JP4879292B2 - プレート式熱交換器及び冷凍空調装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、流体から油を分離する機能を備えたプレート式熱交換器及び、このプレート式熱交換器を備えた冷凍空調装置に関する。
特許文献1には、内部に油を分離する機能を設けたプレート式熱交換器についての記載がある。しかし、特許文献1に記載されたプレート式熱交換器は、プレートの面を水平に設置する横置き型のプレート式熱交換器である。一般に、プレート式熱交換器は、プレートの面を鉛直に設置する場合が多い。そのため、特許文献1に記載されたプレート式熱交換器が使用できる範囲は限られている。
また、特許文献2には、気体と液体とを分離する機能を設けたプレート式熱交換器であって、プレートを鉛直に設置する縦置き型のプレート式熱交換器についての記載がある。しかし、特許文献2に記載されたプレート式熱交換器は、流体から油を分離することを目的としていない。そのため、特許文献2に記載されたプレート式熱交換器は、流体から油を十分に分離できない。
特開平1−230965号公報 特開平11−287572号公報
従来の縦置き型のプレート式熱交換器は、内部で油を十分に分離できない。そのため、従来の縦置き型のプレート式熱交換器と、縦置き型のプレート式熱交換器を備える冷凍空調装置では、以下の(1)から(3)の課題を有する。
(1)熱交換器内の冷凍機油(以下、油)は熱抵抗となる。そのため、流体に油が混入したまま、流体が熱交換されると、熱交換性能を十分に発揮できない。また、プレート式熱交換器では流体が層流で流れることが多く、淀みを生じ易い。そのため、密度の大きい油はプレート式熱交換器の内部に溜まり易く、伝熱有効面積が減少する。つまり、流体に油が混入したままプレート式熱交換器で熱交換した場合、熱交換性能が悪くなる。
(2)油が熱交換器内に溜まると、流路の摩擦抵抗が大きくなる。そのため、スラッジやゴミが溜まりやすくなり、熱交換器の信頼性が低下する。また、油が熱交換器内に溜まると、圧縮機への返油が行われない。そのため、圧縮機が破損する虞がある。その結果、冷凍空調装置が故障する虞がある。
(3)冷凍空調装置の冷媒回路内に油を分離する機器を設けると、冷媒回路の大型化やコストの増加に繋がる。
この発明は、例えば、縦置き型のプレート式熱交換器に油を分離する機能を設けることを目的とする。これにより、高性能で信頼性の高いプレート式熱交換器と、冷凍空調装置を提供することを目的とする。
この発明に係るプレート式熱交換器は、例えば、
複数のプレートが積層されて形成されたプレート式熱交換器であり、
前記複数のプレートが積層された積層方向の一端側に、流体の入口となる流入管が設けられ、
前記複数のプレートの各プレートには、前記流入管から流体が流入する流入孔と、前記流入孔から流入した前記流体が流出する流出孔とが設けられ、
前記各プレートは、隣に積層されたプレートとの間に、前記流入孔から流入した前記流体を前記流出孔へ流す流路を形成し、
前記積層方向の前記一端側に形成された前記流路である1層目の流路は、他の前記流路よりも前記積層方向の幅が広い
ことを特徴とする。
この発明に係るプレート式熱交換器は、流入管側の流路の幅を広くした。そのため、流体よりも密度の高い油の多くは、幅の広い流入管側の流路を流れる。一方、油よりも密度の低い流体の多くは、流入管側の流路以外の流路へ流れる。そのため、プレート式熱交換器内で流体と油とが分離される。
プレート式熱交換器30の側面図。 プレート式熱交換器30の正面図。 第2伝熱プレート2の正面図。 第1伝熱プレート3の正面図。 第2補強用サイドプレート4の正面図。 プレート式熱交換器30の分解斜視図。 実施の形態1に係るプレート式熱交換器30の断面図。 実施の形態2に係るプレート式熱交換器30の断面図。 実施の形態2に係る第1補強用サイドプレート1の隣に積層された伝熱プレート2を示す図。 実施の形態2に係る第1補強用サイドプレート1の隣に積層された伝熱プレート2以外の伝熱プレート2,3を示す図。 実施の形態3に係るプレート式熱交換器30の断面図。 実施の形態3に係る油分離管13を示す図。 実施の形態4に係るプレート式熱交換器30の断面図。 実施の形態4に係る油分離管13を示す図。 図14とは異なる実施の形態4に係る油分離管13を示す図。 実施の形態5に係るプレート式熱交換器30の断面図。 実施の形態5に係る油分離管13を示す図。 実施の形態6に係るプレート式熱交換器30の断面図。 実施の形態6に係る伝熱プレート2,3を示す図。 1層目の第1流路に油を流す場合の返油方法の説明図。 N層目の第1流路に油を流す場合の返油方法の説明図。 実施の形態7に係る伝熱プレート2,3を示す図。 実施の形態8に係るプレート式熱交換器30の断面図。 暖房給湯システム39を示す図。
図1から図6は、以下の実施の形態に係るプレート式熱交換器30の基本的な構成の説明図である。図1は、プレート式熱交換器30の側面図である。図2は、プレート式熱交換器30の正面図(図1のB側から見た図)である。図3は、第2伝熱プレート2の正面図である。図4は、第1伝熱プレート3の正面図である。図5は、第2補強用サイドプレート4の正面図である。図6は、プレート式熱交換器30の分解斜視図である。
プレート式熱交換器30は、複数の伝熱プレート2,3が積層される。また、プレート式熱交換器30は、一端側(図1のB側,前側)と他端側(図1のC側,後側)とに、それぞれ第1補強用サイドプレート1と第2補強用サイドプレート4とが積層される。
図3,4に示すように、各伝熱プレート2,3は、略長方形の板状に形成される。各伝熱プレート2,3には、略長方形の長辺方向(長手方向)の一方の端部側(上側)に第1流入孔9が設けられる。各伝熱プレート2,3には、第1流入孔9とは逆の長手方向の端部側(下側)に第1流出孔10が設けられる。各伝熱プレート2,3には、第1流出孔10と同一の長手方向の端部側(下側)に第2流入孔11が設けられる。各伝熱プレート2,3には、第1流入孔9と同一の長手方向の端部側(上側)に第2流出孔12が設けられる。ここでは、各伝熱プレート2,3には、略長方形の短辺方向(短手方向)の同一の端部側(左側)に第1流入孔9と第1流出孔10とが設けられる。また、各伝熱プレート2,3には、第1流入孔9と第1流出孔10とは逆の短手方向の端部側(右側)に第2流入孔11と第2流出孔12とが設けられる。
