JP5692511B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、有機錫化合物を使用することなく、有機錫化合物を使用した時と同等以上の湿気硬化性を有すると共に、安定した保存安定性を有する湿気硬化性を有する組成物に関するものである。
従来、硬化物が弾性を発現する湿気硬化型の組成物が知られている。(以下、弾性接着剤と呼ぶ。)その硬化触媒には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート等が汎用的に触媒として使用されている。近年、一部の有機錫化合物に関して法律および企業による自主規制により使用に規制がかかり始めている。そのため、弾性接着剤に非有機錫化合物を使用する出願が増加している。特許文献1は、その流れのなかで初期の段階で出願された発明である。しかしながら、フッ化ホウ素塩は毒物・劇物に該当する化合物が多く、一般消費者にも使用される可能性がある弾性接着剤には適していない。
特許文献2では、有機錫化合物の代替としてフッ素化剤を使用している。一般的に、フッ化ナトリウムなどは歯の質を強くする効果や、むし歯の原因菌が酸を出すのを抑えるという作用があると知られて汎用的に使用されている。しかしながら、フッ素化剤は化学的な還元作用が強く、場合によってはフッ化水素が発生する恐れがあり人体に対する悪影響も恐れがある。
引用文献3では、電子吸引性基を有するフェノールまたは安息香酸を用いた湿気硬化する硬化性組成物が開示されている。しかしながら、電子吸引性基という広い概念であるため、産業上利用可能な範囲が明確ではない。実施例より、実質的にはフッ素置換体またはアセチル基置換体についてのみ検証され、比較例としては無置換体を行うのみである。湿気硬化性組成物は加水分解性基を有する化合物、アミンの種類、触媒の種類・構造によってその硬化性が大きく変化するため、フッ素置換体、アセチル基置換体がすべてのケースで使用できるかは明確になっていない。
特開2005−054174号公報 特開2008−260932号公報 特開2007−131798号公報
従来は、有機錫化合物を使用せず、保存安定性が安定した湿気硬化型の硬化性樹脂組成物が困難であった。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討した結果、湿気硬化性樹脂、特定のフッ素化合物、アミン化合物からなる樹脂組成物に関する本発明を完成するに至った。
本発明の要旨を次に説明する。本発明の第一の実施態様は、(A)〜(C)成分を含む硬化性樹脂組成物である。
(A)成分:分子中に加水分解性シリル基を2以上有する化合物
(B)成分:式1で示される化合物
(C)成分:(A)成分を除いたアミン化合物
本発明の第二の実施態様は、(A)成分の加水分解性シリル基が一般式2の化合物である実施形態一に記載の硬化性樹脂組成物である。
本発明の第三の実施形態は、(A)成分の加水分解性シリル基が一般式3であり、(C)成分のアミン化合物が2級または3級アミン化合物である実施形態一に記載の硬化性樹脂組成物である。
本発明の第四の実施形態は、(A)〜(C)成分を含む硬化性樹脂組成物である。
(A)成分:分子中に一般式2の加水分解性シリル基を2以上有する化合物
(B)成分:一般式4および/または式5で示される化合物
(C)成分:(A)成分を除いた2級又は3級アミン化合物
本発明の第五の実施形態は、加水分解性シリル基のXがアルコキシ基である実施形態一〜四のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物である。
本発明の第六の実施形態は、(A)成分の主鎖が、(メタ)アクリルモノマー重合体および/またはオキシアルキレン重合体からなる実施形態一〜五のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物である。
本発明の第七の実施形態は、アミン化合物が、アミノ基と加水分解性シリル基を有する化合物、アミジン骨格を有する化合物、グアニジン骨格を有する化合物、ジアザビシクロ骨格を有する化合物から少なくとも1選択される実施形態一、二、五、六のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物である。
本発明の第八の実施形態は、2級または3級アミン化合物が、アミジン骨格を有する化合物、グアニジン骨格を有する化合物、ジアザビシクロ骨格を有する化合物から少なくとも1選択される実施形態三〜六のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物である。
本発明では有機錫化合物を使用せず、保存安定性を有する湿気硬化型の硬化性樹脂組成物を可能にする。
