JP4879420B2 - 薬剤揮散容器及びインジケーター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は芳香剤、防虫剤等の揮散性薬剤を揮散させるための薬剤揮散容器及び揮散性物質を揮散させるインジケーターに関し、詳しくは、揮散性薬剤の揮散終了の時点(終点)を明確に確認することができる薬剤揮散容器及び揮散性物質の時間経過が明確に分かるインジケーターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の薬剤揮散容器の一例を図17〜図20に示す。すなわち、この薬剤揮散容器51は、各種の成形法によって所定の形状に形成される容器本体52と、容器本体52の開口部を閉塞する蓋部材56とを具えたものであって、容器本体52の内側に形成される空所54内に液状、ゾル状又はゲル状の揮散性薬剤57を収容したものである。
【0003】
この場合、蓋部材56は、薬剤透過性を有する素材、すなわち、気体(空気)を透過させず、揮散性薬剤57を透過させる特性を有する素材から形成され、この蓋部材56を介して空所54内に収納した揮散性薬剤57を徐々に揮散させることにより、揮散性薬剤57の薬効が得られるものである。
【0004】
しかしながら、上記のような構成の薬剤揮散容器51にあっては、容器本体52及び蓋部材56は、気体(空気)を透過させない部材で形成されているため、揮散性薬剤57の揮散に伴って空所54内が減圧され、容器本体52の一部が凹んでしまう。このため、外部から揮散性薬剤57の揮散終了の時点を明確に判断することができず、揮散性薬剤57が空所54内に未だ残っている状態で薬剤揮散容器51を廃棄処分してしまうような無駄が生じることがある。
【0005】
この発明は、前記のような従来のもののもつ問題点を解決したものであって、揮散性薬剤の揮散終了の時点を明確に判断することができて、揮散性薬剤が未だ残っている状態で廃棄処分してしまうような無駄をなくすことができる、薬剤揮散容器を提供することを第1の目的とするものである。また、揮散性物質の時間経過が明確に分かるインジケーターを提供することを第2の目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するためにこの発明による薬剤揮散容器は、容器本体と、該容器本体の開口部を閉塞する蓋部材とを具え、前記容器本体と前記蓋部材との間に形成される空所内に揮散性薬剤を収納し、該揮散性薬剤を前記蓋部材及び/又は前記容器本体を透過させて揮散させる薬剤揮散容器において、前記空所内に揮散性薬剤と共に気体を所定量封入するとともに、前記蓋部材を伸縮可能な素材で形成し、前記揮散性薬剤の揮散による前記空所内の内圧の変化に追従して前記蓋部材を延伸させて前記容器本体の内面方向に接近させ、この蓋部材の変位に追従させて前記気体の前記容器本体に対する接触面積を変化させるように構成し、前記容器本体の空所の内面に微小凹凸を設けて擦りガラス状に形成した。
また、前記揮散性薬剤は、液状、ゾル状又はゲル状である。
さらに、前記揮散性薬剤は、殺虫剤、防かび剤、殺菌剤、芳香剤、消臭剤、忌避剤等である。
【0007】
また、この発明によるインジケーターは、容器本体と、該容器本体の開口部を閉塞する蓋部材とを具え、前記容器本体と前記蓋部材との間に形成される空所内に揮散性物質を収容し、該揮散性物質を前記蓋部材及び/又は前記容器本体を透過させて揮散させるインジケーターにおいて、前記容器本体の空所の内面に微小凹凸を設けて擦りガラス状に形成し、前記空所内に揮散性薬剤と一緒に気体を封入するとともに、前記蓋部材を伸縮可能な素材で形成し、前記揮散性薬剤の揮散による前記空所内の内圧の変化に追従して前記蓋部材を延伸させて前記容器本体の内面方向に接近させ、この蓋部材の変位に追従させて前記気体の前記容器本体に対する接触面積を変化させることにより、時間経過が分かるように構成した。
【0008】
【作用】
