JP4876472B2 - 硬化性組成物 - Google Patents
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例えば、硬化速度を速くするために、硬化触媒として、ジブチルスズラウレート、オクチル酸鉛、オクチル酸スズ等の金属化合物が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、これらの金属化合物は、一般に毒性が高い傾向にあり、安全性に問題がある。
また、硬化触媒として、種々のアミン化合物も用いられている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、従来用いられているアミン化合物は、ポリマーとの相溶性が低く、ポリマーと混合すると混合物の表面に析出しやすいため、金属化合物と比べ、硬化速度が遅いという問題を有している。
更に、特許文献2においては、鉛、スズ以外の金属化合物を用いた硬化触媒として、セリウム化合物が提案されているが、加水分解性ケイ素基含有化合物の主鎖がポリエーテル重合体の場合、組成物を熱処理すると、硬度が低下したり、軟化したりする。
(i)加水分解性ケイ素基含有化合物100質量部と、
下記式(1)で表されるビグアニド化合物または2,6−キシリルビグアニド0.1〜30質量部と、
アミン化合物、ホルミル基含有フェノール化合物、環状テルペンフェノール樹脂およびフェノール変性シリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種と
を含有し、
前記加水分解性ケイ素基含有化合物は、加水分解性ケイ素基を、分子内に少なくとも1個有する有機重合体である、硬化性組成物。
(式中、Rは、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシ基もしくはエステル基を表す。)
(ii)前記ビグアニド化合物または前記2,6−キシリルビグアニドの含有量が、前記加水分解性ケイ素基含有化合物100質量部に対して、3〜30質量部である、上記(i)に記載の硬化性組成物。
(iii)前記アミン化合物が、アミノ基またはイミノ基と加水分解性ケイ素含有基とを有する化合物である、上記(i)または(ii)に記載の硬化性組成物。
(iv)前記ホルミル基含有フェノール化合物がバニリン化合物である、上記(i)〜(iii)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(v)前記環状テルペンフェノール樹脂が液状である、上記(i)〜(iv)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(vi)更に、脱水剤を含有し、かつ、1液形である上記(i)〜(v)のいずれかに記載の硬化性組成物。
本発明に用いられる加水分解性ケイ素基含有化合物は、加水分解性ケイ素基を、分子内に少なくとも1個有する有機重合体である。本発明においては、加水分解性ケイ素基は、加水分解性ケイ素基含有化合物の分子内の末端に存在していても、側鎖に存在していてもよく、また、両方に存在していてもよい。
ポリエーテルは、例えば、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(C2H5)O−、−CH(CH3)CH2O−、−CH(C2H5)CH2O−、−CH2CH2CH2O−または−CH2CH2CH2CH2O−で表される繰り返し単位を有するものが挙げられる。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は、特に限定されないが、原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基が好適に挙げられる。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基は、特に限定されず、例えば、水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数が20以下である、アルキル基、アルケニル基もしくはアリールアルキル基が好適に挙げられる。
中でも、2官能以上、即ち、分子内にアルコキシシリル基を2個以上有するアルコキシシラン類が好ましく、3〜20官能のアルコキシシラン類が原料の入手が容易なことからより好ましい。
このような加水分解性ケイ素基含有化合物は、公知の方法によって製造することができる。市販品としては、例えば、カネカ社製のMSポリマー、EPION;旭硝子社製のエクセスターが挙げられる。
本発明に用いられるビグアニド化合物は、下記式(1)で表されるビグアニド化合物である。
好適なビグアニド化合物の具体例としては、下記式(2)で表される1−o−トリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、2,6−キシリルビグアニドが挙げられる。
ビグアニド化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール化合物;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン等のケトン化合物;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル系溶剤;クロロベンゼン、ジクロロエタン等の塩素化炭化水素が挙げられる。
溶剤の中では、アルコール化合物、ケトン化合物が好ましい。
本発明に用いられるアミン化合物は、特に限定されず、脂肪族、芳香族または脂環式の第一級アミン化合物または第二級アミン化合物が好適に用いられる。
