JP4883553B2 - 自動変速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速装置に関するものである。
従来より、自動二輪車等の車両の変速装置として、運転者がクラッチレバーとチェンジペダルとを用いて変速ギヤを切り替える変速装置の他、駆動モータによって自動的に変速ギヤの切り替えが行われる変速装置(以下「自動変速装置」という。)が知られている。
通常、上記のような自動変速装置は、平行に配置されたメインシャフトおよびドライブシャフトと、それぞれのシャフトにスプライン結合され、各シャフトとともに回転しつつ軸方向に摺動可能な複数のギヤ(以下、「摺動ギヤ」と称する。)と、各シャフトの回転とは無関係に回転自在な複数のギヤ(以下「自由ギヤ」と称する。)と、摺動ギヤを駆動する駆動モータとを備えている。メインシャフトの摺動ギヤはドライブシャフトの自由ギヤと、メインシャフトの自由ギヤはドライブシャフトの摺動ギヤと、それぞれ常時噛み合うように配置されている。
メインシャフト上の摺動ギヤまたはドライブシャフト上の摺動ギヤは、駆動モータによって間接的に駆動されて摺動し、隣り合う自由ギヤと係合する。自由ギヤは、摺動ギヤと係合するとメインシャフトまたはドライブシャフトに間接的に固定され、これらシャフトの回転に伴って回転する。これにより、メインシャフトの回転がドライブシャフトに伝達されてドライブシャフトが回転することとなる。自動変速装置による変速は、上述のように係合する摺動ギヤと自由ギヤとの組み合わせを駆動モータを用いて適宜変更することによって行われ、ドライブシャフトへの動力の伝達比が駆動モータによって変更される。
ところで、摺動ギヤにはドグと称される突起が設けられており、自由ギヤにはこのドグが嵌入される孔が設けられている。このドグが孔に嵌入されることにより、自由ギヤは摺動ギヤと係合し、摺動ギヤに連動することとなる。
しかし、摺動ギヤと自由ギヤとが離脱している場合、摺動ギヤがシャフトに従動回転するのに対し、自由ギヤはシャフトの回転とは無関係であるため、摺動ギヤと自由ギヤとは相対回転する。そのため、摺動ギヤを自由ギヤの方向に摺動させても、ドグが自由ギヤの孔以外の部分にあたり、自由ギヤの孔に嵌入されないことがある(以下、このような状態を「ドグあたり」と称する。)。
上述のようなドグあたりが生じた場合であっても、マニュアルトランスミッション方式の変速装置であれば、操作者がチェンジペダルへの力を弱めることにより、摺動ギヤに与えられる力を弱めることができる。これにより、係合しようとするギヤ同士の接触面が互いのギヤの相対回転によりずれ、ドグはいずれは孔に収まることとなった。
しかし、自動変速装置では、モータの駆動力によって摺動ギヤを摺動させる。そのため、ドグあたりが生じても人間の操作のように駆動力が加減されることはなく、摺動ギヤに過剰な力が加え続けられることになる。これにより、ドグが自由ギヤに過剰に押さえつけられてギヤ同士は相対回転できなくなる。そのため、ドグあたりがいつまでたっても解消されず変速が完了されないという問題や、変速に時間がかかる等の問題を生じていた。あるいは、ドグに大きな力が加えられるためドグの寿命が短くなるおそれもあった。
そこで、このような自動変速装置において、モータとシフトドラムとの間に弾性体を設け、シフトフォークが摺動ギヤを押す力を弾性力によって減じ、ドグあたりを解消する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図10に示すように、特許文献1に開示された自動変速装置では、モータ200とシフトドラム201との間に弾性体202を設置している。シフトドラム201の回転に伴い、摺動ギヤ203はシャフト204上を自由ギヤ205に向かって摺動する。この自動変速装置ではドグあたりが生じても、弾性体202がねじれることにより、モータ200からシフトドラム201に与えられる駆動力は減じられる。そのため、摺動ギヤ203と自由ギヤ205とは相対回転し、ドグ206が自由ギヤ205の孔207に嵌入されることによりドグあたりはすぐに解消される。
特許第3044498号公報