つまり、各伝熱プレート2,3には、四隅に第1流入孔9、第1流出孔10、第2流入孔11、第2流出孔12が設けられる。なお、第1流入孔9と第1流出孔10とを1次側流入出孔と呼ぶ。同様に、第2流入孔11と第2流出孔12とを2次側流入出孔と呼ぶ。
図2,5に示すように、補強用サイドプレート1,4も、伝熱プレート2,3と同様に、略長方形の板状に形成される。図2に示すように、最前面に積層される第1補強用サイドプレート1には、伝熱プレート2,3に第1流入孔9が設けられた位置に第1流入管5が設けられる。同様に、伝熱プレート2,3に第1流出孔10が設けられた位置に第1流出管6が設けられ、第2流入孔11が設けられた位置に第2流入管7が設けられ、第2流出孔12が設けられた位置に第2流出管8が設けられる。
一方、図5に示すように、最背面に積層される第2補強用サイドプレート4は、流入出管5,6,7,8や流入出孔9,10,11,12は設けられない。なお、図5では、第2補強用サイドプレート4に、流入出管5,6,7,8や流入出孔9,10,11,12の位置を破線で示すが、第2補強用サイドプレート4にこれらが設けられているわけではない。
なお、各プレート2,3と補強用サイドプレート1,4は、略同一の略長方形である。
各伝熱プレート2,3は、第1流入孔9同士、第1流出孔10同士、第2流入孔11同士、第2流出孔12同士がそれぞれ重なるように積層される。伝熱プレート2と伝熱プレート3とは交互に積層される。また、第1補強用サイドプレート1と、第1補強用サイドプレート1の隣の伝熱プレート2とは、第1流入管5と第1流入孔9、第1流出管6と第1流出孔10、第2流入管7と第2流入孔11、第2流出管8と第2流出孔12がそれぞれ重なるように積層される。
ここで、第1補強用サイドプレート1の第1流入管5と、各伝熱プレート2,3の第1流入孔9とにより、第1流体を各第1流路へ分配する第1流入通路孔が形成される。同様に、第1補強用サイドプレート1の第2流入管7と、各伝熱プレート2,3の第2流入孔11とにより、第2流体を各第2流路へ分配する第2流入通路孔が形成される。また、第1補強用サイドプレート1の第1流出管6と、各伝熱プレート2,3の第1流出孔10とにより、各第1流路から第1流体が流れ込む第1流出通路孔が形成される。同様に、第1補強用サイドプレート1の第2流出管8と、各伝熱プレート2,3の第2流出孔12とにより、各第2流路から第2流体が流れ込む第2流出通路孔が形成される。
また、図3,4に示すように、伝熱プレート2,3には、凹凸が長手方向に複数配列される。凹凸は、短手方向の両端側に両端部を有し、両端部より長手方向にずれた位置に折り返し点を有することによりV字型に形成される。凹凸のピッチ(幅)は、図4に示すWである。また、V字型の折り返し角度は2θである。
伝熱プレート2と伝熱プレート3とでは、凹凸の向きが逆向きに配列される。つまり、伝熱プレート2では、両端部よりも下側に折り返し点を有するV字型に凹凸が形成されるのに対し、伝熱プレート3では、両端部よりも上側に折り返し点を有するV字型(逆V字型)に凹凸が形成される。
このように、逆向きのV字型に凹凸が形成された伝熱プレート2,3を交互に積層することにより、伝熱プレート2,3の間に伝熱効率のよい流路が形成される。つまり、図6に示すように、第1流入孔9から流入した第1流体が第1流出孔10へ流れる第1流路が伝熱プレート2の前面と伝熱プレート3の背面との間に形成される。同様に、第2流入孔11から流入した第2流体が第2流出孔12へ流れる第2流路が伝熱プレート2の背面と伝熱プレート3の前面との間に形成される。また、第1補強用サイドプレート1の背面とその隣の伝熱プレート2の前面との間にも、第1流路が形成される。同様に、第2補強用サイドプレート4の前面とその隣の伝熱プレート3の背面との間にも第1流路が形成される。
第1流路を流れる第1流体と第2流路を流れる第2流体とは、伝熱プレート2,3を介して熱交換される。
また、最も第1流入管5側に形成される第1流路を1層目の第1流路と呼ぶ。1層目の第1流路を形成するプレートを第1プレートと第2プレートと呼ぶ。特に、第1流入管5側に積層されるプレートを第1プレート、第1流入管5と逆側に積層されるプレートを第2プレートと呼ぶ。ここでは、第1補強用サイドプレート1とその隣の伝熱プレート2との間に1層目の第1流路が形成されるので、第1補強用サイドプレート1が第1プレート、第1補強用サイドプレート1の隣に積層される伝熱プレート2が第2プレートである。
また、最も第1流入管5から遠い側に形成される第1流路をN層目の第1流路と呼ぶ。N層目の第1流路を形成するプレートを第Nプレートと第N+1プレートと呼ぶ。特に、第1流入管5側に積層されるプレートを第Nプレート、第1流入管5と逆側に積層されるプレートを第N+1プレートと呼ぶ。ここでは、第2補強用サイドプレート4とその隣の伝熱プレート3との間にN層目の第1流路が形成されるので、第2補強用サイドプレート4が第N+1プレート、第2補強用サイドプレート4の隣に積層される伝熱プレート3が第Nプレートである。
以下の実施の形態1から5及び実施の形態8では、プレート式熱交換器30は、長手方向の第1流入管5側を上にして、第1流出管6側を下にして縦置きされる。したがって、第1流入管5から流入した第1流体は、第1流入孔9から第1流出孔10へ各第1流路を下向きに流れ、第1流出管6から流出する。一方、第2流入管7から流入した第2流体は、第2流入孔11から第2流出孔12へ各第2流路を上向きに流れ、第2流出管8から流出する。
また、以下の実施の形態6、7では、実施の形態1から5及び実施の形態8とは逆に、プレート式熱交換器30は、長手方向の第1流出管6側を上にして、第1流入管5側を下にして縦置きされる。
また、以下の実施の形態では、第1流体を冷媒とし、第2流体を冷媒によって加熱又は冷却される水等の流体とする。なお、冷媒には、油が混入した状態で第1流入管5からプレート式熱交換器30へ流入する。
実施の形態1.
