JP4881479B2 - 燃料電池セル - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池セルに関する。
従来より、ガス流路が長手方向に沿って内部に形成された板状の多孔質の導電性支持体と、前記導電性支持体における一方の主面側に積層された多孔質の内側電極と、前記内側電極における前記導電性支持体と反対の面側に積層された緻密な固体電解質と、前記固体電解質における前記内側電極と反対の面側に積層された多孔質の外側電極と、前記導電性支持体における他方の主面側に積層された緻密なインターコネクタと、前記導電性支持体における前記長手方向に沿って延びる「外側に凸の曲面形状の」側端部を覆うように形成された緻密な絶縁体と、を備えた燃料電池セルが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
係る燃料電池セルでは、多孔質の導電性支持体が、緻密なインターコネクタ、緻密な固体電解質、及び緻密な絶縁体により取り囲まれ得るので、燃料電池セルの内外間でのガスの遮断が達成され得る。係る燃料電池セルでは、内側電極、固体電解質、及び外側電極が重なり合う部分が発電部となる。例えば、約1000℃の高温下にて、導電性支持体の内部に形成されたガス流路に燃料ガス(水素)を供給し、外部電極に酸素含有ガスを供給することにより、前記発電部にて発電がなされる。
係る燃料電池セルでは、燃料電池セルの形状を扁平状(薄板状)とすることにより、1つの燃料電池セル当たりの発電部の面積を大きくすることができ、この結果、発電量を大きくすることができる。しかしながら、燃料電池セルの形状を扁平状とすると、導電性支持体の側端部の曲面形状の曲率が大きくなり、この側端部を覆う緻密な絶縁体の曲面形状の曲率も大きくなる。これに伴い、絶縁体に作用する応力が大きくなる。この結果、燃料電池セルの製造過程にてなされる焼成工程や燃料電池セルの発電の際、絶縁体にクラックが発生し易いという問題が発生する。
絶縁体にクラックが発生すると、燃料電池セルの内外間でのガスの遮断が達成され得なくなり、燃料電池セルの内外間での酸素分圧差が減少する。この結果、燃料電池セルの発電性能が低下する。従って、絶縁体におけるクラックの発生を抑制することが望まれていたところである。
特許第4002521号明細書
本発明は、導電性支持体の側端部を覆う緻密な絶縁体におけるクラックの発生を抑制し得る燃料電池セルを提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池セルは、ガス流路が長手方向に沿って内部に形成された板状の多孔質の導電性支持体と、前記導電性支持体における一方の主面側に積層された多孔質の内側電極と、前記内側電極における前記導電性支持体と反対の面側に積層された緻密な固体電解質と、前記固体電解質における前記内側電極と反対の面側に積層された多孔質の外側電極と、前記導電性支持体における他方の主面側に積層された緻密なインターコネクタと、前記導電性支持体における前記長手方向に沿って延びる側端部を覆うように形成された緻密な絶縁体とを備えている。
或いは、本発明に係る燃料電池セルは、ガス流路が長手方向に沿って内部に形成された、内側電極を兼ねる板状の多孔質の導電性支持体と、前記導電性支持体における一方の主面側に積層された緻密な固体電解質と、前記固体電解質における前記導電性支持体と反対の面側に積層された多孔質の外側電極と、前記導電性支持体における他方の主面側に積層された緻密なインターコネクタと、前記導電性支持体における前記長手方向に沿って延びる側端部を覆うように形成された緻密な絶縁体とを備えている。
本発明に係る燃料電池セルの特徴は、前記導電性支持体の板厚方向における前記絶縁体の端部に対応する前記絶縁体の厚さをT1とし、前記側端部の側面に対応する前記絶縁体の最大厚さをT2としたとき、5.1≦T2/T1≦300という関係が成立することにある。ここで、前記絶縁体が、前記長手方向と直角の幅方向において外側に突出する曲面形状を呈している場合、前記絶縁体の最大厚さが、前記曲面形状における突出方向の端部に対応する厚さであることが好ましい。
