JP4885574B2 - スロットレスモータ - Google Patents

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Description

本発明はスロットレスモータに関する。
スロットレスモータは鉄心のない電機子を用いたモータである。そのため、鉄心コアを有する電機子を用いたモータと比較してコギングトルクやトルクリップルが低減される。また、鉄心を有しない電機子は質量が小さいため、ロータ側に用いた場合はモータの駆動性が良好となる。また、鉄心を有しない電機子をステータ側に用いた場合は径方向において鉄心分の幅が不要となるため、モータを小型のものとすることができる。
ところで、このようなスロットレスモータとして、例えば特許文献1には、プラスチック樹脂からなる円筒に形成された多条の螺旋状の銅箔パターンによって構成された電機子巻線を用いたスロットレスモータが開示されている。このような構成の電機子巻線は、フォトエッチング法によって形成することができるため容易に製造することができる。
特開平8−322221号公報
しかしながら、上述した電機子巻線は通電される導体が銅箔パターンによって形成されているため通電することのできる電流の大きさが限られており、大きな出力を得ることができない。
また、多条の銅箔パターンが一括して形成されるため、個々の銅箔パターンを被覆することができない。よって、隣接する導体同士を絶縁するために十分な間隔が必要となり導体を密に配設することができず、大きな出力を得ることができない。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、大きな出力を有するスロットレスモータを得ることができる電機子巻線を用いたスロットレスモータを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、筒状に形成された電機子巻線を有する電機子と、ハルバッハ配置された複数の磁石を有するロータとを備えたスロットレスモータであって、前記電機子巻線は、筒状に形成される筒状部材と、前記筒状部材に固定され通電される導体と、を有し、前記導体は、被覆された第1被覆部と前記第1被覆部の端部に設けられ露出された第1結線部とを有し前記筒状部材の内周側に固定される第1導体と、被覆された第2被覆部と前記第2被覆部の端部に設けられ露出された第2結線部とを有し前記筒状部材の外周側に固定される第2導体と、から構成され、前記第1結線部と前記第2結線部とは電気的に接続され、前記ロータの前記磁石は、径方向に沿って着磁された主磁石と、周方向に沿って着磁された補助磁石と、から構成され、前記主磁石における前記電機子側の面の周方向幅をWmとし、前記補助磁石における前記電機子側の面の周方向幅をWs、前記補助磁石の径方向厚さをtとした場合に、Wsとtの関係が0<Ws<1.5tのときのWmとWsの関係を、Ws/2≦Wm<Wsとした。
た、請求項に記載の発明は、請求項1に記載のスロットレスモータにおいて、前記磁石は径方向の厚みは周方向の厚みよりも大きい。
また、請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載のスロットレスモータにおいて、前記ロータは、非磁性体又は微磁性体からなる磁石固定板を有し、前記磁石固定板は、前記磁石の軸方向端部に当接される。
また、請求項に記載の発明は、請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、前記導体は、該導体に駆動電流を供給する駆動回路に外部インダクタンスを介して接続された。
また、請求項に記載の発明は、請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、前記第1導体と前記第2導体とは、互いにねじれ方向が異なる。
また、請求項に記載の発明は、請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、前記第1導体及び前記第2導体は、前記筒状部材の軸方向に対して傾斜する傾斜部と前記筒状部材の軸方向に沿って延びる平行部を有する。
また、請求項に記載の発明は、請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、前記第1導体は、前記第1導体の長手方向に延びる複数の第1導体片が隣接されてなり、該第1導体片同士が隣接する方向を長手方向とする断面形状を有し、前記第2導体は、前記第2導体の長手方向に延びる複数の第2導体片が隣接されてなり、該第2導体片同士が隣接する方向を長手方向とする断面形状を有している。
また、請求項に記載の発明は、請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、前記第1導体及び前記第2導体は、径方向幅が周方向幅よりも狭い。
また、請求項に記載の発明は、請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、前記導体は、少なくとも2箇所の角部を備えた断面形状を有する。
また、請求項1に記載の発明は、請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、前記第1結線部及び前記第2結線部は、周方向端部よりも周方向略中央部が肉厚である。
また、請求項1に記載の発明は、請求項1に記載のスロットレスモータにおいて、前記導体は、楕円形状の断面形状を有する。
また、請求項1に記載の発明は、請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、前記導体は、円形の断面形状を有する。
また、請求項1に記載の発明は、請求項1〜1の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、前記導体は、筒状に成形された後前記筒状部材に固定される。
また、請求項1に記載の発明は、請求項1〜1の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、前記筒状部材は、前記導体が固定された後に筒状に成形される。
また、請求項1に記載の発明は、請求項1〜1の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、前記第1導体と前記第2導体との電気的接続は、筒状に成形された後に実施される。
また、請求項1に記載の発明は、請求項1〜1の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、前記第1結線部と前記第2結線部とは前記筒状部材の端部から突出する。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、電機子巻線を構成する導体は被覆部によって絶縁されているため、隣接する導体同士を近接して配置することが可能となり、筒状部材の内周と外周に配設される導体の密度を高くすることができる。また、導体は銅箔パターンによって形成された電機子巻線よりも大きな電流を流すことができる。よって、出力の大きなスロットレスモータを得ることができる。また、スロットレスモータは径方向に凹設される態様で形成されるスロット(若しくは径方向に突出する態様で形成されるティース)が無いため、導体を巻装することが困難である。しかし、電機子巻線は第1導体と第2導体とを接続することで電気的に接続されるため、巻線を巻装することなく巻線を巻装した電機子巻線と同等の磁場を形成することができる電機子巻線を得ることが可能となる。よって、容易にスロットのない電機子巻線を得ることができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、ハルバッハ配置の磁石とすることで磁石の着磁が径方向にのみ着磁されたタイプの場合に比較し、同体積のマグネットでも有効磁束を大きくすることができる。ところで、スロットレス構造の回転子を用いたスロットレスモータはエアギャップ部に巻線を配設するため、スロットがある回転電機と比較してエアギャップが大きくなり磁束量が小さくなる傾向がある。しかし、磁石をハルバッハ配置とすることにより同体積のマグネットでも有効磁束を大きくすることが可能となりスロットレスモータの高出力化ができる。また、バックヨーク側に磁束がほとんど漏れないため、バックヨークを構造的に必要な厚さにまで薄くすることができる。よって、磁石体積を増加させることが可能となり、高出力化をはかったり、中空構造のロータとして駆動性を向上させることができる。また、ロータの外周面の磁束分布が従来の表面磁石タイプのものに比べて正弦波に近くなり、高調波磁束に起因するトルクリップルを低減することができる。また、分割数を増やすことにより、磁束の高調波成分はさらに小さくなりモータ性能の向上が見込める。
請求項に記載の発明によれば、磁束の動作点の磁束密度を大きくすることが可能となるためモータ特性を向上させることができる。
請求項に記載の発明によれば、磁石固定板によって磁石と磁石以外のロータ部品とをより確実に固定することが可能となる。また、磁石の脱落が妨げられる。また、端部に配設されるため、ロータの外周面における機械的ギャップと磁気的ギャップとを同等とすることができる。また、うず電流損も発生しないためモータ特性を向上させることができる。
請求項に記載の発明によれば、駆動回路と導体との間に外部インダクタンスが接続されているため、モータの駆動態様を安定させることができる。
請求項に記載の発明によれば、磁力線の分布を分布巻の電機子巻線と同等のものとすることができる。よって、通電された電機子巻線に発生する磁力線の強度の分布がなだらかとなりトルクむらを低減させることができる。
請求項に記載の発明によれば、傾斜部と平行部との境界の湾曲(又は屈曲)した部分を目印として互いに隣接する導体同士の軸方向における位置決めをすることができる。
