JP4879126B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハや液晶表示装置のガラス基板(以下、単に基板と称する)に対して処理液により処理を行う基板処理装置に関する。
従来、この種の装置として、複数の処理槽と、各処理槽にわたった基板を搬送する搬送機構とを備え、各処理槽において異なる処理液で順次に処理を行う装置がある(例えば、特許文献1参照)。このような装置では、例えば、第1の処理槽においてBHF(バッファードフッ化水素酸)によって表面を軽くエッチングし、第2の処理槽において純水で洗浄し、第3の処理槽において純水からIPA(イソプロピルアルコール)に置換させ、第4の処理槽において溶剤蒸気雰囲気を形成して基板を乾燥させるように順次に基板を移動させつつ一連の処理を行う。
特開平10−22257号公報(図11)
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、基板に微細パターンが形成されている場合、その間に残った純水の表面張力に起因して、基板を処理槽間で移動させる際に、基板に形成されている微細パターンに倒壊が生じることがあるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、純水の除去率を向上させることにより、基板に形成された微細パターンの倒壊を防止することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板を処理液で処理する基板処理装置において、処理液を貯留する処理槽と、前記処理槽から排出された処理液を前記処理槽へ供給して、処理液を循環させる供給配管と、前記供給配管を分流した第1の分岐配管と、前記第1の分岐配管に配設され、流通する処理液を冷却する冷却手段と、前記冷却手段の上流側と下流側の前記供給配管に連通接続した第2の分岐配管と、前記第2の分岐配管に配設され、処理液中の純水と溶剤とを分離して処理液から純水を排出する分離手段と、前記供給配管に連通接続され、前記分離手段より下流側にて純水を注入する注入管と、前記注入管に水溶性溶剤を注入する水溶性溶剤注入手段と、前記注入管に非水溶性溶剤を注入する非水溶性溶剤注入手段と、前記処理槽内の基板を純水で洗浄する純水洗浄処理を行わせた後、前記水溶性溶剤注入手段から前記供給配管に水溶性溶剤を注入して純水を水溶性溶剤で置換する置換処理を行わせ、前記第1の分岐配管に流路を切り換えるとともに、前記冷却手段で処理液を冷却する冷却処理を行わせ、前記第2の分岐配管に流路を切り換えるとともに、前記分離手段によって処理液中の純水を除去する分離除去処理を行わせ、前記非水溶性溶剤注入手段から前記供給配管に非水溶性溶剤を注入して置換促進処理を行わせる制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、制御手段は、注入管から供給配管に純水を供給し、処理槽内の基板を純水で洗浄する純水洗浄処理を行わせ、基板に付着している薬液や汚れ等を純水によって除去する。次に、水溶性溶剤注入手段から供給配管に水溶性溶剤を注入して純水を水溶性溶剤で置換する置換処理を行わせ、処理槽に貯留している純水を水溶性溶剤で置換した後、第1の分岐配管に流路を切り換えるとともに、冷却手段で処理液を冷却する冷却処理を行わせる。次いで、第2の分岐配管に流路を切り換えるとともに、分離手段によって処理液中の純水を除去する分離除去処理を行わせる。処理液は冷却処理にて冷却されており、純水が水溶性溶剤に対して溶けにくくされているので、分離手段によって効率的に処理液から純水を除去することができる。その後、非水溶性溶剤注入手段から供給配管に非水溶性溶剤を注入して置換促進処理を行わせるが、先の冷却処理によって、非水溶性溶剤に対して水溶性溶剤と純水とが溶けにくくされているので、水溶性溶剤と純水とを非水溶性溶剤でほぼ完全に置換することができる。したがって、処理槽中の純水を効率的に除去することができ、基板に形成された微細パターン中に純水が残留するのを防止できる。その結果、基板に形成された微細パターンの倒壊を防止することができる。
