JP4875846B2 - 固定化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば担体の表面上にタンパク質を固定化する際に広く利用できる生体分子の固定化方法に関する。
タンパク質-医薬品間の相互作用、及び、タンパク質-タンパク質間の相互作用に関する情報は、新規の医薬品開発や既存医薬品の作用の強化、副作用の減弱化をおこなう上で非常に有用な情報であり、さまざまな方法により解析されている。近年特にラジオアイソトープを用いず表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonanse:SPR)の原理を応用したリアルタイムでの相互作用解析を行う装置、例えば、Biacore 3000((登録商標)ビアコア社製、ウプサラ、スウェーデン)等が用いられるようになった。
このSPRの原理を用いた相互作用解析では、相互作用解析を行うタンパク質-タンパク質間における一方を、或いは、タンパク質-医薬品間における一方をセンサーチップ上に固定化し、その後、他方のタンパク質或いは医薬品をセンサーチップ上に作用させ、タンパク質-タンパク質相互作用或いはタンパク質-医薬品相互作用に起因する質量変化をSPRシグナルとして検出する。
医薬品等の低分子化合物を固定化する場合、低分子化合物分子内の適当な部分に固定化のための修飾を行う必要があり、この修飾がタンパク質との結合に悪影響を与えないように慎重に修飾する部分を選択する必要がある。また、修飾部分の分子構造が相互作用解析に適する長さとなるように種々の長さの修飾分子を合成し検討することになる。
一方、タンパク質を固定化する場合には
(A)センサーチップとタンパク質を共有結合によってある程度強固にカップリングすることで固定化を行う方法
(B)センサーチップとタンパク質の親和性を利用してマイルドにセンサーチップ上に結合させる方法、に大別される。
(A)の方法としては、1)タンパク質のアミノ基とセンサーチップ上のカルボキシル基とをカップリングさせる方法(アミンカップリング法)、2)タンパク質のカルボキシル基を2-(2-ピリジニルジチオ)-エタンアミン(PDEA)で修飾し、一方でセンサーチップ上のカルボキシル基をチオール化(-SH)して両者をS-S結合を介してカップリングさせる方法(表面チオールカップリング法)、3)センサーチップにPDEA等の修飾を行いタンパク質の遊離の-SH基と-S-S-結合を形成させてカップリングさせる方法(リガンドチオールカップリング法)などが知られている。
(B)の方法としては、1)タンパク質にヒスチジンタグ(His-tag)を導入し、それをNTA(nitrilotriacetic acid)をコートしたセンサーチップにNi2+を介して結合させる方法、2)各種抗体をセンサーチップに固定化して、対応する抗原を当該抗体に結合させこれによりセンサーチップ状に固定化する方法等が知られている。
(A)の方法では、固定化によってタンパク質の任意のアミノ基もしくはカルボキシル基が修飾されることになるが多くのケースで良好な結合活性を保持している。また、(B)の方法では、His-tag、抗原ペプチド等の親和性部位を発現することができる配列をタンパク質の遺伝子の一部に組替えDNA法を用いて加える必要があるが、固定化の際にはタンパク質に修飾を加えないで行うことが出来る。
この様にタンパク質の固定は、一般に低分子化合物の固定化よりも容易に実施することができる。そのため多くの研究において、タンパク質をセンサーチップに固定化して相互作用解析を行っている。
しかしながら、(A)の方法ではタンパク質の固定化の際に、アミンカップリング法、表面チオールカップリング法等いずれの方法においても、センサーチップ上にタンパク質を濃縮する必要があり、この濃縮(プレコンセントレーション)なしでは一般にほとんどタンパク質を固定化することは出来ない。プレコンセントレーションは、カップリングの際にタンパク質を、その等電点(pI)よりも若干低いpHで、且つイオン強度の弱い緩衝液(10mM程度の酢酸ナトリウム緩衝液など)に溶解もしくは希釈することで行うことが出来る。つまり、タンパク質のpI以下のpHの緩衝液中ではタンパク質は総電化で+荷電になる性質があり、同時にセンサーチップ上のカルボキシル基はアルカリ側からpH3.5程度の酸性域まで−荷電を持つことから静電的な力によってタンパク質がセンサーチップ上に濃縮される。このプレコンセントレーション効果によって生理的な濃度のタンパク質を用いているにもかかわらずセンサーチップ上に高濃度のタンパク質を濃縮することができ、結果として高い固定化量を実現することが出来る。
さらに、タンパク質は共有結合により強固にセンサーチップに固定化されるため、一旦固定化されたタンパク質は以後安定してセンサーチップに結合し、繰り返し相互作用解析をおこなうことも可能である。
しかしながら、このプレコンセントレーション効果を得るためには一旦タンパク質を低いpH条件で、またイオン強度も生理的な条件から乖離した低い緩衝液にさらす必要があり、なおかつ多くの酸性タンパク質はpH4.0程度でも総電化として+荷電をもたないためプレコンセントレーション効果を得ることができず、結果としてタンパク質を固定化することが出来ない。
表面チオールカップリング法では、タンパク質のカルボキシル基にPDEAの修飾を行う結果として、タンパク質の−荷電数を減少させ、よってpIを上昇させてプレコンセントレーション効果を得る方法である。そのため、幾つかの酸性タンパク質でも表面チオールカップリング法によって良好な結果をえているが、この方法ではタンパク質をPDEA等で修飾する必要があり、その後精製操作が必要である。そのため、タンパク質の必要量が100μg程度とアミンカップリング法の1μg程度にくらべ100倍も多くのタンパク質が必要となる。さらに、表面チオールカップリング法ではカップリングが-S-S-結合によってなされるため、固定化したタンパク質の洗浄、及び、相互作用解析時の再生操作にアルカリ溶液を使用することが出来ないため、アルカリ溶液で再生する必要があるタンパク質に関してはセンサーチップへの固定化は可能であるが実際相互作用解析を行うことはできない。
一方、(B)の方法では、組換えDNA法によってHis-tagをタンパク質に組み入れてあるHis-tagタンパク質を固定化する際に用いる緩衝液は、生理的な条件の緩衝液(PBSなど)を用いることができる。しかしながら、タンパク質とNTAとの結合の親和性は、一般に低く、一旦センサーチップにNi2+を介して固定化されたタンパク質はその後徐々にセンサーチップから解離してしまう。さらに、His-tagタンパク質とNTA センサーチップの結合は、高塩濃度、低塩濃度、酸性pH条件、及びアルカリpH条件でさらに不安定となり、センサーチップの洗浄や再生操作が必要な相互作用解析を行うことが出来ない。
上述したように、アミンカップリングを用いる場合には、酸性タンパク質が固定化できないというような、固定化できるタンパク質が限られるといった問題があった。また、表面チオールカップリング法を用いる場合には、酸性タンパク質の多くを固定化できるが、多量のタンパク質が必要でありアルカリ性の洗浄・再生操作を行うことができないといった問題があった。さらに、His-tagを用いる場合には、センサーチップへの固定化では広範囲のHis-tagタンパク質が固定化できるが、その結合は安定せず徐々に解離してしまうといった問題、また、一般に相互作用解析時に固定化したタンパク質の洗浄・再生操作が必要なタンパク質では解析を行うことができないという問題があった。
そこで、本発明は、このような実状に鑑みて、タンパク質等の様々な生体分子を固定化することができ、且つ、担体に対して強固に固定化できるタンパク質の固定化方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明者が鋭意検討した結果、担体にタンパク質を固定化する際に、固定化担体側の反応基を活性化させた後に、タグ部を有するタンパク質を作用させることで、タンパク質のタグ部と固定化担体とを相互作用させるとともにタンパク質と固定化担体とを共有結合させることができ、様々なタンパク質(又は他の生体分子)を強固に固定化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
