JP4882107B2 - 伸縮性布地 - Google Patents

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本発明は、補正機能や運動補助機能に優れた伸縮性布帛およびその製造方法、さらにその用途に関する。
熱可塑性合成繊維と弾性繊維からなる伸縮性編地はアンダーウェアとして広く使用されている。その中で、ナイロン系合成繊維と太デニールの弾性繊維からなるラッセル編地は、ショーツ、ガードル、ブラジャー、コルセットなどのアンダーウェアに好適に使用されている。また、たとえばナイロン系繊維と細デニールの弾性繊維からなるトリコット編地が運動機能性を補助するスポーツ用アンダーウェアとして使用されている。
これらのアンダーウェアには、補正機能性や運動機能性を高める目的で、伸縮度の異なる布を縫い繋ぐ方法(登録実用新案第3123552号公報、特開平11−140709号公報、特開2000−336501号公報)、あるいは部分的に布地を2枚縫い合わせる方法(特開2000−96309号公報、特開2004−156199号公報)、あるいはコンピュータージャカード編機を用いて柄状に組織を変換して伸縮性を変える方法(特開2000−303209号公報)、あるいは部分的にラバープリントを施工する方法等により部分的に(スポット的に)伸長回復応力を高めているものがある。その目的は、着用時の緊縛力を増強することで、体のたるみを抑制するなどの体型補正機能や、或いは筋肉の特定部分を緊縛して末梢血流を良化させるなどして運動機能性を高めることである。
しかし、部分的に布地を2枚縫い合わせる方式では、その部分が肌に触ったときに違和感があり、また縫い合わせのステッチ跡が外観を損なうという欠点もある。さらに、縫いのステッチが布地の伸縮性の連続性を遮断することから期待したほどには伸長回復応力を増強することにはならないといった欠点もある。
また、部分的にラバープリントを施工する方式でも、肌に触ったときの異物感覚は防ぎ難く、外観も好ましいものではないと言った欠点が避けられない。コンピュータージャカード編機を用いて柄状に組織を変換するものは高価なものとなる。
登録実用新案第3123552号公報 特開平11−140709号公報 特開2000−336501号公報 特開2000−96309号公報 特開2004−156199号公報 特開2000−303209号公報
本発明の目的は、これらの従来方式の欠点を克服して、肌触りと外観を損なうことなく、伸縮性布帛に部分的に伸長回復応力の増強された箇所を形成した布帛を、ひいては体型補正機能性や運動機能性を向上させるための衣服、特にアンダーウェアを安価に提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、比較的融点の低い合成繊維と弾性繊維からなる布地に、部分的に熱カレンダーを特定の条件で行うことにより、該低融点繊維に膠着または擬膠着を生じせしめ、弾性繊維の伸縮性を抑制することができ、それによって伸長回復応力(本発明においてこの言葉が意味するところは、伸長時の応力及び回復時の応力である)が増大することを知った。そしてこの方法によれば、布地の外観と風合いに大きな変化をもたらすことがないので、そのように処理した布からなる衣服を着用した場合に格別の違和感がないことを認めた。
具体的には本発明は、融点が160℃〜200℃の熱可塑性樹脂で表面を覆われている合成繊維と弾性繊維から主として構成されている伸縮性布地であって、その表面に、該熱可塑性樹脂が熱圧着により繊維間に膠着または擬膠着を生じている部分がスポット的に存在している伸縮性布地である。
更に本発明は、融点が160℃〜200℃の熱可塑性樹脂で表面を覆われている合成繊維と弾性繊維から主として構成されている伸縮性編地に、部分的に加圧熱カレンダー処理を、温度170℃〜200℃の範囲で、時間10秒〜200秒間、圧力0.1MPa〜10MPaの条件で施す伸縮性布地の処理方法である。
さらに本発明において、該熱可塑性樹脂として、エチレンビニルアルコール系共重合体がとりわけ好ましいこと及び本発明の布地はアンダーウェアに好適であることを見出した。
