以下、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るテープ印刷装置について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1および図2に示すように、このテープ印刷装置1は、装置ケース(装置本体)2により外殻が形成され、装置ケース2の前部上面には各種入力キーから成るキーボード3を備えている。また、後部上面には、その左部に開閉蓋21が取り付けられ、その右部にはディスプレイ4が配設されている。また、装置ケース2の左側部には、ポケット(テープ装着部)6と装置外部とを連通するスリット状のテープ排出口22が形成され、テープ排出口22には、送りだした印刷用テープ(以下単に「テープ」)Tを切断するテープカッタ132が臨んでいる。
また、図3に示すように、制御系から見た基本的な構成として、キーボード3やディスプレイ4を有してユーザとのインタフェースを行う操作部11と、印刷ヘッド(サーマルヘッド)7やテープ送り部120を有してポケット6内に装着したテープカートリッジCのテープTに印刷を行う印刷部12と、印刷後のテープTの切断を行う切断部13と、各種センサを有して各種検出を行う検出部14と、各種ドライバを有して各部回路を駆動する駆動部15と、テープ印刷装置1内の各部を制御する制御部20と、を備えている。このため、装置ケース2の内部には、印刷部12、切断部13、検出部14などの他、図外の回路基板が収納されている。この回路基板には、電源ユニットの他、駆動部15や制御部20の各回路などが搭載され、ACアダプタ接続口29や外部から着脱可能なニッカド電池等の電池(図示省略)に接続されている。
テープ印刷装置1では、ユーザが、ポケット6にテープカートリッジCを装着した後、ディスプレイ4により入力・編集結果を確認しながらキーボード3により所望の文字など(文字、数字、記号、簡易図形等のキャラクタ)の印刷情報を入力して、印刷を指示すると、テープ送り部120によりテープカートリッジCからテープTを繰り出して、印刷ヘッド7によりテープTに所望の印刷を行い、印刷済み部分はテープ排出口22から随時外部に送り出される。所望の印刷が完了すると、テープ送り部120は、余白分を含むテープ長さの位置までテープTの送りを行った後、その送りを停止する。
図2および図3に示すように、印刷部12には、開閉蓋21の内側に、テープカートリッジCを装着するためのポケット6が設けられていて、テープカートリッジCはこの開閉蓋21を開放した状態でポケット6に対して着脱される。また、テープカートリッジCの裏面には、相異なる幅等のテープTの種別を識別できるように小さな複数の孔(図示せず)が設けられ、ポケット6には、この孔の有無を検出するマイクロスイッチなどのテープ識別センサ141が設けられていて、テープTの有無(正確にはテープカートリッジCが装着されているか否か)およびテープTの種別(正確にはテープカートリッジCの種別)を検出できるようになっている。
テープカートリッジCには、カートリッジケース51の内部に一定の幅(4.5mm〜48mm程度)のテープTとインクリボンRとが収容されており、印刷ヘッド7が臨む貫通開口55が形成されている。テープTは、裏面に粘着面が形成され、それが剥離紙によって覆われた構成になっている。また、テープTとインクリボンRとが重なる部分には、ヘッドユニット61に内蔵された印刷ヘッド7に対応して、プラテンローラ(プラテン)56が収納されている。テープカートリッジCが装着された状態で、印刷ヘッド7が貫通開口55から露出しているインクリボンRの裏面に当たり、発熱駆動されて所望の文字などがテープTの表面に印刷される。
テープ送り部120は、ポケット6の側方から下方に亘る空間に配設され、動力(駆動)源として送りモータ121を備えている。テープカートリッジCがポケット6に装着され、その状態で開閉蓋21が閉塞されると、送りモータ121を駆動源として、テープリール52からテープTが繰り出され、リボン繰出リール53からインクリボンRが繰り出され、貫通開口55の位置で印刷ヘッド7がテープTとインクリボンRとを挟み込んでプラテン56に当接して、テープTとインクリボンRが相互に重なり合った状態で走行し、同期して印刷ヘッド7が駆動されて印刷が行われる。その後、インクリボンRが内部でテープ巻取リール54に巻き取られるとともに、テープTのみがテープカートリッジCの外部に排出され、プラテン56の回転(リボン巻取リール54も同期回転する)が所定時間続行することで、テープTのテープ送りが続行され、テープ排出口22を介して装置外部に送り出され、テープT上の所定の切断位置がテープカッタ132の位置まで送られる。
切断部13は、テープカッタ132と、これを切断動作させるカッタモータ131と、を備えている。また、モード設定によって、自動/手動を切替可能であり、任意長印刷などの場合には手動(マニュアル)のカットキーの操作で、定長印刷などの場合には自動(オート)で、カッタモータ131を駆動する。検出部14は、前述のテープ識別センサ142を備える他、装置内各部に各種のセンサ等を備えている。駆動部15は、ディスプレイドライバ151と、ヘッドドライバ152と、モータドライバ153と、を備えている。ディスプレイドライバ151は、制御部20から出力される制御信号に基づき、その指示にしたがって、操作部11のディスプレイ4を駆動する。同様に、ヘッドドライバ152は、印刷部12の印刷ヘッド7を駆動し、モータドライバ153は、印刷部12の送りモータ121や切断部13のカッタモータ131などの各モータを駆動する。
操作部11は、キーボード3とディスプレイ4とを備えている。ディスプレイ4は、横方向(X方向)約6cm×縦方向(Y方向)4cmの長方形の形状の内側に、96ドット×64ドットの表示画像データを表示可能な表示画面41と、各種設定状況等を表示する18個のインジケータ(図示省略)とを有し、ユーザがキーボード3からデータを入力して、キャラクタ列画像データなどの印刷画像データを作成・編集したり、その結果等を視認したり、キーボード3から各種指令・選択指示等を入力したりする際などに用いられる。
キーボード3には、アルファベットキー群、数字キー群、平仮名や片仮名等の仮名キー群、および外字を呼び出して選択するための外字キー群等を含む文字キー群31の他、各種の動作モードなどを指定するための機能キー群32などが配列されている。
機能キー群32には、電源キー、印刷動作を指示するための印刷キー、テキスト入力時のデータ確定や改行および選択画面における各種モードの選択指示のための選択キー、各種操作を取り消すための取消キー、各種処理を中止したり確定後の文字等を必要に応じて削除する削除キー、前述した手動カットのためのカットキー、並びに、それぞれ上下左右の方向へのカーソル移動や表示画面41の表示範囲を移動させるための4個のカーソルキーなどが含まれる。なお、これらは、各キー入力毎に個別にキーを設けて入力しても良いし、シフトキー等と組み合わせてより少ない数のキーを用いて入力しても良い。キーボード3は、これらの各種キーにより種々の指令およびデータを制御部20に入力する。
制御部20は、CPU210、ROM220、RAM230、周辺制御回路(P−CON)240を備え、互いに内部バス250により接続されている。ROM220は、CPU210で処理する制御プログラムを記憶する制御プログラム領域221の他、装置内で用意している文字等(数字、記号、図形等を含む)のフォントデータや色変換テーブルや文字修飾テーブルなどを記憶する制御データ領域222を有している。RAM230は、電源オフ時のバックアップがされていて、各種フラグ・レジスタ群231、テキストデータ領域232、表示画像データ領域233、印刷画像データ領域234、描画登録画像データ領域235、外字登録画像データ領域236、文字展開バッファ、印刷バッファなどの各種バッファ領域237などの領域を有し、各種処理の作業領域として使用される。
