JP4887845B2 - インクジェット塗工装置 - Google Patents
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本発明は、高精細なパターンを吐出するための吐出パターン生成方法で、フィルムベースのカラーフィルタ製造、ガラスベースのカラーフィルタ製造に用いることができるインクジェット塗工装置に関するものである。
しかし、カラーフィルタの基板サイズは年々大型化が進んでいる。カラーフィルタのコストダウン化を図るためには、従来のフォトリソグラフィー工程を繰り返す顔料分散法等は無駄が多く、近年、インクジェットを用いた方法が検討されている。
また、インクジェット塗工装置では、このインクジェットヘッドユニットと基板置台とを、基板置台面上に沿って相対的に移動させ描画を行っている。基板の大型化に伴い歩留まりを考慮し、インクジェットヘッドユニットには、インクジェットヘッドを複数個整列で配置して備え、吐出液量が均一になるような吐出パターン情報を作成している(特許文献1)。
不良の発生を防止するため、ノズルから吐出され基材に着弾したインクドットの着弾位置を測定して、そのズレ量をノズルの位置で調整する方法が知られている(特許文献2〜4)。
ところが、上記特許文献4に記載の方法によると、着弾誤差測定およびヘッドアライメントを吐出工程とは別に必要であるため、その調整時間分、生産性が低下するという問題があった。そして、基材に大型硝子基板を用いた場合、特許文献4に記載の方法によっては、不良の発生を抑えることができなかった。さらに、インクジェットヘッドの移動条件の変化、インキの粘度等によっても、着弾誤差が変わるため条件を変えるたびに着弾誤差測定する必要が生じていた。
しかし、カラーフィルタ等の光学素子の製造にインクジェット塗工装置を用いた場合、非常に高い調整精度が要求される。このため、インクジェットヘッドユニットを出来るだけ軽量化・コンパクト化し、移動精度を高めることが要求されていた。
少なくとも、
(a)多数のノズルを特定方向に配列してなるインクジェットヘッドを、少なくとも1つ備えたインクジェットヘッドユニットと、
(b)前記インクジェットヘッドの位置を、前記インクジェットヘッドユニットの走査方向と直交するX方向に沿って調整する機構と、
(c)前記X方向と前記インクジェットヘッドの走査方向から形成される面に対し直交するZ軸を中心に回転する回転軸と、
(d)前記回転軸を中心に前記インクジェットヘッドを回転させる回転調整機構と、
(e)前記インクジェットヘッドの両端部に対応する位置に設置され、前記インクジェットヘッドの両端部の位置を検出する検出手段と、を備え、
前記回転軸を、前記インクジェットヘッドの多数のノズルのうち前記X方向に沿って最も端に存在するノズルの近傍に配置し、
前記回転調整機構が、偏心カムを用いてインクジェットヘッドユニットを所定の区間往復させる機構である、ことを特徴とするインクジェット塗工装置。
少なくとも、
(a)多数のノズルを特定方向に配列してなるインクジェットヘッドを、少なくとも1つ備えたインクジェットヘッドユニットと、
(b)前記インクジェットヘッドの位置を、前記インクジェットヘッドユニットの走査方向と直交するX方向に沿って調整する機構と、
(c)前記X方向と前記インクジェットヘッドの走査方向から形成される面に対し直交するZ軸を中心に回転する回転軸と、
(d)前記回転軸を中心に前記インクジェットヘッドを回転させる回転調整機構と、
(e)前記インクジェットヘッドの両端部に対応する位置に設置され、前記インクジェットヘッドの両端部の位置を検出する検出手段と、を備え、
前記インクジェットヘッドの多数のノズルのうち前記X方向に沿って最も端に存在するノズルaに対し、走査方向と平行な直線でこのノズルaを通過する直線をLとした際に、
前記回転軸を、
前記インクジェットヘッドユニット内であって、前記直線Lと平行な直線で、この直線上に存在するいずれかの点と前記ノズルaの距離が前記インクジェットヘッドの長さの1/3以下となる任意の直線上に配置し、
前記回転調整機構が、偏心カムを用いてインクジェットヘッドユニットを所定の区間往復させる機構である、ことを特徴とするインクジェット塗工装置。
前記回転軸を、インクジェットヘッドユニット内であって、前記直線Lにより区切られる2つの領域のうち、前記最も端に存在するノズルが属するインクジェットヘッドの他のノズルが存在しない領域に配置することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット塗工装置。