第1の点において、本発明は、少なくとも1以上のタグ部を有する1種以上の生体分子を含む溶液を、(i)1種以上の生体分子タグ部の結合部位、及び(ii)1種以上の生体分子と共有結合を形成することができる活性化された反応基を有する固定化担体に接触させる工程を含む生体分子の固定化方法を提供する。
一実施形態において、当該方法は、タグ部を有する固定化対象の1種以上の生体分子に対して共有結合可能な反応基を有する固定化担体における当該反応基を活性化する第1工程と、
上記第1工程の後、上記固定化担体に対して、上記固定化対象の1種以上の生体分子を含む溶液を作用させる第2工程とを含み、
上記第2工程では、上記タグ部と上記固定化担体のタグ部結合部位との間の相互作用及び上記反応基と上記1種以上の生体分子との間の共有結合を介して、上記1種以上の生体分子を上記固定化担体に固定化する。
上記反応基は、例えば、カルボキシル基であってもよく、第2工程では、当該カルボキシル基と、タンパク質等の上記固定化対象の生体分子におけるアミノ基と間でアミンカップリングさせる。
上記タグ部は、例えば、ヒスチジンタグであってもよく、上記第2工程では、当該ヒスチジンタグと固定化担体との間で相互作用させる。
上記第2工程における相互作用は、上記ヒスチジンタグと固定化担体との間で錯体を介して、好ましくは、例えばNi2+-nitrilotriacetic acid(Ni-NTA)又はNi2+-iminodiacetic acid(Ni-IDA)等の金属イオンキレートを介して相互作用させる。
或いは、上記第2工程における固定化担体のタグ部結合部位はタグ部に対する抗体であってもよい。
この場合、上記タグ部は、好ましくはヒスチジンタグであり、上記抗体は抗ヒスチジンタグ抗体であり、第2工程では、当該ヒスチジンタグと固定化担体との間で抗ヒスチジンタグ抗体を介して相互作用させる。
タグ部は、天然の生体分子における特有の一部であってもよい。
第2の点において、本発明は、上記第1の方法の点に係るタンパク質等の生体分子を固定化する方法を用いて固定化した生体分子を有する固定化担体に対して、決定対象の低分子化合物を含む試料を作用させる工程と、
上記固定化担体に固定化された生体分子と、上記試料に含まれる低分子化合物との親和性及び/又は反応速度を決定する工程とを含む生体分子-低分子化合物親和性及び/又は反応速度決定方法を提供する。
親和性の決定は結合定数及び/又は乖離定数を決定する工程を含んでいても良く、反応速度の決定は結合率定数及び/又は乖離率定数を決定する工程を含んでいても良い。
上記生体分子-低分子化合物親和性及び/又は反応速度決定方法の一実施形態において、表面プラズモン共鳴の原理によりタンパク質等の生体分子と上記低分子化合物との親和性及び/又は反応速度を決定する。
第3の点において、本発明は、上記第1の方法の点に係るタンパク質等の生体分子を固定化する方法を用いて固定化した1種以上のタンパク質を有する固定化担体に対して、決定対象の1種以上のタンパク質を含む試料を作用させる工程と、
上記固定化担体に固定化された1種以上のタンパク質と、上記試料に含まれる1種以上のタンパク質との親和性及び/又は反応速度を決定する工程とを含むタンパク質-タンパク質親和性及び/又は反応速度決定方法を提供する。
上記タンパク質-タンパク質親和性及び/又は反応速度決定方法の一実施形態において、上記親和性及び/又は反応速度を決定する工程では、表面プラズモン共鳴の原理により上記試料中のタンパク質と上記固定化されたタンパク質との親和性及び/又は反応速度を決定する。
第4の点において、本発明は、上記第1の方法の点に係るタンパク質等の生体分子を固定化する方法を用いて固定化した1種以上のタンパク質等の生体分子を有する固定化担体を提供する。
好ましい実施形態において、上記固定化担体は、基板と、基板上に配設され、固定化対象の1種以上の生体分子と共有結合可能な反応基が導入された多糖分子鎖とを備え、上記1種以上の生体分子が上記多糖分子鎖とキレートを介して相互作用しているとともに、上記反応基と共有結合していることを特徴としている。
本発明に関する上記の点及びその他の点は、添付の図面及び後述の詳細な説明を参照して明白であろう。
以上、詳細に説明したように、本発明に係る生体分子の固定化方法は、固定化対象の生体分子と共有結合可能な反応基を活性化させ、その後、固定化対象の生体分子が有するタグ部と当該固定化担体とを相互作用させ、固定化担体の反応基と固定化対象の生体分子とを共有結合させる。本発明に係る生体分子の固定化方法によれば、タグ部を有する全て生体分子を固定化することが可能であり、且つ、固定化対象の生体分子を固定化担体に対して長期間に亘って強固に固定化することができる。
本発明に係るタンパク質等の生体分子の固定化方法は、固定化担体に対して生体分子を固定化する際に適用することができ、特定の技術範囲に限定して適用するものではない。
例えば、本発明に係る生体分子の固定化方法は、ラベル不要の方法及び蛍光プローブ(フルオロフォア)又は蛍光団といったラベルを要する方法を含む様々な検出方法を利用した解析に用いる一種以上の生体分子を固定化したセンサーチップを作製する際に適用できる。ラベル不要の方法には、例えば、表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonanse:SPR)の原理といった一過性波長観察に基づく方法が含まれる。その他のラベル不要の検出技術としては、例えば、水晶振動子マイクロバランス(Quartz-crystal microbalance:QCM)の原理を挙げることができる。
さらに、本発明に係る生体分子の固定化方法は、例えば、いわゆるプロテインチップ(プロテインアレイ)やアフィニティービーズ(アフィニティーカラム)を作製する際にも適用することができる。
以下では、SPRの原理を利用した解析に用いるセンサーチップを例示して説明する。このセンサーチップは図1に示すように、透過性を有する基板1と、基板1の一主面上に配設された金属膜2と、金属膜2上に配設された固定化担体3(又は固定化基板3)とを備えている。固定化マトリックス3は、例えば、カルボキシル基等の反応基を有する自己組織化単分子膜(SAM)、或いは、SAM及びカルボキシメチルデキストランを、金属膜2上に固定化したものである。
固定化基板3は、固定化対象のタンパク質を共有結合する反応基を有している。固定化基板3の反応基とは、固定化対象の生体分子との間で共有結合を形成しうる官能基を意味する。反応基としては、例えば、カルボキシル基及びチオール基を挙げることができる。また、固定化基板3は、固定化対象の生体分子におけるタグ部と結合するタグ部結合部位を有している。タグ部結合部位は、上述するタグ部に応じて適宜選択されるが、例えば、ヒスチジン−タグを有するタンパク質に対してはnitrilotriacetic acid(NTA)、グルタチオンSトランスフェラーゼ−タグを有するタンパク質に対してはグルタチオン、マルトース結合タンパク質−タグを有するタンパク質に対してはマルトースを挙げることができる。また、抗原ペプチドをタグ部として有するタンパク質に対しては、当該抗原ペプチドと抗原抗体反応する抗体をタグ部結合部位として使用することができる。
また、本発明に係る生体分子の固定化方法において、固定化対象の生体分子としては、上記で定義したタグ部を有する生体分子であれば特に限定されず、如何なる生体分子も適用することができる。ここで、タグ部とは、固定化担体3側のタグ結合部位と相互作用して、タンパク質等の生体分子と固定化担体3との結合に寄与する部位である。タグ部としては、例えば、ヒスチジン−タグ(以下、His−タグと呼ぶ。His−タグは少なくとも2つの例えば5-6ヒスチジン残基を有している。これら5-6ヒスチジン残基は通常連続しているが他のアミノ酸によって不連続となっていても良い。)、グルタチオンSトランスフェラーゼ−タグ(以下、GST−タグと呼ぶ)、マルトース結合タンパク質−タグ(以下、MBP−タグと呼ぶ)、抗原ペプチド−タグ等を挙げることができる。抗原ペプチド−タグとは、抗体が存在するペプチドをタグとするものであり、例えば、His−タグ、His G−タグ、HA−タグ、C-myc−タグ、myc−タグ、BPV-1−タグ、cl−タグ、Cre recombinase−タグ、FLAG−タグ、NS1(81)−タグ、green fluorescent protein(GFP)−タグ、IRS−タグ、LexA−タグ、Thioredoxin−タグ、Polyoma virus medium T antigen epitope−タグ、SV40 Large T Antigen−タグ、Paramoxyvirus SV5−タグ、Xpress−タグ、GST−タグ、MBP−タグ等を挙げることができる。また、タグ部は、固定化されたタンパク質A又はGと結合することができるIgGのFc部分といった、天然の生体分子における特有の一部であってもよい。
