JP4884814B2 - 鋼板残存部除去装置及び鋼板残存部除去方法 - Google Patents

鋼板残存部除去装置及び鋼板残存部除去方法 Download PDF

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Description

本発明は,一定方向に進行する鋼板の後端を,下刃及び上刃を鋼板の進行方向に沿って順に備えた切断機によって切断した後に,切断機の下刃上に残存する鋼板の残存部を除去する鋼板残部除去装置及び鋼板残部除去方法に関する。
圧延された鋼板を所定の寸法及び形状にせん断する従来の技術として,圧延ラインで圧延された鋼板を例えば冷却床経由でせん断ラインに送り,圧延された鋼板をせん断ライン上で進行させながら分割せん断,耳切せん断,縦割せん断及び仕上げせん断等の各種のせん断を順に行う方法が知られている。
圧延ラインで圧延された鋼板は,その前端及び後端が不定形状をしているため,せん断ラインにおいて,これらの不定形状部分を切除する必要がある。一般に,せん断ラインでの不定形状部分の切除は,下刃及び上刃を鋼板の進行方向に沿って順に備えたせん断機を用いて鋼板を幅方向にせん断することにより,鋼板の前後端の不定形状部分(クロップとも呼ばれる)を各々,鋼板の他の部分から分離し,その後,これら不定形状部分を除去することで行われる。
なお,鋼板の前端の不定形状部分と,鋼板の後端の不定形状部分とでは,切除の際の扱いが異なってくる。鋼板の前端をせん断機でせん断すると,分離された不定形状部分は,せん断機の下刃の前方より下方に自然に落下する。これに対し,鋼板の後端をせん断機でせん断した場合には,分離された不定形状部分がせん断機の下刃上に残存してしまうため,その除去には工夫が必要であった。
特許文献1には,鋼板の後端をせん断機でせん断した場合に,せん断機の下刃上に残存する不定形状の残存部を除去するクロップ排除装置が開示されている。上記特許文献1に記載のクロップ排除装置では,細長い形状の押部材を鋼板の進行方向に前進させ,せん断機の下刃上に残存する鋼板の残存部に後方から触突させ,鋼板の残存部を前方に押出することにより除去を行っている。
特公昭56−42406号公報
しかしながら,上記特許文献1に記載のクロップ排除装置では,せん断機の下刃上に残存する鋼板の残存部に細長い形状の押部材を触突させて押出することによりこの残存部の除去を行っているため,不定形状の形状具合によっては,鋼板の残存部が前方以外の方向に押出されたり,鋼板面を起立させた状態になってしまったりして,除去が失敗する恐れがある。また,残存部が非常に薄い場合には,押部材が空振りして鋼板の残存部に蝕突せずに除去が失敗してしまう可能性もある。さらに,残存部が予想外の場所に落下した場合には,せん断ラインの操業を停止してしまう事故が発生してしまう可能性もある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり,せん断ライン上を搬送される鋼板の後端を,下刃及び上刃を鋼板の進行方向に沿って順に備えたせん断機等の切断機で切断した際に,下刃上に残存する鋼板の不定形状の残存部を従来よりも確実に除去することが可能な鋼板残存部除去装置及び鋼板残存部除去方法を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によれば、複数の搬送ロールにより搬送される鋼板の後端を、前記搬送ロール間に設けた下刃とその上部に設けた上刃を備える切断機によって切断した際に、前記切断機の下刃上に残存する前記鋼板の残存部を除去する鋼板残存部除去装置であって、前記下刃上に残存する前記鋼板の残存部を吸着保持する磁石と、前記磁石を上下方向及び鋼板進行方向に対して前後に移動可能に吊り下げ支持する平行クランク機構とを有し、前記平行クランク機構によって、前記磁石を前記鋼板進行方向に前進降下させた後、前記磁石を前進させて前記鋼板の残存部に近付けて吸着保持し、次いで、前記磁石を前記鋼板進行方向と反対方向に後退上昇させ、前記磁石で吸着保持した前記鋼板の残存部を前記下刃上から除去することが可能であり、前記平行クランク機構は、第1の平行クランク機構と、前記第1の平行クランク機構に揺動可能に設けられた第2の平行クランク機構とを有することを特徴とする鋼板残存部除去装置が提供される。
上記鋼板残存部除去装置において,前記平行クランク機構は,前記鋼板の進行路の上方において,前記鋼板の進行方向に直交する幅方向に移動可能な移動台車に設けられていてもよい。
上記鋼板残存部除去装置において,前記磁石は,各々が独立して励磁可能で且つ前記鋼板の進行方向に直交する幅方向における任意の位置に配置可能な複数の磁石であってもよい。
また、本発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の鋼板残存部除去装置で、前記切断機の下刃上に残存する前記鋼板の残存部を除去する鋼板残存部除去方法であって、前記平行クランク機構によって、前記磁石を前記鋼板進行方向に前進降下させた後、前記磁石を前進させて前記鋼板の残存部に近付けて吸着保持し、次いで、前記磁石を前記鋼板進行方向と反対方向に後退上昇させ、前記吸着保持した前記鋼板の残存部を前記下刃上から所定位置まで移送することを特徴とする鋼板残存部除去方法が提供される。
上記鋼板残存部除去方法において,予め前記鋼板の後端の形状を求め,この形状に基づき,前記磁石で前記鋼板の残存部を吸着保持する前に,前記磁石の前記幅方向における中心位置が,前記下刃上に残存することになる前記鋼板の残存部の前記幅方向における中心位置に合致するように,前記磁石を移動させてもよい。
