JP4878963B2 - 蓄電素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、負極にリチウムイオンを予備吸蔵(プレドープ)させることで充放電特性とエネルギー密度を共に改善するようにした蓄電素子に関する。
近年、ハイブリッド自動車、家庭用分散化電源の普及などにともない、産業用途および民生用途において蓄電素子の需要度が高まってきた。とくに産業用途では、大電力での充放電使用に適し、長期間にわたって特性劣化の少ない蓄電素子が望まれている。たとえば風力発電や太陽電池等における負荷平準化、瞬低・停電対策、自動車等におけるエネルギー回生などのためには、大きな電気エネルギーの急速充放電が可能な蓄電素子が必要となる。
このための蓄電素子として、従来は、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、鉛蓄電池、ニッケル・カドミウム電池などの化学反応を利用する二次電池が使用されてきた。しかし、これらの二次電池は、充放電の繰り返しによる特性の劣化が早く、充放電サイクル数(寿命)に制限があった。また、充電所要時間が長く、上記エネルギー回生などで要求されるような急速充電は無理であった。つまり、充放電特性に問題があった。
充放電特性に注目するならば、上記二次電池よりも、電気二重層キャパシタが適している。電気二重層キャパシタは、電極に形成されるイオンの物理吸着層(電気二重層)に電荷を蓄えるものであって、原理的に電気化学反応を使用しないため、無保守、長寿命であるとともに、充放電への応答が速く、急速充放電が可能である。しかし、電気二重層キャパシタは、キャパシタとしては非常に大きな容量(静電容量)を持つことができるが、充放電可能な電気容量はリチウムイオン二次電池などに比べて、かなり見劣りする。つまり、エネルギー密度が低いという弱点があった。
この電気二重層キャパシタのエネルギー密度を向上させる手法としては、セル電圧を高めることが有効である。キャパシタの蓄電エネルギーは充電電圧の二乗に比例するので、セル電圧を高めることはエネルギー密度の向上に大きく寄与することができる。
電気二重層キャパシタのセル電圧を高める手段としては、負極に金属リチウムもしくはリチウムイオンをあらかじめ吸蔵(リチウムプレドープ)させた電極材を用いる。この電極材の主材料としては、たとえば炭素材料が検討されている。
負極にリチウムイオンを予備吸蔵させることにより、負極の電位をより低いリチウム電位にすることができるため、セル電圧を高めることができる。この高いセル電圧が充電初期(あるいは放電末期)から充電末期(あるいは放電初期)の全範囲にわたって得られるようにするためには、上記予備吸蔵を確実に行う必要がある。
負極にリチウムイオンを予備吸蔵させて充放電使用する蓄電素子については、従来から種々の構成が提案されているが、電極体については、正極と負極の対向面積を大きく確保するために、図7の(a)に示すように、正極21と負極23をその間にセパレータ22を挟みながら積層させた層状構造の電極体20が提案されている。
このため、正極21と負極23はそれぞれシート状に形成される。シート状の正極21は、イオンの吸脱着が可能な正極材211を金属箔等のシート状集電体212に塗布等の方法で層状に添着することにより作製される。同様に、シート状の負極23は、電解質カチオンであるリチウムイオンの吸蔵・放出が可能な負極材231を金属箔等のシート状集電体232に塗布等の方法で層状に添着することにより作製される。
各層の正極21および負極23はそれぞれ、集電体212,232の一部に形成された導電リード部213,233を介してセル端子(図示省略)に接続される。
負極23の作製に際しては、図7の(b)に示すように、集電体232の縁部に沿って負極材231を添着しない余白部236を設け、そこに予備吸蔵用の金属リチウム(リチウム金属箔)41を貼着することが行われていた(特許文献1,2参照)。
特開2000−21392 特開平9−147835
しかしながら、上述した従来の蓄電素子では、次のような問題のあることが本発明者らにより明らかとされた。