本発明の詳細を次に説明する。本発明で使用することができる(A)成分としては、湿気により架橋反応が開始される加水分解性シリル基を2以上有する化合物である。当該加水分解性シリル基が主鎖に付加している部位は特に限定されるものではない。特に好ましくは、湿気硬化性と硬化物の弾性を両立する観点から、分子中に一般式2および/または一般式3の加水分解性シリル基を両末端に有する化合物である。また、当該加水分解性シリル基の数は、(A)成分中の平均値であっても良い。一般式2または一般式3のXは、アルコキシ基、アミノキシ基、ケトオキシム基、アセトキシ基またはアミノ基のものを使用することができる。また、一般式2のRは炭素数1〜20の炭化水素基または置換基を有する炭化水素基を示す。(以下、加水分解性シリル基と総称する。)特に好ましいXはアルコキシ基であり、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
(A)成分は、取扱いの観点より25℃において液状であることが好ましく、一般式2を有する(A)成分と一般式3を有する(A)成分を混合することもできる。(A)成分の主鎖骨格としては、ポリエーテル骨格、オキシアルキレン骨格、(メタ)アクリル重合骨格、(メタ)アクリル共重合骨格、ポリオルガノシロキサン骨格などが挙げられる。特に好ましくは、変性シリコーンと一般的に呼ばれてる(メタ)アクリルモノマー重合体および/またはオキシアルキレン重合体(共重合体を含む。)が主骨格に有する(A)成分が好ましい。
また、主骨格は同じでも、前記Xはそれぞれ独立して反応するため、一般式2と一般式3では硬化後の架橋密度が異なり、一般式2と一般式3におけるXの数に由来すると推測される。そのため、一般式2を有する(A)成分の方が硬化しやすい傾向が見られる。一般式3を有する(A)成分は、架橋密度を上げるため、塩基性の強い3級アミンが含まれることが好ましい。
(A)成分の具体例としては、株式会社カネカ製のサイリルシリーズ、カネカMSポリマーシリーズ、MAシリーズ、EPシリーズ、SAシリーズ、ORシリーズ、旭硝子株式会社製のエクセスターシリーズ等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本発明で使用することができる(B)成分としては、式1、一般式4、式5が挙げられる。一般式4において、Rは水素原子またはフッ素原子を示し、5のRの中で1〜4のフッ素原子を含む。明確な理由は判明していないが、(B)成分が(C)成分と共に存在することによって、湿気硬化に関する触媒性能が特異的に発現する。また、一般的な塩は室温において固体であり、樹脂成分との溶解性が問題になるため、取扱いの観点から25℃で液体であることが好ましい。
(A)成分100質量部に対して、(B)成分の添加量は0.01〜5.0質量部である事が好ましい、0.01質量部未満では湿気硬化性が充分発現せず、5.0質量部以上では、保存安定性が低下する傾向がある。
本発明で使用することができる(C)成分としては、(A)成分以外のアミン化合物である。具体的な(A)成分と(B)成分の組合せに対して、(C)成分の具体的な選択が異なる。(A)成分が一般式2で(B)成分が式1の場合、1級〜3級アミン化合物が使用できる。(A)成分が一般式3で(B)成分が式1の場合、2級または3級アミン化合物が適している。(A)成分が一般式2で(B)成分が一般式4および/または式5の場合、2級又は3級アミンが適している。
本発明における(C)成分では、1〜3級アミノ基がそれぞれ存在する化合物を使用することはもちろんのこと、1〜3級アミノ基が混在する化合物を使用することもできる。本発明においては、1〜3級アミノ基が混在する化合物は、最も大きい級のアミノ基を有する化合物を示すものとする。
(C)成分の具体例としては、1級アミン化合物として、ヘキシルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン等が、2級アミン化合物として、ジn−ブチルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ピペリジン等が、3級アミン化合物として、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、アミノ基と加水分解性シリル基を有する化合物(通称、アミノシラン)としては、特に限定されず、たとえば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−[2−(2−アミノエチル)アミノエチル]アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−エチルアミノ)−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、(2−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンなどがあげられる。