上記鋼板残存部除去方法において,前記磁石は,各々が独立して励磁可能で且つ前記鋼板の進行方向に直交する幅方向における任意の位置に配置可能な複数の磁石であり,前記予め求めた前記鋼板の後端の形状に基づき,前記複数の磁石のうちで励磁する磁石を選択するようにしてもよい。
本発明によれば,ライン上を搬送される鋼板の後端を,下刃及び上刃を鋼板の進行方向に沿って順に備えたせん断機等の切断機で切断した際に,下刃上に残存する鋼板の残存部を従来よりも確実に除去することができ,ラインの操業を安定化させることができる。
以下,図面を参照しながら,本発明の好適な実施形態について説明をする。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は,本発明の実施の形態に係る鋼板残存部除去装置1が適用された鋼板Iのせん断ライン2の構成図である。図1に示すように,鋼板Iのせん断ライン2は,例えば圧延機10及び冷却装置11等で構成された圧延ライン3の下流に,冷却床4を介して配置されている。鋼板Iは,図1の矢印で示す方向に搬送され,圧延ライン3での圧延処理,冷却床4での冷却処理,せん断ライン2でのせん断処理が順に行われる。なお,本実施の形態では,切断処理の一例としてせん断処理について説明し,切断機の一例としてせん断機について説明するが,せん断以外の切断処理やせん断機以外の切断機が用いられてもよい。
せん断ライン2は,鋼板Iの進行方向X(図1中,右方向)に沿って平面形状計15,分割せん断機16,耳切せん断機17,縦割せん断機18及び仕上げせん断機19が配置された構成を有する。本実施の形態では,仕上げせん断機19の入側に本発明の実施の形態に係る鋼板残存部除去装置1が設けられている。
平面形状計15は,せん断ライン2上を搬送される鋼板Iの前端及び後端の平面形状を測定する測定装置である。本実施の形態では,測定された鋼板Iの前端及び後端の平面形状の情報は,図示しない解析装置に入力されて解析され,その解析結果に基づいて分割せん断機16で鋼板Iの前端が切除され,仕上げせん断機19で鋼板Iの後端が切除されるように構成されている。また,鋼板Iの後端の平面形状の情報の解析結果は,鋼板残存部除去装置1にも入力される。
分割せん断機16は,せん断ライン2上を搬送される鋼板Iを幅方向にせん断し,長手方向(即ち,進行方向)の長さが各々所定の長さである複数枚の鋼板Iに分割することが可能なせん断機である。
耳切せん断機17は,せん断ライン2上を搬送される鋼板Iを長手方向にせん断し,いわゆる耳と呼ばれる鋼板Iの幅方向における両端部を切除することが可能なせん断機である。
縦割せん断機18は,せん断ライン2上を搬送される鋼板Iを長手方向にせん断し,幅方向の長さが各々所定の長さである複数の鋼板Iに分割することが可能なせん断機である。
仕上げせん断機19は,せん断ライン2上を搬送される鋼板Iを幅方向にせん断し,長手方向(即ち,進行方向)の長さが各々所定の長さである複数の鋼板Iに分割することにより,最終的に出荷する寸法に仕上げることが可能なせん断機である。ここで,図2は,本発明の実施の形態に係る鋼板残存部除去装置1が切断機の一例である仕上げせん断機19の入側に配置された状態を示す斜視図である。本実施の形態では,仕上げせん断機19は,図2に示すように,1対の下刃20及び上刃21を備えた構成を有する。下刃20及び上刃21は,共に直方体形状をしており,その長手方向がせん断ライン2の幅方向Yに平行に配置されている。下刃20は,その上面の高さが,せん断ライン2上を搬送される鋼板Iの下面の高さと概ね同じになる位置に固定されている。上刃21は,下降時に下刃20と摺動するように,鉛直方向に上下動可能に設けられている。仕上げせん断機19は,上刃21を下降させて下刃20と摺動させることによって,下刃20及び上刃21の間に配置された鋼板Iを,下刃20の上面前方角部と上刃21の下面後方角部との間で幅方向(Y方向)にせん断することが可能に構成されている。
図2に示すように,鋼板残存部除去装置1は,せん断ライン2に設けた仕上げせん断機19の下刃20及び上刃21に近接して配置されている。本実施の形態では,せん断ライン2は,複数の搬送ロールLの回転で鋼板Iを搬送する構成を有する。鋼板残存部除去装置1は,磁石Mと,この磁石Mで鋼板Iの残存部Rを吸着保持して持上げた後に鋼板Iの進行方向Xに直交する幅方向Yに移送する本体25と,本体25によって移送した鋼板Iの残存部Rを受取る受け皿として,せん断ライン2の一側方に設けられた1つのバケット26と,本体25が移送の際に幅方向に移動できるように,鋼板Iの進行方向Xに直交する方向Yに沿って,せん断ライン2の上方からバケット26の上方まで平行に延設された2本のレール27とで構成される。磁石Mは,必要に応じて励磁及び励磁の解除が可能な電磁石等が用いられてもよい。バケット26は,鋼板Iが搬送されるせん断ライン2の側方に配置されている。
本体25は,鋼板Iの進行方向Xに直交する幅方向Yに往復移動可能な移動台車30と,この移動台車30の下側に揺動自在に設けられ,せん断された鋼板Iを磁石Mで吸着保持可能な鋼板保持部31と,重り32によって鋼板保持部31を上昇させるように付勢する付勢部33とで構成される。付勢部33は,鋼板Iの進行方向Xに向かって後方に配置されている。