図7は、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30の断面図である。特に、図7は、図2のA−A’部分のプレート式熱交換器30の断面図である。図7では、冷媒の流れを実線で示し、油の流れを破線で示す。
図7に示すように、第1補強用サイドプレート1とその隣に積層された伝熱プレート2との間に形成された第1流路(1層目の第1流路)の積層方向の幅W1は、他の第1流路の積層方向の幅W2よりも広い。つまり、1層目の第1流路の積層方向の幅W1は、他の第1流路の積層方向の幅W2よりも広い。
プレート式熱交換器30における油が混入した冷媒の流れを説明する。
第1流入管5から油が混入した冷媒が流入する。第1流入管5から流入した冷媒は、第1流入管5と第1流入孔9とからなる第1流入通路孔を通って、各第1流路へ分配される。各第1流路へ分配された冷媒は、隣の第2流路を流れる流体と熱交換される。そして、熱交換された冷媒は、第1流出管6と第1流出孔10とからなる第1流出通路孔を通ってプレート式熱交換器30の外部へ流出する。
ここで、油は、冷媒よりも密度が高い。したがって、油は冷媒よりも落下し易い。そのため、第1流入通路孔において、冷媒に混入した油は、1層目の第1流路へ流入し易い。特に、1層目の第1流路の積層方向の幅W1は広いため、冷媒に混入した油の多くは1層目の第1流路へ流入する。一方、冷媒は、油よりも密度が低いため、1層目の第1流路以外の流路(2層目以降の第1流路)へも分散して流入する。
つまり、油の多くは1層目の第1流路へ流入し、冷媒の多くは2層目以降の第1流路へ流入する。すなわち、1層目の第1流路と2層目以降の第1流路とに、油と冷媒とが分離する。そして、2層目以降の第1流路では、油が分離された冷媒が、その隣の第2流路と伝熱プレート2,3を介して熱交換される。
油は熱抵抗が高く、油を含んだ冷媒では効率的に熱交換できない。しかし、2層目以降の第1流路では、冷媒から油が分離されているため、熱抵抗が低い。したがって、効率的に熱交換できる。
また、油は冷媒に比べ、密度や粘性が高く、速度が遅い。そのため、油は、プレート内に滞留し易く、冷媒の偏流の原因となる。しかし、2層目以降の第1流路では、冷媒から油が分離されているため、冷媒の偏流が抑えられる。したがって、伝熱面積を増すことができ、より効率的に熱交換できる。
つまり、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30は、熱交換性能が高い。
なお、1層目の第1流路の幅W1は、油循環量に応じて調整する。つまり、油循環量が多ければ1層目の第1流路の幅W1を広くし、油循環量が少なければ1層目の第1流路の幅W1を狭くすればよい。
つまり、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30は、流体の出入口となる通路孔があり、流体の流入管、流出管を設けた複数枚のプレートを積層してなるプレート式熱交換器30において、1層目の幅寸法を2層目以降の幅寸法より大きくしたことを特徴とする。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係るプレート式熱交換器30の断面図である。図8は、図7と同様に、図2のA−A’部分のプレート式熱交換器30の断面図である。図8では、図7と同様に、冷媒の流れを実線で示し、油の流れを破線で示す。図9は、第1補強用サイドプレート1の隣に積層された伝熱プレート2を示す図である。図10は、第1補強用サイドプレート1の隣に積層された伝熱プレート2以外の伝熱プレート2,3を示す図である。
図8に示すプレート式熱交換器30では、第1補強用サイドプレート1の隣に積層された伝熱プレート2の第1流入孔9の開口面積が、他の伝熱プレート2,3の第1流入孔9の開口面積よりも小さい。第1流入孔9は、円であるため、第1補強用サイドプレート1の隣に積層された伝熱プレート2の第1流入孔9の径は、他の伝熱プレート2,3の第1流入孔9の径よりも小さい。
特に、第1補強用サイドプレート1の隣に積層された伝熱プレート2における第1流入孔9は、第1流入孔9に近い長手方向端部(上端)よりに設けられる。つまり、第1補強用サイドプレート1の隣に積層された伝熱プレート2における上端から第1流入孔9までの距離L1は、他の伝熱プレート2,3における上端から第1流入孔9までの距離L2と略同一である。すなわち、図8に示すように、第1補強用サイドプレート1の隣に積層された伝熱プレート2により、各伝熱プレート2,3の第1流入孔9とにより形成された第1流入通路孔の第1流路側(下側)に堰(壁、抵抗体)が形成される。
実施の形態1で説明したように、油は冷媒よりも落下し易いため、1層目の第1流路へ流入し易い。実施の形態2に係るプレート式熱交換器30では、第1補強用サイドプレート1の隣に積層された伝熱プレート2により第1流入通路孔の下側に堰が形成されている。この堰により、2層目以降の第1流路へ流入しようとする油を食い止め、1層目の第1流路へ流入させることができる。上述したように、油は密度が高く落下し易いため、第1流入通路孔の下側を流れ易い。したがって、第1流入通路孔の下側に形成された堰により、2層目以降の第1流路へ油が流れることを防止できる。つまり、堰を設けることにより、高い精度で冷媒から油を分離できる。
つまり、実施の形態2に係るプレート式熱交換器30は、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30と同様に、熱交換性能が高い。
なお、堰は、第1流入孔9の径を小さくするだけで製造できる。そのため、堰は、低コストで製造できる。
また、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30と同様に、1層目の第1流路の積層方向の幅W1を、2層目以降の第1流路の積層方向の幅W2よりも広くしてもよい。この場合、さらに熱交換性能を高くすることができる。
つまり、実施の形態2に係るプレート式熱交換器30は、流体の出入口となる通路孔があり、流体の流入管、流出管を設けた複数枚のプレートを積層してなるプレート式熱交換器30において、冷媒流入管径(第1流入孔9)を通常の径より小さくして堰を作り、冷媒と油分離を可能としたことを特徴とする。
実施の形態3.