前記ギャップ調整機構が、少なくとも1の調整ネジにより、前記インクジェットヘッドユニットをZ軸方向に上下される機構であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット塗工装置。
また、微調機構に偏芯カムを使用すると、稼動範囲最端でも干渉することがないため、移動範囲最終端付近で駆動を逆回転させて干渉を防ぐ必要がない。移動範囲が予め決まっており、その範囲を逸することがないためである。従って、干渉を防ぐためのストロークエンド検知手段を必要とせずさらに、低重量化できた。また、移動範囲が予め定まっているため、モーター等により電動駆動化した場合であっても、誤動作等によるインクジェット塗工装置の損傷が発生しなかった。
このため、インクジェットヘッドの相互関係およびノズルギャップを、効率よく正確に調整することができた。さらに、塗工基材への試し塗工や塗工精度測定する必要がなく、生産性向上および低コスト化をはかることができた。
回転軸をこのような位置に配置することにより、インクジェットヘッドの回転ずれを修正する際に両端部の位置の調整を簡便なプロセスで行なうことができた(図8)。
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット塗工装置および周辺設備の全体図である。インクジェット塗工装置は、塗工基材搬送ステージ2、インクジェットヘッドユニット14、インクジェットヘッドユニット移動軸4、メインコントローラ10、吐出制御部9で構成されている。
塗工基材搬送ステージ2には塗工対象となる基材を搭載する。基材としてカラーフィルタ、有機エレクトロルミネセンス素子、配線回路基板、バイオチップなど精細なパターンを有する素子等を挙げることができる。以下ではカラーフィルタを形成する場合を例として説明する。基材搬送ステージ2は、所定の基材搬送ステージ搬送方向11(以下、Y方向又は走査方向ともいう。)に沿って移動する。
インクジェットヘッドユニット14はインクジェットヘッドユニット移動軸4上を移動する。インクジェットヘッドユニット移動軸4は、インクジェットヘッドユニットの走査方向11と直交している。この軸と平行方向をX方向とする。
塗工基材搬送ステージ2は、塗工基材1を固定するための真空吸着穴を備え、基材表面より突出するものなく基材を固定することができる。これによって、塗工基材1とインクジェットヘッド13のギャップを極小に近づけられる。
吐出制御部9には、インクジェットヘッドユニット移動の軌跡の直線性の測定値を記憶する記憶部(図示しない)が内蔵されている。
これによって、インクジェットヘッドユニットのX軸上の任意の位置での直線性を把握することができ、仮にインクジェットヘッドユニット14が所望の位置において、X軸に対し直線でないとしても、その位置での直線性(ズレ)に応じてノズルの吐出タイミングを変えることで、塗工精度を補正することができる。
インクジェットヘッドユニット14は複数のインクジェットヘッドを備えている。インクジェットヘッドは、インクを吐出する複数のノズルを備えている。このノズルの間隔を所定の間隔になるようインクジェットヘッドは好ましい方向に配向していなければならない。インクジェットヘッドの配向が所定の向きからずれることをインクジェットヘッドの回転ズレという。このため、インクジェット塗工装置は回転方向(以下、θ方向ともいう)のズレを補正するためのθ調整機構15を備えている。θ調整機構15により、インクジェットヘッドユニットが複数のインクジェットヘッドを搭載する際、当該複数のインクジェットヘッドの全体の大まかな方向を調整することができる。
しかし、複数のインクジェットヘッドを用いる場合、個々のインクジェットヘッドの向きをさらに調整しなければならない。
図1にはこのインクジェットヘッドの回転ズレを検出するための検出手段(倒立顕微鏡7)が2つ示されている。具体的には、この検出手段のうち一方が、インクジェットヘッドの端部のノズルを検出するように設置する(図7(a))。そして、回転調整機構(図示せず)により、インクジェットヘッドを回転軸を中心に回転させる。すると、インクジェットヘッドの端部が検出手段の検出範囲外に逸脱する(図7(b))。そこで、インクジェットヘッドを走査方向に移動し、再びインクジェットヘッドの端部を検出手段で検出するように調整する。この作業を繰り返し最終的に2つの検出手段の両方で、インクジェットヘッドの端部を検出するように調整を行う(図7(c))。以上の作業を個々のインクジェットヘッドにおいて行うことにより回転ズレの修正が完了する。
