JP4877264B2 - バルントランス - Google Patents

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Description

本発明はバルントランスに関し、特に、ドラム型コアを用いたバルントランスに関する。
通常、アンテナなどに接続される伝送線路は不平衡伝送線路である一方、半導体ICなどの高周波回路に接続される伝送線路は平衡伝送線路である。このため、不平衡伝送線路と平衡伝送線路とを接続する場合、これらの間には不平衡信号及び平衡伝送線路を相互に変換するバルントランスが挿入される。ここで、不平衡信号とは固定電位(例えば接地電位)を基準としたシングルエンド型の信号を指し、平衡信号とは差動型の信号を指す。
バルントランスとしては、特許文献1に記載されているようにメガネ型コアを用いたタイプや、特許文献2に記載されているようにトロイダルコアを用いたタイプが一般的である。しかしながら、メガネ型コアやトロイダルコアを用いたバルントランスは、全体のサイズが比較的大型であるとともに、巻線の巻回作業の自動化や表面実装が困難であるという問題があった。
これに対し、特許文献3に記載されたドラム型コアを用いたバルントランスは、小型化が容易であるとともに、巻線の巻回作業の自動化や表面実装に適しているというメリットを有している。
特開平11−135330号公報 特開平8−115820号公報 特開2005−39446号公報
しかしながら、バルントランスの中には、1次巻線と2次巻線の巻回数が異なるタイプが存在する。このようなタイプのバルントランスにおいてドラム型コアを用いると、巻回方法によって特性が大きく変化するという問題があった。
つまり、1次巻線と2次巻線の巻回数が異なる場合、通常の方法、つまり巻回に伴う巻線の軸方向への移動量が一定となるような方法で巻回すると、1次巻線と2次巻線が非平行に巻回されることになる。その結果、1次巻線と2次巻線を平行に巻回した場合と比べて磁気結合が低下し、特に高周波領域における挿入損失が増大するという問題が生じてしまう。一方、1次巻線と2次巻線を平行に巻回すると、巻回数の相違によって、巻回数の少ない側の巻線(例えば1次巻線)が巻回数の多い側の巻線(例えば2次巻線)の一部分にまとめて巻回されることになる。この場合、不均等な巻回によって磁気バランスが著しく低下し、各種特性が大きく悪化してしまう。
したがって、本発明は、ドラム型コアを用いたバルントランスであって、1次巻線と2次巻線の巻回数が異なるタイプのバルントランスの特性を改善することを目的とする。
本発明によるバルントランスは、巻芯部及び巻芯部の両端に設けられた一対の鍔部を有するドラム型コアと、鍔部に設けられた複数の端子電極と、巻芯部に巻回され両端が端子電極に接続された第1及び第2の巻線とを備え、第1の巻線の巻回数よりも第2の巻線の巻回数の方が多く、第1の巻線は、第2の巻線に沿って平行に巻回される平行巻回部と、第2の巻線と交差するように巻回される交差巻回部とを有し、平行巻回部の方が交差巻回部よりも長いことを特徴とする。
本発明によれば、交差巻回部よりも平行巻回部の方が長く設定されていることから、交差巻回部にて生じる磁気結合の低下を抑制しつつ、第1及び第2の巻線の不均等な巻回によって生じる磁気バランスの低下を抑制することが可能となる。その結果、特に高域における挿入損失を低減することが可能となる。尚、本発明における「第1の巻線」及び「第2の巻線」は、1次側及び2次側を定めるものではない。また、いずれの巻線が不平衡伝送線路又は平衡伝送線路に接続されるかも問わない。
本発明においては、巻芯部のうち第2の巻線が巻回されたエリアにおいて第1の巻線がほぼ均等に巻回されていることが好ましい。これによれば、第1の巻線が第2の巻線に対してほぼ均等に巻回されることから、高い磁気バランスを得ることが可能となる。
本発明においては、第1の巻線が巻芯部の外周側に巻回され、第2の巻線が巻芯部の内周側に巻回されていることが好ましい。本発明によれば、巻回数の多い第2の巻線の上に巻回数の少ない第1の巻線が巻回されることから、先に巻回された第2の巻線が第1の巻線を巻回する際のガイドとなる。このため、安定した巻回作業を行うことが可能となる。
この場合、第1の巻線の平行巻回部は、内周側に巻回された第2の巻線により形成される谷線に沿って巻回されていることが好ましい。これによれば、平行巻回部を確実に第2の巻線と平行に巻回することが可能となる。