図11は、実施の形態3に係るプレート式熱交換器30の断面図である。図11は、図7と同様に、図2のA−A’部分のプレート式熱交換器30の断面図である。図11では、図7と同様に、冷媒の流れを実線で示し、油の流れを破線で示す。図12は、実施の形態3に係る油分離管13を示す図である。
図11に示すプレート式熱交換器30では、第1流入管5から第1補強用サイドプレート1の隣に積層された伝熱プレート2の手前までの第1流入通路孔内に、油分離管13が設けられた。油分離管13には、第1補強用サイドプレート1とその隣に積層された伝熱プレート2との間に、1層目の流路向きに油出口14(第1孔)が形成される。また、油分離管13には、第1補強用サイドプレート1の隣に積層された伝熱プレート2の第1流入孔9向きに冷媒出口15(第2孔)が形成される。油出口14は油を流出するための孔であり、冷媒出口15は冷媒を流出するための孔である。
油出口14の開口面積を1層目の流路の入り口の開口面積よりも小さくする。特に、油出口14を積層方向に長い形状としつつ、油出口14の開口面積を小さくする。なお、油出口14の開口面積は、油の密度や、冷媒に含まれる油の量(割合)等に応じて決定する。例えば、油出口14の開口面積を、冷媒に含まれる油がちょうど全て油出口14から流出する開口面積にする。
実施の形態1で説明したように、油は冷媒よりも落下し易いため、1層目の第1流路へ流入し易い。実施の形態2に係るプレート式熱交換器30では、開口面積の小さい油出口14が形成された油分離管13を設けている。特に、油出口14の開口面積を、冷媒に含まれる油がちょうど全て油出口14から流出する開口面積である。そのため、油が優先的に油出口14から流出すると、冷媒は油出口14から流出しない。したがって、油分離管13により、1層目の第1流路へ冷媒が流れることを防止できる。つまり、油分離管13を設けることにより、高い精度で冷媒から油を分離できる。
つまり、実施の形態3に係るプレート式熱交換器30は、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30と同様に、熱交換性能が高い。
なお、冷媒出口15の開口面積を微細ノズルのように微小な寸法にしてもよい。この場合、第1伝熱プレートの第1流入孔9へ流出する冷媒の流速を速くすることができる。流速が速くなるため、熱交換性能が高くなる。
また、油分離管13の外径を、第1流入管5の内径と略同一にすることにより、第1流入管5に油分離管13を挿入するだけで、図11に示すプレート式熱交換器30を製造することができる。これにより、図11に示すプレート式熱交換器30を低コストで製造することができる。
また、油分離管13に形成された油出口14や冷媒出口15は、円形に限らず、多角形、楕円形等であってもよい。また、油出口14や冷媒出口15は、1つの孔で構成されるのではなく、複数の孔で構成されてもよい。
また、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30と同様に、1層目の第1流路の積層方向の幅W1を、2層目以降の第1流路の積層方向の幅W2よりも広くしてもよい。この場合、さらに熱交換性能を高くすることができる。
つまり、実施の形態3に係るプレート式熱交換器30は、流体の出入口となる通路孔があり、流体の流入管、流出管を設けた複数枚のプレートを積層してなるプレート式熱交換器30において、冷媒入口ノズル(第1流入管5)に挿入式の油分離機構(油分離管13)を設けて冷媒と油分離を可能としたことを特徴とする。
実施の形態4.