移動台車30は,支持体34が,鋼板Iの進行路としてのせん断ライン2の上方において鋼板Iの進行方向Xと直交する方向Yに沿って延設された2本のレール27上を走行可能な車輪41を複数備えた構成を有する。移動台車30は,車輪41を駆動させることによって,吊下して支持する鋼板保持部31及び付勢部33と共に,レール27上を鋼板Iの進行方向Xに直交する方向Yに往復移動することや,停止することが可能である。これにより,本体25は,磁石Mで鋼板Iの残存部Rを吸着保持して持上げる移送を行った後に,吸着保持した鋼板Iの残存部Rを,鋼板Iの進行方向Xと直交する方向に沿って移動する移送を行うことが可能である。また,本体25は,せん断ライン2上の幅方向Yの任意の位置に停止することや,パケット26の上方に停止することができる。
図3は,図2の鋼板残存部除去装置1において,鋼板保持部31を拡大した図である。図3に示すように,鋼板保持部31は,移動台車30の支持体34の下側に同一の長さの4本のリンク51〜54が揺動可能に接続された構成を有する。リンク51の下端とリンク54の下端は,平行リンク70で連結されており,リンク52の下端とリンク53の下端は,平行リンク70と同一の長さの平行リンク71で連結されている。本実施の形態では,第1の平行クランク機構Aが,移動台車30,4本のリンク51〜54及び平行リンク70,71で構成される。第1の平行クランク機構Aを構成する4本のリンク51〜54によって,平行リンク70,71を,移動台車30の支持体34に対して平行な姿勢を維持したまま,前記鋼板Iの進行方向Xに平行な方向且つ鉛直上下方向(Y及びYと反対方向)に移動させることが可能になる。
本実施の形態では,第1の平行クランク機構Aを構成する4本のリンク51〜54のうち,鋼板Iの進行方向Xに向かって後方に位置する2本のリンク51,52の下端と,移動台車30の下面との間に,ピストンロッド62,63を伸縮可能なエアシリンダ60,61が設けられており,エアシリンダ60,61がピストンロッド62,63を伸縮することで,第1の平行クランク機構が駆動されるように構成されている。
第1の平行クランク機構Aを構成する4本のリンク51〜54の各下端には,第2の平行クランク機構Bを構成する同一の長さの4本のリンク55〜58が揺動可能に接続されている。さらに,これら4本のリンク55〜58の各下端には,鋼板Iの残存部Rを吸着保持可能な板状の磁石Mを下面に備えた厚板状の基部59が揺動可能に接続されている。第2の平行クランク機構Bは,平行リンク70,71,4本のリンク55〜58及び基部59で構成される。第2の平行クランク機構Bを構成する4本のリンク55〜58によって,基部59を,平行リンク70,71に対して平行な姿勢を維持したまま,前記鋼板Iの進行方向Xに平行な方向且つ鉛直上下方向(Y及びYと反対方向)に移動させることが可能になる。本実施の形態では,第2の平行クランク機構Bを構成するリンク55〜58の長手方向の長さは,第1の平行クランク機構Aを構成するリンク51〜54の長手方向の長さよりも短く設定されている。
本実施の形態では,第1の平行クランク機構Aを構成する4本のリンク51〜54のうち,鋼板Iの進行方向Xに向かって前方に位置する2本のリンク53,54には,各々の下端に接続された2本のリンク57,58を,揺動させることが可能な角度調整装置68,69が設けられている。
基部59は,第1の平行クランク機構Aを構成する4本のリンク51〜54の揺動運動と,第2の平行クランク機構Bを構成する4本のリンク55〜58の揺動運動とを合成した運動を行うことが可能である。即ち,第1の平行クランク機構Aと第2の平行クランク機構Bとによって,第3の平行クランク機構(A+B)が形成される。第3の平行クランク機構によって,基部59は,移動台車30の支持体34に対して平行な姿勢を維持したまま,前記鋼板Iの進行方向Xに平行な方向且つ鉛直上下方向(Y及びYと反対方向)に移動可能である。本実施の形態では,移動台車30が,せん断ライン2上の幅方向Yの所定位置に停止している際に,基部59が上述の合成した運動を行い,鋼板Iの残存部Rを吸着保持した磁石Mを持上げることが可能であるように構成されている。また,基部59は,付勢部33側の端部にワイヤ結合部75を備えており,後述するように,付勢部33からのワイヤ76が,このワイヤ結合部75に接続されている。
図4は,図2及び図3の鋼板保持部31の下面に設けられた鋼板Iの進行方向Xに摺動可能な板状の磁石Mの構成を説明する概略的な構成図である。鋼板保持部31の下面の幅方向Yおける中心部付近で進行方向X側の先端に,磁石Mを鋼板Iの進行方向Xに平行に往復直進運動させる1対のガイド80が設けられている。さらに,鋼板保持部31の下面には,ピストンロッド81を伸縮可能なエアシリンダ82が,鋼板保持部31の長手方向Xに平行に固定されている。ピストンロッド81の一端は,磁石Mの下面に設けた接続部83に接続されており,エアシリンダ82がこのピストンロッド81を伸縮することによって,磁石Mが長手方向Xに平行にガイド80に沿って摺動できるように構成されている。
付勢部33は,図2に示すように,移動台車30の下面に固定して垂設された直方体形状の容器90と,この容器90内を上下動可能な重り32と,この重り32と鋼板保持部31のワイヤ結合部75とを滑車91を介して接続するワイヤ76とで構成されている。直方体形状の重り32は,容器90と水平方向の断面形状が概ね同じに形成され,容器90内を略鉛直方向に上下動可能である。付勢部33は,重り32が自重で下降し,鋼板保持部31のワイヤ結合部75に接続されたワイヤ76を引張ることによって,鋼板保持部31を鋼板Iの進行方向Xと反対方向で且つ鉛直上向き方向Zに持上げて付勢するように構成されている。