本発明においては、第1の巻線が交差巻回部を複数有しており、交差巻回部の数が第1の巻線の巻回数と等しいことが好ましい。これによれば、第1の巻線の均等性が高まることから、良好な磁気バランスを得ることが可能となる。この場合、第1の巻線は複数の交差巻回部が周期的に出現するよう巻回されていることが好ましい。これによれば、第1の巻線の均等性がより高まることから、より良好な磁気バランスを得ることが可能となる。
本発明においては、巻芯部の径方向における断面が多角形であり、これにより巻芯部の表面には軸方向に延在する複数の角部が存在し、平行巻回部と交差巻回部の境界が角部に位置していることが好ましい。これによれば、平行巻回部と交差巻回部の境界が巻芯部の角部に固定されるため、安定した特性を得ることが可能となる。
この場合、平行巻回部から交差巻回部に変化する第1の境界と、交差巻回部から平行巻回部に変化する第2の境界とを含み、巻芯部の表面に形成された複数の角部のうち、第1の境界が位置する第1の角部と、第2の境界が位置する第2の角部は、周方向に隣接していることが好ましい。これによれば、交差巻回部の長さをより短く設定することが可能となる。特に、多角形を構成する辺のうち、第1及び第2の角部間に位置する辺は、他の辺の少なくとも一つよりも短い辺であることが好ましい。これによれば、交差巻回部の長さをよりいっそう短く設定することが可能となる。
このように、本発明によれば、交差巻回部にて生じる磁気結合の低下が抑制されるとともに、第1及び第2の巻線の不均等な巻回によって生じる磁気バランスの低下が抑制されることから、ドラム型コアを用いたバルントランスの各種特性が改善され、特に高域における挿入損失を低減することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるバルントランスの外観を示す略斜視図である。また、図2は、本実施形態によるバルントランスを実装面側から見た略底面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態によるバルントランス100は、ドラム型コア110と、板状コア120と、2本の巻線131,132によって構成されている。ドラム型コア110は、巻芯部111と、巻芯部111の両端に設けられた一対の鍔部112,113とを有している。一方の鍔部112には2つの端子電極141,142が設けられており、他方の鍔部113には2つの端子電極143,144が設けられている。
板状コア120は、ドラム型コア110の鍔部112,113の上部を連結するように配置されている。本発明において板状コア120を用いることは必須でないが、板状コア120を用いることによって閉磁路を形成すれば、高い磁気結合を得ることが可能となる。ドラム型コア110及び板状コア120は磁性材料からなり、特に限定されないが、NiZn系フェライト材料を用いることが好ましい。NiZn系フェライトは透磁率が比較的高いだけでなく、導電性が低いことから端子電極を直接形成することができるからである。但し、端子電極が形成されない板状コア120については、より透磁率の高いMgZn系フェライト材料を用いることも可能である。
図2に示すように、2本の巻線131,132はいずれも矢印Aに向かって時計回り(右回り)に巻回されている。図3は、巻線131,132と端子電極141〜144との接続関係を説明するための模式図である。図3に示すように、巻線131の一端131aは端子電極141に接続され、他端131bは端子電極143に接続されている。本実施形態においては、巻線131の巻回数は6ターンである。また、巻線132の一端132aは端子電極142に接続され、他端132bは端子電極144に接続されている。本実施形態においては、巻線132の巻回数は14ターンである。このように、本実施形態では、巻線132の方が巻線131よりも巻回数が多い。
図4は、本実施形態によるバルントランス100の等価回路図である。
図4に示すように、本実施形態によるバルントランス100は、1次側端子Pとグランド端子GNDとの間に接続された1次巻線L1と、2次側正極端子STと2次側負極端子SBとの間に接続された2次巻線L2によって構成される。本実施形態においては、巻線131が1次巻線L1を構成し、巻線132が2次巻線L2を構成している。したがって、端子電極141が1次側端子Pとして用いられ、端子電極142,144がそれぞれ2次側正極端子ST及び2次側負極端子SBとして用いられ、端子電極143がグランド端子GNDとして用いられる。但し、1次側と2次側を上記の逆として使用しても構わない。
図5は、ドラム型コア110の巻芯部111の径方向における断面図である。
