JP3778586B2 - 混成集積回路装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、混成集積回路装置に関するもので、特に小型化、耐湿性および放熱性を考慮した混成集積回路装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
まず一般の洗濯機に関する構造を図5を用いて簡単に説明する。この構造は、実願昭63ー89874号に関するものであり、図5に於いて1は、機枠、2は前記機枠1の上部後方に設けられたの給水ユニットや電源スイッチ等を収容する給水部、3は前記機枠1内に弾性的に設けられた外槽、4はこの外槽3に内設され、周囲に多数の脱水孔5・・・を有する脱水兼洗濯槽、6は前記洗濯槽の底部に設けられた回転翼、7は前記外槽の外底部に設けられた駆動モータであり、洗濯槽3および回転翼に小プーリー8、大プーリー9、ベルト10および動力伝達機構11を介して連結され、洗濯時には前記回転翼6を反転させ、脱水時には前記洗濯槽4および回転翼6を共に高速で一方向に回転させる。12は前記外槽3の底部に設けられた排水口、13は排水口に接続された配水管、14は配水管13に介在された排水電動弁、15は吸水管16に介在された給水電磁弁である。
【0003】
前記電源スイッチは、例えば駆動モータ用の駆動回路がプリント基板等に実装され、半導体IC、トランス、ブザーおよびコンデンサ等で構成されている。またこの給水部の表面には洗濯や脱水等のスイッチが並び、これはこのプリント基板と電気的に接続され、これらスイッチの背面に接続されている。また機枠1の背面に隠れて配線が設けられ駆動モータと電気的に接続されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述のような構成の洗濯機を用いる場合、前記給水部の基板は、水を使用するために漏電等の配慮が施され水が進入できないように完全防水型になっている。しかし洗濯槽の老朽化により水がこぼれることを考えた場合、給水部は上方に設けた方が好ましく、そのためにこの給水部が従来高い位置に配置されることになり、必然的に洗濯機の高さが高くなり洗濯物を取り出す際に取り出しにくく、また操作がしにくい問題があった。
【0005】
また放熱性の良い金属基板を採用するため、図4のように少なくとも底部が金属で成るケースに当接させて、金属基板の熱を外部に放出していたが、この場合プリント基板が前記金属基板の上層となるため、コネクタはこのプリント基板の上に実装され、本混成集積回路装置の厚さが厚くなりコンパクト化できない問題があった。またコネクタのリードが完全に隠れるように樹脂が注入されるため、モールド厚が厚い問題もあった。
【0006】
以上、湿気の多い雰囲気内で、耐湿性、放熱性、非漏電性、コンパクト化および取り扱い易さ等を一度に解決したものが要望されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の問題に鑑みて成され、
第1に、ケースには、その底面から前記第2基板、この第2基板上にサイズの小さい第1基板が積層され、第1基板と対向しない前記第2基板上に、前記スルーホールにリードが挿入されたコネクタが設けられ、封止樹脂表面は、前記リードの付け根且つ前記第1基板裏面よりも上層に設けられることで解決するものである。
【0008】
第2に、ケースには、その底面から前記第2基板、この第2基板上にサイズが小さい前記第1基板が積層され、第1基板の導電路が設けられた面が前記第2基板表面と対向し、前記導電路が設けられた面に固着されたリードがスルーホールを介して前記第2基板と電気的に固着され、前記第1基板と対向しない前記第2基板上に、前記スルーホールにリードが挿入されたコネクタが設けられ、封止樹脂表面は、前記リードの付け根且つ前記第1基板裏面よりも上層に設けられることで解決するものである。
【0009】
【作用】
第1に、ケースには、その底面から前記第2基板、この第2基板上にサイズの小さい第1基板が積層され、第1基板と対向しない前記第2基板上に、スルーホールにリードが挿入されたコネクタを設けることで、接続部が剥がれない状態でしっかりとコネクタが設けられ、上層基板よりも一段下がった位置に、コネクタが設けられるため封止樹脂厚も薄くコンパクト化が実現できる。しかも封止樹脂表面は、前記リードの付け根且つ前記第1基板裏面よりも上層に設けられることでコネクタと上層に設けられる基板の耐湿性、漏電性が十分に確保できる。
【0010】
第2に、前記第1の作用の他に、第1基板の導電路が設けられた面が前記第2基板表面と対向させることで、第1基板裏面が封止樹脂近傍に位置し、第1基板の熱は、若干の厚さの封止樹脂を介して放熱させることができる。