具体的には、例えば、オクチルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オレイルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、シクロヘキシルアミン、キシレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが好適に挙げられる。これらは、硬化触媒としてだけでなく、粘着防止剤または艶消し剤としても機能する。
アミノ基含有シランカップリング剤は、特に限定されず、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン、ビスメトキシジメトキシシリルプロピルアミン、ビスエトキシジエトキシシリルプロピルアミン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩;これらを加水分解により縮合させたものが挙げられる。
中でも、下記式(3)で表されるホルミル基含有フェノール化合物が好ましい。
ホルミル基含有フェノール化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
環状テルペン誘導体としては、例えば、リモネン、リモネンの光学異性体であるジペンテン、テルピノーレン、α−ピネン、β−ピネン、α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、3,8−メンタジエン、2,4−メンタジエンが挙げられる。
フェノール化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、ノニルフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、メトキシフェノール、ブロモフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールFが挙げられる。
環状テルペンフェノール樹脂は、環状テルペンおよび上述した環状テルペン誘導体の1種以上と、上述したフェノール化合物の1種以上とを任意の組み合わせで反応させて得ることができる。中でも、ジペンテン・フェノール樹脂、α−ピネン・フェノール樹脂、β−ピネン・フェノール樹脂が好適に挙げられる。
環状テルペンフェノール樹脂は、少なくとも本発明の硬化性組成物の調製時に液状であるのが、分散性が良好で、均質な組成物が得られる点で、好ましい。
環状テルペンフェノール樹脂の分子量は、特に限定されないが、200〜2,000であるのが好ましい。
環状テルペンフェノール樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
具体的には、例えば、ポリジメチルシロキサンの片末端にフェノールを直接的にまたは間接的に結合させてなる化合物、ポリジメチルシロキサンの両末端にフェノールを直接的にまたは間接的に結合させてなる化合物が挙げられる。
フェノール変性シリコーンの分子量は、特に限定されないが、500〜100,000であるのが好ましい。
フェノール変性シリコーンは、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
好適な具体例としては、カシューオイルが挙げられる。中でも、カシューオイルが、液体であるため使用しやすく、かつ、毒性も少ない点で好ましい。
アルコキシシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類;またはこれらの部分縮合物等があげられる。
本発明の硬化性組成物における脱水剤の含有量は、前記加水分解性ケイ素基含有化合物100質量部に対して、0.01〜30質量部であるのが好ましく、0.05〜20質量部であるのがより好ましい。
なお、後述するように、本発明の硬化性組成物を2液形として用いる場合には、更に、水を含有させることができるが、脱水剤と水とを併用する際には、主剤および硬化剤の一方に脱水剤を他方に水を含有させる。
脱水剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物を2液形として用いる場合、加水分解性ケイ素基含有化合物を主剤側に含有させる。水は、主剤側および硬化剤側のいずれに含有させてもよい。その他の成分はいずれに含有させてもよい。
例えば、ラウリン酸アルミニウム、アルミニウムトリエチルアセトナート等のアルミニウム化合物;テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン化合物等の金属化合物が挙げられる。
チクソトロビー性付与剤としては、例えば、乾式シリカ、ホワイトカーボン、水素添加ひまし油、炭酸カルシウム、テフロン(登録商標)が挙げられる。
顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機顔料が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−t−ブチル−p−クレゾール、4,4′−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2,2′−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−4−エチルブタンブチルヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
接着性付与剤としては、例えば、フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
