JP4884133B2 - 水性毛髪化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、アルキル変性シリコーンを含有する水性毛髪化粧料に関する。
毛髪は、常にドライヤー、ヘアアイロン、コテ等による熱、ブラッシング等の日常的なヘアケア行動による物理的刺激、及びパーマ、ヘアカラー、ブリーチ等による化学的刺激に曝されているため、その成分や構造体の部分的欠損を伴う損傷状態にある。このような状態を放置しておくと、枝毛や切れ毛の発生、パサついた手触り、まとまりのないヘアスタイル等の原因となり、ヘアケア的観点から好ましくない。
従来、毛髪化粧料には、毛髪にパサつきをなくし、光沢やなめらかさを与える目的で、種々のシリコーン油、エステル油、炭化水素油などの油分が、可溶化、乳化又は溶解して用いられている。特にシリコーン油は、表面張力が低く毛髪へのなじみに優れ、良い光沢が得られるため、近年多用されている。例えば、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン及び尿素を含有する毛髪化粧料が、塗布時の使用性、乾燥後の感触に優れ、毛髪の損傷を防止するものとして提案されている(特許文献1)。
しかしながら、シリコーン油に代表される油分には、油分のもつ限界があり多量に用いたり、消費者が長期にわたり使用したりすると、毛髪のきしみ感が増加したり、脂ぎったりするという好ましくない欠点があった。
特開平7-285835号公報
本発明の目的は、髪のまとまり性やスタイル性を向上させる効果に優れ、特に乾燥後や翌日においてもパサついた手触りがなく、かつ髪のまとまり性やスタイル性を維持できる水性毛髪化粧料を提供することにある。
本発明者らは、アルキル変性シリコーンをカチオン界面活性剤及び脂肪酸エステルと共に含有する水性毛髪化粧料が、上記要求を満たすものであることを見出した。
すなわち本発明は、成分(A)、(B)及び(C)を含有する水性毛髪化粧料を提供するものである。
(A)カチオン界面活性剤
(B)炭素数12〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸と多価アルコールから導かれる脂肪酸エステル
(C)アルキル変性シリコーン
本発明の水性毛髪化粧料は、乾燥後の髪のまとまり、しっとり感、パサつきのなさ、滑らかさ及びくし・ブラシや指の通りのよさに優れており、髪の束感が綺麗に揃いかつ傷んだ髪に効果がある。更に、翌日の洗髪時まで髪のまとまり/スタイルが持続し、しかも安定性にも優れる。
成分(A)のカチオン界面活性剤としては、一級〜三級アミン型化合物と四級アンモニウム塩型化合物がある。なかでも好ましいものとして、一般式(1)で表される四級アンモニウム塩型化合物、並びに一般式(2)で表される三級アミン型化合物及びその塩が挙げられる。
〔式中、Aは水素原子、又は総炭素数12〜24の直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の、アミド基、N-炭化水素カルバモイル基、アシルオキシ基若しくは炭化水素オキシ基を示し、Bは炭素数1〜22の2価の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のヒドロキシ基を有してもよい炭化水素基を示し、R1、R2及びR3は少なくとも1個が総炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、残りは炭素数1〜3のアルキル基を示し、X-はハロゲン化物イオン又は有機アニオンを示す。〕
〔式中、A及びBは前記と同じ意味を示し、Y1及びY2は独立して炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕
このうち、一般式(1)で表される四級アンモニウム塩(四級アンモニウム塩(1)という)としては、モノ長鎖アルキル(炭素数12〜22)四級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル又はアルケニル(炭素数12〜22)四級アンモニウム塩、分岐鎖アルキル(炭素数12〜22)四級アンモニウム塩、アルキルアミド(炭素数12〜24)アルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩、N-炭化水素カルバモイル(炭素数12〜24)アルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩、アシル(炭素数12〜24)オキシアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩、アルキル又はアルケニル(炭素数12〜24)オキシアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩が挙げられる。
モノ長鎖アルキル(炭素数12〜22)四級アンモニウム塩としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、アラキルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
ジ長鎖アルキル又はアルケニル(炭素数12〜22)四級アンモニウム塩としては、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、ジイソステアリルジメチルアンモニウムメトサルフェート、ジ[(2-ドデカノイルアミノ)エチル]ジメチルアンモニウムクロライド、ジ[(2-ステアロイルアミノ)プロピル]ジメチルアンモニウムエトサルフェート等が挙げられる。