上述した従来の構成では、予備吸蔵用の金属リチウムが負極電極面の外に位置する余白部に貼着されている。この構成だと、金属リチウムから電解液に溶出したリチウムイオンの電極面内での拡散距離が長くなるため、負極電極面全体にリチウムイオンを一様に吸蔵させるには、非常に長い待ち時間が必要となる。この待ち時間は、いわゆるエージング期間として工程時間に加算されるため、生産効率の低下およびコスト増の原因となる。
産業用途で求められる高出力化に対しては、電極面積のサイズを大型化するなどの手法が有効であるが、電極面積の大型化は、電極面内でのリチウムイオンの移動距離を長くするため、負極電極面全体にリチウムイオンを一様に吸蔵させるには、さらに長時間のエージングが必要となる。
また、電極面積の大型化は、電極全体への電解液の円滑あるいは均一な供給を妨げる原因にもなる。電極全体への電解液の供給に偏りや滞りが生じると、リチウムイオンの吸蔵に支障が生じるほかに、セルの出力特性や寿命などにも悪影響が生じる。この悪影響はとくに、シート状の正極と負極を、セパレータを介して対向させる層状構造の電極体において顕在化しやすい。
本発明は以上のような問題を解決するものであって、その目的は、負極にリチウムイオンを予備吸蔵させて充放電使用する蓄電素子において、そのリチウム予備吸蔵時間の短縮化による生産効率の向上と低コスト化を可能にし、さらに、電極全体に対する電解液の供給を円滑化あるいは均一化させて、素子の高出力化および長寿命化にも有効な技術を提供することにある。
本発明の上記以外の目的および構成については、本明細書の記述および添付図面にてあきらかにする。
本発明が提供する解決手段は以下のとおりである。
(1)負極にリチウムイオンを予備吸蔵させて充放電使用する蓄電素子であって、
リチウムイオンもしくはアニオンを可逆的に担持可能な物質からなる正極材がシート状集電体上に層状に添着された正極と、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な負極材がシート状集電体上に層状に添着された負極とがセパレータを介して対向するように配置されて電極体が形成されているとともに前記電極体がリチウム塩を含んだ電解液とともに素子容器内に密閉収容されてなり
前記正極と対向する前記負極の電極面内に、前記負極材が添着されていない部分的な空白領域が少なくとも1個所以上に形成されているとともに、当該空白領域に予備吸蔵用の金属リチウムが貼着され
前記空白領域は、前記電解液の注液方向に延長しつつ、端部に当該注液方向に対向する開口部が形成されている、
ことを特徴とする蓄電素子。
(2)上記手段(1)において、上記正極は、上記負極の空白領域にセパレータを介して少なくとも部分的に対向する部位に、正極材が添着されていない部分的な空白領域が形成されていることを特徴とする蓄電素子。
(3)上記手段(1)または(2)において、正極と負極がセパレータを挟みながら順次積層された多層構造の電極体を備えたことを特徴とする蓄電素子。
(4)上記手段(1)または(2)において、正極と負極がセパレータを挟みながら巻回された筒状の電極体を備えたことを特徴とする蓄電素子。
(5)リチウムイオンもしくはアニオンを可逆的に担持可能な物質からなる正極と、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な負極を、リチウム塩を含んだ電解液中にてセパレータを介して対向させるとともに、上記負極にリチウムイオンを予備吸蔵させた蓄電素子の製造方法であって、上記手段(1)〜(4)のいずれかに記載の構成を用いて上記予備吸蔵を行わせることを特徴とする蓄電素子の製造方法。
負極にリチウムイオンを予備吸蔵させて充放電使用する蓄電素子において、そのリチウム予備吸蔵時間の短縮化による生産効率の向上と低コスト化を可能にし、さらに、電極全体に対する電解液の供給を円滑化あるいは均一化させて、素子の高出力化および長寿命化も可能にする。
上記以外の作用/効果については、本明細書の記述および添付図面にてあきらかにする。
図1および図2は、本発明による蓄電素子の第1実施形態を示す。図1は本発明の要部をなす負極23の実施形態を示し、図2はその負極23を用いた蓄電素子10を示す。図1において、(a)は負極23の平面図、(b)はその分解斜視図をそれぞれ示す。また、図2において、(a)は蓄電素子10の正面断面図、(b)はその側面断面図をそれぞれ示す。