上述したように、生体分子としては何ら限定されるものではなく、如何なる特性、性質の生体分子をも本方法に適用することができる。生体分子が固定化担体の反応基と結合することができる官能基を有するならば、生体分子としては、天然に生産された分子及び合成的に生産された分子の両方を含む。特に、タンパク質としては、塩基性タンパク質であっても酸性タンパク質であってもよく、また、疎水性タンパク質であっても親水性タンパク質であっても良い。
タグ部を有するタンパク質は、例えば、タグ部をコードする遺伝子と、タンパク質をコードする遺伝子とをフレームが一致した状態で有する発現ベクターを用いて形質転換し、形質転換細胞中でタグ部とタンパク質との融合タンパク質として発現させ、当該融合タンパク質を回収することで調製できる。
本発明に係るタンパク質等の生体分子の固定化方法は以下のように実行することができる。先ず、固定化担体の反応基を活性化させる。活性化とは、反応基を、当該反応基の近傍に存在する固定化対象のタンパク質に対して共有結合を形成しうる状態に遷移させることを意味する。反応基としてカルボキシル基を有する固定化担体3に対しては、例えば、N-ethyl-N’-(dimethylaminopropyl)carbodiimide(EDC)とN-hydroxysuccinimide(NHS)の混合液を作用させることによって、カルボキシル基を活性化することができる。
次に、固定化担体3に対して固定化対象のタンパク質を作用させ、当該固定化対象のタンパク質が有するタグ部と固定化担体3とを相互作用させる。ここで相互作用とは、タグ部とタグ部結合部位とが結合し、当該タンパク質と固定化担体3とが比較的緩やかに結合することを意味する。例えば、タグ部としてHis−タグを有するタンパク質の場合、固定化担体3に導入されたNTAにニッケル等の金属をトラップさせ、ニッケルを介してHis−タグとNTAとが錯体を形成する。ニッケルをNTAにトラップさせるのは固定化担体3の活性化の前後どちらでもかまわない。これにより、His−タグを有するタンパク質とNTAを導入した固定化担体3とを相互作用させることができる。
また、タグ部としてGST−タグを有するタンパク質の場合、グルタチオンが導入された固定化担体と当該タンパク質とを、生理的条件のリン酸緩衝液(たとえばPBS)や生理的条件のHepes緩衝液(たとえばHBS)中に共存させることで相互作用させることができる。さらに、抗原ペプチドを有するタンパク質及び抗体を導入した固定化担体3を用いる場合も、同様に、生理的条件のリン酸緩衝液(たとえばPBS)や生理的条件のHepes緩衝液(たとえばHBS)中に共存させることで相互作用させることができる。
本発明に係るタンパク質等の生体分子の固定化方法では、上述したように、固定化対象のタンパク質が有するタグ部と固定化担体3とを相互作用させるため、固定化対象のタンパク質は、固定化担体3の近傍に比較的高濃度に存在させる。このため、活性化した反応基とタンパク質との間に共有結合が形成しやすい状態となり、活性化した反応基とタンパク質との間に容易に共有結合が形成される。
例えば、反応基がカルボキシル基である場合、固定化対象のタンパク質に存在するアミノ基と反応基との間で共有結合を形成、すなわちアミンカップリングを形成する。また、反応基がカルボキシル基である場合、カルボキシル基をPDEA(2-(2-pyridinyldithio) ethaneamine hydrochloride)で修飾することにより、固定化対象のタンパク質に存在する遊離のチオール基と反応基との共有結合を形成、すなわちリガンドチオールカップリングを形成する。さらに、固定化対象のタンパク質がカルボキシル基を有する場合、予め当該タンパク質をPDEAと反応させてカルボキシル基をPDEA化する。固定化担体3のカルボキシル基を活性化させた後に、当該カルボキシル基をcystamine dihydrochlorideと反応させ、その後dithiothreitol(DTT)で還元することによりチオール基に変換する。そして、タンパク質のPDEA化したカルボキシル基と、固定化担体3側のチオール基の間で共有結合(ジスルフィド結合)を形成する。すなわち、サーフェスチオールカップリングを形成する。
このように、タグ部とタグ結合部位との間の相互作用及び反応基と生体分子との間の共有結合を形成することによって、固定化対象の生体分子を固定化担体に固定化することができる。本発明の方法を使用することによって、タグ部とタグ部結合部位とを相互作用させるために生体分子を固定化担体3の近傍に比較的高濃度に存在させることができる。このため、本発明に係る生体分子の固定化方法によれば、従来の方法においては固定化担体3の近傍に高濃度に存在させ難い生体分子を固定化対象とする場合でも、生体分子を固定化担体3に共有結合させることができる。
本発明の方法に使用されるタグ部結合部位を支持する固定化担体は、当該担体上の活性化された反応基にタグ結合種とをカップリングすることによって調整してもよい。通常、活性化された反応基の中で残存するものは後に不活性化される。His−タグ等といった幾つかのタグに適した、NTAといったタグ結合部位を有する担体表面は商業的に入手可能である。しかしながら、タグ結合種のカップリングの後に残存する活性化された反応基を、固定化対象の生体分子を共有結合させる際に利用するとも可能である。すなわち、固定化担体に対する生体分子の結合前に、担体表面上の反応基を更に活性化する必要は無くなる。この場合、固定化工程は以下の順に行われる。固定化担体上の反応基の活性化。活性化した反応基を介したタグ結合種と固定化担体とのカップリング。タグ部を有する生体分子と固定化担体との接触によるタグを介した固定化担体への生体分子の結合及び同時に生体分子と活性化された反応基との間の共有結合形成。
本発明に係る生体分子の固定化方法、特にタンパク質の固定化方法を適用して作製されたセンサーチップは、固定化した生体分子に親和性を有するようなアナライトを検出するようなシステムに用いることができる。例えば、上述したBiacore 3000((登録商標)ビアコア社製、ウプサラ、スウェーデン)といったSPRの原理を利用した解析装置では、図2に示すように、基板1の主面と反対の主面に配設したプリズム4と、基板1の主面に配設した固定化基板3と、プリズム4を介してセンサーチップに偏光5を入射する光源6と、プリズム4を介して入射した偏光5が金属膜2で反射した反射光7が入射する検出部8と、タンパク質を固定化した固定化担体3に接するフローセル9とを備える。
SPRの原理によれば、光源6から金薄膜2に偏光5を全反射するように当てると、反射光7の一部に、反射光強度が低下した部分が観察される。この光の暗い部分の現れる角度は、センサーチップ上の金属膜近傍での質量(又は屈折率)に依存する。固定化担体3に固定化された生体分子にアナライトが結合すると、質量変化(=屈折率の増加に対応する質量増)が生じ、光の暗い部分がIからIIにシフトする(図2)。1mm2あたり1ngの物質が結合するとI→IIに0.1度シフトすることが知られている。逆に、乖離により質量が減少すれば、II→Iにその分だけ戻る。
したがって、図2に示した解析装置によれば、試料を含む溶液をフローセル9内に流入し、反射光7における暗い部分がIからIIにシフトする量を検出部8で検出する。この解析装置では、検出の結果として、センサーチップ表面での質量変化を縦軸にとり、質量の時間変化を測定データとして表示する(センサーグラム)。縦軸の単位は、Resonance Unit(=RU:レゾナンスユニット)で表され、1RU=1pg/mm2に相当する。この屈折率変化の割合は、すべての生体分子(タンパク質・核酸・脂質)で実質的に同じであり、生体分子を標識することなく、相互作用をリアルタイムでみることができる。