P−CON240には、CPU210の機能を補うとともに周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路や種々の計時を行うタイマ等の機能回路などが、ゲートアレイやカスタムLSIなどにより構成されて組み込まれている。このため、P−CON240は、検出部14の各種センサやキーボード3と接続され、各種検出信号や各種指令や入力データなどをそのままあるいは加工して内部バス250に取り込むとともに、CPU210と連動して、CPU210等から内部バス250に出力されたデータや制御信号を、そのままあるいは加工して駆動部15に出力する。
そして、CPU210は、上記の構成により、ROM220内の制御プログラムに従って、P−CON240を介して各種検出信号、各種指令、各種データ等を入力し、ROM220やRAM230内の各種データ等を処理し、P−CON240を介して駆動部15に制御信号を出力することにより、印刷の位置制御や表示画面41の表示制御等を行うとともに、印刷ヘッド7を制御して所定の印刷条件でテープTに印刷するなど、テープ印刷装置1全体を制御している。
次に、テープ印刷装置1の制御全体の処理フローについて、図4を参照して説明する。電源キーを押すこと(電源オン)により処理が開始すると、同図に示すように、まず、前回の電源オフ時の状態に戻すために、退避していた各制御フラグを復旧するなどの初期設定を行い(S1)、次に、前回の表示画面を初期画面として表示する(S2)。
同図のその後の処理、すなわちキー入力か否かの判断分岐(S3)および各種割込処理(S4)は、概念的に示した処理である。実際には、テープ印刷装置1では、初期画面表示(S2)が終了すると、キー入力その他による割込を許可し、何らかの割込が発生するまでは、そのままの状態を維持し(S3:No)、何らかの割込が発生すると(S3:Yes)、それぞれの割込処理に移行して(S4)、その割込処理が終了すると、再度、その状態を維持する(S3:No)。
上述のように、テープ印刷装置1では、主な処理を割込処理により行うので、印刷画像作成などの準備ができていれば、ユーザが任意の時点で印刷キーを押すことにより、印刷処理割込が発生して、印刷処理が起動され、印刷画像データに基づいて印刷画像の印刷ができる。すなわち、印刷に至るまでの操作手順は、ユーザが任意に選択できる。
例えば図5に示すように、カーソルKまでの1行目の文字(キャラクタ)列「ABCDE」を入力後のテキスト編集画面表示の状態で(画面D10:以下、表示画面41の状態を画面Dxxとし、Dxxのみで説明および図示する。)、ユーザにより印刷キーが押されると、「印刷中」のメッセージの表示とともに(D11)、文字列「ABCDE」の文字列画像をテープ幅TWのテープTに印刷画像G00として印刷し、(定長設定あるいは任意長設定によるラベル長さLW等の)設定に応じてカットしてラベルL00を作成し(同図(b)参照)、印刷が終了すると、元のテキスト編集画面に戻る(D12:D10と同じ)。なお、テープ印刷装置1では、ユーザは、キー入力による各種指示を取消キーにより取り消すことができ、例えば上述の状態(D11)から取消キーを押すことにより、元のテキスト編集画面の表示状態(D10)に戻すことができる。
ところで、テープ印刷装置1では、全てのテープに共通する以外の特有の非印刷領域を有する特殊テープに対して、その非印刷領域に適合した印刷画像の印刷が可能になっているので、以下、この点について説明する。
まず、図6(a)に示すように、一般的なテープT(以下、適宜「標準テープ」という。:後述の「特殊テープ」と区別する場合等に使用。)は、剥離テープTaと基材テープTbとを積層して成るものであり、基材テープTbは、印刷面となる表面(印刷対象面)側の受像層Tcと、その裏面(粘着面)側に設けられた粘着層Tdとで構成されている。印刷(〜ラベル作成)終了後、基材テープTbから剥離テープTaを分離することで粘着層Tdが露出し、この粘着層Tdを介して貼着対象物に貼り付けて使用される。
そして、以下で説明する特殊テープTsのタイプ1のテープTs1では、同図(b)に示すように、折り目となる線(以下「折り線」)Sc1として、テープ幅方向の中心線に沿って(中心線上に)上述の受像層Tcの厚みの約半分の深さまで(=基材テープTbの表面近傍(表層部)のみ)の切込み(薄層カット)が、長手方向に延在するように形成されている。また、特殊テープTsのタイプ2のテープTs2では、同図(c)に示すように、折り線Sc2として、テープ幅方向の中心線に沿って(中心線上に)上述の受像層Tc分の深さの(長手方向にカット部と非カット部が交互に存在する)破線状のスリット(いわゆるミシン目)が、長手方向に延在するように形成されている。
ここで、仮に非印刷領域の違いがないものとして、各テープに前述の文字列「ABCDE」の印刷画像G00を印刷してラベルを作成すると、図7に示すようになる。すなわち、標準テープTの場合、同図(a)に示すように、前述のラベルL00(図5(b)参照)を作成できるのに対して、特殊テープTs1の場合、同図(b)に示すように折り線Sc1のあるラベルLc01を、特殊テープTs2の場合、同図(c)に示すように折り線Sc2のあるラベルLc02を、それぞれ作成できる。
以下、これら2タイプの特殊テープTs1、Ts2およびそれらによるラベルLs01、Ls02等を、図6(d)および図7(d)のように示す。すなわち、テープ幅TWの両端から同じ幅TH=TW/2ずつの中心線上に、折り線Scが形成された特殊テープTsおよびそれによるラベルLc0等として、図示および説明する。
ここで、上述の種の特殊テープTsに対して、折り線(中心線)Sc上に印刷画像G00等を印刷することは、その折り線Scに沿って熱による撓みやインクの滲み等を発生させる要因となるので、好ましくなく、折り線Sc近傍を非印刷領域とすることが望ましい。
このため、テープ印刷装置1では、装着されたテープTの種別をテープ識別センサ141により検出し、特殊テープTsのときには、例えば図8に示すように、元になる印刷画像(基礎画像)G00の画像データ(基礎画像データ)、すなわちそのまま印刷すれば印刷画像G00が印刷できる基礎画像データ、に対応して、非印刷領域(の画像データ:非印刷領域画像データ)をマスクするマスク画像MS0のマスク画像データMS0を用意する。
なお、以下、説明の簡単化のため、適宜、基礎画像およびその画像データである基礎画像データを区別なく「基礎画像」(例えば基礎画像G00等)と表現し、同様にマスク画像およびその画像データであるマスク画像データを区別なく「マスク画像」(例えばマスク画像MS0等)と表現し、印刷画像およびその画像データである印刷画像データを区別なく「印刷画像」(例えば印刷画像GS0等)と表現する。また、ここでは、特殊テープTsの非印刷領域情報として、マスク画像(データ)MS0を予め用意(記憶)しておくものとするが、仕様情報のみを非印刷領域情報として記憶しておいて特殊テープTsを検出した時点でマスク画像(データ)MS0を作成することもできる。
ここで、同図(a)に図示の基礎画像G00を、印刷する画素(例えば黒で図示のABCDEの各文字の部分)に相当するドットを論理的に正の正ドットとし、他の部分(各文字の背景等の白で図示の部分)を論理的に負の負ドットとしたドットマトリクスから成る画像(データ)とすると、同図(b)のマスク画像MS0は、非印刷領域(画像データ)NA0を構成するドットを負ドットとし、印刷領域(画像データ)ES0を正ドットとするドットマトリクスから成る画像(データ)である。このため、これらの間で、対応するドット同士の論理積演算(すなわち正ドット同士の部分のみを正ドットとし、他は負ドットとする論理演算)を行うことにより、同図(c)に示すように、基礎画像(データ)G00のうちの非印刷領域(画像データ)NA0をマスクした印刷画像(データ)GS0を容易に作成できる。