請求項に記載の発明によれば、ロータ磁束によるうず電流損を低減させることができる。また、巻線に高周波の交流電流を通電すると電流は導体の表面に集中する(表皮効果)ため、導体の断面積において電流の流れる有効な面積が低下する。第1導体及び第2導体はそれぞれ複数の第1導体片と第2導体片とによって構成されているため、第1導体及び第2導体を構成する導体の表面積が増加する。よって、第1導体及び第2導体の断面積を変化させることなく電流が通過する面積(導体断面積)を増加させることが可能となり、表皮効果による通電断面積の低下を抑制することができる。
請求項に記載の発明によれば、径方向の幅が周方向の幅よりも狭いため、径方向の小型化ができる。また、径方向の幅が狭いため第1導体と第2導体とから構成される電機子巻線を径方向に積層することも可能となり高出力を得ることができる。
請求項に記載の発明によれば、断面が円形の導体を用いた場合と比較して結線部の径方向における体格を小さくすることができる。また、2箇所の角部により筒状部材に対する姿勢が安定するため、導体を筒状部材に容易に固定することができる。
請求項1に記載の発明によれば、第1導体と第2導体との当接部分を周方向の略中央に配設することができる。よって、第1導体と第2導体とを電気的に接続するための圧着やはんだ付けが容易となる。また、断面円形の場合と比較して結線部の径方向における体格を小さくすることができる。
請求項1に記載の発明によれば、第1導体と第2導体との当接部分を周方向の略中央に配設することができる。よって、第1導体と第2導体とを電気的に接続するための圧着やはんだ付けが容易となる。また、断面円形の場合と比較して結線部の径方向における体格を小さくすることができる。
請求項1に記載の発明によれば、方向性のない断面となるため容易に加工することができる。
請求項1に記載の発明によれば、筒状に成形されたのちに筒状部材に固定されるため、導体を筒状に成形する工程において絶縁部材から離間するおそれがない。
請求項1に記載の発明によれば、導体と筒状部材との固定を容易に行うことができる。
請求項1に記載の発明によれば、筒状に成形する工程中に第1導体と第2導体との電気的接続が離れるおそれがない。
請求項1に記載の発明によれば、筒状部材の内周側と外周側とにそれぞれ固定された第1結線部及び第2結線部が筒状部材の端部から突出して配設されるため、第1結線部と第2結線部との接続を容易に行うことができる。
本発明によれば、大きな出力を有するスロットレスモータを得ることができる電機子巻線を用いたスロットレスモータを得ることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)は本実施形態に係る電機子巻線1を用いたスロットレスモータ2の概略構成図であり、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。
図1に示すように、スロットレスモータ2は、電機子巻線1を有し略円筒状に形成された電機子3と、電機子3に対して回転するロータ4と、電機子3及びロータ4を収容するケース5とから構成されている。
まず、電機子3について説明する。電機子3は、電機子巻線1と略円筒状に形成され電機子巻線1と同軸的に配設されるコア3aとから構成されており電機子巻線が巻装されるスロットのない構造となっている。
コア3aは磁性材料(例えば積層コア)から構成されている。電機子巻線1はコア3aの内周側に配設されコア3aに接着にて固定されている。コア3aはケース5に固定されており電機子巻線1はコア3aを介してケース5に固定される。なお、電機子巻線1についての詳しい説明は後述する。
次に、ケース5について説明する。ケース5は、略有底円筒状に形成されたヨーク6と、ヨーク6の開口部側を閉止する態様でヨーク6に固定されるエンドプレート7とから構成されている。
ヨーク6は、その底面6aの略中央に第1軸受6bが固定されておりロータ4を回転可能に支持する。また、ヨーク6の内側には筒状に形成された電機子3が同軸的に配設されている(図1(b)参照)。
エンドプレート7は、板状に形成されておりその両端面7a,7bの略中央を貫く態様で貫通孔7cが形成されている。貫通孔7cのヨーク6の底面6aに対向する側の端面7bには第2軸受7dが配設されている。ロータ4は、ヨーク6に支持された第1軸受6bとエンドプレート7に支持された第2軸受7dとによってケース5に対して回転可能に支持される。
次に、ロータ4について説明する。
ロータ4は、出力軸8と、ロータコア9と、永久磁石9aとを備える。
出力軸8は、エンドプレート7の貫通孔7cを貫く態様でケース5から突出しており、ヨーク6の第1軸受6bとエンドプレート7の第2軸受7dとによって支持されている。出力軸8が第1軸受6bと第2軸受7dとによって支持されることにより、ロータコア9は電機子巻線1に対して回転可能に支持される。
ロータコア9は、略円柱形状を有しその端面略中央を貫通する態様で形成され出力軸8を収容する中心孔9bが形成されている。また、ロータコア9はその外周に永久磁石9a(図1(b)参照)が配設されている。(なお、ロータコア9は鉄又は複数の円盤状のコアシートが積層されて形成されている。)
永久磁石9aは、ロータコア9の外周に周方向に等間隔で8個配設されており電機子3に対向している(図1(b)参照)。また、隣り合う永久磁石9c,9dはN極とS極とが逆に設定されている。すなわち、ロータ4の極数は8となっている。
なお、電機子巻線1の通電態様は図27に示す制御装置100によってロータコア9の回転量に応じて決定される。
詳述すると、制御装置100は、制御回路としてのPWM(Pulse Width Modulation)パルス幅変調回路(図示略)に接続された駆動回路101を備えている。PWMのキャリア周波数は約10kHz〜40kHzに設定されている。
駆動回路101は、一方側が電源Vdcに接続されるとともに、他方側が接地された3つ(3相)の並列回路(U相通電回路110、V相通電回路120、W相通電回路130)を備えている。各並列回路110,120,130は、それぞれ、第1のスイッチング素子111,121,131と、該第1のスイッチング素子111,121,131に直列に接続された第2のスイッチング素子112,122,132と、を備えている。各スイッチング素子111,112,121,122,131,132には前記制御回路(図示略)から出力された制御信号が入力される。
そして、各回路110,120,130において、第1のスイッチング素子111,121,131と第2のスイッチング素子112,122,132との間に、それぞれスロットレスモータ2の電機子巻線1が接続される。そして、制御回路(図示略)から出力された制御信号に基づいてスイッチング素子111,112,121,122,131,132がオン・オフされることによりスロットレスモータ2に駆動電流が供給される。従って、この制御装置100によって電機子巻線1の通電態様が切り替えられることにより回転磁界が発生し、ロータ4が回転する。
なお、駆動回路101とスロットレスモータ2の電機子巻線1(1a)との間には、外部インダクタンスLu,Lv,Lwが接続されている。これら外部インダクタンスLu,Lv,Lwは、コイルからなり、電機子巻線1のインダクタンス(数μH(マイクロヘンリー))の約10〜100倍の値のインダクタンス(数十〜数百μH(マイクロへリー))となるよう設定されている。外部インダクタンスLu,Lv,Lwを接続していない場合、図28(b)に示すように、電機子巻線1に供給される駆動電流Su2,Sv2,Sw2は、PWMのキャリア周波数で振動する。一方、外部インダクタンスLu,Lv,Lwを接続した場合、図28(a)に示すように、電機子巻線1に供給される駆動電流Su1,Sv1,Sw1(図28(a)参照)は安定する。これにより、スロットレスモータ2が安定して駆動される。
次に、電機子巻線1について詳述する。
図2は本発明の第1実施形態に係る電機子巻線1の斜視図である。
図2に示すように電機子巻線1は、筒状に形成された第1電機子巻線1aと、外形が第1電機子巻線1aの内径よりも若干小さい第2電機子巻線1bと、第1電機子巻線1a及び第2電機子巻線1bと同心円状に配設される絶縁部材1cとから構成されている。第1電機子巻線1a、第2電機子巻線1b、及び、絶縁部材1cは第1電機子巻線1aと第2電機子巻線1bとによって絶縁部材1cを挟む態様で一体的に固定されており、第1電機子巻線1aと第2電機子巻線1bとは絶縁部材1cによって絶縁されている。
次に、第1電機子巻線1aの構成について詳しく説明する。なお、第2電機子巻線1bは第1電機子巻線1aと同様の構成となっているため、説明を省略する。
第1電機子巻線1aは、筒状に形成された筒状部材10と筒状部材10の内周側に配設される導体としての第1導体11と筒状部材10の外周側に配設される導体としての第2導体12とからそれぞれ構成されている。なお、図3(a)は第1導体11(第2導体12)の斜視図であり、図3(b)は図3(a)のB−B断面図である。
筒状部材10は、プラスチックなどの樹脂材料から薄肉状に形成されている。第1導体11と第2導体12とは、筒状部材10の内周側と外周側とにそれぞれ多数個固定されており筒状部材10の側面に沿って環状に配設される。
詳述すると、図29に示すように、筒状部材10の内周側には48個の第1導体11(第1の第1導体X1〜第48の第1導体X48)が環状に配置され固定されている。また、筒状部材10の外周面には48個の第2導体12(第1の第2導体Y1〜第48の第2導体Y48)が環状に配置され固定されている。すなわち、第1電機子巻線1aはそれぞれ96個の導体11,12(第1の第1導体X1〜第48の第1導体X48及び第1の第2導体Y1〜第48の第2導体Y48)を備えている。なお、図面の簡略化のため図示しないが、前記第1電機子巻線1aと同様、第2電機子巻線1bも96個の導体(第1導体及び第2導体)を備えている。すなわち、電機子巻線1は192個の導体(第1導体及び第2導体)を備えている。また、図29において反時計回り方向を周方向一方側とし、時計回り方向を周方向他方側とする。なお、図29において、周方向に隣り合う第1導体11(第1の第1導体X1〜第48の第1導体X48)及び第2導体12(第1の第2導体Y1〜第48の第2導体Y48)は、実際には離間して配置されている。