本発明者は、「T2/T1<1、又は、T2/T1>300であると、絶縁体においてクラックが発生し易く、1≦T2/T1≦300であれば、絶縁体においてクラックが発生し難く、5.1≦T2/T1≦300であれば、絶縁体においてクラックが特に発生し難いこと」を見出した。このことについては後述する。従って、上記構成によれば、絶縁体におけるクラックの発生が抑制されて、燃料電池セルの内外間でのガスの遮断が確実に達成され得、燃料電池セルの発電性能の低下を確実に抑制することができる。
本発明に係る燃料電池セルの実施形態を示す斜視図である。 図1に示した実施形態の変形例を示す斜視図である。 図1に示した実施形態の他の変形例を示す斜視図である。
図1に示すように、本発明に係る燃料電池セルの実施形態では、薄板状の多孔質の導電性支持体11の一方の主面に、多孔質の燃料側電極12、緻密な固体電解質13、多孔質の導電性セラミックスからなる酸素側電極14が順次積層されている。また、酸素側電極14と反対側の導電性支持体11の主面には、中間膜15、ランタン−クロム系酸化物材料からなるインターコネクタ16、P型半導体材料からなる集電膜17が順次形成されている。
また、導電性支持体11の内部には、複数のガス流路18が長手方向に沿って形成されている。
この燃料電池セルの実施形態は、幅方向(長手方向と直角の方向)の両側にそれぞれ設けられた側端部B,Bと、側端部B,Bを連結する一対の平坦部A,Aと、から構成されている。一対の平坦部A,Aは平坦であり、ほぼ平行である。平坦部A,Aのうちの一方では、導電性支持体11の一方の主面上に燃料側電極12、固体電解質13、酸素側電極14が順に形成され、平坦部A,Aのうちの他方では、導電性支持体11の他方の主面上に中間膜15、インターコネクタ16、集電膜17が順に形成されている。
導電性支持体11の幅方向の寸法は、10〜100mmであり、厚さ方向の寸法は、0.5〜5mmであることが望ましい。なお、導電性支持体11の形状は、「薄板状」と表現されているが、幅方向の寸法及び厚さ方向の寸法の組み合わせに応じて、「楕円柱状」、或いは、「扁平状」とも表現され得る。
この導電性支持体11は、Y、Lu、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm及びPrから選ばれた1種以上からなる希土類元素酸化物とNi及び/又はNiOとを主成分とする材質から構成されることが望ましい。なお、Niに加えて、FeやCu等が含まれていてもよい。
また、導電性支持体11は、「NiO(酸化ニッケル)又はNi(ニッケル)」と、「絶縁性セラミックス」とを含んで構成される、と記載することもできる。絶縁性セラミックスとしては、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)、Y(イットリア)、MgO(酸化マグネシウム)、又は、「MgAl(マグネシアアルミナスピネル)とMgO(酸化マグネシウム)の混合物」等が使用され得る。導電性支持体11の導電率は、800℃にて、10〜2000S/cmである。
導電性支持体11とインターコネクタ16の間に形成される中間膜15は、Ni及び/又はNiOと希土類元素を含有するZrOを主成分とする材質から構成される。中間膜15中のNi化合物のNi換算量は、全量中35〜80体積%であることが望ましく、更には、50〜70体積%であることがより望ましい。Ni換算量が35体積%以上であることで、Niによる導電パスが増加して、中間膜15の伝導度が向上する。この結果、中間膜15に起因する電圧降下が小さくなる。また、Ni換算量が80体積%以下であることで、導電性支持体11とインターコネクタ16の間の熱膨張係数差を小さくすることができ、両者の界面における亀裂の発生が抑制され得る。
また、電圧降下の減少という観点から、中間膜15の厚さは20μm以下であることが望ましく、更には、10μm以下であることが望ましい。
中希土類元素や重希土類元素の酸化物の熱膨張係数は、固体電解質13における「Yを含有するZrO」の熱膨張係数より小さい。従って、Niとのサーメット材としての導電性支持体11の熱膨張係数を固体電解質13の熱膨張係数に近づけることができる。この結果、固体電解質13のクラックや、固体電解質13の燃料側電極12からの剥離が抑制され得る。更には、熱膨張係数が小さい重希土類元素酸化物を用いることで、導電性支持体11中のNiを多くでき、導電性支持体11の電気伝導度を上げることができる。この観点からも、重希土類元素酸化物を用いることが望ましい。