そして、本発明において、該熱カレンダー処理を施した部分の伸長回復応力が、周辺の未処理部分のそれよりも、後述する所定の試験方法で2.0倍〜3.5倍に増加していることが、補正機能を有するアンダーウェアとして好ましいことも見出した。
本発明によれば、熱処理部分(カレンダー処理部分)が周囲とは著しく増強された伸長回復応力を有することになるので、該熱処理をアンダーウェアの特定の部分に実施すれば、身体の特定部分の体型を補正する機能が現出する。あるいは、特定部分の筋肉を緊縛することで末梢血流を促進させてうっ血を解消させるなどの効果が得られる。
図1および図2は、ショーツの場合の好適例を示すための図である。斜線部分が前身頃である。図1が熱処理(熱カレンダー処理)前を表す。図2の長方形の塗りつぶした2本の部分が本発明の熱処理を施した部分である。図3および図4はインナータイツである。図3は熱処理前を表す。図4の膝付近の4つの長方形が本発明の熱処理を施した部分である。
本発明において、熱カレンダー処理は、後述する相当の圧力と温度で布地を特定の時間処理することにより行われる。具体的には、過熱された金具を圧力を掛けて生地に押し付ける処理であり、金具は意図する効果によって形状は様々である。布地は別の金具、金属板あるいはフェルト、皮革、繊維シートなどの上に置かれ、布地の上から加熱された金具で加圧処理をおこなうが、金具、金属板の場合は適宜加熱して使用することで本カレンダー処理の効率を高めることができる。また布地をバキュームして空気を追い出すことでカレンダー効果を高めることもできる。本発明においてスポット的にカレンダー処理するのが好ましいが、個々のスポットの大きさとしては1〜100cmの範囲が好ましい。
カレンダー処理条件としては、温度170℃〜200℃の範囲で時間10秒〜200秒間、圧力0.1MPa〜10MPaの条件が用いられる。温度が170℃未満の場合には、膠着効果が微弱となり、また200℃を超える場合には布地が硬化し過ぎることとなり、いずれも好ましくない。本発明においては、融点が160℃〜200℃の熱可塑性樹脂で表面を覆われている合成繊維が用いられるが、カレンダー処理温度はこの融点より5℃低い温度〜融点から30℃高い温度の範囲を採用するのが好ましい。処理時間に関しては、10秒未満の場合には、膠着効果が微弱となり、また200秒を超える場合には布地の過度の硬化や黄変となり、いずれも好ましくない。さらに、圧力が0.1MPa未満の場合には膠着効果が微弱となり、また10MPaを超える場合には生地の硬化が過度となり、ともに好ましくない。
より好ましくは、処理温度が175℃〜200℃の範囲でかつ処理時間が160秒以下である。
なお、処理時間と処理圧力に関しては処理温度を考慮して決定するのが好ましく、すなわち処理温度が融点よりかなり低い場合には、処理圧力を高めかつ処理時間を長く取るのが好ましい。処理時間と処理温度および処理圧力に関しては、条件を上記範囲から適当に選択して、予備実験を行うことにより簡単に設定することができる。
カレンダー処理装置の金具の材質は、鉄、アルミ、銅、真鍮、其の他の金属或いは合金等のいずれであってもよく、特に限定されない。加熱方法は、電気加熱、熱媒による加熱、高周波加熱、電磁誘導加熱などの手法のいずれであってもよく、特に限定されない。金具の表面は平滑なものでもよいし、また柄を彫刻されたものであっても良く、例えば非常に細かいメッシュ目、斜線目、梨地などであってよい。
本発明に使用する熱可塑性繊維としては、その表面が融点160℃〜200℃の熱可塑性樹脂で覆われているものが用いられ、特にエチレン−ビニルアルコール系共重合体で覆われている繊維がもっとも好適であるが、そのほかにポリエステル系樹脂やナイロン系樹脂等で、かつ融点が160℃〜200℃である樹脂により表面が覆われている繊維であっても使用できる。例えば、ポリブチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート等の繊維形成性ポリエステル系樹脂が挙げられる。また、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンは染色が困難であるが、染色加工が不要な用途であれば有効に使用できる。