また、同図の例は、特有の非印刷領域NA0として幅方向の中心線N上に長手方向に延在する帯状の中心部非印刷領域(縦断非印刷領域、中心部非印刷領域:この例では=非印刷領域)を有する特殊テープTsの例であり、より具体的には、中心線Nの図示上側の微少幅DUの(上側)非印刷領域NUおよび図示下側の微少幅DLの(下側)非印刷領域NLから成る中心部非印刷領域(=非印刷領域)NA0(すなわちNA0=NU+NL)と、それより図示上側の印刷領域(上側印刷領域)EU0および図示下側の印刷領域(下側印刷領域)EL0から成る印刷領域(データ)ES0(すなわちES0=EU0+EL0)と、を有する特殊テープTsの例であるが、その非印刷領域NA0に相当する部分をマスクした印刷画像(データ)GS0を作成・印刷できるので、この種の特殊テープTsに対して、その非印刷領域NA0に適合した印刷画像GS0の印刷ができる。
また、上述の例の特殊テープTsは、中心部非印刷領域(特有の非印刷領域)NA0に幅方向の中心線Nに従った折り目を示す折り線Scを有するものであるが、テープ印刷装置1では、その折り線Scの近傍を非印刷領域NA0として、その部分をマスクした印刷画像(データ)GS0を作成・印刷でき、その中心線N(折り線Sc)に沿って発生する熱による撓みやインクの滲み等を防止できる。
また、この場合の特殊テープTsも、標準テープTと同様に、表面を印刷面(受像層)Tcとし且つ裏面に粘着面(粘着層)Tdが形成された基材テープTbと、その粘着面Tdを覆う剥離テープTaと、を有し、その一方で、折り線Scが基材テープTbの厚みの全部または一部のカットを有しているので(図6〜図7参照)、印刷後には、折り線Scが有するカットの分だけ、折り線Sc(すなわち中心線N)に沿って折りやすいものとなり、熱による撓みやインクの滲み等を防止できるのに加えて、折りやすさ等を維持・確保できる。
上述のように、本実施形態のテープ印刷装置1では、特殊テープTsが装着されたことを検出でき、検出されたときに、基礎画像(データ)G00等のうちの非印刷領域(画像データ)NA0等をマスクして、印刷画像(データ)GS0等を作成できるので、全てのテープTに共通する以外の特有の非印刷領域NA0等を有する特殊テープTsに対して、その非印刷領域NA0等に適合した印刷画像GS0等の印刷ができる。
なお、上述の例では、特有の非印刷領域として、中心線N(折り線Sc)近傍の非印刷領域NA0(=NU+NL)のみを有したが、特殊テープTsの長手方向に所定長さで且つ幅方向の全幅を横断する横断非印刷領域を有するように(規定)しても良い。
この場合、例えば図9に示すように、定長設定時の印刷長さ(=ラベル作成時のラベル長=テープ長手方向のラベル幅)LWが設定されているとき、テープTの素材(材質)等によっては、ラベルLS1としての所持や剥離テープTaの剥離等のために、前端部や後端部を非印刷領域(余白)として確保したい場合があり、この種の特殊テープTsの場合、上述同様の中心部非印刷領域NA0の他に、有効印刷長さELの印刷領域ES1(=上側印刷領域EU1+下側印刷領域EL1)を挟んで、長さNFの前端部や長さNFの後端部を、(前端)非印刷領域NAF(=上側前端非印刷領域NUF+下側前端非印刷領域NLF)や(後端)非印刷領域NAR(=上側後端非印刷領域NUR+下側後端非印刷領域NLR)のように規定しても良い。
この場合、非印刷領域NA1(=NA0+NAF+NAR)と、印刷領域ES1(=EU1+EL1)と、が規定された特殊テープTs、すなわち非印刷領域NA1を有する特殊テープTsとなるが、同図(b)に示すように、この場合の非印刷領域(画像データ)NA1の部分を負ドットとし、印刷領域(画像データ)ES1の部分を正ドットとするマスク画像(データ)MS1を用意し、同図(a)の基礎画像(データ)G00との間で論理積演算を行うことにより、同図(c)に示すように、基礎画像(データ)G00のうちの非印刷領域(画像データ)NA1をマスクした印刷画像(データ)GS1を容易に作成・印刷できる。
すなわち、特有の非印刷領域NA1として長手方向に所定長さで且つ幅方向の全幅を横断する横断非印刷領域(NAF+NA0の一部またはNAR+NA0の一部)を有するこの種の特殊テープTsに対しても、その非印刷領域NA1に適合した印刷画像GS1の印刷ができる。
また、従来と同様のテープ幅を超えた印刷を回避するための余白部分(超幅印刷回避領域)をテープ幅方向両端部の非印刷領域として有するように(規定)しても良い。この種の特殊テープTsの場合、例えば図10に示すように、上述同様の中心部非印刷領域NA0の他に、上側印刷領域EU1や下側印刷領域EL1を挟んで、微少幅DUの(上側端部)非印刷領域NUeおよび微少幅DLの(下側端部)非印刷領域NLeから成る端部非印刷領域NEのように規定できる。
この場合、非印刷領域NA2(=NA0+NE)と印刷領域ES2(=EU2+EL2)とが規定され、非印刷領域NA2を有する特殊テープTsとなるが、同図(b)に示すように、非印刷領域(画像データ)NA2の部分を負ドットとするマスク画像(データ)MS2を用意して論理積演算を行うことにより、同図(c)に示すように、基礎画像(データ)G00のうちの非印刷領域(画像データ)NA2をマスクした印刷画像(データ)GS2を容易に作成・印刷できる。
また、図10で上述の例にさらに非印刷領域として図9で前述の例と同様の前端非印刷領域NAF(=上側前端非印刷領域NUF+下側前端非印刷領域NLF)や後端非印刷領域NAR(=上側後端非印刷領域NUR+下側後端非印刷領域NLR)を付加するように(規定)しても良い。
この場合、例えば図11に示すように、非印刷領域NA3(=NA0+NE+NAF+NAR)と印刷領域ES3(=EU3+EL3)とが規定され、特有の非印刷領域NA3を有する特殊テープTsとなるが、同図(b)に示すように、マスク画像(データ)MS3を用意して論理積演算を行うことにより、同図(c)に示すように、基礎画像(データ)G00のうちの非印刷領域(画像データ)NA3をマスクした印刷画像(データ)GS3を容易に作成・印刷できる。
なお、上述の各例は、1行の文字列「ABCDE」の基礎画像G00を元にしたが、基礎画像としては、例えば図12(a)〜(c)のそれぞれに示すように、1行目「ABCDE」および2行目「FGHIJ」の2行の文字列の基礎画像(データ)G40や、同じ「ABCDE」の縦書きを2行並べた基礎画像(データ)G50や、同じ「ABCDE」の横書きの行を(180度回転させて)向かい合わせて並べた基礎画像(データ)G60などを利用することもできる。
これらの場合、例えば図11で上述の特有の非印刷領域NA3を有する特殊テープTsとすれば、上述のマスク画像(データ)MS3を用意して論理積演算を行うことにより、図13(a)〜(c)のそれぞれに示すように、基礎画像(データ)G40、G50、G60のうちの非印刷領域(画像データ)NA4、NA5、NA6(=NA3)をマスクした印刷画像(データ)GS4、GS5、GS6を容易に作成・印刷できる。
なお、これらの場合、非印刷領域に合わせて基礎画像を変形して印刷画像とすることもできる。例えば図14に示すように、特殊テープTsに対応して用意された図11(b)のマスク画像(データ)MS3の印刷領域ES3(=EU3+EL3)に合うように、言い換えると非印刷領域NA7(=NA3)としてマスクされて文字列の一部が欠けないように、図12(c)の基礎画像G60の各行の文字列の画像を縮小(変形)して印刷画像(データ)GS7として作成・印刷することもできる。