なお、希土類元素酸化物の熱膨張係数の総和が固体電解質13の熱膨張係数未満であれば、軽希土類元素のLa、Ce、Pr、Ndの酸化物は、中希土類元素、重希土類元素に加えて含有されていても問題はない。
また、精製途中の安価な複数の希土類元素を含む複合希土類元素酸化物を用いることにより、原料コストを大幅に下げることができる。この場合も、複合希土類元素酸化物の熱膨張係数が固体電解質13の熱膨張係数未満であることが望ましい。
また、インターコネクタ16表面にP型半導体、例えば、遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる集電膜17を設けることが望ましい。インターコネクタ16表面に直接金属の集電部材を配して集電すると、非オーム接触に起因して、電位降下が大きくなる。オーム接触を確保して電位降下を少なくするためには、インターコネクタ16にP型半導体からなる集電膜17を接続する必要がある。P型半導体としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物を用いることが望ましい。遷移金属ペロブスカイト型酸化物としては、ランタン−マンガン系酸化物、ランタン−鉄系酸化物、ランタン−コバルト系酸化物、又は、それらの複合酸化物の少なくとも一種を用いることが望ましい。
導電性支持体11の主面に設けられた燃料側電極12は、Niと希土類元素が固溶したZrOとから構成される。この燃料側電極12の厚さは1〜30μmであることが望ましい。燃料側電極12の厚さが1μm以上であることで、燃料側電極12としての3層界面が十分に形成される。また、燃料側電極12の厚さが30μm以下であることで、固体電解質13との熱膨張差による界面剥離が防止され得る。
この燃料側電極12の主面に設けられた固体電解質13は、イットリア(Y)を含有したイットリア安定化ジルコニアYSZ(緻密体なセラミックス)から構成される。固体電解質13の厚さは、0.5〜100μmであることが望ましい。固体電解質13の厚さが0.5μm以上であることで、ガス透過が防止され得る。また、固体電解質13の厚さが100μm以下であることで、抵抗成分の増加が抑制され得る。
また、酸素側電極14は、遷移金属ペロブスカイト型酸化物のランタン−マンガン系酸化物、ランタン−鉄系酸化物、ランタン−コバルト系酸化物、又は、それらの複合酸化物の少なくとも一種の多孔質の導電性セラミックスから構成されている。酸素側電極14は、800℃程度の中温域での電気伝導性が高いという観点から、(La,Sr)(Fe,Co)O系が望ましい。酸素側電極14の厚さは、集電性という観点から、10〜100μmであることが望ましい。
インターコネクタ16は、導電性支持体11の内外間の燃料ガス、酸素含有ガスの漏出を防止するため緻密体とされている。また、インターコネクタ16の内外面は、燃料ガス、酸素含有ガスとそれぞれ接触するため、耐還元性、耐酸化性を有している。
このインターコネクタ16の厚さは、30〜200μmであることが望ましい。インターコネクタ16の厚さが30μm以上であることで、ガス透過が完全に防止され得、200μm以下であることで、抵抗成分の増加が抑制され得る。
このインターコネクタ16の端部と固体電解質13の端部との間には、シール性を向上すべく、例えば、NiとZrO、或いはYからなる接合層を介在させても良い。
この燃料電池セルの実施形態では、緻密な固体電解質13は、導電性支持体11の一方の主面上のみならず、導電性支持体11の側端部を介して他方の主面上のインターコネクタ16の側端面まで形成されている。即ち、固体電解質13は、両側の側端部B,Bを形成するように、導電性支持体11の他方の主面まで延設され、インターコネクタ16と接合している。なお、側端部B,B(導電性支持体11の側端部)は、発電に伴う加熱や冷却に伴い発生する熱応力を緩和するため、外側に突出する曲面形状となっていることが望ましい。