図13は、実施の形態4に係るプレート式熱交換器30の断面図である。図13は、図7と同様に、図2のA−A’部分のプレート式熱交換器30の断面図である。図13では、図7と同様に、冷媒の流れを実線で示し、油の流れを破線で示す。図14は、実施の形態4に係る油分離管13を示す図である。
図13に示すプレート式熱交換器30では、第1流入管5から第2補強用サイドプレート4の手前までの第1流入通路孔内に、油分離管13が設けられた。油分離管13には、第2補強用サイドプレート4と第2補強用サイドプレート4の隣に積層された伝熱プレート3との間の第1流路向き(下向き)に油出口14(第1孔)が形成される。また、油分離管13には、第1補強用サイドプレート1と、第2補強用サイドプレート4の隣に積層された伝熱プレート3との間に、第1補強用サイドプレート1から、第2補強用サイドプレート4の隣に積層された伝熱プレート3までの間に形成された複数の第1流路とは異なる向きに冷媒出口15(第2孔)が形成される。ここでは、冷媒出口15は、第1流路と反対向き(上向き)に形成される。
つまり、油出口14は、第1流入管5から最も遠い第1流路(N層目の第1流路)の位置に、下向き形成される。また、冷媒出口15は、その他の第1流路の位置(N−1層目までの第1流路)に、上向きに形成される。
第1流入管5から油分離管13を通って、油が混入した冷媒が流入する。油が混入した冷媒のうち、密度の低い冷媒だけが、冷媒出口15からN−1層目までの第1流路へ流出する。一方、密度の高い油は、冷媒出口15からは流出せず、油出口14からN層目の第1流路へ流出する。
つまり、密度の低い冷媒は、上側に形成された冷媒出口15から流出する。しかし、密度の高い油は、上側に形成された冷媒出口15から流出せず、下側に形成された油出口14から流出する。ほとんどの冷媒は、油出口14に到達する前に、冷媒出口15から流出している。したがって、油出口14から流出するのは、ほとんど油だけである。つまり、N層目の第1流路とN−1層目までの第1流路とに、油と冷媒とが分離する。そして、N−1層目までの第1流路では、油を分離された冷媒が、その隣の第2流路と伝熱プレート2,3を介して熱交換される。
したがって、実施の形態4に係るプレート式熱交換器30は、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30と同様に、熱交換性能が高い。
図15は、図14とは異なる実施の形態4に係る油分離管13を示す図である。図13,14では、第1補強用サイドプレート1と、第2補強用サイドプレート4の隣に積層された伝熱プレート3との間に、1つの冷媒出口15を形成した。しかし、図15に示すように、冷媒出口15を複数に分割して形成してもよい。特に、第1補強用サイドプレート1から、第2補強用サイドプレート4の隣に積層された伝熱プレート3までの間に形成された第1流路毎に冷媒出口15を形成してもよい。
また、油出口14も、1つの孔で構成されるのではなく、複数の孔で構成されてもよい。
また、油分離管13に形成された油出口14や冷媒出口15は、円形に限らず、多角形、楕円形等であってもよい。
また、油分離管13は、第1流入通路孔の内径よりも小さい径とする。
なお、N層目の第1流路の積層方向の幅を、N層目までの第1流路と第2流路との積層方向の幅と比べて広くしてもよい。
つまり、実施の形態4に係るプレート式熱交換器30は、流体の出入口となる通路孔があり、流体の流入管、流出管を設けた複数枚のプレートを積層してなるプレート式熱交換器30において、冷媒入口ノズル(第1流入管5)から最長距離にある冷媒経路に油分離経路を設けたことを特徴とする。
実施の形態5.
図16は、実施の形態5に係るプレート式熱交換器30の断面図である。図16は、図7と同様に、図2のA−A’部分のプレート式熱交換器30の断面図である。図16では、図7と同様に、冷媒の流れを実線で示し、油の流れを破線で示す。図17は、実施の形態5に係る油分離管13を示す図である。
図16に示すプレート式熱交換器30では、第1流入管5から第2補強用サイドプレート4の手前までの第1流入通路孔内に、油分離管13が設けられた。油分離管13は、第2補強用サイドプレート4の手前に、第2補強用サイドプレート4向きに混合体出口16が形成される。つまり、実施の形態3,4で説明した油分離管13のように、油出口14と冷媒出口15との2種類の孔が形成されているわけではなく、1種類の孔(混合体出口16)が形成される。混合体出口16は、油が混入した冷媒が流出する。
混合体出口16から流出した油が混入した冷媒は、第2補強用サイドプレート4の壁面に衝突する。壁面に衝突することにより、密度の高い油と密度の低い冷媒とが分離する。油と冷媒とが分離すると、密度の高い油は、そのまま落下してN層目の第1流路へ流入する。一方、密度の低い冷媒の多くは、N−1層目までの第1流路へ流入する。つまり、N層目の第1流路とN−1層目までの第1流路とに、油と冷媒とが分離する。そして、N−1層目までの第1流路では、油を分離された冷媒が、その隣の第2流路と伝熱プレート2,3を介して熱交換される。
したがって、実施の形態5に係るプレート式熱交換器30は、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30と同様に、熱交換性能が高い。
なお、油分離管13の挿入距離(混合体出口16から第2補強用サイドプレート4までの距離)や混合体出口16の開口面積は、冷媒に混入する油の量(割合)に応じて決定する。
実施の形態6.