また、本発明において、前記分離手段の上流側と下流側とを連通接続した第3の分岐配管と、前記第3の分岐配管に配設され、処理液中の純水を吸着除去する純水除去手段とをさらに備え、前記制御手段は、前記分離除去処理の後、流路を前記第3の分岐配管に切り換えることが好ましい(請求項2)。分離除去処理にて除去できずに残留している純水を純水除去手段で吸着除去することによって、より除去率を高めることができる。
また、本発明において、前記分離手段の上流側にあたる前記第2の分岐管に、純水と溶剤とを混合するミキサと、前記ミキサの上流側と、前記ミキサの下流側であって前記分離手段の上流側を連通接続した第4の分岐配管とをさらに備え、前記制御手段は、前記分離除去処理及び前記置換促進処理にて流路を前記ミキサ側に切り換え、前記分離除去処理及び前記置換促進処理の他の処理では流路を前記第4の分岐配管に切り換えることが好ましい(請求項3)。分離手段は、純水と非水溶性溶剤とが完全に分離した状態よりも、よく混合された状態の方が非水溶性溶剤から純水を分離しやすいという特性がある。そこで、ミキサによって純水と非水溶性溶剤とを充分に混合することにより、分離手段によって効率よく分離することができる。
また、本発明において、前記水溶性溶剤注入手段は、水溶性溶剤としてIPA(イソプロピルアルコール)を注入することが好ましい(請求項4)。半導体プロセスで多用されているIPAを用いることにより、コスト抑制が可能である。
また、本発明において、前記非水溶性溶剤注入手段は、非水溶性溶剤としてHFE(ハイドロフルオロエーテル)を注入することが好ましい(請求項5)。フッ素系溶剤であるHFEは、IPAよりも表面張力が小さいので、微細パターンの倒壊を抑制することができる。
また、本発明において、前記制御手段は、前記非水溶性溶剤注入手段から非水溶性溶剤を注入する際には、小流量で行うことが好ましい(請求項6)。非水溶性溶剤を小流量で注入することにより、水溶性溶剤と非水溶性溶剤との界面を維持したまま、非水溶性溶剤で置換することができる。したがって、効率的に水溶性溶剤を非水溶性溶剤で置換することができる。
本発明に係る基板処理装置によれば、制御手段は、処理槽において基板に純水洗浄処理を行わせて、基板に付着している薬液や汚れ等を純水によって除去する。次に、供給配管から水溶性溶剤を供給して純水を水溶性溶剤で置換する置換処理を行わせて、処理槽に貯留している純水を水溶性溶剤で置換した後、第1の分岐配管の冷却手段で処理液を冷却する冷却処理を行わせる。次いで、第2の分岐配管の分離手段によって処理液中の純水を除去する分離除去処理を行わせる。処理液は冷却処理にて冷却されており、純水が水溶性溶剤に対して溶けにくくされているので、分離手段によって効率的に処理液から純水を除去できる。その後、非水溶性溶剤を注入して置換促進処理を行わせるが、先の冷却処理によって、非水溶性溶剤に対して水溶性溶剤と純水とが溶けにくくされているので、水溶性溶剤と純水とを非水溶性溶剤でほぼ完全に置換できる。したがって、処理槽中の純水を効率的に除去することができ、基板に形成された微細パターン中に純水が残留するのを防止できる。その結果、基板に形成された微細パターンの倒壊を防止できる。
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は、実施例に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施例に係る基板処理装置は処理槽1を備え、この処理槽1は内槽3と外槽5とを備えている。内槽3は、処理液を貯留し、保持アーム7によって保持された基板Wを収容可能である。保持アーム7は、板状のアームの下部に、基板Wの下縁に当接して基板Wを起立姿勢で支持する支持部材を備えている。この保持アーム7は、内槽3の内部にあたる「処理位置」と、内槽3の上方にあたる「待機位置」とにわたって昇降可能である。内槽3は、純水や溶剤またはこれらの混合液等を処理液として貯留し、内槽3から溢れた処理液が、内槽3の上部外周を囲うように設けられた外槽5によって回収される。内槽3の底部両側には、処理液を内槽3に対して供給する二本の噴出管9が配設されている。