図5に示すように、巻芯部111の径方向における断面は略長方形である。したがって、巻芯部111は、長辺(長さL1)を構成する巻回面111a,111bと、短辺(長さL2)を構成する巻回面111c,111dを有している。かかる形状により、巻芯部111の表面には軸方向に延在する4つの角部111ac,111bc,111ad,111bdが存在することになる。但し、角部はある程度の丸みを帯びていても構わない。
図6は、ドラム型コア110の巻芯部111の展開図である。図7は、図6に示すB−B線に沿った略断面図である。
図6においては、内周側(すなわち下層側)に巻回された巻線132が破線で示されており、外周側(すなわち上層側)に巻回された巻線131が実線で示されている。見やすさを考慮して、巻線131にはハッチングを施してある。また、図6に示すエリアCは、巻芯部111のうち巻線132が巻回されているエリアである。
図6に示すように、内周側に位置する巻線132は、巻芯部111のエリアCにてほぼ隙間なく密に巻回されている。このため、巻芯部111に巻回された巻線132の表面には、図7に示すように、巻線132によって形成される谷線132xが形成される。当然ながら、この谷線132xは巻線132と平行である。
外周側に巻回される巻線131は、図6に示すように、巻回面111a,111b,111dにおいては谷線132xに沿って巻回されている。これにより、巻線131のうち巻回面111a,111b,111dに巻回された部分は、巻線132に沿って平行に巻回された平行巻回部131xを構成する。これに対し、巻回面111cに巻回された部分、つまり、隣接する2つの角部111ac,111bc間に巻回された部分は、巻線131が巻線132と交差する交差巻回部131yを構成する。したがって、巻線131は一端131aから他端131bに向かって、角部111acにおいて平行巻回部131xから交差巻回部131yに変化し、角部111bcにおいて交差巻回部131yから平行巻回部131xに変化することになる。
このような交差巻回部131yを設けているのは、巻線131の巻数(6ターン)が巻線132の巻数(14ターン)よりも少ないからである。つまり、このような交差巻回部131yを設けることなく、巻線131の全体を平行巻回部131xとすると、図8に示すようにエリアCの片側だけ(或いは中央の一部分だけ)に巻線131が集中し、磁気バランスが著しく低下してしまう。これに対し、平行巻回部131xの他に交差巻回部131yを設ければ、図6に示すようにエリアCにて巻線131をほぼ均等に巻回することが可能となる。
尚、交差巻回部131yを設ける場合であってもその数が著しく少ないと、図9に示すように、エリアCにおける巻線131の均等性が低下してしまう。図9に示す例は、交差巻回部131yの数を1箇所だけとした例である。このような場合、良好な磁気バランスを得ることが困難となることから、交差巻回部131yの数はある程度多いことが望ましく、特に交差巻回部131yが周期的に出現するよう巻回することがより望ましい。特に限定されるものではないが、交差巻回部131yの数は、当該巻線131の巻回数と一致していることが好ましい。本実施形態においては、図6に示すように、交差巻回部131yの数(6箇所)が巻回数(6ターン)と一致しており、且つ、交差巻回部131yが周期的に出現する理想的なパターンである。
他方、図10に示すように、平行巻回部131xを設けることなく巻線131の全体を交差巻回部131yとすると、巻線131と巻線132が互いに平行となる部分が無くなってしまい、全体的に磁気結合が低下してしまう。これに対し、本実施形態のように平行巻回部131xと交差巻回部131yを混在させれば、エリアCにて巻線131をほぼ均等に巻回しつつ、高い磁気結合を確保することが可能となる。
このように、本実施形態においては、巻線131のうち、巻回面111a,111b,111dに巻回された部分が平行巻回部131xを構成し、巻回面111cに巻回された部分が交差巻回部131yを構成している。ここで、図5に示したように、巻回面111a,111bの周方向における長さをL1とし、巻回面111c,111dの周方向における長さをL2とすれば、1ターン分の巻線131のうち、平行巻回部131xの長さは2×L1+L2で定義され、交差巻回部131yの長さはL2で定義される(但し、内周側に巻回されている巻線132の径については無視している)。したがって、平行巻回部131xの方が交差巻回部131yよりも必ず長くなる。
特に、本実施形態においては、巻線131のうち交差巻回部131yが1つの巻回面111cにのみ位置しており、しかもこの巻回面111cは、周方向における長さの短い短辺側の面であることから、平行巻回部131xの長さに対して交差巻回部131yの長さを非常に短くすることが可能となる。