図18は、実施の形態6に係るプレート式熱交換器30の断面図である。図18は、図7と同様に、図2のA−A’部分のプレート式熱交換器30の断面図である。図18では、図7と同様に、冷媒の流れを実線で示し、油の流れを破線で示す。図19は、実施の形態6に係る伝熱プレート2,3を示す図である。
実施の形態1から5では、プレート式熱交換器30は、長手方向の第1流入管5側を上にして、第1流出管6側を下にして縦置きされるものとした。しかし、図18に示すプレート式熱交換器30は、長手方向の第1流出管6側を上にして、第1流入管5側を下にして縦置きされるものとする。したがって、第1流入管5から流入した第1流体は、第1流入孔9から第1流出孔10へ各第1流路を上向きに流れ、第1流出管6から流出する。一方、第2流入管7から流入した第2流体は、第2流入孔11から第2流出孔12へ各第2流路を下向きに流れ、第2流出管8から流出する。
図18に示すプレート式熱交換器30では、第1補強用サイドプレート1に油出管17が設けられた。また、各伝熱プレート2,3に油出孔18が形成された。
油出管17は、第1流入管5に対して、第1流出管6と逆の位置に設けられた。つまり、第1流出管6は第1補強用サイドプレート1の長手方向の一端部(上側)に設けられているから、油出管17は第1補強用サイドプレート1の長手方向の他端部(下側)に設けられる。同様に、油出孔18は、第1流入孔9に対して、第1流出孔10と逆の位置に設けられた。つまり、第1流出孔10は、伝熱プレート2,3の長手方向の一端部(上側)に形成されているから、油出孔18は伝熱プレート2,3の長手方向の他端部(下側)に形成される。
また、図18に示すプレート式熱交換器30は、第1流入管5から流入した冷媒に含まれる油が油出孔18へ流れる流油流路が伝熱プレート2の前面と伝熱プレート3の背面との間に形成される。同様に、第1補強用サイドプレート1の背面とその隣の伝熱プレート2の前面との間にも、流油流路が形成され、第2補強用サイドプレート4の前面とその隣の伝熱プレート3の背面との間にも流油流路が形成される。流油流路の入り口の開口面積は、油循環量に応じて調整する。つまり、流油流路の入り口の開口面積は、冷媒に含まれる油がちょうど全て流出する開口面積にする。
なお、第1補強用サイドプレート1の油出管17と、各伝熱プレート2,3の油出孔18とにより、各流油流路から油が流れ込む流油通路孔が形成される。
プレート式熱交換器30での油が混入した冷媒の流れを説明する。
第1流入管5から油が混入した冷媒が流入する。
すると、密度の高い油は、第1流入通路孔(第1流入管5と第1流入孔9)を通って、下側の各流油流路へ分配される。そして、油は、流油通路孔(油出管17と油出孔18)を通ってプレート式熱交換器30の外部へ流出する。
一方、密度の低い冷媒は、第1流入通路孔(第1流入管5と第1流入孔9)を通って、上側の各第1流路へ分配される。各第1流路へ分配された冷媒は、隣の第2流路を流れる流体と熱交換される。そして、熱交換された冷媒は、第1流出通路孔(第1流出管6と第1流出孔10)を通ってプレート式熱交換器30の外部へ流出する。なお、密度の低い冷媒は、下側の各流油流路へは流入しづらい。これは、密度の高い油が下側の各流油流路へ流入してしまい、流油流路の入り口が塞がってしまうためである。
つまり、油の多くは流油流路へ流入し、冷媒の多くは第1流路へ流入する。すなわち、流油流路と第1流路とに、油と冷媒とが分離する。そして、第1流路では、油を分離された冷媒が、その隣の第2流路と伝熱プレート2,3を介して熱交換される。
つまり、実施の形態6に係るプレート式熱交換器30は、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30よりも、さらに、熱交換性能が高い。
なお、実施の形態6に係るプレート式熱交換器30は、油と冷媒とを分離した状態で、油と冷媒とをプレート式熱交換器30の外部へ流出する。そこで、油出管17からプレート式熱交換器30の外部へ流出する油を圧縮機へ戻してもよい。つまり、圧縮機へ返油することにより、空調機器等の熱源機の信頼性を向上する。
プレート式熱交換器30を蒸発器で用いると、一般に液冷媒がプレート式熱交換器30の下側からプレート式熱交換器30流入する。ここで、冷媒漏れが生じるとプレート式熱交換器30の内部では、蒸気冷媒の量が増加する。そのため、油と冷媒の速度差が大きくなり油と冷媒とが分離し易くなる。このとき、圧縮機へ油が戻る経路がないプレート式熱交換器30では、圧縮機へ油が戻らない。このため、圧縮機が破損し、冷凍空調装置が故障する虞がある。
また、実施の形態1から3で説明したように、最も第1流入管5よりの第1流路(1層目の第1流路)に油を流す場合や、実施の形態4,5で説明したように、最も第1流入管5から離れた第1流路(N層目の第1流路)に油を流す場合であっても、返油することはできる。
図20は、1層目の第1流路に油を流す場合の返油方法の説明図である。図21は、N層目の第1流路に油を流す場合の返油方法の説明図である。
図20,21に示すように、第1補強用サイドプレート1の第1流出管6の下側に油出管17を設け、各伝熱プレート2,3の第1流出孔10の下側に油出孔18を設ける。また、各伝熱プレート2,3は、隣の伝熱プレート2,3との間に、第1流入孔9から油出孔18まで続く流油流路流油流路を形成する。そして、各伝熱プレート2,3のV字型の凹凸を流油流路向きに形成する。つまり、第1流出孔10の周囲には凹凸を形成せず、油出孔18側にのみ凹凸を形成する。すると、密度が高く粘性の高い油の多くは、凹凸に沿って流れるため、油出孔18へ流れる。一方、密度の低く粘性の低い冷媒の多くは、凹凸とは関係なく第1流出孔10へ流れる。その結果、油は油出管17からプレート式熱交換器30の外部へ流出し、冷媒は第1流出管6からプレート式熱交換器30の外部へ流出する。つまり、油と冷媒とを分離した状態で、油と冷媒とをプレート式熱交換器30の外部へ流出する。よって、圧縮機へ返油することができる。
なお、上記説明では、各伝熱プレート2,3に、油出孔18へ油が流れるように凹凸を形成するとした。しかし、油が流れる第1流路を形成する伝熱プレート2,3だけに、油出孔18へ油が流れるように凹凸を形成するとしてもよい。つまり、図20であれば、最も第1流入管5寄りの伝熱プレート2にだけ油出孔18へ油が流れるように凹凸を形成するとしてもよい。図21であれば、最も第1流入管5から離れた伝熱プレート3にだけ油出孔18へ油が流れるように凹凸を形成するとしてもよい。
つまり、実施の形態6に係るプレート式熱交換器30は、流体の出入口となる通路孔があり、流体の流入管、流出管を設けた複数枚のプレートを積層してなるプレート式熱交換器30において、冷媒入口ノズル(第1流入管5)の中心をずらした位置に油戻り経路(油出管17)を構成したことを特徴とする。
実施の形態7.