固体電解質13の一部であって導電性支持体11の側端部を覆うように形成された部分が前記「絶縁体」に対応する。即ち、図1に示す実施形態では、「絶縁体」は、固体電解質13の層のみからなる。図1に示すように、導電性支持体11の板厚方向(図の上下方向)における「絶縁体」の端部(図の上下方向の端部)に対応する「絶縁体」の(層の)厚さをT1とし、導電性支持体11の側端部の側面に対応する「絶縁体」の(層の)最大厚さをT2としたとき、1<T2/T1<300という関係が成立している。この例では、T2は、側端部B,Bの曲面形状における突出方向の端部(図の左右方向の端部)に対応する「絶縁体」の厚さであるが、T2が、側端部B,Bの曲面形状における突出方向の端部以外の部分に対応する「絶縁体」の厚さであってもよい。
具体的には、図1に示す形態では、図の上下方向における「絶縁体」の端部は、固体電解質13の層のみからなっている。従って、T1は、この部分における固体電解質13の層のみの厚さと等しい。また、図の左右方向における「絶縁体」の端部(「絶縁体」の厚さが最大となる部分)も、固体電解質13の層のみからなっている。従って、T2は、この部分における固体電解質13の層のみの厚さと等しい。
T1は、外部から幅方向に沿って燃料電池セルの側面を見たときに見える「絶縁体」の範囲における導電性支持体11の板厚方向の縁部に対応する「絶縁体」の厚さと表現することもできる。T1は、例えば、20〜40μmである。
なお、このような燃料電池セルでは、導電性支持体11の側端部に形成される緻密な「絶縁体」は、固体電解質13のみから形成される必要はない。例えば、図2に示すように、「絶縁体」として、固体電解質13の外面に他の緻密な絶縁体19が形成された積層体が用いられてもよい。また、図示はしないが、固体電解質13の内面に他の緻密な絶縁体が形成された積層体が用いられてもよい。この場合、他の緻密な絶縁体としては、例えば、10Sc1CeZrOのような他の固体電解質であってもよいし、ガラス、ZrOのような固体電解質以外の物質であってもよい。
また、図3に示すように、「燃料側電極12と酸素側電極14とで挟持された部分のみに形成された固体電解質13とは個別に、この固体電解質13に連続して、緻密な絶縁体19が導電性支持体11の側端部に形成されてもよい。即ち、図3に示す実施形態では、「絶縁体」は、絶縁体19の層のみからなる。
図2、又は図3に示す形態においても、図1に示す形態と同様、1<T2/T1<300という関係が成立している。具体的には、図2に示す形態では、図の上下方向における「絶縁体」の端部は、固体電解質13の層のみからなっている。従って、T1は、この部分における固体電解質13の層のみの厚さと等しい。また、図の左右方向における「絶縁体」の端部(「絶縁体」の厚さが最大となる部分)は、固体電解質13と絶縁体19との積層体となっている。従って、T2は、この部分における固体電解質13の厚さと絶縁体19の厚さの和である。
図3に示す形態では、図の上下方向における「絶縁体」の端部は、絶縁体19の層のみからなっている。従って、T1は、この部分における絶縁体19の層のみの厚さと等しい。また、図の左右方向における「絶縁体」の端部(「絶縁体」の厚さが最大となる部分)も、絶縁体19の層のみからなっている。従って、T2は、この部分における絶縁体19の層のみの厚さと等しい。なお、図1〜図3に示す態様では、「絶縁体」が、導電性支持体11の側端部を介して他方の主面上の中間膜15の側端面まで延設された燃料側電極12の上に形成されているが、「絶縁体」が導電性支持体11の側端部の上に直接形成されてもよい。
次に、以上説明したような燃料電池セルの製法について説明する。先ず、La、Ce、Pr、Ndの元素を除く希土類元素酸化物粉末とNi及び/又はNiO粉末が混合される。この混合粉末に、有機バインダーと、溶媒とを混合した導電性支持体材料が押し出し成形されて、板状の導電性支持体成形体が作製される。この成形体が乾燥、脱脂される。
また、希土類元素(Y)が固溶したZrO粉末と有機バインダーと溶媒を混合した固体電解質材料を用いてシート状の固体電解質成形体が作製される。