この発明による薬剤揮散容器は、前記のような手段を採用したことにより、空所内に収納されている揮散性薬剤が蓋部材及び/又は容器本体を透過して揮散を開始すると、揮散の進行に追従して空所内の内圧が減少する方向に変化し、この内圧の変化に追従して蓋部材が延伸して容器本体の内面方向に接近する。一方、容器本体及び蓋部材は気体(空気)を透過させない部材で形成されているため、容器内部に入れた気体の体積はほとんど変化しないが、蓋部材の変位に追従して気体の容器本体に対する接触面積が変化することになる。従って、気体の容器本体に対する接触面積を目視することにより、揮散性薬剤の揮散終了の時点を明確に判断することができることになる。
【0009】
また、この発明によるインジケーターは、前記のような手段を採用したことにより、空所内に収納されている揮散性物質が蓋部材及び/又は容器本体を透過して揮散を開始すると、揮散の進行に追従して空所内の内圧が減少する方向に変化し、この内圧の変化に追従して蓋部材が延伸して容器本体の内面方向に接近し、この蓋部材の変位に追従して気体の容器本体に対する接触面積が変化することになる。従って、気体の容器本体に対する接触面積を目視することにより、時間経過を明確に判断することができることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示すこの発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4には、この発明による薬剤揮散容器の第1の実施の形態が示されていて、この薬剤揮散容器1は、容器本体2と、容器本体2の開口部を閉塞する蓋部材6とから構成されている。
【0011】
容器本体2は、断面略直角三角形状の膨出部3と、膨出部3の開口周縁部に一体に設けられる外方に環状に張り出る鍔部5とからなるものであって、膨出部3の内面側には断面略直角三角形状の空所4が形成されるようになっている。
【0012】
容器本体2は、気体(空気)を透過させず、揮散性薬剤を透過させる特性を有する素材、又は気体(空気)を透過させず、揮散性薬剤を透過させない特性を有する素材から形成されるものであって、各種の成形法によって上記のような形状に形成されるようになっている。
【0013】
容器本体2の素材として具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、EVA、塩化ビニル、ポリメチルペンテン等が挙げられる。これらの素材は、使用する揮散性薬剤の種類によって透過性又は不透過性を示すものであるから、使用する揮散性薬剤の種類に応じて適宜の素材を選択すれば良いものである。
【0014】
蓋部材6は、シート状をなすものであって、容器本体2の膨出部3の開口部側に密着した状態で設けられるようになっている。この場合、蓋部材6の周縁部は容器本体2の鍔部5側に接着剤、熱融着等の接合手段によって一体に接合され、これにより、容器本体2の膨出部3の開口部が閉塞されて膨出部3の内側に密閉された断面略直角三角形状の空所4が形成されるようになっている。
【0015】
蓋部材6は、透過性を有するとともに、伸縮性を有する素材から形成されている。すなわち、気体(空気)を透過させず、揮散性薬剤を透過させる特性を有するとともに、伸縮性を有する素材から形成されている。蓋部材6の素材として具体的には、ポリエチレン、ポリウレタン、EVA、ポリエステル、EVOH、それらを含む多層エラストマー等が挙げられる。これらの素材は、使用する揮散性薬剤の種類によって透過性又は不透過性を示すものであるから、使用する揮散性薬剤の種類に応じて適宜の素材を選択すれば良いものである。
【0016】
揮散性薬剤7は、液状、ゾル状又はゲル状に形成されるものであって、容器本体2と蓋部材6との間に形成される空所4内に所定量の気体8(空気)と一緒に所定量充填されるようになっている。揮散性薬剤7としては、殺虫剤、防かび剤、殺菌剤、防虫剤、芳香剤、消臭剤、忌避剤等が挙げられるが、これらに限定することなく、他の薬剤であっても良いものである。
【0017】
そして、上記のように構成した薬剤揮散容器1を膨出部3の頂部が水平方向を向くように設置し、蓋部材6の表面を空気に接触させると、空所4内の揮散性薬剤7が蓋部材6を透過し、蓋部材6の表面から揮散を開始する。容器本体2に揮散性薬剤7を透過させる特性を有する素材を使用した場合には、容器本体2の膨出部3の表面からも揮散性薬剤7の揮散が開始する。
【0018】
