JP4876344B2 - 固形洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は固形洗浄剤組成物に関し、詳しくは成形が容易で、硬水中でも起泡性に優れ、泡質が良好で、使用時のぬめり感、すすぎ時のつっぱり感がなく、洗浄後はさっぱりと、乾燥後はしっとりとした感触に肌を仕上げるとともに、キメ細かいツヤのある外観で、繰返し使用時の溶け崩れが少ない固形洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、浴用せっけんに代表される固形洗浄剤組成物には高級脂肪酸塩が主成分として用いられてきた。しかし高級脂肪酸塩は脱脂力が強く使用後につっぱり感を伴う場合が多く、また皮膚に対する刺激も指摘されている。これらを解決するため多価アルコールや植物エキス等の保湿剤が用いられているが、すすぎ時に流れ落ちてしまうことから十分な効果は得られていない。また高級脂肪酸塩は使用する水や湯の硬度により泡立ちが阻害され、せっけんカスが発生するという問題があった。
【0003】
これらの問題点を解決すべく、高級脂肪酸塩に陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを添加する検討がされてきた。例えば特開平2−155992号公報には、高級脂肪酸塩とラウロイルメチルタウリン酸ナトリウムを組み合わせた低刺激性固形洗浄剤が、特開平2−155996号公報には、高級脂肪酸塩とベタイン型両性界面活性剤を組み合わせた低刺激性固形洗浄剤が開示されている。
しかし、これらの組成物は繰り返し使用時の溶け崩れが早く、起泡性やすすぎ時のつっぱり感、乾燥後のしっとり感に関しても、十分なものではなかった。
【0004】
また高級脂肪酸塩以外の界面活性剤を主成分として用いた固形洗浄剤組成物として、特開昭59−152999号公報、特開平8−27482号公報、特開平9−125100号公報には、アシルグルタミン酸塩やアシルイセチオン酸塩などのアミノ酸系洗浄成分を主成分とする固形洗浄剤組成物が、さらに特開平8−245981号公報には、N−アシルタウリン塩を高級脂肪酸または高級アルコールと組み合わせた固形洗浄剤組成物が開示されている。しかし、これらの組成物は成形時に十分な硬さが得られず、キメが粗く、繰り返し使用時の溶け崩れが早い。また使用感に関しても洗浄時にぬめり感が残る、洗浄後にさっぱり感が得られない等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を解決し、成形が容易で、硬水中でも起泡性に優れ、泡質が良好で、使用時のぬめり感、すすぎ時のつっぱり感がなく、洗浄後はさっぱりと、乾燥後はしっとりとした感触に肌を仕上げるとともに、キメ細かいツヤのある外観で、繰返し使用時の溶け崩れが少ない固形洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(A)下記のa、b、cおよびdを含有し、aが20〜60重量%、bが10〜55重量%、cが5〜40重量%、dが0.01〜15重量%であり、aとbの合計重量a+bが45〜85重量%、aとbの重量比a/bが1/2〜5/1であることを特徴とする固形洗浄剤組成物
a.式(1)で示されるアシルアミノ酸型陰イオン性界面活性剤の粉体化物
R1CONR2CH2CH2SO3M (1)
(式中、R1COは炭素数8〜22の脂肪族アシル基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、有機アンモニウム、塩基性アミノ酸、タウリン塩、N−メチルタウリン塩、中性または酸性アミノ酸塩を示す。)
b.平均分子量200〜20000のポリアルキレングリコール
c.炭素数8〜24の脂肪酸、または炭素数8〜24のアルコール
d.式(2)で示されるポリエチレングリコール脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤
R3COO(CH2CH2O)nX (2)
(式中、R3COは炭素数8〜22の脂肪族アシル基、Xは水素原子または炭素数8〜22の脂肪族アシル基を示し、nは1〜150の整数を示す。)