しかし、特許文献1に係る自動変速装置のように、モータ200とシフトドラム201との間に弾性体202を設置すると、弾性体202がねじれることによってモータ200の回転角度とシフトドラム201の回転角度とが対応しなくなる。そのため、シフトドラム201の回転角度の制御のために、モータ側とシフトドラム側の双方にポテンショメータ208等の検出機器を設ける必要があった。これにより、弾性体202の他、ポテンショメータ208等の検出機器が余分に必要となり、部品点数が増加し、コストを増加させることとなっていた。また、弾性力の影響によってシフトドラム201の位置制御が困難になり、精度のよい変速動作ができないという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、部品点数を増加させずにドグあたりを解消し、かつ精度のよい変速動作を行う自動変速装置を提供することにある。
本発明に係る自動変速装置は、第1の回転軸と、第2の回転軸と、前記第1の回転軸上にスプライン結合され、軸方向に摺動可能に設けられた摺動ギヤと、前記第1の回転軸上に、前記第1の回転軸と相対回転自在に設けられた自由ギヤと、前記第2の回転軸上に、前記第1の回転軸の前記自由ギヤと噛み合うように配置され、前記第2の回転軸と一体となって回転するギヤと、前記摺動ギヤを軸方向に摺動させ、前記自由ギヤと一体となって回転するように前記自由ギヤに係合させるシフト機構と、前記シフト機構を駆動するモータと、前記モータの電流値を検出する電流検出器と、前記モータの電流値を所定の目標電流値にする電流フィードバック制御を行う制御装置と、を備えている。
本発明に係る自動変速装置では、モータの電流値を電流検出器によって検出し、所定の目標電流値に制御する電流フィードバック制御が行われる。モータの電流値とモータが生じる駆動力とは比例するため、電流値を制御することにより駆動力を制御することができる。したがって、本発明によれば、モータが比較的弱い駆動力(ドグあたりが生じても摺動ギヤと自由ギヤとが相対回転可能な駆動力)を生じるような電流値を目標電流値として予め設定しておくことにより、ドグあたり時に摺動ギヤと自由ギヤとを相対回転させることができ、摺動ギヤと自由ギヤとをスムーズに係合させて、ドグあたりをすぐに解消することが可能となる。また、本発明によれば、摺動ギヤと自由ギヤとをスムーズに係合させることができるため、変速時間の短縮を図ることができる。
さらに、本発明に係る自動変速装置によれば、モータによる駆動力の制御を従来のような弾性体を使用するのではなく、モータに流れる電流を制御することにより行っている。そのため、従来招いていた弾性体による変速動作の制御性の低下等の弊害を防止しつつ、変速時間の短縮等の効果を得ることができる。
以上のように、本発明によれば、部品点数を増加させずにドグあたりを解消し、かつ精度のよい変速動作を行う自動変速装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る自動変速装置11が搭載された車両の一例である自動二輪車1を示している。自動二輪車1は、車体2と、車体2に取り付けられたエンジン100と、前輪3と、後輪4と、操向ハンドル5とを備えている。操向ハンドル5には後述するシフトスイッチ77(図5参照)を備えたスイッチボックス31が設けられている。また、操向ハンドル5の下方には、車体2に回動自在に取り付けられたフロントフォーク6が接続されている。前輪3は、フロントフォーク6によって回転自在に支持されている。後輪4は、車体2に取り付けられたリヤアーム7によって車体2に対して上下方向に揺動自在に支持されている。後輪4には、駆動チェーン8を有する動力伝達機構を介してエンジン100から動力が伝達される。
エンジン100と後輪4との間の動力伝達機構には、自動変速装置11が設けられている。図2に示すように、自動変速装置11は、エンジン100によって発生した動力により回転駆動されるメインシャフト12と、メインシャフト12から動力を受け、その動力を後輪4側に伝達するドライブシャフト13と、メインシャフト12に嵌め込まれた変速ギヤ群15aおよびドライブシャフト13に嵌め込まれた変速ギヤ群15bとにより構成されている。