もちろん、本発明において用いられる合成繊維は、表面が融点160℃〜200℃である樹脂により覆われている繊維であり、このような繊維として、そのような樹脂からなる単独紡糸繊維、あるいはそのような樹脂を一成分(表面層)とする複合紡糸繊維、混合紡糸繊維などでもよい。すなわち、繊維の表面の少なくとも一部が融点160℃〜200℃である樹脂により覆われている繊維であればよい。もちろん、複合繊維や混合紡糸繊維などの場合には、融点が160℃〜200℃の熱可塑性樹脂と併用される他の樹脂としては、併用される融点160℃〜200℃の熱可塑性樹脂よりも高い融点を有する繊維形成性の樹脂が好ましい。
本発明において、融点160℃〜200℃である樹脂により覆われている繊維であることが必要であるが、表面を被う樹脂が160℃より低い融点を有するもののみからなる場合には、布地を製造する工程で硬化が生じるので本発明の工程には全く適さないものとなり、また200℃より高い融点を有するもののみからなる場合には、現実的な方法(温度、圧力)での微膠着の発生は困難なものとなり、ともに本願発明の目的を達成できない。
本発明において好適に用いられる合成繊維である、エチレン−ビニルアルコール系共重合体で表面が覆われている繊維としては、繊維断面が芯鞘構造であって、芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部がエチレンの共重合割合が25〜70モル%であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる繊維であって、エチレンビニルアルコール系共重合体の比率が50重量%以上90重量%以下である繊維が挙げられる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体で表面が覆われている繊維の断面形状に制約はなく、円形、楕円形、三角形、四角形、多角形、星型などであってよく、特に制約はない。この繊維が長繊維の場合、トータル繊度(マルチフィラメント繊度)は30〜200dtex、フィラメント数は8〜100本が好ましい。代表的には、商標「ソフィスタ」で株式会社クラレから販売されている165T−48f、84T−24f、56T−24f等のマルチフィラメント糸である。
エチレンビニルアルコール系共重合体は、本来、耐湿熱性が低いので、沸騰水中では融解してしまう。そのため、本発明で使用するエチレンビニルアルコール系共重合繊維には耐熱処理が施されているのが好ましい。そのため、エチレン−ビニルアルコール系共重合繊維には、糸の段階で、あるいは生地の段階で、例えばアセタール化などによって水酸基を封鎖して耐熱性を付与しておくのが好ましい。
本発明に使用する熱可塑性繊維(すなわち融点160℃〜200℃である熱可塑性樹脂により覆われている合成繊維)は短繊維でも良いが、長繊維であることが好ましい。その理由は、長繊維から構成されている布地が熱処理効果が出易いからである。しかしながら一部に短繊維紡績糸を含んでいても構わない。
本発明に使用する熱可塑性繊維の糸の太さは特に限定されないが、10〜500dtexの範囲が好ましい。ヤーンを構成する単繊維の太さは、特に限定はないが0.1〜10.0dtexの範囲が好ましい。
本発明に使用する熱可塑性繊維が長繊維の場合は、生糸(すなわち充分に延伸された糸であって捲縮処理などを行っていないもの)であってもよいが、捲縮やふくらみを付与した仮撚加工糸やエア加工糸などであってもよい。
本発明において、綿などの天然繊維やレーヨン、キュプラなどの再生繊維、融点160℃〜200℃である樹脂により全く覆われていない合成繊維を一部含む布地であっても適用できる。ただし布が熱セットされることを著しく妨げるほど多量に使用されるべきではない。概してこれらの繊維の使用率は40重量%以下、好ましくは25重量%以下に抑制するのが好ましい。
本発明で用いられる弾性繊維としては、家庭用品品質表示法により、ポリウレタンと表示されるポリウレタン系繊維、ポリエーテルエステル系繊維等が挙げられ,同時に米国繊維製品表示法に規定されているSpandex(スパンデックス)とLastol(ラストール:電子線架橋されたポリエチレン繊維)を含む。具体的には、オペロン、ロイカ、ライクラ、ドラスタン、エスパ、モビロン、フジボウスパンデックス、レクセ、ルーベル、ノバック、スパンテル、XLAなどの商品名で販売されている弾性繊維が挙げられる。