(B)アシルアミノ酸型陰イオン性界面活性剤が粉体化物であることを特徴とする前記(A)記載の固形洗浄剤組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のa成分である式(1)で示されるアシルアミノ酸型陰イオン性界面活性剤において、R1COは炭素数8〜22の脂肪族アシル基であり、具体的にはオクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基、ドコサノイル基、イソステアロイル基等の飽和脂肪族アシル基、オクタデセノイル基等の不飽和脂肪族アシル基およびこれらの混合物であるヤシ油脂肪族アシル基、牛脂脂肪族アシル基、硬化牛脂脂肪族アシル基等の混合脂肪族アシル基が挙げられ、好ましくはドデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、オクタデセノイル基、ヤシ油脂肪族アシル基が挙げられる。炭素数が8未満の場合は皮膚への刺激が強くなり、炭素数が22を超える場合は起泡性が低下する。
【0008】
R2は炭素数1〜3のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、好ましくはメチル基である。炭素数が3を超える場合は起泡性が低下する。
【0009】
Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、有機アンモニウム、塩基性アミノ酸、タウリン塩、N−メチルタウリン塩、中性または酸性アミノ酸塩である。具体的には、アルカリ金属としてはナトリウム、カリウムが、アルカリ土類金属としては1/2カルシウム、1/2マグネシウムが、有機アンモニウムとしてはトリエタノールアンモニウムが挙げられる。またタウリン塩、N−メチルタウリン塩、中性または酸性アミノ酸塩としてはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩が挙げられ、具体的にはタウリン塩としてはタウリンナトリウム、タウリンカリウム、タウリン1/2カルシウム、タウリン1/2マグネシウム、タウリンアンモニウム、タウリントリエタノールアミンが、N−メチルタウリン塩としては、N−メチルタウリンナトリウム、N−メチルタウリンカリウム、N−メチルタウリン1/2カルシウム、N−メチルタウリンアンモニウムが、中性アミノ酸塩としては、グリシンナトリウム、グリシン1/2マグネシウム、ザルコシンアンモニウム、β−アラニンジエタノールアミンが、酸性アミノ酸塩としてはグルタミン酸二ナトリウム、グルタミン酸二アンモニウム、アスパラギン酸二モノエタノールアミンが挙げられ、好ましくはナトリウム、タウリンナトリウム、N−メチルタウリンナトリウムである。
【0010】
本発明の組成物においてa成分の含有量は20〜60重量%、好ましくは25〜60重量%、更に好ましくは30〜60重量%である。20重量%未満の場合は起泡性が低下し、すすぎ時のつっぱり感があり、乾燥後のしっとり感が不十分である。60重量%を超える場合は成形時に十分な硬さが得られず、キメが粗くなる。また泡の持続性が低下し、使用時のぬめり感が残り、洗浄後のさっぱり感が不十分である。さらに繰り返し使用時の溶け崩れが早くなる。
【0011】
本発明においてa成分は好ましくはあらかじめスプレードライヤー等で粉体化して用いる。粉体化物の形状や大きさについて特に制限はなく、パウダー状、顆粒状、フレーク状等にして用いる。a成分の粉体化物を用いて組成物を調製した場合、調製時間の短縮、水分調整等の工程管理が容易になるほか、品質のばらつきが抑えられる。
【0012】
本発明のb成分であるポリアルキレングリコールは、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられるが、好ましくはポリエチレングリコールである。またb成分の平均分子量は200〜20000、好ましくは600〜6000である。平均分子量が200未満の場合は成形時に十分な硬さが得られず、繰り返し使用時の溶け崩れが早くなる。平均分子量が20000を超える場合は、流動性がなくなり成形が困難になる。
【0013】
本発明の組成物においてb成分は10〜55重量%、好ましくは15〜55重量%、更に好ましくは20〜50重量%である。10重量%未満の場合は成形時に十分な硬さが得られず、キメが粗くなる。また使用時のぬめり感が残り、洗浄後のさっぱり感が不十分である。さらに繰り返し使用時の溶け崩れが早くなる。55重量%を超える場合は、流動性がなくなり成形が困難になり、起泡性が低下する。またすすぎ時のつっぱり感があり、乾燥後のしっとり感が不十分である。
【0014】
本発明の組成物において、成分aと成分bの合計重量a+bは45〜85重量%、好ましくは50〜75重量%であり、成分aと成分bの重量比a/bは1/2〜5/1、好ましくは1/1〜4/1である。
a+bが45重量%未満の場合は洗浄後のさっぱり感が不十分であり、85重量%を越える場合は使用時のぬめり感が残り、繰り返し使用時の解け崩れが早くなる。a/bが5/1を超える場合は使用時のぬめり感が残り、洗浄後のさっぱり感が不十分である。また繰り返し使用時の溶け崩れが早くなる。1/2未満の場合は起泡性が低下し、すすぎ時のつっぱり感があり、乾燥後のしっとり感が不十分である。