第1導体X1〜X48は筒状部材10の内周側に周方向に沿って等間隔に配置され、第2導体Y1〜Y48は筒状部材10の外周側に周方向に沿って等間隔に配置されている。すなわち、第1導体X1〜X48は筒状部材10の内周側に周方向に沿って7.5°間隔に配置され固定されており、第2導体Y1〜Y48は筒状部材10の外周側に周方向に沿って7.5°間隔に配置され固定されている。
図3(a)及び(b)に示すように、第1導体11は、導電性を有する金属からなりその表面に皮膜11aが形成されている。また、第1導体11の両端部は金属が露出されている。なお、第1導体11において皮膜11aによって絶縁されている部分が第1被覆部11bとなり、金属が露出された部分が第1結線部11cとなる。また、第1導体11は、筒状部材10の軸方向に沿って配設される平行部11dと、平行部11dの両端から筒状部材10の周方向において相反する方向に延び筒状部材10の軸方向に対して傾斜して配設される傾斜部11eとから構成されている。第1導体11の平行部11dと傾斜部11eとから構成される屈曲部分によって互いに隣接する第1導体11同士の位置決めが行われる。なお、第1導体11は、第1結線部11cが筒状部材10の端部から突出する態様で配設されている(図2(b)参照)。
第2導体12は、第1導体11と同様、導電性を有する金属からなりその表面に皮膜12aが形成されている。また、第2導体12の両端部は金属が露出されている。なお、第2導体12において皮膜12aによって絶縁されている部分が第2被覆部12bとなり、金属が露出された部分が第2結線部12cとなる。また、第2導体12は、筒状部材10の軸方向に沿って配設される平行部12dと、平行部12dの両端から筒状部材10の周方向において相反する方向に延び筒状部材10の軸方向に対して傾斜して配設される傾斜部12eとから構成されている。第2導体12の平行部12dと傾斜部12eとから構成される屈曲部分によって互いに隣接する第2導体12同士の位置決めが行われる。なお、第2導体12は、第2結線部12cが筒状部材10の端部から突出する態様で配設されている(図2(b)参照)。
なお、第1導体11(X1〜X48)及び第2導体12(Y1〜Y48)は、周方向において平行部11d,12dの位置が一致するよう固定されている(図29参照)。言い換えれば、第1導体11(X1〜X48)及び第2導体12(Y1〜Y48)は、それぞれの平行部11d,12dで筒状部材10を挟むようにして筒状部材10に固定されている。また、第1電機子巻線1a及び第2電機子巻線1bは、第1導体11(X1〜X48)及び第2導体12(Y1〜Y48)の平行部11d,12dの位置が周方向において一致するよう固定されている。すなわち、電機子巻線1は、4本の導体11,12の平行部11d,12dが径方向に並ぶように配置されている。例えば、第1の第1導体X1の平行部X1dと第1の第2導体Y1の平行部Y1dとが径方向に並び(図31参照)、第2の第1導体X2の平行部X2dと第2の第2導体Y2の平行部Y2dとが径方向に並んでいる(図30参照)。
また、図2に示すように、第1導体11と第2導体12とは平行部11d,12dから傾斜部11e,12eにかけての屈曲方向が周方向において逆向きとなるように配置される。すなわち、第1導体11及び第2導体12は筒状部材10に対してねじれ方向が逆となる態様で対をなしている。
詳述すると、図30に示すように、第1導体11(X1〜X48)は、第1導体X8の一端側に設けられた第1結線部X8cが、該第1導体X8の平行部X8dから周方向一方側(図30において右側)へ45°隔てられた位置に配置される平行部Y2dを有する第2導体Y2の一端側の第2結線部Y2cに径方向において対向するよう形成されている。また、第1導体11(X1〜X48)は、第1導体X8の他端側に設けられた第1結線部X8ccが、該第1導体X8の平行部X8dから周方向他方側(図30において左側)へ45°隔てられた位置に配置される平行部Y14dを有する第2導体Y14の他端側の第2結線部Y14ccに径方向において対向するよう形成されている。
また、第1導体11と第2導体12とは、第1結線部11cと第2結線部12cとが圧着されることによって電気的に接続されている。第1導体11及び第2導体12は圧着された第1結線部11c及び第2結線部12cから筒状部材10の周方向に沿って互いに離間する方向へ延びる態様で配置されている。第1導体11及び第2導体12が組をなして電気的に接続されることによって、導体が筒状部材10の両面にまたがって配設されることとなる。第1導体11及び第2導体12からなる組が筒状部材10の周方向に沿って複数組(本実施形態では48組)接続されることにより、導体が筒状部材10に巻装される態様となる。
また、第1導体11及び第2導体12は、図3(b)に示すように径方向に沿った幅W1が周方向に沿った幅W2よりも狭い略長方形状の断面を有している。第1結線部11cと第2結線部12cとは筒状部材10の径方向に並んで配設されており、周方向に沿った幅W2を有する面11f,12fによって当接している。
また、図2に示すように第1電機子巻線1aには、筒状部材10の軸方向に延びる銅線端末13,14が周方向に等間隔で6本ずつ配設されている。銅線端末13,14は第1結線部11c及び第2結線部12cに電気的に接続されており、制御装置100(図27参照)から供給される電力は銅線端末13,14を介して第1電機子巻線1aに給電される。
次に、導体(第1導体11(第1の第1導体X1〜第38の第1導体X48)及び第2導体12(第1の第2導体Y1〜第48の第2導体Y48)(図29参照)の結線について説明する。
筒状部材10には、それぞれ16個の導体(第1導体11(第1の第1導体X1〜第38の第1導体X48)及び第2導体12(第1の第2導体Y1〜第48の第2導体Y48))からなる6つの巻線201〜206(図27参照)が、筒状部材10の周方向に沿って7.5°ずつずれて巻装される。
詳述すると、図31に示すように、一つ目の巻線201は、互いに接続された8本の第1導体X1,X7,X13,X19,X25,X31,X37,X43及び8本の第2導体Y1,Y7,Y13,Y19,Y25,Y31,Y37,Y43)が接続されることによって形成される。なお、図31において右側を筒状部材10の周方向一方側といい、左側を周方向他方側という。また、図31において、上側を第1導体11(X1〜X48)及び第2導体12(Y1〜Y48)の一端側といい、下側を他端側という。
筒状部材10の外周側に固定された第1の第2導体Y1の一端側には、該第1の第2導体Y1の平行部Y1dから周方向他方側へ45°隔てられた位置に配置された平行部X7dを有する第7の第1導体X7の一端側が接続されている。
そして、該第7の第1導体X7の他端側には、該第7の第1導体X7の平行部X7dから周方向他方側へ45°隔てられた位置に配置された平行部Y13dを有する第13の第2導体Y13の他端側が接続されている。
そして、該第13の第2導体Y13の一端側には、該第13の第2導体Y13の平行部Y13dから周方向他方側へ45°隔てられた位置に配置された平行部X19dを有する第19の第1導体X19の一端側が接続されている。
そして、該第19の第1導体X19の他端側には、該第19の第1導体X19の平行部X19dから周方向他方側へ45°隔てられた位置に配置された平行部Y25dを有する第25の第2導体Y25の他端側が接続されている。
そして、該第25の第2導体Y25の一端側には、該第25の第2導体Y25の平行部Y25dから周方向他方側へ45°隔てられた位置に配置された平行部X31dを有する第31の第1導体X31の一端側が接続されている。
そして、該第31の第1導体X31の他端側には、該第31の第1導体X31の平行部X31dから周方向他方側へ45°隔てられた位置に配置された平行部Y37dを有する第37の第2導体Y37の他端側が接続されている。
そして、該第37の第2導体Y37の一端側には、該第37の第2導体Y37の平行部Y37dから周方向他方側へ45°隔てられた位置に配置された平行部X43dを有する第43の第1導体X43の一端側が接続されている。なお、該第43の第1導体X43の平行部X43dから周方向他方側へ45°隔てられた位置には第1の第1導体X1の平行部X1dが配置されている。
該第43の第1導体X43の他端側には、U相結線部U1を介して、該第43の第1導体X43の平行部X43dから周方向一方側へ45°隔てられた位置に配置される平行部X37dを有する第37の第1導体X37の他端側が接続される。すなわち、筒状部材10の周方向他端側へ巻回されていた導体が、周方向一端側へと折り返される。なお、該前記第37の第1導体X37の平行部X37dと第37の第2導体Y37の平行部Y37dとが径方向に並んで配置される。
そして、該第37の第1導体X37の一端側には、該第37の第1導体X37の平行部Y37dから周方向一方側へ45°隔てられた位置に配置される平行部Y31dを有する第31の第2導体Y31の一端側が接続される。
そして、該第31の第2導体Y31の他端側には、該第31の第2導体Y31の平行部Y31dから周方向一方側へ45°隔てられた位置に配置される平行部X25dを有する第25の第1導体X25の他端側が接続される。
そして、該第25の第1導体X25の一端側には、該第25の第1導体X25の平行部X25dから周方向一方側へ45°隔てられた位置に配置される平行部Y19dを有する第19の第2導体Y19の一端側が接続される。