次に、Ni及び/又はNiO粉末と、希土類元素が固溶したZrO粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合して作製された、燃料側電極12となるスラリーが、前記固体電解質成形体の一方側に塗布される。これにより、固体電解質成形体の一方側の面に燃料側電極成形体が形成される。
次に、導電性支持体成形体に、前記シート状の固体電解質成形体と燃料側電極成形体の積層体が、燃料側電極成形体が導電性支持体成形体に当接するように、導電性支持体成形体に巻き付けられる。
次に、この積層成形体の側端部B,Bを形成する位置の固体電解質成形体上に、上記のシート状の固体電解質成形体が更に数層積層され、乾燥される。また、固体電解質13となるスラリーが固体電解質成形体上にスクリーン印刷されてもよい。なお、このとき脱脂が行われてもよい。
次に、ランタン−クロム系酸化物粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合したインターコネクタ材料を用いて、シート状のインターコネクタ成形体が作製される。
また、Ni及び/又はNiO粉末と、希土類元素が固溶したZrO粉と、有機バインダーと、溶媒を混合したスラリーを用いて、シート状の中間膜成形体が作製される。
次に、インターコネクタ成形体と中間膜成形体とが積層される。この積層体の中間膜成形体側が、露出した導電性支持体成形体側に当接するように、この積層体が導電性支持体成形体に積層される。
これにより、導電性支持体成形体の一方主面に、燃料側電極成形体、固体電解質成形体が順次積層されるとともに、他方主面に中間膜成形体、インターコネクタ成形体が積層された積層成形体が作製される。なお、各成形体は、ドクターブレードによるシート成形、印刷、スラリーディップ、並びにスプレーによる吹き付けなどにより作製され得る。また、各成形体は、これらの組み合わせにより作製され得る。
次に、積層成形体が脱脂処理され、酸素含有雰囲気中で1300〜1600℃で同時焼成される。
次に、P型半導体である遷移金属ペロブスカイト型酸化物粉末と、溶媒を混合して、ペーストが作製される。前記積層体がこのペースト中に浸漬される。そして、固体電解質13、インターコネクタ16の表面に、酸素側電極成形体、集電膜成形体が、それぞれディッピング、或いは直接のスプレー塗布により形成される。これらの成形体が1000〜1300℃で焼き付けられることにより、本発明に係る燃料電池セルが作製される。
なお、この時点では、燃料電池セルでは、酸素含有雰囲気での焼成により、導電性支持体11、燃料側電極12、中間膜15中のNi成分が、NiOとなっている。従って、その後、導電性支持体11側から還元性の燃料ガスが流され、NiOが800〜1000℃で還元処理される。なお、この還元処理は発電時に行われてもよい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、内側電極が酸素側電極であってもよい。また、酸素側電極14と固体電解質13との間に、反応防止層が形成されてもよい。
また、導電性支持体11と内側電極12とが同じ組成で形成されてもよい。この場合、例えば、NiとYを固溶したZrOが用いられてもよい。即ち、導電性支持体11が内側電極12を兼ねてもよい。この場合、内側電極12が省略される。
また、酸素側電極14、集電膜17の成形法についても、種々の方法を用いてもよいことは勿論である。
(T2/T1の好ましい範囲の考察)
次に、導電性支持体11の側端部に形成された「絶縁体」の層の厚さに関し、T2/T1の好ましい範囲について考察するために行われた実験について説明する。先ず、この実験に使用された燃料電池セルの作製について説明する。
先ず、NiO粉末がNi金属換算量で48体積%、Y等の希土類元素酸化物粉末が52体積%となるように、これらの粉末が混合された。この混合物に、ポアー剤と、PVAからなる有機バインダーと、水からなる溶媒とが加えられ、混合された導電性支持体材料が押出成形されて、板状の導電性支持体成形体が作製された。そして、これが乾燥された。
この導電性支持体成形体を用いて、焼成後に長さが200mmとなるように導電性支持体成形体が加工され、乾燥後、1000℃で仮焼された。
