JP4875543B2 - 紙管の乾燥装置及び紙管の乾燥方法 - Google Patents

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本発明は、例えば茶、菓子、乾物等を入れる容器として、あるいはパルプ、ラップフィルム、トイレットペーパー等の芯材として使用されている紙管を所定の含水率になるまで乾燥させる紙管の乾燥装置及び紙管の乾燥方法に係り、特に紙管の外観品質を損なうことなく、短時間で効率良く紙管を乾燥できるようにした紙管の乾燥装置及び紙管の乾燥方法に関する。
紙管はスパイラル機と呼ばれている紙管製造装置を使用して、長尺の薄紙を水溶性の接着剤によって接着しながら巻いて行き、厚さが約1〜15mm、管径が最大で10cm程度の円筒形状に成形し、長さが1.3〜1.8m程度になるように切断することによって製造されている。
例えば、1.3mの長さの紙管を1分間に23本製造できるスパイラル機を3台備える紙管製造工場であれば、1日7時間スパイラル機を稼動したとすれば、23本×60分×7時間×3台で1日に合計28,980本の紙管が製造されることになる。
そして、スパイラル機によって製造された紙管は乾燥台車に移され、室内での7日間の自然乾燥を経て、当初13%以上あった含水率を最終的に8%程度まで引き下げた後、上述した乾物等を入れる容器やトイレットペーパー等の芯材に加工されている。
しかし、1台の乾燥台車に収容できる紙管は最大で150本であり、上記1日の生産分の紙管をすべて収容するためには約200台の台車が必要になってくる。また自然乾燥を行う7日間では毎日約200台ずつ台車が必要になるから合計で約1,400台にも及ぶ多数の台車が必要になってくる。
そして、これらすべての台車を保管したり、自然乾燥を行うためのスペースも広大になり、このような広大なスペースを確保することは容易ではない。また上述のような大量の紙管を保管するとなると、乾燥仕掛りの紙管も相当数に上り、これに在庫の紙管を加えればその数は膨大な数に及んでしまう。
そこで、最近では乾燥時間の短縮を図るために熱風乾燥機を使用して紙管の乾燥時間の短縮を図る試みも行われている。しかし、熱風乾燥機を使用しても上記8%の含水率にするためには10時間以上掛かっており、上記スパイラル機による紙管の生産に対応していないのが現状である。
したがって、熱風乾燥機を使用して乾燥を行っているのは、生産された紙管の一部にしか過ぎず、更に乾燥時間の短縮を図ることのできる紙管の乾燥装置及び紙管の乾燥方法の開発が急務な課題となっている。
熱風乾燥機において乾燥時間を短縮するためには、紙管に対する熱風の風速を上げる方法と熱風の湿度を下げる方法がある。また熱風の湿度を下げるには空気を加熱して相対湿度を下げる方法と、除湿装置を運転する方法とがある。
しかし、乾燥温度を上げ過ぎると局部的な過加熱によって紙管の表面にしわを発生させる等、品質に悪影響を及ぼす。したがって現状では80℃程度が乾燥温度の限界とされている。また除湿装置を運転する方法は設備コストの大幅な増大を招くので、その採用は現実問題として難しい。
一方、最近では一般家庭に広く普及している電子レンジのように、被乾燥物を密閉した部屋に入れ、マイクロ波を照射させて被乾燥物を乾燥させるマイクロ波を利用した乾燥装置も一部の専門分野では使用されている。
しかし、この種の乾燥装置はそのほとんどがバッチ式であり、被乾燥物の出し入れの時間や、一度に処理できる被乾燥物の量に制限があること、そして上述したようにスパイラル機の処理速度が高速であることを考えると、紙管の乾燥の分野にバッチ式のマイクロ波乾燥装置を適用することは不可能である。
また、連続的に紙管を搬送できるコンベヤ上にマイクロ波を照射できる乾燥室を設けることができれば、紙管の効率の良い乾燥が期待できる。しかし単にコンベヤ上に乾燥室を設けただけでは乾燥室の投入口と排出口、あるいは乾燥室とコンベヤとの境界部において電波の漏洩が生じ、通信障害等を引き起こして電波漏洩安全基準に抵触することになってしまう。
また、紙管は上述したように薄紙と薄紙を巻きながら積層状態に貼り合わせる接着剤とによって構成されているがマイクロ波によって乾燥を促進できるのは図36のグラフからも分かるように水分を多く含んだ接着剤のみであり、薄紙の乾燥にはほとんど効果を発揮し得ない。
また、上述のように紙管を連続的に搬送するだけの構成では、紙管のサイズや紙管から除去する水分量の違いによってマイクロ波の照射量を調節したり、マイクロ波照射エリアの紙管の有無によってマイクロ波の照射と照射の停止とを切り替えることができない。
したがって、紙管の乾燥品質にばら付きが出てしまったり、マイクロ波照射エリアに紙管が存在しない場合にはマイクロ波照射エリアに電波が溜まって過熱され、スパークを生じさせる等のおそれが生ずる。
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、このように乾燥ムラが生じ易く、乾燥温度の制限がある紙管に対して外観品質を損なうことなく、紙管の製造装置の処理能力に対応できる極めて短時間で紙管の含水率を所定の含水率まで引き下げることができ、しかも電波漏洩の問題の生じない、安全で効率的且つ高品質の乾燥が可能な新規な紙管の乾燥装置及び紙管の乾燥方法を提供することにある。
上記目的を達成するべく本発明の請求項1による紙管の乾燥装置は、投入口と排出口が形成された2つの端面を除く他の面が遮蔽され紙管の送り方向に分断された複数の乾燥室ブロックを直列状態に連続配置することによって構成された乾燥室と、
該乾燥室内のそれぞれの乾燥室ブロックに対して個別に設けられる複数の紙管の間欠送り手段と、
上記乾燥室内のそれぞれの乾燥室ブロックに対して個別に設けられマイクロ波を供給する紙管の送り方向に配置される複数のマイクロ波発生装置と、
上記投入口と排出口とに各別に接続される電波漏洩防止室と、を具備し、
上記間欠送り手段は、紙管を転がしながら搬送する送り方向に傾斜した搬送レールと、
該搬送レールの下流位置に設けられ、搬送されてきた紙管の搬送を停止ないし許容するストッパと、該ストッパの下流位置に設けられ、ストッパによって搬送が許容された紙管を後続の乾燥室ブロックまたは排出口に接続されている電波漏洩防止室に移送する羽根車と、を備えており、搬送レール上を転がしながら搬送されてくる紙管をストッパにより停止して所定本数まで整列させた後ストッパを倒して下流位置の羽根車による後続の乾燥室ブロックへの紙管の移送とマイクロ波の照射を実行するように構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項2による紙管の乾燥装置は、請求項1記載の紙管の乾燥装置において、上記マイクロ波発生装置の近傍には、高温になったマイクロ波発生装置を空冷する冷却ファンと、マイクロ波発生装置を冷却することによって高温となった空気を乾燥室内に供給する送風ダクトとが設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項3による紙管の乾燥装置は、請求項1〜2のいずれかに記載の紙管の乾燥装置において、上記電波漏洩防止室には、紙管の投入方向または排出方向に一定の間隔を隔てて配置される