JP4886988B2 - 樹脂封止型エンジンコントロール装置並びにその製造方法 - Google Patents

樹脂封止型エンジンコントロール装置並びにその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フレキシブル基板上に実装された各種電子部品をコネクタ及び金属ベースと一体で樹脂封止した構成を有するコントロール装置及びその製造方法に係り、特に、自動車,船舶、または農耕電動機用の各種用途に好適なコントロール装置及びその製造方法に関する。
従来、自動車用の各種コントロール装置(例えば、エンジンコントロール装置,モータコントロール装置,自動変速機コントロール装置など)は、室内用やエンジンルーム内に配置されていた。これらのコントロール装置の構造としては、プリント基板上に電子部品を実装し、このプリント基板を金属ベースに固定し、さらにカバーケースで覆う構成のものが一般的である。
近年、取付スペースの制限やハーネスの削減などの要望により、オンエンジン形式のコントロール装置が検討されている。また、自動車の電子化に伴い、コントロール装置の高性能,高機能化が必要となっているが、搭載電子部品であるマイコンやパワー半導体による発熱が従来以上に大きくなっている。この他に、燃費削減やCO2 削減の目的から、ガソリンエンジンの代わってディーゼルエンジンが開発されるようになっている。さらに、燃費向上や環境問題の点から、自動車用途に限らず船舶や農耕電動機でも電子制御によるエンジンコントロールが望まれている。
プリント基板を用いたコントロール装置は、耐熱性や放熱性の点でオンエンジン用として用いるには制約がある。セラミック基板を用いたコントロール装置は耐熱性や放熱性が高いため、オンエンジン用として適用が可能であるが、やや高価である。また、従来のエンジンコントロール装置はコネクタ端子とコネクタ樹脂とのの界面または金属ベースとカバーケースとの界面からの吸湿や腐食性ガスの侵入が問題となっている。特に、ディーゼルに含まれる硫黄成分からのSO2 などの発生ガスはコントロールユニット内の電子部品や配線を腐食する可能性が高い。船舶や農耕電動機用の電子制御コントロールユニットでは、耐熱性や防水性だけではなく、耐振動性や耐塩水性などの機能が自動車用途以上に求められている。
これらの要求をみたすため、オンエンジン形式に適用可能なコントロール装置の構成としては、セラミック基板やプリント基板を用いてトランスファモールド実装によって外部リードと基板を一体成形したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、防水性,耐塩水性,耐振動性を考慮した構成としては、ペースト樹脂を加熱硬化する低圧(減圧)成形法により、コネクタと基板を一体成形したものがあるコントロール装置の放熱性を上げるためには、電子部品を搭載する基板として、厚さの薄い導電シート(フレキシブル基板)を用いた電気装置が提案されている(特許文献1参照)。
特許第3160033号公報
しかしながら、特許第3160033号公報に記載の導電シートは厚さが薄いため、電子部品の発熱を金属ベースへ逃がすものとして最適であるが、逆に、電子部品と金属ベースとの膨張係数による差が接合はんだに対して応力を発生させることになり、接続寿命の点で問題がある。また、電子部品が基板と半田のみで接合されているため、振動に対しても弱い傾向にある。
本発明は、生産性が高く、小型化が可能であるとともに、耐熱性,放熱性,耐震性,防水性などの各種信頼性を向上したエンジンコントロール装置並びにその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも各種電子部品を搭載したフレキシブル基板,コネクタ,金属ベースを有するエンジンコントロール装置において、前記各種電子部品を搭載したフレキシブル基板,コネクタ、及び金属ベースを無機フィラを含む室温で固形のエポキシ樹脂系成形材料を用いて一体成形し、しかもコネクタの外部端子がフレキシブル基板に対して垂直に配置した構成を有することを特徴とする樹脂封止型エンジンコントロール装置である。本発明で使用するフレキシブル基板は数十〜数百ミクロンと薄く、パワー半導体などからの発熱を金属ベースへ容易に放熱する構成であり、さらにフレキシブル基板,コネクタ、及び金属ベースを低熱膨張性エポキシ樹脂成形材料で一体モールドする。本発明では、コネクタの端子をフレキシブル基板に対して垂直に配置した状態で一体成形する構成であるため、コネクタの基板への接続・接合ならびに樹脂一体モールドが容易となる。