そして、揮散性薬剤7の揮散が進行すると、揮散性薬剤7の空所4内の容積が徐々に減少し、揮散性薬剤7の容積の減少に追従して空所4の内圧が減少する方向に変化し、空所4の内圧の変化に追従して蓋部材6が延伸して容器本体2の膨出部3の内面方向に接近し、蓋部材6の変位に追従して空所4内の気体8の膨出部3の内面に対する接触面積が変化(増加)する。すなわち、膨出部3の表面側から見た場合の空所4内における気体8の占める割合が次第に多くなる。そして、揮散性薬剤7の揮散が終了したときには、膨出部3の表面側から気体8のみが目視されることになる。
【0019】
したがって、膨出部3における気体8の占める割合を目視することにより、揮散性薬剤7の揮散の進行状態を確認することができるので、揮散性薬剤7の揮散終了の時点を明確に判断することができることになる。この結果、揮散性薬剤7が未だ空所4内に残っている状態で薬剤揮散容器1を廃棄処分してしまうような無駄がなくなるものである。
【0020】
なお、前記容器本体2の膨出部3は、内部が透視可能な透明体又は半透明体が好ましいが、内部を透視できない不透明体であっても、膨出部3の内面に微小凹凸を設けて膨出部3の内面を擦りガラス状に形成することにより、揮散性薬剤7が接触している膨出部3の部分を透視できるものである。この場合、揮散性薬剤7に着色しておくことにより、揮散性薬剤7をより明確に透視できるものである。
【0021】
なお、前記の場合、図示はしないが、蓋部材6の表面に揮散促進シートを設けて揮散面積を増大させ、揮散性薬剤7の揮散を促進させるように構成しても良いものである。揮散促進シートとして具体的には、織布、不織布、紙、スポンジ、繊維物等を挙げることができる。
【0022】
図5〜図8には、この発明による薬剤揮散容器の第2の実施の形態が示されていて、この薬剤揮散容器11は、容器本体12の膨出部13を断面略二等辺三角形状に形成し、膨出部13の内面側に断面略二等辺三角形状の空所14を形成したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0023】
そして、この実施の形態による薬剤揮散容器11にあっても、容器本体12の膨出部13の頂部が上方を向くように設置し、蓋部材16の表面を空気に接触させると、空所14内の揮散性薬剤17が蓋部材16を透過し、蓋部材16の表面から揮散を開始する。容器本体12に揮散性薬剤17を透過させる特性を有する素材を使用した場合には、容器本体12の膨出部13の表面からも揮散性薬剤17の揮散が開始する。
【0024】
そして、揮散性薬剤17の揮散が進行すると、揮散性薬剤17の空所14内の容積が徐々に減少し、揮散性薬剤17の容積の減少に追従して空所14の内圧が減少する方向に変化し、空所14の内圧の変化に追従して蓋部材16が延伸して容器本体12の膨出部13の内面方向に接近し、蓋部材16の変位に追従して空所14内の気体18の膨出部13の内面に対する接触面積が変化(増加)する。すなわち、膨出部13の表面側から見た場合の空所14内における気体18の占める割合が次第に多くなる。そして、揮散性薬剤17の揮散が終了したときには、膨出部13の表面側から気体18のみが目視されることになる。
【0025】
したがって、膨出部13における気体18の占める割合を目視することにより、揮散性薬剤17の揮散の進行状態を確認することができるので、揮散性薬剤17の揮散終了の時点を明確に判断することができることになる。この結果、揮散性薬剤17が未だ空所14内に残っている状態で薬剤揮散容器11を廃棄処分してしまうような無駄がなくなるものである。
【0026】
なお、この実施の形態においても、容器本体12の膨出部13は、内部が透視可能な透明体又は半透明体が好ましいが、内部を透視できない不透明体であっても、膨出部13の内面に微小凹凸を設けて膨出部13の内面を擦りガラス状に形成することにより、揮散性薬剤17が接触している膨出部13の部分を透視できるものである。この場合、揮散性薬剤17に着色しておくことにより、揮散性薬剤17をより明確に透視できるものである。
【0027】
また、この実施の形態においても、図示はしないが、蓋部材16の表面に揮散促進シートを設けて揮散面積を増大させ、揮散性薬剤17の揮散を促進させるように構成しても良いものである。揮散促進シートとして具体的には、織布、不織布、紙、スポンジ、繊維物等を挙げることができる。