このようなSPRの原理を利用した解析装置を用いれば、特に、タンパク質と低分子化合物の相互作用解析を行うことができ、なかでも新規創薬ターゲットと新規医薬品候補化合物との相互作用解析を効率的に行うことができる。特に、本発明に係る固定化方法を適用して作製したセンサーチップでは、タンパク質の種類に限定されずに如何なるタンパク質も固定化できると同時に、タンパク質を長期間にわたって強固に固定化することができるため、多種類のタンパク質を用いた新規創薬ターゲットあるいは新規医薬品候補化合物のスクリーニングが可能となる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
[比較例1]
比較例1として、センサーチップに対して、共有結合(アミンカップリング)を介してタンパク質を固定化する方法を説明する。
アミンカップリング法では、タンパク質の種類毎にプレコンセントレーションに適したpHの緩衝液を見つける必要がある。これは、pH5.5、pH5.0、pH4.5、及び、pH4.0の10mM程度の酢酸ナトリウム緩衝液で、タンパク質を20μg/mL程度に希釈した複数の溶液を調製し、センサーチップに各溶液を作用させることで、センサーチップに対するタンパク質の静電的吸着を引き起こし、静電的吸着を測定することで確認する。
本例では、センサーチップとして固定化担体にカルボキシメチル基が導入されたCM5センサーチップ(ビアコア社製、ウプサラ、スウェーデン)を用い、タンパク質としてヒト血清アルブミン(HSA)を用い、測定装置としてSPRの原理を利用したBiacore 3000(ビアコア社製、ウプサラ、スウェーデン)を用いた。
操作は、先ず、CM5センサーチップをBiacore3000にセットしてランニング緩衝液(HBS-EPなど)でシステムを満たし、そこに上記の各pHの酢酸ナトリウム緩衝液で希釈したタンパク質溶液を流速10μL/分程度で吸着が定常状態に達するまで1分から5分程度インジェクションした。この操作において、レスポンス(RU)を測定した。RU値を測定した結果を示すセンサーグラムを図3に示す。
そして、各pHの酢酸ナトリウム緩衝液で希釈したタンパク質溶液のうちで、RU値が上昇したものをプレコンセントレーションに適した緩衝液であるとして選んだ。具体的には、図3に示したように、プレコンセントレーションの速さと定常状態の結合量の多さから、pH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液がプレコンセントレーションに適した緩衝液であると判断した。
以上の検討から、比較例1では、pH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液でHSAを希釈してアミンカップリング法でHSAの固定化を以下のように行った。先ず、Biacore3000にCM5センサーチップをセットしてランニング緩衝液(HBS-EPなど)でシステムを満たした。次に、システムに0.2 M N-ethyl-N’-(dimethylaminopropyl) carbodiimide(EDC)と0.05 M N-hydroxysuccinimide(NHS)の混合液を流速20μL/分で8分間処理した。これにより、CM5センサーチップ上のカルボキシル基を活性化(活性中間体を形成する)した。次に、システムに10mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)で20μg/mLに希釈したHSAを7分間 加えた。これにより、活性化中間体とHSAのアミノ基とが共有結合を形成し、HSAをCM5センサーチップ上に固定化した。
次に、システムに対して、1Mエタノールアミンを流速10μL/分、7分間処理した。これにより、HASと反応せずに残った活性中間体とエタノールアミンを反応させた。次に、システムに対して50mM程度の水酸化ナトリウムを20μL/分、1分間処理して洗浄し、共有結合せずにCM5センサーチップ上に残った微量のHSAを除去した。
以上の操作により固定化されたHSAの量は、固定化終了時のレスポンスから固定化開始時のレスポンスを差し引くことで計算され、4944.9RUが安定に固定化された。以上の操作におけるセンサーグラムを図4に示す。
[比較例2]
比較例2では、固定化対象のタンパク質として酸性タンパク質を使用した以外は、比較例1と同様にして行った例である。具体的には、酸性タンパク質としてヒトトリプシンを用いた。
本例では、ヒトトリプシンにおけるプレコンセントレーションに適したpHの緩衝液を見つける必要がある。これを比較例1と同様に検証するため、pH5.5、pH5.0、pH4.5、及び、pH4.0の10mM程度の酢酸ナトリウム緩衝液で、ヒトトリプシンを20μg/mL程度に希釈した複数の溶液を調製した。
このように調製した複数の溶液を用いて、比較例1と同様にして、レスポンス(RU)を測定した。しかしながら、pH4.0の酢酸ナトリウム緩衝液で希釈した溶液であっても、プレコンセントレーションしなかった。また、pH4.0以下の酢酸ナトリウム緩衝液で希釈した溶液を用いることで、かろうじてプレコンセントレーションしたとしても、その後のアミンカップリング反応に際して、上記溶液のpHがアミンカップリング反応の至適pH(pH8程度)から解離した条件となる。この場合、酸性タンパク質は固定化されない。
具体的に、本例の場合、pH4.0の10mM程度の酢酸ナトリウム緩衝液希釈した溶液でもプレコンセントレーションは、30秒間で20RU程度であり固定化は全く不可能であった。
[比較例3]
比較例3として、センサーチップに対して、タンパク質のタグ部(His−タグ)を介して当該タンパク質を固定化する方法を説明する。
本例では、タンパク質として、N末端にHis−タグを付加したCOX-2を用い、センサーチップとして固定化担体にnitrilotriacetic acidを導入したNTAセンサーチップ(ビアコア社製)を用い、測定装置としてBiacore3000(ビアコア社製、ウプサラ、スウェーデン)を用いた。
操作は、先ず、NTAセンサーチップをBiacore3000にセットし、ランニング緩衝液(0.005%サーファクタントP20,PBSなど)でシステムを満たす。次に、システムに、0.5M NiCl2を流速20μL/分で1分間インジェクションした。これにより、NTAセンサーチップ上のNTAにNi2+をトラップさせた。次に、N末端His-タグCOX-2を含む溶液を流速10μL/分で20分間インジェクションした。これにより、NTAセンサーチップ上に、His−タグを介してCOX-2を固定化することができた。すなわち、N末端His-タグCOX-2は、Ni2+を結合させた状態のNTAと安定な錯体を形成することで、NTAセンサーチップ上に固定化された。
なお、N末端His-タグCOX-2を含む溶液は、上記ランニング緩衝液で100nM程度に希釈することで調製した。
以上の操作におけるセンサーグラムを図5に示す。図5から判るように、N末端His-タグCOX-2は、一旦10,866 RU固定化された。しかしながら、N末端His-タグCOX-2の固定化は不安定であり、その後、ランニング緩衝液を流しつづけるだけで固定化されたN末端His-タグCOX-2は少しずつチップから剥がれていった。
[比較例4]
比較例4では、固定化対象のタンパク質として、N末端にHis-タグを付加したFK506結合タンパク質(N末端His-タグFKBP)を使用した以外は、比較例3と同様にして行った例である。なお、N末端His-タグFKBPを含む溶液は、N末端His-タグFKBPを発現させた大腸菌を超音波処理等で破砕した溶菌液をランニング緩衝液で100倍に希釈して調製した。
操作は、N末端His-タグFKBPを固定化するに際して、N末端His-タグFKBPを含む溶液を流速10μL/分で5分間インジェクションした以外は比較例3と同様に行った。以上の操作におけるセンサーグラムを図6に示す。
