JP4877144B2 - エピタキシャルウェハの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、サファイア基板上に窒化物半導体膜を成長させてなるエピタキシャルウェハ(以下「サファイア/窒化物エピウェハ」とも呼ぶ。)に関する。
窒化物半導体は、化学式AlInGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)で決定される3族窒化物からなる化合物半導体であって、例えば、GaN、InGaN、AlGaN、AlInGaN、AlN、InNなど、任意の組成のものが例示される。
サファイア/窒化物エピウェハの利用形態は様々である。例えば、青色発光ダイオードチップの生産においては、単結晶サファイア基板上にpn接合型の発光素子構造を備えた窒化物半導体膜が形成されたサファイア/窒化物エピウェハが、中間品として製造される。サファイア基板上にGaN膜を形成したサファイア/窒化物エピウェハであるテンプレートは、窒化物半導体デバイス(発光素子、受光素子、電子素子など)を製造するための基板として用いられる。サファイア基板上に厚さ数百μm以上のGaN膜を成長させたサファイア/窒化物エピウェハを作製し、その後、サファイア基板を取り除くことによってフリースタンディングのGaN単結晶を得ることができるが、こうして得られるGaN単結晶は、青紫色レーザダイオードの製造に用いられるGaN基板となる。
成長面に凹部及び凸部を設けたサファイア基板(以下「PSS(Patterned Sapphire Substrate)」ともいう)の上に、窒化物半導体膜を成長させてなるサファイア/窒化物エピウェハ(以下「PSS/窒化物エピウェハ」ともいう)が公知である(特許文献1、特許文献2)。特許文献1によれば、PSS/窒化物エピウェハは、PSSの成長面の凹部において、PSSと窒化物半導体膜との間に空洞が形成されるように製造すると、サファイアと窒化物半導体との間の格子不整合及び熱膨張係数差に起因して生じる応力が緩和されて、窒化物半導体膜中の結晶欠陥が低減されたものになる。また、そのように製造されたPSS/窒化物エピウェハは、上記空洞の存在によりPSSと窒化物半導体膜とが分離し易くなるので、GaN基板製造用のテンプレート(GaN単結晶の厚膜成長に用いる基板)として好適なものとなる。
特開2000−106455号公報 特開2000−331947号公報
PSSは、成長面に設ける凹部が浅いもの程、製造が容易となり、ひいては、製造コストも低くなる。しかしながら、成長面の凹部が浅いPSSを用いてPSS/窒化物エピウェハを製造しようとすると、該凹部が窒化物半導体で埋まり易くなり、PSSと窒化物半導体膜との間の空洞の形成が不完全となるという問題がある。この傾向は、該凹部を扁平な形状とした場合に、特に顕著となる。
このような事情から、凹部が浅く扁平であるPSSを用いた場合であっても、PSSと窒化物半導体膜との間に空洞を確実に形成することのできる、PSS/窒化物エピウェハの製造方法が求められている。
上記課題を解決するための好適な手段として、次の発明を開示する。
(1)成長面に凹部及び凸部が設けられており、該凹部が底面を有する凹部であり、該凸部が上面を有する凸部である、サファイア基板と、前記凸部の上部を起点として前記成長面を覆うように成長した窒化物半導体膜と、を有するエピタキシャルウェハの製造方法であって、前記成長面上にAlGa1−xN(0<x≦1)からなる低温バッファ層を、前記凹部の底面上と前記凸部の上面上とで当該低温バッファ層の成長速度および/またはAl組成xが異なるように成長させる工程と、この工程に続いて前記窒化物半導体膜を成長させる工程とを有し、前記窒化物半導体膜を成長させる工程の初期において、前記凹部の底面上における窒化物半導体の成長速度が、前記凸部の上面上における窒化物半導体の成長速度よりも小さくなるように、前記低温バッファ層の膜厚を設定する、ことを特徴とするエピタキシャルウェハの製造方法。
(2)x<1である、前記(1)に記載の製造方法。
(3)x≦0.8である、前記(2)に記載の製造方法。