本発明では、この回転軸を、インクジェットヘッドの端部に対応する位置に配置しているため(図8(a))、上記調整工程を一度で完了することができる(図8(b))。
また、インクジェットヘッドが傾き、Z軸方向17(上下方向)のズレが生じる場合がある。このZ軸方向の傾きを修正するため、ギャップ調整機構(図示せず)を設けることができる。
インクジェットヘッド13は、基材搬送方向と直交する方向に平行に配置されている。
ノズルの間隔を偏向する場合には、インクジェットヘッドを所定の角度傾けることも可能である。また、ノズル範囲よりインクジェットヘッド本体の幅が広いため、隣り合うインクジェットヘッドは、基材搬送方向にずらした千鳥状の配置となっている。このため、インクジェットヘッドに属するノズルの吐出タイミングを、当該インクジェットヘッドと隣接するインクジェットヘッドとの間に生じるY方向の距離に応じて、変えることによりインク吐出を直線状することができる。
インクジェットヘッド取付け部21には、ウィング32の下面からインクジェットヘッドのノズル面33までの高さを調整するZ調整ネジZ1〜Z8(24〜31)が備わっており、これにより高さ調整および固定をすることができる。
インクジェットヘッドが1個の場合は、Z調整ネジZ1〜Z4(24〜27)を使用し、インクジェットヘッドが2個の場合は、Z調整ネジZ5〜Z8(28〜31)を使用して調整および固定することができる。
また、インクジェットヘッド取付け部には、インクジェットヘッドのX方向の位置を調整するためのX調整ネジX1〜X4(34〜37)が備わっており、これによりX方向の位置調整および固定をすることができる。
インクジェットヘッドが1個の場合は、X調整ネジX1(34)、X2(35)を使用し、インクジェットヘッドが2個の場合は、X調整ネジX3(36)、X4(37)を使用して調整および固定することができる。
さらに、インクジェットヘッド取付け部には、回転調整機構として、弾性変形可能なインクジェットヘッド保持板38をY方向に変形させるための偏芯カム1(40)が備わっており、インクジェットヘッドが2個の場合、回転軸(211)を中心にインクジェットヘッドの傾きを変えることができ、2個が平行になるようθ方向調整ができる。
調整ステージ22には、X方向に移動させるためのリニアガイド(55)を備えている。またリニアガイドに沿ってインクジェットヘッド取付け部を移動させる機構(X方向に沿って調整する機構)として、偏芯カム2(59)が備えられている。また調整後の位置を固定するためX固定ネジ(60)が備えられている。これにより、インクジェットヘッド取付け部に取付けられたインクジェットヘッドのX方向の調整および固定ができる。
また、調整ステージには、θ方向に回転させるための回転軸51、上下動押えピン1〜3(52〜54)、回転調整機構として偏芯カム3(57)およびθ固定ネジ(58)が備えられている。
これにより、インクジェットヘッド取付け部に取付けられたインクジェットヘッドのθ方向調整および固定ができる。ここで、回転軸51を、インクジェットヘッドノズル列41の最端ノズル50のX位置の近傍に配置することにより、インクジェットヘッドの回転ずれを修正する調整(θ方向の調整)の際に両端部の位置の調整を従来よりも簡便なプロセスで行なうことができた。即ち、インクジェットヘッドのθ方向調整の際の当該インクジェット最端ノズルのY方向位置のズレを最小にすることにより、インクジェットヘッドのもう一方の端部のノズルのみを倒立顕微鏡で検出すればθ方向調整をすることができるのである。
さらに、調整ステージにはZ方向に高さ調整するためのZ調整ネジ1〜4(42〜45)と固定ネジ1〜4(46〜49)が備わっている。ここで、高さ検知手段は、レーザー変位計(図示しない)でも倒立顕微鏡の焦点位置合せでもかまわない。これにより、インクジェットヘッドの高さおよびノズル列の左右の高さの差を最小となるように調整し、固定することができる。
2…基材搬送ステージ
3…メンテナンスステーション
4…インクジェットヘッドユニット移動軸(X軸)
5…リニアスケール
6…インクジェットヘッドユニット移動ベース
7…倒立顕微鏡
8…搬送ステージ制御部
9…吐出制御部
10…メインコントローラ
11…基材搬送ステージ搬送方向(Y方向)
12…インクジェットヘッドユニット移動方向(X方向)
13…インクジェットヘッド
14…インクジェットヘッドユニット
15…θ調整機構(θ軸)