また、本発明は、少なくとも金属ベースの表と裏の両面に接着剤または粘着剤を用いて配設された各種電子部品を搭載したフレキシブル基板と金属ベースに装着・接合したコネクタを有し、しかも前記各種電子部品を搭載したフレキシブル基板,コネクタ、及び金属ベースを無機フィラを含む室温で固形のエポキシ樹脂系成形材料を用いて一体成形した構成を有することを特徴とする。本発明では、金属ベースの表と裏の両面に各種電子部品を搭載したフレキシブル基板に配設することにより、電子部品の実装面積を広くできる。フレキシブル基板は多層化すると価格の急激な上昇やスルーホール信頼性低下がみられるが、本発明では2層化フレキシブル基板をある程度の面積で用いることができるため、実装面積の確保,高生産性化、並びに高信頼性化に対応できる。また、金属ベースの表裏面に貼り合わせるフレキシブル基板の一方の面が別の面よりもお互いに幅広にして、コネクタを配置する基板と電子部品を搭載する基板を分けることにより、電子部品の実装面積の確保とコネクタの基板への接続を容易にする。この構成は、金属ベース基板をコアにして、その両面サイドに無機フィラを含む室温で固形のエポキシ樹脂系成形材料をモールドした構成であるため、コントロール装置の反りや熱応力低減には効果の大きな構造である。
さらに、本発明では、各種電子部品を搭載したフレキシブル基板を金属ベース上に接着剤または粘着剤を用いて貼り合わせ、コネクタの外部端子がフレキシブル基板に対して垂直に配置するようにコネクタを装着・接合した後、フレキシブル基板を内含するように金属ベース板を折り曲げ、コネクタの外部端子接合部分を除いた全体を無機フィラを含む室温で固形のエポキシ樹脂系成形材料を用いて一体成形した構成を有することを特徴とする。かかる構成により、フレキシブル基板とベース金属との接着または貼り付けが容易になる。また、コントロールユニット両面が金属ベースに被われている構成であるため、電気的なノイズ耐性や機械的な強度と放熱性も向上する。また、コントロール装置の反りや熱応力に対しても、上下で対照な構成となるため、高信頼性を達成できる構造である。
本発明においては、フレキシブル回路基板上に実装した電子部品及びコネクタと金属ベースを完全に覆い隠すように封止するために用いる樹脂が、無機質フィラを含む40℃以下において固形のエポキシ樹脂成形材料であることを特徴としており、通常の樹脂封止型半導体装置用封止材料と同じものを使用することができる。この固形のエポキシ樹脂成形材料は、加熱加圧下による一体成形を行うには最も適した封止樹脂であり、成形性と電気・電子モジュールの信頼性を同時に確保することができる。さらに、このエポキシ樹脂成形材料はポリブチレンテレフタレート,ナイロン、またはポリフェニレンサルファイドからなる樹脂コネクタとの接着性にも優れることも分かり、耐久試験において懸念されるコネクタ内の外部接続金属端子の断線や剥離は見られないため、信頼性向上には大きな効果がある。接着性が向上した理由のひとつとしては、成形温度が150〜180℃であるため、コネクタ樹脂の界面とエポキシ樹脂との分子の絡まり合いが生じて強固な接着界面を形成することが挙げられる。エポキシ樹脂成形材料に含まれる無機質フィラとしては、溶融シリカ,結晶性シリカ,アルミナ,酸化マグネシウムなどの破砕状または球状の少なくとも1種類以上を用いることができる。エポキシ樹脂成形材料としては、エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤とからなる組成であり、40℃以下で固形のオルソクレゾール型エポキシ樹脂,ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂,ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂,ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂またはビスフェノールA型エポキシ樹脂などと、フェノールノボラック樹脂,オルソクレゾールノボラック樹脂,ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール樹脂、またはナフタレン骨格を有するフェノール樹脂などとの組み合わせから得ることができる。また、エポキシ樹脂成形材料には低弾性率化による低応力化を図るため、シリコーンゴムまたはオイルやブタジエン系ゴムなどの低応力化材を含むことができる。