(4)x≦0.5である、前記(3)に記載の製造方法。
(5)前記窒化物半導体膜を成長させる工程の初期において、前記凹部の底面上における窒化物半導体の成長が実質的に起こらなくなるように、前記低温バッファ層の膜厚を設定する、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)前記凹部の形状が扁平であり、その深さが0.5μm〜2μmである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)前記凹部がストライプ状に形成されており、その底面の幅をW、深さをDとしたとき、D/Wが5%〜50%である、前記(6)に記載の製造方法。
本発明にいう、窒化物半導体膜を成長させる工程の初期とは、サファイア基板の成長面に設けられた凸部の上部を起点として成長を始めた窒化物半導体が、空洞を残して、該成長面に設けられた凹部を覆うまでの時期をいう。
本発明の製造方法によれば、成長面に設けられた凹部が浅く扁平であるPSSを用いてPSS/窒化物エピウェハを製造する場合であっても、該凹部の位置においてPSSと窒化物半導体膜との間に空洞を確実に形成することができる。よって、本発明の製造方法を用いることにより、GaN基板製造用のテンプレートに適したPSS/窒化物エピウェハを、低コストで製造することが可能となる。
以下に、本発明者等が本発明をなすに至る過程で行った、いくつかの実験の結果を説明する。
(実験1)
最初に、低温GaNバッファ層を用いてPSS上にGaN膜を成長させて、PSS/窒化物エピウェハを作製した結果について述べる。
PSS/窒化物エピウェハの作製は、次の手順で行なった。
直径2インチ、厚さ400μmのC面サファイア基板の表面にフォトレジスト膜を形成し、フォトリソグラフィ技法を用いて、このフォトレジスト膜をライン&スペースのパターンに形成した。ライン及びスペースの長手方向はサファイアの[11−20]方向(基板上に成長する窒化物半導体結晶の[1−100]方向)とし、ライン幅を2.5μm、スペース幅を7.0μmとした。次に、このフォトレジスト膜をマスクとして、サファイア基板表面のフォトレジスト膜に覆われていない部分をエッチングして、深さ1.8μmのストライプ状の凹部(溝)を形成した。RIE(反応性イオンエッチング)法を用いることにより、形成された凹部は底面を有する扁平な形状となった。図1に示す断面図のように、凹部の開口部の幅をw1、凹部の底面の幅をw2とすると、w1は7.1μm〜7.3μm、w2は6.8μm〜7.0μmであった。エッチング後、リムーバ液を用いてフォトレジスト膜を除去した。
上記手順で得たPSSを常圧横型のMOCVD装置の成長炉内に設置し、水素気流中、1100℃に加熱して、表面のクリーニングを行った。次に、基板温度を500℃に下げ、原料としてトリメチルガリウム(TMG)とアンモニアを用い、キャリアガスには水素ガスと窒素ガスを用いて、低温GaNバッファ層を40nm成長させた。次に、TMGと水素ガスの供給を停止し、窒素ガスとアンモニアのみを成長炉内に供給しながら基板温度を1000℃に上げた。昇温後、原料としてTMGとアンモニアとビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)とを用い、キャリアガスとして水素ガスと窒素ガスを用いて、Mg添加GaN膜を2μmの厚さに成長させ、PSS/窒化物エピウェハを得た。
得られたウェハの断面を倍率5000倍でSEM観察すると、図2に断面図を示すように、GaN結晶2が、PSS1の凸部の上部と、凹部の底面上と、から成長していた。凸部の上部から成長したGaN結晶は、凹部上に張り出すようにラテラル成長しており、隣り合う凸部の上部から成長したGaN結晶どうしの合体により、GaN膜がPSSの成長面を覆う構造が形成されていた。
凸部の上部から成長したGaN結晶で形成されたGaN膜と、凹部の底面上に成長したGaN結晶との隙間は狭く、ところどころで、凹部の底面上に成長したGaN結晶とGaN膜とがつながっていた。つまり、PSSとGaN膜との間の空洞の形成は不完全であった。
(実験2)