弾性繊維はマルチフィラメント糸としてあるいはモノフィラメント糸として用いられる。マルチフィラメント糸の総繊度としては、22〜300dtexが好ましく、マルチフィラメントを構成するフィラメント数としては2〜10本が好適である。また、必要に応じて幾つかの繊度の弾性繊維を組み合わせて使用することが出来る。そして、弾性繊維は、熱処理により、繊維が擬膠着あるいは繊維間膠着を生じる程度の融点または軟化点を有しているのであってもよい。
本発明の伸縮性布地を構成する弾性繊維は、単独で使用されていることが最も好ましいが、弾性繊維の外側に他の繊維をカバリングした複合糸であってもよい。布地の製造方式は、トリコット、ラッシェル、丸編、横編、織物のいずれであってもよい。
また、本発明の伸縮性布地において、融点が160℃〜200℃の熱可塑性樹脂で表面を覆われている合成繊維と弾性繊維の重量比としては90:10〜60:40の範囲が部分膠着が伸長回復応力に最大の影響を及ぼす点で好ましい。
また、本発明によれば、同一の布の一部に伸長回復応力の増強された部分を、外観を大きく損なうことなく形成できるので、従来の2枚の生地を縫い合わせることで外観が損なわれることや、ラバープリントによる風合い上の違和感の発生などが生じにくいといったデザイン上のメリットがある。
更に本発明によれば、熱処理における温度、時間、圧力を適宜変更することによって伸長回復応力の増加量を選択できるので、身体部位に応じて最適な緊縛力の増強を実現することができる。従来の2枚の布を縫い合わせる方法では、伸長回復応力を2倍に増強するのみで、増強率をコントロールすることは困難であったので、ある部分では必要以上に緊縛することこともあった。このような問題点が本発明により解消される。
なお、本発明でいう伸長回復応力とは、以下の方法により測定される応力を意味する。
伸縮性布地を幅2.5cm長さ30cmでサンプルをカットし、インストロンにて掴み間隔20cmで伸度50%まで定速伸長し、回復させる。回復途上の伸度30%における応力(gf)を伸長回復応力とする。
本発明の伸縮性布地は、ブラジャー、ガードル、ショーツなどの婦人下着、長靴下、長手袋、膝サポーター、肘サポーター、腰部保護サポーター、保護手袋、スポーツアンダーシャツ、スポーツアンダーパンツ、スポーツアンダーロングパンツ、スポーツアンダー腰部保護帯などに使用することができる。また水泳帽子のずり落ち防止にも効果的である。さらには寝装品や椅子のカバー類に使用することもできる。その場合は、ずり落ちがなくしっかりと装着が得られる。
以下実施例により本発明を説明する。
実施例1
28ゲージのラッセル編み機を用いて、サテンを製造した。使用した糸は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を鞘成分、ポリエチレンテレフタレートを芯成分とする芯鞘複合繊維として株式会社クラレ製の「ソフィスタ」56T−24fの紡糸延伸マルチフィラメント糸を71重量%、弾性繊維[東レデユポン社製の「オペロンT−127」78dtex]を29重量%とした。編まれたサテン地は80℃の熱水でリラックス後、100℃の熱風で乾燥後、150℃で乾熱セットを施し、しかる後液流染色機内で「ソフィスタ」に耐熱処理加工を施した。すなわち、浴比1:10の熱水90℃にマレイン酸1g/L,架橋剤:商品名メイスターTM21(明成化学社製)を「ソフィスタ」の重量の12%含む浴で40分処理し、アセタール化した。
その後、湯洗いと水洗を2回づつ繰り返したあと、浴比1:15の130℃の熱水中で20分間、分散染料を用いて淡いピンク色に染色した。染色後120℃で熱風乾燥し、最後にシリコン系の柔軟剤をパッドキュアー方式で付与して乾燥後、180℃で仕上セットをおこなった。ウェール密度54w/2.54cm,コース密度94C/2.54cmであった。なお、鞘成分のエチレン−ビニルアルコール共重合体の融点は172℃である。これをラッセルサテン1とする。