また、上述の各例では、マスク画像(データ)を利用して論理積演算によって印刷画像(データ)を作成・印刷したが、例えば図13(c)と同様の印刷画像GS6を印刷したい場合、例えば図15に示すように、印刷ヘッド7の印刷用のドット(発熱素子列の各発熱素子)のうちの、上述のマスク画像(データ)MS3の印刷領域ES3(=EU3+EL3)の印刷幅EU、ELに相当する(領域7U、7Lの)発熱素子のみを駆動し、図11(b)の前端非印刷領域NAFや後端非印刷領域NARについては駆動(印刷)しないタイミングを設ける(駆動するタイミングを制御する)ことにより、図13(c)と同様の印刷結果を得ることもできる。
また、上述の各例では、特有の非印刷領域を有する特定の特殊テープTsを検出した場合について、その非印刷領域に適合する印刷画像の印刷を行うものとしたが、特有の非印刷領域を有するテープTの種類が複数(多数)ある場合、特殊テープTsを検出するというより、装着されたテープTの種類を検出して、その種類に対応する非印刷領域に適合する印刷画像を印刷する必要がある。これに対し、前述のように、テープ印刷装置1では、装着されたテープTの種別を検出できるので、このような場合にも対応できる。
すなわち、テープ印刷装置1では、テープTの種類に対応して複数の相異なる非印刷領域が規定された複数種類のテープTに対して、装着されたテープTの種類を検出でき、基礎画像(データ)のうちの検出された種類に応じた非印刷領域(画像データ)をマスクして、印刷画像(データ)を作成・印刷できるので、非印刷領域が異なる複数種類の各テープTに対して(すなわち特有の非印刷領域を有する特殊テープTsに対しても)、それぞれの非印刷領域に適合した印刷画像の印刷ができる。
そして、上述した各種処理方法(印刷画像の作成方法等のデータ処理方法、印刷方法、ラベル作成方法など)は、プログラム処理可能な各種のテープ印刷装置によって処理されるプログラムとして適用でき、その種のプログラムを記憶するための例えばCD、MD、DVD等の記憶媒体にも適用でき、この種のプログラムを記憶しておいて、あるいは記憶媒体等から読み出して、実行することにより、非印刷領域が異なる複数種類の各テープに対して(すなわち特有の非印刷領域を有する特殊テープに対しても)、それぞれの非印刷領域に適合した印刷画像の印刷ができる。もちろん、その他、要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
なお、上述の実施形態(第1実施形態)では、単体(スタンドアロン)のテープ印刷装置を例示したが、印刷画像の画像データ(印刷画像データ)を用意して供給するための供給装置に所定の通信手段を介して同様のテープ印刷装置を接続した構成(システム)を、1つのテープ印刷装置と見ることもできる。以下、このタイプ(セパレートタイプ)のテープ印刷装置(単体のものと区別して以下「印刷システム」という。)を、第2実施形態として説明する。
図16および図17に示すように、まず、本実施形態のテープ印刷装置1(区別する際には第1実施形態のものを1A、第2実施形態のものを1Bとする)は、データサーバ(供給装置)DSとインタフェースIFを介して接続され、全体として印刷システムSYSを構成している。データサーバDSは、テープ印刷装置1(1B)に対して、印刷対象の印刷画像データを供給するものである。
このため、データサーバDSは、例えば図16に示すように、ネットワークNWを中心に、端末となる複数のワークステーションWS(パソコンPC等)1〜3やターミナルアダプタ(ルータ、リピータ、ハブ等を含む)TA等を接続して構成し、これらの端末のいずれかからインタフェースIFを介して、あるいはネットワークNWから直接のインタフェースIFとして、テープ印刷装置1を接続しても良い。この場合のネットワークNWとしては、IEEE標準LAN準拠の通信プロトコルに従ったもの、例えばいわゆるインターネットや各種のローカルエリアネットワーク(LAN:イーサネット(登録商標)、10/100ベース(Base)等)が採用できる。また、端末を介するインタフェースIFとしては、シリアルデータ通信(RS−232C、USB、IEEE1394等)でも、パラレルデータ通信(セントロニクス等)でも良い。なお、これらは有線通信の規格であるが、無線通信を利用することも可能である。
あるいは、より単純な構成として、データサーバDSを、スタンドアロンタイプの装置としても良い。例えば図17に示すように、スタンドアロンのパソコンPCとテープ印刷装置1(1B)とを、USB等のインタフェースIFで接続するだけで、印刷システムSYSを構成できる。なお、図16の構成(第1の構成)では、データサーバDS内の各装置(WS1〜3、TA等)に用意(記憶)された印刷画像データを(ダウンロード等により)供給して印刷する構成となり、図17の構成(第2の構成)では、例えばパソコンPC(データサーバDS)に記憶された印刷画像データを供給して印刷する構成となる。
以下では、比較的単純な図17の第2の構成の印刷システムSYSについて、主に説明する。ここで、テープ印刷装置1(1B)は、図18に示すように、USB仕様(プロトコル)に基づいて(USBケーブルによる)インタフェースIFからUSBコネクタ25を介してデータサーバDSとの通信を行うデータ供給インタフェース(DS−IF)16を、第1実施形態のテープ印刷装置1(1A)と同様の構成(図3参照)に、付加した構成になっている。
DS−IF16は、データサーバDSからの各種データ(印刷画像データ等)を受信するための受信バッファ161を有している。また、P−CON240は、図3で前述の検出部14からの各種検出信号やキーボード3からの各種指令や入力データなどの他、DS−IF16と接続され、データサーバDSからの制御信号や各種(ダウンロード)データなどを、そのままあるいは加工して内部バス260に取り込むとともに、CPU210と連動して、CPU210等から内部バス260に出力されたデータや制御信号を、そのままあるいは加工して前述の駆動部15やDS−IF16に出力する。
そして、例えば図17の第2の構成のデータサーバDSにおいて、長手方向印刷の場合、図5で前述の文字列「ABCDE」のテキスト編集画面(D10)と同様のテキスト編集画面を表示したり、あるいは印刷画像G00をイメージ画面表示等として表示している状態で、ユーザにより所定の印刷指示(印刷キーの押下等)が行われると、データサーバDSでは、「印刷中」のメッセージ表示等とともに、文字列「ABCDE」の印刷画像G00の印刷画像データと、所要のカットの種類およびタイミング(ここでは図5(b)のテープ送り方向の後端に対してカット)を指示するカット指示データ(カット指示信号)と、をインタフェースIFを介して送信する。
これに対して、テープ印刷装置1(1B)では、DS−IF16によって印刷画像G00の印刷画像データおよびカット指示信号を受信しながら、その印刷画像G00を印刷し、後端カットによりラベルL00を作成する。
そして、この印刷システムSYSにおいても、前述(第1実施形態)のスタンドアロンのテープ印刷装置1(1A)と同様に、例えば図8等で前述の特有の非印刷領域NA0等を有する特殊テープTsに対して、その非印刷領域NA0等に適合した印刷画像GS0等の印刷が可能になっていて、熱による撓みやインクの滲み等を防止できる(図9〜図13等の例についても同じ)。
すなわち、テープ印刷装置1(1B)では、前述のテープ識別センサ141によって、テープ幅を含むテープTの種別を検出できるので、その検出結果をデータサーバDSにインタフェースIFを介して報告する。これに対し、データサーバDSでは、マスク画像(データ)MS0等を予め用意(記憶)しておいて、基礎画像(データ)G00等との論理積演算により印刷画像(データ)GS0等を作成して、テープ印刷装置1に供給する。