噴出管9には、供給配管11の一端側が連通接続され、その他端側には外槽5の排出口13が連通接続されている。供給配管11は、外槽5側にあたる上流側から順に、三方弁15と、ポンプ17と、三方弁19〜21と、インラインヒータ22とを備えている。三方弁15は、処理液の循環と排液とを切り換え、ポンプ17は処理液を循環させ、三方弁19は処理液の循環と純水除去(詳細後述)とを切り換え、三方弁20,21は処理液の循環と冷却(詳細後述)とを切り換える。インラインヒータ22は、供給配管11を流通している処理液を所定の温度に加熱する。
三方弁20,21には、供給配管11から分流した第1の分岐配管23が設けられている。この第1の分岐配管23には、冷却ユニット25が取り付けられている。冷却ユニット25は、第1の分岐配管23を流通している処理液を所定の温度に冷却するための機能を備えている。
なお、上述した冷却ユニット25が本発明における「冷却手段」に相当する。
インラインヒータ22の下流側であって、噴出管9よりも上流側にあたる供給配管11の一部位には、注入管27の一端側が連通接続されている。注入管27の他端側は、純水供給源29に連通接続されている。注入管27には、下流側から順に、制御弁31と、ミキシングバルブ33と、流量制御弁35とが配設されている。制御弁31は、純水や溶剤、純水に溶剤が混合された処理液などの供給・遮断を制御する。ミキシングバルブ33には、二本の薬液配管37,39の一端側が連通接続され、それぞれの他端側がHFE供給源41、IPA供給源43に連通接続されている。二本の薬液配管37,39は、それぞれ流量を調整するための流量制御弁45,47を備えている。ミキシングバルブ33は、非水溶性溶剤として、例えばフッ素系溶剤であるHFE(ハイドロフルオロエーテル)や、水溶性溶として、例えばIPA(イソプロピルアルコール)を混合する機能を備えている。
なお、上述したミキシングバルブ33が本発明における「水溶性溶剤注入手段」と「非水溶性溶剤注入手段」に相当する。
供給配管11は、冷却ユニット25の上流側の三方弁19と下流側の三方弁21とを連通接続した第2の分岐配管49を備えている。この第2の分岐配管49は、処理液中の純水と溶剤とを分離するための油水分離フィルタ51を備えている。さらに、供給配管11は、第2の分岐配管49と並列の関係にあたる第3の分岐配管53を備えている。この第3の分岐配管53は、油水分離フィルタ51の上流側と下流側にあたる部分とを連通接続する。第3の分岐配管53は、処理液中の純水を吸着して除去するための吸着フィルタ55を備えている。この吸着フィルタ55としては、モレキュラーシーブ(Molecular sieve)、活性炭、アルミナ等で構成され、処理液中の微量の純水をも吸着して除去することができる機能を備えている。
上述した第2の分岐配管49は、油水分離フィルタ51の上流側にスタティックミキサ57を備えている。このスタティックミキサ57の上流側と、スタティックミキサ57の下流側であって、油水分離フィルタ51の上流側を連通接続しているのが第4の分岐配管58である。第4の分岐配管58は、制御弁59によって処理液の流通が制御される。スタティックミキサ57は、その上流部に、第2の分岐配管49を流通する処理液に純水を注入するための注入部60を備えている。また、注入部60への純水の注入流量を制御する流量制御弁61を備えている。スタティックミキサ57は、詳細後述するが、駆動部がなく、流体を分解・転換・反転の作用によって順次に攪拌混合するものである。
三方弁19と第2の分岐配管49の間には、制御弁63が配設され、第3の分岐配管53には、制御弁65が配設されている。また、第2の分岐配管49の最上流部には制御弁67が配設され、最下流部には制御弁69が配設されている。また、吸着フィルタ55の下流側にあたる第3の分岐配管53には、制御弁71が配設されている。