図1および図2において、負極23は、電解質カチオンであるリチウムイオンの吸蔵・放出が可能な負極材231が、金属箔からなるシート状集電体232の両面に、塗布により層状に添着されて全体がシート状に作製されている。
正極21は、リチウムイオンもしくは電解質アニオンを可逆的に担持可能な物質からなる正極材211が、金属箔からなるシート状集電体212上に層状に添着されて全体がシート状に作製されている。なお、可逆的な担持は、吸着あるいは吸蔵等によって行われる。
正極21と負極23はセパレータ22を挟みながら順次積層されて多層構造をなす矩形平型の電極体20を構成する。この電極体20は、リチウム塩を含む非水電解液24とともに素子容器11に密閉収容されている。
集電体212,232にはそれぞれ外部端子との接続をなすために、電極材211,231が塗布されていない導電リード部213,233が、電極体20の側方へはみ出すように設けられている。正極集電体212の導電リード部213は互いに共通接続されて正極端子31に溶接接続されている。同様に、負極集電体232の導電リード部233は互いに共通接続されて負極端子33に溶接接続されている。正極端子31および負極端子33はそれぞれ、素子容器11の密閉状態を保ちながらその素子容器11の内外に跨って設置されている。
素子容器11は、電解液24を含む蓄電素子10の構成要素を安定に密閉収容できるものであればとくに限定されないが、この実施形態では、アルミニウム・ラミネートフィルム等の気密性軟包装材を融着等により矩形袋状に加工したソフト容器が使用されている。上記電極体20は電解液24とともに、このソフト容器に包装および封入されている。
上記構成に加えて、この実施形態の蓄電素子10では、図1に示すように、正極21と対向する負極23の電極面内に、負極材231が添着されていない部分的な空白領域234が形成されている。この空白領域234は、負極材231を選択的に塗布しないことにより、あるいはいったん塗布した負極材231を剥ぎ取ることによって形成される。この空白領域234では、下地である集電体232の表面が露出している。
上記空白領域234は、負極23の電極面を左右に等分する中央位置にて、電解液の注液方向(矢印)を向く直線帯状の溝として形成され、その一端部(図では上端部)は電解液の注液方向を向く開口部235を形成している。
上記空白領域234には予備吸蔵用の金属リチウム(リチウム金属箔)41が設置されている。この場合、金属リチウム41は空白領域234の底面をなす集電体232面に貼着され、負極23と完全に電気接続される。
上記構成によれば、予備吸蔵用のリチウムイオン源である金属リチウム41が負極23の電極面内に貼着されていることにより、その金属リチウム41から電解液中に溶出したリチウムイオンは、短い拡散距離で負極電極面全体に移動して一様に吸蔵されるようになる。これにより、リチウム予備吸蔵時間の短縮化による生産効率の向上と低コスト化が可能になる。
さらに、上記空白領域234は電極面内における電解液の流通路および貯留部としても作用し、電極面積が大型化された場合でも、電極全体への電解液の円滑あるいは均一な供給を促進するという効果をもたらす。このことは、リチウム予備吸蔵を促進するほか、蓄電素子の高出力化および長寿命化にも非常に有効である。
この場合、図1に示すように、上記空白領域234の端部が電解液の注液方向(矢印)に対して開口部235を形成していると、注液された電解液がその開口部235から電極面内の空白領域234に流入しやすくなって上記効果が一層高められる。
空白領域234に貼着する金属リチウム41の量は、負極23が可逆的に担持することができるリチウム量の10%以上が望ましい。これ未満だと、予備吸蔵されるリチウム量が少なくなって、充電初期または放電末期に負極電位がリチウム電位よりも少なからず高くなってしまうことがある。
図3は、本発明による蓄電素子の第2実施形態を示す。同図は本発明に係る蓄電素子の要部を示したものであって、(a)は正極21の平面図、(b)は負極23の平面図、(c)は電極体20の要部断面図をそれぞれ示す。