図22は、実施の形態7に係る伝熱プレート2,3を示す図である。図22では、図18に示すプレート式熱交換器30の伝熱プレート2,3を示す。
図22に示す伝熱プレート2,3では、第1流入孔9の油出孔18側に溝19が形成されている。
密度が高く粘性の高い油は、溝19を流れる。つまり、第1流入通路孔の下側を流れる。そのため、油は、流油流路へ流入し易い。一方、冷媒は、密度が低く粘性が低いため、油が溝19を流れてしまうと、溝19を流れにくい。つまり、第1流入通路孔の上側を流れる。そのため、冷媒は、第1流路へ流入し易い。
つまり、実施の形態7に係るプレート式熱交換器30は、実施の形態6に係るプレート式熱交換器30よりも、油と冷媒とが分離され易い。そのため、実施の形態7に係るプレート式熱交換器30は、実施の形態6に係るプレート式熱交換器30よりも、熱交換性能が高い。
補強用サイドプレート1,4や伝熱プレート2,3は、プレスで作られている。そのため、金型の形状により溝19の数や間隔を容易に調整できる。したがって、容易に油を分離する精度を向上できる。
なお、第1流入孔9に溝19を設けることに代えて、第1流入孔9の形状を三角形や星型等にしてもよい。この場合、三角形や星型の先鋭部が油出孔18側になるように第1流入孔9を形成する。同様に、第1流入孔9を楕円形にしてもよい。この場合、楕円形の長辺が伝熱プレート2,3の長手方向(上下方向)となるように形成する。このようにすることにより、第1流入孔9に溝19を設けた場合と同様に、油を分離し易くなる。
なお、実施の形態1,2に係るプレート式熱交換器30であれば、溝19を第1流入管5の第1流路側(下側)に設けてもよい。また、実施の形態3から5に係るプレート式熱交換器30であれば、溝19を油分離管13の第1流路側(下側)に設けてもよい。これにより、油と冷媒とが分離し易くなる。
つまり、実施の形態7に係るプレート式熱交換器30は、流体の出入口となる通路孔があり、流体の流入管、流出管を設けた複数枚のプレートを積層してなるプレート式熱交換器30において、冷媒入り口経路の形状に溝19を付けたことを特徴とする。
実施の形態8.
図23は、実施の形態8に係るプレート式熱交換器30の断面図である。図23は、図7と同様に、図2のA−A’部分のプレート式熱交換器30の断面図である。図23では、図7と同様に、冷媒の流れを実線で示し、油の流れを破線で示す。
図23に示すプレート式熱交換器30は、第1流入管5と第1流出管6とをつなぐ油戻管20を備える。油戻管20は、第1流入管5の第1流出管6側(下側)と第1流出管6の第1流入管5側(上側)とをつなぐ。第1流入管5を流れる密度の高い油は、下側に設けられた油戻管20へ流入し易い。一方、密度の低い冷媒は、油戻管20へ流入しにくい。そのため、油と冷媒とが分離する。
実施の形態8に係るプレート式熱交換器30では、第1流入管5から第1流出管6へ油を流してしまうため、伝熱プレート2,3により構成される熱交換部分へ油が流入することを防止できる。そのため、実施の形態8に係るプレート式熱交換器30は、熱交換性能が高い。
なお、実施の形態3で説明した油出口14の開口面積と同様に、第1流入管5から油戻管20への入り口部分の開口面積を、油の密度や、冷媒に含まれる油の量(割合)等に応じて決定してもよい。
また、実施の形態6で説明したように、第1流出管6とは別に、油出管17を設けてもよい。そして、第1流入管5と油出管17とを油戻管20でつないでもよい。
また、実施の形態7で説明したように、第1流入管5の下側に溝19を形成してもよい。
実施の形態8に係るプレート式熱交換器30では、第1流入管5と第1流出管6との間にある使用されていない空間に油戻管20を配置する。したがって、プレート式熱交換器30を大型化することなく、油と冷媒とを分離できる。
つまり、実施の形態8に係るプレート式熱交換器30は、流体の出入口となる通路孔があり、流体の流入管、流出管を設けた複数枚のプレートを積層してなるプレート式熱交換器30において、冷媒入口、出口ノズルを連通し油戻り経路を設けたことを特徴とする。
以上の実施の形態に係るプレート式熱交換器30は、R410a等のフロン系冷媒だけでなく、HCやCO2等の自然系冷媒を用いた空調機器にも効果的である。CO2のような油と弱相溶性もしくは冷媒と非相溶性の油を使用した空調機器に有効である。
また、プレート式熱交換器30を凝縮器で用いる場合、冷媒は蒸気の状態でプレート式熱交換器30に入る。そのため、冷媒は油と分離し易い。したがって、この場合、以上の実施の形態に係るプレート式熱交換器30は特に有効である。
また、プレート式熱交換器内で淀みが生じると、淀んだ部分にゴミやスケールが溜まり易くなる。そのため、熱交換器の腐食を誘発する。しかし、以上の実施の形態に係るプレート式熱交換器30では、流体の淀みの一因である油を伝熱面へ侵入する前に分離する。そのため、信頼性の高いプレート式熱交換器30を提供できる。
また、蒸発器としてプレート式熱交換器を用いると、偏流で温度分布が生じ凍結部ができるため、熱交換器の強度が低下する。しかし、プレート式熱交換器30では、偏流を防ぐため、熱交換器の強度が低下することも防ぐことができる。
また、分離した油を流体回路と別に油戻り経路を設けることで、圧縮機への返油が可能となる。これにより、圧縮機の信頼性が向上し、これを搭載した空調機器の品質も向上する。特に空調機器の流体に使用される冷媒は高圧であり、油詰まりから冷媒回路圧力上昇による機器の破損を抑制できるため、機器の安全性も高くなる。
返油をするために流体回路内に油分離器を設けると回路を構成する部品が増える。そのため、流体回路を搭載した機器の大型化やコスト増加となる。しかし、プレート式熱交換器30では内部に返油機構が内蔵されており、部品点数も少なくできる。特に空調機器の室外機では、設置スペース確保が課題であるため、プレート式熱交換器30は有効である。つまり、プレート式熱交換器30を搭載した室外機は小型であるため、設置スペースが小さくなり、安価な室外機の提供も可能となる。
なお、以上の実施の形態では、第1補強用サイドプレート1とその隣りの伝熱プレート2との間に第1流路(1層目の第1流路)が形成され、第2補強用サイドプレート4とその隣りの伝熱プレート3との間に第1流路(1層目の第1流路)が形成されるとした。つまり、補強用サイドプレート1,4と伝熱プレート2,3との間にも流路が形成されるものとした。しかし、補強用サイドプレート1,4と伝熱プレート2,3との間には流路が形成されなくてもよい。
実施の形態9.