上記の各添加剤は適宜、組み合わせて用いることができる。
特に、上記ビグアニド化合物をポリエーテルポリオールまたは溶剤(例えば、アルコール化合物)に溶解させ、または分散させた後に、上記加水分解性ケイ素基含有化合物と、上記アミン化合物、ホルミル基含有フェノール化合物、環状テルペンフェノール樹脂およびフェノール変性シリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種と、必要に応じて用いられる他の成分とを混合させて得る方法が本発明の好ましい態様の一つである。この方法は、ビグアニド化合物が硬化性組成物に均一に分散する点で好ましい。
ここで、上記ビグアニド化合物が上記加水分解性ケイ素基含有化合物および可塑剤に室温で溶解しない場合には、上記ビグアニド化合物を上記加水分解性ケイ素基含有化合物および可塑剤に分散させた後に、加熱して溶解させ、その後、上記アミン化合物、ホルミル基含有フェノール化合物、環状テルペンフェノール樹脂およびフェノール変性シリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種と、必要に応じて用いられる他の成分とに、混合させて得るのが好ましい。これにより、ビグアニド化合物を硬化性組成物により均一に分散させることができる。
(実施例1〜11および比較例1〜5)
<2液形硬化性組成物の作製>
下記第1表に示す各成分を、第1表に示す組成(質量部)で、ペイントロールを用いて混練し、主剤を作製した。また、下記第1表に示す各成分を、第1表に示す組成(質量部)で混合させ、実施例3〜5ならびに比較例1および5で用いた硬化剤とを作製した。その他の実施例および比較例の硬化剤は、第1表に示すとおりである。これにより、第1表に示される主剤と硬化剤とからなる2液形硬化性組成物を得た。
主剤と硬化剤とを混合させて組成物とし、得られた組成物について、以下のようにして相溶性、硬化性および硬化後の物性を評価した。
<1液形硬化性組成物の作製>
下記第2表に示す各成分を、第2表に示す組成(質量部)で、高粘度用混合ミキサーを用いて混練し、均一に分散させて、1液形硬化性組成物を得た。なお、実施例12〜24については、加水分解性ケイ素基含有化合物および可塑剤の混合物である液状成分にビグアニド化合物を加えて加温し、大部分が溶解して透明になったものに、乾燥させた粉体成分を混合させて、1液形硬化性組成物を得た。
得られた組成物について、以下のようにして相溶性、硬化性および硬化後の物性を評価した。
上記で得られた組成物を23℃で1週間放置した後、目視で組成物の表面を観察し、表面状態により、相溶性を評価した。相溶性の評価は、艶があり、配合剤の移行が認められないものを○、艶がほとんどなく、配合剤の移行が認められないものおよび艶がほとんどなく、配合剤の移行が少量のみ認められるものを△、艶が全くなく、アミン化合物系の配合剤が大量に移行しているものを×とした。
結果を第1表および第2表に示す。
陽極酸化アルミニウム被着体に、プライマー(No.40、横浜ゴム(株)社製)を塗布し、上記で得られた組成物を用いて、JIS A1439の規定に準じて温度23℃、湿度55%RHの環境下で所定期間(1液形硬化性組成物は14日間、2液形硬化性組成物は7日間)放置して、H型の試験体(耐久性試験体)を作製した(1液形硬化性組成物は試験体1形、2液形硬化性組成物は試験体2形)。JIS A1439の規定に準じて20℃で引張試験を行い、伸びが100%のときの引張応力(M100)、伸びが300%のときの引張応力(M300)、引張応力の最大値(Max.M)および破断時の伸び(EB)を測定した。
また、温度23℃、湿度55%RHの環境下で所定期間(1液形硬化性組成物は14日間、2液形硬化性組成物は7日間および14日間)放置して作製した厚さ12mmの板状の組成物および温度23℃、湿度55%RHの環境下で14日間放置した後、温度90℃の環境下で14日間放置して作製した厚さ12mmの板状の組成物について、高分子計器社製のアスカーゴム硬度計C型を用いて、硬度(Asker C硬度)の測定を行った。
結果を第1表および第2表に示す。なお、比較例2〜4の組成物は7日目において硬化していなかったのでM100等の測定を行うことができず、また、耐熱試験(90℃での処理)は実施しなかった(表中、「−」で示した。)。また、比較例7は、硬化が不十分だったので、引張試験および硬度の測定を行わなかった(表中、「−」で示した。)。
・加水分解性ケイ素基含有化合物1:カネカMSポリマーS203、カネカ社製
・加水分解性ケイ素基含有化合物2:ExceStarS3630、旭硝子社製
・加水分解性ケイ素基含有化合物3:カネカMSポリマーS943、カネカ社製、アクリル変性品
・炭酸カルシウム1:白艶華CCR、白石工業社製
・炭酸カルシウム−炭酸マグネシウム複合物:白艶華A、白石工業社製
・二酸化チタン:タイペークR−820、石原産業社製
・フタル酸ジイソノニル(DINP):ジェイ・プラス社製
・PPG:3官能PPG、EXCENOL3030、旭硝子社製、平均分子量3,000
・エポキシ系可塑剤:サンソサイザーE−PS、新日本理化社製
・ビニルシラン:KBM−1003、信越化学工業社製
・アミノ基含有シランカップリング剤1:3−アミノプロピルトリエトキシシラン、KBE−903、信越化学工業社製
・アミノ基含有シランカップリング剤2:N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、KBM−602、信越化学工業社製
・ポリテトラメトキシシラン:MKCシリケートM56S、三菱化学社製、重量平均分子量1,750