本発明では、フレキシブル回路基板上に実装した電子部品及びコネクタと金属ベースの封止樹脂としては、その硬化後の樹脂物性が
線膨張係数;8〜25×10-6/℃
弾性率;8〜25GPa
ガラス転移温度;80〜160℃
であることを特徴とする。これらの樹脂物性は、電子部品,フレキシブル回路基板,金属ベース板の線膨張係数による差から発生する応力、または電子部品の回路基板へのはんだ付けなどによる接合部分への応力を低減するために決められるものであり、線膨張係数はこれらの部材へできるだけ近づける必要があるため、本発明では8〜25×10-6/℃の範囲にある。また、本発明のコントロール装置では線膨張係数の異なる電子部品や各種部材を用いるため、低応力化のためには線膨張係数の規定の他に、低弾性率化が好ましいが、成形時の金型離型性を確保するために弾性率は8〜25GPaの範囲にある。ガラス転移温度も、低応力の観点からは低い方が好ましいが、成形時の金型離型性やモジュールの耐熱性の観点から80〜160℃が好適である。
本発明におけるコネクタ,金属ベース、及び電子部品を搭載したフレキシブル基板の一体モールド構造の成形は、成形圧力が5〜70kg/cm2 、成形温度が150〜190℃の範囲において低圧トランスファモールド成形機またはコンプレッション成形機を用いて行う。これらの成形条件は、次の理由により、樹脂封止形半導体装置の成形条件(170〜180℃,70〜100kg/cm2 )と比べて、低圧かつ低温であることが特徴である。すなわち、成形時にコネクタの変形を防止するために70kg/cm2 以下の低圧成形が必要であること、または電子部品と回路基板との接合がSn/Pb共晶はんだで行われる場合には、Sn/Pb共晶の融点が183℃であるため、この温度よりも低い170℃以下で成形する必要がある。しかし、逆に、成形圧力が5kg/cm2 未満では樹脂中にボイド発生や樹脂充填不足が発生すること、さらに成形温度が150℃未満では樹脂の硬化不足によって成形時間が5分以上となり、生産性が極端に悪くなること、などの観点から、成形条件としては前記の範囲が好適である。なお、本発明では、電子部品と回路基板との接合を
Pbフリーの高融点半田(Sn/Ag/In系やSn/Ag/Cu系)で行う場合は、半田融点が200℃以上であるため、成形温度を170〜190℃に設定することができる。
本発明は、各種電子部品を搭載した薄いフレキシブル基板を金属ベースに接着または貼り合わせた後、基板に垂直に配置したコネクタとともに低熱膨張性のエポキシ樹脂成形材料でモールドする構成であるため、生産性の向上,コントロール装置の小型化、及び各種信頼性の向上を図ることができる。特に、樹脂一体モールドによって基板や各種電子部品の金属ベース基板への固定が強固となり、耐振動性,放熱性,電子部品と基板との導電材料(半田や導電性接着剤)の接合信頼性が大幅に向上する。また、本発明の低熱膨張性エポキシ樹脂成形材料はフレキシブル基板,金属ベース,コネクタ用樹脂との接着性が高く、モールド後のコントロール装置においてモジュールの反りや熱応力を低減できる構成であるために、防水性や腐食性ガスに対する気密性、並びに温度サイクル信頼性や高低温放置信頼性などを大幅に向上できる。
本発明は、比較的安価なフレキシブル基板を用いながら、しかも電子部品の実装面積を広くできる構成であるために、従来機能を有するコントロール装置のみならず電子部品搭載数が多い高機能・高性能のコントロール装置を安価に生産できる。また、基板は金属ベース上に配置した構成となっているため、あらゆるコントロール装置において高放熱性を維持できる。
本発明形態によるエンジンコントロール装置は、自動車,船舶、または農耕電動機用コントロールユニットとして用いられるものであり、その構成と製造方法を実施例を用いて説明する。
参考例1
図1A〜図1Eは、本発明の参考例によるコントロール装置の構成並びに製造方法を示す図である。
図1Aに示すように、2層のポリイミド系フレキシブル基板1の片面上に、Sn/Pb共晶はんだペースト材を印刷した後、半導体パッケージ2とチップ抵抗品,セラミックコンデンサ,アルミコンデンサなどのチップ部品3を自動搭載機にて搭載して、基板1を最高温度215〜240℃のリフロー炉内を通して、はんだ接合する。