特定の骨格を有する(C)成分として、アミジン、グアニジン、ビグアニド、イミダゾール、ジアザビシクロ、ピリジンなどの骨格を有する化合物が挙げられる。アミジン骨格を有する化合物の具体例としては、アセトアミジン、アミノアセトアミジン、2,2−ジメチルプロピオンアミジンなど、グアニジン骨格を有する化合物の具体例としては、グアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、1−ブチルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、N,N’−ジフェニルグアニジンなど、ビグアニド骨格を有する化合物の具体例としては、ブチルビグアニド、1−o−トリルビグアニドや1−フェニルビグアニドなど、イミダゾール骨格を有する化合物の具体例としては、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなど、イミダゾリン骨格を有する化合物としては、2−メチルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、4,4−ジメチル−2−イミダゾリンなど、ジアザビシクロ骨格を有する化合物としては、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU:ジアザビシクロウンデセン)、6−(ジブチルアミノ)−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBA−DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN:ジアザビシクロノネン)等が挙げられる。(これらをジアザビシクロ骨格を有する化合物と総称する。)その他の具体例として、ピリジン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミドピリジン、1,4,5,6−テトラヒドロピジミジン、1,2−ジメチルテトラヒドロピリミジンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(A)成分100質量部に対して、(C)成分は0.01〜10質量部が好ましい。(C)成分と(B)成分の添加量は、その比率によっても湿気硬化性と保存安定性に影響を与えるため、(B)成分と(C)成分の比率は1:1〜1:20が最も好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、本発明の特性を損なわない範囲において顔料、染料などの着色剤、金属粉、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アモルファスシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム等の無機充填剤、難燃剤、有機充填剤、可塑剤、酸化防止剤、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤等の添加剤を適量配合しても良い。これらの添加により樹脂強度・接着強さ・作業性・保存安定性等に優れた組成物およびその硬化物が得られる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1〜10および比較例1〜19]
硬化性樹脂組成物を調製するために下記成分を準備した。
(A)成分:分子中に一般式2または一般式3の加水分解性シリル基を2以上有する化合物
・分子中に一般式の加水分解性シリル基を2有して、Xがアルコキシ基であり、主鎖がオキシアルキレン骨格と(メタ)アクリル共重合骨格の混合物である化合物(カネカサイリルMA440 株式会社カネカ製)
・分子中に一般式の加水分解性シリル基を2有して、Xがアルコキシ基であり、主鎖がオキシアルキレン骨格と(メタ)アクリル共重合骨格の混合物である化合物(カネカサイリルMA451 株式会社カネカ製)
(B)成分:式1、一般式4または式5で示される化合物
・4−フルオロベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)
・3,4−ジフルオロベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)
・3,4,5−トリフルオロベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)
・2,3,4,5−テトラフルオロベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)
・ペンタフルオロベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)
・ペンタフルオロベンゼンチオール(東京化成工業株式会社製)
(B’)成分:(B)成分以外のフッ素化合物や塩素化合物
・ペンタフルオロフェノール(東京化成工業株式会社製)
・ペンタフルオロアニリン(東京化成工業株式会社製)