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る鋼板残部除去装置1を用いて,鋼板Iの後端を仕上げせん断機19によって幅方向Yにせん断した際に,せん断機21の下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rを除去する本発明の実施の形態に係る鋼板残存部除去方法について図5〜図8を用いて説明する。図5〜図8は,鋼板残存部除去方法の手順を説明するために,鋼板残部除去装置1を簡略化して示した側方図である。なお,図5〜図8では,鋼板残部除去装置1を,鋼板Iの進行方向Xに直交する方向Yに向かって見ている。図6は,リンク51〜54が鉛直方向に平行な姿勢になった状態を示す図である。図7は,リンク55〜58が鉛直方向に平行な姿勢になった状態を示す図である。
せん断される鋼板Iは,仕上げせん断機19に至る前において平面形状計15によって,予めその後端の平面形状が測定されており,これに基づいて測定された鋼板Iの後端の平面形状の情報が図示しない解析装置に入力され,解析されている。この解析結果は,鋼板残存部除去装置1に入力される。図5は,せん断ライン2上を進行方向Xに進行する鋼板Iの後端を仕上げせん断機19の下刃20及び上刃21によって幅方向Yにせん断した後の状態を示した図である。仕上げせん断機19は,上刃21を鉛直下方向に下降させ,下刃20と摺動させることによって,図示しない押さえ装置で下刃20及び上刃21の間に固定された鋼板Iの後端をせん断する。せん断後,上刃21は再び,上昇し,所定位置で停止する。後端をせん断された鋼板Iは,搬送ロールLによってさらにX方向に搬送されていくが,下刃20上には,図5に示すように,鋼板Iから分離された鋼板Iの後端を含む残存部Rが残存してしまう。
一方,このように鋼板Iの後端のせん断が行われる際には,本体25がせん断ライン2上に予め移動している。この場合には,本体25は,磁石Mの幅方向Yにおける中心位置が,鋼板Iの残存部Rの幅方向Yにおける中心位置と合致するように,磁石Mを移動させる。即ち,鋼板残存部除去装置1の本体25は,入力された解析結果から得られる鋼板Iの残存部Rの位置情報等に基づき,後端が測定された鋼板Iがせん断される前に,レール27上を鋼板Iの進行方向Xに直交する方向Yに走行し,基部59の下面に設けた磁石Mの幅方向Yの中心位置が,下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rの幅方向Yの中心位置と合致する位置に予め停止している。
このように,予め残存部Rに対応する位置に停止した本体25は,鋼板保持部31のエアシリンダ60,61によってピストンロッド62,63が各々収縮されており,図5に示すように,リンク51〜54は,付勢部33側に揺動され,傾斜した状態で停止している。鋼板保持部31の基部59は,これらリンク51〜54の下端に接続されたリンク55〜58と,付勢部33からのワイヤ76とによって支持され,図5に示す上昇位置に停止している。この上昇位置は,鋼板保持部31が基部59(即ち,磁石M)を持上げることのできる鉛直方向Zの最高位置である。また,エアシリンダ82によってピストンロッド81が収縮されており,鋼板保持部31の基部59の下面に設けた磁石Mはガイド80に沿って基部59側に引込まれている。なお,磁石Mは励磁が解除されている。
次に,図6に示すように,基部59の下面に設けた磁石Mを,下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rに近付けるように,エアシリンダ60,61によってピストンロッド62,63が各々伸長され,傾斜していたリンク51〜54は,鋼板Iの進行方向Xに揺動し,鉛直方向の姿勢になる。リンク51〜54が揺動することにより,基部59は,下面に設けられた磁石Mと共に揺動し,鋼板Iの残存部Rに近付く。基部59は,鉛直方向に平行なこれらリンク51〜54の下端に接続されたリンク55〜58と,付勢部33からのワイヤ76とによって支持され,図6に示す第1の下降位置に停止する。この第1の下降位置は,既述したように,鋼板保持部31が持上げ可能な基部59の鉛直方向Zにおける最高位置と,後述するように,磁石Mで鋼板Iの残存部Rを吸着することが可能になる基部59の鉛直方向Zにおける最低位置との間において,一時的に基部59を停止させる所定位置である。
次いで,下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rに磁石Mを近付けるように,エアシリンダ82によってピストンロッド81が伸長され,基部59の下面に設けた磁石Mは,基部59側に引込まれた位置から,鋼板Iの進行方向Xにガイド80に沿って残存部R側に移動し,一点鎖線M’に示す位置に配置される。この一点鎖線M’で示す位置は,磁石Mを鋼板Iの進行方向Xに沿って前方に突出させた際の所定の位置であり,後述するように,第2の平行クランク機構Bを構成するリンク55〜58を揺動させ,磁石Mを第2の下降位置に下降させると,鋼板Iの残存部Rを吸着することが可能になる位置である。
図7に示すように,基部59の下面に設けた磁石Mを,下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rに近付けるように,傾斜していたリンク57,58は,角度調整装置68,69によってリンク53,54との角度が各々180度になるように揺動され,図6に示すように鉛直方向の姿勢になる。基部59は,下面に設けられた磁石Mと共に揺動し,下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rに近付く。基部59は,鉛直方向に平行なこれらリンク51〜54の下端に接続されたリンク55〜58と,付勢部33からのワイヤ76とによって,第1の下降位置よりも低く,せん断機21の下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rに近接し,この鋼板Iの残存部Rを磁石Mで吸着可能な,図7に示す第2の下降位置に停止する。