基板1は、フラックスを除去するために炭化水素系溶剤にて洗浄した後、所定温度,時間で乾燥する。ここで、無洗浄用の半田フラックスを用いる場合は、電子部品搭載後の洗浄工程を省くことができる。
次に、図1Bに示すように、電子部品を搭載した基板1を片面凹形状を有する金属ベース4上に低弾性の粘着材を用いて貼り付ける。この工程では、一般に低弾性の粘着材をあらかじめ金属ベース上に貼り付け、粘着材片側に付着している離型紙をはがした後に、基板1を押し付けつる方法を採用する。低弾性の粘着材としては、粘ちょう性の液状樹脂またはフィルムのどちらかを用い、アクリル樹脂,ポリウレタン樹脂,エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂などの粘着性樹脂が単独で、またはポリウレタンフィルムやポリエステルフィルムの両面に前記の低弾性粘着性樹脂を塗布した3層構造のものを用いることができる。本実施例では、粘着材の代わりに低弾性の接着剤を用いることもできる。低弾性の接着剤としては、アクリル樹脂,ポリウレタン樹脂,エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂などがあり、室温硬化型または加熱硬化型のどちらも用いることができる。
図1C−(1)や図1C−(2)に示すように、コネクタ外部金属端子6を有する樹脂コネクタ5は、基板を搭載した金属ベースに配置した後、フロー半田によって基板と接続する。ここで得られたコントロール装置は、図1Dに示すように、トランスファモールド機に配置された170℃の金型7内に挿入後、線膨張係数15ppm /℃,弾性率18Gpa,ガラス転移温度125℃の硬化物物性を有する室温で固形のエポキシ樹脂成形材料8を用いて、プランジャー9によって成形圧力30kg/cm2 で前記エポキシ樹脂成形材料を押込み3分間で成形硬化を行う。また、本発明では、成形後のモールド樹脂内のボイド発生を抑えるために、トランスファモールド機に真空装置を付加して、減圧下でトランスファ成形を行うこともできる。
そして、図1E−(1)と図1E−(2)に示すように、装置を金型7から脱着させた後、プログラム書き込み及び電気導通検査を経て、本発明形態によるエンジンコントロール装置を得る。
参考例2
図2A〜図2Dは、本発明の参考例によるコントロール装置の構成並びに製造方法を示す図である。
図2A−(1)と図2A−(2)に示すように、実施例1と同様な方法で、金属ベース基板上に各種電子部品を搭載したフレキシブル基板を貼り合わせ(または接着し)た後、さらにコネクタを配置したコントロール装置を得る。
次に、図2Bに示すように、コンプレッションモールド機に配置された金型7の下型内に挿入し、線膨張係数15ppm /℃,弾性率18Gpa,ガラス転移温度125℃の硬化物物性を有する室温で固形のエポキシ樹脂成形材料粉末10、またはグラニュー粉やタブレットの所定量を投入した後、金型7の上型部分を押し下げてコンプレッション成形を行う(図2C)。この時の金型温度は165℃に設定し、成形材料粉末またはグラニュー粉が熱により溶融するのを待って(待機時間としては、金型温度における成形材料のゲル化時間の5〜30秒前を目安とする)、成形圧力5〜70kg/cm2 の元に金型上型を所定の速度で押し下げる方法を採用する。また、本発明では、成形後のモールド樹脂内のボイド発生を抑えるために、コンプレッションモールド機に真空装置を付加して、減圧下でコンプレッション成形を行うこともできる。
そして、図2D−(1)と図2D−(2)に示すように、装置を金型7から脱着させた後、プログラム書き込み及び電気導通検査を経て、本発明形態によるエンジンコントロール装置を得る。
以上のように、参考例で構成する本発明形態のコントロール装置は、各種電子部品と放熱性に優れるフレキシブル回路基板の封止,コネクタ並びに金属ベースとの接着及びコントロール装置全体の構造体の成形が1種類のエポキシ樹脂成形材料で同時にできるため、従来から用いていたカバー用キャップ,電子部品防湿用コート膜,振動防止用電子部品固定樹脂などが不要となる。また、粘着材や接着剤によって金属ベース貼り合わせるフレキシブル基板は、その端の剥がれを防止するために、端を剥き出しにしないようにポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂からなる接着剤でカバーする必要があるが、本発明ではエポキシ樹脂成形材料による一体成形を行うため、この接着剤も不要となる。以上により、部品点数の削減と工数低減が可能となる。