・ペンタフルオロフェニルヒドラジン(東京化成工業株式会社製)
・ペンタフルオロトリブチルアミン(東京化成工業株式会社製)
・ペンタフルオロトリエチルアミン(東京化成工業株式会社製)
・ペンタフルオロ安息香酸(東京化成工業株式会社製)
・2−クロロベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)
・2,6−ジクロロベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)
(C)成分:1〜3級アミン化合物
・1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(3級アミンを有する化合物)(DBU サンアプロ株式会社製)
・テトラメチルグアニジン(2級アミンと3級アミンを有する化合物)(東京化成工業株式会社製)
・3−アミノプロピルトリエトキシシラン(1級アミンを有する化合物)(A−1100 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
製造方法は、プラスチック容器中に(A)成分に(B)成分を計量し、自転・公転真空ミキサーを用いて1分間混錬した。さらに(C)成分を計量し、前記ミキサーを用いて更に1分間混錬して硬化性樹脂組成物を得た。得られた硬化性樹脂組成物は、それぞれ密閉容器に充填して23℃で24時間静置した。詳細な調製量は表1および表2に従い、数値は全て質量部で表記する。
実施例1〜8および比較例1〜19に対して、外観、表面硬化性および深部硬化性について試験項目を実施した。また、初期の試験項目を測定した後、保存安定性を確認するため70℃雰囲気にて5日間放置した後の各試験項目を測定した。その結果を表2に示す。
[外観確認]
硬化性樹脂組成物を幅10mm×長50mmのビート状にポリエチレンシート上へ塗布した時の粘性を以下の通り三段階評価を行い、「性状」として示す。外観確認における性状は、「低粘度」であることが好ましいが、全ての実施例および比較例で低粘度であった。
低粘度:塗布しやすい程度に粘度が低い
高粘度:塗布しにくい程度の高粘度であるが塗布はできる
ゲル状:ゲル化が進行して半固体状態になっているため塗布できない
[表面硬化性確認]
23℃×50%RH雰囲気下で、硬化性樹脂組成物をポリエチレンシート上に幅10mm×厚1mm×長50mmのビートを塗布し、爪楊枝で組成物の表面を軽く触れる。組成物を塗布してから、爪楊枝に付着せずに表面が硬化したと判断されるまでの時間を「皮張り時間(分)」として表面硬化性を評価した。24時間以上放置しても硬化しない場合は、「未硬化」と表記する。皮張り時間は、20分以内であることが好ましい。
[深部硬化性確認]
表面硬化性確認で塗布した硬化性樹脂組成物を更に24時間放置した後、深部硬化性の硬化状態を評価した。硬化状態は以下の通り三段階評価を行い、その結果を「深部硬化状態」とする。深部硬化状態は、「硬化」の状態であることが好ましい。
硬化:硬化物が表面から深部まで均一に硬化している
ゲル化:硬化物の状態が表面よりも深部の方が硬化が不十分である
未硬化:表面及び深部が硬化していない
[保存安定性確認]
硬化性樹脂組成物の調整後の初期特性を確認した後、保存安定性を確認するために容器を70℃雰囲気にて5日間放置する。放置後に、硬化性樹脂組成物における外観、表面硬化性、深部硬化性について再確認を行った。
[実施例11]
実施例9に対して、3−アミノプロピルトリエトキシシランおよび充填剤として重質炭酸カルシウムの粉体を加えた組成物について、粘度、表面硬化性、引張剪断接着強さ1および引張剪断接着強さ2について測定を行った。さらに、保存安定性を確認するため70℃雰囲気にて5日間放置した後の各試験項目を測定した。その結果を表3に示す。
製造方法は、プラスチック容器中に(A)成分と充填剤を計量し、自転・公転真空ミキサーを用いて1分間混錬した。次に(C)成分の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7を計量して1分間混錬後、(B)成分を計量して1分間混錬した。さらに(C)成分の3−アミノプロピルトリエトキシシランを計量して前記ミキサーを用いて更に1分間混錬して硬化性樹脂組成物を得た。得られた硬化性樹脂組成物は、密閉容器に充填して23℃雰囲気で24時間静置した。詳細な調製量は表3に従い、数値は全て質量部で表記する。
[粘度測定]
コーンプレート型回転粘度計を用いて、25℃で3分後の粘度を測定した。測定結果を「粘度(Pa・s)」とする。粘度は充填剤の添加量により適宜設定されるため、特に好ましい範囲は無い。
[引張剪断接着強さ測定]