分岐鎖アルキル(炭素数12〜22)四級アンモニウム塩としては、2-デシルテトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、2-ドデシルヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジ-2-ヘキシルデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジ-2-オクチルドデシルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
アルキルアミド(炭素数12〜24)アルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、ステアラミドプロピル四級アンモニウム塩が挙げられる。N-炭化水素カルバモイル(炭素数12〜24)アルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、N-ステアリルカルバモイルプロピル四級アンモニウム塩が挙げられる。アシル(炭素数12〜24)オキシアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、ステアロキシプロピル四級アンモニウム塩が挙げられる。炭化水素(炭素数12〜24)オキシアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。
一般式(2)で表される三級アミン型化合物(三級アミン型化合物(2)という)において、Aが水素原子以外の場合、Aは総炭素数14〜22、更には総炭素数18〜22のアミド基又は炭化水素オキシ基であることが好ましく、またその炭化水素部分が飽和であるもの、更には直鎖であるものが好ましい。この場合におけるBは、トリメチレン基、2-ヒドロキシトリメチレン基が好ましい。Aが水素原子の場合、Bとしては、炭素数18〜22の基が好ましく、また飽和の基、更には直鎖の基が好ましく、ヒドロキシ基を有することが好ましい。Y1及びY2としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基等が挙げられ、なかでもメチル基、エチル基が好ましく、更にはメチル基が好ましい。
三級アミン型化合物(2)の好ましい態様として、一般式(2a)で表されるエーテルアミン化合物及び一般式(2b)で表されるアミドアミン化合物が挙げられる。
〔式中、Y1及びY2は前記と同じ意味を示し、A1は炭素数12〜24の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、Xは水素原子又はヒドロキシ基を示し、A2は炭素数11〜23の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、mは2〜4の数を示す。〕
一般式(2a)で表されるエーテルアミン化合物の具体例としては、N,N-ジメチル-3-ヘキサデシルオキシプロピルアミン〔ヘキサデシルオキシプロピルジメチルアミン〕、N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシプロピルアミン〔オクタデシルオキシプロピルジメチルアミン〕、N,N-ジメチル-3-ヘキサデシルオキシ-2-ヒドロキシプロピルアミン〔ヘキサデシルオキシ(2-ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン〕、N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシ-2-ヒドロキシプロピルアミン〔オクタデシルオキシ(2-ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン〕、N,N-ジメチル-3-ベヘニルオキシ-2-ヒドロキシプロピルアミン〔ベヘニルオキシ(2-ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン〕等が挙げられる。市販品の一例として、カチナールSHPA(東邦化学社;N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシ-2-ヒドロキシプロピルアミン,INCI名 ステアリルPG-ジメチルアミン)が挙げられる。
一般式(2b)で表されるアミドアミン化合物は、毛髪への吸着性が高く、毛髪の濯ぎ時、乾燥時における滑らかさを付与する。また、他の成分の分散安定性にも寄与するものである。アミドアミン化合物の具体例としては、イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、オレイン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジブチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジブチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、アラキン酸ジメチルアミノエチルアミド、アラキン酸ジメチルアミノプロピルアミド等が挙げられ、なかでも、性能、安定性、入手容易性等の面で、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド等が特に好ましい。
三級アミン型化合物(2)は、等モル以上の酸の添加によって酸付加塩を形成させて酸性に調整し、アミンを解離状態にして用いることが好ましい。ここで酸付加塩を形成させる酸としては、後述の水性毛髪化粧料のpH調整に用いられるものと同様のものが用いられ、pHの調整と兼用してもよい。
