JP2002100579A - 窒化物半導体基板及びその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体基板及びその製造方法

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JP2002100579A
JP2002100579A JP2001071933A JP2001071933A JP2002100579A JP 2002100579 A JP2002100579 A JP 2002100579A JP 2001071933 A JP2001071933 A JP 2001071933A JP 2001071933 A JP2001071933 A JP 2001071933A JP 2002100579 A JP2002100579 A JP 2002100579A
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nitride semiconductor
substrate
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semiconductor layer
growing
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JP2001071933A
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Inventor
Junya Narita
准也 成田
Takao Yamada
孝夫 山田
Hitoshi Maekawa
仁志 前川
Hiroyuki Kiyohisa
裕之 清久
Noriya Ozaki
徳也 小崎
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Nichia Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶性に優れたELOG成長基板を提供する
こと。 【解決手段】 周期的なストライプ状、島状又は格子状
に形成された成長核から成長して、成長核同士の略中央
において互いに接合して基板全面を覆った窒化物半導体
層を有するELOG成長基板において、波長365nm
におけるカソードルミネセンス観察において、成長核同
士の間に観察される強発光領域であって、成長核の両端
近傍から斜め上方に進行する境界線と窒化物半導体層の
底面とによって囲まれた強発光領域を、基板表面に露出
させる。露出は、(a)基板表面の研磨やエッチング、
(b)横成長時の成長条件を2段階に変化させる、
(c)横成長工程の途中において成長核の上方に保護膜
を形成する等の方法により行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化物半導体(I
AlGa1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦
1)を表面に有する窒化物半導体基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、転位密度の低い窒化物半導体基板
を製造するために、サファイア、スピネル、炭化ケイ素
のような窒化物半導体と異なる異種基板の上に、窒化物
半導体を基板に対して横方向に成長させる方法(以下、
ELOG成長法(EpitaxiallyLateral OverGrowh)と呼
ぶ)が種々検討されている。異種基板の上に、窒化物半
導体の成長核となる部分を離散的に形成すると、その上
に成長する窒化物半導体層は、成長核同士の間の領域に
おいて横方向に成長することになる。この窒化物半導体
層が横方向に成長する領域において、転位は窒化物半導
体の成長と共に横方向にのみ進行して縦方向に貫通しな
いため、低転位密度の窒化物半導体を成長させることが
できる。
【0003】例えば、Jpn.J.Appl.Phy
s.Vol.37(1988)pp.L309−L31
2には、サファイア基板上に成長させた窒化物ガリウム
上にSiO等の保護膜を部分的に形成して、この上に
新たな窒化ガリウムを成長させることが開示されてい
る。SiO上には窒化ガリウムが直接成長しないた
め、保護膜の窓部に露出した窒化ガリウムが成長核とな
り、保護膜の上の領域において窒化ガリウムが横方向に
成長する。したがって、SiO保護膜上に低転位密度
の窒化ガリウムを成長させることができる。
【0004】また、特開平11-145516号公報に
は、SiO保護膜を形成する代りに、シリコン基板上
に成長したAlGaN層をストライプ状にエッチングし
てシリコン基板を部分的に露出させ、この上に窒化ガリ
ウムを成長させる方法が開示されている。窒化ガリウム
はシリコン基板上にはエピタキシャル成長しないため、
ストライプ状のAlGaN層を成長核として、窒化ガリ
ウムが横方向にエピタキシャル成長する。したがって、
シリコン基板の露出部分の上に低転位密度の窒化ガリウ
ムを成長させることができる。
【0005】これらのELOG成長法によれば、従来の
バッファ層を用いて成長させた窒化物半導体層に比べ
て、結晶欠陥密度を2桁以上減少させることができる。
したがって、これらのELOG成長法によって製造され
た窒化物半導体基板に、LED素子、LD素子、受光素
子などの種々の窒化物半導体素子を形成することによ
り、窒化物半導体素子の寿命特性を飛躍的に向上させる
ことができる。例えば、ELOG成長させた窒化ガリウ
ム基板を用いて製造された窒化ガリウム系化合物半導体
レーザは、1万時間以上の連続発振を達成することがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、窒化物
半導体素子、特に青色を発光可能な窒化ガリウム系化合
物半導体レーザには、さらなる出力特性・寿命特性の向
上が期待されている。
【0007】そこで、本発明は、上記従来のELOG成
長により製造された窒化物半導体基板よりも、さらに優
れた発光素子を形成することのできる窒化物半導体基板
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本件発明者等は、従来の
ELOG成長させた窒化物半導体基板の「基板内部」に、
結晶性が極めて良好な領域が存在することを発見し、本
件発明を完成するに至った。まず、この結晶性が極めて
良好な領域の存在について説明する。
【0009】図5は、エッチングを用いたパターニング
によってELOG成長させたGaN基板の断面を示す模
式図である。サファイア基板10の上に成長させたGa
N層をストライプ状にエッチングしてサファイア基板1
0を部分的に露出させ(=基板露出部13)、残ったス
トライプ状の凸部分(=シード部12)を成長核とし
て、GaN層14を成長させている。GaN層14は、
シード部12の上面及び側面から成長を開始し、シード
部12の上方においては縦方向に成長する一方、基板露
出部13においては横方向に成長する。
【0010】このため、GaN層14のうち、基板露出
部13の上方の領域(図中14a及び14bの領域、以
下「ウィング領域」と称する)は、シード部12の上方の
領域(図中14cの領域、以下「アッパシード領域」と称
する)に比べて貫通転位の密度が低くなる。そこで従来
は、基板露出部13の上方にあるウィング領域の上に素
子形成等を行っていた。
【0011】しかし、本件発明者等は、このGaN層1
4のウィング領域の断面構造を詳細に検討した結果、ウ
ィング領域の内部に極めて結晶性の良好な領域が存在す
ることを見い出した。結晶性の良好な領域は、ある明確