なお、上述した油水分離フィルタ51が本発明における「分離手段」に相当し、吸着フィルタ55が本発明における「純水除去手段」に相当し、スタティックミキサ57が本発明における「ミキサ」に相当する。
次に、図2を参照する。なお、図2は、油水分離フィルタの概略構成を示す縦断面図である。
スタティックミキサ57は、本体部73と、本体部73内に配設された複数個のエレメント75とを備えている。各エレメント75は、長方形の板部材を180°ねじった形に形成され、隣接するエレメント75はそれぞれ逆方向にねじって形成されたものである。このスタティックミキサ57は、上述した注入部60を上流部に備え、処理液に対して純水を注入して、それらを分割・転換・反転の作用で攪拌混合する。特に、溶剤がHFE(ハイドロフルオロエーテル)のように、純水に対して完全には溶けない非水溶性溶剤である場合には、スタティックミキサ57によって純水と溶剤とを混合してから油水分離フィルタ51で分離を行うことで純水の分離効率を高めることができる。
次に、図3を参照する。なお、図3は、油水分離フィルタの概略構成を示す縦断面図である。
油水分離フィルタ51は、ハウジング77と、ハウジング77底部の液導入部79と、液導入部79からの処理液を濾過するフィルタ81と、フィルタ81を通過した液体のうち、比重が大きいものを貯留する第1貯留部83と、比重が小さいものを貯留する第2貯留部85と、液導入部79に処理液が流入する流入部87と、第1貯留部83内の液体を排出する第1排出部89と、第2貯留部85内の液体を排出する第2排出部91と、ハウジング77の外壁に沿って配設され、間接的にフィルタ81を冷却するための冷却パイプ93とを備えている。流入部87は第2の分岐管49の上流側にあたり、第1排出部89は第2の分岐管49の下流側にあたる。上述したフィルタ81は、微分散した遊離液を超極細繊維フィルタにより捕捉し、凝集して粗大化する機能を備え、ミクロンオーダに微分散した遊離液をミリメートルオーダに粗大化させて、比重差によって瞬時に完全二層系に分散する。なお、冷却パイプ93を介してフィルタ81を冷却することにより、油水分離の効率を高めることができる。
また、内槽3は、処理液中の純水濃度を測定するための濃度計95を上部付近に備えている。この濃度計95としては、例えば、赤外線吸収方式のものが挙げられる。
上述した保持アーム7の昇降や、ポンプ17の作動/停止、インラインヒータ22の温度制御、流量制御弁35,45,47,61の流量制御、制御弁31の開閉制御、三方弁15,19〜21の切り換え制御、制御弁59,63,65,69,71の開閉制御などは、本発明における「制御手段」に相当する制御部97が統括的に制御する。
また、制御部97は、上述した各部を操作して、保持アーム7を処理位置に移動させ、処理液として純水を供給して「純水洗浄処理」を行わせた後、純水に水溶性溶剤(IPA)を供給して純水を水溶性溶剤で置換する「置換処理」、処理液を冷却ユニット25によって冷却する「冷却処理」、油水分離フィルタ51によって処理液中の純水を除去する「分離除去処理」を行わせる。その後、吸着フィルタ55によって処理液中の純水を吸着除去する「吸着除去処理」を行わせる。そして、処理液に非水溶性溶剤を注入して、水溶性溶剤を非水溶性溶剤で置換する「置換促進処理」を行わせる。処理液中の純水濃度が所定値以下となった場合には、再度少量(例えば、5〜10%程度)の水溶性溶剤を注入し、吸着フィルタ55によって処理液中の純水をさらに吸着除去する「仕上げ処理」を行わせる。但し、「置換処理」及び「分離除去処理」の際には、スタティックミキサ57を通して、純水と溶剤とを分割・転換・反転の作用により攪拌混合してから、油水分離フィルタ51を通すようにして、油水分離フィルタ51による分離効率を向上させる。特に、溶剤が純水に対して溶けにくい非水溶性溶剤である場合にはスタティックミキサ57による効果が大きい。「仕上げ処理」が完了した後、図示しないノズルから溶剤を噴霧させて、溶剤雰囲気を形成して保持アーム7を処理槽1から引き上げることで基板Wに対する乾燥処理を行う。