成分(A)の四級アンモニウム塩型化合物(1)及び三級アミン型化合物(2)は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、濯ぎや乾燥後に髪をなめらかにするという観点から、本発明の水性毛髪化粧料中の0.1〜20重量%が好ましく、更には0.05〜15重量%、特に0.5〜10重量%が好ましい。なお、この含有量は、成分(A)が三級アミン型化合物の塩である場合、三級アミン型化合物に換算した量をいう。
成分(B)の脂肪酸エステルは、炭素数12〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸と多価アルコールから導かれるものである。
炭素数12〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸としては、炭素数18〜22の飽和脂肪酸、例えばステアリン酸、ベヘニン酸が好ましいものとして挙げられる。また、多価アルコールとしては、グリセリン、ポリグリセリンが好ましいものとして挙げられる。このような脂肪酸と多価アルコールから導かれる脂肪酸エステルとしては、トリステアリン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、デカステアリン酸デカグリセリル等が挙げられる。
成分(B)の脂肪酸エステルは、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、本発明の毛髪化粧料中の0.01〜10重量%、特に0.05〜5重量%が好ましい。
成分(C)のアルキル変性シリコーンとしては、分子中に単位(a)及び単位(b)を有するもの(アルキル変性シリコーン(ab)という)が挙げられる。
〔式中、R4及びR5は独立して炭素数1〜4のアルキル基を示し、R6は炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基又はアルケニル基を示し、R7は炭素数7〜40の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基又はアルケニル基を示し、aは2以上、bは3以上であって、a+b=5〜6000となる数を示す。〕
アルキル変性シリコーン(ab)は、1分子中に少なくとも3個の炭素数7〜40の炭化水素基を有するものであり、分岐鎖状でも環状であってもよい。
成分(C)のアルキル変性シリコーン(ab)が有するR4及びR5で示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基等が挙げられるが、なかでもメチル基が好ましい。また、R6及びR7で示されるアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよいが、R6が炭素数1〜4のアルキル基であり、かつR7が炭素数7〜40(より好ましくは12〜22、特に好ましくは16〜18)のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。R7の具体例としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、トリアコンチル基、テトラトリアコンチル基、オクタトリアコンチル基、テトラコンチル基、2-ヘプチルウンデシル基、2-ウンデシルペンタデシル基、2-デシルテトラデシル基、2-デシルペンタデシル基、2-エチルヘキシル基、2-オクチルドデシル基、2-ウンデシルテトラデシル基、メチル分岐イソステアリル基、メチル分岐ドデシル基(プロピレンテトラマー)、メチル分岐ノニル基(プロピレントリマー)等が挙げられる。また、a+bは5〜6000であるが、200〜3000であることが好ましく、更には、a及びbが150〜750でa+bが300〜1500であることが好ましい。ここでa、bは重量平均分子量から算出した平均重合度として求められる。
また、成分(C)のアルキル変性シリコーンは、その融点が10〜60℃、特に20〜50℃であるものが好ましい。なお、当該オルガノポリシロキサンの融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した場合の値である。
アルキル変性シリコーン(ab)は、前記ポリシロキサン単位(a)及び(b)を、分子中のいずれの位置に有している構造であってもよいが、製造の容易性の観点からは、両単位1ブロックずつが直接に結合しており、これに両末端残基が結合した単純な構造であるのが好ましい。また、この両末端残基は−OSiR8910(R8〜R10は炭素数1〜4のアルキル基を示す)であることが好ましい。成分(C)のオルガノポリシロキサンの具体例としては、次の一般式(3)で表わされるものが挙げられる。
〔式中、a、b及びR7は前記と同じ意味を示す。〕
この一般式(3)で表わされるオルガノシロキサンの市販品としては、東芝シリコーン社のXF42-A7154、XF42-A5048、XF42-A5047等が挙げられる。
成分(C)のアルキル変性シリコーンは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、またその含有量は髪のまとまり性やスタイル性を向上させ、乾燥後のパサつきを抑え、毛先まで滑らかなものとするという観点から、本発明の水性毛髪化粧料の0.01〜20重量%、更には0.01〜10重量%、特に0.01〜5重量%が好ましい。