な境界線を境にウィング領域の下部に存在しており、そ
の境界線16は、図5中に実線で示したようにシード部
12の上面の両端近傍からシード部12の外側に向かっ
て斜め上方に進行し、基板露出部13の略中央部で隣接
するシード部12から進行してきた境界線16とつなが
っている。その結果、境界線16の下部に略三角形状若
しくはドーム状の領域が形成されている。
【0012】図6(a)は、この窒化物半導体基板を観
察波長365nmにおいてカソードルミネッセンス観察
(以下、CL観察と呼ぶ)した時の観察像を示す写真で
ある。尚、参考のため、同一位置のSEM写真を図6
(b)に示す。このCL観察像は、オックスフォード社
製の電界放射走査顕微鏡JSM−6330Fを用いて、
観察波長365nmの条件下において観察されたもので
ある。図6に示すように、通常のSEM観察では境界線
16を存在は確認することができないが、CL観察像に
よれば、ウィング領域内のGaN層の発光強度が境界線
16よりも下側で顕著に大きくなっているのがわかる。
本明細書において、GaN層14のウィング領域のう
ち、境界線16とGaN層14の底面とによって囲まれ
た強発光領域14aを「スーパウィング領域」と呼び、境
界線16よりも上側の領域14bを「アッパウィング領
域」と呼ぶこととする。
【0013】図5に示した窒化物半導体基板についての
カソードルミネッセンススペクトルを図7に示す。図7
において、30aはスーパウィング領域14a、30b
はアッパウィング領域14b、30cはアッパシード領
域14cにおけるスペクトルを示す。図7に示すよう
に、従来から素子形成に用いられてきたアッパウィング
領域の発光スペクトル30bは、アッパシード領域のス
ペクトル30cに比べて約2倍近い大きな発光強度を示
している。しかしながら、スーパウィング領域のスペク
トル30aは、それよりも遥かに高く、アッパシード領
域のスペクトル30cに対して20倍を越える発光強度
を示している。
【0014】また、図5に示したようなエッチングを用
いてELOG成長させた窒化物半導体基板だけでなく、
保護膜の形成によってELOG成長させた窒化物半導体
基板についても、以下に説明するように、全く同様の現
象が観察された。
【0015】図8は、保護膜の形成によってELOG成
長させたGaN基板の断面を示す模式図である。図8に
示すように、サファイア基板20に成長させたGaN層
21の上に周期的なストライプ状の窓部を持つSiO
保護膜22を形成し、その上にGaN層24を成長させ
ている。この場合、保護膜22の窓部から露出したGa
N層21が成長核となり、保護膜22の上部においてG
aN層24が横方向に成長する。即ち、保護膜22の窓
部上方がアッパシード領域となり、保護膜22の上方が
ウィング領域となる。ウィング領域のGaN層24は、
さらに境界線26を境にスーパウィング領域24aとア
ッパウィング領域24bに分かれている。図8に示すよ
うに、境界線26は、成長核となっているGaN21露
出部分の上面両端近傍から外側に向かって斜め上方に進
行し、保護膜22の略中央部で隣接する成長核から進行
してきた境界線26とつながっている。図9(a)は、
この窒化物半導体基板を観察波長365nmにおいてC
L観察した時の観察像を示す写真であり、図9(b)
は、同一位置のSEM写真である。図9に示すように、
通常のSEM観察では境界線26を存在は確認すること
ができないが、CL観察像によれば、ウィング領域内の
GaN層24の発光強度が境界線26よりも下側で顕著
に大きくなっているのがわかる。
【0016】本件発明はこうした新たな知見に基づいて
成されたものであり、本件発明に係る窒化物半導体基板
は、周期的なストライプ状、島状又は格子状に形成され
た成長核から成長して、前記成長核同士の略中央におい
て互いに接合して基板全面を覆った窒化物半導体層を有
する窒化物半導体基板であって、波長365nmにおけ
るカソードルミネセンス観察において、前記成長核同士
の間に位置する強発光領域であって、前記成長核の両端
近傍から斜め上方に進行する境界線と前記窒化物半導体
層の底面とによって囲まれた強発光領域が、基板表面に
露出していることを特徴とする。即ち、本件発明は、E
LOG成長基板の内部に存在するスーパウィング領域を
基板表面に露出させることにより、極めて優れた発光素
子を形成可能な窒化物半導体基板を提供するものであ
る。
【0017】ここで、成長核は、周期的なストライプ
状、島状又は格子状に形成された窒化物半導体から成る
凸パターンであっても良いし、周期的なストライプ状、
島状又は格子状の保護膜の窓部から露出した窒化物半導
体層であっても良い。
【0018】尚、スーパウィング領域に素子形成を行う
ためには、エピタキシャル成長が可能となるような平滑
な面として露出させる必要がある。したがって、従来の
ELOG成長法を用いて、横方向成長する窒化物半導体
層の成長を単純に途中で停止させただけでは、スーパウ
ィング領域をうまく露出させることはできない。従来の
ELOG成長法においては、強発光領域の境界線同士が
合わさってスーパウィング領域が閉じるまで成長を続け
なければ、ウィング領域にV字型の溝が残ってその後の
エピタキシャル成長を行うことができないからである。
そこで、スーパウィング領域を基板表面に露出させるに
は、例えば、以下に説明するような方法を用いることが
できる。
【0019】スーパウィング領域を基板表面に露出させ
る第1の方法は、(a)窒化物半導体と異なる異種基板
の上に、窒化物半導体から成る成長核を、周期的なスト
ライプ状、島状又は格子状に形成する工程と、(b)前
記成長核から、前記成長核同士の略中央部において互い
に接合して基板全面を覆うように、窒化物半導体層を成
長させる工程と、(c)波長365nmにおけるカソー
ドルミネッセンス観察において前記成長核間に観察され
る略三角形の強発光領域が少なくとも基板表面に露出す
るまで、基板表面を研磨又はエッチングする工程とを備
えたことを特徴とする。この方法によれば、一般的なE
LOG成長法によって、スーパウィング領域が閉じるま
で成長を続け、ウィング領域のV字型の溝が完全に埋ま
った後に、研磨又はエッチングによって窒化物半導体層
の表層を除去することにより、スーパウィング領域を露
出させることができる。
【0020】また、スーパウィング領域を基板表面に露
出させる第2の方法は、(a)窒化物半導体と異なる異
種基板の上に、窒化物半導体から成る成長核を、周期的
なストライプ状、島状又は格子状に形成する工程と、
(b)前記成長核から、前記成長核同士の略中央部にお
いて互いに接合して基板全面を覆うように、窒化物半導
体層を成長させる成長工程とを備えた窒化物半導体層の
製造方法であって、前記成長工程の前半において、前記
窒化物半導体層を基板面に対して縦方向に優先的に成長
させ、前記成長工程の後半において、前記窒化物半導体
層を基板面に対して横方向に優先的に成長させることを
特徴とする。
【0021】まず、窒化物半導体層の成長前半におい
て、窒化物半導体層が基板面に対して縦方向に優先的に
成長する結果、成長核の上面からの高欠陥領域の横方向
への広がりを抑えることができる。即ち、スーパウィン
グ領域の境界線は、成長核の上面両端近傍から、成長核
の内側に向かって上方に進行することとなり、スーパウ
ィング領域は上側の境界が開かれた状態となる。しかし
一方、縦方向への進行が優先的に進行しているために、
窒化物半導体層の成長を長時間続けても、窒化物半導体
層の接合部に現れるV字型の溝が埋まらない。そこで、
窒化物半導体層の成長後半においては、窒化物半導体層
の接合部に現れていたV字型の溝を埋めて基板表面を平