第2の下降位置に停止した基部59の磁石Mが励磁され,磁石Mによって下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rが吸着保持される。基部59の下面に設けた磁石Mで吸着保持した鋼板Iの残存部Rを下刃20上から持上げる移送を行うように,角度調整装置68,69は,鉛直方向の姿勢のリンク55〜58を,鋼板Iの進行方向Xと反対向き且つ鉛直上向き方向Yに揺動し,図6に示すように傾斜させる。この際には,付勢部33からのワイヤ76の張力も進行方向Xと反対向き且つ鉛直上向き方向Yの揺動を助勢している。リンク55〜58が揺動することにより,基部59は,下面に設けられた磁石M及び磁石Mで吸着保持した鋼板Iの残存部Rと共に揺動し,下刃20上から持上げられる。基部59は,鉛直方向の姿勢のリンク51〜54の下端の傾斜したリンク55〜58と,付勢部33からのワイヤ76とによって支持され,図6に示す第1の下降位置に停止する。
基部59の下面に設けた磁石Mで吸着保持した鋼板Iの残存部Rを下刃20上から持上げる移送を行うように,エアシリンダ60,61によってピストンロッド62,63が各々収縮され,鉛直方向に平行の姿勢のリンク51〜54は,鋼板Iの進行方向Xと反対向きに揺動し,図5に示すように傾斜する。リンク51〜54が揺動することにより,基部59は,下面に設けられた磁石M及び磁石Mで吸着保持した鋼板Iの残存部Rと共に揺動し,さらに上方に持上げられる。基部59は,傾斜したリンク51〜54の下端の傾斜したリンク55〜58と,付勢部33からのワイヤ76とによって支持され,図5に示す上昇位置に停止する。
基部59が図5に示す上昇位置に到達すると,本体25は,レール27上を鋼板Iの進行方向Xに直交する方向Yに走行し,所定位置としてバケット26上で停止する。バケット26上で停止した本体25は,基部59の下面に設けられた磁石Mの励磁を解除し,磁石Mが吸着保持していた鋼板Iの残存部Rを磁石Mから離脱させ,バケット26内に落下させる。
次にせん断される鋼板Iが,仕上げせん断機19に至る前において平面形状計15によって,予めその後端の平面形状が測定され,これに基づいて測定された鋼板Iの後端の平面形状の情報が図示しない解析装置に入力され,解析されている。鋼板Iの残存部Rを磁石Mから離脱させた本体25は,再びレール27上を鋼板Iの進行方向Xに直交する方向Yに走行し,基部59の下面に設けた磁石Mの幅方向Yの中心位置が,入力された解析結果に基づく,次にせん断される鋼板Iの残存部Rの幅方向Yの中心位置に対応する位置に予め停止する。以降,同様にして,上述の手順が繰返され,せん断ライン2上を搬送される鋼板Iの後端を,仕上げせん断機19によってせん断した後に,仕上げせん断機19の下刃20上に残存する残存部Rの除去が連続的に行われる。
以上の実施の形態によれば,せん断ライン2上を搬送される鋼板Iの後端を仕上げせん断機19によってせん断した際に,仕上げせん断機19の下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rを鋼板残存部除去装置1の本体25が備える磁石Mで吸着保持して移送し,除去するようにしたので,下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rの形状が不定形状である場合や,非常に薄い場合であっても,磁石Mで吸着保持してから移送することによって,従来よりも確実に除去することができる。さらに,下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rを移送する際に,予め,残存する鋼板Iの残存部Rの幅方向Yにおける中心位置と,この鋼板Iの残存部Rを吸着保持する磁石Mの幅方向Yにおける中心位置とを合致させた位置で,磁石Mによる吸着保持を行い,移送するようにしたので,移送する鋼板Iの残存部Rが安定させることができ,鋼板Iの残存部Rが移送中に落下してしまう事態を防止することが可能である。
また,鋼板Iの残存部Rを仕上げせん断機19の下刃20上から除去する際に,磁石Mを,第1の平行クランク機構Aを構成する4本のリンク51〜54の揺動運動と,第2の平行クランク機構Bを構成する4本のリンク55〜58の揺動運動とを合成した運動で,仕上げせん断機19の下刃20に近付けるようにしたので,例えば仕上げせん断機19の入側に種々の装置が配置され,下刃20付近の空間が非常に狭い場合等においてもリンク55〜58の揺動を非常に小さい半径で行う等,2つの揺動運動を適切に設定することにより,磁石Mを適切に鋼板Iの残存部Rに近付けることができ,除去を容易に行うことが可能である。
さらに,鋼板残存部除去装置1は,付勢部33によって,鋼板保持部31が,常に,鋼板Iの進行方向Xと反対向きに且つ鉛直上向きYに付勢されるようにしたので,例えばエアシリンダ60,61等が故障した場合に,鋼板保持部31が上昇し,せん断ライン2から隔離された位置に停止するので,せん断ライン2のライン操業が停止してしまう事態が防止される。