次に、実験1で用いたPSSと同じ仕様のPSS上に低温バッファ層だけを成長させて、凹部の底面上と凸部の上面上とにおける、低温バッファ層の成長速度の違いを調べた結果について説明する。
低温バッファ層の成長速度は、倍率5000倍の断面SEM観察による厚さ測定が可能となる厚さまで低温バッファ層を成長させて、測定された厚さを成長に要した時間で除することにより求めた。
評価は、凹部の底面上における成長速度R1の、凸部の上面上における成長速度R2に対する比率R1/R2を比較することにより、行なった。
評価の結果、基板温度500℃で成長させた低温GaNバッファ層では、R1/R2は92%であった。一方、基板温度500℃で成長させた低温AlNバッファ層では、R1/R2は49%であった。また、凸部の上面上におけるGaNとAlNの成長速度比を元に、Al組成が80%となるように3族原料のTMGとトリメチルアルミニウム(TMA)の供給量を調節して、基板温度500℃で成長させた低温AlGa1−xN(x=0.8)バッファ層では、R1/R2は62%であった。同様の方法でAl組成が50%となるようにTMGとTMAの供給量を調節して、基板温度500℃で成長させた低温AlGa1−xN(x=0.5)バッファ層では、R1/R2は87%であった。
上記結果から、低温AlGa1−xNバッファ層の成長速度は、凹部の底面上において凸部の上面上よりも低くなること、また、その傾向はバッファ層のAl組成xを大きくする程強くなることが、分かった。なお、低温AlGa1−xN(0<x<1)バッファ層の場合、凹部の底面上に形成された部分と凸部の上面上に形成された部分とでは、Al組成xも異なっているものと考えられる。
次に、低温AlNバッファ層について、成長温度によるR1/R2の変化を調べたところ、基板温度400℃で成長させたときのR1/R2は73%、基板温度600℃で成長させたときのR1/R2は52%であった。このことから、低温AlNバッファ層のR1とR2の違いは成長温度が高い程大きくなるが、基板温度が500℃を超えると、この傾向は飽和することが分かった。本発明者等は、この結果から、低温AlGa1−xN(0<x<1)バッファ層においても類似した傾向が存在するであろうと推定した。
(実験3)
次に、PSSの成長面の凹部上と凸部上とで低温AlGa1−xNバッファ層の膜厚および/または組成(0<x<1の場合)が変化することを利用して、これらの部位におけるGaN結晶の成長の仕方が制御できるのではないかとの期待から、AlGa1−xN(x=0.8)バッファ層を用いてPSS/窒化物エピウェハの作製を行なった結果について述べる。
この実験では、まず、低温GaNバッファ層に代えて低温AlGa1−xN(x=0.8)バッファ層(厚さ35nm)を用いたこと以外は、実験1と同様にして、PSS/窒化物エピウェハを作製した。その結果、エピウェハに白濁して見える領域が発生するという問題が生じた。この白濁した領域は、ウェハの表面が鏡面となっておらず、断面SEM観察を行なったところによれば、PSSの凹部の側壁上からGaN結晶が成長しており、この結晶が、凸部の上部からラテラル方向に成長したGaN結晶どうしの合体を妨げていた。
次に、低温AlGa1−xN(x=0.8)バッファ層の厚さを15nm、50nm、100nmと変えたPSS/窒化物エピウェハを作製し、上記白濁の様子がどのように変化するかを調べた。その結果、低温バッファ層を厚くしたとき(50nm、100nm)には、ウェハ面内における白濁領域の割合は減少したものの、白濁することなく鏡面が得られた領域の断面をSEM観察すると、PSSの凹部がGaN結晶によって充填された状態となっていた。つまり、PSSとGaN膜との間には空洞が全く形成されていなかった。それに対して、低温AlGa1−xN(x=0.8)バッファ層の厚さを15nmとした場合には、白濁領域が更に広がる一方、鏡面が得られた領域では凹部底面上におけるGaNの成長が抑制されており、PSSとGaN膜との間には、厚さ35nmの低温AlGa1−xN(x=0.8)バッファ層を用いたときや、低温GaNバッファ層を用いたときと比較して、明らかに大きな空洞が形成されていた。