坦にすることができるように、基板面に対して横方向へ
の成長が促進される条件で成長を行う。この方法によれ
ば、スーパウィング領域を閉じることなく、接合部のV
字溝を埋めることができるため、スーパウィング領域を
エピタキシャル成長可能な平滑面として露出させること
ができる。
【0022】窒化物半導体層の成長が基板面に対して縦
方向と横方向のいずれに優先的に起こるかを制御するに
は、例えば、III−V族窒化物半導体層の成長を化学的
気相成長法で行い、V族源ガスのIII族源ガスに対する
供給モル比(V/III比)を調節すれば良い。同じ成長
温度であればV/III比が高い程、また同じV/III比で
あれば成長温度が低い程、縦方向への成長が促進され
る。例えば、窒化物半導体層の成長工程前半において、
V/III比を1000よりも大きく、より好ましくは20
00以上に設定し、成長工程の後半において、V/III比
を1000よりも小さく設定することにより、スーパウ
ィング領域を平滑面として基板表面に露出させることが
できる。
【0023】スーパウィング領域を基板表面に露出させ
る第3の方法は、(a)窒化物半導体と異なる異種基板
の上に、窒化物半導体から成る成長核を、周期的なスト
ライプ状、島状又は格子状に形成する工程と、(b)前
記成長核から、前記成長核同士の略中央部において互い
に接合して基板全面を覆うように、窒化物半導体層を成
長させる成長工程とを備えた窒化物半導体層の製造方法
であって、前記成長工程において、前記窒化物半導体層
を所定厚の途中まで成長させた後に、前記成長核の上方
に保護膜を形成し、さらに前記窒化物半導体層を所定厚
まで成長させることを特徴とする。この方法によれば、
窒化物半導体層の成長途中においてスーパウィング領域
の境界線の進行を保護膜によって遮断することができる
ため、スーパウィング領域を基板表面まで連続して存在
させて、基板表面に露出させることができる。
【0024】スーパウィング領域を基板表面に露出させ
る第4の方法は、(a)窒化物半導体と異なる異種基板
の上に、窒化物半導体から成る成長核を、周期的なスト
ライプ状、島状又は格子状に形成する工程と、(b)前
記成長核から、前記成長核同士の略中央部において互い
に接合して基板全面を覆うように窒化物半導体層を成長
させる成長工程とを備えた窒化物半導体層の製造方法で
あって、前記成長工程が、III族原料とV族原料を気体
状態で供給する化学気相成長法によって行われ、前記成
長工程中に、(i)前記V族原料のIII族原料に対する
供給モル比であるV/III比を1000よりも小さくして
窒化物半導体層を成長させるステップと、(ii)前記
窒化物半導体層の上面を異方性エッチングにより除去す
るステップと、(iii)前記V/III比を1000より
も大きくして窒化物半導体層を成長させるステップとを
備えたことを特徴とする。
【0025】即ち、第4の方法は、第2の方法の前半と
後半のステップを逆にして、それらステップの間に異方
性エッチングを行うものである。まず、窒化物半導体層
を基板面に対して横方向に優先的に成長させ、スーパウ
ィング領域の境界線を、成長核上面の両端近傍から、成
長核の外側に向かって進行させる(ステップ(i))。
ステップ(i)は、隣接する成長核から成長した窒化物
半導体層同士が接続する前に停止することが好ましい。
ステップ(i)が終了した状態で、成長核から傘状に成
長した窒化物半導体層の両肩部にスーパウィング領域が
露出している。しかし、窒化物半導体層の両肩部に露出
したスーパウィング領域の上面は下方に向けて傾斜して
いるため、続けて窒化物半導体層の成長を行うとアッパ
ウィング領域がスーパウィング領域に覆い被さって成長
してしまう。そこで、次に、窒化物半導体層の上面を異
方性エッチングによって垂直方向にエッチングして、ス
ーパウィング領域の平坦な面を露出させる(ステップ
(ii))。そして、窒化物半導体層を基板面に対して
縦方向に優先的に成長させ、スーパウィング領域の境界
を略垂直に又は前記成長核の内側に向かって上方に進行
させる(ステップ(iii))。このステップ(ii
i)の成長により、隣接する成長核から成長した窒化物
半導体層を互いに接続し、スーパウィング領域が露出し
た平坦な窒化物半導体基板を得ることができる。
【0026】尚、これら第1から第4の方法に従って、
スーパウィング領域が露出するように窒化物半導体基板
を形成した後、又はその形成途中の適当な段階において
異種基板を除去して、窒化物半導体のみから成る窒化物
半導体基板としても良い。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施形態について説明する。尚、各図において、図
5又は図8と同一の符号を付した部分は、同一又は対応
する部分を表す。 実施の形態1 本実施の形態においては、エッチングを用いたパターニ
ングによってELOG成長をさせて窒化物半導体層を形
成した後に、窒化物半導体層の表層を除去することによ
って、スーパウィング領域を露出させる。
【0028】図1(a)は、本実施の形態に係る窒化物
半導体基板を示す模式的断面図である。図1(a)に示
す窒化物半導体基板は、サファイア等の異種基板10の
上に、バッファ層(図示せず)を介して形成され、スト
ライプ形状にエッチングされた窒化物半導体12と、そ
の上にELOG成長された窒化物半導体層14とを有し
ている。窒化物半導体層14の表層は、波長365nm
におけるカソードルミネセンスで観察される強発光領域
であるスーパウィング領域14aが少なくとも基板表面
に露出するまで研磨又はエッチング等によって除去され
ている。窒化物半導体12、及び窒化物半導体層14
は、いずれも一般式InAlGa1− x−yN(0
≦x、0≦y、x+y≦1)によって表される組成を有
する。但し、これらは互いに異なる組成であっても良
い。
【0029】窒化物半導体層14を除去する深さは、特
に限定されるものではないが、ストライプ状の窒化物半
導体12が除去されない範囲でできるだけ深くすること
が好ましい。一般的なELOG成長を行った場合にスー
パウィング領域14aは略三角形状となるため、除去深
さが深くなる程スーパウィング領域14aの露出面積が
大きくなる。しかし、ELOG成長の成長核となってい
る窒化物半導体12の側方には横方向に進行する転位1
8が存在しているため、除去深さが窒化物半導体12を
削る深さにまで及ぶとスーパウィング領域14aの結晶
性が低下する恐れがある。こうして基板表面に露出され
たスーパウィング領域14aは、図1(a)に示すよう
に略台形形状となる。
【0030】以下、本実施の形態に係る窒化物半導体基
板の製造方法及び好適な材料について説明する。まず、
窒化物半導体と異なる異種基板10を準備する。異種基
板10には、サファイア基板の他に、SiC基板、スピ
ネル(=MgAl)基板、シリコン基板等を用い
ることができる。中でも、その上に成長する窒化物半導
体層の結晶性の観点から、サファイア基板又はSiC基
板を用いることが好ましい。尚、これらの基板材料の主
面をオフアングルさせた基板、より好ましくはステップ
状にオフアングルさせた基板を用いると結晶欠陥をより
少なくすることができる。
【0031】次に、バッファ層(図示せず)を介して窒
化物半導体14を成長させる。バッファ層には、例え
ば、AlN、GaN、AlGaN、InGaN等を90
0℃以下の温度で膜厚数十Å〜数百Åに成長させて形成
する。尚、窒化物半導体の成長方法、基板の種類によっ
てはバッファ層を省略することもできる。窒化物半導体
12は、例えば、アンドープGaN、Si等をドープし
たn型GaNを、900〜1100℃、好ましくは10