そして、該第19の第2導体Y19の他端側には、該第19の第2導体Y19の平行部Y19dから周方向一方側へ45°隔てられた位置に配置される平行部X13dを有する第13の第1導体X13の他端側が接続される。
そして、該第13の第1導体X13の一端側には、該第13の第1導体X13の平行部X13dから周方向一方側へ45°隔てられた位置に配置される平行部Y7dを有する第7の第2導体Y7の一端側が接続される。
そして、該第7の第2導体Y7の他端側には、該第7の第2導体Y7の平行部Y7dから周方向一方側へ45°隔てられた位置に配置される平行部X1dを有する第1の第1導体X1の他端側が接続される。
そして、該第1の第1導体X1の一端側には、該第1の第1導体X1の平行部X1dから周方向一方側へ45°隔てられた位置に配置される平行部Y43dを有する第43の第2導体Y43の一端側が接続される。
よって、計16本の導体(8本の第1導体X1,X7,X13,X19,X25,X31,X37,X43及び8本の第2導体Y1,Y7,Y13,Y19,Y25,Y31,Y37,Y43)が接続される。上記のように接続された第1導体X1,X7,X13,X19,X25,X31,X37,X43及び第2導体Y1,Y7,Y13,Y19,Y25,Y31,Y37,Y43により、径方向から見て実質的に環状の導体が形成される。例えば、第31の第1導体X31の平行部X31dと他端側の傾斜部X31e,第37の第1導体X37の平行部X37dと一端側の傾斜部X37e、第31の第2導体Y31の平行部Y31dと一端側の傾斜部Y31e及び第37の第2導体Y37の平行部Y37dと他端側の傾斜部Y37eにより、略6角形の環状導体が形成される。つまり、周方向に45°間隔で配置された第1導体X31,X37及び第2導体Y31,Y37により環状導体が形成される。従って、図31において線状に接続された第1導体X1,X7,X13,X19,X25,X31,X37,X43及び第2導体Y1,Y7,Y13,Y19,Y25,Y31,Y37,Y43は周方向に配置された8個の環状導体を形成する。そして、各環状導体に電流が流されることによって、周方向に隣り合う環状導体には互いに異なる磁極が形成される。即ち、上記のように接続された第1導体X1,X7,X13,X19,X25,X31,X37,X43及び第2導体Y1,Y7,Y13,Y19,Y25,Y31,Y37,Y43は、周方向に沿って等間隔に配置された8つの磁極を有する巻線201を形成する。
同様に、8本の第1導体X2,X8,X14,X20,X26,X32,X38,X44及び8本の第2導体Y2,Y8,Y14,Y20,Y26,Y32,Y38,Y44が接続されることによって2つ目の巻線202(図27参照)が形成される。
また、8本の第1導体X3,X9,X15,X21,X27,X33,X39,X45及び8本の第2導体Y3,Y9,Y15,Y21,Y27,Y33,Y39,Y45が接続されることによって3つ目の巻線203(図27参照)が形成される。
また、8本の第1導体X4,X10,X16,X22,X28,X34,X40,X46及び8本の第2導体Y4,Y10,Y16,Y22,Y28,Y34,Y40,Y46が接続されることによって4つ目の巻線204(図27参照)が形成される。
また、8本の第1導体X5,X11,X17,X23,X29,X35,X41,X47及び8本の第2導体Y5,Y11,Y17,Y23,Y29,Y35,Y41,Y47が接続されることによって5つ目の巻線205(図27参照)が形成される。
また、8本の第1導体X6,X12,X18,X24,X30,X36,X42,X48及び8本の第2導体Y6,Y12,Y18,Y24,Y30,Y36,Y42,Y48が接続されることによって6つ目の巻線206(図27参照)が形成される。
すなわち、筒状部材10には、それぞれ16個の導体からなる6つの巻線201〜206が、該筒状部材10の周方向に沿って7.5°ずつずれて巻装される。
なお、周方向において隣り合う巻線(巻線201と巻線202、巻線203と巻線204、巻線205と巻線206)が図27に示すようにそれぞれ同一相となるように接続されている。つまり、U相の巻線は、並列接続された2つの巻線201,202により形成され、V相の巻線は、並列接続された2つの巻線203,204により形成され、W相の巻線は、並列接続された2つの巻線205,206により形成されている。従って、図32(a),(b),(c)に示すように、U,V,Wの各相は、筒状部材10の周方向に沿って15°ずつずれて配置される。また、U,V,Wの各相は、それぞれ16個の第1導体11(第1の第1導体X1〜第48の第1導体X48)16個の第2導体12(第1の第2導体Y1〜第48の第2導体Y48)、つまり計32個の導体から形成されている。
次に、図4(a)〜(d)及び図5を用いて電機子巻線1の製造手順の1実施例を示す。なお、以下の説明においては、電機子巻線1は第1電機子巻線1aと第2電機子巻線1bとからなる二層構造を有するものとして説明する(図2参照)。
まず、第1電機子巻線1a及び第2電機子巻線1bを構成する第1導体11及び第2導体12を形成する。
まず、薄い板状の導電性を有する板(例えば銅板)を略S字状の型によって打ち抜き、平行部11d,12d及び傾斜部11e,12e(図2参照)に応じた形状を有する導体片16(図4(a)参照)を形成する(S101)。
次に、導体片16の両端部を除く導体片16の表面に皮膜16b(図4(b)において斜線部分)を形成する。このような工程によって、導体片16に被覆部(第1被覆部11b、第2被覆部12b)と結線部(第1結線部11c,第2結線部12c)とが形成される。第1導体11及び第2導体12(図4(b)参照)が得られる(S102)。
次に、皮膜された導体片16をプラスチックなどの樹脂から板状に形成された板状部材17の両面にそれぞれ接着する(図4(c)参照)(S103)。なお、例えば、導体片16を板状部材17に埋設することによって固定することもできる。
次に、導体片16が固定された板状部材17を筒状に成形する(図4(d)参照)(S104)。板状部材17が筒状に成形されることによって導体片16は周方向において湾曲し、筒状部材10の周方向に沿って配設される第1導体11と第2導体12となる。
次に、筒状に成形された板状部材17を挟む態様で配設されている第1結線部11cと第2結線部12cとを圧着させる。第1結線部11cと第2結線部12cとが圧着されることにより第1導体11及び第2導体12が電気的に接続され、第1電機子巻線1a(第2電機子巻線1b)が形成される(S105)。
次に、導電性を有する銅線端末13及び銅線端末14を第1結線部11c及び第2結線部12cにそれぞれ電気的に接続し第1電機子巻線1a(第2電機子巻線1b)に銅線端末13,14(図2参照)を形成する(S106)。なお、銅線端末13,14は板状部材17を筒状に成形する前に第1結線部11c及び第2結線部12cに接続されていてもよい。
次に、第1電機子巻線1aと第2電機子巻線1bとを絶縁部材1cを挟んで同心円状に固定して2層構造とし、銅線端末13及び銅線端末14を圧着固定する(S107)。なお、銅線端末13,14の電気的接続方法としては、図6に示すように銅線端末13,14の皮膜が形成されていない先端部13a,14a同士を、ターミナル15により圧着する方法、はんだ付けや溶接など(図7参照)によって溶着する方法などが挙げられる。
このような手順によって図2に示すような2層構造を有する電機子巻線1が形成される。形成された電機子巻線1は筒状に成形されたコア3aの内周側に接着にて固定され、電機子3が構成される。なお、電機子巻線1を板状部材17から構成する際に板状の導体板を接着しその後筒状に成形することによって電機子巻線1とコア3aとを固定することもできる。電機子3は、ヨーク6(図1参照)内に固定され図1に示すようなスロットレスモータ2が形成される(S108)。なお、銅線端末13,14の電気的接続は電機子巻線1がヨーク6に固定された後に実施することもできる。また、図7図示状態では一組の銅線端末13,14が圧着されているが、第1電機子巻線1aと第2電機子巻線1bとを積層させた場合は2組の銅線端末13,14が一体的に圧着される。
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)第1導体11及び第2導体12は被覆部(第1被覆部11b、第2被覆部12b)に皮膜が形成され絶縁されている。よって、隣接する導体同士を近接して配置することが可能となり、筒状部材10の内周と外周に配設される導体(第1導体11、第2導体12)の密度を高くすることができる。また、導体の被覆部11b,12bは皮膜が形成されているため、被覆部11b,12bを有しない銅箔パターンによって形成された電機子巻線よりも大きな電流を安全に通電することができる。よって、スロットレスモータ2の出力を向上させることに貢献することができる。また、このような構成の電機子巻線1は巻線を実際に巻装するものと比較して容易に製造することができる。
(2)第1導体11と第2導体12とは、互いにねじれ方向が異なるため、電機子3の磁力線は分布巻の電機子巻線と同等の分布となる。よって、電機子3に発生する磁力線の強度の分布がなだらかとなりトルクむらを低減させることができる。
(3)第1被覆部11b及び第2被覆部12bは、筒状部材10の軸方向に対して傾斜する傾斜部11e,12eと筒状部材10の軸方向に沿って延びる平行部11d,12dを有するため、傾斜部11e,12eと平行部11d,12dとの境界を目印として互いに隣接する導体同士の軸方向における位置決めをすることができる。