(実験4)
次に、低温AlGa1−xNバッファ層のAl組成xを低くすることによって、上記白濁の問題を抑えることを試みた結果を述べる。
この実験では、低温AlGa1−xN(x=0.5)バッファ層(厚さ18nm、25nm、35nmの3種類)を用いたこと以外は、実験1と同様にして、PSS/窒化物エピウェハを作製した。
その結果、低温バッファ層をいずれの厚さに形成したときも、得られたPSS/窒化物ウェハの表面は鏡面となった。また、ウェハの断面をSEM観察したところ、PSSの凹部がGaN結晶で充填されている部分はなく、PSSとGaN膜との間には充分な空洞が形成されていた。
とりわけ、低温バッファ層の厚さを18nm及び25nmとした場合には、PSSの凹部の底面上におけるGaNの成長が実質的に起こらなくなった。これは、得られたPSS/窒化物ウェハについて倍率5000倍の断面SEM観察をしたところ、該部位にはGaNの成長が認められなかったということである。
以上の実験の結果から、本発明者等は次の知見を得て、本発明を完成させるに至ったものである。
(ア)低温GaNバッファ層を用いた場合には、PSSとGaN膜との間の空洞の形成が不十分となる傾向がある。
(イ)低温AlGa1−xN(0<x≦1)バッファ層は、成長温度を高くすると、PSSの凹部の底面上と凸部の上面上とで成長速度および/または組成が相違する傾向を示す。
(ウ)低温AlGa1−xN(0<x≦1)バッファ層は、Al組成xが大きいと、ウェハに白濁領域が発生し易くなる。換言すれば、良好なウェハが得られる成長条件のウィンドウが狭くなる。
(エ)低温AlGa1−xN(0<x≦1)バッファ層を厚くすることは、ウェハの白濁を防止するうえで有効ではない(空洞が形成され難くなる)。
(オ)低温AlGa1−xN(0<x<1)バッファ層のAl組成xを適度に低くすることが、ウェハの白濁を防止するうえで有効である。
(カ)低温AlGa1−xN(0<x≦1)バッファ層の成長温度を、PSSの凹部の底面上と凸部の上面上とでその成長速度および/または組成が相違するように設定し、かつ、該バッファ層の厚さを適度に小さくすることにより、GaN膜を成長させる工程においてPSSの凹部の底面上におけるGaNの成長のみを抑制でき、それによって、該凹部の位置においてPSSとGaN膜との間に確実に空洞を形成することが可能となる。
上記の実験例は本発明を限定するものではない。
本発明の製造方法に用いるPSSは、A面サファイア基板、R面サファイア基板などを加工したものであってもよい。一般に、PSSの成長面に設ける凹部及び凸部は、周期性を有するパターンをなすように形成することが多いが、凹部及び凸部が共にストライプ状であるパターンに限定されるものではなく、例えば、上面の形状が円形、正多角形などである凸部が規則的に配置されたパターンであってもよいし、底面の形状が円形、正多角形などである凹部が規則的に配置されたパターンであってもよい。特許文献1、特許文献2に記載されているように、PSSの成長面に形成される段差(凹部と凸部の境界をなす)の方向を、当該成長面上に成長する窒化物半導体の<1−100>方向に平行とすると、該窒化物半導体のラテラル方向の成長が速くなることは、よく知られている。
PSSの製造コストは、成長面に設ける凹部の形状を扁平なものとする程、低く抑えられることは前述の通りである。本発明の製造方法によれば、成長面に設けられた凹部の深さが2μm以下のPSS上にも、該凹部の位置に空洞が形成されるように窒化物半導体膜を成長させることができるが、空洞の形成を確実にするには、PSSの凹部の深さは0.5μm以上とすることが好ましく、1μm以上とすることがより好ましい。凹部がストライプ状の場合についていえば、その底面の幅をW、深さをDとすると、深さ0.5μm〜2μm、D/Wが50%以下の凹部の上に空洞を形成することができるが、空洞の形成を確実に行なうには、D/Wは5%以上とすることが好ましく、10%以上とすることがより好ましく、20%以上とすることが更に好ましい。