50℃で成長させる。窒化物半導体12の膜厚は、少な
くとも500Å以上、好ましくは5μm以上、より好ま
しくは10μm以上とする。
【0032】次に、成長させた窒化物半導体12を、周
期的なストライプ形状にエッチングして異種基板10を
露出させる。尚、エッチング形状は、周期的な島状又は
格子状であっても良い。エッチングは、異種基板12の
一部を取り除く深さまで行うことが好ましい。異種基板
10を削る深さは、例えば、500〜3000Å、好ま
しくは1000〜2000Åとする。異種基板10の一
部を削る深さまでエッチングをしておくことにより、窒
化物半導体12の側面から成長する窒化物半導体層14
が異種基板10に干渉を受けることを防止して、窒化物
半導体層14の結晶性をより良好にすることができる。
また、エッチングをする場合、エッチング面が図1
(a)に示すように異種基板に対して端面がほぼ垂直に
なる形状だけでなく、順メサ形状や逆メサ形状、或いは
階段状であっても良い。
【0033】次に、ストライプ状にエッチングされた窒
化物半導体12を覆って、基板全面に、窒化物半導体層
14を成長させる。窒化物半導体層14には、窒化物半
導体12と同様の材料を用いることができる。窒化物半
導体層14の成長には、化学的気相成長法(以下、CV
D法)を用いることが好ましく、その場合には、成長温
度を800〜1100℃の間で行い、成長圧力を常圧以
上とすることが好ましい。例えば、常圧(=ほぼ1気
圧)〜2.5気圧、より好ましくは常圧〜1.5気圧で
行う。このような圧力条件で行うと、窒化物半導体層1
4の表面の面状態を良好にできる点で好ましい。
【0034】また、窒化物半導体層14の成長は、横方
向に成長した窒化物半導体層14同士が互いに接合し
て、接合部にできるV字型の溝が完全に埋まるまで行う
ことが好ましい。このために、窒化物半導体層14を成
長させる際に、不純物(例えば、Si、Ge、Sn、B
e、Zn、Mn、Cr、及びMg等)をドープして成長
させる、又は窒化物半導体の原料となるIII族とV族の
成分の供給モル比を、V/III比が1000よりも小さ
くなるように調整することが好ましい。これにより、横
方向の成長を縦方向の成長に比べて促進させて、接合部
にできるV字型の溝を良好に埋めることができる。尚、
このような条件で窒化物半導体層14を成長させると、
スーパウィング領域14aの境界16は、窒化物半導体
12の上面から窒化物半導体12の外側に向かって進行
し、スーパウィング領域14aや略三角形状となる。ま
た、この時点において、スーパウィング領域14aは、
基板内部に完全に埋没している。
【0035】次に、窒化物半導体層14の表層を除去し
て、スーパウィング領域14aを基板表面に露出させ
る。窒化物半導体層14の表層除去には、研磨、ウエッ
トエッチング、ドライエッチング等の種々の方法を用い
ることができる。好ましくは、研磨によって必要な除去
深さの大部分の除去を行った後に、ウエットエッチング
又はドライエッチングを行って最終的な除去を行う。最
後にエッチングを行うのは、研磨後の表面には1〜2μ
mの研磨傷が残るため、その後のエピタキシャル成長が
困難となるからである。
【0036】実施の形態2 本実施の形態においては、保護膜を用いたELOG成長
をさせて窒化物半導体層を形成した後に、窒化物半導体
層の表層を除去することによって、スーパウィング領域
を露出させる。尚、本実施の形態に係る窒化物半導体基
板は、エッチングに代えて保護膜を用いてELOG成長
を行う点を除けば、実施の形態1と同様である。
【0037】図1(b)は、本実施の形態に係る窒化物
半導体基板を示す模式的断面図である。図1(b)に示
す窒化物半導体基板は、サファイア等の異種基板20の
上に、バッファ層(図示せず)を介して形成された窒化
物半導体層21と、保護膜22と、窒化物半導体層24
が形成されている。窒化物半導体層24の表層は、波長
365nmにおけるカソードルミネセンスで観察される
強発光領域であるスーパウィング領域24aが少なくと
も基板表面に露出するまで研磨又はエッチング等によっ
て除去されている。窒化物半導体層21及び窒化物半導
体層24は、いずれも一般式InAlGa
1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)によって表
される組成を有する。但し、これらは互いに異なる組成
であっても良い。
【0038】以下、この窒化物半導体基板の製造方法及
び好適な材料について説明する。まず、窒化物半導体と
異なる異種基板20を準備する。異種基板20には、サ
ファイア基板の他に、SiC基板、スピネル(=MgA
)基板、シリコン基板等を用いることができ
る。中でも、その上に成長する窒化物半導体層の結晶性
の観点から、サファイア基板又はSiC基板を用いるこ
とが好ましい。尚、これらの基板材料の主面をオフアン
グルさせた基板、より好ましくはステップ状にオフアン
グルさせた基板用いると結晶欠陥をより少なくすること
ができる。
【0039】次に、バッファ層(図示せず)を介して窒
化物半導体層21を成長させる。バッファ層には、例え
ば、AlN、GaN、AlGaN、InGaN等を90
0℃以下の温度で膜厚数十Å〜数百Åに成長させて形成
する。尚、窒化物半導体の成長方法、基板の種類によっ
てはバッファ層を省略することもできる。窒化物半導体
層21は、例えば、アンドープGaN、Si等をドープ
したn型GaNを、900〜1100℃、好ましくは1
050℃で成長させて形成することができる、。窒化物
半導体層21の膜厚は、例えば、1〜20μm、好まし
くは2〜10μmとする。
【0040】次に、窒化物半導体層21の上に保護膜2
2を形成する。保護膜22の材料には、表面に窒化物半
導体が成長しにくいか若しくは成長しない材料を選択す
る。例えば、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(S
ixNy)、酸化チタン(TiOx)、酸化ジルコニウ
ム(ZrOx)等の酸化物、窒化物、又はこれらの多層
膜の他、1200℃以上の融点を有する金属等を用いる
ことができる。これらの材料は、窒化物半導体の成長温
度である600℃〜1100°の温度にも耐え、その表
面に窒化物半導体が成長しないか、成長しにくい性質を
有している。
【0041】保護膜22は、周期的なストライプ形状に
形成する。保護膜22のストライプ幅は、窓部の幅より
も幅広に形成することが好ましい。例えば、保護膜22
のストライプ幅を、窓部幅の1〜20倍に形成する。保
護膜22のストライプ幅は、窓部の幅を5μm以下とす
る場合は、2〜30μmであり、好ましくは5〜20μ
m、より好ましくは5〜15μmとする。この範囲であ
れば、その上に成長する窒化物半導体層24の結晶欠陥
を有効に減少させることができる。また、保護膜22の
膜厚は、例えば、0.01〜5μmであり、好ましくは
0.1〜3μm、より好ましくは0.1〜2μmとす
る。保護膜22は、例えば、蒸着、スパッタ又はCVD
等を適当な気相成長法用いて成長させることができる。
保護膜22を所定の領域に選択的に形成するためには、
予め所定形状のフォトレジストを形成しておき、その上
に保護膜22を気相成長させれば良い。尚、保護膜22
は、周期的な島状又は格子状であっても良い。
【0042】次に、保護膜22を覆って、基板全面に窒
化物半導体層24を成長させる。窒化物半導体層24に
は、例えば、アンドープGaNや、Siをドープしたn
型GaNを用いることができる。窒化物半導体層24
は、横方向に成長した窒化物半導体層24同士が互いに
接合して、接合部にできるV字型の溝が完全に埋まるま