図6から判るように、一旦、N末端HisタグFKBPが10866RU固定化されたが、固定化は不安定であり、その後緩衝液を流しつづけるだけで固定化されたN末端HisタグFKBPは急速にNTAセンサーチップから剥がれ、20分間後には1766.2RUまでに減少してしまった。
[比較例5]
比較例5では、比較例3で作製したNTAセンサーチップに対して低分子化合物を作用させたときのN末端His-タグCOX-2と化合物との相互作用を解析した。低分子化合物としては、COX-2に対する選択的阻害剤として知られているNS398を用いた。
操作は、先ず、比較例3のNTAセンサーチップをセットしたBiacore3000のシステムに、ランニング緩衝液(5%DMSO, 0.005%サーファクタントP20,PBSなど)を満たす。この状態で、NS398を1x10-8Mから徐々に濃度を上昇させながらインジェクション(流速10μL/分で1分間)を繰り返した。各濃度でNS398をインジェクションした際のセンサーグラムを重ね合わせた結果を図7に示す。図7においては、各濃度におけるインジェクション開始時(0時)のレスポンスを0として重ね合わせた。
低濃度のNS-398から連続して順次高濃度のNS-398をインジェクションしたところ、1x10-5M以上の濃度で、NTAセンサーチップに固定化されたN末端His-タグCOX-2とNS-398との結合が見られた。この結合は、NS-398存在下で観察され、インジェクションの終了によって速やかに解離していた。しかしながら、図7に示したように、各濃度におけるインジェクションの結果は、ベースラインの減少のため、重ねることが出来ず、親和性の解析を行うことは困難であった。
[比較例6]
比較例6では、比較例4で作製したNTAセンサーチップに対して低分子化合物を作用させたときのN末端His-タグFKBPと化合物との相互作用を解析した。低分子化合物としては、FKBPに結合することが知られているFK506を用いた。
操作は、先ず、比較例4のNTAセンサーチップをセットしたBiacore3000のシステムに、ランニング緩衝液(5%DMSO, 0.005%サーファクタントP20,PBSなど)を満たす。この状態で、FK506を1x10-8Mから徐々に濃度を上昇させながらインジェクション(流速10μL/分で1分間)を繰り返した。各濃度でFK506をインジェクションした際のセンサーグラムを重ね合わせた結果を図8に示す。図8においては、各濃度におけるインジェクション開始時(0時)のレスポンスを0として重ね合わせた。
しかしながら、図8に示した結果から、NTAセンサーチップに固定化したN末端His-タグFKBPとFK506との結合はほとんど見られなかった。
[実施例1]
実施例1では、本発明を適用して、センサーチップに対して、共有結合(アミンカップリング)及びタグ部を介してタンパク質を固定化する方法を説明する。本例では、タンパク質として、N末端にHis−タグを付加したFKBPを用い、センサーチップとして固定化担体にnitrilotriacetic acidを導入したNTAセンサーチップ(ビアコア社製、ウプサラ、スウェーデン)を用い、測定装置としてBiacore3000(ビアコア社製)を用いた。
まず、NTAセンサーチップをBiacore3000にセットし、ランニング緩衝液(0.005%P20, PBS pH7.4など)でシステムを満たした。次に、システムに対して、0.2 M N-ethyl-N’-(dimethylaminopropyl) carbodiimide(EDC)と0.05 M N-hydroxysuccinimide(NHS)の混合液を流速10μL/分で7分間処理した。これによりNTAセンサーチップ上のカルボキシル基を活性化(活性中間体を形成する)した。この際、NTAセンサーチップの固定化担体であるカルボキシルメチルデキストランのカルボキシル基およびNTAのカルボキシル基の一部が活性中間体となると考えられるが、後のNi2+とN末端HisタグFKBPとの錯体形成には一部の未反応のまま残ったNTAで十分と考えられる。
次に、システムに対して、0.5M NiCl2を流速20μL/分で1分間インジェクションした。これによりNTAセンサーチップ上のNTAにNi2+をトラップさせた。次に、システムに対して、N末端His-タグFKBPを含む溶液を流速10μL/分で20分間程度インジェクションした。これにより、N末端His-タグFKBPは、Ni2+を結合させた状態のNTAと錯体を形成することでNTAセンサーチップ上にコンセントレーション(濃縮)されるとともに、活性中間体と共有結合を効率的に形成し、NTAセンサーチップ上に強固に固定化された。なお、N末端His-タグFKBPを含む溶液は、N末端His-タグFKBPを発現させた大腸菌を超音波処理等で破砕した溶菌液をランニング緩衝液で100倍に希釈して調製した。
次に、システムに対して、1Mエタノールアミンを流速10μL/分、7分間インジェクションした。これにより、反応せずに残った活性中間体とエタノールアミンとを反応させて固定化反応を終了した。次に、システムに対して、50mM程度の水酸化ナトリウムを20μL/分、1分間インジェクションした。これにより、NTAセンサーチップを洗浄し、また、共有結合されずにNTAセンサーチップ上に残った微量のN末端His-タグFKBP等を除去した。
以上の操作におけるセンサーグラムを図9に示す。図9から、N末端HisタグFKBPは、NTAセンターチップのNTAに対してNi2+との親和性で一旦12,664RU結合した。その後、エタノールアミン処理、及び、水酸化ナトリウムによる洗浄処理を経た後であっても、N末端HisタグFKBPは、乖離することなく、6732.2RUがセンサーチップに固定化された。これは、N末端HisタグFKBPがNTAに対してNi2+との親和性で結合するときに、ほぼ同時に、アミンカップリング(共有結合)を形成したためである。
実施例1の結果と比較例4の結果とを比較すると、NTAセンサーチップ上のカルボキシル基を活性化した後、His−タグを介してFKBPをNTAセンサーチップ上に結合させるとともに、共有結合を介してFKBPをNTAセンサーチップ上に固定化することで、FKBPをより強固に固定化できることが明らかとなった。
[実施例2]
実施例2では、タンパク質としてN末端HisタグCOX-2を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンパク質を固定化する方法を説明する。なお、N末端HisタグCOX-2を含む溶液は、上記ランニング緩衝液で100nM程度に希釈することで調製した。
本例では、N末端His-タグCOX-2を固定化する際に、N末端His-タグCOX-2を含む溶液を流速10μL/分で30分間程度インジェクションした。その後は、実施例1と同様に、エタノールアミンを反応させて固定化反応を終了し、50mM程度の水酸化ナトリウムを用いて洗浄した。
以上の操作におけるセンサーグラムを図10に示す。図10から、N末端HisタグCOX-2は9,219RU安定に固定化された。また、本例においても、エタノールアミン処理、及び、水酸化ナトリウムによる洗浄処理を経た後であっても、N末端HisタグCOX-2を、乖離することなくNTAセンサーチップ上に強固に固定化することができた。
[実施例3]
実施例3では、本発明を適用して、センサーチップに対して、共有結合(アミンカップリング)及びタグ部を介してタンパク質を固定化する方法を説明する。本例では、タンパク質として、N末端HisタグCyclophilin Aを用い、センサーチップとして抗Hisタグ抗体を固定したCM5センサーチップ(ビアコア社製、ウプサラ、スウェーデン)を用い、測定装置としてBiacore3000(ビアコア社製、ウプサラ、スウェーデン)を用いた。
まず、抗Hisタグ抗体を固定化したCM5センサーチップ(以下、抗Hisタグ抗体センサーチップと示す)をBiacore3000にセットし、ランニング緩衝液(HBS-EP:ビアコア社製品)でシステムを満たした。なお、抗Hisタグ抗体のCM5センサーチップへの固定化は、通常のアミンカップリング法で容易に行うことができ、本実施例では約10,000RUの抗5XHisタグ抗体(QIAGEN社製品、バレンシア、カルフォルニア州、アメリカ合衆国)が固定化された。