2枚の電波漏洩防止ダンパが設けられており、これらの電波漏洩防止ダンパは互い違いに開閉を繰り返すように構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項4による紙管の乾燥装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の紙管の乾燥装置において、上記ストッパ、羽根車及び電波漏洩防止ダンパの回転軸の接続部と、上記電波漏洩防止ダンパの周面部には電波の外部への漏洩を防止するチョーク構造が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項5による紙管の乾燥装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の紙管の乾燥装置において、上記搬送レール、ストッパ及び羽根車はマイクロ波透過性に優れる材料によって形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項6による紙管の乾燥装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の紙管の乾燥装置において、上記乾燥室の上流位置または上流の乾燥室ブロックは、マイクロ波発生装置が配置されていない予備加熱エリアまたは予備加熱ブロックになっており、当該予備加熱エリアまたは予備加熱ブロックには、紙管の送り方向と直交する方向に形成された循環ダクトと、該循環ダクト内に熱風を供給する熱風供給装置と、上記循環ダクト内に熱風の循環流を形成する送風ファンとが設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項7による紙管の乾燥装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の紙管の乾燥装置において、上記乾燥室の下方には乾燥完了後の紙管を冷却しながら投入口側に戻す冷却装置が設けられており、該冷却装置は排出口の下方に設けられる空冷用の送風ファンと、上記乾燥室の下方に設けられる放冷用の戻し間欠送り手段とを具備することによって構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項8による紙管の乾燥方法は、紙管の通過を検出し、紙管の有無と通過した紙管のカウント数とによって紙管の供給及び停止を切り替える紙管通過検出工程と、
供給された紙管を乾燥室からの電波の漏洩を防止した状態で乾燥室の投入口に投入する投入時電波漏洩防止工程と、
乾燥室内に投入された紙管を間欠的に移送して乾燥室の排出口に導く間欠送り工程と、
間欠送りされる紙管に対して紙管の移送位置ごとに複数回マイクロ波を照射させるマイクロ波乾燥工程と、
移送された紙管を乾燥室からの電波の漏洩を防止した状態で乾燥室の排出口から排出させる排出時電波漏洩防止工程と、を具備し、
上記間欠送り工程とマイクロ波乾燥工程では、搬送レール上を転がしながら搬されてくる紙管をストッパにより停止して所定本数まで整列させた後ストッパを倒して下流位置の羽根車による後続の乾燥室ブロックへの紙管の移送とマイクロ波の照射を実行するようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項9による紙管の乾燥装置は、請求項8記載の紙管の乾燥方法において、上記マイクロ波乾燥工程では紙管のサイズ、紙管から除去する水分量またはマイクロ波照射エリアに存する紙管の有無によって点灯するマイクロ波発生装置の数を変更し、紙管の乾燥程度を調整するようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項10による紙管の乾燥方法は、請求項8または9記載の紙管の乾燥方法において、上記マイクロ波乾燥工程に先立って、投入された紙管に対して熱風を吹きかけて紙管を予備加熱する熱風乾燥工程を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項11による紙管の乾燥方法は、請求項8〜10のいずれかに記載の紙管の乾燥方法において、上記排出時電波漏洩防止工程を実施後、乾燥完了後の紙管を冷却しながら投入口側に戻す冷却工程が設けられており、該冷却工程では乾燥完了後の紙管に対して選択的に風を当てて空冷し、その後当該紙管を間欠的に移送しながら放冷するようにしたことを特徴とするものである。
そして、上記手段によって以下のような作用が得られる。まず、紙管の間欠送り手段を乾燥室内に設けたことにより、両者の境界部で生ずる電波の漏洩が防止される。また、紙管の間欠送り手段の採用によってバッチ式における紙管の投入と排出が自動化され、見掛け上連続的に紙管を送ることができるタクト式の送り形態が実行される。
また、紙管の送り方向に複数のマイクロ波発生装置を配置したことにより紙管を移送している状態で乾燥の程度を徐々に高めて行くことが可能となる。また、電波漏洩防止室の採用によって電波の漏洩が特に起こり易い乾燥室の投入口と排出口での電波の漏洩が防止される。
また、乾燥室を直列状態で連続配置される複数の乾燥室ブロックによって構成し、各乾燥室ブロックに対して間欠送り手段とマイクロ波発生装置とを個別に設けたので、それぞれの乾燥室ブロックごとにマイクロ波による乾燥が実行されるようになる。
したがって、紙管の乾燥の程度や紙管の有無によって乾燥室ブロックごとにマイクロ波発生装置の点灯と点灯の停止とを切り替えることができる。また、紙管の乾燥装置を設置する工場の面積やレイアウトに応じて乾燥室ブロックの数を可変とすることで紙管の乾燥装置の全長や乾燥処理能力を調節することが可能になる。
また、間欠送り手段を送り方向に傾斜した搬送レールと、該搬送レールの下流位置に設けられるストッパと羽根車とによって構成し、搬送レール上を転がしながら搬送されてくる紙管をストッパにより停止して所定本数まで整列させた後ストッパを倒して下流位置の羽根車による後続の乾燥室ブロックへの紙管の移送とマイクロ波の照射を実行するように構成した場合には、ストッパと羽根車を可動させる比較的小さな動力のみによって間欠送り手段が構成でき、部品点数が少なくて済み、安価で機能的な紙管の間欠送り手段となる。また、ストッパの採用によって紙管の移動のタイミングや移送ないし乾燥時間の調整を図ることができる。また、羽根車の採用によって高さの違う搬送レール間の移送が可能になり、紙管の傾きの補正作用も得られるようになる。
また、マイクロ波発生装置の近傍に冷却ファンと送風ダクトを設けた場合には、マイクロ波発生装置による電流をマイクロ波に変換する際の損失が小さくなって変換効率が向上すると共に、マイクロ波発生装置を冷却して高温となった空気を乾燥室に送入することによって乾燥室内の雰囲気ないし紙管を加熱し、マイクロ波変換時の上記損失が回収される。
また、互い違いに開閉する電波漏洩防止ダンパの採用によって常時、乾燥室の投入口と排出口は外部雰囲気と遮断された状態で紙管の投入と排出が行われるようになり、乾燥室からの電波の漏洩が防止される。