・バニリン化合物1:バニリン(試薬)、東京化成工業社製
・バニリン化合物2:o−バニリン(試薬)、東京化成工業社製
・環状テルペンフェノール樹脂:環状テルペン化合物1分子にフェノール類を約2分子の割合で付加させた環状テルペン骨格含有フェノール系化合物、YP−90LL、ヤスハラケミカル社製
・フェノール変性シリコーン:X−22−1821、信越化学工業社製
・チクソトロピー付与剤:水添ひまし油、ディスパロン305、楠本化成社製
・紫外線吸収剤:チヌビン327、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
・光安定剤:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、サノールLS770、三共ライフテック社製
・スズ系架橋触媒2:ジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ、東京化成工業社製
・炭酸カルシウム2:重質炭酸カルシウム、丸尾カルシウム社製
・脂肪族アミン化合物1:牛脂アミン、ファーミンT、花王社製
・脂肪族アミン化合物2:ステアリルアミン、ファーミン86T、花王社製
・芳香族アミン化合物:メタキシレンジアミン、MXDA、三菱ガス化学社製
・脂環式アミン化合物:1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−BAC、三菱ガス化学社製
・有機酸セリウム化合物:オクチル酸セリウム、ニッカオクチックスセリウム、日本化学産業社製
・ジフェニルグアニジン溶液:ジフェニルグアニジン(ソクシノールD、住友化学工業社製)を3官能PPG(EXCENOL3030、旭硝子社製、平均分子量3,000)と混合し、加温して得られた均一溶液、ジフェニルグアニジン濃度8.5質量%
・ビグアニド化合物溶液1:上記式(2)で表される1−o−トリルビグアニド(ノクセラーBG、大内新興化学工業社製)を3官能PPG(EXCENOL3030、旭硝子社製、平均分子量3,000)と混合し、加温して得られた溶液、1−o−トリルビグアニド濃度12質量%
・ビグアニド化合物分散液:フェニルビグアニド(東京化成工業社製)をエタノール(無水エタノール、日本薬局方)と混合して得られた分散液、フェニルビグアニド濃度14質量%
・ビグアニド:上記式(2)で表される1−o−トリルビグアニド(ノクセラーBG、大内新興化学工業社製)
・フェニルビグアニド:東京化成工業社製
・含水二酸化ケイ素:ニップシールHD−2、東ソー・シリカ社製
また、第2表から明らかなように、ビグアニド化合物と、アミン化合物、ホルミル基含有フェノール化合物、環状テルペンフェノール樹脂およびフェノール変性シリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種とを併用した1液形の本発明の硬化性組成物(実施例12〜24)は、従来公知のアミン系硬化触媒を用いた従来の組成物(比較例7)と比べて、硬化性に優れる。また、90℃で処理しても、硬度の低下がほとんど見られず、耐熱性に優れることが分かる。なお、ビグアニド化合物と脂肪族アミン化合物とを併用した場合(実施例16、17および24)、艶消しタイプの硬化性組成物とすることができた。
更に、本発明の硬化性組成物(実施例1〜24)は、硬化触媒として金属化合物を含有しない点で、安全に用いることができる(第1表および第2表参照。)。
更に、本発明の硬化性組成物は、組成により多少異なるが、硬化後の物性も、硬化触媒として金属化合物を用いる従来の組成物(比較例1、5および6)と比べて、23℃で7日間および14日間放置した後の物性の点で、同程度である。
Claims (6)
- 加水分解性ケイ素基含有化合物100質量部と、
下記式(1)で表されるビグアニド化合物または2,6−キシリルビグアニド0.1〜30質量部と、
アミン化合物、ホルミル基含有フェノール化合物、環状テルペンフェノール樹脂およびフェノール変性シリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1種と
を含有し、
前記加水分解性ケイ素基含有化合物は、加水分解性ケイ素基を、分子内に少なくとも1個有する有機重合体である、硬化性組成物。
(式中、Rは、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシ基もしくはエステル基を表す。) - 前記ビグアニド化合物または前記2,6−キシリルビグアニドの含有量が、前記加水分解性ケイ素基含有化合物100質量部に対して、3〜30質量部である、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記アミン化合物が、アミノ基またはイミノ基と加水分解性ケイ素含有基とを有する化合物である、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- 前記ホルミル基含有フェノール化合物がバニリン化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 前記環状テルペンフェノール樹脂が液状である、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 更に、脱水剤を含有し、かつ、1液形である請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物。
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