【0015】
本発明のc成分は炭素数8〜24の脂肪酸、または炭素数8〜24のアルコールである。
炭素数8〜24の脂肪酸としてはオクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、イコサン酸、ドコサン酸、テトラコサン酸、イソオクタデカン酸等の飽和脂肪酸、ヘキサデセン酸、オクタデセン酸、オクタデカジエン酸、オクタデカトリエン酸、エイコサテトラエン酸等の不飽和脂肪酸、ヒドロキシオクタデカン酸等のヒドロキシカルボン酸、およびこれらの混合物であるヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸が挙げられ、好ましくはドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オクタデセン酸、ヤシ油脂肪酸が挙げられる。炭素数が8未満の場合は皮膚への刺激が強くなり、炭素数が22を超える場合は起泡性が低下する。
【0016】
また炭素数8〜24のアルコールとしては、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、イコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサデセノール、オクタデセノール等が挙げられ、好ましくはドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、オクタデセノールが挙げられる。炭素数が8未満の場合は皮膚への刺激が強くなり、炭素数が22を超える場合は起泡性が低下する。
【0017】
本発明のc成分は、前述の脂肪酸またはアルコールから選ばれて用いられるが、使用時のぬめり感、洗浄後のさっぱり感等の使用感の点から、脂肪酸を用いることがより好ましい。
【0018】
本発明の組成物においてc成分は5〜40重量%、好ましくは8〜35重量%、更に好ましくは10〜30重量%である。5重量%未満の場合は泡質が悪く、繰り返し使用時の溶け崩れが早くなる。40重量%を超える場合は起泡性が低下し、使用時のぬめり感が残り、洗浄後のさっぱり感が不十分である。
【0019】
本発明のd成分である式(2)で示されるポリエチレングリコール脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤において、R3COは炭素数8〜22の脂肪族アシル基であり、具体的にはオクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基、ドコサノイル基、イソステアロイル基等の飽和脂肪族アシル基、オクタデセノイル基等の不飽和脂肪族アシル基およびこれらの混合物であるヤシ油脂肪族アシル基、牛脂脂肪族アシル基、硬化牛脂脂肪族アシル基等の混合脂肪族アシル基が挙げられ、好ましくはドデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサカノロイル基、オクタデカノイル基、オクタデセノイル基、ヤシ油脂肪族アシル基が挙げられる。炭素数が8未満の場合は皮膚への刺激が強くなり、炭素数が22を超える場合は起泡性が低下する。
【0020】
Xは水素原子または炭素数8〜22の脂肪族アシル基を示す。脂肪族アシル基としては、具体的にはオクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基、ドコサノイル基、イソステアロイル基等の飽和脂肪族アシル基、オクタデセノイル基等の不飽和脂肪族アシル基およびこれらの混合物であるヤシ油脂肪族アシル基、牛脂脂肪族アシル基、硬化牛脂脂肪族アシル基等の混合脂肪族アシル基が挙げられ、好ましくは水素原子、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、オクタデセノイル基、ヤシ油脂肪族アシル基である。脂肪族アシル基の炭素数が8未満の場合は成形時の膨らみを抑えることができず、また使用時にぬめり感が残り、炭素数が22を超える場合は調製時に流動性がなくなり成形が困難になる。
【0021】
nはエチレンオキシドの付加モル数であり1〜150の整数であり、好ましくは1〜100、更に好ましくは1〜50である。nが150を超える場合は使用時にぬめり感が残る。
【0022】