そして、この場合、上述の報告の情報の形態は、装着されたテープTの種類(より具体的にはテープカートリッジCの種類)に基づいてテープ印刷装置1において特殊テープTsか否かまで分析(判別)してから報告しても良いし、テープTやテープカートリッジCの種類の情報のまま報告し、データサーバDS側で分析しても良い。また、報告のタイミングは、テープ印刷装置1において新たなテープカートリッジCを装着する毎に報告し、データサーバDS側でその情報を保持しておいても良いし、データサーバDS側で必要になった時点でテープ印刷装置1に対して要求し、その時点で報告するようにしても良い。
上述のように、本実施形態の印刷システムSYSでは、テープ印刷装置1において特殊テープTsが装着されたことを検出してデータサーバ(供給装置)DSに報告でき、データサーバDSでは、特殊テープTsの装着が報告されたときに、基礎画像(データ)G00等のうちの非印刷領域(画像データ)NA0等をマスクして、変形画像(データ)を作成し、それを印刷画像(データ)GS0等としてテープ印刷装置1に供給し、テープ印刷装置1では、その印刷画像(データに基づく印刷画像)GS0等を印刷できるので、全てのテープTに共通する以外の特有の非印刷領域NA0等を有する特殊テープTsに対して、その非印刷領域NA0等に適合した印刷画像GS0等の印刷ができる。
なお、本実施形態の印刷システムSYSにおいても、仕様上、マスク画像(データ)MS0の仕様情報のみを記憶しておいて、特殊テープTsを検出した時点でマスク画像(データ)MS0を作成することもできる。また、データサーバDS側からは元の印刷画像である基礎画像(データ)G00等をそのままテープ印刷装置1に対して供給し、テープ印刷装置1側において、マスク画像(データ)MS0等を用意し、供給された基礎画像(データ)G00等との論理積演算により、印刷画像(データ)GS0等を作成・印刷することもできる。
また、基礎画像(データ)G00等を作成するための画像作成用データ(テキストデータや要素画像データ等)を、そのまま、データサーバDSからインタフェースIFを介してテープ印刷装置1に送信し、テープ印刷装置1側で基礎画像(データ)G00等の作成〜印刷画像(データ)GS0等の作成〜ラベル作成を実行するように、規定しても良い。また、上述の画像作成用データの形態で送信するか、基礎画像(データ)G00等の形態で送信するか、印刷画像GS0等の形態で送信するか、などを選択できるようにしても良い。
また、前述(第1実施形態)のスタンドアロンのテープ印刷装置1(1A)と同様に、例えば非印刷領域NA7(=NA3:図14参照)に画像の一部が重ならない(すなわち画像が欠けない)ように、基礎画像(データ)G60(図12参照)に対する縮小等の変形が可能な場合には、その種の変形を行う仕様としても良い。また、同様に、例えば、論理積演算等によって基礎画像G60(図12参照)から印刷画像GS6(図13参照)を作成するのでなく、基礎画像(データ)G60と非印刷領域NA6(=NA3)の情報等に基づいて、印刷ヘッド7を制御して、印刷結果として印刷画像GS6を得ることもできる(図15参照)。
また、同様に、特定の特殊テープTsばかりでなく、特有の非印刷領域を有するテープTの種類が複数(多数)ある場合、装着されたテープTの種類を検出・報告して、その種類に応じた印刷画像(データ)を作成・印刷することもでき、これにより、非印刷領域が異なる複数種類の各テープに対して(すなわち特有の非印刷領域を有する特殊テープに対しても)、それぞれの非印刷領域に適合した印刷画像の印刷ができる。
また、上述の例では、データサーバDSに基礎画像(データ)G00等やマスク画像(データ)MS0等を用意(記憶)するものとしたが、この場合、データサーバDSにおいて、その基礎画像(データ)G00等やマスク画像(データ)MS0等を作成しても良いし、図17に示すように、外部からコンパクトディスク(CD、CD−ROM)501等により既に作成済みの基礎画像(データ)G00等やマスク画像(データ)MS0等として供給することもでき、この場合、CD−ROM501を入れ替えるだけで種々の基礎画像(データ)G00等やマスク画像(データ)MS0等を用意でき、あるいは目的等に合わせて変更できる。
また、各種処理を行うための制御プログラム(処理プログラム:専用のアプリケーションプログラム)についても、データサーバDS内に元から準備(記憶)しておいても良いし、基礎画像(データ)G00等やマスク画像(データ)MS0等を含むファイル等とともにあるいは単独でCD−ROM501内に記憶しておき、それを(ダウンロード等してから)起動できるようにしても良い。また、この場合、一般的なオペレーションシステム(OS)で実行可能なアプリケーションにしておけば、そのOSを有するパソコン等にCD−ROM501を装着するだけで、利用できる。
なお、上述の例では、CD−ROMを例に挙げたが、FD、MO、DVD等、その他の記憶媒体を利用しても良い。また、図17の構成でなく、図16のようにネットワークNWを利用する場合には、そのネットワークNWを介してあるいはテープ印刷装置1の直接接続の装置(供給装置:図示の例ではPC1またはTA)を介して、そのネットワークNWに接続された各種の他の装置(図示の例ではWS2やWS3等)から各種ファイルや各種プログラムを受信できるので、各種の装置から受信するだけで、新たな各種の基礎画像(データ)G00等やマスク画像(データ)MS0等を含むファイルやプログラムを記憶(用意)したり、変更したりすることができる。また、これらの場合、データサーバDS側のプログラムには、その一部をテープ印刷装置1側にダウンロードして利用可能なテープ印刷装置1側のプログラムを含ませることもできる。
また、上述の(第2)実施形態では、キーボード3やディスプレイ4等を有する操作部11を備えたテープ印刷装置1(1B)を例示したが、全てまたは殆どの動作をデータサーバDSからの指示に従って行うような場合、テープ印刷装置側に操作部11等を要しないので、それらの機能を省略した構成とすることもできる。
例えば第3実施形態の印刷システムSYSとして、上述のテープ印刷装置1B(図17および図18参照)と同様のテープ印刷装置ではあっても、図19および図20に示すテープ印刷装置1(前述のものと区別して、1C)のように、操作部11等を省略した構成を採用することもできる。
そして、上述(第2、第3実施形態)の印刷システムSYSの各種処理方法(印刷画像の作成方法等のデータ処理方法、印刷方法、ラベル作成方法など)は、プログラム処理可能な各種印刷システムによって処理されるプログラムとしても適用でき、その種のプログラムを記憶するための上述の各種の記憶媒体等にも適用でき、この種のプログラムを記憶しておいて、あるいは記憶媒体等から読み出して、あるいはネットワークを介してダウンロード等して、実行することにより、セパレートタイプであっても、非印刷領域が異なる複数種類の各テープに対して(すなわち特有の非印刷領域を有する特殊テープに対しても)、それぞれの非印刷領域に適合した印刷画像の印刷ができる。もちろん、その他、要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
そこで、上述の(第1〜第3)実施形態に対する各種バリエーションを、以下に補足して説明しておく。
最初に、単体(スタンドアロン)のテープ印刷装置1の実施形態(第1実施形態)に対する各種バリエーションを説明する。
まず、前述の各例では、特殊テープTsの装着を検出したり、装着されたテープTの種類を検出したが、すなわちいわば自動検出をしたが、装着されたテープTを見てユーザが手動(マニュアル)で設定できるようにしても良い。
例えば特殊テープTsの装着を設定する場合、設定されたときに、基礎画像(データ)G00等のうちの特殊テープTs特有の非印刷領域(画像データ)NA0等をマスクして、印刷画像(データ)GS0等を作成できるので、非印刷領域NA0等を有する特殊テープTsに対して、その非印刷領域NA0等に適合した印刷画像の印刷ができる。