で行うことが好ましい。このために、窒化物半導体層2
4を成長させる際に、実施の形態1で述べたのと同様
に、横方向の成長を縦方向の成長に比べて促進させる条
件とすることが好ましい。そのような条件で窒化物半導
体層24を成長させると、スーパウィング領域24aの
境界26は、保護膜22の窓部上面から外側に向かって
進行し、スーパウィング領域24aや略三角形状とな
る。また、この時点において、スーパウィング領域24
aは、基板内部に完全に埋没している。
【0043】次に、窒化物半導体層24の表層を除去し
て、スーパウィング領域24aを基板表面に露出させ
る。窒化物半導体層24の表層除去には、実施の形態1
と同様の方法を用いることができる。
【0044】実施の形態3 本実施の形態においては、ELOG成長層となる窒化物
半導体層の成長工程において、その前半と後半とで成長
条件を変えることにより、スーパウィング領域を基板表
面に露出させる。本実施の形態に係る窒化物半導体基板
の製造には、窒化物半導体層の成長条件を前半と後半で
異ならせる点を除けば、実施の形態1と同様の材料や製
造条件を用いることができる。
【0045】図2(a)及び(b)は、本実施の形態に
係る窒化物半導体基板の製造工程を示す概略図である。
サファイア等の異種基板10の上に、ストライプ状の窒
化物半導体12を形成するまでは、実施の形態1と同様
である。次に、III−V族窒化物半導体層34を、その
成長の前半と後半で成長条件を変えながら、化学的気相
成長法によって形成する。ここで、化学的気相成長法と
は、例えば次のような方法である。即ち、ストライプ状
の窒化物半導体12を形成した基板を加熱し、その基板
表面に窒素源のガスとIII族源のガスを同時に供給して
基板の上に窒化物半導体層34を形成する。窒素源のガ
スとしては、アンモニア、ヒドラジン等の水素化物ガス
を用いることができる。III族源のガスとしては、例え
ば窒化ガリウムを製造する場合、有機金属気相成長法で
あれば、トリメチルガリウム(TMG)やトリエチルガ
リウム(TEG)等の有機Gaガス、HVPEでは、H
ClのようなIII族源と反応するハロゲン化水素ガス、
若しくはハロゲン化水素ガスと反応したハロゲン化ガリ
ウム(特にGaCl)等をガリウム源のガスとして用
いることができる。
【0046】まず、窒化物半導体層34の成長前半にお
いては、図2(a)に示すように、基板面に対して縦方
向への成長が促進される条件で成長を行う。縦方向と横
方向のいずれが促進されるかは、主に、V族源(=窒素
源)ガスのIII族源ガスに対する供給モル比(V/III
比)及び成長温度によって決まる。即ち、同じ成長温度
であればV/III比が高い程、また同じV/III比であれ
ば成長温度が低い程、縦方向への成長が促進される。具
体的には、窒化物半導体層34の成長前半において、好
ましくは成長温度800℃〜1100℃でV/III比が
1000よりも大きくなるような条件で、より好ましく
は成長温度1000℃〜1100℃でV/III比が20
00以上となるような条件で成長を行う。
【0047】これにより、窒化物半導体層34が基板面
に対して縦方向に優先的に成長する結果、図2(a)に
示すように、窒化物半導体12上面からの高欠陥領域3
4cの広がりを抑えることができる。即ち、スーパウィ
ング領域34aの境界線36は、窒化物半導体12の上
面両端近傍から、窒化物半導体12の内側に向かって上
方に進行することとなり、スーパウィング領域34aは
上側の境界が開かれた状態となる。しかし一方、縦方向
への進行が優先的に進行しているために、窒化物半導体
層34の成長を長時間続けても、窒化物半導体層34の
接合部に現れるV字型の溝が埋まらない。
【0048】そこで、窒化物半導体層34の成長後半に
おいては、図2(b)に示すように、基板面に対して横
方向への成長が促進される条件で成長を行う。即ち、窒
化物半導体層34の成長後半において、好ましくは成長
温度800℃〜1100℃でV/III比が1000より
も小さくなるような条件成長を行う。これにより、図2
(b)に示すように、窒化物半導体12の上方にある高
欠陥領域34cはやや広がるが、窒化物半導体層34の
接合部に現れていたV字型の溝を埋めて基板表面を平坦
にすることができる。
【0049】尚、本実施の形態においては、窒化物半導
体層34をELOG成長させるための成長核を、ストラ
イプ状に形成された窒化物半導体12から成る凸パター
ンとした場合を例に説明したが、これに代えて、成長核
を周期的なストライプ状の保護膜の窓部から露出した窒
化物半導体層としても良い。その場合、保護膜の形成ま
では実施の形態2と同様に行い、その上に本実施の形態
と同様にして窒化物半導体層34を成長させれば良い。
【0050】実施の形態4 本実施の形態においては、ELOG成長層となる窒化物
半導体層の成長工程において、窒化物半導体層を所定厚
の途中まで成長させた後に、成長核の上方に保護膜を形
成し、さらに窒化物半導体層を所定厚まで成長させるこ
とにより、スーパウィング領域を基板表面に露出させ
る。本実施の形態に係る窒化物半導体基板は、研磨に代
えて、窒化物半導体層の成長途中で保護膜を形成するこ
とによりスーパウィング領域を基板表面に露出させる点
を除けば、実施の形態1と同様の材料や製造条件を用い
ることができる。
【0051】図3(a)から(c)は、本実施の形態に
係る窒化物半導体基板の製造工程を示す概略図である。
まず、サファイア等の異種基板10の上に、ストライプ
状の窒化物半導体12を形成するまでは、実施の形態1
と同様である。次に、図3(a)に示すように、窒化物
半導体層44を成長させる。窒化物半導体層44の材料
及び成長条件は、実施の形態1と同様とすることができ
る。但し、本実施の形態においては、窒化物半導体層4
4の成長工程において、窒化物半導体12から進行して
きた境界線46が合わさってスーパウィング領域44a
が閉じる前に一旦成長を止める。尚、この時点において
は、窒化物半導体層44の接合部近傍にはV字溝が残っ
ている。
【0052】次に、図3(b)に示すように、成長核で
ある窒化物半導体12の上方に保護膜45を形成する。
保護膜45は、窒化物半導体12の上方に延びてきた高
欠陥領域44cの進行を止めることができるように、ス
ーパウィング領域44aの境界線46を少なくとも隠す
ことのできる広さに形成する。保護膜45には、実施の
形態2における保護膜22と同様に、窒化物半導体が成
長しないか若しくは成長しにくい材料とすることが好ま
しい。例えば、保護膜45として、酸化ケイ素(SiO
)、窒化ケイ素(Si)、酸化チタン(TiO
)、酸化ジルコニウム(ZrO)等の酸化物、窒化
物、又はこれらの多層膜の他、1200℃以上の融点を
有する金属等を用いることができる。尚、保護膜45の
厚さは、結晶欠陥の進行を遮断することができる厚さで
あれば良く、好ましくは0.2〜0.3μmとする。
【0053】次に、図3(c)に示すように、再び窒化
物半導体層44の成長を行い、保護膜45上において窒
化物半導体層44が接合して、さらにその接合部上方の
V字溝が完全に埋まるまで成長を続ける。
【0054】こうして製造された窒化物半導体基板にお
いては、スーパウィング領域44aの境界線46の進行
を保護膜45によって遮断したため、スーパウィング領
域44aが基板表面まで連続して存在して、基板表面に
露出している。また、保護膜45の上部においても横方
向成長が起こるため、保護膜45の上部に、スーパウィ
ング領域44aよりもさらに結晶状態の良好な領域44
dが現れることになる。
【0055】尚、本実施の形態においては、窒化物半導
体層44をELOG成長させるための成長核を、ストラ