d成分は、具体的にはモノラウリン酸ポリエチレングリコール(9モル)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(35モル)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(20モル)、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール(10モル)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(40モル)、ジラウリン酸エチレングリコール、ジミリスチン酸エチレングリコール、ジパルミチン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール等が挙げられ、好ましくはモノラウリン酸ポリエチレングリコール(9モル)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(35モル)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(20モル)、ジステアリン酸エチレングリコールが挙げられる。
【0023】
本発明の組成物においてd成分は0.01〜15重量%、好ましくは0.05〜12重量%、更に好ましくは0.1〜10重量%である。0.01重量%未満の場合は、成形時に調製物が膨らみ温度変化によるワレが生じやすく、ツヤが損なわれる。また15重量%を超える場合は起泡性が低下し、使用時のぬめり感が残り、洗浄後のさっぱり感が不十分である。
【0024】
本発明の洗浄剤組成物は前記の成分以外に、一般に洗浄剤に用いられる成分、例えば、油性基剤、低級アルコール、保湿剤、水溶性高分子、シリコーン誘導体、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、トニック剤、pH調整剤、防腐剤、キレート剤、色素、香料等を本発明の効果、性能を損なわない範囲で必要に応じて含有することができる。
【0025】
【実施例】
以下の実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
実施例1〜7
表1に示す成分および含有量で7種類の固形洗浄剤組成物を次のように調製し、その特性を評価した。表中の含有量は重量%を示す。
各原料を80〜85℃で均一になるまで溶解、攪拌した後、これを型に入れ、室温まで冷却し固形洗浄剤組成物を調製した。
評価結果も併せて示す。
【0026】
<a成分>
スプレードライヤーを用いて調製した以下に示す4種類のパウダー状のアシルアミノ酸型陰イオン性界面活性剤を用いた。
<a−1成分>
式(1)においてR1COがヤシ油脂肪族アシル基、R2がメチル基、Mがナトリウムである化合物。
<a−2成分>
式(1)においてR1COがヤシ油脂肪族アシル基、R2がメチル基、Mがカリウムである化合物。
<a−3成分>
式(1)においてR1COがオクタデカノイル基、R2がメチル基、Mがナトリウムである化合物。
<a−4成分>
式(1)においてR1COがヤシ油脂肪族アシル基、R2がメチル基、Mがタウリンナトリウムである化合物。
【0027】
<b成分>
以下に示す3種類のポリアルキレングリコールを用いた。
<b−1成分>
平均分子量が2000であるポリエチレングリコール。
<b−2成分>
平均分子量が6000であるポリエチレングリコール。
<b−3成分>
平均分子量が20000であるポリエチレングリコール。
【0028】
<c成分>
以下のc−1〜c−4に示す4種類の脂肪酸とc−5に示すアルコールを用いた。
<c−1成分>
ドデカン酸(ラウリン酸:「NAA−122」日本油脂(株)製)
<c−2成分>
テトラデカン酸(ミリスチン酸:「NAA−142」日本油脂(株)製)
<c−3成分>
ヘキサデカン酸(パルミチン酸:「NAA−160」日本油脂(株)製)
<c−4成分>
オクタデカン酸(ステアリン酸:「NAA−180」日本油脂(株)製)
<c−5成分>
オクタデカノール(ステアリルアルコール:「NAA−45」日本油脂(株)製)
【0029】
<d成分>
以下に示す3種類のポリエチレングリコール脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤を用いた。
<d−1成分>
式(2)においてR3COがドデカノイル基、Xが水素原子、n=9である化合物。
<d−2成分>
式(2)においてR3COがオクタデカノイル基、Xが水素原子、n=35である化合物。
<d−3成分>
式(2)においてR3COがオクタデカノイル基、Xがオクタデカノイル基、n=1である化合物。
【0030】
<その他の成分>
グリセリン:「RG コ」日本油脂(株)製