同様に、それぞれに特有の非印刷領域を有する複数種類のいずれかのテープTを装着し、その種類を設定した場合、設定されたときに、基礎画像(データ)のうちの設定された種類に応じた非印刷領域(画像データ)をマスクして、印刷画像(データ)を作成・印刷できるので、非印刷領域が異なる複数種類の各テープTに対して(すなわち特有の非印刷領域を有する特殊テープTsに対しても)、それぞれの非印刷領域に適合した印刷画像の印刷ができる。
なお、上述の各例における基礎画像(データ)G00等は、図5で前述のテキスト編集画面D10等においてテキストデータの状態で編集され、印刷指示によって画像展開された後、図8で前述のマスク画像(データ)MS0等によってマスクされたが、例えば図9〜図11のマスク画像(データ)MS1〜MS3等のように、非印刷領域NA1〜NA3等が比較的複雑な形状の場合、その形状を画像のイメージで意識しながら、基礎画像(データ)の編集ができると便利である。
このため、非印刷領域等を認識可能な(比較的大きな)サイズの表示画面を確保できる場合、すなわちそのような表示画面を備えたテープ印刷装置1では、イメージ画面上で基礎画像(データ)の編集をできるようにしても良い。
例えば特殊テープTsの装着を検出または設定する場合、特殊テープTsの外形(印刷可能領域)および非印刷領域NA1〜NA3等(以下代表して「非印刷領域NA3等」:図11(b)参照)のイメージを表示画面に表示し、その表示画面のテープTの外形内で印刷画像(例えば図13の印刷画像GS6等)の元になる基礎画像(例えば図12の基礎画像G06等)を編集できるので、特殊テープTsの非印刷領域NA6(=NA3)を意識しながら、印刷画像GS6等の元になる基礎画像G06等を容易に作成できる。
同様に、それぞれに特有の非印刷領域を有する複数種類のいずれかのテープTを装着し、その種類を検出または設定する場合、装着されたテープTの(表示される幅等が種類により異なる)形状および非印刷領域NA3等のイメージを表示画面に表示し、その表示画面のテープTの外形内で印刷画像GS6等の元になる基礎画像G06等を編集できるので、テープTの種類に対応する非印刷領域NA3等を意識しながら、印刷画像GS6等の元になる基礎画像G06等を容易に作成できる。
また、上述のように、比較的大きな表示画面を確保できる場合、イメージ画面上で基礎画像(データ)ばかりでなく(あるいは基礎画像データに代えて)、直接、印刷画像(データ)の編集をできるようにしても良い。
例えば特殊テープTsの装着を検出または設定する場合、特殊テープTsの外形および非印刷領域NA3等のイメージを表示画面に表示し、その表示画面のテープ外形内で且つ印刷領域(非印刷領域を除く領域)ES3等内に収まるように、印刷画像を編集できるので、特殊テープTsの非印刷領域NA3等を意識して、例えば図14で前述のように、その非印刷領域NA7(=NA3)等にはみ出さないように、印刷画像(データ)GS7等を容易に作成・印刷できる。
複数種類のいずれかのテープTを装着してその種類を検出または設定する場合も同様に、テープTの形状および非印刷領域NA3等のイメージを表示画面に表示し、その表示画面のテープTの外形内で且つ印刷領域ES3等内に収まるように、印刷画像を編集できるので、装着された各種のテープTの非印刷領域NA3等を意識して、その非印刷領域NA3等にはみ出さないように、印刷画像(データ)GS7等を容易に作成・印刷できる。
なお、さらに検討すると、上述の各例では、特殊テープTsにしても他のテープTにしても、各テープTの種類と非印刷領域が対応しているものとしたが、テープTの種類と直接的には対応しない非印刷領域を設定できるようにしても良い。この場合、装着するテープTの種類に拘わらずに(テープTの種類とは関連なく)、相互に異なる複数種類の非印刷領域(例えば非印刷領域NA0〜NA3等)を示す非印刷領域情報(マスク画像データMS0〜MS3等あるいは非印刷領域データNA0〜NA3等あるいはこれらの仕様情報の形式でも良い。)を記憶しておく。
この場合、前述同様、印刷画像(データ)GS6等の元になる基礎画像(データ)G60等(図12(c)参照)を記憶しておき、非印刷領域のいずれか(例えばNA3等)を選択するとともに、それに基づいて基礎画像(データ)G60等をマスクして、印刷画像(データ)GS6等を作成・印刷できるので、各種のテープT(すなわち特有の非印刷領域を有する特殊テープTsも含む)に対して、各種の非印刷領域NA0〜NA3等を設定して、それぞれの非印刷領域NA3等に適合した印刷画像GS6等の印刷ができる。
また、この場合も、比較的大きな表示画面を確保できる場合、前述同様に、テープTの種別を検出または設定により決定し、そのテープTの外形および非印刷領域NA6(=NA3)等のイメージを表示画面に表示し、その表示画面のテープTの外形内で、印刷画像(データ)GS6等の元になる基礎画像(データ)G60等を編集できるので、テープTの種類と適用(設定)する非印刷領域NA3等を意識しながら、印刷画像GS6等の元になる基礎画像G06等を容易に作成できる。
また、さらにこの場合も、比較的大きな表示画面を利用して、直接、印刷画像(データ)の編集をできるようにしても良い。すなわち、相互に異なる複数種類の非印刷領域(例えば非印刷領域NA0〜NA3等)を示す非印刷領域情報を記憶しておき、非印刷領域のいずれか(例えばNA3等)を選択するとともに、装着されたテープTの種別を検出または設定により決定し、そのテープTの外形および非印刷領域NA7(=NA3)等のイメージを表示画面に表示し、その表示画面のテープTの外形内で且つ印刷領域(非印刷領域を除く領域)ES3等内に収まるように、印刷画像を編集できるので、テープTの種類と適用(設定)する非印刷領域NA3等を意識して、例えば図14で前述のように、その非印刷領域NA7(=NA3)等にはみ出さないように、印刷画像(データ)GS7等を容易に作成・印刷できる。
そして、もちろん、上述した各種処理方法も、プログラム処理可能な各種のテープ印刷装置によって処理されるプログラムとして適用でき、その種のプログラムを記憶するための各種の記憶媒体にも適用でき、この種のプログラムを記憶しておいて、あるいは記憶媒体等から読み出して、実行することにより、装着した各種のテープ(特殊テープも含む)や設定した各種の非印刷領域に適合した印刷画像の印刷ができる。もちろん、その他、要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
次に、セパレートタイプのテープ印刷装置である印刷システムの実施形態(第2、第3実施形態)に対する各種バリエーションを説明する。
まず、このセパレートタイプの印刷システムSYSの場合も、前述では、特殊テープTsの装着、あるいは装着されたテープTの種類を自動検出としたが、装着されたテープTを見てユーザが手動(マニュアル)で設定できるようにしても良い。ただし、この場合、テープTの種類は、データサーバ(供給装置)DS側で設定することもできるし、テープ印刷装置1(1B、1C:以下略)側で設定することもできる。
データサーバDSにおいて、例えば装着された(はずの)テープTが特殊テープTsであることをキー操作や画面操作等によって設定する場合、前述と同様に、特殊テープTsの非印刷領域NA3等を示す非印刷領域情報に基づいて、基礎画像(データ)G60等をマスクして、変形画像データを作成し、それを印刷画像データとしてテープ印刷装置1に供給し、テープ印刷装置1では、その印刷画像データに基づく印刷画像GS6等を印刷できるので、特有の非印刷領域NA3等を有する特殊テープTsに対して、その非印刷領域NA3等に適合した印刷画像GS6等の印刷ができる。
なお、この場合、設定したテープTの種類は、必ずしもテープ印刷装置1に実際に装着されたテープの種類と合っていなくても良い。例えば設定に適合する種類のテープTを実際にテープ印刷装置1に装着する前に(例えば所望のテープTがその時にすぐに入手できなくても)、設定したテープTの種類に合わせて、データサーバDSにおける各種処理(例えば印刷画像の元になる基礎画像の編集など)を、(例えばテープTの入手までの間に)仮に進めることができる。