16…昇降機構(Z軸)
17…Z方向
18…θ方向
19…インクジェットヘッドベース板
20…アライメントマーク
21…インクジェットヘッド取付け部
211…回転軸
22…調整ステージ
23…インクジェットヘッドユニットベース
24…Z調整ネジZ1
25…Z調整ネジZ2
26…Z調整ネジZ3
27…Z調整ネジZ4
28…Z調整ネジZ5
29…Z調整ネジZ6
30…Z調整ネジZ7
31…Z調整ネジZ8
32…ウィング
33…ノズル面
34…X調整ネジX1
35…X調整ネジX2
36…X調整ネジX3
37…X調整ネジX4
38…弾性変形可能なインクジェットヘッド保持板
39…インクジェットヘッド保持板締結部
40…偏芯カム1
41…インクジェットヘッドノズル列
42…Z調整ネジ1
43…Z調整ネジ2
44…Z調整ネジ3
45…Z調整ネジ4
46…固定ネジ1
47…固定ネジ2
48…固定ネジ3
49…固定ネジ4
50…最端ノズル
51…回転軸
52…上下動押えピン1
53…上下動押えピン2
54…上下動押えピン3
55…リニアガイド
56…位置決めピン
57…偏芯カム3
58…θ固定ネジ
59…偏芯カム2
60…X固定ネジ
81…インクジェットヘッドユニットの一部
82…インクジェットヘッド
83…ノズル
84…回転軸
Claims (5)
- 少なくとも、
(a)多数のノズルを特定方向に配列してなるインクジェットヘッドを、少なくとも1つ備えたインクジェットヘッドユニットと、
(b)前記インクジェットヘッドの位置を、前記インクジェットヘッドユニットの走査方向と直交するX方向に沿って調整する機構と、
(c)前記X方向と前記インクジェットヘッドの走査方向から形成される面に対し直交するZ軸を中心に回転する回転軸と、
(d)前記回転軸を中心に前記インクジェットヘッドを回転させる回転調整機構と、
(e)前記インクジェットヘッドの両端部に対応する位置に設置され、前記インクジェットヘッドの両端部の位置を検出する検出手段と、を備え、
前記回転軸を、前記インクジェットヘッドの多数のノズルのうち前記X方向に沿って最も端に存在するノズルの近傍に配置し、
前記回転調整機構が、偏心カムを用いてインクジェットヘッドユニットを所定の区間往復させる機構である、ことを特徴とするインクジェット塗工装置。 - 少なくとも、
(a)多数のノズルを特定方向に配列してなるインクジェットヘッドを、少なくとも1つ備えたインクジェットヘッドユニットと、
(b)前記インクジェットヘッドの位置を、前記インクジェットヘッドユニットの走査方向と直交するX方向に沿って調整する機構と、
(c)前記X方向と前記インクジェットヘッドの走査方向から形成される面に対し直交するZ軸を中心に回転する回転軸と、
(d)前記回転軸を中心に前記インクジェットヘッドを回転させる回転調整機構と、
(e)前記インクジェットヘッドの両端部に対応する位置に設置され、前記インクジェットヘッドの両端部の位置を検出する検出手段と、を備え、
前記インクジェットヘッドの多数のノズルのうち前記X方向に沿って最も端に存在するノズルaに対し、走査方向と平行な直線でこのノズルaを通過する直線をLとした際に、
前記回転軸を、
前記インクジェットヘッドユニット内であって、前記直線Lと平行な直線で、この直線上に存在するいずれかの点と前記ノズルaの距離が前記インクジェットヘッドの長さの1/3以下となる任意の直線上に配置し、
前記回転調整機構が、偏心カムを用いてインクジェットヘッドユニットを所定の区間往復させる機構である、ことを特徴とするインクジェット塗工装置。 - 前記回転軸を、インクジェットヘッドユニット内であって、前記直線Lにより区切られる2つの領域のうち、前記最も端に存在するノズルが属するインクジェットヘッドの他のノズルが存在しない領域に配置することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット塗工装置。
- 前記インクジェットヘッドユニットの前記Z軸方向の傾きを修正するギャップ調整機構を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット塗工装置。
- 前記ギャップ調整機構が、少なくとも1の調整ネジにより、前記インクジェットヘッドユニットをZ軸方向に上下される機構であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット塗工装置。
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