また、電波の漏洩が起こり易い、回転軸の接続部や電波漏洩防止ダンパの周面部にチョーク構造を設けた場合には、上記回転軸の接続部や電波漏洩防止ダンパの周面部の隙間から漏洩する電波をλ/4チョークの原理によって反射波と外部に直接向かう波とを高周波回路的に打ち消すことで理論的に防止できる。
また、マイクロ波が照射される乾燥室内に存する搬送レール、ストッパ及び羽根車をマイクロ波透過性に優れる材料によって形成した場合には紙管に対するマイクロ波の照射量が増大するから乾燥効率が向上する。
また、乾燥室の上流の乾燥室ブロックにマイクロ波発生装置が配置されていない予備加熱風ブロックを設け、当該予備加熱ブロックに対して循環ダクトと、熱風供給装置と、送風ファンとを設けた場合には、マイクロ波による主に接着剤に作用する内部加熱に伴う乾燥に先立って、投入された紙管に対して熱風を循環的に繰り返し吹きかけることによって主に薄紙に作用する紙管表面からの予備加熱乾燥を実行できるようになる。
これに伴って薄紙と接着剤間での乾燥ムラがなくなり、均一で効率的な紙管の乾燥が実行されるようになる。またマイクロ波のみによる乾燥の場合に比べて消費電力も小さくなる。
また、乾燥室の下方に乾燥完了後の紙管を冷却しながら投入口側に戻す空冷用の送風ファンと放冷用の戻し間欠送り手段とを具備する冷却装置を設けた場合には、乾燥完了直後、表面温度が90℃程度になっている紙管を手で触ることができる45℃程度まで下げることができ、速やかに次工程である加工工程に供給することが可能となる。
また、戻し間欠送り手段として乾燥室内に設ける間欠送り手段と同期して作動する同様の構成の間欠送り手段を採用した場合には、上述した間欠送り手段の作用と同様の作用が得られ、紙管の乾燥と冷却を連続して実行できるようになる。
また、紙管の乾燥方法において、紙管通過検出工程を設けた場合には紙管の通過を検出して紙管の有無を確認したり、通過した紙管のカウント数を計測することでストッパと羽根車の作動を切り替えて紙管の供給ないし停止を制御したり、マイクロ波発生装置の点灯状態のON、OFFを切り替えてマイクロ波の点灯のタイミングや点灯するマイクロ波発生装置の数を制御することが可能になる。
また、乾燥室からの電波の漏洩が問題となる紙管の投入、排出時に投入時電波漏洩防止工程を設けた場合には、乾燥室からの電波の漏洩を防止した状態で紙管の投入と排出とを安全に実行できるようになる。
また、間欠送り工程の採用と、上記間欠送り工程とマイクロ波乾燥工程では、搬送レール上を転がしながら搬されてくる紙管をストッパにより停止して所定本数まで整列させた後ストッパを倒して下流位置の羽根車による後続の乾燥室ブロックへの紙管の移送とマイクロ波の照射を実行するようにしたことによってタクト方式の連続的な紙管の送りが実行され、且つ、紙管は整列状態で移送されながらマイクロ波による乾燥を同時に受けることができるようになる。したがって、紙管の乾燥時間の大幅な短縮が実行され、従来の自然乾燥の場合に使用されていた多数の乾燥台車や広大な保管、乾燥スペースは不要となり、紙管の乾燥仕掛りや在庫の数も大幅に減少する。
また、紙管の移送位置ごとに複数回マイクロ波を照射させるマイクロ波乾燥工程の採用によってマイクロ波による効率的な紙管の乾燥が実行されるようになる。
また、上記マイクロ波乾燥工程において、紙管のサイズや紙管から除去する水分量またはマイクロ波照射エリアに存する紙管の有無によって点灯するマイクロ波発生装置の数を変更し、紙管の乾燥程度を調整するようにした場合には、大きさや状態の違う種々の紙管に対して当該紙管に対応した最適な乾燥条件を設定することができる。またマイクロ波照射エリアに紙管が存在しない場合に生ずる過加熱に伴うスパークが防止され、紙管の乾燥に寄与しない不要のマイクロ波発生装置の点灯を防止することができる。
また、マイクロ波乾燥工程に先立って熱風乾燥工程を設けた場合には薄紙と接着剤間の乾燥ムラが少なくなり、均一な紙管の乾燥が実行されるようになり、次工程で行う紙管に対するマイクロ波加熱による乾燥効率も促進されるようになる。したがって、マイクロ波のみによる乾燥の場合に比べて消費電力も小さくなる。
また、排出時電波漏洩防止工程の実施後、選択的な空冷と、間欠送りしながらの放冷によって乾燥完了後の紙管を冷却しながら投入口側に戻す冷却工程を設けた場合には、例えば最初の1ブロック目の紙管については空冷と放冷を実施し、2ブロック目以降の紙管については放冷のみを実施するというような使用形態をとることが可能になる。
そして乾燥完了直後の高温になっている紙管を速やかに冷却して加工が可能な温度まで下げ、次工程である加工工程に向けての連続的な紙管の供給が可能になる。
本発明による紙管の乾燥装置及び紙管の乾燥方法によると、乾燥ムラが生じ易く、乾燥温度の制限がある紙管に対して外観品質を損ねることなく、紙管の製造装置の処理能力に対応できる極めて短時間で紙管の含水率を所定の含水率まで引き下げることが可能になる。
したがって、従来の自然乾燥の場合に使用されていた多数の乾燥台車や広大な保管、乾燥スペースは不要となり、紙管の乾燥仕掛りや在庫の数も大幅に減少する。
また、乾燥室からの電波漏洩が生じない安全で効率的な紙管の乾燥が実現され、変形や反り、外観のしわ等が生じない高品質の紙管の乾燥が実行されるようになる。
以下、図示の実施の形態を例にとって、本発明を実施するための最良の形態を説明する。図1は本発明の紙管の製造装置を示す正面図、図2は同上、平面図、図3は同上、投入側の側面図、図4は同上、図1中のA部の拡大正面図、図5は同上、図1中のB部の拡大正面図、図6は同上、供給排出装置を取り除いた状態の投入側の側面図、図7は同上、排出側の側面図、図8は熱風供給装置を備えた予備加熱装置を示す正面図、図9は同上、平面図、図10は同上、左側面図、図11はマイクロ波発生装置を備えたマイクロ波乾燥装置を示す正面図、図12は同上、平面図、図13は同上、右側面図、図14は同上、左側面図、図15は図14中のA部の拡大図、図16は図14中のB部の拡大図、図17は電波漏洩防止ダンパを示す平面図(a)と正面図(b)、図18は同上、左側面図、図19は羽根車を示す側面図(a)と正面図(b)、図20〜26は乾燥室内に紙管が1本ずつ投入される時の羽根車、ストッパ及び電波漏洩防止ダンパの作動態様を段階的に示す説明図である。
また、図27は本発明の紙管の乾燥方法の制御要素を時系列に示す説明図、図28は同上、運転準備時の制御動作を表にして示す説明図、図29は同上、運転開始時の制御動作を表にして示す説明図、図30は同上、運転停止時の制御動作を表にして示す説明図、図31は同上、一時停止時の制御動作を表にして示す説明図、図32は同上、トラブル時の制御動作を表にして示す説明図、図33は予備加熱を行った場合の乾燥後における紙管の含水率の推移試験の結果を表にして示す説明図、図34は予備加熱を行わない場合の乾燥後における紙管の含水率の推移試験の結果を表にして示す説明図、図35は予備加熱を行った場合の紙管の表面温度の測定結果を表にして示す説明図、図36は各種の材料の比誘電率、誘電常数及び電波の浸透深さの関係を示すグラフである。
本発明の紙管の乾燥装置1は投入口3と排出口5が形成された2つの端面が遮蔽された乾燥室7と、該乾燥室7内に設けられる紙管Aの間欠送り手段9と、上記乾燥室7内にマイクロ波Mを供給する紙管Aの送り方向に配置される複数のマイクロ波発生装置11と、上記投入口3と、排出口5とに各別に接続される投入側電波漏洩防止室13と、排出側電波漏洩防止室15と、を具備することによって基本的に構成されている。