ジプロピレングリコール:「DPG−FC」旭硝子(株)製
ヤシ油脂肪酸ナトリウム(比較例の調製に使用):「ノンサールLN−1」日本油脂(株)製
N−ラウロイルタウリンNa(比較例の調製に使用):「ダイヤポンCT」日本油脂(株)製
【0031】
【表1】
【0032】
比較例1〜8
表2および表3に示す含有量で、調製手順などについては実施例1〜7と同様にして、比較例の固形洗浄剤組成物を調製し、その特性を評価した。評価結果を併せて示す。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
表1〜表3の組成物の評価は、下記の方法で行った。
(1)成形の容易性
上記方法で調製した製品について、成形の容易性について次の3段階で評価した。◎または〇の評価の組成物を成形が容易な洗浄剤と評価した。
◎:型に流し込みも容易であり放冷後十分な硬さが得られた。
〇:型への流し込みができたが、十分な硬さを得るのに1〜2日を要した。
×:型への流し込みが困難であり、十分な硬さを得るのに3日以上要する、または十分な硬さが得られない。
【0036】
(2)外観
外観のキメ細かさ、ツヤについて次の3段階で評価した。
◎または〇を外観が良好な洗浄剤と評価した。
◎:キメが細かくツヤがある。
〇:キメは細かいがややツヤがない。
×:キメが粗くツヤがない。
【0037】
(3)起泡性
試料濃度1重量%の水溶液をそれぞれイオン交換水、人工硬水(CaCO3 70ppm)で調整し、ロスマイルス法により、25℃で試料投入直後と5分後の泡の高さを測定した。試料投入直後の泡の高さが150mm以上のもので、次の式より求められる泡の持続率が90%以上のものを泡立ちのよい洗浄剤と評価した。
泡の持続率(%)=[(5分後の泡の高さ)/(試料投入直後の泡の高さ)]×100
【0038】
(4)泡質
男女各10名をパネラーとし、固形洗浄剤を用いて手洗い試験を行い、泡立てたときの泡を観察し、泡質を評価した。
泡が細かくクリーミーであると感じた場合を2点、泡がやや粗いと感じた場合を1点、泡が粗いと感じた場合を0点として、20名の合計値が30点以上のものを泡質の良好な洗浄剤と評価した。
【0039】
(5)使用時のぬめり感
男女各10名をパネラーとし、固形洗浄剤を用いて手洗い試験を行い、使用時のぬめり感を評価した。
ぬめり感を感じなかった場合を0点、ややぬめり感があると感じた場合を1点、ぬめり感があり、すすぎに時間がかかると感じた場合を2点として、20名の合計値が10点以下のものをぬめり感のない洗浄剤と評価した。
【0040】
(6)すすぎ時のつっぱり感
男女各10名をパネラーとし、固形洗浄剤を用いて手洗い試験を行い、すすぎ時のつっぱり感を評価した。
つっぱり感を感じなかった場合を0点、ややつっぱり感があると感じた場合を1点、手がつっぱると感じた場合を2点として20名の合計値が10点以下のものをつっぱり感のない洗浄剤と評価した。
【0041】
(7)洗浄後のさっぱり感
男女各10名をパネラーとし、固形洗浄剤を用いて手洗い試験を行い、洗浄後のさっぱり感を評価した。
非常にさっぱりとすると感じた場合を2点、あまりさっぱりしないと感じた場合を1点、ぬるついて全くさっぱりしないと感じた場合を0点として20名の合計値が30点以上のものをさっぱり感のある洗浄剤と評価した。
【0042】
(8)乾燥後のしっとり感
男女各10名をパネラーとし、固形洗浄剤を用いて手洗い試験を行い、十分にすすぎ、タオルで拭き取ったあとのしっとり感を評価した。
しっとりとしさらさらすると感じた場合を2点、しっとり感があまり得られないと感じた場合を1点、つっぱると感じた場合を0点とし、20名の合計値が30点以上のものをしっとりとしさらさら感のある洗浄剤と評価した。
【0043】
(9)繰返し使用試験
男女各10名をパネラーとし,固形洗浄剤を1週間浴室にて使用した。
溶け崩れが認められなかった場合を2点、やや溶け崩れが早いと感じた場合を1点、溶け崩れが早いと感じた場合を0点とし、20名の合計値が30点以上のものを溶け崩れのない洗浄剤と評価した。
【0044】
本発明の実施例1〜7の組成物は、成形の容易性、外観、起泡性、泡質に優れ、使用時のぬめり感やすすぎ時のつっぱり感がなく、洗浄後にさっぱりとした感触と乾燥後にさらさらした感触を与え、また繰返し使用時に溶け崩れの少ない固形洗浄剤組成物であった。
【0045】