【0028】
図9〜図12には、この発明による薬剤揮散容器の第3の実施の形態が示されていて、この薬剤揮散容器21は、容器本体22の膨出部23を半球状に形成し、膨出部23の内面側に半球状の空所24を形成したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0029】
そして、この実施の形態による薬剤揮散容器21にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、容器本体22の膨出部23の頂部が上方を向くように設置し、蓋部材26の表面を空気に接触させると、空所24内の揮散性薬剤27が蓋部材26を透過し、蓋部材26の表面から揮散を開始する。容器本体22に揮散性薬剤27を透過させる特性を有する素材を使用した場合には、容器本体22の膨出部23の表面からも揮散性薬剤27の揮散が開始する。
【0030】
そして、揮散性薬剤27の揮散が進行すると、揮散性薬剤27の空所24内の容積が徐々に減少し、揮散性薬剤27の容積の減少に追従して空所24の内圧が減少する方向に変化し、空所24の内圧の変化に追従して蓋部材26が延伸して容器本体22の膨出部23の内面方向に接近し、蓋部材26の変位に追従して空所24内の気体28の膨出部23の内面に対する接触面積が変化(増加)する。すなわち、膨出部23の表面側から見た場合の空所24内における気体28の占める割合が次第に多くなる。そして、揮散性薬剤27の揮散が終了したときには、膨出部23の表面側から気体28のみが目視されることになる。
【0031】
したがって、膨出部23における気体28の占める割合を目視することにより、揮散性薬剤27の揮散の進行状態を確認することができるので、揮散性薬剤27の揮散終了の時点を明確に判断することができることになる。この結果、揮散性薬剤27が未だ空所24内に残っている状態で薬剤揮散容器21を廃棄処分してしまうような無駄がなくなるものである。
【0032】
なお、この実施の形態においても、容器本体22の膨出部23は、内部が透視可能な透明体又は半透明体が好ましいが、内部を透視できない不透明体であっても、膨出部23の内面に微小凹凸を設けて膨出部23の内面を擦りガラス状に形成することにより、揮散性薬剤27が接触している膨出部23の部分を透視できるものである。この場合、揮散性薬剤27に着色しておくことにより、揮散性薬剤27をより明確に透視できるものである。
【0033】
また、この実施の形態においても、図示はしないが、蓋部材26の表面に揮散促進シートを設けて揮散面積を増大させ、揮散性薬剤27の揮散を促進させるように構成しても良いものである。揮散促進シートとして具体的には、織布、不織布、紙、スポンジ、繊維物等を挙げることができる。
【0034】
図13〜図16には、この発明による薬剤揮散容器の第4の実施の形態が示されていて、この薬剤揮散容器31は、容器本体32の膨出部33を階段状に形成し、膨出部33の内面側に階段状の空所34を形成したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0035】
そして、この実施の形態による薬剤揮散容器31にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、容器本体32の膨出部33の階段状の部分の上面が上方を向くように設置し、蓋部材36の表面を空気に接触させると、空所34内の揮散性薬剤37が蓋部材36を透過し、蓋部材36の表面から揮散を開始する。容器本体32に揮散性薬剤37を透過させる特性を有する素材を使用した場合には、容器本体32の膨出部33の表面からも揮散性薬剤37の揮散が開始する。
【0036】
そして、揮散性薬剤37の揮散が進行すると、揮散性薬剤37の空所34内の容積が徐々に減少し、揮散性薬剤37の容積の減少に追従して空所34の内圧が減少する方向に変化し、空所34の内圧の変化に追従して蓋部材36が延伸して容器本体32の膨出部33の内面方向に接近し、蓋部材36の変位に追従して空所34内の気体38の膨出部33の内面に対する接触面積が変化(増加)する。すなわち、膨出部33の表面側から見た場合の空所34内における気体38の占める割合が次第に多くなる。そして、揮散性薬剤37の揮散が終了したときには、膨出部33の表面側から気体38のみが目視されることになる。