ついで、抗Hisタグ抗体センサーチップ上のカルボキシル基を0.2 M N-ethyl-N’-(dimethylaminopropyl) carbodiimide(EDC)と0.05 M N-hydroxysuccinimide(NHS)の混合液で流速10uL/分、4分間処理することで活性化(活性中間体を形成する)した。この際、カルボキシルメチルデキストランのカルボキシル基および抗体のカルボキシル基の一部が活性中間体となると考えられるが、後の抗体とHisタグタンパク質との結合には一部の未反応のまま残った抗体で十分と考えられる。
次に、システムに対して、N末端His-タグCyclophilin A希釈液を流速10uL/分で30分間程度インジェクションした。これにより、Hisタグを有するタンパク質は、抗His抗体と親和性結合することでセンサーチップ上にコンセントレーション(濃縮)され、効率的に活性中間体と共有結合を形成し強固にセンサーチップ上に固定化される。なお、N末端His-タグCyclophilin Aを含む溶液は、N末端His-タグCyclophilin Aを発現させた大腸菌を超音波処理で破砕した溶菌液をランニング緩衝液で希釈して用いた。
次に、システムに対して、1Mエタノールアミンを流速10uL/分、7分間インジェクションして反応せずに残った活性中間体とエタノールアミンを反応させて固定化反応を終了した。次に、システムに対して、pH1.5のグリシン-塩酸緩衝液を、1分間処理した。これにより、CM5センサーチップを洗浄し、また、共有結合されずにCM5センサーチップ上に残った微量のN末端His-タグCyclophilin A等を除去した。
以上の操作におけるセンサーグラムを図11に示す。図11から、N末端His-タグCyclophilin Aは抗体との親和性で一旦1,644RU結合し、その後、エタノールアミン処理、及び、グリシン-塩酸緩衝液による洗浄処理を経た後であっても、N末端His-タグCyclophilin Aは、乖離することなく、1,049RUがセンサーチップに固定化された。これは、N末端His-タグCyclophilin Aが抗His抗体に対して結合するときに、ほぼ同時に、アミンカップリング(共有結合)を形成したためである。
[実施例4]
実施例4では、タンパク質としてN末端HisタグAkt1/PKBα(Upstate Biotechnology社製、ウォルサム、マサチューセッツ州、アメリカ合衆国、商品名14-341)を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンパク質を固定化する方法を説明する。Akt1/PKBαは、セリン/スレオニン・プロテインカイネースであることが知られている。なお、本例においてAkt1/PKBαは、市販品保存溶液から脱塩カラムにてイミダゾールを除去した後に使用した。
本例では、実施例1と同様に、N末端His-タグAkt1/PKBαを固定化し、エタノールアミンを反応させて固定化反応を終了し、50mM程度の水酸化ナトリウムを用いて洗浄した。以上の操作におけるセンサーグラムを図12に示す。図12から、N末端HisタグAkt1/PKBαは5018.7RU安定に固定化された。また、本例においても、エタノールアミン処理、及び、水酸化ナトリウムによる洗浄処理を経た後であっても、N末端HisタグAkt1/PKBαを、乖離することなくNTAセンサーチップ上に強固に固定化することができた。
[実施例5]
実施例5では、タンパク質としてN末端HisタグMSK1(Upstate Biotechnology社製、ウォルサム、マサチューセッツ州、アメリカ合衆国、商品名14-438)を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンパク質を固定化する方法を説明する。MSK1は、セリン/スレオニン・プロテインカイネースであることが知られている。
本例では、実施例1と同様に、N末端HisタグMSK1を固定化し、エタノールアミンを反応させて固定化反応を終了し、50mM程度の水酸化ナトリウムを用いて洗浄した。以上の操作におけるセンサーグラムを図13に示す。図13から、N末端HisタグMSK1は6232.3RU安定に固定化された。また、本例においても、エタノールアミン処理、及び、水酸化ナトリウムによる洗浄処理を経た後であっても、N末端HisタグMSK1を、乖離することなくNTAセンサーチップ上に強固に固定化することができた。
[実施例6]
実施例6では、タンパク質としてN末端HisタグPKA(Upstate Biotechnology社製、ウォルサム、マサチューセッツ州、アメリカ合衆国、商品名14-440)を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンパク質を固定化する方法を説明する。PKAは、セリン/スレオニン・プロテインカイネースであることが知られている。
本例では、実施例1と同様に、N末端HisタグPKAを固定化し、エタノールアミンを反応させて固定化反応を終了し、50mM程度の水酸化ナトリウムを用いて洗浄した。以上の操作におけるセンサーグラムを図14に示す。図14から、N末端HisタグPKAは4,134.5RU安定に固定化された。また、本例においても、エタノールアミン処理、及び、水酸化ナトリウムによる洗浄処理を経た後であっても、N末端HisタグPKAを、乖離することなくNTAセンサーチップ上に強固に固定化することができた。
[実施例7]
実施例7では、タンパク質としてN末端HisタグPRAK(Upstate Biotechnology社製、ウォルサム、マサチューセッツ州、アメリカ合衆国、商品名14-334)を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンパク質を固定化する方法を説明する。PRAKは、セリン/スレオニン・プロテインカイネースであることが知られている。
本例では、実施例1と同様に、N末端HisタグPRAKを固定化し、エタノールアミンを反応させて固定化反応を終了し、50mM程度の水酸化ナトリウムを用いて洗浄した。以上の操作におけるセンサーグラムを図15に示す。図15から、N末端HisタグPRAKは5,869.6RU安定に固定化された。また、本例においても、エタノールアミン処理、及び、水酸化ナトリウムによる洗浄処理を経た後であっても、N末端HisタグPRAKを、乖離することなくNTAセンサーチップ上に強固に固定化することができた。
[実施例8]
実施例8では、タンパク質としてN末端HisタグROKα/ROCK-II(Upstate Biotechnology社製、ウォルサム、マサチューセッツ州、アメリカ合衆国、商品名14-338)を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンパク質を固定化する方法を説明する。ROKα/ROCK-IIは、セリン/スレオニン・プロテインカイネースであることが知られている。
本例では、実施例1と同様に、N末端HisタグROKα/ROCK-IIを固定化し、エタノールアミンを反応させて固定化反応を終了し、50mM程度の水酸化ナトリウムを用いて洗浄した。以上の操作におけるセンサーグラムを図16に示す。図16から、N末端HisタグROKα/ROCK-IIは4775.5RU安定に固定化された。また、本例においても、エタノールアミン処理、及び、水酸化ナトリウムによる洗浄処理を経た後であっても、N末端HisタグROKα/ROCK-IIを、乖離することなくNTAセンサーチップ上に強固に固定化することができた。
[実施例9]
実施例9では、実施例1で作製したNTAセンサーチップに対して低分子化合物を作用させたときのN末端His-タグFKBPと化合物との相互作用を解析した。低分子化合物としては、FKBPに結合することが知られているFK506を用いた。
操作は、先ず、実施例1のNTAセンサーチップをセットしたBiacore3000のシステムに、ランニング緩衝液(0.005%P20、5%DMSO、PBS pH7.4)を満たす。この状態で、FK506を5x10-10Mから徐々に濃度を上昇させながらインジェクション(流速50μL/分で1分間)を繰り返した。なお、各濃度でのインジェクション後、10mM glycine-HCl pH1.5を30秒間インジェクションしてFK506を解離させ再生させた。