さらに、カバー用キャップを省略でき、しかも、封止面積を最小化できるので、コントロール装置を薄型化でき、また、小型化できる。
本発明で用いる室温で固体のエポキシ樹脂成形材料は半導体封止材料と同じ特性を有するため、フレキシブル基板の膨張係数に近い低熱膨張性を達成し、さらに低吸湿性および高接着性であるため、成形後の電気・電子装置の高信頼性を図ることができる。
また、金型を用いた加圧または減圧加圧成形法であるため、製品の外形形状の自由化が可能であり、しかも樹脂封止層の厚さを電子部品の厚さに応じて変えることによってコントロール装置の反りや応力を低減できるため、信頼性を向上することができる。
以上のように構成することにより、本発明形態のコントロール装置は、従来よりも小型で、かつ薄型とすることができる。また、信頼性においても、−40〜130℃の熱衝撃試験において2000サイクル以上、85℃85%の高温高湿試験において2000時間以上、振動5Gにおいて2000時間以上でも、正常な動作を示すものである。
〔実施例
図3A〜図3Eは、本発明の実施形態によるコントロール装置の構成並びに製造方法を示す図である。
図3Aに示すように、電子部品接続用の回路パターンが形成された部分とそれらを電気的に接続する回路パターンを有し、後者が屈曲部となる2層のポリイミド系フレキシブル基板を用い、それら基板の片面上に、Sn/Ag/Cu系はんだペースト材を印刷した後、半導体パッケージとチップ抵抗品,セラミックコンデンサ,アルミコンデンサなどのチップ部品を自動搭載機にて搭載して、基板を最高温度230〜250℃のリフロー炉内を通して、はんだ接合を行う。なお、本実施例では、図3C−(1)の上面図に示すように、フレキシブル基板の一方の面が別の面よりもお互いに幅広である。一方の面はコネクタを装着できるように横長の形状となっており、別の面は電子部品の実装面積を広げるために、縦長形状となっている。
次に、図3Bに示すように、電子部品を搭載した基板を両面凹形状を有する金属ベース11の両面に低弾性の粘着材を用いて貼り付ける。
図3C−(1)や図3C−(2)に示すように、金属外部端子を有する樹脂コネクタを、基板を搭載した金属ベースに配置した後、Sn/Ag/Cu系フロー半田によって基板と接続する。ここで得られたコントロール装置は、図3Dに示すように、トランスファモールド機に配置された175℃の金型7内に挿入後、線膨張係数15ppm /℃,弾性率
13GPa,ガラス転移温度155℃の硬化物物性を有する室温で固形のエポキシ樹脂成形材料を用いて、成形圧力30kg/cm2 において90秒間で成形硬化を行う。
そして、図3E−(1)と図3E−(2)に示すように、装置を金型から脱着させた後、プログラム書き込み及び電気導通検査を経て、本発明形態によるエンジンコントロール装置を得る。
以上のように構成することにより、本発明形態によるコントロール装置の信頼性は−40〜150℃の熱衝撃試験3000サイクル以上、−55〜150℃の熱衝撃試験において2000サイクル以上、85℃85%の高温高湿試験において2000時間以上、振動5Gにおいて2000時間以上でも、正常な動作を示す。
参考例3
図4A〜図4Eは、本発明の参考例によるコントロール装置の構成並びに製造方法を示す図である。
図4Aに示すように、実施例3と同様な方法で、金属ベース基板上に各種電子部品を搭載したフレキシブル基板を貼り合わせ(または接着し)た後、さらにコネクタを配置したコントロール装置を得る。
次に、図4B−(1)に示すように、電子部品を搭載した基板コネクタを装着した金属ベースを部品搭載されていないフレキシブル基板のフリーな部分で折り曲げて、お互いに付き合わせる形状にする。お互いの位置合わせと厚み管理はスペーサ13を用いて容易に行うことができる。
ここで得られたコントロール装置は、図4C−(1)や図4D−(1)に示すように、トランスファモールド機に配置された175℃の金型7内に挿入後、線膨張係数15ppm /℃,弾性率18Gpa,ガラス転移温度125℃の硬化物物性を有する室温で固形のエポキシ樹脂成形材料を用いて、成形圧力30kg/cm2 において90秒間で成形硬化を行う。
そして、コントロール装置を金型から脱着させた後、プログラム書き込み及び電気導通検査を経て、本発明形態によるエンジンコントロール装置を得た後に、図4Eに示すような方法で取付けを行う。