イプ状に形成された窒化物半導体12から成る凸パター
ンとした場合を例に説明したが、これに代えて、成長核
を周期的なストライプ状の保護膜の窓部から露出した窒
化物半導体層としても良い。その場合、保護膜の形成ま
では実施の形態2と同様に行い、その上に本実施の形態
と同様にして窒化物半導体層44を成長させれば良い。
【0056】実施の形態5 本実施の形態においては、実施の形態3の前半と後半の
ステップを逆にして、それらステップの間に窒化物半導
体層の異方性エッチングを行うことにより、スーパウィ
ング領域を基板表面に露出させる。図4(a)から
(c)は、本実施の形態に係る窒化物半導体基板の製造
工程を示す概略図である。サファイア等の異種基板10
の上に、ストライプ状の窒化物半導体12を形成するま
では実施の形態3と同様である。
【0057】まず、図4(a)に示すように、成長核1
2から窒化物半導体層54を成長させ、隣接する成長核
12から成長した窒化物半導体層54同士が接続する前
に停止する(ステップ(i))。ステップ(i)で成長
させる窒化物半導体層の厚みは、特に限定されないが、
成長核12の上面から少なくとも1000Å以上、好ま
しくは2μm以上10μ以下とする。ある程度の膜厚に
成長させなければ、次のステップ(ii)でスーパウィ
ング領域54aの平坦面の形成が困難になるからであ
る。ステップ(i)の窒化物半導体層54の成長は、基
板面に対して横方向への成長が促進される条件で行う。
即ち、好ましくは成長温度800℃〜1100℃でV/
III比が1000よりも小さくなるような条件で成長
を行う。これにより、スーパウィング領域54aの境界
線56は成長核12上面の端部近傍から成長核12の外
側に向かって進行する。こうして成長した窒化物半導体
層54は、スーパウィング領域の境界線56の終端から
外側が下方に傾斜してテーパ状(=肩部)となってい
る。図に示すように、傘状の窒化物半導体層54の上面
にはアッパシード領域54cとアッパウィング領域54
bが現れ、窒化物半導体層54の両肩部と側面にスーパ
ウィング領域54aが露出している。
【0058】図4(a)の状態では、両肩部のスーパウィ
ング領域54aの成長面はウィング領域54bの成長面
よりも下方に位置し、しかも下方に傾斜しているため、
このまま成長を続けるとスーパウィング領域54aがウ
ィング領域54bの下に埋もれてしまう。そこで、図4
(b)に示すように、窒化物半導体層54の上面を異方
性エッチングによって垂直方向にエッチングして、スー
パウィング領域54aの平坦な面を露出させる(ステッ
プ(ii))。これにより、スーパウィング領域54a
の成長面とウィング領域54bの成長面が揃い、スーパ
ウィング領域54aを基板表面に露出させることが容易
となる。異方性エッチングには、例えばドライエッチン
グを用いることができる。エッチングは、スーパウィン
グ領域54aの平坦面の幅が少なくとも500Å以上と
なるまで行うことが好ましい。尚、異方性エッチングに
よるダメージを避けるために、エッチング深さは約3μ
m以下であることが好ましい。
【0059】次に、図4(c)に示すように、窒化物半
導体層54を、基板面に対して縦方向の成長が促進され
る条件で成長させる(ステップ(iii))。即ち、好
ましくは成長温度800℃〜1100°でV/III比
が1000よりも大きくなる条件で、より好ましくは成
長温度1000℃〜1100℃でV/III比が200
0以上となるような条件で成長を行う。これにより、ス
ーパウィング領域の境界56は、図に示すように、基板
に対して略垂直方向に進行する。このステップ(ii
i)の成長により、隣接する成長核12から成長した窒
化物半導体層54を互いに接続し、スーパウィング領域
54aが露出した平坦な窒化物半導体基板を得ることが
できる。ステップ(iii)で成長させる窒化物半導体
層54の膜厚は、特に限定されないが、隣接する成長核
から成長した窒化物半導体層54同士が接合してから少
なくとも2μm以上、好ましくは5μm以上成長させる
ことが望ましい。窒化物半導体層同士が接合した直後は
接合部分が分解してクレータと成り易いが、その後の成
長を続けることにより接合部分が安定化するからであ
る。
【0060】尚、本実施の形態においては、ステップ
(iii)において、スーパウィング領域54aの境界
56が基板に略垂直に進行する場合を例に説明したが、
境界56を成長核の内側に向かって上方に進行させても
良く、そうすればスーパウィング領域54aをさらに広
く露出させることができる。また、窒化物半導体層54
をELOG成長させるための成長核が窒化物半導体12
から成る凸パターンとした場合を例に説明したが、これ
に代えて、周期的なストライプ状の保護膜の窓部から露
出した窒化物半導体層を成長核としても良い。その場
合、保護膜の形成までは実施の形態2と同様に行い、そ
の上に窒化物半導体層54を本実施の形態と同様にして
成長させれば良い。
【0061】上記実施の形態1から5において露出させ
たスーパウィング領域14aの上方に素子形成を行うこ
とにより、信頼性の高い窒化物半導体素子を製造するこ
とができる。例えば、窒化物半導体レーザを製造する場
合、レーザの活性層(リッジ型レーザの場合にはリッジ
部)が露出したスーパウィング領域の上方に位置するよ
うに素子形成を行うことにより、長寿命かつ高信頼性の
窒化物半導体レーザを得ることができる。
【0062】尚、上記実施の形態1から5では、異種基
板上へのELOG成長を1回行う場合を例に例に説明し
たが、2回以上のELOG成長を行う場合にも本件発明
を適用することができる。本件発明を適用したELOG
成長層に重ねてELGO成長を行う場合には、露出した
スーパウィング領域が次のELOG成長の成長核となる
ようにすれば良い。また、例えば2回のELOG成長を
行う場合、本件発明によるスーパウィング領域の露出手
段を1回目又は2回目だけに適用しても良いし、1回目
と2回目の両方に適用しても良い。
【0063】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。以
下の実施例は、MOVPE法(有機金属気相成長法)を
用いて行った。 [実施例1]以下、図1(a)をもとに実施例1について
説明する。異種基板10として、2インチφ、C面を主
面とし、オリフラ面をA面とするサファイア基板を反応
容器内にセットし、温度を510℃にして、キャリアガ
スに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチル
ガリウム)とを用い、サファイア基板上にGaNよりな
るバッファ層(図示されていない)を約200オングス
トロームの膜厚で成長させた。温度を1050℃にし
て、原料ガスにTMG、アンモニアを用い、アンドープ
のGaNよりなる窒化物半導体12を2.5μmの膜厚
で成長させた。
【0064】窒化物半導体12を成長後、ストライプ状
のフォトマスクを形成し、スパッタ装置によりストライ
プ幅(凸部の上部になる部分)6μm、ストライプ間隔
(基板露出部となる部分)14μmにパターニングされ
たSiO膜を形成し、続いて、RIE装置によりSi
膜の形成されていない部分の窒化物半導体12をサ
ファイア10が約500オングクトローム削られるまで
エッチングした。エッチング後、窒化物半導体12の上
部のSiOを除去した。窒化物半導体12のストライ
プ方向はサファイアA面に対して垂直とした。
【0065】次に、MOCVD装置の反応容器内にセッ
トし、原料ガスにTMG、アンモニアを用い、1050
℃においてアンドープのGaN層14を15μmの膜厚
で成長させた。この時、TMGガスの供給量は226.