(4)第1導体11及び第2導体12は、略長方形形状の断面で形成されているため、径方向幅は周方向幅よりも狭くなっている。よって、電機子巻線1の径方向における小型化ができる。また、径方向の幅が狭いため第1導体11と第2導体12とから構成される電機子巻線1を径方向に積層することも可能となり高出力を得ることができる。また、角部により筒状部材10に対する姿勢が安定するため、導体(第1導体11、第2導体12)を筒状部材10に容易に固定することができる。また、第1導体11及び第2導体12を環状に保持する治具などが不要となる。
(5)筒状部材10は、板状部材17に導体(第1導体11、第2導体12)が固定された後に筒状に成形されるため、導体と筒状部材との固定を容易に行うことができる。
(6)第1導体11と第2導体12との電気的接続は、筒状に成形された後に実施されるため、筒状に成形する工程中に第1導体と第2導体との電気的接続が離れるおそれがない。
(7)第1電機子巻線1a及び第2電機子巻線1bが同心円状に配置された後に銅線端末13,14が接続されるため、複数の組(本実施形態では2組)からなる銅線端末13,14の接続を一度に精度よく行うことができる。
(8)第1結線部11c及び第2結線部12cが筒状部材10の端部から突出して配設されるため、第1結線部11cと第2結線部12cとの接続を容易に行うことができる。
(9)制御装置100の駆動回路101と巻線201〜206との間に外部インダクタンスLu,Lv,Lwが接続されているため、モータ2の駆動態様を安定させることができる。
尚、本発明の第1実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、電機子巻線1はステータ(ケース5)側に固定されているが、電機子巻線1をロータ4側に配設してブラシによって通電態様が変化しロータが回転するブラシ付直流モータとしてのスロットレスモータとしてもよい。
○上記実施形態では、第1導体11と第2導体12とは第1結線部11c及び第2結線部12cから筒状部材10の周方向に沿って互いに離間する方向へ延びているが、必ずしもこのような態様に限定されない。第1導体11と第2導体12とが平行に配設されなければ、第1導体11の一端側の第1結線部11cに第1導体の他端側の第1結線部11cに直接接続される第2導体12と異なる第2導体12を接続することができる。よって、第1導体11と第2導体12とがそれぞれ第1結線部11c及び第2結線部12cから周方向において同一方向に延びる構成を採用することもできる。
○上記実施形態では、第1導体11及び第2導体12は平行部11d,12dと傾斜部11e,12eとから構成されているがこのような態様に限定されず、第1導体11及び第2導体12は平行部11d,12dを有しない単純な螺旋状に形成されていてもよい。このような構成によれば、第1導体11及び第2導体12が筒状部材10の軸方向に対して傾斜する部分が長くなりより強力な磁力線を形成することが可能となりスロットレスモータの出力を向上させることに貢献することができる。
○上記実施形態では、第1導体11及び第2導体12の断面形状は略長方形形状となっており径方向幅は周方向幅よりも狭くなっているがこのような態様に限定されない。たとえば、正方形の断面形状を有する導体や図8に示すような円形の断面形状を有する導体20であってもよい。なお、断面形状が円形の導体20を用いれば、導体の断面の方向性がないため容易に加工することができる。
○上記実施形態では、第1導体11及び第2導体12の断面形状は略長方形形状となっているが、例えば、図9に示すような楕円形の断面形状を有する導体21を用いることもできる。このような断面形状を有する導体20,21によれば、周方向端部よりも周方向略中央部が肉厚となるため第1導体11と第2導体12との当接部分を各導体20,21の周方向幅の略中央に配設することができる。よって、第1導体11と第2導体12とを電気的に接続するための圧着やはんだ付けが容易となる。なお、断面形状が楕円形の導体21は周方向幅W3が径方向幅W4よりも狭いため、断面が円形の導体20(図8参照)と比較して径方向において小さい電機子巻線を形成することができる。
○上記実施形態では、第1導体11及び第2導体12の断面形状は4つの角部を備えた略長方形形状となっているがこのような態様に限定されない。例えば、図10(a)〜(c)にそれぞれ示される導体30〜32のように曲率を備え2つの角部を有するものや、図11(a)〜(c)にそれぞれ示される導体40〜42のように3つの角部を有するものであってもよい。また、図12(a)〜(d)にそれぞれ示される導体50〜53のように曲率を備えた4つの角部を有するものであってもよい。すなわち、導体(第1導体11、第2導体12)の断面形状は適宜変更可能である。
○上記実施形態においては、板状部材17に第1導体11と第2導体12とが固定された後に板状部材17が筒状に成形されることにより第1導体11と第2導体12とが環状に配設された(S103、S104)が、このような態様に限定されない。例えば、図13及び14に示すように、まず、第1導体11及び第2導体12をそれぞれ環状に連結して第1環状部材60及び第2環状部材61を形成する(S201)。その後、第1環状部材60及び第2環状部材61を筒状に形成された筒状部材62に固定する(S202)こともできる。このような手順で第1導体11及び第2導体12を筒状部材10に固定すれば、板状部材17を筒状に変形する工程において第1導体11及び第2導体12が板状部材17から離間するおそれがないため第1導体11、第2導体12及び筒状部材10の互いに確実に固定することができる。
○上記実施形態では、第1導体11と第2導体12とを薄い板状の部材から形成した(S101、S102)がこのような手順に限定されず、図15に示される工程のように予め皮膜が形成された銅線を用いて形成することもできる。
銅線を用いた場合、まず、皮膜付の銅線を切断する(S301)。次に、切断された銅線の両端部の皮膜を除去し金属を露出させ結線部(第1結線部11c及び第2結線部12c(図2参照))を形成する(S302)次に、皮膜付銅線を屈曲させ平行部11d,12d(図2参照)と傾斜部11e,12e(図2参照)とを形成する(S303)。すなわち、予め導体に形成された皮膜を除去することによって結線部を形成することもできる。
○電機子巻線1は上述した2層構造を有するものに限定されず、単層構造の電機子巻線や多重層構造の電機子巻線に容易に変更することができる。
○上記実施形態では、筒状部材10は、プラスチックなどの樹脂材料から形成されているがこのような態様に限定されず例えば、薄肉円筒状に形成された金属の表面が含浸されたものや粉体を蒸着させたもの、絶縁シートなどから構成することができる。
○上記実施形態においては永久磁石9aが表面に配設された表面磁石型のロータコア9を用いたがこのような態様に限定されない。例えば、埋込磁石型のロータコア70を用いてもよい。
図16は埋込磁石型のロータコア70の断面図である。ロータコア70は、略円柱形状を有しその端面略中央を貫通する態様で形成され出力軸8を収容する中心孔71が形成されている。なお、ロータコア70は複数の円盤状のコアシートが積層されて形成されている。ロータコア70は、ロータコア70を軸方向に貫通し一対で径方向内側に凸の略V字形状をなす態様で収容孔72が形成されている。収容孔72はロータコア9の周方向に8対並んで形成されている。収容孔72には略四角柱状に形成された永久磁石73が収容されており16個の永久磁石73によって8対のV字永久磁石74がロータコア9に埋設される。また、隣り合うV字永久磁石74a,74bはN極とS極とが逆に設定され例えば、一つのV字永久磁石74a(永久磁石73a,73b)は径方向外側がN極に、それに隣接するV字永久磁石74b(永久磁石73c,73d)は径方向外側がS極にそれぞれ設定される。なお、本実施形態においてはV字永久磁石74は8対埋設されているがこのような態様に限定されず、V字永久磁石74(永久磁石73)の個数は、前記電機子巻線1において各相となる巻線201〜206が形成する磁極の数と同一であれば、適宜変更可能である。
○上記実施形態においては、電機子巻線1の各相は2本の並列した巻線201〜206となっており、32個の導体(第1導体11及び第2導体12)によって各相の巻線が形成されているがこのような態様に限定されない。各相の巻線を構成する導体(第1導体11及び第2導体12)の個数は、ロータ80の極数(本実施形態では8)と同一の極数を形成することが可能であればよく、少なくとも各相ごとに8個ずつの第1導体11及び第2導体12(すなわち、16個の導体)が設けられていれば8極とすることは可能である。さらに、ロータ4の位置検出を行って電機子巻線1(第1電機子巻線1a,第2電機子巻線1b)に与える駆動電流の波形を変更し、電機子巻線1(第1電機子巻線1a,第2電機子巻線1b)の各相の磁極の数と永久磁石9aの数とを異ならせてもよい。さらに、上記実施形態では、第1導体11と第2導体12とを、1相あたり8極とし、3相で24極の分布巻としているがこのような態様に限定されず、例えば、第1導体11と第2導体12とを、1相あたり1極とし、3相で3極の集中巻としてもよい。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。尚、本実施形態では、前記第1実施形態で示した導体(第1導体11、第2導体12)とは異なる構成の導体18を用いている点が異なっている。従って、以下には導体18の構成を中心に説明する。
図17(a)は導体18の斜視図であり、(b)は図17(a)のC−C断面図である。図17(a)及び(b)に示すように、導体18は、導体18が周方向に分割される態様で形成された複数(図17においては2本)の導体片(第1導体片、第2導体片)18aから構成されている。また、複数の導体片18a同士は周方向に隣接して配置されるとともに接着にて固定されており皮膜18bによって一体的に被覆されている。従って、導体18の断面形状は、複数の導体片18aの断面形状を合成した形状、つまり周方向(導体片18a同士が隣接する方向)を長手方向とする長方形となっている。なお、導体片18aは個々に皮膜が形成されていてもよい。