【0011】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。洗濯機の図面は、従来例で用いた図5を共用する。
前記機枠1の上部後方に設けられた給水部2は、洗濯機を駆動するための操作パネルが設けられ、従来ではこの下方に、これらと電気的に接続されている駆動回路が組み込まれた基板が設けられていたが、本発明ではこの回路を組み込んだ装置が実現され、給水部にはこの回路を省略している。また最近では、図番30で示した領域に操作パネルが設けられ、給水部の上に突出した領域が全く省略されているものもある。どちらにしても操作パネル部の下層には駆動回路の基板を設けていない(あるいは削減している)ので、操作パネル部の位置を従来構造よりも低く設定できる。また従来は駆動モータとの接続配線を機枠1背面の外側または内側に設ける必要があるが、一番駆動能力が高いために配線を太くする必要があるこの配線は、この機枠背面に設ける必要がなくなった。
【0012】
水がたまる洗濯槽4の底部には、駆動モーター7が設けられ小プーリー8と大プーリー9およびベルト10の動力伝達機構11を介し、洗濯時には回転翼6が、脱水時には洗濯槽4および回転翼6が共に高速で一方向に回転している。
本願は、図2の構造のものが前記駆動モーター7の近傍に設けられ、ここには駆動モーターの冷却用にファン31が設けられている。
【0013】
またこのファン31により外部雰囲気から流れてくる空気の流れ、所謂冷却風を有効に活用しており、図に示した矢印のような風の流れに本構造の混成集積回路を挿入し効果的に基板に発生する熱を放出している。図では流入路を活用しているが、流出路でもよく、機枠や外槽またはモーター等が実装されている空間の一領域に、また別途ステージを設けて配置しても良い。
【0014】
また図番33は混成集積回路装置であり、固定金具34で洗濯機の底面に固定されているが、固定方法はこれに限らず、縦に配置しても良い。ただし洗濯水や水道からの水が洗濯機の底部に進入すると、特に漏電等の問題を無くしているが、底面から離れて配置すべきである。また本装置の上部から水の滴下の可能性もあるので、ケースの封止樹脂面は、下方に向いていることが好ましい。
【0015】
更に放熱性を考えた場合、ケースに封止される上層基板は、金属基板が好ましい。この場合、この金属基板は、耐湿性を考え、表面に薄く樹脂が被覆されていることが好ましい。
次に混成集積回路装置の一実施例を図1を参照しながら説明する。この実施例は、プリント基板41と混成集積回路基板42を一体にしたもので、第1基板42は、表面を絶縁処理した金属基板であり、×印でハッチングしたもので、表面に所定の導電路や半導体チップ等が実装されている。以下半導体素子が実装された面を表面とし、ハッチング面を裏面とした。また第2基板41は、第1基板が実装される面を表面とした。
【0016】
ここで金属基板42は、アルマイト処理されたAl基板であり、この表面には絶縁性の優れた樹脂が全面に被覆され、この上には所定のパターンの導電路がホットプレスで被着されている。またこの上には、半導体チップ、例えばLSIチップ、Tr、ダイオードおよび抵抗等が半田で電気的に固着され、所望の回路が構成されている。ここでは前述したように操作パネルを介して駆動モータ7等を駆動する回路が実装されている。また半導体チップと第1の基板42は、必要により金属細線がワイヤーボンドされ、この第1の基板42の二側辺には、導電路等から導出された端子群が設けられ、L字型のリード43・・・が半田等で電気的に接続されている。またLSIチップ表面は、エポキシ樹脂等がポッティングされている。
【0017】
次にプリント基板41は、実装強度上サーフェイスマウントは好ましくないコネクタ44等の外づけ部品がスルーホールTを介して実装され、この基板41の表面や裏面に形成された導電路やこれから延在される電極パッドと半田で電気的に接続されている。または少なくともコネクタ44は、スルーホールTにリードが挿入された状態で半田で電気的に接続されている。ここでプリント基板41は、エポキシ樹脂より成っているが、例えばスルーホールが形成可能な基板であるセラミック基板等でも良い。また前記コネクタ44は、プリント基板のサイド、すなわち第1基板42との非重畳領域に設けられ、前述したように、洗濯機の一領域に取り付けられた相手側のコネクタとコンタクトしている。
【0018】
