載の装置であって、
    前記デジタル入力複数の重み発生器を使用するためのものである、
    ダイナミック・エレメント・マッチング装置。
  5. 請求項記載の装置であって、
    前記デジタル入力を受けるように接続された第1の入力と、前記複数の重み発生器の数に対応する数の並列入力を有する第2の入力とを有するエンコーダであって、前記第1入力と前記第2入力と応答して、前記デジタル入力の大きさに対応する数の前記重み発生器を、前記第2入力に基づく組合せで選択するためのエンコーダ出力を発生し、該エンコーダ出力が、前記複数の重み発生器の数に対応する数の並列出力を有する、前記のエンコーダと、
    前記エンコーダの前記出力と前記第2入力との間に接続されたフィードバック回路であって、前記複数の重み発生器の数に対応する数の並列の経路を有し、該並列経路が、前記エンコーダ出力の並列出力と前記第2入力の並列入力との間にそれぞれ接続されている前記フィードバック回路と、
    含む、ダイナミック・エレメント・マッチング装置。
  6. 請求項記載の装置であって、
    前記フィードバック回路の前記並列経路の各々
    前記エンコーダの並列出力のうちの関連した出力を受けサンプリングレート・コンバータと、
    前記サンプリングレート・コンバータ出力を受けるループ・フィルタであって、の出力が前記エンコーダの前記第2入力の並列入力のうちの関連した入力に接続され前記ループ・フィルタと、
    有する、ダイナミック・エレメント・マッチング装置。
  7. 請求項記載の装置であって、
    前記デジタル入力、前記デジタル入力をある数で除算した結果の商と余りに対応する第1部分と第2部分とを有し、
    前記第1入力、前記第1部分を受ける入力と前記第2部分を受ける入力とを有する、
    ダイナミック・エレメント・マッチング装置。
  8. 請求項記載の装置であって、
    前記デジタル入力ΔΣ変調器の出力である、
    ダイナミック・エレメント・マッチング装置。
  9. 請求項記載の装置であって、
    前記エンコーダベクトル量子化器である、
    ダイナミック・エレメント・マッチング装置。
  10. 請求項記載の装置であって、
    前記エンコーダの前記並列出力の各々、関連する重み発生器を使用するとき第1の値を有し関連する重み発生器を使用しないとき第2の値を有する、
    ダイナミック・エレメント・マッチング装置。
  11. 請求項10記載の装置であって、
    前記エンコーダ前記並列出力の各々、関連する重み発生器を部分的に使用するとき前記第1の値と前記第2の値との間の値を有する、
    ダイナミック・エレメント・マッチング装置。
  12. 請求項記載の装置であって、
    前記サンプリングレート・コンバータ、前記デジタル入力のサンプリングレートを1/Mにするダウン・コンバータである、
    ダイナミック・エレメント・マッチング装置。
  13. 請求項記載の装置であって、
    前記ループ・フィルタ、関連する重み発生器が最近選択された回数に関連する値を発生する、
    ダイナミック・エレメント・マッチング装置。
  14. デジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル・アナログ変換装置であって、
    デジタル入力に対してΔΣ変調を行うΔΣ変調器と、
    前記ΔΣ変調器の変調出力を入力してダイナミック・エレメント・マッチング(DEM)処理を行うダイナミック・エレメント・マッチング(DEM)回路と、
    重み発生器として機能する複数のアナログ・セグメントを有し、前記DEM回路のDEM出力に応答してアナログ信号を出力するセグメント型DACと、
    を含み、
    前記デジタル入力の第1の時間レートが前記DEM処理の第2の時間レートよりも高い、
    デジタル・アナログ変換装置。
  15. デジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル・アナログ変換装置であって、
    デジタル入力をΔΣ変調するΔΣ変調器と、
    前記ΔΣ変調器の変調出力を入力する分離器と、
    前記変調出力を入力するエンコード推定器と、
    前記分離器の出力を入力してダイナミック・エレメント・マッチング(DEM)処理を行うダイナミック・エレメント・マッチング(DEM)回路と、
    前記DEM回路のDEM出力と前記エンコード推定器の出力とを入力するパターン発生器と、
    重み発生器として機能するN個のアナログ・セグメントを有し、前記パターン発生器の出力に応答してアナログ信号を出力するセグメント型DACと、
    を含み、
    前記デジタル入力の第1の時間レートが前記DEM処理の第2の時間レートよりも高く、
    前記分離器が、前記変調出力の除算演算結果の商と余りを前記DEM回路の供給する除算器を含み、
    前記エンコード推定器が、前記変調出力を入力する第1の遅延器と、前記第1の遅延器の出力を入力する第2の遅延器と、前記変調出力と前記第1の遅延器の出力と前記第2の遅延器の出力とを入力して推定信号を出力するロジック回路とを含み、
    前記パターン発生器が前記推定信号に応じたN個のパターン信号を前記セグメントDACに出力する、
    デジタル・アナログ変換装置。
  16. 請求項15に記載のデジタル・アナログ変換装置であって、
    前記DEM回路が、N個の信号を受ける第1の入力と前記分離器の出力に接続された第2の入力と前記パターン発生器にN個の信号を出力する出力とを有するベクトル量子化器と、前記ベクトル量子化器の前記出力と前記ベクトル量子化器の前記第1の入力との間の接続されたN個のフィードバック経路を有するフィードバック回路とを含む、
    デジタル・アナログ変換装置。
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