28ゲージのラッセル編機を用いて、変形サテンを製造した。使用した糸はエチレン−ビニルアルコール共重合体を鞘成分、ポリエチレンテレフタレートを芯成分とする芯鞘複合繊維として株式会社クラレ製の「ソフィスタ」56T−24fの仮撚加工マルチフィラメント糸を予め耐熱処理した糸(66%)と、弾性繊維として旭化成社製の「ロイカSC」の155dtex(34%)を使用した。編まれたサテン地は90℃の熱水でリラックス後、120℃の熱風で乾燥後、180℃で乾熱セットを施し、130℃の熱水中で分散染料を用いて淡いピンク色に染色した。染色後120℃で熱風乾燥し、最後にシリコン系の柔軟剤をパッドキュアー方式で付与して乾燥後、180℃で仕上セットをおこなった。ウェール密度44w/2.54cm,コース密度68C/2.54cmであった。なお、鞘成分のエチレン−ビニルアルコール共重合体の融点は171.5℃である。これをラッセルサテン2とする。
28ゲージのトリコット編み機を用いて、ストレッチ編み地を製造した。使用した糸はエチレン−ビニルアルコール共重合体を鞘成分、ポリエチレンテレフタレートを芯成分とする芯鞘複合繊維として株式会社クラレ製の「ソフィスタ」84T−24fの仮撚加工糸を予め耐熱処理した糸(80%)と、弾性繊維として東レデュポン社製の「オペロンT−153C」44dtex(20%)を使用した。編まれた編み地は90℃の熱水でリラックス後、120℃の熱風で乾燥後、180℃で乾熱セットを施し、130℃の熱水中で分散染料を用いて淡いグレイ色に染色した。染色後120℃で熱風乾燥し、最後にシリコン系の柔軟剤をパッドキュアー方式で付与して乾燥後、180℃で仕上セットをおこなった。なお、鞘成分のエチレン−ビニルアルコール共重合体の融点は173.2℃である。これをツーウェイトリコット3とする。
[使用した熱カレンダー金具と熱処理方法]
縦30cm、緯25cm、厚さ5cmのヒーター内臓の金属板を上コテとし、タテヨコ60cm厚さ10cmのヒーター内蔵金属板を下コテとして、下コテの上にタテヨコ50cmストレッチ編みを置き、170℃から200℃に任意に上下のコテを同様に加熱して、上コテを押し圧0.1MPa〜10MPaで任意に選んだ圧力で、1秒〜200秒間処理した。
ラッセルサテン1に押し圧0.5MPa、温度170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、時間10秒、30秒、60秒、90秒、120秒、160秒、200秒、240秒で熱処理を施した。
熱処理前後の、布の縦方向の伸長回復応力を測定した結果を表1に示す。熱処理条件によっては布が肥厚化して硬くなり過ぎたものもあったので、表には同時に風合い変化の結果を、硬くなり過ぎたものについては「硬化」と記した。
風合い硬化を除外すれば、未処理の伸長回復応力の2倍を超える応力の増加が得られる加熱条件は、180℃で60秒以上、190℃で10秒以上、200℃で10秒であり、2.5倍を超える応力の増加が得られる加熱条件は、200℃で30秒以上160秒未満である。温度が210℃の場合は風合いが硬化した。一方で、温度が170℃においては応力増加が小さい。カレンダー処理した部分の繊維の状態を観察したところ、繊維が膠着または擬似膠着して、弾性繊維の伸縮性を拘束していること、そして膠着または擬似膠着の程度が大きいほど伸長回復応力増加が大きいことが分かった。
ラッセルサテン2に押し圧0.6MPa、温度170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、時間10秒、30秒、60秒、90秒、120秒、160秒、200秒、240秒で熱処理を施した。
熱処理前後の、布の縦方向の伸長回復応力を測定した結果を表2に示す。熱処理条件によっては布が肥厚化して硬く成り過ぎたものもあったので、表には同時に風合い変化の結果を、硬く成り過ぎたもの使用については「硬化」と記した。
風合い硬化を除外すれば、未処理の伸長回復応力の2倍を超える応力の増加が得られる加熱条件は、180℃で60秒以上、190℃で30秒、200℃で10秒であり、2.5倍を超える応力の増加が得られる加熱条件は、190℃で60秒以上、200℃で30秒以上200秒未満、210℃で30秒以上120秒未満である。温度が170℃においては応力増加が小さい。カレンダー処理した部分の繊維の状態を観察したところ、繊維が膠着または擬似膠着して、弾性繊維の伸縮性を拘束していること、そして膠着または擬似膠着の程度が大きいほど伸長回復応力増加が大きいことが分かった。