このように、本実施形態によるバルントランス100は、巻回数の少ない巻線131を平行巻回部131xと交差巻回部131yによって構成し、平行巻回部131xが交差巻回部131yよりも長くなるように巻回されていることから、交差巻回部131yにて生じる磁気結合の低下を抑制しつつ、巻線131,132の不均等な巻回によって生じる磁気バランスの低下を抑制することが可能となる。その結果、特に高域における挿入損失を低減することが可能となる。
しかも、巻芯部111のうち巻線132が巻回されたエリアCにおいて巻線131がほぼ均等に巻回されていることから、高い磁気バランスを得ることが可能となる。また、巻回数の少ない巻線131が巻芯部111の外周側に巻回され、巻回数の多い巻線132が巻芯部111の内周側に巻回されていることから、巻線132によって形成される谷線132xをガイドとして巻線131を巻回することが可能となる。しかも、谷線132xに沿って巻回された部分は平行巻回部131xとなり、確実に巻線132と平行に巻回することが可能となる。
さらに、本実施形態においては、4つの巻回面111a〜111dのうち、短辺側となる1つの巻回面111cにのみ交差巻回部131yが位置していることから、平行巻回部131xの長さに対して交差巻回部131yの長さを非常に短くすることが可能となる。
尚、上記実施形態では、図6に示したように、交差巻回部131yが巻回面111cにのみ位置しているが、図11に示すように、交差巻回部131yを巻回面111c,111dに交互に位置させても構わない。図11に示す例においても、交差巻回部131yの数(6箇所)が巻回数(6ターン)と一致しており、且つ、交差巻回部131yが周期的に出現することから、良好な特性を得ることが可能である。
また、巻線131,132の巻回数の差が大きい場合には、図12に示すように長辺側である巻回面111bに交差巻回部131yを位置させても構わない。図12に示す例では、巻線131が4ターン、巻線132が14ターンである。
長辺側である巻回面111bに交差巻回部131yを位置させた場合、交差巻回部131yの長さがやや長くなるが、平行巻回部131xと交差巻回部131yとの境界となる角部111bc,111bdにおいて巻線131に加わるストレスを緩和することができる。つまり、巻線131,132の巻回数の差が大きい場合、交差巻回部131yにおいて巻線131と巻線132の成す角度が大きくなることから、平行巻回部131xと交差巻回部131yとの境界となる角部において巻線131に加わるストレスが大きくなる。これにより、巻線131の巻回位置がずれたり、場合によっては断線など信頼性を低下させる原因となるおそれがある。
このような場合、図12に示すように、交差巻回部131yを長辺側となる巻回面111bに配置すれば、交差巻回部131yにおける巻線131と巻線132のなす角度が小さくなることから、角部111bc,111bdにおいて巻線131に加わるストレスが緩和される。これにより、巻回位置のずれや、断線などの発生を防止することが可能となる。
次に、本発明の好ましい第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、図13に示すように、巻芯部211の径方向における断面が六角形である点において、第1の実施形態によるバルントランスと相違している。その他の点については第1の実施形態によるバルントランスと同一であることから、重複する説明は省略する。図13に示すように、本実施形態においては、巻芯部211が6つの巻回面211a〜211fを有しており、このうち、巻回面211a〜211dは長辺を構成し、巻回面211e,211fは短辺を構成している。
図14は、巻芯部211の展開図である。図14においても、内周側(すなわち下層側)に巻回された巻線132が破線で示されており、外周側(すなわち上層側)に巻回された巻線131が実線で示されている。
図14に示すように、本実施形態においても、内周側に位置する巻線132は巻芯部211のエリアCにてほぼ隙間なく密に巻回されている。外周側に巻回される巻線131は、巻回面211a〜211d,211fにおいては谷線に沿って巻回され、巻回面211eにおいては巻線132と交差するように巻回される。したがって、巻線131のうち、巻回面211a〜211d,211fに巻回された部分が平行巻回部131xを構成し、巻回面211eに巻回された部分が交差巻回部131yを構成することになる。