上記第1実施形態との相違に着目して説明すると、同図に示す第2実施形態では、正極21の電極面内にも空白領域214が形成されている。この正極21側の空白領域214は、負極23側のそれと同様、正極材211を選択的に塗布しないことにより、あるいはいったん塗布した正極材211を剥ぎ取ることによって形成される。この空白領域214でも、下地である集電体212の表面が露出しているが、金属リチウムは設置されていない。
正極21側の空白領域214は、セパレータ22を介して負極23側の空白領域234に重なり合って対向するように形成されている。2つの空白領域214,234が重なり合って電解液の流通路および貯留部を形成することにより、電極全体への電解液の供給はさらに円滑かつ均一に行われるようになる。この結果、リチウム予備吸蔵時間はさらに短縮化され、蓄電素子の高出力化および長寿命化もさらに効果的に達成されるようになる。
図4は、本発明による蓄電素子の第3実施形態を示す。同図は本発明に係る蓄電素子の要部を示したものであって、(a)は正極21の平面図、(b)は負極23の平面図をそれぞれ示す。
上記第2実施形態との相違に着目して説明すると、同図に示す第3実施形態では、正極21側と負極23側にそれぞれ空白領域214,234が形成されているが、両空白領域214,215は互いに異なるパターンで形成されていて、そのパターンの一部だけが対向するようになっている。
この実施形態では、正極21と負極23の両空白領域214,234が電極面内に大きく広がって形成されるので、電極面内でのリチウムイオンの拡散距離を短くして、予備吸蔵時間をさらに短縮させることができる。これとともに、電極全体への電解液の供給を均一かつ円滑化する効果を高めて、蓄電素子をさらに高出力化および長寿命化させることができる。
図5は、本発明による蓄電素子の第4実施形態を示す。同図は本発明に係る蓄電素子の要部を示したものであって、(a)は正極21の平面図、(b)は負極23の平面図、(c)は正極21と負極23を重ね合わせた状態をそれぞれ示す。
上記第3実施形態との相違に着目して説明すると、同図に示す第4実施形態では、正極21側の空白領域214と負極23側の空白領域234がそれぞれ複数に分割されて形成されるとともに、その空白領域214,234が電極面内にほぼ均等に分布するように配置されている。
両空白領域214,234は互いに部分的に対向するとともに、一方の空白領域234(または214)の間を他方の空白領域214(または234)が架橋するような位置関係で配置されている。これにより、正極21側の空白領域214および負極23側の空白領域234はそれぞれに孤立して形成されているが、全体としては連続した電解液の流通路および貯留部を形成するようになっている。
これにより、電極面内でのリチウムイオンの拡散距離をさらに短くし、リチウム予備吸蔵時間をさらに短縮させることができる。これとともに、電極全体への電解液の供給を均一かつ円滑化する効果をさらに高めて、蓄電素子の高出力化および長寿命化にも大きく寄与することができる。
図6は、本発明による蓄電素子の第5実施形態を示す。上述した実施形態では、正極21と負極23がセパレータ22を挟みながら順次積層された多層構造の電極体20を形成していたが、本発明は、同図に示すように、正極21と負極23がセパレータ22を挟みながら巻回された筒状の電極体20を有する蓄電素子10にも好適に適用することができる。
上記実施形態との相違に着目して説明すると、同図に示す蓄電素子10は、正極21、セパレータ22、負極23がスパイラル状に巻回されて筒状の電極体20を形成し、この電極体20が有底円筒状の金属缶からなる素子容器11に同軸状に収容されている。
正極21および負極23は上記実施形態のものと同様、金属箔を用いた集電体212,232に電極材211,231を塗布等により層状に添着して形成される。正極21および負極23の電極面内にはそれぞれ、上記実施形態と同様、空白領域(図示省略)が設置されている。そして、負極23側の空白領域には金属リチウム(図示省略)が貼着されている。