各濃度でFK506をインジェクションした際のセンサーグラムを重ね合わせた結果を図17に示す。図17においては、各濃度におけるインジェクション開始時(0時)のレスポンスを0として重ね合わせた。
低濃度のFK506から連続して順次高濃度のFK506をインジェクションしたところ、5x10-8M以上の濃度で、NTAセンサーチップに固定化されたN末端His-タグFKBPとFK506との結合が見られた。また、レスポンスが10RU以上だった1x10-5Mと5x10-6 Mの結果を選び、結合定数の算出を行ったところ、N末端His-タグFKBPとFK506の結合定数は3x10-9Mであり、文献値(0.4nM)よりはやや高い値となったが、測定温度の影響等を考えると特異的結合が検出できたものと考えられた。
[実施例10]
実施例10では、実施例2で作製したNTAセンサーチップに対して低分子化合物を作用させたときのN末端HisタグCOX-2と化合物との相互作用を解析した。低分子化合物としては、COX-2に結合することが知られているNS-398を用いた。
操作は、先ず、実施例2のNTAセンサーチップをセットしたBiacore3000のシステムに、ランニング緩衝液(0.005%P20、5%DMSO、PBS pH7.4)を満たす。この状態で、NS-398を5x10-8Mから徐々に濃度を上昇させながらインジェクション(流速50μL/分で1分間)を繰り返した。なお、各濃度でのインジェクション後、10mM glycine-HCl pH2.0を流速50μL/分で30秒間インジェクションしてNS-398を解離させ再生させた。なお、NS-398とCOX-2の結合は再生操作をしなくともNS-398のインジェクション終了後速やかに解離することから再生操作は比較的温和な条件とした。
各濃度でNS-398をインジェクションした際のセンサーグラムを重ね合わせた結果を図18に示す。図18においては、各濃度におけるインジェクション開始時(0時)のレスポンスを0として重ね合わせた。
低濃度のNS-398から連続して順次高濃度のNS-398をインジェクションしたところ、5x10-6 M以上の濃度で、NTAセンサーチップに固定化されたN末端His-タグCOX-2とNS-398との結合が見られた。また、レスポンスが高い5x10-5M、1x10-6 M、及び、5x10-6 Mの結果を選び、結合定数の算出を行ったところ、N末端His-タグCOX-2とNS-398の結合定数はKd=5x10-4Mであった。文献ではNS-398のCOX-2に対するKiは11.50μMであり、今回の結果はこれに対応するものと考えられた。
[実施例11]
実施例11では、実施例3で作製したCM5センサーチップに対して低分子化合物を作用させたときのN末端His-タグCyclophilin Aと化合物との相互作用を解析した。低分子化合物としては、Cyclophilin Aに結合することが知られているCyclosporin Aを用いた。
操作は、先ず、実施例3のCM5センサーチップをセットしたBiacore3000のシステムに、ランニング緩衝液(5%DMSO、HBS-EP緩衝液)を満たした。この状態で、Cyclosporin Aを5x10-8Mから徐々に濃度を上昇させながらインジェクション(流速50μL/分で1分間)を繰り返した。なお、Cyclophilin AとCyclosporin Aの結合は、再生操作をしなくともCyclosporin Aのインジェクション終了後速やかに解離することから、再生操作は行わなかった。
各濃度でCyclosporin Aをインジェクションした際のセンサーグラムを重ね合わせた結果を図19に示す。図19においては、各濃度におけるインジェクション開始時(0時)のレスポンスを0として重ね合わせた。
低濃度のCyclosporin Aから連続して順次高濃度のCyclosporin Aをインジェクションしたところ、1x10-8M以上の濃度で、CM5センサーチップに固定化されたN末端His-タグCyclophilin AとCyclosporin Aとの結合が見られた。また、1x10-5Mまでの結果を選び、結合定数の算出を行ったところ、N末端His-タグCyclophilin AとCyclosporin Aの結合定数はKd=8.8x10-8Mであり、文献値とほぼ一致した。
[実施例12]
実施例12では、本発明を適用して、センサーチップに対して、共有結合(アミンカップリング)及びタグ部を介してタンパク質を固定化する方法を説明する。本例では、タンパク質として、マウスIgGを用い、センサーチップとして固定化担体にnitrilotriacetic acidを導入したCM5センサーチップ(ビアコア社製、ウプサラ、スウェーデン)を用い、測定装置としてBiacore3000(ビアコア社製)を用いた。
まず、CM5センサーチップをBiacore3000にセットし、ランニング緩衝液(HBS-EP、ビアコア社製、ウプサラ、スウェーデン)でシステムを満たした。次に、システムに対して、0.2 M N-ethyl-N’-(dimethylaminopropyl) carbodiimide(EDC)と0.05 M N-hydroxysuccinimide(NHS)の混合液を流速10μL/分で10分間処理した。これによりセンサーチップ上のカルボキシルメチルデキストラン層のカルボキシル基を活性化した。次に、タンパク質A希釈液(10mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)で濃度10μg/ml)をシステムに対して流速10μL/分で5分間インジェクションした。これにより、タンパク質Aはセンサーチップ上に共有結合的に固定されることになる。さらに、マウスIgG溶液(ランニング緩衝液で10μg/mlとした)を、タンパク質A溶液の直後に流速10μL/分で5分間インジェクションした。これにより、マウスIgGは、タンパク質A-IgG相互作用を介した親和性結合形成を介してセンサーチップ上に濃縮され、カルボキシルメチルデキストラン層の活性化されたカルボキシル基のうち残存するものと効率よく共有結合を形成することにより、センサーチップ表面にしっかりと固定化される。
次に、システムに対して、1Mエタノールアミンを流速10μL/分、10分間インジェクションした。これにより、反応せずに残った活性中間体とエタノールアミンとを反応させて固定化反応を終了した。
以上の操作におけるセンサーグラムを図20に示す。図20から判るように、先ずタンパク質Aの2017RUがセンサーチップ表面に共有結合的に固定化された。その後、マウスIgGの4160RUが、親和性及び共有結合の組合せによりセンサー表面に結合した。その後、エタノールアミン処理を経た後であっても、マウスIgGは、乖離することなく、マウスIgGの3920RUがセンサーチップに固定化さ続けた。
比較例においては、タンパク質Aを除き、上記と同じ組成でマウスIgG溶液を上記EDC/NHS活性化パルスの直後にインジェクションした。その後、上記と同様に1Mエタノールアミンパルスをインジェクションした。当該比較例のセンサーグラムを図21に示す。図21から判るように、極少量のマウスIgGしか固定化できなかった。エタノールアミン処理の後、マウスIgGの250RUがセンサーチップ上に結合し続けた。
[実施例13]
実施例13では、実施例12で作製したCM5センサーチップに抗マウスIgGを作用させることによって、マウスIgG抗体と抗マウスIgGとの相互作用を解析した。
操作は、先ず、実施例12のCM5センサーチップをBiacore3000にセットし、ランニング緩衝液(HBS-EP、ビアコア社製、ウプサラ、スウェーデン)でシステムを満たした。この状態で、抗マウスIgGを流速10μL/分で2分間インジェクションした。当該インジェクションに対するセンサーグラムを図22に示す。図22から判るように、抗マウスIgGの1290RUがセンサーチップ上に結合した。