次に、YSZ粉末にアクリル系バインダーとトルエンを加え、固体電解質13となるスラリーが作製された。このスラリーを用いて、ドクターブレード法にてシート状の固体電解質成形体が作製された。
次に、NiO粉末をNiOの金属Ni換算量で48体積%、8YSZ粉末(Y2O3を8モル含有するZrO2)を52体積%となるように混合し、アクリル系バインダーとトルエンを加え、燃料側電極12となるスラリーが作製された。このスラリーが前記固体電解質成形体にスクリーン印刷され、固体電解質成形体と燃料側電極成形体の積層体が作製された。
次に、導電性支持体成形体に、「固体電解質成形体と燃料側電極成形体の積層体」が、導電性支持体成形体側に燃料側電極成形体が当接し、且つ、その両端間が平坦部で所定間隔をおいて離間するように、巻き付けられた。そして、これが乾燥された。
次に、固体電解質13となるスラリー、及び/又は絶縁体19となるスラリーが作製され、ドクターブレード法にてシート状の固体電解質成形体、及び/又は絶縁体成形体が作製された。
次に、「導電性支持体成形体に固体電解質成形体と燃料側電極成形体が積層された積層体」の側端部B,Bに、固体電解質成形体、及び/又は絶縁体成形体が積層された。固体電解質成形体、及び/又は絶縁体成形体が、ディッピングにより前記側端部B,Bに形成されてもよい。
次に、LaCrO3系材料と、アクリル樹脂からなる有機バインダーと、トルエンとからなる溶媒とを混合したインターコネクタ材料を用いて、インターコネクタシート状成形体が作製された。
また、Ni及び/又はNiO粉末と希土類元素が固溶したZrO粉と有機バインダーと、溶媒を混合したスラリーを用いて、シート状の中間膜成形体が作製され、先に作製したインターコネクタシート状成形体に積層された。
次に、中間膜成形体とインターコネクタ成形体の積層体が、先に作製された仮焼体である導電性支持体成形体に当接するように積層される。
次に、この積層体が脱バインダー処理され、大気中にて所定温度にて同時焼成された。
次に、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8粉末と、ノルマルパラフィンからなる溶媒とから、酸素側電極スラリーが作製され、このスラリーが、焼成された固体電解質の表面に吹き付けられる。これにより、酸素側電極成形体が形成される。また、上記スラリーが、焼成したインターコネクタ16の外面に塗布され、1150℃で焼き付けられる。これにより、酸素側電極14が形成されるとともに、インターコネクタ16の外面に集電膜17が形成される。これにより、この実験に使用される燃料電池セルが作製された。
なお、導電性支持体11の幅方向の寸法は26mm、厚さ方向の寸法は3.5mm、燃料側電極12の厚さは10μm、固体電解質13における「燃料側電極12と酸素側電極14の間に挟持された部分」の厚さは20〜40μm、酸素側電極14の厚さは50μm、中間膜15の厚さは10μm、インターコネクタ16の厚さは50μm、集電膜17の厚さは50μmであった。
次に、この燃料電池セルの内部に、水素ガスを流し、850℃で、導電性支持体11及び燃料側電極12の還元処理が施された。
得られた燃料電池セルの燃料ガス流路18に燃料ガスを流通させ、燃料電池セルの外側に酸素含有ガスを流通させ、燃料電池セルをガスバーナーを用いて750℃まで加熱して、燃料電池セルを所定時間に亘り稼働させた。
その後、燃料電池セルに対して、「燃料ガス流路18内に還元性の燃料ガスを流通させながら、雰囲気温度を常温から750℃まで60分間で上げた後に750℃から常温まで120分間で下げるパターン」を100回繰り返す熱サイクル試験を行った。そして、導電性支持体11の側端部に形成された「絶縁体」(固体電解質13の一部又は絶縁体19、焼成体)について、クラックの有無が確認された。この確認は目視、及び顕微鏡による観察により行われた。
以上の試験が、導電性支持体11の側端部に形成された「絶縁体」(焼成体)の層の厚さT1,T2の組み合わせが異なる(従って、比率T2/T1が異なる)種々の燃料電池セルに対してそれぞれ行われた。T2/T1の調整は、「導電性支持体成形体に固体電解質成形体と燃料側電極成形体が積層された積層体」の側端部B,Bに積層されるシート状の固体電解質成形体、及び/又は絶縁体成形体の枚数を調整すること、或いは、固体電解質成形体、及び/又は絶縁体成形体が前記側端部B,Bにディッピングにより形成される場合には、ディッピングの実行パターンを調整すること等で行われた。表1は、この「絶縁体」(焼成体)におけるT2/T1と、クラックの有無との関係を示す。なお、各水準について15個のサンプルが作製され、評価された。