メインシャフト12にはエンジン100により発生した動力を断続するクラッチ19が接続されている。ドライブシャフト13には、ドライブスプロケット17が設けられており、ドライブスプロケット17には駆動チェーン8が巻き掛けられている。ドライブシャフト13は、ドライブスプロケット17および駆動チェーン8を介して後輪4に連結されている(図1参照)。メインシャフト12とドライブシャフト13とは、それぞれ軸受け61,62によってミッションケース101に回転自在に支持されている。
変速ギヤ群15aは、メインシャフト12の軸方向に摺動可能にスプライン結合された摺動ギヤ55aと、摺動ギヤ55aの軸方向両側に設けられた2つの自由ギヤ55bと、各自由ギヤ55bからみて摺動ギヤ55aとは反対側に固定された2つの固定ギヤ55cとにより構成されている。摺動ギヤ55aおよび固定ギヤ55cは、メインシャフト12に伴って回転する。一方、自由ギヤ55bは、メインシャフト12の回転とは無関係に回転自由に設けられている。そのため、メインシャフト12が回転しても、自由ギヤ55bはメインシャフト12には従動しない。
変速ギヤ群15bは、ドライブシャフト13の軸方向に摺動可能にスプライン結合された2つの摺動ギヤ56aと、2つの摺動ギヤ56aそれぞれの軸方向両側に設けられた4つの自由ギヤ56bとにより構成されている。摺動ギヤ56aは、ドライブシャフト13に対し軸方向には摺動自在に設けられているが、ドライブシャフト13の回転方向には固定されている。これにより、摺動ギヤ56aが回転すると、摺動ギヤ56aに伴ってドライブシャフト13も回転することとなる。一方、自由ギヤ56bは、ドライブシャフト13の回転とは無関係に回転自由に設けられている。そのため、自由ギヤ56bが回転しても、ドライブシャフト13が自由ギヤ56bの回転に従動して回転することはない。
メインシャフト12に従動する摺動ギヤ55aおよび固定ギヤ55cは、ドライブシャフト13の自由ギヤ56bと向かい合い、常時噛み合うように配置されている。また、メインシャフト12の回転とは無関係に回転自在に設けられた自由ギヤ55bは、ドライブシャフト13の摺動ギヤ56aとそれぞれ向かい合い、常時噛み合うように配置されている。
図3は、上記摺動ギヤ55aまたは摺動ギヤ56aを摺動させる多段シフト機構16を示す図である。多段シフト機構16は、ミッションケース101に軸受け63を介して回動自在に支持されたシフトロッド25と、シフトロッド25に伝動機構26を介して連結されたシフトドラム23と、上述の摺動ギヤ55aまたは摺動ギヤ56aを移動させるシフトフォーク21とにより構成されている。シフトロッド25の端部には複数のギヤ71を介してモータ70が取り付けられている。このような構成により、シフトロッド25はモータ70によって駆動されて回動する。シフトロッド25の回動は、伝動機構26によってシフトドラム23に伝達され、シフトドラム23は回動する。なお、本実施形態では、モータ70はDCモータである。
シフトフォーク21は、根元部がシフトフォークシャフト22に軸方向に摺動可能に取り付けられており、根元部から先端部に向かって二股に分岐した形状をしている。シフトドラム23には、複数のカム溝(図示せず)が設けられており、シフトフォーク21の一方の先端部は、シフトドラム23のカム溝に常時嵌入されている。これにより、シフトドラム23が駆動されて回動すると、シフトフォーク21がカム溝に沿って移動することとなる。一方、シフトフォーク21の他方の先端部は、摺動ギヤ55aまたは摺動ギヤ56aに設けられた環状溝18(図2参照)に常時嵌入されている。これにより、シフトフォーク21が移動すると摺動ギヤ55aまたは摺動ギヤ56aも共に移動することとなる。