一方、比較例1の組成物はa成分の含有量が多いため、成形時に十分な硬さが得られないとともにキメが粗く、泡の持続性が低下する。また使用時のぬめり感が残り、洗浄後のさっぱり感が得られず、繰り返し使用時の溶け崩れが早い。比較例2の組成物はa成分の含有量が少ないため、起泡性が低下し、すすぎ時のつっぱり感があり、乾燥後のしっとり感が得られない。比較例3の組成物はb成分の含有量が多いため、流動性がなく成形が困難であった。また起泡性が低下し、すすぎ時のつっぱり感があり、乾燥後のしっとり感が得られない。比較例4の組成物はb成分の含有量が少ないため、成形時に十分な硬さが得られないとともにキメが粗く、使用時のぬめり感が残り、洗浄後のさっぱり感が得られない。また繰り返し使用時の溶け崩れが早い。比較例5の組成物はc成分の含有量が多いため、起泡性が低下し、使用時のぬめり感が残り、洗浄後のさっぱり感が得られない。比較例6の組成物はc成分の含有量が少ないため、泡質が悪く、繰り返し使用時の溶け崩れが早い。比較例7の組成物はd成分の含有量が多いため、起泡性が低下し、使用時のぬめり感が残り、洗浄後のさっぱり感が得られない。比較例8の組成物はd成分を含有していないため、成形時に調製物が膨らみ、冷却後にひび割れが生じた。またツヤがなくざらざらとした手触りであった。比較例9の組成物はa成分とb成分の合計含有量が多いため、使用時のぬめり感が残り、また繰り返し使用時の解け崩れが早い。比較例10の組成物はa成分とb成分の合計含有量が少ないため、洗浄後のさっぱり感が得られない。比較例11の組成物はa/bの比率が5/1を超えるため、使用時のぬめり感が残り、洗浄後のさっぱり感が得られない。また繰り返し使用時の溶け崩れが早い。比較例12の組成物はa/bの比率が1/2を下回るため、起泡性が低下し、すすぎ時のつっぱり感があり、乾燥後のしっとり感が得られない。比較例13はa成分のR2が水素原子である本発明のa成分とは異なるN−アシルタウリン塩と高級脂肪酸からなる組成物であるが、成形時に十分な硬さが得られないとともにキメが粗く、使用時のぬめり感が残り、洗浄後のさっぱり感が得られない。また繰り返し使用時の解け崩れが早い。比較例14は高級脂肪酸塩に本発明のa成分を加えた組成物であるが、人工硬水中で起泡性が低下し、すすぎ時のつっぱり感があり、乾燥後のしっとり感が得られない。
【0046】
実施例8
以下に示す組成で洗顔用固形洗浄剤を調製し、成形の容易性、外観、起泡性については前述の実施例、比較例と同様の方法で、泡質、使用時のぬめり感、すすぎ時のつっぱり感、洗浄後のさっぱり感、乾燥後のしっとり感、繰り返し使用試験については組成物で洗顔を行い評価した。
【0047】
【0048】
この洗顔用固形洗浄剤組成物を評価したところ、成形が容易で、キメ細かいツヤのある外観を有し、水の硬度に関係なく起泡性、泡質に優れ、使用時のぬめり感、すすぎ時のつっぱり感がなく、さっぱりとした感触を有し、乾燥後の肌をさらさらした感触に仕上げるとともに、繰返し使用時に溶け崩れの少ない固形洗浄剤組成物であった。評価結果を以下に示す。
【0049】
【発明の効果】
本発明の固形洗浄剤組成物は、成形が容易で、硬水中でも起泡性に優れ、泡質が良好で、使用時のぬめり感、すすぎ時のつっぱり感がなく、洗浄後はさっぱりと、乾燥後はしっとりとした感触に肌を仕上げるとともに、キメ細かいツヤのある外観で繰返し使用時の溶け崩れが少なく、手肌のみならず洗顔用としても使用できる。
Claims (2)
- 下記のa、b、cおよびdを含有し、aが20〜60重量%、bが10〜55重量%、cが5〜40重量%、dが0.01〜15重量%であり、aとbの合計重量a+bが45〜85重量%、aとbの重量比a/bが1/2〜5/1であることを特徴とする固形洗浄剤組成物。
a.式(1)で示されるアシルアミノ酸型陰イオン性界面活性剤
R1CONR2CH2CH2SO3M (1)
(式中、R1COは炭素数8〜22の脂肪族アシル基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、有機アンモニウム、塩基性アミノ酸、タウリン塩、N−メチルタウリン塩、中性または酸性アミノ酸塩を示す。)
b.平均分子量200〜20000のポリアルキレングリコール
c.炭素数8〜24の脂肪酸、または炭素数8〜24のアルコール
d.式(2)で示されるポリエチレングリコール脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤
R3COO(CH2CH2O)nX (2)
(式中、R3COは炭素数8〜22の脂肪族アシル基、Xは水素原子または炭素数8〜22の脂肪族アシル基を示し、nは1〜150の整数を示す。) - アシルアミノ酸型陰イオン性界面活性剤が粉体化物であることを特徴とする請求項1記載の固形洗浄剤組成物。
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