7μmol/minとし、アンモニアガスの供給量は
0.18mol/minとした(V/III比788)。
【0066】次に、反応容器から基板を取り出し、Ga
N層24の表面を研磨し、さらにドライエッチングし
て、Gan層24を5〜7μmに薄膜化した。
【0067】この基板の断面を、オックスフォード社製
の電界放射走査顕微鏡JSM−6330Fを用いて観察
波長365nmの条件下においてCL観察したところ、
GaN12の上面から進行する境界線に囲まれた強発光
領域が基板表面に露出しているのが観察された。
【0068】[実施例2]以下、図1(b)をもとに実施
例2について説明する。異種基板10として、2インチ
φ、C面を主面とし、オリフラ面をA面とするサファイ
ア基板を反応容器内にセットし、温度を510℃にし
て、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTM
G(トリメチルガリウム)とを用い、サファイア基板上
にGaNよりなるバッファ層(図示されていない)を約
200オングストロームの膜厚で成長させた。温度を1
040℃にして、原料ガスにTMG、アンモニアを用
い、アンドープのGaNよりなる窒化物半導体21を
2.5μmの膜厚で成長させた。
【0069】窒化物半導体21を成長後、ストライプ状
のフォトマスクを形成し、スパッタ装置によりストライ
プ幅14μm、ストライプ間隔6μmにパターニングさ
れたSiO膜22を0.4μmの膜厚で形成した。S
iO膜22のストライプ方向はサファイアA面に対し
て垂直とした。
【0070】次に、MOCVD装置の反応容器内にセッ
トし、原料ガスにTMG、アンモニアを用い、1040
℃においてアンドープのGaN層24を15μmの膜厚
で成長させた。この時、TMGガスの供給量は226.
7μmol/minとし、アンモニアガスの供給量は
0.21mol/minとした(V/III比925)。
【0071】次に、反応容器から基板を取り出し、Ga
N層24の表面を研磨し、さらにドライエッチングし
て、Gan層24を5〜7μmに薄膜化した。
【0072】この基板の断面を、オックスフォード社製
の電界放射走査顕微鏡JSM−6330Fを用いて観察
波長365nmの条件下においてCL観察したところ、
GaN12の上面から進行する境界線に囲まれた強発光
領域が基板表面に露出しているのが観察された。
【0073】[実施例3]以下、図4をもとに実施例3に
ついて説明する。GaN12を成長し、ストライプ状に
パターニングするまでは実施例1と同様である。次に、
図4(a)に示すように、MOCVD装置の反応容器内
にセットし原料ガスにTMG、アンモニアを用い、10
50℃においてアンドープのGaN層54を約3.5μ
mの膜厚(GaN12の上面からの膜厚)で成長させ
る。この時、TMGガスの供給量は226.7μmol
/minとし、アンモニアガスの供給量は0.18mo
l/minとする(V/III比788)。
【0074】次に、図4(b)に示すように、GaN層
54の表面をドライエッチングして、GaN層54を厚
さ方向に約2.5μm除去する。そして次に、図4
(c)に示すように、原料ガスにTMG、アンモニアを
用い、1050℃においてアンドープのGaN層54を
約10μmの膜厚(GaN12の上面からの膜厚)とな
るまで成長させる。この時、TMGガスの供給量は16
1.9μmol/minとし、アンモニアガスの供給量
は0.36mol/minとする(V/III比220
0)。
【0075】こうして、強発光領域(=スーパウィング
領域54a)の境界線56が、GaN12上面の両端か
らGaN12の外側に進行した後、基板10にほぼ垂直
に進行してGaN層54の表面に到達するように成長を
行うことができる。
【0076】
【発明の効果】本件発明によれば、ELOG成長させた
窒化物半導体基板において、波長365nmにおけるカ
ソードルミネセンスにおいて観察される強発光領域であ
って、ELOG成長の成長核の両端近傍から斜め上方に
進行する境界線によって囲まれた強発光領域を基板表面
に露出させたため、極めて優れた発光素子を形成可能な
窒化物半導体基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)は、本発明の実施の形態1に係る
窒化物半導体基板を示す模式的断面図であり、図1
(b)は、本発明の実施の形態2に係る窒化物半導体基
板を示す模式的断面図である。
【図2】 図2(a)及び(b)は、本発明の実施の形
態2に係る窒化物半導体基板の製造工程の一部を示す概
略図である。
【図3】 図3(a)から(c)は、本発明の実施の形
態3に係る窒化物半導体基板の製造工程の一部を示す概
略図である。
【図4】 図4(a)から(c)は、本発明の実施の形
態4に係る窒化物半導体基板の製造工程を示す模式断面
図である。
【図5】 図5は、従来の窒化物半導体基板の一例を示
す模式的断面図である。
【図6】 図6(a)は、図5に示す窒化物半導体基板
のCL観察像であり、図6(b)は図6(a)と同一箇
所についてのSEM観察写真である。
【図7】 図7は、図5に示す窒化物半導体基板のCL
スペクトルデータである。
【図8】 図8は、従来の窒化物半導体基板の別の一例
を示す模式的断面図である。
【図9】 図9(a)は、図8に示す窒化物半導体基板
のCL観察像であり、図9(b)は図9(a)と同一箇
所についてのSEM観察写真である。
【符号の説明】
10、20 異種基板、 12 窒化物半導体(シード部)、 13 基板露出部、 21 窒化物半導体層、 22 保護膜、 14、24、34、44、54 ELOG成長窒化物半
導体層、 14a、24a、34a、44a、54a スーパウィ
ング領域 14b、24b、54b アッパウィング領域 14c、24c、34c、44c、54c アッパシー
ド領域 45 保護膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前川 仁志 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内 (72)発明者 清久 裕之 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内 (72)発明者 小崎 徳也 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 5F045 AA04 AB09 AB14 AB17 AB18 AC08 AC09 AC12 AD12 AD13 AD14 AE30 AF09 AF13 BB12 CA11 DA53 DA61 DA67 DB02 GH09 HA02 5F073 CB02 CB05 CB07 DA05 DA07 DA21 EA28

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期的なストライプ状、島状又は格子状
    に形成された成長核から成長して、前記成長核同士の略
    中央において互いに接合して基板全面を覆った窒化物半
    導体層を有する窒化物半導体基板であって、 波長365nmにおけるカソードルミネセンス観察にお
    いて、 前記成長核の間に位置し、前記成長核上面の端部近傍か
    ら上方に進行する境界線を有する強発光領域が、基板表
    面に露出していることを特徴とする窒化物半導体基板。
  2. 【請求項2】 前記成長核が、周期的なストライプ状、
    島状又は格子状に形成された窒化物半導体から成る凸パ
    ターンであることを特徴とする請求項1記載の窒化物半
    導体基板。
  3. 【請求項3】 前記成長核が、周期的なストライプ状、
    島状又は格子状の保護膜の窓部から露出した窒化物半導
    体層であることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導