以上のような多段シフト機構16により、モータ70によってシフトドラム23が所定角度だけ回転駆動されると、各シフトフォーク21がシフトドラム23のカム溝に沿ってシフトドラム23の軸方向に所定量だけ移動する。これに伴い、摺動ギヤ55aまたは摺動ギヤ56aはメインシャフト12またはドライブシャフト13上を所定量だけ摺動し、摺動ギヤ55aは自由ギヤ55bと、摺動ギヤ56aは自由ギヤ56bと所定の順番で係合する。このように係合することにより、自由ギヤ55bは摺動ギヤ55aを介してメインシャフト12に、自由ギヤ56bは摺動ギヤ56aを介してドライブシャフト13に間接的に固定される。このようにして、メインシャフト12に伝達された回転駆動力はドライブシャフト13に伝達される。なお、係合するギヤの組み合わせによって減速比は異なるため、ドライブシャフト13に伝達される駆動力の大きさも、係合するギヤの組み合わせによって異なることとなる。
図4は、変速ギヤ群15b(図2参照)の一部を示した図である。図4の左側に示すのが前述した摺動ギヤ56aであり、右側に位置するのが自由ギヤ56bである。摺動ギヤ56aの側部には突起状のドグ57が一体的に設けられている。一方、自由ギヤ56bにはこのドグ57が嵌入される孔58が設けられている。なお、摺動ギヤ55aは摺動ギヤ56aと、自由ギヤ55bは自由ギヤ56bと同様の構成をしているため、変速ギヤ群15aについての説明は省略する。
図5に示すように、操向ハンドル5の左側のグリップ部分には、シフトスイッチ77が設けられている。シフトスイッチ77は、シフトアップスイッチ77aとシフトダウンスイッチ77bとから構成される。運転者の操作によりシフトアップスイッチ77aがONされると、各摺動ギヤ55aおよび各摺動ギヤ56aが順に加速方向に移動し、1速から6速まで順にシフトチェンジされる。一方、シフトダウンスイッチ77bがONされると、各摺動ギヤ55aおよび各摺動ギヤ56aが順に減速方向に移動し、6速から1速まで順にシフトチェンジされる。
図3に示すように、自動二輪車1には、エンジン100等を制御する制御装置90および各種のセンサが設けられている。すなわち、シフトドラム23には、シフトドラム23の位置(回転角度)を検出するギヤポジションセンサ91が設けられている。また、モータ70にはモータ70の電流値を検出する電流検出器92が設けられている。なお、電流検出器92は、モータ70の電流値を直接検出するものに限られず、間接的に検出するものであってもよい。電流検出器92は、モータ70が接続された電気回路に設けられていてもよく、必ずしもモータ70に接続されている必要はない。
次に本実施形態に係る自動変速装置11の変速動作について説明する。
まず、運転者によってシフトスイッチ77がONされると、これを検知した制御装置90内の制御部95(図6参照)の指令に基づき、クラッチ19が切断される。これにより、エンジン100による動力は断絶され、メインシャフト12は回転駆動されなくなる。
次に、制御部95はONされたシフトスイッチ77がシフトアップスイッチ77aかシフトダウンスイッチ77bかを検知し、モータ70を駆動してシフトドラム23を所定方向へ所定角度回転させる。これにより、シフトフォーク21がシフトドラム23のカム溝に沿って所定方向に移動する。さらに、摺動ギヤ55aまたは摺動ギヤ56aは、シフトフォーク21に押されて加速または減速方向に移動する。このとき、ギヤポジションセンサ91によってシフトドラム23の回転角度を検出することにより、摺動ギヤ55aまたは摺動ギヤ56aを所定の位置まで正確に移動させることができる。
制御部95は、摺動ギヤ55aまたは摺動ギヤ56aが正確に所定の位置に移動したことをギヤポジションセンサ91により検知すると、クラッチ19を接続する。これにより、再びエンジン100による動力はメインシャフト12に伝達され、メインシャフト12は回転駆動されることとなる。また、メインシャフト12に伝達された動力は、選択された1速から6速までの所定の減速比でドライブシャフト13に伝達される。このようにして自動二輪車1は加速または減速することとなる。
ところで、摺動ギヤ56aの移動によって、摺動ギヤ56aと自由ギヤ56bとは係合する。詳しくは、摺動ギヤ56aのドグ57が自由ギヤ56bの孔58に嵌合されることにより、摺動ギヤ56aは自由ギヤ56bに係合する(図4参照)。これにより、ドライブシャフト13の回転とは無関係に回転自由であった自由ギヤ56bが、摺動ギヤ56aと一体となってドライブシャフト13の回転に従って回転することとなる。また、摺動ギヤ55aの移動によって、摺動ギヤ55aと自由ギヤ55bとも同様に係合し、メインシャフト12の回転とは無関係に回転自由であった自由ギヤ55bは摺動ギヤ55aと一体となってメインシャフト12の回転に従って回転することとなる。