本発明の第2の実施の形態として,鋼板残存部除去装置1を,各々が独立して励磁可能な1つの磁石Mを有する本体25を複数備えた構成にすることも可能である。図8は,その一例として,各々が2本のレール27上の任意の位置に移動可能な2台の本体25A,25Bを備えた鋼板残存部除去装置1の構成を示す平面図である。2本のレール27は,第1の実施の形態と同様に,せん断ライン2の側方に設けられたバケット26の上まで延設されている。本体25A,25Bは,第1の実施の形態の本体25と概ね同様である。即ち,第2の実施の形態では,本体25A,25Bが各々,磁石Mを1つ備えた構成を有し,鋼板残存部除去装置1全体としては2つの磁石を備えた構成にされている。さらに,第1の実施の形態と同様に,第2の実施形態では,2台の本体25A,25Bは,各々が備える磁石Mで同一又は別個の鋼板Iの残存部Rを同一のタイミングで吸着保持してから持上げ,その後にレール27上を並走し,バケット26に移送するように構成されている。
第2の実施の形態では,鋼板Iが仕上げせん断機19に至る前に,平面形状計15によって予め測定された鋼板Iの後端の平面形状が解析され入力された位置情報に基づいて,鋼板残存部除去装置1が行う磁石Mの幅方向Yにおける位置制御について説明する。図8は,その一例として,鋼板Iを仕上げせん断機19でせん断した後に仕上げせん断機19の下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rの個数が1である場合について,鋼板残存部除去装置1のせん断ライン2の幅方向Yにおける位置を決定する手順を説明する平面図である。図9は,別の一例として,せん断後に,下刃20上に残存する1の鋼板Iの残存部Rに対して,鋼板残存部除去装置1の本体25A,25Bの各磁石Mをどのように配置するかを示している。なお,図9では,せん断ライン2の幅方向Yにおける一端部を基準Oとして,鋼板Iの残存部Rの幅方向Yの両端部は,基準Oからの幅方向Yにおける距離が各々,ω,ωである。同様に,本体25A,25Bの各磁石Mの幅方向Yにおける中心位置は,基準Oからの幅方向Yにおける距離が各々,W1,W2である。
一方,図10は,鋼板Iを仕上げせん断機19でせん断した後に仕上げせん断機19の下刃20上に残存する鋼板Iの残存部R1,R2の個数が2である場合について,鋼板残存部除去装置1のせん断ライン2の幅方向Yにおける位置を決定する手順を説明する平面図である。図10では,せん断後に,下刃20上に残存する2の鋼板Iの残存部R1,R2に対して,鋼板残存部除去装置1の本体25A,25Bの各磁石Mをどのように配置するかを示している。図9と同様に,図10では,せん断ライン2の幅方向Yにおける一端部を基準Oとして,鋼板Iの残存部R1の幅方向Yの両端部は,基準Oからの幅方向Yにおける距離が各々,ω,ωであり,鋼板Iの残存部R2の幅方向Yの両端部は,基準Oからの幅方向Yにおける距離が各々,ω,ωである。同様に,本体25A,25Bの各磁石Mの幅方向Yにおける中心位置は,基準Oからの幅方向Yにおける距離が各々,W1,W2である。
せん断ライン2上を搬送され,仕上げせん断機19でせん断される鋼板Iの後端は,予め平面形状計15で測定され,測定されたその平面形状の情報が,図示しない解析装置に入力されて解析されてから,その解析結果が鋼板残存部除去装置1に入力されているので,鋼板残存部除去装置1は,せん断後に下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rの個数及び形状が予め分かっている。下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rの個数が1である場合には,図9に示すように,鋼板残存部除去装置1は,せん断前に予め2台の本体25A,25Bを各々幅方向Yに移動させ,本体25Aが備える磁石M(幅方向Yにおける中心位置W)と本体25Bが備える磁石M(幅方向Yにおける中心位置W)との間の幅方向Yにおける中点の位置(即ち,幅方向Yにおける(W+W)/2)が,下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rの幅方向Yにおける中心位置(図9では,(ω+ω)/2)と合致するように,配置しておき,せん断後に2つの磁石Mの両方を用いて鋼板Iの残存部Rを吸着保持してから持上げ,その後に2台の本体25A,25Bをレール27上を並走させ,バケット26に移送することで除去を行う。なお,本体25A,25Bを互いに幅方向Yに可能な限り接近させた状態で2つの磁石Mの幅方向Yにおける中点の位置を,下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rの幅方向Yにおける中心位置と合致させてもよい。
一方,下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rの個数が2である場合には,図10に示すように,鋼板残存部除去装置1は,せん断前に予め2台の本体25A,25Bを各々幅方向Yに移動させ,本体25Aが備える磁石Mの幅方向Yにおける中心位置Wが,下刃20上に残存する一方の鋼板Iの残存部R1の幅方向Yにおける中心位置(図10では,(ω+ω)/2)と合致し,本体25Bが備える磁石Mの幅方向Yにおける中心位置Wが,下刃20上に残存する他方の鋼板Iの残存部R2の幅方向Yにおける中心位置(図10では,(ω+ω)/2)と合致するように各々割当てて配置しておき,せん断後に2つの磁石Mの各々を用いて2つの鋼板Iの残存部R1,R2を,同じタイミングで各々吸着保持してから持上げ,その後に2台の本体25A,25Bをレール27上を並走させ,バケット26に移送することで除去を行う。