【0037】
したがって、膨出部33における気体38の占める割合を目視することにより、揮散性薬剤37の揮散の進行状態を確認することができるので、揮散性薬剤37の揮散終了の時点を明確に判断することができることになる。この結果、揮散性薬剤37が未だ空所34内に残っている状態で薬剤揮散容器31を廃棄処分してしまうような無駄がなくなるものである。
【0038】
なお、この実施の形態においても、容器本体32の膨出部33は、内部が透視可能な透明体又は半透明体が好ましいが、内部を透視できない不透明体であっても、膨出部33の内面に微小凹凸を設けて膨出部33の内面を擦りガラス状に形成することにより、揮散性薬剤37が接触している膨出部33の部分を透視できるものである。この場合、揮散性薬剤37に着色しておくことにより、揮散性薬剤37をより明確に透視できるものである。
【0039】
また、この実施の形態においても、図示はしないが、蓋部材36の表面に揮散促進シートを設けて揮散面積を増大させ、揮散性薬剤37の揮散を促進させるように構成しても良いものである。揮散促進シートとして具体的には、織布、不織布、紙、スポンジ、繊維物等を挙げることができる。
【0040】
なお、前記各実施の形態においては、容器本体2、12、22、32の膨出部3、13、23、33を断面略直角三角形状、断面略二等辺三角形状、略半球状、略階段状に形成したが、これらの形状に限らず、動物の形状、キャラクターの形状等の周知の形状としても良いものであり、その場合にも同様の作用、効果を奏するのは勿論のことである。
【0041】
また、前記従来の薬剤揮散容器では、内部が減圧にあるために揮散速度が経時的に遅くなる問題があったが、前記各実施の形態による薬剤揮散容器1、11、21、31では、内部が減圧にならないために、揮散終期まで揮散速度を一定にする(揮散速度が遅くなるのを防ぐ)ことができるものである。
【0042】
さらに、前記各実施の形態において、揮散性薬剤7、17、27、37の代わりに揮散性物質を使用し、薬剤揮散容器1、11、21、31をインジケータとして機能させても良いものであり、その場合には、容器本体2、12、22、32の膨出部3、13、23、33に対する気体8、18、28、38(空気)の接触面積又は揮散性物質の接触面積を目視することにより、時間経過を明確に判断することができることになる。
【0043】
【発明の効果】
この発明による薬揮散容器は、前記のように構成したことにより、揮散性薬剤の揮散が進行すると、揮散性薬剤の空所内の容積が徐々に減少し、揮散性薬剤の容積の減少に追従して空所の内圧が減少する方向に変化し、空所の内圧の変化に追従して蓋部材が延伸して容器本体の内面方向に接近し、蓋部材の変位に追従して空所内の空気の容器本体に対する接触面積が変化(増加)することになる。すなわち、容器本体の表面側から見た場合の空所内における気体の占める割合が次第に多くなり、揮散性薬剤の揮散が終了したときには、容器本体の表面側から気体のみが目視されることになる。したがって、容器本体の空所内における気体の占める割合を目視することにより、揮散性薬剤の揮散の進行状態を確認することができるので、揮散性薬剤の揮散終了の時点を明確に判断することができることになる。
【0044】
また、この発明によるインジケータは、前記のように構成したことにより、揮散性物質の揮散が進行すると、揮散性物質の空所内の容積が徐々に減少し、揮散性物質の容積の減少に追従して空所の内圧が減少する方向に変化し、空所の内圧の変化に追従して蓋部材が延伸して容器本体の内面方向に接近し、蓋部材の変位に追従して空所内の空気の容器本体に対する接触面積が変化(増加)することになる。すなわち、容器本体の表面側から見た場合の空所内における気体の占める割合が次第に多くなり、揮散性物質の揮散が終了したときには、容器本体の表面側から気体のみが目視されることになる。したがって、容器本体の空所内における気体の占める割合を目視することにより、揮散性物質の揮散の進行状態を確認することができるので、時間の経過を明確に判断することができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による薬剤揮散容器の第1の実施の形態を示したものであって、揮散開始前の状態を示した平面図である。