また、この場合、テープ印刷装置1では、前述のように、テープ識別センサ141によってテープTの種類を検出して、データサーバDSに対して報告可能なので、データサーバDSでは、特殊テープTsの装着が設定されたときに、検出されたテープTの種類が特殊テープTsであること、すなわち設定結果と検出結果とが一致するか否かを検査でき、一致しないときにはその旨を把握できる。
同様に、テープ印刷装置1において、それぞれに特有の非印刷領域を有する複数種類のいずれかのテープTを装着し、データサーバDSでは、それらのうちの任意の種類を設定する場合、基礎画像(データ)G60等の設定された種類に応じた非印刷領域(画像データ)NA3等をマスクして、変形画像データを印刷画像データとしてテープ印刷装置1に供給して、印刷画像GS6等を印刷できるので、非印刷領域が異なる複数種類の各テープTに対して(すなわち特有の非印刷領域を有する特殊テープTsに対しても)、それぞれの非印刷領域NA3等に適合した印刷画像GS6等の印刷ができる。
そして、この場合も、テープ印刷装置1のテープ識別センサ141によってテープTの種類を検出して報告可能なので、データサーバDSでは、設定結果と検出結果とが一致するか否かを検査でき、一致しないときにはその旨を把握できる。
また、テープ印刷装置1側で、テープTの種別の検出ばかりでなく、(実際に装着されたテープTの種類に拘わらず、)特殊テープTs等の装着(装着されたものとする)を設定できるようにし、それをデータサーバDSに報告できるようにすることもできる。
この場合も、データサーバDSでは、特殊テープTsの非印刷領域NA3等を示す非印刷領域情報に基づいて、基礎画像(データ)G60等のマスク〜変形画像データ作成〜テープ印刷装置1への供給を行い、テープ印刷装置1では、その印刷画像(データ)GS6等を印刷できるので、特有の非印刷領域NA3等を有する特殊テープTsに対して、その非印刷領域NA3等に適合した印刷画像GS6等の印刷ができる。
また、この場合も、前述同様、実際のテープTの種類と異なっても良く、テープTの種類が異なっても、例えば設定に適合する種類のテープTを装着(入手)する前であっても、設定し報告したテープTの種類に合わせて、データサーバDSにおける各種処理を、仮に進めることができる。
同様に、テープ印刷装置1において、それぞれに特有の非印刷領域を有する複数種類のいずれかのテープTの種類を設定し、それをデータサーバDSに報告できるようにしても良い。データサーバDSでは、同様に、基礎画像(データ)G60等のマスク〜テープ印刷装置1への供給を行い、テープ印刷装置1では、その印刷画像(データ)GS6等を印刷できるので、非印刷領域が異なる複数種類の各テープTに対して(すなわち特有の非印刷領域を有する特殊テープTsに対しても)、それぞれの非印刷領域NA3等に適合した印刷画像GS6等の印刷ができる。設定し報告したテープTと実際のテープTの種類が異なる場合についても、上述と同様である。
なお、前述のように、例えば図9〜図11のマスク画像(データ)MS1〜MS3等のように、非印刷領域NA1〜NA3等が比較的複雑な形状の場合、その形状を画像のイメージで意識しながら、基礎画像(データ)の編集ができると便利である。そして、セパレートタイプの印刷システムSYSにおいては、データサーバDSの表示画面としてパソコンPC等の表示画面を利用できるので、前述の単体のテープ印刷装置1(1A)の場合より大きなサイズの表示画面を確保しやすい(図16、図17、図19等参照)。すなわち、そのような表示画面を備えた印刷システムSYSでは、イメージ画面上で基礎画像(データ)の編集等が比較的容易にできる。
例えば特殊テープTsの装着を検出または設定する場合、テープ印刷装置1において、特殊テープTsを装着するが、データサーバDSにおいて、特殊テープTsの外形および非印刷領域NA3等のイメージを表示画面に表示し、その表示画面のテープTの外形内で印刷画像GS6等の元になる基礎画像G06等を編集できるので、特殊テープTsの非印刷領域NA6(=NA3)を意識しながら、印刷画像GS6等の元になる基礎画像G06等を容易に作成できる。
同様に、テープ印刷装置1において、それぞれに特有の非印刷領域を有する複数種類のいずれかのテープTを装着し、その種類を検出または設定する場合、あるいはデータサーバDSにおいてその種類を設定する場合、データサーバDSにおいて、テープTの(表示される幅等が種類により異なる)形状および非印刷領域NA3等のイメージを表示画面に表示し、その表示画面のテープTの外形内で印刷画像GS6等の元になる基礎画像G06等を編集できるので、テープTの種類に対応する非印刷領域NA3等を意識しながら、印刷画像GS6等の元になる基礎画像G06等を容易に作成できる。
また、上述のように、比較的大きな表示画面を確保できる印刷システムSYSでは、イメージ画面上で基礎画像(データ)ばかりでなく(あるいは基礎画像データに代えて)、直接、印刷画像(データ)の編集をできるようにしても良い。
例えば特殊テープTsの装着を検出または設定する場合、データサーバDSにおいて、特殊テープTsの外形および非印刷領域NA3等のイメージを表示画面に表示し、その表示画面のテープ外形内で且つ印刷領域(非印刷領域を除く領域)ES3等内に収まるように、印刷画像の元になる基礎画像を編集して変形画像データとして作成できるので、特殊テープTsの非印刷領域NA3等を意識して、例えば図14で前述の非印刷領域NA7(=NA3)等にはみ出さないように、基礎画像を編集でき、それを印刷画像(データ)GS7等としてテープ印刷装置1に供給して、特殊テープTsの非印刷領域NA7等にはみ出さない印刷画像GS7等を容易に作成・印刷できる。
複数種類のいずれかのテープTを装着してその種類を検出または設定する場合も同様に、データサーバDSにおいて、テープTの形状および非印刷領域NA3等のイメージを表示画面に表示し、その表示画面のテープTの外形内で且つ印刷領域ES3等内に収まるように、印刷画像の元になる基礎画像を編集して変形画像データとして作成できるので、各種のテープTの非印刷領域NA3等を意識して、その非印刷領域NA3等にはみ出さないように、基礎画像を編集でき、印刷画像(データ)GS7等としてテープ印刷装置1に供給して、印刷できる。
また、印刷システムSYSにおいても、テープTの種類と直接的には対応しない非印刷領域を設定できるようにすることもでき、この場合、テープ印刷装置1において装着するテープTの種類に拘わらずに(テープTの種類とは関連なく)、データサーバDS内に、相互に異なる複数種類の非印刷領域(NA0〜NA3等)を示す非印刷領域情報(MS0〜MS3等、NA0〜NA3等またはこれらの仕様情報の形式でも良い。)を記憶しておく。
この場合、前述同様、データサーバDS内に、印刷画像(データ)GS6等の元になる基礎画像(データ)G60等を記憶しておき、非印刷領域のいずれか(例えばNA3等)を選択するとともに、それに基づいて基礎画像(データ)G60等をマスクして、変形画像データを作成し、それを印刷画像データとしてテープ印刷装置1に供給し、テープ印刷装置1では、その印刷画像データに基づく印刷画像を印刷できるので、各種のテープT(すなわち特有の非印刷領域を有する特殊テープTsも含む)に対して、各種の非印刷領域NA0〜NA3等を設定して、それぞれの非印刷領域NA3等に適合した印刷画像GS6等の印刷ができる。
また、この場合も、データサーバDSにおいて、比較的大きな表示画面を確保できるので、選択された非印刷領域NA3等とテープTの外形のイメージを表示画面に表示し、その表示画面のテープ外形内で印刷画像の元になる基礎画像を編集できるので、テープTの種類と適用(設定)する非印刷領域NA3等を意識しながら、印刷画像GS6等の元になる基礎画像G06等を容易に作成できる。