なお,鋼板Iを仕上げせん断機19でせん断した後に仕上げせん断機19の下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rの個数が1であっても,残存部Rの幅(即ち,ω−ωの値)が所定の値よりも小さい場合には,残存部Rを吸着保持する際に本体25A,25Bが各々備える磁石Mの両方を用いずに,一方の磁石M(例えば,本体25Aが備える磁石M)だけを用いてこの残存部Rを吸着保持するようにしてもよい。所定の値としては,鋼板Iの残存部Rの幅が非常に小さく,磁石Mを複数用いると,互いに阻害しあってしまう値等を設定するとよい。一方の磁石Mだけを用いて残存部Rを吸着保持する場合として,例えば,本体25Aが備える磁石Mが用いられる場合について説明すると,本体25Aが備える磁石Mの幅方向Yにおける中心位置Wを,残存部Rの幅方向Y((ω+ω)/2)における中心位置に合致させ,本体25Aが備える磁石Mだけを励磁し,鋼板Iの残存部Rの吸着保持することによって除去が行われる。これに対して,本体25Bが備える磁石Mは,励磁されない。
以上の第2の実施の形態によれば,仕上げせん断機19でせん断した後に下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rの個数及び形状に応じて,鋼板残存部除去装置1の磁石Mで確実に吸着保持し,安定して移送を行い除去することができ,移送の際に鋼板Iの残存部Rを他の装置に衝突させたり,落下させたりすることが防止されるので,ラインの操業を安定化させることが可能になる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において,各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上述した実施形態においては,本発明の鋼板残存部除去装置1を仕上げせん断機19に適用した場合について説明したが,例えば分割せん断機16等の仕上げせん断機19以外の切断機に対して本発明の鋼板残存部除去装置1を適用してもよい。
上述した実施形態においては,磁石Mとして電磁石が用いられる場合について説明したが,電磁石以外の磁石Mが用いられてもよい。
上述した実施形態においては,第1の平行クランク機構Aを構成するリンク51〜54の数が4である場合について説明したが,リンクの数は4以外であってもよい。
上述した実施形態においては,第2の平行クランク機構Bを構成するリンク55〜58の数が4である場合について説明したが,リンクの数は4以外であってもよい。
上述した実施形態においては,第1の平行クランク機構Aを構成するリンク51〜54を揺動させる装置がピストンロッド62,63を伸縮させるエアシリンダ60,61である場合について説明したが,第1の平行クランク機構Aを構成するリンクを揺動させる装置は,エアシリンダ以外の装置であってもよい。
上述した実施形態においては,重り32,ワイヤ76,容器90及び滑車91を用いた付勢部33によって,鋼板保持部31を鋼板Iの進行方向Xと反対方向で且つ鉛直上向き方向Yに付勢する場合について説明したが,その他の機構を用いて鋼板保持部31を付勢するようにしてもよい。
上述した実施形態においては,基部59の下面に設けた磁石Mを,ピストンロッド81を伸縮させるエアシリンダ82によって,1対のガイド80に沿って往復直進運動させる場合について説明したが,その他の機構を用いて磁石59を往復運動させるようにしてもよい。
上述した実施形態においては,リンク53,54に各々設けた角度調整装置68,69によって,リンク57,58を,リンク53,54に対して角度を変更させ,揺動させる場合について説明したが,角度調整装置68,69は,リンク53,54以外の部分に設置されてもよいし,角度調整装置以外の機構を用いて,リンク57,58を揺動するようにしてもよい。
上述した実施形態においては,鋼板残存部除去装置1の本体25が磁石Mを1つ備えている場合について説明したが,本体25が2つ以上の磁石Mを備えていてもよい。
上述した実施形態においては,鋼板残存部除去装置1が1台又は2台の本体25(25A,25B)を備えた構成である場合について説明したが,鋼板残存部除去装置1は,3台以上の本体を備えた構成であってもよい。
上述した実施形態においては,1つのバケット26がせん断ライン2の一側方に設けられている場合について説明したが,バケット26は複数設けられていてもよいし,せん断ライン2の両側方に設けられていてもよい。
上述した実施形態においては,2台の本体25A,25Bの各々が1つずつ備える合計2つの磁石Mを用いて1の鋼板Iの残存部Rを吸着保持する際に,2つの磁石Mの幅方向Yにおける中心位置が,下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rの幅方向Yにおける中心位置と合致するように,予め配置しておく場合について説明したが,2つの磁石Mは,鋼板Iの残存部Rを確実に吸着保持可能なその他の位置に配置されてもよい。
上述した実施形態においては,2台の本体25A,25Bの各々が1つずつ備える合計2つの磁石Mを用いて2の鋼板Iの残存部R1,R2を吸着保持する際に,各磁石Mの幅方向Yにおける中心位置が,下刃20上に残存する鋼板Iの残存部R1,R2の幅方向Yにおける各中心位置と合致するように,各々割当てて予め配置しておく場合について説明したが,2つの磁石Mは,鋼板Iの残存部Rを確実に吸着保持可能なその他の位置に配置されてもよい。
本発明は,例えばせん断ラインにおける仕上げせん断機や分割せん断機等の切断機に適用できるが,その他の切断機に対しても有用である。