しかし、摺動ギヤ55aと自由ギヤ55bまたは摺動ギヤ56aと自由ギヤ56bとが離脱している場合、これらは相対回転する。そのため、ドグ57が自由ギヤ55bまたは自由ギヤ56bの孔58以外の部分に押しつけられる、いわゆるドグあたりが生じてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、摺動ギヤ55aと自由ギヤ55bまたは摺動ギヤ56aと自由ギヤ56bとが所定距離以下まで接近すると、以下の電流フィードバック制御によってモータ70による駆動力(トルク)を制御し、過剰な力でドグ57を自由ギヤ55bまたは自由ギヤ56bに押さえつけないようにしている。
図6は、電流フィードバック制御系のブロック図である。制御装置90は、記憶部97と、比較部96と、制御部95とを備えている。記憶部97は所定の目標電流値Imを記憶しており、この目標電流値Imを指令信号として比較部96に与える。比較部96には、電流検出器92より検出されたモータ70の電流値Iが現在値として常時与えられる。比較部96は、目標電流値Imと現在値との誤差を求め、誤差信号を制御部95に与える。制御部95では、誤差信号に基づいてモータ70に入力すべき制御量を算出し、モータ70の電流値Iを制御する。
目標電流値Imは、モータ70にドグあたりを解消する程度の比較的弱いトルクを発生させる電流値として予め設定したものである。なお、ドグあたりを解消する程度のトルクとは、摺動ギヤ55aと自由ギヤ55bまたは摺動ギヤ56aと自由ギヤ56bとが相対回転できる程度の大きさを示す。
また、電流フィードバック制御が開始されるまで(摺動ギヤ55aと自由ギヤ55bまたは摺動ギヤ56aと自由ギヤ56bとの距離が所定距離以下となるまで)の変速動作については、摺動ギヤ55aまたは摺動ギヤ56aの位置に基づき制御される(位置フィードバック制御)。詳しくは、前述したように摺動ギヤ55aまたは摺動ギヤ56aの位置は、シフトドラム23の回転角度により検出可能であるため、シフトドラム23の回転角度に基づいてモータ70の回転数が制御される。
図7は、摺動ギヤ55aまたは摺動ギヤ56aの位置制御系のブロック図である。記憶部97は所定のシフトドラムの目標角度θnを記憶しており、この目標角度θnを指令信号として比較部96に与える。比較部96には、ギヤポジションセンサ91より検出されたシフトドラム23の回転角度θが現在値として常時与えられる。比較部96は、目標角度θnと現在値との誤差を求め、誤差信号を制御部95に与える。制御部95では、誤差信号に基づいてモータ70に入力すべき制御量を算出し、モータ70の回転数を制御する。
以下、変速制御の流れについて図8を参照しながら説明する。
まず、運転者によってシフトスイッチ77がONされる(ステップS1)。これにより、モータ70に電流が流れ、モータ70は駆動される(ステップS2)。モータ70が駆動されると、ギヤポジションセンサ91によってシフトドラム23の回転角度が検出され制御装置90に送られる(ステップS3)。制御装置90は、ギヤポジションセンサ91によって検出された現在回転角度θと、予め定められ制御装置90に記憶されたシフトドラム23の目標回転角度θnとを比較し、θ≧θnであるか否かを判定する(ステップS4)。θ≧θnでない場合、ステップS3に戻り、シフトドラム23の回転角度の検出が行われる。
一方、θ≧θnとなった場合、ステップS5〜S7の電流フィードバック制御が実行される。まず、モータ70の電流値I(現在値)が電流値検出器92によって検出され、制御装置90に送られる(ステップS5)。制御装置90は、モータ70の電流値Iを目標電流値Imまで降下させる操作(電流値降下操作)を行う(ステップS6)。次に、制御装置90は、I=Imであるか否かを判定する(ステップS7)。I=Imでない場合(I>Imの場合)、ステップS6に戻り電流値降下操作を継続する。一方、I=Imとなると、制御装置90は、変速動作が完了するまでモータ70の電流値Iを目標電流値Imとし続ける。変速動作が完了すると、制御装置90は変速制御を終了する。