なお、「吸着除去処理」を行う前には、処理液中の溶剤の飽和溶解度を確認することが好ましいが、濃度計95で代用可能である。純水濃度の具体的な値は、例えば、0.1[%]以下である。これは、あまり純水濃度が高いうちから「吸着除去処理」を行うと、吸着フィルタ55が短時間で吸水力を失い、吸着フィルタ55の交換を頻繁に行う必要が生じるという不都合を回避するためである。
また、「置換促進処理」において制御部97は、流量制御弁45を操作して、非水溶性溶剤の流量を小流量に設定して非水溶性溶剤の注入を行うことが好ましい。これにより内槽3に貯留している水溶性溶剤との界面を維持したままで内槽3の内部を非水溶性溶剤とすることができる。したがって、効率的に水溶性溶剤を非水溶性溶剤で置換することができる。
次に、図5を参照して、上述した基板処理装置の動作について説明する。なお、図5は、動作を示すフローチャートである。
ステップS1
制御部97は、三方弁15を循環側に切り換えるとともに、三方弁19〜21を供給配管11側に切り換え、制御弁31を開放するとともに流量制御弁35を調整して、純水供給源29から注入管27及び供給配管11を介して純水を所定流量で内槽3へ供給する。内槽3及び外槽5並びに供給配管11を全て純水で満たした後、ポンプ17及びインラインヒータ22を作動させて所定の温度(例えば、60℃)に純水を加熱する。所定温度になった後、保持アーム7を待機位置から処理位置へ下降させ、これを所定時間だけ維持して、所定温度に加熱した純水で基板Wを洗浄処理する。
ステップS2
制御部97は、インラインヒータ22及びポンプ17を停止させるとともに、三方弁15を排液側へ切り換えるとともに、流量制御弁35を閉止する。そして、流量制御弁47を所定流量に調節して、供給配管11へIPAを供給する。内槽3及び外槽5がIPAで満たされた後、三方弁15を供給配管11側へ切り換えるとともにポンプ17を作動させる。これにより、処理液のうち純水の大半が排出され、処理液にIPAが混合されて純水がIPAで置換される。
ステップS3
制御部97は、三方弁20,21を第1の分岐配管23側へ切り換えるとともに、冷却ユニット25によって処理液を所定の温度にまで冷却する。この程度の温度に冷却することにより、純水がIPAに溶けにくくすることができる。
ステップS4
制御部97は、制御弁63,67,69を開放するとともに、三方弁19を第2の分岐管49側へ切り換える。これにより、スタティックミキサ57でIPAと純水とが充分に混合された後、処理液が油水分離フィルタ51を通ることになる。
なお、このときに流量制御弁61を調整して、スタティックミキサ57を流通する処理液に対して少量の純水を注入するようにしてもよい。これは、溶剤中の純水濃度が一定値以下であると、油水分離フィルタ51による純水と溶剤との分離効率が低下するので、純水濃度が低下した処理液に対して積極的に純水を注入・混合することにより、一定値以下になった純水を、純水で引き出すようにして油水分離フィルタ51によって分離するためである。
上記の処理を所定時間行った後、制御部97は、制御弁59を開放して流路を第4の分岐配管58へ切り換え、処理液の流れがスタティックミキサ57を通らないようにバイパスする。これにより、純水濃度が低くされた処理液が油水分離フィルタ51だけを通るようになる。なお、第4の分岐配管58を省略して、常にスタティックミキサ57を処理液が流通するようにしてもよい。
ステップS5
制御部97は、制御弁65,71を開放するとともに、制御弁67,69を閉止する。これにより、純水濃度が低減された処理液(大半がIPA)が第3の分岐管53へ流れる。これにより、処理液中に僅かに残った純水が吸着フィルタ55によって吸着除去される。
ステップS6