本発明の実施の形態に係る鋼板残存部除去装置1が適用された鋼板Iのせん断ライン2の構成図である。 本発明の実施の形態に係る鋼板残存部除去装置1が仕上げせん断機19の入側に配置された状態を示す斜視図である。 図2の鋼板残存部除去装置1において,鋼板保持部31を拡大した図である。 図2及び図3の鋼板保持部31の下面に設けられた鋼板Iの進行方向Xに摺動可能な板状の磁石Mの構成を説明する構成図である。 せん断ライン2上を進行方向Xに進行する鋼板Iの後端を仕上げせん断機19の下刃20及び上刃21によって幅方向Yにせん断した後の状態を示した図である。 リンク51〜54が鉛直方向に平行な姿勢である状態を示す図である。 リンク55〜58が鉛直方向に平行な姿勢である状態を示す図である。 2台の本体25A,25Bを備えた本発明の第2の実施の形態に係る鋼板残存部除去装置1の構成を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態において,下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rの個数が1である場合について,鋼板残存部除去装置1のせん断ライン2の幅方向Yにおける位置を決定する手順を説明する平面図である。 本発明の第2の実施の形態において,下刃20上に残存する鋼板Iの残存部Rの個数が2である場合について,鋼板残存部除去装置1のせん断ライン2の幅方向Yにおける位置を決定する手順を説明する平面図である。
符号の説明
1 鋼板残存部除去装置
2 せん断ライン
3 圧延ライン
4 冷却床
10 圧延機
11 冷却装置
15 平面形状計
16 分割せん断機
17 耳切せん断機
18 縦割せん断機
19 仕上げせん断機
20 下刃
21 上刃
25,25A,25B 本体
26 バケット
27 レール
30 移動台車
31 鋼板保持部
32 重り
33 付勢部
34 支持体
41 車輪
51〜54 第1の平行クランク機構を構成するリンク
55〜58 第2の平行クランク機構を構成するリンク
59 基部
60,61 エアシリンダ
62,63 ピストンロッド
68,69 角度調整装置
70,71 平行リンク
75 ワイヤ結合部
76 ワイヤ
80 ガイド
81 ピストンロッド
82 エアシリンダ
83 接続部
90 容器
91 滑車
A 第1の平行クランク機構
B 第2の平行クランク機構
I 鋼板
L 搬送ロール
M 磁石
M’ 磁石の突出位置
R,R1,R2 鋼板の残存部
W1 本体25Aの磁石Mの幅方向Yにおける中心位置
W2 本体25Aの磁石Mの幅方向Yにおける中心位置
ω,ω 鋼板Iの残存部Rの両端部の幅方向Yの各位置
X 鋼板Iの進行方向
Y 鋼板Iの幅方向
X 鉛直方向

Claims (6)

  1. 複数の搬送ロールにより搬送される鋼板の後端を、前記搬送ロール間に設けた下刃とその上部に設けた上刃を備える切断機によって切断した際に、前記切断機の下刃上に残存する前記鋼板の残存部を除去する鋼板残存部除去装置であって、
    前記下刃上に残存する前記鋼板の残存部を吸着保持する磁石と、
    前記磁石を上下方向及び鋼板進行方向に対して前後に移動可能に吊り下げ支持する平行クランク機構とを有し、
    前記平行クランク機構によって、前記磁石を前記鋼板進行方向に前進降下させた後、前記磁石を前進させて前記鋼板の残存部に近付けて吸着保持し、次いで、前記磁石を前記鋼板進行方向と反対方向に後退上昇させ、前記磁石で吸着保持した前記鋼板の残存部を前記下刃上から除去することが可能であり、
    前記平行クランク機構は、第1の平行クランク機構と、前記第1の平行クランク機構に揺動可能に設けられた第2の平行クランク機構とを有することを特徴とする鋼板残存部除去装置。
  2. 前記平行クランク機構は、前記鋼板の進行路の上方において、前記鋼板の進行方向に直交する幅方向に移動可能な移動台車に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鋼板残存部除去装置。
  3. 前記磁石は、各々が独立して励磁可能で且つ前記鋼板の進行方向に直交する幅方向における任意の位置に配置可能な複数の磁石であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼板残存部除去装置。
  4. 前記請求項1〜3のいずれかに記載の鋼板残存部除去装置で、前記切断機の下刃上に残存する前記鋼板の残存部を除去する鋼板残存部除去方法であって、
    前記平行クランク機構によって、前記磁石を前記鋼板進行方向に前進降下させた後、前記磁石を前進させて前記鋼板の残存部に近付けて吸着保持し、次いで、前記磁石を前記鋼板進行方向と反対方向に後退上昇させ、前記吸着保持した前記鋼板の残存部を前記下刃上から所定位置まで移送することを特徴とする鋼板残存部除去方法。
  5. 予め前記鋼板の後端の形状を求め、この形状に基づき、前記磁石で前記鋼板の残存部を吸着保持する前に、前記磁石の前記幅方向における中心位置が前記下刃上に残存することになる前記鋼板の残存部の前記幅方向における中心位置に合致するように、前記磁石を移動させることを特徴とする請求項4に記載の鋼板残存部除去方法。
  6. 前記磁石は、各々が独立して励磁可能で且つ前記鋼板の進行方向に直交する幅方向における任意の位置に配置可能な複数の磁石であり、
    前記予め求めた前記鋼板の後端の形状に基づき、前記複数の磁石のうちで励磁する磁石を選択することを特徴とする請求項4又は5に記載の鋼板残存部除去方法。
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