一方、図4B−(2)に示す方法では、図4Aで得られたコントロール装置を、まず、トランスファモールド機に配置された175℃の金型7内に挿入後、線膨張係数15ppm /℃,弾性率18Gpa,ガラス転移温度125℃の硬化物物性を有する室温で固形のエポキシ樹脂成形材料を用いて、成形圧力30kg/cm2 において90秒間で成形硬化することにより、電子部品の樹脂封止とコネクタの固定を行う。
次に、図4C−(2)に示すように、樹脂モールドされていないフレキシブル基板のフリーな部分で折り曲げて、お互いに付き合わせる形状にする。
さらに、図4D−(2)に示すように、図4C−(2)で得られたコントロール装置をトランスファモールド機に配置された175℃の金型7内に挿入後、線膨張係数15ppm /℃,弾性率18Gpa,ガラス転移温度125℃の硬化物物性を有する室温で固形のエポキシ樹脂成形材料を用いて、成形圧力30kg/cm2 において90秒間で成形硬化を行う。
そして、コントロール装置を金型から脱着させ、プログラム書き込み及び電気導通検査を経て、本発明形態によるエンジンコントロール装置を得た後に、図4Eに示すような方法で取付けを行う。
以上のように構成することにより、本発明形態によるコントロール装置の信頼性は実施例と同様に、−40〜150℃の熱衝撃試験3000サイクル以上、−55〜150℃の熱衝撃試験において2000サイクル以上、85℃85%の高温高湿試験において2000時間以上、振動5Gにおいて2000時間以上でも、正常な動作を示すことを確認した。
なお、実施例および実施例1で説明した本発明によるコントロールユニットは、パワー半導体としてトータル発熱7W以上の素子を搭載しても、前記の信頼性評価時間では正常に動作することが分かったため、放熱性の点でも優れている。
本発明によれば、エンジンコントロール装置の生産性が向上し、小型薄型化が可能であるとともに、放熱性,耐振性,防水性,気密性,熱衝撃性などの各種信頼性が向上する。
参考例となるエンジンコントロール装置の構成と製造方法を示す工程図である。 参考例となるエンジンコントロール装置の構成と製造方法を示す工程図である。 本発明の実施形態によるエンジンコントロール装置の構成と製造方法を示す工程図である。 参考例となるエンジンコントロール装置の構成と製造方法を示す工程図である。
符号の説明
1…フレキシブル基板、2…半導体パッケージ、3…チップ部品、4…片面凹形状を有する金属ベース、5…樹脂コネクタ、6…コネクタ外部金属端子、7…金型、8…エポキシ樹脂成形材料、9…成形機プランジャー。

Claims (2)

  1. 電子部品と、前記電子部品を搭載するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板に配設されたコネクタと、前記フレキシブル基板と前記コネクタとを搭載する金属ベースと、前記フレキシブル基板、前記コネクタ、及び前記金属ベースを一体成形する成形材料とを備えるエンジンコントロール装置であって、
    前記成形材料は無機フィラを含む室温で固形のエポキシ樹脂系成形材料であり、
    前記コネクタは前記フレキシブル基板に対して垂直に装着・接合され、
    前記金属ベースは両面凹形状であり、
    前記フレキシブル基板は前記金属ベースの表と裏の両面に接着剤又は粘着剤を用いて、当該金属ベースを挟むように屈曲して貼り付けられ、
    当該フレキシブル基板の、当該金属ベースの表側の面に位置する部分は当該金属ベースの裏側の面に位置する部分よりも横方向に長く、裏側の面に位置する部分は表側の面に位置する部分よりも縦方向に長いエンジンコントロール装置。
  2. 電子部品を搭載するフレキシブル基板を、両面凹形状の金属ベースの表と裏の両面に、前記金属ベースの表側の面に位置する部分が前記金属ベースの裏側の面に位置する部分よりも横方向に長く、裏側の面に位置する部分が表側の面に位置する部分よりも縦方向に長くなるように接着剤又は粘着剤を用いて、当該金属ベースを挟むように屈曲させて貼り合わせ、
    コネクタの外部端子が前記フレキシブル基板に対して垂直に配置するようにコネクタを前記ベースに装着・接合した後、
    前記コネクタの外部端子接合部分を除いた全体を無機フィラを含む室温で固形のエポキシ樹脂系成形材料を用いてトランスファモールド又はコンプレッションモールドで一体成形するエンジンコントロール装置の製造方法。
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