上記の吸着除去処理を所定時間だけ行った後、制御部97は、制御弁15を排液側へ切り換えるとともに、三方弁19〜21を供給配管11側へ切り換える。さらに、流量制御弁45を調整して、小流量でHFEを内槽3に供給する。これにより、IPAがHFEにと混ざり合うことなく徐々に押し上げられて内槽3から排出されるとともにHFEで置換される。但し、僅かな純水が処理液中や基板Wの微細パターン内には未だに残留している。HFEで内槽3が満たされた後、制御弁31及び流量制御弁45を閉止するとともに、三方弁19を第2の分岐配管49側に切り換え、制御弁67,69を開放する一方、制御弁58を閉止する。これにより、上記ステップS4のように、HFEを含む処理液がスタティックミキサ57と油水分離フィルタ51を流通し、純水が除去される。制御部97は、所定時間だけ油水分離フィルタ51による純水除去を行った後、上記ステップS5のように流路を切り換えて吸着フィルタ55による吸着除去を行う。
ステップS7
制御部97は、濃度計95を参照して処理液中の純水濃度が所定値以下となるまで吸着フィルタ55による吸着除去を行う。所定値は、例えば0.1[%]以下である。
ステップS8
制御部97は、純水濃度が低減された処理液に再びIPAを注入して仕上げ処理を行う。具体的には、制御弁31を開放するとともに、流量制御弁47を調整して、少量のIPAを処理液に注入する。その濃度は、例えば、5〜10%程度である。この状態で吸着フィルタ55による吸着除去を維持することで、HFEが大半を占め、少量のIPAを含む処理液から僅かな純水を除去する。これにより、基板Wの微細パターン内にも残留している純水を引き出して除去することができる。
ステップS9
上記の処理を所定時間だけ行った後、制御部97は、図示しないノズルから溶剤蒸気を供給して、処理槽1の周囲に溶剤雰囲気を形成する。そして、保持アーム7を上昇させて基板Wに付着しているHFEを揮発させて基板Wを乾燥させる。
上述したように、本実施例装置によると、制御部79は、注入管27から供給配管11に純水を供給し、処理槽1内の基板Wを純水で洗浄する純水洗浄処理を行わせて、基板Wに付着している薬液や汚れ等を純水によって除去する。次に、ミキシングバルブ33を介してIPAを注入して純水をIPAで置換する置換処理を行わせて、処理槽1に貯留している純水をIPAで置換した後、第1の分岐配管23に流路を切り換えるとともに、冷却ユニット25で処理液を冷却する冷却処理を行わせる。次いで、第2の分岐配管49に流路を切り換えるとともに、油水分離フィルタ51によって処理液中の純水を除去する分離除去処理を行わせる。処理液は冷却処理にて冷却されており、純水がIPAに対して溶けにくくされているので、効率的に処理液から純水を除去できる。その後、ミキシングバルブ33を介してHFEを注入して置換促進処理を行わせるが、先の冷却処理によって、HFEに対してIPAと純水とが溶けにくくされているので、IPAと純水とをHFEでほぼ完全に置換することができる。したがって、処理槽1中の純水を効率的に除去することができ、基板Wに形成された微細パターン中に純水が残留するのを防止できる。その結果、基板Wに形成された微細パターンの倒壊を防止することができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、上述した実施例では、スタティックミキサ57を備え、溶剤を純水と充分に混合した上で油水分離フィルタ51を通すようにしているが、必ずしもスタティックミキサ57を備える必要はない。これにより、装置構成を簡易化することができる。
(2)上述した実施例では、非水溶性溶剤としてフッ素系のHFEを例示し、水溶性溶剤としてIPAを例示したが、これらとは異なる他の溶剤であっても本発明を適用することができる。例えば、HFE以外のフッ素系溶剤としてHFC(ハイドロフルオロカーボン)を使用してもよい。
(3)上述した実施例では、純水濃度を測定する濃度計95を内槽3に備えた構成を例示したが、供給配管11を流通する処理液の純水濃度を測定するように構成してもよい。
(4)上述した実施例では、乾燥処理の前に「仕上げ処理」を行わせているが、「置換促進処理」にて充分に純水濃度を低減できる場合には、「仕上げ処理」を省略するようにしてもよい。