また、本実施の形態では、図1、2に示すように乾燥室7は紙管Aの送り方向に分断された7つの乾燥室ブロック17を直列状態に連続配置することによって構成されている。
そして上流側の最初の乾燥室ブロック17はマイクロ波発生装置11が配置されていない予備加熱ブロック19になっており、該予備加熱ブロック19には熱風供給装置21を備えた予備加熱装置23が設けられている。
一方、後続の6つの乾燥室ブロック17には上述したマイクロ波発生装置11と間欠送り手段9とを一組ずつ個別に備えたマイクロ波乾燥装置25が各別に設けられている。
また、本実施の形態では、図1〜5に示すように投入口3の上流位置に乾燥前の紙管Aを後述する供給シュート119に供給し、冷却された乾燥完了後の紙管Aを排出するための供給排出装置131が設けられており、乾燥室7の下方に乾燥完了後の紙管Aを冷却しながら投入口3側に戻す冷却装置151が設けられている。
供給排出装置131は図4に拡大して示すように垂直コンベヤ式の昇降機133と、該昇降機133に乾燥前の紙管Aを供給する押出しシリンダ135と、昇降機133によって下方に搬送された乾燥後の冷却された紙管Aを外部に取り出すための取出し装置137とを備えることによって一例として構成されている。
また、上記昇降機133は上下に配置されている図示しない駆動スプロケット及び従動スプロケットと、上記駆動スプロケットと従動スプロケットとの間に巻回される昇降チェーン139と、該昇降チェーン139に対して紙管Aを1個ずつ収容できるピッチで配設される複数の紙管保持具141と、上記駆動スプロケットに動力を伝達する駆動モータ143とを備えることによって一例として構成されている。
また、上記昇降機133の上部下降側には投入側電波漏洩防止室13に紙管Aを供給するため供給シュート119が配設されており、昇降機133の下部には上昇側に上記押出しシリンダ135が、下降側に上記取出し装置137がそれぞれ配置されている。尚、冷却装置151については後述する。
予備加熱装置23は図8〜10に示すように投入口3側の端面と隣接するマイクロ波乾燥装置25側の端面が開口された角筒状の遮蔽ドラム27と、該遮蔽ドラム27を支持する支持架台29と、上記遮蔽ドラム27内に設けられる上記間欠送り手段9と、上記遮蔽ドラム27内の空間と連通するように紙管Aの送り方向と直交する方向に形成された循環ダクト31と、該循環ダクト31内に熱風Bを供給する上記熱風供給装置21と、上記循環ダクト31内に熱風Bの循環流を形成する送風ファン33とを備えることによって構成されている。
尚、上記遮蔽ドラム27の下面には矩形平板状をした2枚の点検窓28が設けられている。
間欠送り手段9は紙管Aを転がしながら搬送する送り方向に傾斜した2本の搬送レール35と、該搬送レール35の下流位置に設けられ、搬送されてきた紙管Aの搬送を停止ないし許容するストッパ37と、該ストッパ37の下流位置に設けられ、ストッパ37によって搬送が許容された紙管Aを後続の乾燥室ブロック17に移送する羽根車39とを具備することによって構成されている。
搬送レール35は紙管Aの送り方向に長い長尺な平板状の部材であり、一例として約850mmピッチの間隔を開けて約3度の傾斜角度で設置されている。
ストッパ37は紙管Aに対して直接作用するストッパ作用片41と、ストッパ作用片41の駆動手段であるエアシリンダ43と、エアシリンダ43の摺動ロッドの直線方向の動きを上記ストッパ作用片41の回転方向の動きに変換するリンク機構45とを備えることによって構成されている。
羽根車39は図19に示すように一例として4枚の羽根47を90°ずつ角度を異ならせ、羽根取付け板49を介してセットカラー51に取り付けることによって構成されている。また、上記羽根47の長さと幅寸法は隣接する乾燥室ブロック17間で生ずる上記搬送レール35の約75mmの段差を紙管Aが乗り越えることができる寸法に設定されている。
そして、このようにして構成されるストッパ37の回転軸53における遮蔽ドラム27に対する接続部と、羽根車39の回転軸55における遮蔽ドラム27に対する接続部には軸部用のチョーク構造57が設けられている。
また、上記羽根車39とストッパ作用片41は搬送レール35を挟むように搬送レール35の内外に1つずつ、計2つずつが設けられており、前後に配置される上記羽根車39によって移送中に生じた紙管Aの傾きが自動的に補正されるようになっている。
また羽根車39は投入口3の直下の位置にも設けられている。そして、乾燥室7内に設けられるすべての羽根車39はカウンター軸59及びチェーン駆動伝達機構61を介して1基の駆動モータ63から動力が伝達され、同時に回転するように構成されている。
また、上記搬送レール35、ストッパ37及び羽根車39はマイクロ波透過性に優れる材料によって形成されており、本実施の形態では図36中、比誘電率と電波の浸透深さが最も小さなポリ四フッ化エチレン製の材料(商品名「テフロン(登録商標)」)を使用して形成されている。
循環ダクト31は図8に示すように角筒形状の吹込みダクト65、ファンダクト67、異径ダクト69、ストレートダクト71、エルボダクト73、レジューサダクト75及び調整ダクト77とからなる7つのダクトを組み合わせることによって一例として構成されている。
そして、このうち吹込みダクト65と調整ダクト77が遮蔽ドラム27に接続され、上記ファンダクト67内に送風ファン33が設けられている。またファンダクト67の側傍の遮蔽ドラム27の上面には一例として灯油またはガスを燃料とするバーナーが組み込まれた熱風供給装置21が設けられている。
尚、熱風供給装置21としては他に電気ヒータ、蒸気ヒータ、熱交換器を組み込んだものも適用可能である。
そして、外部から熱風供給装置21内に取り込まれた空気は熱風供給装置21によって約80℃に加熱された熱風となって上記ファンダクト67内に供給される。そして、上記熱風は送風ファン33によって形成された気流に乗って吹込みダクト65から循環ダクト31内に吹き込み、調整ダクト77から再び循環ダクト31内に入って循環し、繰り返し遮蔽ドラム27内に入って遮蔽ドラム27内の紙管Aに作用して紙管Aを予備加熱する。
また、遮蔽ドラム27内に供給された熱風の一部は循環することなく、後続の乾燥室ブロック17の遮蔽ドラム27内を通って排出口5が形成されている最下流位置の乾燥室ブロック17における遮蔽ドラム27の上面に設けられている排風機79から外部に排気される。
マイクロ波乾燥装置25は図11〜16に示すように上記予備加熱装置23と同様の遮蔽ドラム27と、支持架台29と、間欠送り手段9とを備えており、上記循環ダクト31と、熱風供給装置21と、送風ファン33に代えて上記マイクロ波発生装置11と、冷却ファン81と、送風ダクト83とが2組ずつ設けられている。
マイクロ波発生装置11としては1.5kW程度の小型のマグネトロンが使用されており、電波をマイクロ波に変換することによって高温になった上記マグネトロンを冷却する目的でマグネトロンの近傍に冷却ファン81が設けられている。