実施の形態9では、以上の実施の形態で説明したプレート式熱交換器30の利用例である暖房給湯システム39について説明する。
図24は、暖房給湯システム39を示す図である。
暖房給湯システム39は、圧縮機31、プレート式熱交換器30、膨張弁32、熱交換器33、給湯器34、暖房機35、冷媒路36、水路37を備える。圧縮機31、プレート式熱交換器30、膨張弁32、熱交換器33、冷媒路36が熱交換システム38である。
冷媒は、冷媒路36を圧縮機31、プレート式熱交換器30、膨張弁32、熱交換器33の順に繰り返し流れる。圧縮機31は、上述したように、冷媒を圧縮する。プレート式熱交換器30は、圧縮機31が圧縮した冷媒と、水路37を流れる液体(ここでは、水)とを熱交換する。ここでは、プレート式熱交換器30において熱交換されることにより、冷媒が冷され、水が温められる。膨張弁32は、プレート式熱交換器30で熱交換された冷媒の膨張を制御する。熱交換器33は、膨張弁32の制御に従い膨張した冷媒と空気との熱交換を行う。ここでは、熱交換器33において熱交換されることにより、冷媒が温められ、空気が冷やされる。そして、温められた冷媒は、圧縮機31へ入る。
一方、水は、水路37をプレート式熱交換器30と、給湯器34及び暖房機35との間で流れる。上述したように、プレート式熱交換器30で熱交換されることにより、水は温められる。そして、温められた水は給湯器34や暖房機35へ流れる。なお、給湯用の水は、プレート式熱交換器30で熱交換される水でなくてもよい。つまり、給湯器34などでさらに水路37を流れる水と給湯用の水とが熱交換されるようにしてもよい。
以上の実施の形態で説明したプレート式熱交換器30は熱交換効率がよい。したがって、以上の実施の形態で説明したプレート式熱交換器30を用いた熱交換システム38も効率がよい。また、熱交換システム38を用いた暖房給湯システム39も効率がよい。
なお、ここでは、以上の実施の形態で説明したプレート式熱交換器30によって圧縮された冷媒で水を加熱する熱交換システム(ATW(Air To Water)システム)について説明した。しかし、これに限らず、以上の実施の形態で説明したプレート式熱交換器30を用いて熱交換を行い空気等の流体を加熱又は冷却する冷凍サイクル(冷凍空調装置)を形成することもできる。
1 第1補強用サイドプレート、2,3 伝熱プレート、4 第2補強用サイドプレート、5 第1流入管、6 第1流出管、7 第2流入管、8 第2流出管、9 第1流入孔、10 第1流出孔、11 第2流入孔、12 第2流出孔、13 油分離管、14 油出口、15 冷媒出口、16 混合体出口、17 油出管、18 油出孔、19 溝、20 油戻管、30 プレート式熱交換器、31 圧縮機、32 膨張弁、33 熱交換器、34 給湯器、35 暖房機、36 冷媒路、37 水路、38 熱交換システム、39 暖房給湯システム。

Claims (5)

  1. 複数のプレートが積層されて形成されたプレート式熱交換器であり、
    前記複数のプレートが積層された積層方向の一端側に、流体の入口となる流入管が設けられ、
    前記複数のプレートの各プレートには、前記流入管から流体が流入する流入孔と、前記流入孔から流入した前記流体が流出する流出孔とが設けられ、
    前記各プレートは、隣に積層されたプレートとの間に、前記流入孔から流入した前記流体を前記流出孔へ流す流路を形成し、
    前記積層方向の前記一端側に形成された前記流路である1層目の流路は、他の前記流路よりも前記積層方向の幅が広く、
    前記1層目の流路を形成する第1プレートと第2プレートとのうち、前記積層方向の他端側に積層された前記第2プレートに設けられた前記流入孔は、他のプレートに設けられた前記流入孔よりも開口面積が小さい
    ことを特徴とするプレート式熱交換器。
  2. 前記流入管と前記各プレートに設けられた前記流入孔とにより、前記各プレートにより形成された複数の流路の各流路へ前記流体を分配する通路孔が形成され、
    前記流体が内側を流れる管であって、前記1層目の流路を形成する第1プレートと第2プレートとの間において、前記1層目の流路向きに第1孔が形成されるとともに、前記第1プレートと前記第2プレートとのうち前記積層方向の他端側に積層された前記第2プレートに設けられた前記流入孔向きに第2孔が形成された管が前記通路孔内に設けられた
    ことを特徴とする請求項に記載のプレート式熱交換器。
  3. 前記プレート式熱交換器は、前記流入孔が上側、前記流出孔が下側になるように設置され、
    前記複数のプレートの各プレートには、さらに、設置された場合に、前記流出孔よりも下側に、前記流体に混入した油を流出する油出孔が設けられた
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプレート式熱交換器。
  4. 前記第1層目の流路を形成するプレートには、凹凸が、前記流出孔の周囲には形成されず、前記油出孔の周囲に形成された
    ことを特徴とする請求項3に記載のプレート式熱交換器。
  5. 請求項1から4までのいずれかに記載のプレート式熱交換器を備えることを特徴とする冷凍空調装置。
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