製造コストの観点からは、PSSの成長面の凹凸パターンをサブミクロンスケールの微細パターンとすることは望ましくない。また、PSSの凸部の上面は、窒化物半導体膜を構成する結晶の成長開始面となることから、個々の凸部の上面の面積を小さくし過ぎると、それぞれの凸部上面から成長する結晶の間での結晶方位のバラツキが大きくなり、最終的に得られる窒化物半導体膜の品質が悪くなる傾向が生じる。
よって、PSSの成長面に凹部及び凸部をストライプ状に形成する場合を例にすると、凸部の上面の幅は1μm以上とすることが好ましく、2μm以上とすることがより好ましい。一方、凸部の幅を広くし過ぎると、PSSと窒化物半導体膜との間に空洞を形成することによる効果が小さくなる。よって、凸部の上面の幅は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、特に好ましくは3μm以下である。該空洞を形成することによる効果を充分に発生させるためには、凸部の上面の幅をこのように設定すると同時に、凹部の底面の幅Wを好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上、特に好ましくは7μm以上とする。幅Wを10μm以上に形成すると、PSSと窒化物半導体膜との間に空洞を確実に形成することが難しくなる。
本発明の製造方法において、PSS上に成長させる窒化物半導体膜は、GaN膜に限定されない。
PSS上に窒化物半導体膜を成長させる工程では、PSSの成長面の凸部の上部を起点として成長を始めた窒化物半導体が、空洞を残して、該成長面の凹部を覆うまでの時期において、成長させる窒化物半導体の一部または全部にMgを添加することが望ましい。Mgを添加すると窒化物半導体のラテラル成長が促進されるので、PSSの凹部と窒化物半導体膜との間に空洞を確実に形成するうえで有効だからである。
成長面にストライプ状の凹部及び凸部を設けたサファイア基板(PSS)の、凹部の位置における断面図である。 実験1で作製したエピタキシャルウェハにおけるGaN結晶の成長の様子を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 サファイア基板
2 GaN結晶

Claims (7)

  1. 成長面に凹部及び凸部が設けられており、該凹部が底面を有する凹部であり、該凸部が上面を有する凸部である、サファイア基板と、
    前記凸部の上部を起点として前記成長面を覆うように成長した窒化物半導体膜と、
    を有するエピタキシャルウェハの製造方法であって、
    前記成長面上にAlGa1−xN(0<x≦1)からなる低温バッファ層を、前記凹部の底面上と前記凸部の上面上とで当該低温バッファ層の成長速度および/またはAl組成xが異なるように成長させる工程と、この工程に続いて前記窒化物半導体膜を成長させる工程とを有し、
    前記窒化物半導体膜を成長させる工程の初期において、前記凹部の底面上における窒化物半導体の成長速度が、前記凸部の上面上における窒化物半導体の成長速度よりも小さくなるように、前記低温バッファ層の膜厚を設定する、
    ことを特徴とするエピタキシャルウェハの製造方法。
  2. x<1である、請求項1に記載の製造方法。
  3. x≦0.8である、請求項2に記載の製造方法。
  4. x≦0.5である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記窒化物半導体膜を成長させる工程の初期において、前記凹部の底面上における窒化物半導体の成長が実質的に起こらなくなるように、前記低温バッファ層の膜厚を設定する、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記凹部の形状が扁平であり、その深さが0.5μm〜2μmである請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記凹部がストライプ状に形成されており、その底面の幅をW、深さをDとしたとき、D/Wが5%〜50%である、請求項6に記載の製造方法。
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