本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
(1)導体18は複数の導体片18aから構成されているため、ロータ磁束が通過する導体の一本あたりの面積が小さくなるため渦電流のループが小さくなる。よって、ロータ磁束によるうず電流損を低減させることができる。ところで、巻線に高周波の交流電流を通電すると電流は導体の表面に集中する(表皮効果)ため、導体の断面積において電流の流れる有効な面積が低下する。しかし、導体(第1導体、第2導体)18はそれぞれ複数の導体片(第1導体片、第2導体片)18aとから構成されているため、導体(第1導体、第2導体)18を構成する導体の表面積が増加する。よって、導体(第1導体、第2導体)18の断面積を変化させることなく電流が通過する面積(導体断面積)を増加させることが可能となり、表皮効果による通電断面積の低下を抑制することができる。なお、導体(第1導体、第2導体)18を構成する導体片18aの断面形状は円でもよく適宜変更可能である。また、導体片の本数も適宜変更可能である。
(第3実施形態)
以下、本発明を具体化した第3実施形態を図面に従って説明する。尚、本実施形態では、前記第1実施形態又は第2実施形態で示したロータ4とは異なる構成のロータ80を用いている点が異なっている。従って、以下にはロータ80の構成を中心に説明する。
図18はロータ80の分解斜視図である。
ロータ80は、図18に示すように、出力軸81と、筒状に成形されているロータ鉄82と、ロータ鉄82の外周に固定される環状磁石83と環状磁石83の両端面に配設される磁石固定板84とを有している。
出力軸81はロータ鉄82の内周側に圧入にて固定されている。なお、ロータ鉄82と出力軸81とは、一体に成形されていてもよく、また、接着にて固定されていてもよい。
ロータ鉄82は、磁石固定板84が圧入固定される圧入固定部82aと環状磁石83が接着にて固定される接着固定部82bとを備えている。圧入固定部82aは接着固定部82bの外周面を凹設する態様で接着固定部82bの端部に形成されており、圧入固定部82aの外形は接着固定部82bの外形よりも若干小さくなっている。
環状磁石83は、環状磁石83の周方向に等間隔で分割する態様で形成される8極の磁石から構成されている。すなわち、電機子巻線1の極数(8)と同一の極数となっている。
ここで、図19に図18図示状態において矢印Dからみたロータ80の断面図を示す。なお、図19に記載されている矢印は磁石83a〜83dの着磁方向である。図19に示すように環状磁石83は、それぞれ異なる方向に着磁されている16個の磁石から構成されている。磁石83a〜83dの着磁方向は径方向において90°ずつ回転しており、環状磁石83が一回転することにより4周期の正弦波が形成されるハルバッハ配置となっている。つまり、環状磁石83は径方向に着磁された8個の主磁石83a,83cと周方向に着磁されるとともに該主磁石83a,83c間に配置された8個の補助磁石83b,83dから構成されている。なお、この環状磁石83の極数も前記第1実施形態及び第2実施形態に示した電機子巻線1の極数(8)と一致しており、ロータ80は前記制御装置100(図27参照)によって電機子巻線1に駆動電流が供給されることによって回転する。磁石83a〜83dは接着にて互いに固定されるとともに、接着固定部82bに接着にて固定されている。また、磁石83a〜83dは径方向の厚みが周方向の厚みよりも大きくなっている。
磁石固定板84は、図18に示すように、円盤状に形成された円盤部84aを有し、その略中央にロータ鉄82に貫通される固定孔84bが形成されている。また、円盤部84aは、固定孔84bの環状磁石83側の端部から環状磁石83側に突出する態様で一体的に形成された圧入部84cを備えている。圧入部84cにロータ鉄82の圧入固定部82aが圧入される態様で磁石固定板84とロータ鉄82とが固定される。また、磁石固定板84は、環状磁石83の端面83eに当接する磁石当接面84dを有する。環状磁石83の端面83eと磁石当接面84dとが接着にて固定されることにより磁石固定板84と環状磁石83とが固定される。
本実施形態によれば、上記第1及び第2実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
(1)ハルバッハ配置の磁石とすることで表面磁石タイプの場合に比較し、同体積の磁石であっても有効磁束を大きくすることができる。ところで、スロットレス構造の電機子を用いる場合、図1に示すようにコア3aとロータコア9との間に巻線を配設するため、スロットがある回転電機と比較してエアギャップが大きくなり有効な磁束の量が小さくなる傾向がある。しかし、磁石をハルバッハ配置とすることにより同体積の磁石でも有効な磁束の量を大きくすることが可能となりスロットレスモータの出力を向上させることができる。また、出力軸81側に磁束がほとんど漏れないため、磁石83a〜83dを出力軸81に近接させることができる。よって、磁石の体積を増加させることが可能となり出力を向上させることができる。また、中空構造のロータとして駆動性を向上させることができる。また、ロータの外周面の磁束分布が従来の表面磁石タイプのものに比べて正弦波に近くなり、高調波磁束に起因するトルクリップルを低減することができる。
(2)磁石83a〜83dは径方向の厚みが周方向の厚みよりも大きく形成されているため、磁束の動作点の磁束密度を大きくすることが可能となる。よって、モータ特性を向上させることができる。
(3)磁石固定板84によって環状磁石83と環状磁石83(磁石83a〜83d)以外のロータ部品とをより確実に固定することが可能となる。また、環状磁石83の脱落が妨げられる。また、磁石固定板84は環状磁石83の端部に配設されるため、環状磁石83の外周面における機械的ギャップと磁気的ギャップとを同等とすることができる。また、うず電流損も発生しないためモータ特性を向上させることができる。
尚、上記第3実施形態は、以下のように変更してもよい。
○環状磁石83を構成する磁石83a〜83dの個数は上述したものに限定されない。例えば図20に示すように、環状磁石83fを構成する磁石83gの個数は適宜変更可能である。なお、このように分割数を増やすことにより、磁石磁束の高調波成分はさらに小さくなりモータ性能の向上が見込める。
○磁石固定板84は一枚でもよい。
○上記実施形態においては、径方向に沿って着磁された8個の主磁石83a,83cと周方向に沿って着磁された8個の補助磁石83b,83dとによって8極が形成されている。すなわち、1つの磁極が複数の磁石から構成されるハルバッハ配置のロータ80となっている。このような構成のロータにおいては、図33に示すようにロータ310の補助磁石311及び主磁石312を補助磁石311の外周側の面311aの周方向幅Wsと補助磁石311の径方向厚さtとの関係が0<Ws<1.5tを満たすように形成すれば、新たな効果を奏することができる。
ここで、上記関係を満たす補助磁石311を有するハルバッハ配置のロータ310を備えたモータの平均トルクと、例えば第1実施形態で示したような1つの磁極が1つの永久磁石9aから構成された通常配列のSPM型(Surface Permanent Magnet)のロータ4を備えたモータの平均トルクと、を比較する。
図34に、補助磁石311の径方向厚さtを変化させて同補助磁石311の固定子側の面の周方向幅Wsを変化させた場合の、ハルバッハ配列の磁石を有するロータを備えたモータにおける平均トルクThalbach と、通常配列の磁石を有するSPM型のロータを備えたモータにおける平均トルクTSPM との差を示す。
なお、図34においては、主磁石312の固定子側の面の周方向幅Wm(図33参照)と補助磁石311の固定子側の面の周方向幅Wsとの関係が、Wm=Wsとなる場合のThalbach とTSPM との差を実線にて図示し、Wm=Ws/2となる場合のThalbach とTSPM との差を破線にて図示し、Wm=2Wsとなる場合のThalbach とTSPM との差を一点鎖線にて図示している。なお、主磁石312の固定子側の面の周方向幅Wmは、主磁石312の固定子側の面における周方向に沿った幅であり、主磁石312の固定子側の面の周方向の長さに等しい値である。また、平均トルクの差を取る2つのモータにおいては、磁石の量及び性能(磁束密度等)を等しくしている。
図34から、補助磁石311の固定子側の面の周方向幅Wsが1.5tよりも小さい場合、即ち0<Ws<1.5tの範囲内では、通常配列の磁石を有するSPM型のロータを備えたモータにおける平均トルクTSPM よりも、ハルバッハ配列の磁石を有するロータを備えたモータにおける平均トルクThalbach の方が大きい値となることがわかる。
従って、補助磁石311を、その周方向幅Wsと径方向厚さtとの関係が0<Ws<1.5tを満たすように形成することによって、通常配列の永久磁石9aを有するSPM型のロータを備えたモータよりも平均トルクが大きくなる。よって、ハルバッハ配列の磁石(主磁石312及び補助磁石311)を備えたモータにおいて、トルクリップルの低減を図りつつ、通常配列の永久磁石9a(図1(b)参照)を備えたSPM型のモータよりも確実にトルクを向上させることができる。
○なお、このような構成のロータにおいては、図35に示すようにロータ320の主磁石321及び補助磁石322を、各主磁石321の外周側の面321aの周方向幅Wmと磁極ピッチ幅Wpとの関係が0.1Wp<Wm<0.45Wp若しくは0.6Wp<Wm<0.85Wpを満たすように形成することによって新たな効果を奏することができる。