また、マグネトロンを冷却することによって高温となった空気を乾燥室7内に供給する手段として上記送風ダクト83が設けられている。尚、送風ダクト83によって送り込まれる加熱空気Cの温度は約60℃であり、マイクロ波乾燥装置25の乾燥効率の向上に寄与している。また上記加熱空気Cも連続して設けられる各乾燥室ブロック17を通って上記排風機79から外部に排気される。
投入側電波漏洩防止室13と排出側電波漏洩防止室15は基本的に同様の構造を有している。投入側電波漏洩防止室13を例にとると、角筒状の遮蔽ドラム85と、該遮蔽ドラム85内において紙管Aの投入方向に一定の間隔を隔てて配置される2枚の電波漏洩防止ダンパ87と、該2枚の電波漏洩防止ダンパ87のそれぞれの回転軸89に各別に回転を伝える2基の駆動モータ91と、2組のチェーン駆動伝達機構93とを備えることによって投入側電波漏洩防止室13は構成されている。
遮蔽ドラム85は投入口3に向けて傾斜するように支持フレーム95によって支持されており、遮蔽ドラム85内に供給された紙管Aは該遮蔽ドラム85の底面を転がって投入口3に投入されるようになっている。
電波漏洩防止ダンパ87は図17(a)(b)及び図18に示すように矩形平板状をしたダンパ本体97と、該ダンパ本体97の中心を通る左右の端面に形成され、上記回転軸89と嵌合する軸受部99とを備えている。
また、上記ダンパ本体97の周面部には周面部用のチョーク構造101が設けられており、上記回転軸89の遮蔽ドラム85に対する接続部には図示は省略するが、軸部用のチョーク構造57が設けられている。
そして、このように構成される2枚の電波漏洩防止ダンパ87は互い違いに開閉を繰り返すように構成されており、一方が開状態(水平な姿勢)になっている時には他方が閉状態 (垂直な姿勢)になるように構成されている。
この他、投入側電波漏洩防止室13の上流位置には、上記羽根車39と同様の構成の投入側羽根車103が設けられており、投入側羽根車103の回転軸105には、駆動モータ107の出力軸の回転がチェーン駆動伝達機構109を介して伝達されるようになっている。
また、同様に排出側電波漏洩防止室15の下流位置には、上記羽根車39と同様の構成の排出側羽根車111が設けられており、排出側羽根車111の回転軸113には駆動モータ115の出力軸の回転がチェーン駆動伝達機構117を介して伝達されるようになっている。
また、上記投入側羽根車103の上流位置には上述したように一例として平板状の供給シュート119が設けられており、該供給シュート119の側傍に一定の間隔を隔てて紙管Aの通過を検出する1次センサ121と2次センサ123とが設けられている。
また、乾燥室7の下方には上述したように冷却装置151が設けられている。冷却装置151は図1、2、5に示すように排出口5の下方と乾燥室7の下流側の下方に設けられる空冷用の送風ファン153と、乾燥室7の下方に設けられる放冷用の戻し間欠送り手段155とを具備することによって一例として構成されている。
送風ファン153は排出側電波漏洩防止室15の下方に1基と、乾燥室7の下流側の下方に1基との計2基が一例として設けられており、排出側電波漏洩防止室15から排出され、戻し間欠送り手段155によって構成される戻し経路の上流部に移送された紙管Aに対して風を吹きかけて空冷するようになっている。
戻し間欠送り手段155は上述した間欠送り手段9と同様の構成を有しており、紙管Aを転がしながら投入口3側に戻すように搬送する傾斜した2本の搬送レール157と、該搬送レール157の下流位置に設けられ、搬送されてきた紙管Aの搬送を停止ないし許容し、搬送が許容された紙管Aを次の搬送レール157に移送する羽根車161とを具備することによって構成されている。
また、上記戻し間欠送り手段155は上述した間欠送り手段9と同期して作動するように構成されており、紙管Aの乾燥と、乾燥完了後の紙管Aの放冷とを連続して実行できるように構成されている。
また、このような紙管の乾燥装置1を使用することによって実行される本発明の紙管の乾燥方法は、紙管通過検出工程と、投入時電波漏洩防止工程と、間欠送り工程と、マイクロ波乾燥工程と、排出時電波漏洩防止工程とを具備する5つの工程によって基本的に構成されている。
また、本実施の形態では、上記マイクロ波乾燥工程に先立って、熱風乾燥工程を行い、排出時電波漏洩防止工程の後に冷却工程を行うようにし、該熱風乾燥工程と冷却工程を加えた7つの工程によって紙管の乾燥方法が構成されている。
紙管通過検出工程は供給排出装置131によって1本ずつ供給され、供給シュート119上を転がる紙管Aの通過を1次センサ121と2次センサ123とによって検出し、紙管Aの有無と、通過した紙管Aのカウント数とによって紙管Aの供給及び停止を切り替える工程である。
また、投入時電波漏洩防止工程は、上記紙管通過検出工程から供給された紙管Aを乾燥室7からの電波の漏洩を防止した状態で上記予備加熱ブロック19に設けられている投入口3に投入する工程である。
また、間欠送り工程は予備加熱ブロック19に投入された紙管Aを間欠的に移送して、順次後続の6つの乾燥室ブロック17に送り、最下流位置の乾燥室ブロック17に設けられている排出口5に導いて排出する工程である。
また、熱風乾燥工程は、マイクロ波乾燥工程に先立って、投入された紙管Aに対して熱風Bを吹きかけて紙管Aを予備加熱する工程である。
尚、熱風乾燥工程では主に紙管Aの表面の乾燥を行い、次のマイクロ波乾燥工程による紙管Aの内部からの乾燥と相俟って紙管Aの均一な乾燥に寄与する。またマイクロ波乾燥工程でのマイクロ波加熱による乾燥効率の促進が図られ、熱風乾燥工程を設けない場合に比べて消費電力も小さくなる。
また、マイクロ波乾燥工程は、上記乾燥室ブロック17において間欠送りされる紙管Aに対して紙管Aの移送位置ごとに複数回または連続的にマイクロ波Mを照射させる工程である。
また、マイクロ波乾燥工程では紙管Aのサイズ、紙管Aから除去する水分量またはマイクロ波照射エリアに存する紙管Aの有無によって点灯するマイクロ波発生装置11の数を変更し、紙管Aの乾燥程度の調整が行われるようになっている。
また、排出時電波漏洩防止工程は、上記間欠送り工程によって移送され、上記熱風乾燥工程とマイクロ波乾燥工程を経て所定の含水率(例えば5〜6%程度)に乾燥された紙管Aを乾燥室7からの電波の漏洩を防止した状態で上記最下流位置の乾燥室ブロック17に設けられている排出口5から排出させる工程である。
また、冷却工程は、乾燥完了後の紙管Aを冷却しながら投入口3側に戻す工程である。
そして冷却工程では乾燥完了後の紙管Aに対する選択的な空冷と、放冷とを実施し、乾燥完了直後、表面温度が90℃程度になっている紙管Aを手で触ることができる45℃程度まで紙管Aの表面温度を下げながら供給排出装置131まで搬送する。
具体的には本実施の形態では最初の1ブロック目の紙管Aについては送風ファン153を作動させて空冷を行い、その後、戻し間欠送り手段155により搬送しながら放冷を実施し、2ブロック目以降の紙管Aについては放冷のみを実施するようにしている。
そして一旦5〜6%程度の含水率まで乾燥された紙管Aは乾燥後多少の湿気を吸って最終的に8%程度の含水率で落ち着き、乾物等の容器やトイレットペーパーの芯材等に加工する加工工程に供給される。