本発明の水性毛髪化粧料には、すすぎ時の感触、乾燥後の仕上がり感の向上を目的として、成分(C)以外のシリコーン類を含有させてもよい。シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン、カルボン酸変性ポリシロキサン、アルコール変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン等が挙げられる。これらシリコーン類は2種以上を併用してもよく、その含有量は本発明の水性毛髪化粧料の0.1〜20重量%、特に0.5〜10重量%が好ましい。
本発明の水性毛髪化粧料には、乾燥後の仕上がり感(サラサラ感しっとり感など)を向上する目的で、油剤類を含有させることができる。かかる油剤類としてはアマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、アボガド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、ナタネ油、ゴマ油、大豆油、落花生油、メドウフォーム油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂;オクタン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸ヘキサデシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、イソステアリン酸イソプロピル、イソパルミチン酸オクチル、オレイン酸イソデシル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、コハク酸2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル等のエステル油;流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、パラフィン、セレシン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸などが挙げられる。これら油剤は、2種以上を併用してもよく、その含有量は本発明の水性毛髪化粧料の0.01〜20重量%、特に0.1〜10重量%が好ましい。
本発明の水性毛髪化粧料には、高級アルコールを含有させることができる。高級アルコールとしては、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ペヘニルアルコール等が挙げられるが、なかでも炭素数18〜24の直鎖アルカノール、特にステアリルアルコール、べへニルアルコールが好ましい。これらは2種以上を併用してもよく、その含有量は、塗布からすすぎ、及び乾燥後の平滑性の点、並びに系の安定性や使いやすい粘度に調整する点から、成分(A)の使用量に対して、0.5〜20倍モルが好ましく、更には1〜10倍モル、特に2〜8倍モルが好ましい。
本発明の水性毛髪化粧料には、有機溶剤を含有させることができる。有機溶剤としては、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール等の芳香族アルコール;N-メチルピロリドン、N-オクチルピロリドン、ルラウリルピロリドン;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;γ-ブチロラクトン、γ-カプロラクトン等のラクトン類が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよく、またその含有量は、使用感、ツヤ及び柔軟性の向上の点から、本発明の水性毛髪化粧料中の0.01〜50重量%が好ましく、更には0.1〜35重量%、特に0.5〜10重量%が好ましい。
本発明の水性毛髪化粧料には、多価アルコールを含有させることができる。多価アルコールとしては、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(特に分子量200〜700のもの)、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のポリグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチルプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、グルコース、ソルビトール、マルチトール、シュクロース、ラフィノース、トレハロース、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよく、またその含有量は、塗布時の液ののばしやすさや濯ぎ時の滑らかさの向上の点から、本発明の水性毛髪化粧料中の0.01〜20重量%が好ましく、更には0.01〜15重量%、特に0.01〜10重量%が好ましい。
本発明の水性毛髪化粧料には、組成物の安定性向上の目的で、水溶性ポリマーを含有させることができる。水溶性ポリマーとしては、カチオン性ポリマー、両性ポリマー、アニオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、天然高分子又はその誘導体が挙げられる。
カチオン性ポリマーとしては、例えばカチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル第四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、第四級化ポリビニルピロリドン誘導体等が挙げられ、なかでもカチオン化セルロース及びカチオン化グアーガム、特にカチオン化セルロースが好ましい。市販品としては、カチナールシリーズ(東邦化学社)、UCAREPOLYMERJRシリーズ、同LRシリーズ(Amercho1社)を用いることができる。