ここで、永久磁石がハルバッハ配列とされた8極表面磁石型(SPM型)の回転子を備えたモータにおける、主磁石の固定子側の面の周方向幅Wmとトルクリップルとの関係を図36に示す。図36では、残留磁束密度BrがBr=0.4[T]の主磁石及び補助磁石をモータに備えた場合において、主磁石の径方向厚さtがt=0.1r(rは回転子の半径)である場合のWmとトルクリップルとの関係を実線のグラフにて示している。また、残留磁束密度BrがBr=0.4[T]の主磁石及び補助磁石をモータに備えた場合において、主磁石の径方向厚さtがt=0.2rである場合のWmとトルクリップルとの関係を破線のグラフにて示し、主磁石の径方向厚さtがt=0.4rである場合のWmとトルクリップルとの関係を一点鎖線のグラフにて示している。更に、図36では、残留磁束密度BrがBr=1.3[T]の主磁石及び補助磁石をモータに備えた場合において、主磁石の径方向厚さtがt=0.2rである場合のWmとトルクリップルとの関係を二点鎖線のグラフにて示している。
図36を見ると、主磁石及び補助磁石の残留磁束密度BrがBr=0.4[T]及びBr=1.3[T]の何れの場合であっても、更に、主磁石の径方向厚さtがt=0.1r,0.2r,0.4rの何れの場合であっても、Wmを変化させた場合のトルクリップルのグラフは、略W字状となることがわかる。詳しくは、4つのグラフは、0<Wm≦0.5Wpの範囲内では下に凸となっている。更に、4つのグラフは、0.5Wp<Wm<Wpの範囲内では下に凸となっている。また、図36を見ると、残留磁束密度Brが小さくなると、グラフにおける凹凸の差が少なくなり、トルクリップルはWmの値の変化に伴って緩やかに変化するようになることがわかる。
これらのことを踏まえると、図36より、主磁石が0.1Wp<Wm<0.45Wp若しくは0.6Wp<Wm<0.85Wpを満たすように形成されると、残留磁束密度Brに拘わらず、主磁石及び補助磁石の固定子側の面の周方向幅Wm,Wsが互いに等しく形成された従来のモータに比べて、確実にトルクリップルが小さくなることがわかる。
また、ここで、永久磁石がハルバッハ配列とされた8極表面磁石型(SPM型)の回転子を備えたモータにおける、主磁石の固定子側の面の周方向幅Wmと平均トルクとの関係を図37に示す。図37においては、主磁石の径方向厚さtがt=0.1rである場合のWmと平均トルクとの関係を実線(曲線)のグラフにて示し、主磁石の径方向厚さtがt=0.2rである場合のWmと平均トルクとの関係を破線(曲線)のグラフにて示している。また、主磁石の径方向厚さtがt=0.3rである場合のWmと平均トルクとの関係を二点鎖線(曲線)のグラフにて示し、主磁石の径方向厚さtがt=0.4rである場合のWmと平均トルクとの関係を一点鎖線(曲線)のグラフにて示している。
また、図37には、1つの磁極が1つの永久磁石から構成された通常配列の永久磁石を有するSPM型の回転子を備えたモータにおける平均トルクを図示している。詳しくは、永久磁石が通常配列とされたSPM型の回転子を有するモータにおいて、主磁石の径方向厚さtがt=0.1rとなるモータに備えられた永久磁石(主磁石及び補助磁石)と同量の永久磁石を備えた場合の平均トルクを実線(直線)のグラフにて示している。そして、永久磁石が通常配列とされたSPM型の回転子を有するモータにおいて、主磁石の径方向厚さtがt=0.2rとなるモータに備えられた永久磁石と同量の永久磁石を備えた場合の平均トルクを破線(直線)のグラフにて示している。また、永久磁石が通常配列とされたSPM型の回転子を有するモータにおいて、主磁石の径方向厚さtがt=0.3rとなるモータに備えられた永久磁石と同量の永久磁石を備えた場合の平均トルクを二点鎖線(直線)にて示している。更に、永久磁石が通常配列とされたSPM型の回転子を有するモータにおいて、主磁石の径方向厚さtがt=0.4rとなるモータに備えられた永久磁石と同量の永久磁石を備えた場合の平均トルクを一点鎖線(直線)のグラフにて示している。
図37を見ると、主磁石の径方向厚さtがt=0.1r,0.2r,0.3r,0.4rの何れの場合であっても、主磁石の固定子側の面の周方向幅Wmと平均トルクとの関係を示すグラフは、上に凸の曲線状となっている。そして、Wmと平均トルクとの関係を示す4つのグラフにおける平均トルクの最大値は、それぞれ、永久磁石が通常配列とされたSPM型の回転子を有するモータの平均トルクよりも大きな値となっている。即ち、主磁石の径方向厚さtがt=0.1rである場合にWmを変化させた場合の平均トルク(実線の曲線)の最大値は、主磁石の径方向厚さtがt=0.1rとなるモータに備えられた永久磁石と同量の永久磁石を備え該永久磁石が通常配列とされたモータの平均トルク(実線の直線)よりも大きな値となっている。同様に、主磁石の径方向厚さtがt=0.2rである場合にWmを変化させた場合の平均トルク(破線の曲線)の最大値は、主磁石の径方向厚さtがt=0.2rとなるモータに備えられた永久磁石と同量の永久磁石を備え該永久磁石が通常配列とされたモータの平均トルク(破線の直線)よりも大きな値となっている。また同様に、主磁石の径方向厚さtがt=0.3rである場合にWmを変化させた場合の平均トルク(二点鎖線の曲線)の最大値は、主磁石の径方向厚さtがt=0.3rとなるモータに備えられた永久磁石と同量の永久磁石を備え該永久磁石が通常配列とされたモータの平均トルク(二点鎖線の直線)よりも大きな値となっている。また同様に、主磁石の径方向厚さtがt=0.4rである場合にWmを変化させた場合の平均トルク(一点鎖線の曲線)の最大値は、主磁石の径方向厚さtがt=0.4rとなるモータに備えられた永久磁石と同量の永久磁石を備え該永久磁石が通常配列とされたモータの平均トルク(一点鎖線の直線)よりも大きな値となっている。
また、図37を見ると、主磁石の固定子側の面の周方向幅Wmと平均トルクとの関係を示す4つのグラフにおいて、平均トルクが最大となるWmの値(図37においてグラフ上に点を付している)は、主磁石の径方向厚さtが大きくなるに連れて小さくなることがわかる。そして、主磁石が0.1Wp<Wm<0.45Wpを満たして形成される場合には、主磁石の径方向厚さtがt≧0.3rであると、ハルバッハ配列の永久磁石を有するモータにおける平均トルクを、通常配列の永久磁石を有するSPM型のモータにおける平均トルクに対し、同等の大きさ若しくはそれ以上の大きさとすることができることがわかる。また、主磁石が0.6Wp<Wm<0.85Wpを満たして形成される場合には、主磁石の径方向厚さtがt≧0.1rであると、ハルバッハ配列の永久磁石を有するモータにおける平均トルクを、通常配列の永久磁石を有するSPM型のモータにおける平均トルクに対し、同等の大きさ若しくはそれ以上の大きさとすることができることがわかる。よって、主磁石の固定子側の面の周方向幅Wmと主磁石の径方向厚さtとをこのように設定することにより、ハルバッハ配列の永久磁石を有するモータでは、トルクリップルの低減を図りつつ、より大きな平均トルクとすることができる。
(第4実施形態)
以下、本発明を具体化した第4実施形態を図面に従って説明する。尚、本実施形態のロータ85は、前述した第3実施形態で示したロータ80と同様の出力軸86とロータ鉄87とを用いており、ロータ80とは異なる形状の環状磁石88と環状磁石88の両端面に配設される磁石固定板89とから構成されている。よって、出力軸86及びロータ鉄87の説明は省略し、以下に環状磁石88及び磁石固定板89においてロータ80の環状磁石83及び磁石固定板84と異なる構成について詳しく説明する。
図21はロータ85の分解斜視図である。
環状磁石88は、外周面の全周にわたって外周面が凹設される態様で形成された環状凹部88aが形成されている。環状凹部88aは環状磁石88の外周面両端部に環状磁石88の端面88bと連続する態様で形成されている。環状凹部88aの外径は、環状磁石88における環状凹部88aを除く部分の外径よりも小さくなっている。
磁石固定板89は、円盤部89aの環状磁石88と対向する側に円盤部89aから突出する環状部89bが形成されている。環状部89bは円盤部89aと同軸的な円環形状に形成されており、円盤部89aの径方向端部に一体成形されている。環状部89bの内径は環状磁石88の環状凹部88aの外径とほぼ等しく形成されており、環状凹部88aと環状部89bとが嵌合する態様で環状磁石88と磁石固定板89とが固定されている。すなわち、環状凹部88a及び環状部89bから構成される支持構造により環状磁石88は径方向から支持される。また、環状部89bの外径は環状磁石88の最大外径部(環状凹部88aが形成されていない部分)の外形よりも小さくなっている。
本実施形態によれば、上記第1〜第3実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
(1)上述した構成の磁石固定板89と環状磁石88とによれば、支持構造(環状部89b及び環状凹部88a)が嵌合することにより、環状磁石88は環状部89bによって径方向から支持される。よって、機械的ギャップと磁気的ギャップとを同等なものとしながら環状磁石88をより確実に固定することができる。
(2)環状磁石88に形成された環状凹部88aに環状部89bが嵌合するため環状部89bの外径を環状磁石88の最大外径部よりも小さくすることが可能となる。よって、電機子3(図1参照)と磁石固定板89とが接触するおそれが低減される。
尚、上記第4実施形態は、以下のように変更してもよい。