なお、この場合の表示画面に表示するテープTの種類は、テープ印刷装置1において装着されたテープTの種別を検出または設定して報告された種類でも良いし、データサーバDS側で任意に設定した種類でも良い。もちろん、これらの間で一致を検出するようにしても良い。
また、さらにこの場合も、比較的大きな表示画面を利用して、直接、印刷画像(データ)の編集をできるようにしても良い。すなわち、テープ印刷装置1において、テープTの種別を検出または設定して報告し、あるいはデータサーバDS側で任意に設定し、データサーバDSにおいて、相互に異なる複数種類の非印刷領域(NA0〜NA3等)を示す非印刷領域情報を記憶しておき、非印刷領域のいずれか(例えばNA3等)を選択し、テープTの外形および非印刷領域NA3等のイメージを表示画面に表示し、その表示画面のテープTの外形内で且つ印刷領域(非印刷領域を除く領域)ES3等内に収まるように、すなわちテープTの種類と適用する非印刷領域NA3等を意識してはみ出さないように、基礎画像を編集でき、印刷画像(データ)GS7等としてテープ印刷装置1に供給して、印刷できる。
なお、この場合も、表示するテープTの種類は、テープ印刷装置1から検出または設定して報告された種類でも良いし、データサーバDS側で任意に設定した種類でも良い。もちろん、これらの間で一致を検出するようにしても良い。また、基礎画像の編集の時点等では、設定した種類と実装した種類が合わなくても、前述と同様に各種処理を仮に進めることができる。
そして、上述した印刷システムSYSの各種処理方法も、プログラム処理可能な各種印刷システムによって処理されるプログラムとしても適用でき、その種のプログラムを記憶するための上述の各種の記憶媒体等にも適用でき、この種のプログラムを記憶しておいて、あるいは記憶媒体等から読み出して、あるいはネットワークを介してダウンロード等して、実行することにより、セパレートタイプであっても、装着した各種のテープ(特殊テープも含む)や設定した各種の非印刷領域に適合した印刷画像の印刷ができる。もちろん、その他、要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
そこで、以下、スタンドアロンのテープ印刷装置1なのかセパレートタイプの印刷システムSYSなのかに拘わらず適用できる、テープTの種類と印刷領域と非印刷領域との組み合わせのバリエーションを列記(補足)しておく。
まず、上述の各例では、テープ幅TWの中心線上に折り線Scが形成された特殊テープTsに適合するような印刷領域や非印刷領域を例示したが(図6〜図7等参照)、ここで、例えば図21に示すように、リード線やケーブルやその他チューブ状の被貼着物80に貼るラベルLS8を考える。
このラベルLS8の作成に使用されるテープTは、一般的なテープTと同様に、剥離テープTaと基材テープTbとを積層して成り、基材テープTbは、印刷面となる受像層Tcと、その裏面(粘着面)側に設けられた粘着層Tdとで構成されるが、この基材テープTb(=Tc+Td)は、透光性(透明または半透明)を有し、剥離テープTaは非透光性(基材テープTbの色の確認を容易にするため、理想的には白色)を有している。
この場合、図21および図22(a)(b)に示すように(図示二点鎖線は仮想線)、印刷領域ES8を基点として端縁部から被貼着物80に周回するように貼着した際(図21(b)参照)、非印刷領域NA8が印刷領域ES8にオーバーレイするように(図21(c)参照)、印刷領域ES8と非印刷領域NA8とを設定する。
ここで、ラベルLS8を、テープTの幅方向に形成するか(図22(a)参照:(上端)有効印刷長さ(有効印刷幅)EU、(下端)非印刷長さ(非印刷幅、余白幅)DL)、テープTの長手方向に形成するか(図22(c)参照:(前端)有効印刷長さEF、(後端)非印刷長さ(余白長さ)NR)、等については、印刷する内容(キャラクタ列の長さや行数)や、装着されたテープTのテープ幅Twや、定長設定時のラベル長さLW等に合わせて、適宜決定すれば良く、任意に設定できるようにしても良いし、予め定めてテーブル等として記憶しておいて、検出結果や設定結果に基づいて参照しても良い。
例えば、上述の印刷領域ES8と非印刷領域NA8(あるいはこれらから成るマスク画像(データ)MS8)を定めたテープTを、特殊テープTsの一種(Ts3)として用意する場合、装着されたテープTが特殊テープTs3であることを検出し、あるいは特殊テープTs3であることをマニュアルで設定し、その検出結果や設定結果に基づいて、マスク画像MS8等として、上述の印刷領域ES8や非印刷領域NA8が設定される。
なお、この場合、印刷領域ES8に相当する部分にのみ印刷の背景色となる地色を有するなど、他の一般的なテープTにない特徴を有するテープT(本当の意味で特殊テープ)を、特殊テープTs3として用意しても良いし、地色が透明色の(一般的な)テープTを流用して、それを特殊テープTs3として一般のテープTと区別して用意しても良い。また、このため、特殊テープTsの一種として用意することなく、一般的な(任意の)テープTに対して上述のマスク画像MS8(印刷領域ES8+非印刷領域NA8)を適用できる仕様にしておいて、透明のテープTに対して適用することで、同様のことを行うこともできる。
次に、例えば図23(a)に示すように(図示二点鎖線は仮想線)、同一テープT上に点字の形成と対応する文字の印刷が可能なテープ印刷装置1または印刷システムSYSにより、「しまうま」の点字が形成され「しまうま」の文字が印刷されたラベルLS9を作成する場合を考える。この場合、同図(b)に示すように、点字領域を非印刷領域NA9とし、他を印刷領域ES9として設定する。
例えば、マスク画像(データ)MS9(上述の印刷領域ES9+非印刷領域NA9)を定めたテープTを、特殊テープTsの一種(Ts4)として用意する場合、特殊テープTs4を検出し、あるいはマニュアルで設定し、その検出結果や設定結果に基づいて、マスク画像MS9等として、上述の印刷領域ES9や非印刷領域NA9が設定される。この場合、点字を形成可能な任意のテープTを特殊テープTs4として定めることができる。
また、この場合、特殊テープTsの一種として用意することなく、点字形成と印刷が可能な任意のテープTに対して上述のマスク画像MS9(印刷領域ES8+非印刷領域NA8)を適用できる仕様にしておいて、同様のことを行うこともできる。
なお、上述のマスク画像MS8(印刷領域ES8+非印刷領域NA8)やマスク画像MS9(印刷領域ES9+非印刷領域NA9)などを適用する場合においても、各領域等を認識可能な(比較的大きな)サイズの表示画面を確保できる場合、すなわちそのような表示画面を備えたテープ印刷装置1、あるいは印刷システムSYSでは、イメージ画面上で基礎画像(データ)の編集をできるようにしても良い。これらの場合、全体のイメージを視覚的に把握できるので編集等が容易になる。また、この場合、例えば印刷を所望する画像の全部または一部を非印刷領域NA8等に割り付けようとしたときに、警告(エラー表示)等を発するようにしたり、その後の操作案内をするなど、編集操作その他の利便性の向上を図ることもできる。
そして、もちろん、上述した各種処理方法も、プログラム処理可能な各種のテープ印刷装置1や印刷システムSYSによって処理されるプログラムとして適用でき、その種のプログラムを記憶するための各種の記憶媒体にも適用でき、この種のプログラムを記憶しておいて、あるいは記憶媒体等から読み出して、実行することにより、装着した各種のテープ(特殊テープも含む)や設定した各種の非印刷領域に適合した印刷画像の印刷ができる。もちろん、その他、要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。