以上のように、本実施形態に係る自動二輪車1では、摺動ギヤ55aと自由ギヤ55b、または摺動ギヤ56aと自由ギヤ56bとが接近すると、モータ70の電流値Iを所定の目標電流値Imに制御する電流フィードバック制御を行うこととしている。モータ70の電流値Iとモータ70が生じるトルクとは比例関係にあるため、電流値Iの降下に伴ってトルクも減少する。これにより、マニュアルトランスミッション方式において運転者がチェンジペダルへの力を減じた場合と同様に、ドグ57が自由ギヤ55bに過剰なトルクで押さえつけられなくなり、ドグ57が孔58に嵌入されやすくなる。このように、トルクを減少させると、変速動作をスムーズに行うことができ、変速時間の短縮を図ることができる。また、過剰にドグ57を押さえつけないため、ドグ57の寿命が短くなることを防止することもできる。
また、本実施形態に係る自動二輪車1では、モータ70のトルク制御を、従来のような弾性体を使用することなく、モータ70に流れる電流を制御することにより行っている。そのため、従来招いていた弾性体による変速動作の制御性の低下等の弊害を防止しつつ、変速時間の短縮やドグ57の損傷防止等の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、前述の電流フィードバック制御による電流値Iの制御を、摺動ギヤ55aと自由ギヤ55b、または摺動ギヤ56aと自由ギヤ56bとが所定の距離に接近してから開始することとしている。そのため、摺動ギヤ55aと自由ギヤ55b、または摺動ギヤ56aと自由ギヤ56bとが所定の距離に接近するまでは、モータ70を高速回転させて、摺動ギヤ55aまたは摺動ギヤ56aを素早く摺動させることが可能である。これにより、変速動作にかかる所要時間を短縮することができる。
本実施形態では、電流フィードバック制御を行うまでは、シフトドラム23の回転角度に基づきモータ70の回転数を制御する位置フィードバック制御を行う。そのため、シフトドラム23が変速動作範囲以外の位置まで回転する等、暴走動作の防止を図ることもできる。
なお、モータ70の電流値Iを所定の目標電流値Imまで減じる手法としては、モータ70に与える電圧を所定値に減じる手法の他、PWM制御を用いてモータ70に与える電圧のONとOFFの時間的比率(デューティ比)を下げることにより平均電流値を降下させる手法を用いることも可能である。
<実施形態2>
上述の実施形態1では、電流フィードバック制御を行うまでは、シフトドラム23の回転角度に基づきモータ70の回転数を制御する位置フィードバック制御を行うこととしていた。しかし、位置フィードバック制御を行わずに電流フィードバック制御のみを行うことによっても、ドグあたりの解消を図ることが可能である。すなわち、いわゆるドグあたりが生じた場合、モータ70はシフトドラム23を回転駆動できなくなりロックされる。このとき、モータ70にはトルクを増大させるために過剰に電流が流れる。このような過剰電流値が電流検出器92によって検出された場合、電流値Iを所定の目標電流値Imに減ずることとする制御によってもドグあたりを解消することができる。実施形態2に係る自動二輪車1の構成は、ギヤポジションセンサ91を省略できる以外は実施形態1と同様であるので、説明は省略する。
次に、実施形態2に係る変速制御の流れについて図9を参照しながら説明する。なお、許容最高値Ihは、ドグあたりの際にモータ70に流れる過剰電流値をあらかじめ計測したものであり、記憶部97に記憶されている。
まず、運転者によってシフトスイッチ77がONされる(ステップS11)。これにより、モータ70に電流が流れ、モータ70が駆動される(ステップS12)。モータ70が駆動されると、電流検出器92によってモータ70の電流値(現在値)Iが検出され制御装置90に送られる(ステップS13)。制御装置90では、電流検出器92によって検出された現在値Iと記憶部97から与えられた許容最高値Ihとが比較され、I≧Ihであるか否かが判定される(ステップS14)。I<Ihの場合、ステップS13に戻る。