長100×幅25×厚1mmの寸法のテストピースを使用し、接着面積が25mm×10mmになる様に実施例16を塗布して貼り合わせて固定治具で固定する。その後、25℃×50%RH雰囲気にて7日間放置する。JIS K 6850に準拠して最大の剪断強度を測定し、接着面積より「剪断接着強さ(MPa)」を計算した。テストピースとして、アルミニウムを使用した場合を「剪断接着強さ1」とし、ポリカーボネートを使用した場合を「剪断接着強さ2」とする。剪断接着強さ1に関しては3.0MPa以上、剪断接着強さ2に関しては2.0MPa以上の数値を発現していれば、接着用途でも使用することができる。
実施例5〜9から式1の(C)成分を使用することで(A)成分の加水分解性シリル基が一般式2または一般式3に依存することなく、また(B)成分の種類に依存することなく良好な表面硬化性を有する。比較例8でも良好な表面硬化性を有しているが、(A)成分や(B)成分の種類を代えた場合は、比較例9と10の様に表面硬化性が大きく変化する。このことから、式1の(C)成分は湿気硬化触媒としての能力が高いことが判る。さらに、実施例5〜9は70℃雰囲気に放置してもその特性が変わることが無く、保存安定性も保持している。さらに、湿気硬化性組成物全般の傾向として充填剤を添加すると外気からの湿気が浸透し難くなるため表面硬化性および深部硬化性が低下する傾向が見られるが、実施例11の様に表面硬化性が若干低下しているが使用に際しては問題無い程度で表面硬化性を維持している。また、実施例1〜4および10と比較例1〜7を比較すると判る通り、一般式4または式5の(C)成分を使用した場合は特定の(A)成分および(B)成分を選定すると特異的に特定が向上する。具体的には(A)成分として加水分解性シリル基が一般式2であり、(B)成分が2級および/または3級アミンであれば特異的に良好な硬化性および保存性を発現する。さらに、実施例1〜4および10と比較例11〜23と比較すると、本発明における(C)成分を使用することで硬化性組成物は特異的に硬化性および保存安定性が発現することがわかる。
電気業界では、環境対策の一環として部材に於ける錫含有率を低下させる規制が進みつつある。湿気硬化性を有する硬化性樹脂には有機錫化合物が長年汎用的に使用されているため、有機錫化合物を使用せずに、同等の湿気硬化性を発現するためには技術的なハードルが高い。本発明は、有機錫化合物を使用しない有力な技術であり、電気分野にとらわれず自動車分野などの他分野にも展開することが出来る。また、本発明の(C)成分添加量は触媒量であり、ハロゲン問題に対しても有用な技術である。

Claims (5)

  1. (A)〜(C)成分を含む硬化性樹脂組成物。
    (A)成分:主鎖が、(メタ)アクリルモノマー重合体および/またはオキシアルキレン重合体であり、分子中に一般式2の加水分解性シリル基を2以上有する化合物
    (Xはアルコキシ基、アミノキシ基、ケトオキシム基、アセトキシ基またはアミノ基のいずれかを示す)
    (B)成分:式1で示される化合物
    (C)成分:(A)成分を除いたアミン化合物
  2. (A)〜(C)成分を含む硬化性樹脂組成物。
    (A)成分:主鎖が、(メタ)アクリルモノマー重合体および/またはオキシアルキレン重合体であり、分子中に一般式3の加水分解性シリル基を2以上有する化合物
    (Rは炭素数1〜20の炭化水素基または置換基を有する炭化水素基を示し、Xはアルコキシ基、アミノキシ基、ケトオキシム基、アセトキシ基またはアミノ基のいずれかを示す)
    (B)成分:式1で示される化合物
    (C)成分:(A)成分を除いた2級又は3級アミン化合物であり、2級又は3級アミン化合物が、アミジン骨格を有する化合物、グアニジン骨格を有する化合物、ジアザビシクロ骨格を有する化合物から少なくとも1選択される化合物
  3. (A)〜(C)成分を含む硬化性樹脂組成物。
    (A)成分:主鎖が、(メタ)アクリルモノマー重合体および/またはオキシアルキレン重合体であり、分子中に一般式2の加水分解性シリル基を2以上有する化合物
    (Xはアルコキシ基、アミノキシ基、ケトオキシム基、アセトキシ基またはアミノ基のいずれかを示す)
    (B)成分:一般式4および/または式5で示される化合物
    (Rは水素原子またはフッ素原子を示し、5のRの中で1〜4のフッ素原子を含む)
    (C)成分:(A)成分を除いた2級又は3級アミン化合物であり、2級又は3級アミン化合物が、アミジン骨格を有する化合物、グアニジン骨格を有する化合物、ジアザビシクロ骨格を有する化合物から少なくとも1選択される化合物
  4. 加水分解性シリル基のXがアルコキシ基である請求項1〜のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物
  5. 請求項1に記載のアミン化合物が、アミノ基と加水分解性シリル基を有する化合物、アミジン骨格を有する化合物、グアニジン骨格を有する化合物、ジアザビシクロ骨格を有する化合物から少なくとも1選択される化合物である硬化性樹脂組成物。
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