素子容器11の開口部は、正極端子板31、導電封口板33、導電固定板34、および樹脂製封口ガスケット38からなる封口体30によって気密封止されている。正極端子板31は皿状またはハット状の金属部品であって、外側面が正極端子面をなし、周縁部が導電封口板33に着座して導電接触している。導電封口板33は円盤状の金属部品であって、正極端子板31と導電固定板34の間に介在して両者31,34間を電気接続するとともに、両者31,34間を気密隔離する。この導電封口板33は、素子容器11の内圧が異常上昇したときに破裂することにより、その内圧を逃がす安全弁として動作する。
導電固定板34は皿状の金属部品であって、上記電極体20の正極集電体212に導電リード35を介して電気接続するとともに、その周縁部が正極端子板31と導電固定板34の周縁部を包み込んだ状態で内方に折り返されている。これにより、正極端子板31、導電封口板33、導電固定板34は互いに導電状態で集合・一体化されている。
封口ガスケット38は、導電固定板34の周縁部と素子容器11の開口部との間に介在するとともに、その素子容器11に形成したビード部とかしめ加工部の間に被圧縮状態で挟持されることにより、素子容器11内を気密封止している。
この巻回型の電極体20では、リチウムイオンの拡散距離が長くなって、リチウムイオンを予備吸蔵させるのに長時間を要するとともに、電極全体への電解液の供給も円滑あるいは均一に行われにくいという問題がとくに顕著に生じる。しかし、少なくとも負極23の電極面内に上記空白領域を設置するとともに、負極23側の空白領域に金属リチウムを設置することにより、リチウムイオンの拡散距離を短くして予備吸蔵時間を短縮させることができるとともに、電極全体への電解液の供給を均一かつ円滑化にして、蓄電素子を高出力化および長寿命化させることができる。
以下、本発明の具体的実施例を示す。
<実施例>
正極の作製:
正極の主材料である炭素粉末と、結着剤であるカルボキシメチルセルロース(第一工業薬品(株)製「セロゲン4H」)を、97:3の重量比で混合する。この混合体にイオン交換水を加えてペースト状にした後、集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に塗布する。これに乾燥および圧延操作を行った後、所定形状に切断してシート状の正極を作製した。さらに、作製した正極の電極面中央にて、上記塗布により添着された電極材を直線帯状に剥ぎ取り、図3(a)に示したような空白領域を形成した。この空白領域とは別に、集電体の端部には、電極材が塗布されていない導電リード部を形成した。
負極の作製:
負極の主材料である難黒鉛化性炭素材料(呉羽化学(株)製「PIC」)と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学(株)製「KF#1100」)を、95:5の重量比で混合する。これに、溶剤としてN−メチル−2−ピロリジノンを加えてペースト状の合剤を調製した。この合剤を、集電体となる厚さ14μmの銅箔の両面に塗布した。これに乾燥および圧延操作を行った後、所定形状に切断してシート状の負極を作製した。
さらに、作製した負極の電極面中央にて、上記塗布により添着された電極材を直線帯状に剥ぎ取り、図3(b)に示したような空白領域を形成した。この空白領域に、所定寸法に切り出した金属リチウム(リチウム金属箔)を貼着した。この空白領域とは別に、集電体の端部には、電極材が塗布されていない導電リード部を形成した。
蓄電素子の作製:
上記正極と上記負極をそれぞれの空白領域がポリオレフィン系セパレータを介して対向するように複数ペア積層して、図3(c)に示したような電極体を形成した。この電極体をアルミニウム・ラミネートフィルム製の外装ケースに収容する。そして、正極の導電リード部および負極の導電リード部をそれぞれ束ねて正極端子および負極端子に溶接した。
この後、外装ケース内に電解液を注入し、外装ケースの素材であるラミネートフイルムを熱融着することにより、外装ケースを密閉した。
<従来例>
基本的な構成は上記実施例と同じであるが、電極面内には上記空白領域を設けず、代わりに、集電体の縁端部に電極材が添着されていない余白領域を設け、この余白領域に金属リチウムを貼着した(図7参照)。
<試験>