Figure 0004881479
表1によれば、「T2/T1<1、又は、T2/T1>300であると、絶縁体においてクラックが発生し易く、1≦T2/T1≦300であれば、絶縁体においてクラックが発生し難いこと」が判明した。これは、1≦T2/T1≦300であれば、絶縁体の端部等における応力集中が緩和されて、絶縁体において過大な応力が局所的に発生しないように応力が分布する構造が得られることに基づく、と推測される。
また、上述と同様の試験が、上記「熱サイクル試験」の条件を絶縁体にクラックがより発生し易い条件に変更して行われた。具体的には、熱サイクル試験の昇温時間が60分から30分へと変更された(その他の条件は同じ)。この場合の結果を表2に示す。
Figure 0004881479
表2によれば、「5.1≦T2/T1≦300であれば、絶縁体において特にクラックが発生し難いこと」が判明した。なお、表1、表2では、支持体の材料がNi−Yの場合の結果が示されているが、支持体の材料がNi−Y以外の材料、例えばNi−YSZの場合も同じ結果が得られることが判明している。
以上、上記実験結果によれば、「絶縁体」においてクラックの発生を抑制するためには、1≦T2/T1≦300であることが好ましく、5.1≦T2/T1≦300であれば特に好ましいことが判明した。これにより、燃料電池セルの内外間でのガスの遮断が確実に達成され得、燃料電池セルの発電性能の低下を確実に抑制することができる。
11…導電性支持体、12…燃料側電極(内側電極)、13…固体電解質、14…酸素側電極(外側電極)、16…インターコネクタ、18…ガス流路、19…絶縁体

Claims (3)

  1. ガス流路が長手方向に沿って内部に形成された板状の多孔質の導電性支持体と、
    前記導電性支持体における一方の主面側に積層された多孔質の内側電極と、
    前記内側電極における前記導電性支持体と反対の面側に積層された緻密な固体電解質と、
    前記固体電解質における前記内側電極と反対の面側に積層された多孔質の外側電極と、
    前記導電性支持体における他方の主面側に積層された緻密なインターコネクタと、
    前記導電性支持体における前記長手方向に沿って延びる側端部を覆うように形成された緻密な絶縁体と、
    を備えた燃料電池セルであって、
    前記導電性支持体の板厚方向における前記絶縁体の端部に対応する前記絶縁体の厚さをT1とし、前記側端部の側面に対応する前記絶縁体の最大厚さをT2としたとき、5.1≦T2/T1≦300という関係が成立する燃料電池セル。
  2. ガス流路が長手方向に沿って内部に形成された、内側電極を兼ねる板状の多孔質の導電性支持体と、
    前記導電性支持体における一方の主面側に積層された緻密な固体電解質と、
    前記固体電解質における前記導電性支持体と反対の面側に積層された多孔質の外側電極と、
    前記導電性支持体における他方の主面側に積層された緻密なインターコネクタと、
    前記導電性支持体における前記長手方向に沿って延びる側端部を覆うように形成された緻密な絶縁体と、
    を備えた燃料電池セルであって、
    前記導電性支持体の板厚方向における前記絶縁体の端部に対応する前記絶縁体の厚さをT1とし、前記側端部の側面に対応する前記絶縁体の最大厚さをT2としたとき、5.1≦T2/T1≦300という関係が成立する燃料電池セル。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の燃料電池セルにおいて、
    前記絶縁体は、前記長手方向と直角の幅方向において外側に突出する曲面形状を呈していて、前記絶縁体の最大厚さは、前記曲面形状における突出方向の端部に対応する厚さである燃料電池セル。
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