次に、このようにして構成される本実施の形態に係る紙管の乾燥装置1と紙管の乾燥方法の作用を図20〜26に示す羽根車39、ストッパ37及び電波漏洩防止ダンパ87の作動態様図と、図27に示す制御要素を示す説明図と、図28〜32に示す各段階での制御動作を示す説明図とにしたがって説明する。
(1)乾燥室内への紙管の投入動作(図20〜26参照)
供給シュート119に供給された紙管Aは図20に示すように供給シュート119上に並び、投入側羽根車103に先頭の紙管Aが当接した状態で整列する。この状態がスタート時の状態である。
次に、図21に示すように投入側羽根車103が投入方向に回転して先頭の紙管Aを投入側電波漏洩防止室13内至らせる。そして2番目の紙管Aが投入側羽根車103に当接した状態になる。
次に、図22に示すように上流側の電波漏洩防止ダンパ87が回転して開状態になり、先頭の紙管Aを転がし、下流側の電波漏洩防止ダンパ87に当接した状態で先頭の紙管Aを停止させる。
次に、図23に示すように下流側の電波漏洩防止ダンパ87を開状態、上流側の電波漏洩防止ダンパ87を閉状態にする。これにより先頭の紙管Aは投入口3から乾燥室7内に至り、投入口3の直下に位置する羽根車39に当接して停止する。
また、投入側羽根車103が回転して2番目の紙管Aを投入側電波漏洩防止室13に至らせる。
次に、図24に示すように上流側の電波漏洩防止ダンパ87を開状態、下流側の電波漏洩防止ダンパ87を閉状態とし、2番目の紙管Aを転がし、下流側の電波漏洩防止ダンパ87に当接した状態で停止させる。
次に、図25に示すように投入口3の直下に位置する羽根車39を回転させると、先頭の紙管Aは搬送レール35上を転がってストッパ37のストッパ作用片41に当接した位置で停止する。
次に、下流側の電波漏洩防止ダンパ87を開状態、上流側の電波漏洩防止ダンパ87を閉状態にし、2番目の紙管Aを投入口3から乾燥室7内に投入し、投入口3の直下に位置する羽根車39に当接させ、停止させる。
そして、投入側羽根車103を回転させて3番目の紙管Aを投入側電波漏洩防止室13内に至らせる。
以下同様の動作を繰り返し、予備加熱装置23内の搬送レール35上の紙管Aがいっぱいになったタイミングで図26に示すようにストッパ37におけるストッパ作用片41が移送を可能にする移送位置側に倒れ、ストッパ37の下流位置の羽根車39への紙管Aの移送と、後続の乾燥室ブロック17への移送とが間欠的に実施されて行く。
(2)紙管の投入から排出までの流れ(図27参照)
供給シュート119に供給された紙管Aは供給シュート119を転って途中、1次センサ121と2次センサ123とによって通過が検出されて投入側羽根車103に当接する位置に至る。そして、互い違いに開閉する投入側上流の電波漏洩防止ダンパ87、投入側下流の電波漏洩防止ダンパ87を経て、投入口3の直下の羽根車39に当接する位置に紙管Aは至る。
更に、予備加熱ブロック19の下流位置に設けられるストッパ37と羽根車39を経て後続の乾燥室ブロック17における搬送レール35上に順次紙管Aは間欠的に移送されて行く。
そして、最下流位置の乾燥室ブロック17内に移送された紙管Aは搬送レール35を転がってストッパ37及び羽根車39の位置に移送されて、排出口5から排出側電波漏洩防止室15に至る。
また、上記紙管Aは排出側電波漏洩防止室15内に設けられ、互い違いに開閉する排出側上流と排出側下流の2枚の電波漏洩防止ダンパ87を経て排出側羽根車111上に至り、排出される。
(3)各段階での制御動作(図28〜32参照)
A.運転準備時(図28参照)
運転準備時には初期設定として、タクト信号を出力するためのタイマーの時間設定と、紙管Aの供給停止から全停止までのタイマーの時間設定と、サイズの違う紙管Aごとに定めるカウント数の設定とを行う。
次に、運転準備スイッチをON状態にしてタクト信号を出力させ、各ストッパ37を突出状態にし停止位置にする。また、タクト信号を受けて投入側下流位置と排出側下流位置の電波漏洩防止ダンパ87、投入側羽根車103、排出側羽根車111、すべての羽根車39が回転し、所定時間経過後に投入側上流位置と排出側上流位置の電波漏洩防止ダンパ87が回転する。
そしてタクト信号が出力される度、上記制御動作を繰り返す。
B.運転開始時(図29参照)
1次センサ121がON状態、2次センサ123がON状態で紙管準備が完了する。
そして、運転スイッチをON状態にするとタクト信号が出力され、投入側羽根車103が回転し、予備加熱装置23が起動して所定の時間、熱風乾燥による予備加熱を実行する。続いてエアシリンダ43を作動させ、投入側羽根車103の回転数をカウントする。
設定した所定のカウント数に達したらストッパ37を倒して、上流側1段目のマグネトロンをON状態にする。以下順次、設定した所定のカウント数に達したら上流側2段目の乾燥室ブロック17から順番にストッパ37を倒して、マグネトロンをON状態にして行く。
C.運転停止時(図30参照)
停止スイッチをON状態にして投入側羽根車103を停止する。そして、タクト信号をカウントし、設定した所定のカウント数に達したら上流側1段目のマグネトロンをOFF状態にする。以下順次、設定した所定のカウント数に達したら上流側2段目の乾燥室ブロック17から順番にマグネトロンをOFF状態にして行く。
そして、すべてのマグネトロンがOFF状態になった後、運転準備スイッチをOFF状態にし、すべての駆動モータ63、91、107、115を停止すると共にエアシリンダ43を作動させてストッパ37を停止位置にする。
D.一時停止時(図31参照)
一時停止スイッチをON状態にして投入側羽根車103を停止する。また、タクト終了時にすべての駆動モータ63、91、107、115が停止し、マグネトロンもすべてOFF状態になる。
次に、一時停止スイッチをOFF状態にすると、すべてのマグネトロンがON状態になり、投入側羽根車103及びすべての駆動モータ63、91、107、115が回転を再開する。
E.トラブル時(図32参照)
2次センサ123がOFF状態になると紙管Aの供給は停止される。この場合、投入側羽根車103が回転を停止し、すべての駆動モータ63、91、107、115がタクト出力時に回転を停止する。そして所定の時間経過後、すべてのマグネトロンがOFF状態になる。
そして、1次センサ121がON状態になり、2次センサ123がON状態になると紙管Aの供給を再開する。この場合、投入側羽根車103が回転し、すべての駆動モータ63、91、107、115がタクト出力時に回転を再開し、すべてのマグネトロンがON状態になる。
また、非常停止スイッチをON状態にすると、ランプが点灯し、投入側羽根車103は回転を停止し、すべての駆動モータ63、91、107、115は回転を停止する。また、すべてのマゲネトロンはOFF状態になり、エアシリンダ43は伸張状態を保持し、ストッパ37は停止位置のままである。
そして、この状態から原位置復帰スイッチをON状態にすると、すべての駆動モータ63、91、107、115は回転を再開するようになり、投入側羽根車103が回転を再開して、すべての駆動モータ63、91、107、115もタクト出力時に回転を再開する。またすべてのマグネトロンがON状態になる。