    体基板。
  4. 【請求項4】 前記強発光領域が、前記窒化物半導体層
    の表層を除去することによって基板表面に露出されたこ
    とを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の
    窒化物半導体基板。
  5. 【請求項5】 前記強発光領域の断面形状が、略台形で
    あることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に
    窒化物半導体基板。
  6. 【請求項6】 前記境界線を、前記成長核上面の両端近
    傍から前記成長核の内側に向かって上方に進行させるこ
    とにより、前記強発光領域を基板表面に露出させたこと
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の窒
    化物半導体基板。
  7. 【請求項7】 前記窒化物半導体層の層内部に、前記成
    長核の上方に位置して前記境界線の進行を止める保護膜
    を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1
    項に記載の窒化物半導体基板。
  8. 【請求項8】 前記保護膜が、融点1200℃以上の金
    属、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコ
    ニウム、及びこれらの多層膜から成る群から選択された
    1種から成ることを特徴とする請求項7に記載の窒化物
    半導体基板。
  9. 【請求項9】 前記境界線を、前記成長核上面の端部近
    傍から前記成長核の外側に向かって進行させ、さらに略
    垂直に又は前記成長核の内側に向かって上方に進行させ
    ることにより、前記強発光領域を基板表面に露出させた
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載
    の窒化物半導体基板。
  10. 【請求項10】 窒化物半導体と異なる異種基板の上
    に、窒化物半導体から成る成長核を、周期的なストライ
    プ状、島状又は格子状に形成する工程と、 前記成長核から、前記成長核同士の略中央部において互
    いに接合して基板全面を覆うように、窒化物半導体層を
    成長させる工程と、 波長365nmにおけるカソードルミネッセンス観察に
    おいて前記成長核間に観察される略三角形の強発光領域
    が少なくとも基板表面に露出するまで、前記窒化物半導
    体表面を研磨又はエッチングする工程とを備えた窒化物
    半導体基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 窒化物半導体と異なる異種基板の上
    に、窒化物半導体から成る成長核を、周期的なストライ
    プ状、島状又は格子状に形成する工程と、 前記成長核から、前記成長核同士の略中央部において互
    いに接合して基板全面を覆うように、窒化物半導体層を
    成長させる成長工程とを備えた窒化物半導体層の製造方
    法であって、 前記成長工程の前半において、前記窒化物半導体層を基
    板面に対して縦方向に優先的に成長させる一方、前記成
    長工程の後半において、前記窒化物半導体層を基板面に
    対して横方向に優先的に成長させることを特徴とする窒
    化物半導体基板の製造方法。
  12. 【請求項12】 窒化物半導体と異なる異種基板の上
    に、窒化物半導体から成る成長核を、周期的なストライ
    プ状、島状又は格子状に形成する工程と、 前記成長核から、前記成長核同士の略中央部において互
    いに接合して基板全面を覆うように、窒化物半導体層を
    成長させる成長工程とを備えた窒化物半導体層の製造方
    法であって、 前記成長工程が、III族原料とV族原料を気体状態で供
    給する化学気相成長法によって行われ、 前記成長工程の前半において、前記V族原料のIII族原
    料に対する供給モル比であるV/III比が1000よりも
    大きく、 前記成長工程の後半において、前記V/III比が1000
    よりも小さなことを特徴とする窒化物半導体基板の成長
    方法。
  13. 【請求項13】 前記成長工程前半におけるV/III比が
    2000以上であることを特徴とする請求項12記載の
    窒化物半導体基板の製造方法。
  14. 【請求項14】 窒化物半導体と異なる異種基板の上
    に、窒化物半導体から成る成長核を、周期的なストライ
    プ状、島状又は格子状に形成する工程と、 前記成長核から、前記成長核同士の略中央部において互
    いに接合して基板全面を覆うように、窒化物半導体層を
    成長させる成長工程とを備えた窒化物半導体層の製造方
    法であって、 前記成長工程において、前記窒化物半導体層の成長を途
    中まで成長させた後に、前記成長核の上方に保護膜を形
    成し、さらに前記窒化物半導体層を成長させることを特
    徴とする窒化物半導体基板の製造方法。
  15. 【請求項15】 窒化物半導体と異なる異種基板の上
    に、窒化物半導体から成る成長核を、周期的なストライ
    プ状、島状又は格子状に形成する工程と、 前記成長核から、前記成長核同士の略中央部において互
    いに接合して基板全面を覆うように窒化物半導体層を成
    長させる成長工程とを備えた窒化物半導体層の製造方法
    であって、 前記成長工程中、 窒化物半導体層を基板面に対して横方向に優先的に成長
    させるステップと、 前記窒化物半導体層の表層を異方性エッチングにより除
    去するステップと、 前記窒化物半導体層を基板面に対して縦方向に優先的に
    成長させるステップとを備えたことを特徴とする窒化物
    半導体基板の成長方法。
  16. 【請求項16】 窒化物半導体と異なる異種基板の上
    に、窒化物半導体から成る成長核を、周期的なストライ
    プ状、島状又は格子状に形成する工程と、 前記成長核から、前記成長核同士の略中央部において互
    いに接合して基板全面を覆うように窒化物半導体層を成
    長させる成長工程とを備えた窒化物半導体層の製造方法
    であって、 前記成長工程が、III族原料とV族原料を気体状態で供
    給する化学気相成長法によって行われ、前記成長工程
    中、 前記V族原料のIII族原料に対する供給モル比であるV/
    III比を1000よりも小さくして窒化物半導体層を成
    長させるステップと、 前記窒化物半導体層の上面を異方性エッチングにより除
    去するステップと、 前記V/III比を1000よりも大きくして窒化物半導体
    層を成長させるステップとを備えたことを特徴とする窒
    化物半導体基板の成長方法。
  17. 【請求項17】 前記成長核が、周期的なストライプ
    状、島状又は格子状に形成された窒化物半導体から成る
    凸パターンであることを特徴とする請求項9から16の
    いずれか1項に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記成長核が、周期的なストライプ
    状、島状又は格子状の保護膜の窓部から露出した窒化物
    半導体層であることを特徴とする請求項9から16のい
    ずれか1項に記載の窒化物半導体基板。
  19. 【請求項19】 さらに、前記異種基板を除去する工程
    を備えた請求項9から16のいずれか1項に記載の窒化
    物半導体基板の製造方法。
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