両性ポリマーとしては、例えば、プラサイズL401(互応化学社)、ユカフォーマーAM-75、同AM75S/SM(以上、三菱化学社)等のカルボキシベタイン型モノマーの重合体又は共重合体;マーコートプラス3330(カルゴン社)、アンフォマー28-4910、同LV-71(以上、ナショナル・スターチ社)等のアクリル酸/ジアリル第四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体が挙げられ、特にマーコートプラス3330、ユカフォーマーAM-75が好ましい。
アニオン性ポリマーとしては、アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ;互応化学社)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP;BASF社)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス;BASF社)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド;BASF社)等が挙げられ、特にカルボキシ基含有ポリマーが好ましい。
ノニオン性ポリマーとしては、例えばルビスコールK12、同17、同30、同60、同80、同90(以上、BASF社)、PVPKI5、同30、同60、同90(以上、ISP社)等のポリビニルピロリドン;ルビスコールVA28E、同37E、同55E、同64E、同73E(以上、BASF社)等が挙げられ、特にルビスコールKl7、30、PVPK30が好ましい。
天然高分子又はその誘導体としては、例えばグアーガム、キサンタンガム等の天然多糖類;ヒドロキシプロピルキトサン等のキチン誘導体;メチルヒドロキシプロピルデンプン等、デンプン系高分子化合物;メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース系高分子化合物;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子化合物などが挙げられ、特にヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースが好ましい。
以上のような水溶性ポリマーは、1種以上を用いることができ、その含有量は、本発明の水性毛髪化粧料中に0.01〜10重量%が好ましく、更には0.05〜5重量%、特に0.05〜2重量%が好ましい。
本発明の水性毛髪化粧料のpHは、水で20重量倍に希釈したときの25℃におけるpHとして、2〜6に調整されることが好ましく、更には2.5〜5、特に2.8〜4.7に調整されるのが好ましい。pHの調整には、有機酸又は無機酸が使用され、前述した、成分(A)の三級アミン型化合物の中和に用いるものと同様のものを使用することができ、有機酸としてはヒドロキシ酸、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、ポリカルボン酸、アルキル硫酸、アルキルリン酸等が挙げられる。ヒドロキシ酸としては、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸等が、モノカルボン酸としては、酢酸等が、ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等が、トリカルボン酸としては、クエン酸等が挙げられる。無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。これらのうち、有機酸が好ましく、なかでもα-ヒドロキシカルボン酸、特に乳酸、リンゴ酸が、つや、毛髪の柔軟性、まとまり性のうえで優れている。有機酸又は無機酸の含有量は、本発明の水性毛髪化粧料中の0.05〜10重量%が好ましく、特に0.1〜5重量%が好ましい。
本発明の水性毛髪化粧料は、水を媒体とするものであり、上記成分以外に、成分(A)以外の界面活性剤;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のpH調整剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキレート剤;アミノ酸及びその誘導体;ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ナイロン、シリコーン等のポリマー微粉末及びそれらの疎水化処理物;その他、保湿剤、動植物由来の抽出エキス、薬効成分、タンパク質、抗菌剤、紫外線吸収剤、パール化剤、防腐剤、殺菌剤、抗フケ剤、色素、香料などを、目的に応じて配合することができる。
本発明の水性毛髪化粧料は、成分(A)、(B)及び(C)、並びに目的に応じ適宜使用されるその他の成分と水を配合することにより製造される。また本発明の水性毛髪化粧料の形態としては、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント等の浴室内で使用されるものなどが挙げられる。
以下の実施例及び比較例において、pHは、すべて水で20重量倍に希釈したときの25℃における測定値である。
実施例1〜6並びに比較例1及び2
下記方法により、表1に示す組成のヘアコンディショナーの製造及び評価を行った。
(製造法)
精製水を80℃に加熱し、酸及びノニオン性ポリマー(ヒドロキシエチルセルロース)を添加する(水相)。一方、成分(A)、高級アルコール(ステアリルアルコール)、油剤及び溶剤を80℃で混合溶解する(油相)。水相をプロペラ攪拌(1L程度の製造で約250rpm)しながら油相を添加し、約30分攪拌・乳化させる。60℃に冷却し、残りの酸を添加し、更に約30分攪拌する。成分(B)及び成分(C)を添加し、他のシリコーン類を添加する。その後45℃に冷却した後、その他の成分を添加し、30℃まで攪拌冷却し配合を終了する。