一方、ケース45は、前記一対の基板41,42の外形よりも若干大きく形成され、矢印のようにケースに簡単に挿入できるようになっている。またケース45の底面は、前記プリント基板41の裏面と当接し、この裏面に設けられた電気的手段(例えば配線、スルーホールを介して挿入されたリード等)との電気的絶縁を考慮して、ケース自体が絶縁性樹脂で一体成型されている。また残ったこの空間にはウレタンやエポキシ等の絶縁性樹脂46等が注入されている。これを説明したものが図2であり、またその断面図が図3である。
【0019】
本発明の特徴は、第1に、第2基板41の表面にサイズの小さい第1基板42を実装し、第1基板と重畳しない、つまり第1基板の周辺にコネクタ44を設けたことにある。つまり第2基板41は、スルーホールTが設けられる必要があり、コネクタ44のリード47は、スルーホールTに挿入され、半田で固着されている。ここでは第2基板の裏面に電極が設けられ、この電極、リードが半田を介して固着されている。従ってコネクタは、第1基板42よりも一段低い所にしっかりと固着されており、一段下がった分注入樹脂厚が薄くその分コンパクト化が実現できる。しかもリードの付け根および第1基板42裏面よりも封止樹脂46の表面が上層に配置されることで、コネクタリード47間は完全に被覆され、第1基板42は完全に覆われるので、湿気の多いところであっても漏電等の問題は生じない。
【0020】
第2に、前記第1の特徴以外に、第1基板42の裏面が上になり、この上に前記封止樹脂が若干薄く配置されるため、(本実施例では約1ミリである)、第1基板に発生した熱は、この薄い封止樹脂により外部に放出できる。従って、第2基板をケース底面に当接する(具体的には第2基板の裏面に形成された導電手段が当接する)ため、図4のケース底面の導電体を絶縁体に変えた樹脂一体成型にしても、この薄い封止樹脂により従来の放熱効果と同等のものを実現できる。
【0021】
またしっかりと固定されたコネクタが封止樹脂から露出してあり、たんに相手側のコネクタに差し込めば良く、コンパクトでワンタッチ接続が可能なものが実現できる。
また第1基板に半導体チップを固着できるために駆動回路の実装された本体は、大幅に小さくできそのために、図5に示すような駆動モーターが設置されたところの狭い空き空間に設置でき、洗濯機の操作パネルの位置を低く設定できる。しかも本混成集積回路装置は、駆動モータのファンにより発生する冷却風により、基板に熱が発生しても効率よく冷却することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、第1に本装置には、操作部や駆動モーターを除いて、電源部、駆動回路やパワー出力部等が組み込めるため、また駆動モータの近傍の狭いあいている空間に配置でき、洗濯機の操作部を高くしている原因の一つである操作パネル下層の回路基板を省略でき、操作パネル面を低い位置に設定できる。
【0023】
しかもコネクタは、第2基板のスルーホールを介して実装されるため、強度的にもサイズ的にも改善することができる。また封止樹脂の表面よりも下層に前記コネクタのリードや第1基板の裏面が配置されるため、コネクタのリード間や第1基板の回路の耐湿性、耐漏電性が改善される。
更には、プリント基板を絶縁性のケースの底面に配置したため、第1基板の裏面を封止樹脂の表面近傍まで近接させ、第1基板の熱を薄く設けられたこの封止樹脂により効率よく放熱させているので、従来構造と同等の放熱性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混成集積回路装置の組立構成を説明する図である。
【図2】本発明の混成集積回路装置の図である。
【図3】図2の断面図である。
【図4】従来の混成集積回路装置の断面図である。
【図5】混成集積回路装置が実装された洗濯機の図である。
【符号の説明】
41 第2の基板
42 第1の基板
43 リード
44 コネクタ
45 ケース
46 封止樹脂
47 コネクタリード
Claims (2)
- 接着性樹脂を介して導電路が少なくともその表面に設けられた金属性の第1基板と、前記第1基板と積層されたスルーホールを有する第2基板とをケースに収納し樹脂封止された混成集積回路装置に於いて、
前記ケースには、その底面から前記第2基板および前記第1基板が積層され、前記第1基板との対向しない前記第2基板には、前記第2基板に設けられた前記スルーホールにリードが挿入されたコネクタが設けられ、前記第1基板および前記第2基板は、前記ケースの内部に充填される樹脂により被覆されることを特徴とする混成集積回路装置。 - 前記第1基板の導電路が設けられた面が前記第2基板表面と対向し、前記導電路が設けられた面に固着されたリードが前記第2基板と電気的に固着されることを特徴とする請求項1記載の混成集積回路装置。
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