実施例の蓄電素子と従来例の蓄電素子をそれぞれ作製した後、25℃の環境下で100時間保存(エージング)した。この保存中にリチウムイオンの予備吸蔵が進行するが、予備吸蔵の進行にともない、負極電位がリチウム電位に向けて低下することにより、正極端子と負極端子間に現れるセル電圧が上昇する。したがって、保存後のセル電圧によって予備吸蔵の進行度を評価することができる。
この保存後のセル電圧を測定したところ、従来例の蓄電素子ではセル電圧が2.25Vであったのに対し、実施例の蓄電素子ではセル電圧が2.65Vに達した。このことから、実施例の蓄電素子は、リチウム予備吸蔵時間を短縮化する効果が顕著に現れていることが確認できた。
以上、本発明をその代表的な実施例に基づいて説明したが、本発明は上述した以外にも種々の態様が可能である。
負極にリチウムイオンを予備吸蔵させて充放電使用する蓄電素子において、リチウムイオンの予備吸蔵時間の短縮化による生産効率の向上と低コスト化を可能にし、さらに、電極全体に対する電解液の供給を円滑化あるいは均一化させることにより、素子の高出力化および長寿命化も可能にする。
本発明による蓄電素子の第1実施形態を示す要部平面図とその分解斜視図である。 本発明による蓄電素子の第1実施形態を示す断面図である。 本発明による蓄電素子の第2実施形態を示す要部平面図および要部断面図である。 本発明による蓄電素子の第3実施形態を示す要部平面図である。 本発明による蓄電素子の第4実施形態を示す要部平面図である。 本発明による蓄電素子の第5実施形態を示す断面図である。 従来の蓄電素子の構成例を示す要部断面図および要部平面図である。
符号の説明
10 蓄電素子
11 素子容器
20 電極体
21 正極
211 正極材
212 正極側集電体
22 セパレータ
23 負極
231 負極材
232 負極側集電体
233 導電リード部
234 空白領域
235 開口部
24 電解液
30 封口体
31 正極端子
33 導電封口板
34 導電固定板
35 導電リード(正極側)
38 樹脂製封口ガスケット
41 金属リチウム

Claims (5)

  1. 負極にリチウムイオンを予備吸蔵させて充放電使用する蓄電素子であって、
    リチウムイオンもしくはアニオンを可逆的に担持可能な物質からなる正極材がシート状集電体上に層状に添着された正極と、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な負極材がシート状集電体上に層状に添着された負極とがセパレータを介して対向するように配置されて電極体が形成されているとともに前記電極体がリチウム塩を含んだ電解液とともに素子容器内に密閉収容されてなり
    前記正極と対向する前記負極の電極面内に、前記負極材が添着されていない部分的な空白領域が少なくとも1個所以上に形成されているとともに、当該空白領域に予備吸蔵用の金属リチウムが貼着され
    前記空白領域は、前記電解液の注液方向に延長しつつ、端部に当該注液方向に対向する開口部が形成されている、
    ことを特徴とする蓄電素子。
  2. 請求項1において、上記正極は、上記負極の空白領域にセパレータを介して少なくとも部分的に対向する部位に、正極材が添着されていない部分的な空白領域が形成されていることを特徴とする蓄電素子。
  3. 請求項1または2において、正極と負極がセパレータを挟みながら順次積層された多層構造の電極体を備えたことを特徴とする蓄電素子。
  4. 請求項1または2において、正極と負極がセパレータを挟みながら巻回された筒状の電極体を備えたことを特徴とする蓄電素子。
  5. リチウムイオンもしくはアニオンを可逆的に担持可能な物質からなる正極と、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な負極を、リチウム塩を含んだ電解液中にてセパレータを介して対向させるとともに、上記負極にリチウムイオンを予備吸蔵させた蓄電素子の製造方法であって、
    請求項1〜のいずれかに記載の構成を用いて上記予備吸蔵を行わせることを特徴とする蓄電素子の製造方法。
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