同図22には、上記実施例12における比較例として作製したCM5センサーチップに抗マウスIgGをインジェクションして得られたセンサーグラムを重ね合わせて示している。タンパク質A分子を取り込むことなく作製したセンサー表面に関するこの比較実験においては、図22から判るように、抗マウスIgGの4RUしかセンサー表面に結合していない(低いカーブ)。この少量の結合から、観察された抗マウスIgGの、最初に取り込まれた分子であるタンパク質Aに対する結合が特異的であることが示された。
本発明に係る生体分子の固定化方法を適用して作製したセンサーチップの要部断面図である。 SPRの原理を利用した解析装置の構成を説明するための概略構成図である。 各種pHにおけるタンパク質溶液を用いた場合の時間とレスポンスとの関係を示す特性図である。 HASの固定化操作におけるセンサーグラムを示す特性図である。 比較例3で行ったN末端His-タグCOX-2の固定化操作におけるセンサーグラムを示す特性図である。 比較例4で行ったN末端HisタグFKBPの固定化操作におけるセンサーグラムを示す特性図である。 比較例5で行ったN末端His-タグCOX-2とNS-398との相互作用を測定した結果を示す特性図である。 比較例6で行ったN末端His-タグFKBPとFK506との結合を測定した結果を示す特性図である。 実施例1で行ったN末端HisタグFKBPをNTAセンサーチップに固定化する操作におけるセンサーグラムを示す特性図である。 実施例2で行ったN末端HisタグCOX-2をNTAセンサーチップに固定化する操作におけるセンサーグラムを示す特性図である。 実施例3で行ったN末端His-タグCyclophilin AをCM5センサーチップに固定化する操作におけるセンサーグラムを示す特性図である。 実施例4で行ったN末端HisタグAkt1/PKBαをNTAセンサーチップに固定化する操作におけるセンサーグラムを示す特性図である。 実施例5で行ったN末端HisタグMSK1をNTAセンサーチップに固定化する操作におけるセンサーグラムを示す特性図である。 実施例6で行ったN末端HisタグPKAをNTAセンサーチップに固定化する操作におけるセンサーグラムを示す特性図である。 実施例7で行ったN末端HisタグPRAKをNTAセンサーチップに固定化する操作におけるセンサーグラムを示す特性図である。 実施例8で行ったN末端HisタグROKα/ROCK-IIをNTAセンサーチップに固定化する操作におけるセンサーグラムを示す特性図である。 実施例9で行ったN末端His-タグFKBPとFK506との結合を測定した結果を示す特性図である。 実施例10で行ったN末端HisタグCOX-2とNS-398との結合を測定した結果を示す特性図である。 実施例11で行ったN末端His-タグCyclophilin AとCyclosporin Aとの結合を測定した結果を示す特性図である。 実施例12で行ったマウスIgGを、取り込み分子としてタンパク質Aを有するセンサーチップに固定化する操作におけるセンサーグラムを示す特性図である。 実施例12で行ったマウスIgGを、取り込み分子としてタンパク質Aを有しないセンサーチップに固定化する操作におけるセンサーグラムを示す特性図である。 実施例13で行った(i)マウスIgGを、タンパク質Aを介して固定化されたマウスIgGを有するセンサーチップに抗マウスIgGを結合する操作、及び(ii)タンパク質Aなしに固定化されたマウスIgGを有するセンサーチップに抗マウスIgGを結合する操作における2つのセンサーグラムを重ね合わせて示す特性図である。

Claims (17)

  1. 固定化対象の生体分子におけるタグ部に対するタグ部結合部位を有する物質が結合され、当該生体分子に共有結合可能な反応基を有する固定化担体における、当該反応基を活性化する第1工程と、
    上記第1工程の後、活性化した反応基を有する固定化担体に対して、上記固定化対象の生体分子を含む溶液を接触させる第2工程とを含み、
    上記第2工程では、上記タグ部と上記タグ部結合部位との相互作用の働きで上記固定化対象の生体分子を上記固定化担体上へ濃縮させつつ、上記反応基と上記生体分子との間の共有結合及び上記相互作用により、上記生体分子を上記固定化担体に固定化することを特徴とする生体分子の固定化方法。
  2. 上記反応基はカルボキシル基であり、第2工程では、当該カルボキシル基と上記固定化対象の生体分子におけるアミノ基と間でアミンカップリングさせることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 上記タグ部はヒスチジンタグであり、上記第2工程では、当該ヒスチジンタグと固定化担体との間でタグ部結合部位を有する物質を介して相互作用させることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 上記第2工程で、上記ヒスチジンタグと固定化担体との間で金属イオンキレートを介して相互作用させることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 上記第2工程で、上記ヒスチジンタグと固定化担体との間でNi2+-nitrilotriacetic acid(Ni-NTA)を介して相互作用させることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 上記第2工程で、当該ヒスチジンタグと固定化担体との間でNi2+-iminodiacetic acid(Ni-IDA)を介して相互作用させることを特徴とする請求項4記載の方法。
  7. 上記タグ部結合部位を有する物質はタグ部に対する抗体であることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  8. 上記タグ部はヒスチジンタグであり、上記抗体は抗ヒスチジンタグ抗体であり、第2工程では、当該ヒスチジンタグと固定化担体との間で抗ヒスチジンタグ抗体を介して相互作用させることを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 上記タグ部は、天然の生体分子における特有の一部であることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  10. 上記生体分子はタンパク質であることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載の方法。
  11. 請求項1〜10いずれか一項記載の生体分子の固定化方法により固定化した生体分子を有する固定化担体に対して、決定対象の1種以上の低分子化合物を含む試料を作用させる工程と、
    上記固定化担体に固定化された生体分子に対する、上記試料に含まれる低分子化合物の親和性及び/又は反応速度を決定する工程とを含む生体分子-低分子化合物親和性及び/又は反応速度決定方法。
  12. 上記親和性及び/又は反応速度を決定する工程では、表面プラズモン共鳴の原理により生体分子と低分子化合物との親和性及び/又は反応速度を決定することを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 上記生体分子はタンパク質であることを特徴とする請求項11又は12記載の方法。
  14. 請求項1〜10いずれか一項記載の生体分子の固定化方法により固定化したタンパク質を有する固定化担体に対して、決定対象の1種以上のタンパク質を含む試料を作用させる工程と、
    上記固定化担体に固定化された1種以上のタンパク質と、上記試料に含まれる1種以上のタンパク質との親和性及び/又は反応速度を決定する工程とを含むタンパク質-タンパク質親和性及び/又は反応速度決定方法。
  15. 上記親和性及び/又は反応速度を決定する工程では、表面プラズモン共鳴の原理により上記試料中のタンパク質と上記固定化されたタンパク質との親和性及び/又は反応速度を決定することを特徴とする請求項14記載の方法。
  16. 請求項1〜10いずれか一項記載の方法により固定化された生体分子を有する固定化担体。
  17. 上記生体分子はタンパク質であることを特徴とする請求項16記載の固定化担体。
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