そして運転スイッチをON状態にすると、エアシリンダ43が作動してストッパ37を倒し、投入側羽根車103が回転し、すべての駆動モータ63、91、107、115が回転するようになり、すべてのマグネトロンがON状態になる。
次に、予備加熱装置23を作動させて熱風乾燥工程を実施した場合と、予備加熱装置23を停止させて熱風乾燥工程を実施しなかった場合とを比較するために行った試験結果について説明する。図33は直径3インチ、厚さ7mm、長さ1250mmの紙管Aを使用して1分間に2本の送り速度で紙管Aを移送し、温度75℃の熱風を室温22℃、湿度23%の条件下で紙管Aに作用させた場合の乾燥後放置した状態での含水率の変化と、乾燥後の表面温度と、乾燥後の紙管Aの内径、長さ、曲がりの変化を40のサンプルについて試験した試験結果を示している(尚、紙管Aの内径と長さについては変化がなかったので図中省略してある)。
一方、図34は同条件で予備加熱装置23を停止させた状態で38のサンプルについて試験した試験結果を示している(尚、紙管Aの内径と長さについては変化がなかったので図中省略してある)。
両者を比較すると、乾燥後の含水率については両者にそれほど大きな差は見られないが予備加熱をしなかった場合の方が幾分含水率が小さくなっている。また、両者とも乾燥後48時間放置したところで含水率が最とも小さくなり、その後は一定ないし幾分増加の傾向を示している。
乾燥後の紙管Aの表面温度については両者に明確な差が見られ、予備加熱を行った場合の方が平均値で15℃表面温度が高くなっている。また、紙管Aの内径と長さについては両者とも乾燥の前後で差は見られず、曲がりについては両者とも乾燥後に僅かではあるが発生しており、予備加熱を行った場合の方が幾分大きなっている。
また、図35は予備加熱の条件を変えて、予備加熱後の紙管Aの表面温度を比較した比較試験の結果を示している。この比較試験では室温23℃、ダクト温度76℃、風速6.3m /secの条件下で、設定時間が30sec、送り速度が1分間に2本、滞留時間が360secで試験した10のサンプルと、同一の条件下で設定時間が15sec、送り速度が1分間に4本、滞留時間が180secで試験した9のサンプルとの紙管Aの表面温度の変化を比較した。
図示の比較試験の結果から明らかなように設定時間と滞留時間とが長く、送り速度が遅い方が表面温度が高くなり、平均値で10℃程度、前者の方が紙管Aの表面温度が高くなる結果が得られた。
以上、本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。すなわち、乾燥ムラが生じ易すく、乾燥温度の制限がある紙管Aに対して外観品質を損ねることなく、紙管Aの製造装置の処理能力に対応できる極めて短時間、具体的には20分程度で紙管Aの含水率を5〜6%程度まで引き下げることができる。従って乾燥後湿気を吸って含水率が上昇した状態でも8%程度に含水率を低く押さえることが可能になっている。
これに伴って、従来の自然乾燥の場合に使用されていた多数の乾燥台車や広大な保管、乾燥スペースは不要となり、紙管Aの乾燥仕掛りや在庫の数も大幅に減少する。
また、電波漏洩防止室13の設置やチョーク構造の採用によって電波漏洩安全基準で定められている使用状態での5mW/cm の限度値以下の電波漏洩量に保たれている。したがって、安全で効率的な紙管Aの乾燥が実現される。
また、マイクロ波を主体とした乾燥形態をとっているので乾燥温度を上げなくても上述のような効率的な乾燥が実現でき、紙管Aの変形や反り、外観のしわ等が発生しない高品質の紙管Aの乾燥が実行されるようになる。
尚、本発明の紙管の乾燥装置1及び紙管の乾燥方法は上記の実施の形態のものに限定されず、その発明の要旨内での設計変更が可能である。例えば、マイクロ波発生装置11からのマイクロ波と、送風ダクト83からの加熱空気Cとによって十分な紙管Aの乾燥が得られる場合には、予備加熱ブロック19ないし、予備加熱装置23による熱風乾燥工程を省略することも可能である。
また、乾燥完了後、直ちに加工装置ないし加工工程に供給しない場合には上記冷却装置ないし冷却工程を省略することが可能であり、紙管Aの冷却を促進させたい場合には送風ファン153の数を増やしたり、すべての紙管Aに対して空冷を実施するようにすることも可能である。また放冷のみで十分な場合には送風ファン153を省略することも可能である。
また、参考例として図37に示すように紙管Aの送り方向に長い単一の乾燥室7を設け、当該乾燥室7内に紙管Aの送り方向に長い単一の間欠送り手段9を設けたり、複数の間欠送り手段9を連接状態で設けるようにすることも可能である。また、投入側電波漏洩防止室13内に設ける回動式の電波漏洩防止ダンパ87に代えて図示のようなスライド式のシャッタ板124を設けることも可能である。
本発明の紙管の乾燥装置及び紙管の乾燥方法は、乾物等を入れる容器やトイレットペーパー等の芯材として使用されている紙管を所定の含水率になるまで乾燥させる紙管の乾燥装置の製造分野や紙管の乾燥方法の実施分野等で利用可能性を有する。
本発明の実施の形態を示す図で、本発明の紙管の製造装置を示す正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、本発明の紙管の製造装置を示す平面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、本発明の紙管の製造装置を示す投入側の側面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、本発明の紙管の製造装置を示す図1中のA部の拡大正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、本発明の紙管の製造装置を示す図1中のB部の拡大正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、本発明の紙管の製造装置を示す供給排出装置を取り除いた状態の投入側の側面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、本発明の紙管の製造装置を示す供給排出装置を取り除いた状態の排出側の側面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、熱風供給装置を備えた予備加熱装置を示す正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、熱風供給装置を備えた予備加熱装置を示す平面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、熱風供給装置を備えた予備加熱装置を示す左側面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、マイクロ波発生装置を備えたマイクロ波乾燥装置を示す正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、マイクロ波発生装置を備えたマイクロ波乾燥装置を示す平面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、マイクロ波発生装置を備えたマイクロ波乾燥装置を示す右側面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、マイクロ波発生装置を備えたマイクロ波乾燥装置を示す左側面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、図14中のA部の拡大図である。 