実施例に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。 スタティックミキサの概略構成を示す縦断面図である。 油水分離フィルタの概略構成を示す縦断面図である。 動作を示すフローチャートである。
符号の説明
W … 基板
1 … 処理槽
3 … 内槽
5 … 外槽
7 … 保持アーム
9 … 噴出管
11 … 供給配管
23 … 第1の分岐配管
33 … ミキシングバルブ
49 … 第2の分岐配管
51 … 油水分離フィルタ
53 … 第3の分岐配管
55 … 吸着フィルタ
57 … スタティックミキサ
58 … 第4の分岐配管
97 … 制御部

Claims (6)

  1. 基板を処理液で処理する基板処理装置において、
    処理液を貯留する処理槽と、
    前記処理槽から排出された処理液を前記処理槽へ供給して、処理液を循環させる供給配管と、
    前記供給配管を分流した第1の分岐配管と、
    前記第1の分岐配管に配設され、流通する処理液を冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段の上流側と下流側の前記供給配管に連通接続した第2の分岐配管と、
    前記第2の分岐配管に配設され、処理液中の純水と溶剤とを分離して処理液から純水を排出する分離手段と、
    前記供給配管に連通接続され、前記分離手段より下流側にて純水を注入する注入管と、
    前記注入管に水溶性溶剤を注入する水溶性溶剤注入手段と、
    前記注入管に非水溶性溶剤を注入する非水溶性溶剤注入手段と、
    前記処理槽内の基板を純水で洗浄する純水洗浄処理を行わせた後、前記水溶性溶剤注入手段から前記供給配管に水溶性溶剤を注入して純水を水溶性溶剤で置換する置換処理を行わせ、前記第1の分岐配管に流路を切り換えるとともに、前記冷却手段で処理液を冷却する冷却処理を行わせ、前記第2の分岐配管に流路を切り換えるとともに、前記分離手段によって処理液中の純水を除去する分離除去処理を行わせ、前記非水溶性溶剤注入手段から前記供給配管に非水溶性溶剤を注入して置換促進処理を行わせる制御手段と、
    を備えていることを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記分離手段の上流側と下流側とを連通接続した第3の分岐配管と、
    前記第3の分岐配管に配設され、処理液中の純水を吸着除去する純水除去手段とをさらに備え、
    前記制御手段は、前記分離除去処理の後、流路を前記第3の分岐配管に切り換えることを特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項2に記載の基板処理装置において、
    前記分離手段の上流側にあたる前記第2の分岐管に、純水と溶剤とを混合するミキサと、
    前記ミキサの上流側と、前記ミキサの下流側であって前記分離手段の上流側を連通接続した第4の分岐配管とをさらに備え、
    前記制御手段は、前記分離除去処理及び前記置換促進処理にて流路を前記ミキサ側に切り換え、前記分離除去処理及び前記置換促進処理の他の処理では流路を前記第4の分岐配管に切り換えることを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記水溶性溶剤注入手段は、水溶性溶剤としてIPA(イソプロピルアルコール)を注入することを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記非水溶性溶剤注入手段は、非水溶性溶剤としてHFE(ハイドロフルオロエーテル)を注入することを特徴とする基板処理装置。
  6. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記制御手段は、前記非水溶性溶剤注入手段から非水溶性溶剤を注入する際には、小流量で行うことを特徴とする基板処理装置。
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