○環状磁石88及び磁石固定板89が有する支持構造を図22〜図26に示すように変更することもできる。支持構造として例えば、図22に示すように、環状磁石90は、端面90aから突出する態様で複数の固定用凸部90bが形成されている。また、磁石固定板91には磁石固定板91を板厚方向に貫通する態様で固定用凸部90bに応じた位置に凸部嵌合部91aが形成されている。また、支持構造として図23に示す環状磁石92は、環状磁石92の両端面92aを貫く態様で通し穴92bが形成されている。また、磁石固定板93には環状磁石92の通し穴92bに応じた位置に嵌合軸93aが形成されている。また、支持構造として図24に示す環状磁石94には、端面94aを凹接する態様で環状の凹部94bが形成されている。また、磁石固定板95には、端面95aから突出する態様で環状の凸部95bが形成されている。また、支持構造として例えば図25に示すように、環状磁石96及び磁石固定板97には貫通孔96a,97aが形成されており貫通孔96a,97aにリベット97b(もしくはねじなど)が挿入されることにより固定される。また、支持構造として例えば図26に示すように、磁石固定板98に環状磁石99の最大外径部よりも大きな内径を有する環状に成形された環状支持部98aを形成してもよい。
上述した支持構造を有することにより、環状磁石90,92,94,96,99は磁石固定板91,93,95,97,98によって径方向外側への移動が規制される。よって、環状磁石は磁石固定板によって確実に固定され、環状磁石が離脱するおそれが低減される。また、磁石固定板91,93,95,97は環状磁石90,92,94,96の径方向に突出しないため、上述した(13)と同等の効果を奏することができる。
○環状磁石88の環状凹部88aと磁石固定板89の環状部89bとは全周にわたって形成されていなくてもよい。
○環状磁石88は磁石固定板89によって両側から支持されていなくてもよい。
(a)スロットレスモータの概略構成図、(b)(a)のA−A断面図。 (a)電機子巻線1の斜視図、(b)(a)の一部拡大図。 (a)電機子巻線1の一部の斜視図、(b)(a)のB−B断面図。 (a)〜(d)製造工程の概略図。 製造工程のフローチャート。 製造工程を示す概略図。 製造工程を示す概略図。 別例を示す断面図。 別例を示す断面図。 (a)〜(c)別例を示す断面図。 (a)〜(c)別例を示す断面図。 (a)〜(d)別例を示す断面図。 製造工程の別例を示す概略図。 製造工程の別例のフローチャート。 製造工程の別例のフローチャート。 別例を示す断面図。 (a)第2実施形態の斜視図、(b)(a)のC−C断面図。 第3実施形態の分解斜視図。 図18矢印Dからみたロータ80の断面図。 別例の断面図。 第4実施形態の分解斜視図。 別例の分解斜視図。 別例の分解斜視図。 別例の分解斜視図。 別例の分解斜視図。 別例の分解斜視図。 制御装置の概略構成図。 (a),(b)モータに入力される駆動信号の波形図。 図2のA−A線断面図。 電機子巻線の一部の拡大図。 第1導体及び第2導体の接続方法の説明図。 (a)〜(c)電機子巻線の結線図。 第3実施形態の別例を説明するための説明図。 補助磁石の固定子側の面の周方向幅Wsと、ハルバッハ配列の永久磁石を有する回転子を備えたモータにおける平均トルクThalbach と通常配列の永久磁石を有するSPM型の回転子を備えたモータにおける平均トルクTSPM との差との関係を示すグラフ。 第3実施形態の別例を説明するための説明図。 主磁石の固定子側の面の周方向幅Wmとトルクリップルとの関係を示すグラフ。 主磁石の固定子側の面の周方向幅Wmと平均トルクとの関係を示すグラフ。
符号の説明
1,1a,1b…電機子巻線、2…スロットレスモータ、4,80,85,310,320…ロータ、7a…外周、10,62…筒状部材、11(X1〜X48)…第1導体、11a…皮膜、11b…第1被覆部、11c,X8cc,X8c…第1結線部、11d,12d,X1d,X2d,X7d,X8d,X13d,X19d,X25d,X31d,X37d,X43d,Y1d,Y2d,Y7d,Y13d,Y14d,Y19d,Y25d,Y31d,Y37d,Y43d…平行部、11e,12e,X31e,X37e,Y31e,Y37e…傾斜部、12(Y1〜Y48)…第2導体、12a…皮膜、12b…第2被覆部、12c,Y2c,Y14cc…第2結線部、17…筒状に成形される板状部材、18,20,21,30−32,40−42,50−53…導体、83g,83a−83d,311,312,321,322…磁石、84,89,91,93,95,97,98…磁石固定板、101…駆動回路、201〜206…巻線、W3…周方向幅、W4…径方向幅、Lu,Lv,Lw…外部インダクタンス、Su1,Su2,Sv1,Sv2,Sw2…駆動電流。

Claims (16)

  1. 筒状に形成された電機子巻線を有する電機子と、ハルバッハ配置された複数の磁石を有するロータとを備えたスロットレスモータであって、
    前記電機子巻線は、筒状に形成される筒状部材と、前記筒状部材に固定され通電される導体と、を有し、
    前記導体は、被覆された第1被覆部と前記第1被覆部の端部に設けられ露出された第1結線部とを有し前記筒状部材の内周側に固定される第1導体と、被覆された第2被覆部と前記第2被覆部の端部に設けられ露出された第2結線部とを有し前記筒状部材の外周側に固定される第2導体と、から構成され、
    前記第1結線部と前記第2結線部とは電気的に接続され、
    前記ロータの前記磁石は、径方向に沿って着磁された主磁石と、周方向に沿って着磁された補助磁石と、から構成され、
    前記主磁石における前記電機子側の面の周方向幅をWmとし、前記補助磁石における前記電機子側の面の周方向幅をWs、前記補助磁石の径方向厚さをtとした場合に、
    Wsとtの関係が0<Ws<1.5tのときのWmとWsの関係を、
    Ws/2≦Wm<Ws
    としたことを特徴とするスロットレスモータ。
  2. 請求項1に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記磁石は径方向の厚みは周方向の厚みよりも大きい
    ことを特徴とするスロットレスモータ。
  3. 請求項1又は2に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記ロータは、非磁性体又は微磁性体からなる磁石固定板を有し、
    前記磁石固定板は、前記磁石の軸方向端部に当接される
    ことを特徴とするスロットレスモータ。
  4. 請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記導体は、該導体に駆動電流を供給する駆動回路に外部インダクタンスを介して接続された
    ことを特徴とするスロットレスモータ。
  5. 請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記第1導体と前記第2導体とは、互いにねじれ方向が異なる
    ことを特徴とするスロットレスモータ。
  6. 請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記第1導体及び前記第2導体は、前記筒状部材の軸方向に対して傾斜する傾斜部と前記筒状部材の軸方向に沿って延びる平行部を有する
    ことを特徴とするスロットレスモータ。
  7. 請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記第1導体は、前記第1導体の長手方向に延びる複数の第1導体片が隣接されてなり、該第1導体片同士が隣接する方向を長手方向とする断面形状を有し、
    前記第2導体は、前記第2導体の長手方向に延びる複数の第2導体片が隣接されてなり、該第2導体片同士が隣接する方向を長手方向とする断面形状を有している
    ことを特徴としたスロットレスモータ。
  8. 請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記第1導体及び前記第2導体は、径方向幅が周方向幅よりも狭い
    ことを特徴とするスロットレスモータ。
  9. 請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記導体は、少なくとも2箇所の角部を備えた断面形状を有する
    ことを特徴とするスロットレスモータ。
  10. 請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記第1結線部及び前記第2結線部は、周方向端部よりも周方向略中央部が肉厚である
    ことを特徴とするスロットレスモータ。
  11. 請求項1に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記導体は、楕円形状の断面形状を有する
    ことを特徴とするスロットレスモータ。
  12. 請求項1〜の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記導体は、円形の断面形状を有する
    ことを特徴とするスロットレスモータ。
  13. 請求項1〜1の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記導体は、筒状に成形された後前記筒状部材に固定される
    ことを特徴とするスロットレスモータ。
  14. 請求項1〜1の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記筒状部材は、前記導体が固定された後に筒状に成形される
    ことを特徴とするスロットレスモータ。
  15. 請求項1〜1の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記第1導体と前記第2導体との電気的接続は、筒状に成形された後に実施される
    ことを特徴とするスロットレスモータ。
  16. 請求項1〜1の何れか1項に記載のスロットレスモータにおいて、
    前記第1結線部と前記第2結線部とは前記筒状部材の端部から突出する
    ことを特徴とするスロットレスモータ。
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