一方、I≧Ihの場合、制御装置90はモータ70の電流値を許容最高値Ihよりも低い所定の目標電流値Imまで降下させる操作(電流値降下操作)を行う(ステップS15)。次に、制御装置90は、I=Imであるか否かを判定する(ステップS16)。I=Imでない場合(I>Imの場合)、ステップS15に戻り電流値降下操作を継続する。一方、I=Imとなると、制御装置90は、変速動作が完了するまでモータ70の電流値Iを目標電流値Imとし続ける。変速動作が完了すると、制御装置90は変速制御を終了する。
本実施形態によれば、電流フィードバック制御のみにより変速動作を制御するため、位置フィードバック制御を行う場合と比較してより単純な制御により変速動作を行うことができる。また、本実施形態によっても、実施形態1と同様に部品点数を増加させずにドグあたりを解消することができる。
以上、実施形態1および実施形態2では、自動二輪車に本発明に係る自動変速装置を適用した例を説明したが、本発明に係る自動変速装置は自動二輪車に限られず、バギー等の自動三輪車または自動四輪車等に適用することも可能である。
以上説明したように、本発明は、自動変速装置について有用である。
実施形態1に係る自動二輪車の側面図である。 実施形態1に係る自動変速装置部分を示す断面図である。 実施形態1に係る多段シフト機構を構成する部分を示す断面図である。 実施形態1に係る変速ギヤ群の一部を示す断面図である。 実施形態1に係る操作ハンドルのグリップ部分を示す図である。 実施形態1における電流フィードバック制御を示すブロック図である。 実施形態1における位置フィードバック制御を示すブロック図である。 実施形態1における変速制御の流れを示すフロー図である。 実施形態2における変速制御の流れを示すフロー図である。 従来の弾性体を用いた場合の変速機構を示す図である。
符号の説明
1 自動二輪車
11 自動変速装置
12 メインシャフト(第1の回転軸、第2の回転軸)
13 ドライブシャフト(第1の回転軸、第2の回転軸)
16 多段シフト機構(シフト機構)
19 クラッチ
21 シフトフォーク
23 シフトドラム
55a、56a 摺動ギヤ(摺動ギヤ、ギヤ)
55b、56b 自由ギヤ
55c 固定ギヤ(ギヤ)
57 ドグ
58 孔
70 モータ
90 制御装置
91 ギヤポジションセンサ(センサ)
92 電流検出器

Claims (4)

  1. 第1の回転軸と、
    第2の回転軸と、
    前記第1の回転軸上にスプライン結合され、軸方向に摺動可能に設けられた摺動ギヤと、
    前記第1の回転軸上に、前記第1の回転軸と相対回転自在に設けられた自由ギヤと、
    前記第2の回転軸上に、前記第1の回転軸の前記自由ギヤと噛み合うように配置され、前記第2の回転軸と一体となって回転するギヤと、
    前記摺動ギヤを軸方向に摺動させ、前記自由ギヤと一体となって回転するように前記自由ギヤに係合させるシフト機構と、
    前記シフト機構を駆動するモータと、
    前記モータの電流値を検出する電流検出器と、
    前記モータの電流値を所定の目標電流値にする電流フィードバック制御を行う制御装置と、を備えた自動変速装置。
  2. 前記摺動ギヤと前記自由ギヤとの距離を検出するセンサを備え、
    前記制御装置は、前記摺動ギヤと前記自由ギヤとの距離が所定距離以下になると、前記モータの電流値を前記目標電流値にまで降下させる電流フィードバック制御を開始する請求項1に記載の自動変速装置。
  3. 前記制御装置は、前記摺動ギヤと前記自由ギヤとの距離が前記所定距離になるまで、前記摺動ギヤを前記自由ギヤに近づけて前記距離を前記所定距離にする位置フィードバック制御を行う請求項2に記載の自動変速装置。
  4. 前記摺動ギヤは、摺動方向に突出する突起を備え、
    前記自由ギヤは、前記摺動ギヤの前記突起が嵌入される孔を備え、
    前記摺動ギヤと前記自由ギヤとは、前記突起が前記孔に嵌入されることにより係合する請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動変速装置。
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