これにより、交差巻回部131yの長さをより短くすることができることから、第1の実施形態による効果に加え、より良好な特性を得ることが可能となる。
また、巻線131,132の巻回数の差が大きい場合には、図15に示すように2つの巻回面211c,211eに交差巻回部131yを位置させても構わない。図15に示す例では、巻線131が4ターン、巻線132が14ターンである。2つの巻回面211c,211eに交差巻回部131yを位置させた場合、交差巻回部131yの長さがやや長くなるが、図12を用いて説明したように、平行巻回部131xと交差巻回部131yとの境界となる角部において巻線131に加わるストレスを緩和することができる。
次に、本発明の好ましい第3の実施形態について説明する。
本実施形態は、図16に示すように、巻芯部311の径方向における断面が切り欠きを有する円形(本例では楕円形)である点において、第1の実施形態によるバルントランスと相違している。その他の点については第1の実施形態によるバルントランスと同一であることから、重複する説明は省略する。図16に示すように、本実施形態においては、巻芯部311が曲面である巻回面311aと平面である巻回面311bを有しており、これらの境界となる部分は角部311c,311dを構成する。
図17は、巻芯部311の展開図である。図17においても、内周側(すなわち下層側)に巻回された巻線132が破線で示されており、外周側(すなわち上層側)に巻回された巻線131が実線で示されている。
図17に示すように、本実施形態においても、内周側に位置する巻線132は巻芯部311のエリアCにてほぼ隙間なく密に巻回されている。外周側に巻回される巻線131は、巻回面311aにおいては谷線に沿って巻回され、巻回面311bにおいては巻線132と交差するように巻回される。したがって、巻線131のうち、巻回面311aに巻回された部分が平行巻回部131xを構成し、巻回面311bに巻回された部分が交差巻回部131yを構成することになる。
このように、巻芯部の大部分が曲面であっても、その一部を切り欠いた形状とすることによって2つの角部311c,311dを形成すれば、平行巻回部131xと交差巻回部131yの境界を巻芯部の角部に固定することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態においては、2次側にセンタータップが設けられていないが、センタータップを有するタイプのバルントランスに本発明を適用することも可能である。
また、上記各実施形態においては、平行巻回部131xと交差巻回部131yの境界を巻芯部の角部に固定しているが、平行巻回部131xと交差巻回部131yの境界を固定する方法としてはこれに限定されるものではない。例えば、巻回数の少ない側の巻線(上記の例では巻線131)のガイドとなる溝や突起などを巻芯部に形成しておき、これに沿って巻回数の少ない側の巻線を先に巻回しても構わない。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
まず、上述した第1の実施形態と同じ構造を有する実施例のバルントランスを用意した。既に説明したように、巻線131,132は図6に示した方法で巻回されている。一方、巻線131,132が図10に示した方法で巻回されている他は、実施例のバルントランスと同じ比較例のバルントランスを用意した。つまり、両者は巻線131の巻回方法が異なるのみであり、その他は全て同一である。尚、ドラム型コア及び板状コアの材料としては、いずれもNiZn系フェライトを用いた。
次に、実施例のバルントランス及び比較例のバルントランスについて、挿入損失の周波数特性を測定した。測定結果を図18に示す。
図18に示すように、実施例のバルントランスにおいては、高域に亘って挿入損失が小さく、良好な特性が得られた。これに対し、比較例のバルントランスにおいては、周波数が高くなるほど挿入損失の増大が顕著であった。
本発明の第1の実施形態によるバルントランス100の外観を示す略斜視図である。 バルントランス100を実装面側から見た略底面図である。 巻線131,132と端子電極141〜144との接続関係を説明するための模式図である。 バルントランス100の等価回路図である。 ドラム型コア110の巻芯部111の径方向における断面図である。 ドラム型コア110の巻芯部111の展開図である。 図6に示すB−B線に沿った略断面図である。 エリアCの片側だけに巻線131を集中させた例を示す図である。 交差巻回部131yの数を1箇所だけとした例を示す図である。 巻線131の全体を交差巻回部131yとした例を示す図である。 交差巻回部131yを巻回面111c,111dに交互に位置させた例を示す図である。 交差巻回部131yを巻回面111bに位置させた例を示す図である。 本発明の第2の実施形態における巻芯部211の径方向における断面図である。 巻芯部211の展開図である。 交差巻回部131yを巻回面211c,211eに亘って位置させた例を示す図である。 本発明の第3の実施形態における巻芯部311の径方向における断面図である。 の巻芯部311の展開図である。 挿入損失の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