(評価法)
未だパーマ、ヘアカラー等の化学処理をしたことのない20名の日本人女性の毛髪それぞれ約20g(約15〜20cm)に対し、プリティアハイブリーチ(花王社)により、40℃、20分処理(浴比1:1)を2回繰り返した。シャンプーで洗浄後、表1のヘアコンディショナー2gを均一に塗布し、次いで30秒間流水ですすぎ流した後、ドライヤーにて乾燥した。
ヘアコンディショナーを使用した後、乾燥状態の「髪のまとまりやすさ」、「髪のしっとり感」、「パサつきのなさ」、「滑らかさ」、「髪の束感が綺麗に揃う」、「くし、ブラシや指の通りのよさ」、「傷んだ髪に効果がある」及び「翌日の洗髪時まで髪のまとまり/スタイルが持続」を、以下の基準に従って官能評価した。表1に20名の総得点スコアを示す。(最高点100点,最低点20点)
5:非常に効果がある。
4:やや効果がある。
3:どちらともいえない。
2:やや効果がない。
1:効果がない。
1):単位(a)はR4=R5=CH3、a=750、単位(b)はR6=CH3、R7=C1837、b=750
2):単位(a)はR4=R5=CH3、a=500、単位(b)はR6=CH3、R7=C1837、b=500
3):単位(a)はR4=R5=CH3、a=50、単位(b)はR6=CH3、R7=C1837、b=50
4):単位(a)はR4=R5=CH3、a=500、単位(b)はR6=CH3、R7=C1633、b=500
5):単位(a)はR4=R5=CH3、a=75、単位(b)はR6=CH3、R7=C1633、b=75
6):単位(a)はR4=R5=CH3、a=500、単位(b)はR6=CH3、R7=C2245、b=500
実施例7 ヘアコンディショナー
(重量%)
ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド 1.5
ステアリルアルコール 3
セチルアルコール 2
ジプロピレングリコール 5
グリセリン 1
ドコシル変性シリコーン6) 0.3
トリステアリン酸グリセリル 0.3
ビスメトキシプロピルアミドイソドコサン 0.2
ジメチコーン含有エマルジョン
(東レ・ダウコーニング社,CF-2460) 2.5
リンゴ酸 0.1
乳酸 0.7
ハイブリッドヒマワリ油 0.3
加水分解シルク液 0.1
椿油 0.1
ベンジルオキシエタノール 0.3
ベンジルアルコール 0.2
ジペンタエリトリット脂肪酸エステル
(日清製油社、コスモール168AR) 0.3
フェノキシエタノール 0.1
イオン交換水 残量
上記ヘアコンディショナー(pH3.2)は、乾燥後の髪のまとまり、しっとり感、パサつきのなさ、滑らかさ及びくし・ブラシや指の通りのよさに優れており、髪の束感が綺麗に揃い、かつ傷んだ髪に効果がある。更に、翌日の洗髪時まで髪のまとまり/スタイルが持続し、しかも安定性にも優れるものであった。
実施例8 ヘアトリートメント
(重量%)
オクタデシロキシプロピルジメチルアミン 2.3
ステアリルアルコール 8
ジプロピレングリコール 3
オクタデシル変性シリコーン2) 0.1
トリベヘン酸グリセリル 0.1
ビスメトキシプロピルアミドイソドコサン 0.5
アミノ変性シリコーン 0.6
高重合メチルポリシロキサン(平均重合度2500) 1.0
ジメチルポリシロキサン(重合度600) 2.5
リンゴ酸 0.2
ベンジルアルコール 0.5
乳酸 1.8
ハイブリッドヒマワリ油 0.2
モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油 0.3
イオン交換水 残量
上記のヘアトリートメント(pH3.3)は、乾燥後の髪のまとまり、しっとり感、パサつきのなさ、滑らかさ及びくし・ブラシや指の通りのよさに優れており、髪の束感が綺麗に揃い、かつ傷んだ髪に効果がある。更に、翌日の洗髪時まで髪のまとまり/スタイルが持続し、しかも安定性にも優れるものであった。
実施例9 ヘアトリートメント
(重量%)
セチルトリメチルアンモニウムクロライド 0.5
セトステアリルアルコール 1.6
高重合メチルポリシロキサンエマルション
(東レ・ダウコーニング社,シリコーンBY22-060) 1.0
パルミチン酸イソプロピル 2.0
オクタデシル変性シリコーン2) 0.2
トリベヘン酸グリセリル 0.1
ビスメトキシプロピルアミドイソドコサン 0.3
アミノ変性シリコーン 0.05
リンゴ酸 0.1
乳酸 0.05
ハイブリッドヒマワリ油 0.5
椿油 0.1
加水分解シルク液 0.1
香料 0.03
イオン交換水 残量
上記ヘアトリートメント(pH3.3)は、乾燥後の髪のまとまり、しっとり感、パサつきのなさ、滑らかさ及びくし・ブラシや指の通りのよさに優れており、髪の束感が綺麗に揃い、かつ傷んだ髪に効果がある。更に、翌日の洗髪時まで髪のまとまり/スタイルが持続し、しかも安定性にも優れるものであった。

Claims (1)

  1. 成分(A)、(B)及び(C)を含有する水性毛髪化粧料。
    (A)カチオン界面活性剤
    (B)炭素数1822飽和脂肪酸と、グリセリン又はポリグリセリンとから導かれる脂肪酸エステル
    (C)下記一般式(3)で表わされるアルキル変性シリコーン
    〔式中、R7は炭素数18〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、aは2以上、bは3以上であって、a+b=100〜1500となる数を示す。〕
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