ツーウェイトリコット3に押し圧1.0MPa、温度170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、時間10秒、30秒、60秒、90秒、120秒、160秒、200秒、240秒で熱処理を施した。
熱処理前後の、布の縦方向の伸長回復応力を測定した結果を表3に示す。熱処理条件によっては布が肥厚化して硬く成り過ぎたものもあったので、表には同時に風合い変化の結果を、硬くなり過ぎたもの使用については「硬化」と記した。
風合い硬化を除外すれば、未処理の伸長回復応力の2倍を超える応力の増加が得られる加熱条件は、180℃で30秒以上、190℃以上で10秒以上、2.5倍を超える応力の増加が得られる加熱条件は、180℃で60秒以上、190℃で90秒以上、200℃で60秒以上、210℃で30秒以上である。温度が170℃においては応力増加が小さい。カレンダー処理した部分の繊維の状態を観察したところ、繊維が膠着または擬似膠着して、弾性繊維の伸縮性を拘束していること、そして膠着または擬似膠着の程度が大きいほど伸長回復応力増加が大きいことが分かった。
Figure 0004882107
Figure 0004882107
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ラッセルサテン1を用いて、図1のショーツを作製した(比較対象)。一方、縫製する前に、図1の斜線のパーツに、図2で示される長方形で2箇所、熱プレス処理を施した。プレス条件は、圧力0.5MPa,温度185℃、時間は70秒としたのち縫製品とした(実施例)。
比較対象および実施例のショーツを実際に着用したところ、実施例の製品においては、腹部を適度に押えてスッキリとした着心地が得られた。実施例の縫製品においては長方形の部分が、外観的に僅かに周囲に較べて光沢を有する程度であって、違和感はなかった。また、肌に接する感触も、実施例においてガサツキなどの不快な触感はなかった。
ツーウェイトリコット3を用いて図3に示すようなスパッツを縫製した(比較対象)。一方で、縫製前に後身ごろに図4で示すような長方形4個の形で熱プレス処理を実施した。プレス条件は、圧力0.7MPa,温度180℃、時間は60秒としたのち縫製品とした(実施例)。
比較対象および実施例のスパッツを実際に着用したところ、実施例の製品においては、太ももを適度に押えてスッキリとした着心地が得られた。
実施例の縫製品においては長方形の部分が、外観的に僅かに周囲に較べて光沢を有する程度であって、違和感はなかった。また、肌に接する感触も、実施例においてガサツキなどの不快な触感はなかった。
本発明のカレンダー処理を行なう前の布地からなるショーツの前身頃の図を示す。 本発明のカレンダー処理を行なった布地からなるショーツの前身頃の図を示す。 本発明のカレンダー処理を行なう前の布地からなるインナータイツの後身頃の図を示す。 本発明のカレンダー処理を行なった布地からなるインナータイツの後身頃の図を示す。

Claims (4)

  1. 融点が160℃〜200℃の熱可塑性樹脂で表面を覆われている合成繊維と弾性繊維から主として構成され、かつトリコット、ラッシェル、丸編、横編、織物から選択される伸縮性布地であって、その表面に、該熱可塑性樹脂が熱圧着により繊維間に膠着または擬膠着を生じている部分がスポット的に存在している伸縮性布地。
  2. 熱可塑性樹脂がエチレンビニルアルコール系共重合体である請求項1記載の伸縮性布地。
  3. 融点が160℃〜200℃の熱可塑性樹脂で表面を覆われている合成繊維と弾性繊維から主として構成され、かつトリコット、ラッシェル、丸編、横編、織物から選択される布地に、部分的に加圧熱カレンダー処理を、温度170℃〜200℃の範囲で、時間10秒〜200秒間、圧力0.1MPa〜10MPaの条件で施す伸縮性布地の処理方法。
  4. 請求項1記載の伸縮性布地からなる補正機能を有するアンダーウェア。
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