【図2】図1に示すもののA−A線断面図である。
【図3】第1の実施の形態を示したものであって、揮散途中の状態を示した平面図である。
【図4】 図3のB−B線断面図である。
【図5】この発明による薬剤揮散容器の第2の実施の形態を示したものであって、揮散開始前の状態を示した平面図である。
【図6】図5に示すもののC−C線断面図である。
【図7】第2の実施の形態を示したものであって、揮散途中の状態を示した平面図である。
【図8】 図7のD−D線断面図である。
【図9】この発明による薬剤揮散容器の第3の実施の形態を示したものであって、揮散開始前の状態を示した平面図である。
【図10】図9に示すもののE−E線断面図である。
【図11】第3の実施の形態を示したものであって、揮散途中の状態を示した平面図である。
【図12】 図11のF−F線断面図である。
【図13】この発明による薬剤揮散容器の第4の実施の形態を示したものであって、揮散開始前の状態を示した平面図である。
【図14】図13に示すものの断面図である。
【図15】 第4の実施の形態を示したものであって、揮散途中の状態を示した平面図である。
【図16】図15の断面図である。
【図17】従来の薬剤揮散容器の一例を示したものであって、揮散開始前の状態を示した平面図である。
【図18】図17の断面図である。
【図19】従来の薬剤揮散容器の一例を示したものであって、揮散途中の状態を示した平面図である。
【図20】図19の断面図である。
【符号の説明】
1、11、21、31、51……薬剤揮散容器
2、12、22、32、52……容器本体
3、13、23、33……膨出部
4、14、24、34、54……空所
5、15、25、35……鍔部
6、16、26、36、56……蓋部材
7、17、27、37、57……揮散性薬剤
8、18、28、38……気体
Claims (4)
- 容器本体と、該容器本体の開口部を閉塞する蓋部材とを具え、前記容器本体と前記蓋部材との間に形成される空所内に揮散性薬剤を収納し、該揮散性薬剤を前記蓋部材及び/又は前記容器本体を透過させて揮散させる薬剤揮散容器において、
前記空所内に揮散性薬剤と共に気体を所定量封入するとともに、前記蓋部材を伸縮可能な素材で形成し、前記揮散性薬剤の揮散による前記空所内の内圧の変化に追従して前記蓋部材を延伸させて前記容器本体の内面方向に接近させ、この蓋部材の変位に追従させて前記気体の前記容器本体に対する接触面積を変化させるように構成し、
前記容器本体の空所の内面に微小凹凸を設けて擦りガラス状に形成したことを特徴とする薬剤揮散容器。 - 前記揮散性薬剤は、液状、ゾル状又はゲル状である請求項1に記載の薬剤揮散容器。
- 前記揮散性薬剤は、殺虫剤、防かび剤、殺菌剤、芳香剤、消臭剤、忌避剤等である請求項1又は2に記載の薬剤揮散容器。
- 容器本体と、該容器本体の開口部を閉塞する蓋部材とを具え、前記容器本体と前記蓋部材との間に形成される空所内に揮散性物質を収容し、該揮散性物質を前記蓋部材及び/又は前記容器本体を透過させて揮散させるインジケーターにおいて、
前記容器本体の空所の内面に微小凹凸を設けて擦りガラス状に形成し、
前記空所内に揮散性薬剤と一緒に気体を封入するとともに、前記蓋部材を伸縮可能な素材で形成し、前記揮散性薬剤の揮散による前記空所内の内圧の変化に追従して前記蓋部材を延伸させて前記容器本体の内面方向に接近させ、この蓋部材の変位に追従させて前記気体の前記容器本体に対する接触面積を変化させることにより、時間経過が分かるように構成したことを特徴とするインジケーター。
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JP2001265840A JP4879420B2 (ja) | 2001-09-03 | 2001-09-03 | 薬剤揮散容器及びインジケーター |
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