100 バルントランス
110 ドラム型コア
111,211,311 巻芯部
111a〜111d,211a〜211f,311a,311b 巻回面
111ac,111bc,111ad,111bd,311c,311d 角部
112,113 鍔部
120 板状コア
131,132 巻線
131a,132a 巻線の一端
131b,132b 巻線の他端
131x 平行巻回部
131y 交差巻回部
132x 谷線
141〜144 端子電極
GND グランド端子
L1 1次巻線
L2 2次巻線
P 1次側端子
ST 2次側正極端子
SB 2次側負極端子

Claims (10)

  1. 巻芯部及び前記巻芯部の両端に設けられた一対の鍔部を有するドラム型コアと、前記一対の鍔部の一方に設けられた第1及び第2の端子電極と、前記一対の鍔部の他方に設けられた第3及び第4の端子電極と、前記巻芯部に巻回され、一端が前記第1の端子電極に、他端が前記第3の端子電極にそれぞれ接続された第1の巻線と、前記巻芯部に巻回され、一端が前記第2の端子電極に、他端が前記第4の端子電極にそれぞれ接続された第2の巻線とを備え、
    前記第1及び第2の巻線の一方が、対応する前記各端子電極を介して平衡伝送線路に接続され、前記第1及び第2の巻線の他方が、対応する前記各端子電極を介して不平衡伝送線路に接続され、
    前記第1の巻線の巻回数よりも前記第2の巻線の巻回数の方が多く、
    前記第1の巻線は、それぞれ前記第2の巻線に沿って平行に巻回される複数の平行巻回部と、それぞれ前記第2の巻線と交差するように巻回される複数の交差巻回部とを有し、前記複数の平行巻回部の総延長が前記複数の交差巻回部の総延長よりも長いことを特徴とするバルントランス。
  2. 前記巻芯部のうち前記第2の巻線が巻回されたエリアにおいては、前記第1の巻線がほぼ均等に巻回されていることを特徴とする請求項1に記載のバルントランス。
  3. 前記第1の巻線が前記巻芯部の外周側に巻回され、前記第2の巻線が前記巻芯部の内周側に巻回されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルントランス。
  4. 前記第1の巻線の前記平行巻回部は、前記内周側に巻回された前記第2の巻線により形成される谷線に沿って巻回されていることを特徴とする請求項3に記載のバルントランス。
  5. 記交差巻回部の数は前記第1の巻線の巻回数と等しいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のバルントランス。
  6. 前記第1の巻線は、前記複数の交差巻回部が周期的に出現するよう巻回されていることを特徴とする請求項5に記載のバルントランス。
  7. 前記第1の巻線の周回ごとに1つの前記交差巻回部が設けられ、前記複数の交差巻回部はそれぞれ、周方向の所定位置に配置されることを特徴とする請求項5又は6に記載のバルントランス。
  8. 前記巻芯部の径方向における断面が多角形であり、これにより前記巻芯部の表面には軸方向に延在する複数の角部が存在し、
    前記平行巻回部と前記交差巻回部の境界が前記角部に位置していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のバルントランス。
  9. 前記境界は、前記平行巻回部から前記交差巻回部に変化する第1の境界と、前記交差巻回部から前記平行巻回部に変化する第2の境界とを含み、
    前記巻芯部の表面に形成された複数の角部のうち、前記第1の境界が位置する第1の角部と、前記第2の境界が位置する第2の角部は、周方向に隣接していることを特徴とする請求項に記載のバルントランス。
  10. 前記多角形を構成する辺のうち、前記第1及び第2の角部間に位置する辺は、他の辺の少なくとも一つよりも短い辺であることを特徴とする請求項に記載のバルントランス。
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