本発明の実施の形態を示す図で、図14中のB部の拡大図である。 本発明の実施の形態を示す図で、電波漏洩防止ダンパを示す平面図(a)と正面図(b)である。 本発明の実施の形態を示す図で、電波漏洩防止ダンパを示す左側面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、羽根車を示す側面図(a)と正面図(b)である。 本発明の実施の形態を示す図で、乾燥室内に紙管が1本ずつ投入される時の羽根車、ストッパ及び電波漏洩防止ダンパの作動態様を段階的に示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、乾燥室内に紙管が1本ずつ投入される時の羽根車、ストッパ及び電波漏洩防止ダンパの作動態様を段階的に示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、乾燥室内に紙管が1本ずつ投入される時の羽根車、ストッパ及び電波漏洩防止ダンパの作動態様を段階的に示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、乾燥室内に紙管が1本ずつ投入される時の羽根車、ストッパ及び電波漏洩防止ダンパの作動態様を段階的に示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、乾燥室内に紙管が1本ずつ投入される時の羽根車、ストッパ及び電波漏洩防止ダンパの作動態様を段階的に示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、乾燥室内に紙管が1本ずつ投入される時の羽根車、ストッパ及び電波漏洩防止ダンパの作動態様を段階的に示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、乾燥室内に紙管が1本ずつ投入される時の羽根車、ストッパ及び電波漏洩防止ダンパの作動態様を段階的に示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、本発明の紙管の乾燥方法の制御要素を時系列に示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、本発明の紙管の乾燥方法の制御要素を時系列に示す運転準備時の制御動作を表にして示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、本発明の紙管の乾燥方法の制御要素を時系列に示す運転開始時の制御動作を表にして示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、本発明の紙管の乾燥方法の制御要素を時系列に示す運転停止時の制御動作を表にして示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、本発明の紙管の乾燥方法の制御要素を時系列に示す一時停止時の制御動作を表にして示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、本発明の紙管の乾燥方法の制御要素を時系列に示すトラブル時の制御動作を表にして示す説明図である。 予備加熱を行った場合の乾燥後における紙管の含水率の推移試験の結果を表にして示す説明図である。 予備加熱を行わない場合の乾燥後における紙管の含水率の推移試験の結果を表にして示す説明図である。 予備加熱を行った場合の紙管の表面温度の測定結果を表にして示す説明図である。 各種の材料の比誘電率、誘電常数及び電波の浸透深さの関係を示すグラフである。 本発明の参考例を示す図で、紙管の乾燥装置を示す縦断正面図である。
1 紙管の乾燥装置
3 投入口
5 排出口
7 乾燥室
9 間欠送り手段
11 マイクロ波発生装置
13 投入側電波漏洩防止室
15 排出側電波漏洩防止室
17 乾燥室ブロック
19 予備加熱ブロック
21 熱風供給装置
23 予備加熱装置
25 マイクロ波乾燥装置
27 遮蔽ドラム
28 点検窓
29 支持架台
31 循環ダクト
33 送風ファン
35 搬送レール
37 ストッパ
39 羽根車
41 ストッパ作用片
43 エアシリンダ
45 リンク機構
47 羽根
49 羽根取付け板
51 セットカラー
53 回転軸
55 回転軸
57 軸部用のチョーク構造
59 カウンター軸
61 チェーン駆動伝達機構
63 駆動モータ
65 吹込みダクト
67 ファンダクト
69 異径ダクト
71 ストレートダクト
73 エルボダクト
75 レジューサダクト
77 調整ダクト
79 排風機
81 冷却ファン
83 送風ダクト
85 遮蔽ドラム
87 電波漏洩防止ダンパ
89 回転軸
91 駆動モータ
93 チェーン駆動伝達機構
95 支持フレーム
97 ダンパ本体
99 軸受部
101 図面部用のチョーク構造
103 投入側羽根車
105 回転軸
107 駆動モータ
109 チェーン駆動伝達機構
111 排出側羽根車
113 回転軸
115 駆動モータ
117 チェーン駆動伝達機構
119 供給シュート
121 1次センサ
123 2次センサ
124 シャッタ板
131 供給排出装置
133 昇降機
135 押出しシリンダ
137 取出し装置
139 昇降チェーン
141 紙管保持具
143 駆動モータ
151 冷却装置
153 送風ファン
155 戻し間欠送り手段
157 搬送レール
161 羽根車
A 紙管
B 熱風
C 加熱空気
M マイクロ波

Claims (11)

  1. 投入口と排出口が形成された2つの端面を除く他の面が遮蔽され紙管の送り方向に分断された複数の乾燥室ブロックを直列状態に連続配置することによって構成された乾燥室と、
    該乾燥室内のそれぞれの乾燥室ブロックに対して個別に設けられる複数の紙管の間欠送り手段と、
    上記乾燥室内のそれぞれの乾燥室ブロックに対して個別に設けられマイクロ波を供給する紙管の送り方向に配置される複数のマイクロ波発生装置と、
    上記投入口と排出口とに各別に接続される電波漏洩防止室と、を具備し、
    上記間欠送り手段は、紙管を転がしながら搬送する送り方向に傾斜した搬送レールと、
    該搬送レールの下流位置に設けられ、搬送されてきた紙管の搬送を停止ないし許容するストッパと、該ストッパの下流位置に設けられ、ストッパによって搬送が許容された紙管を後続の乾燥室ブロックまたは排出口に接続されている電波漏洩防止室に移送する羽根車と、を備えており、搬送レール上を転がしながら搬送されてくる紙管をストッパにより停止して所定本数まで整列させた後ストッパを倒して下流位置の羽根車による後続の乾燥室ブロックへの紙管の移送とマイクロ波の照射を実行するように構成されていることを特徴とする紙管の乾燥装置。
  2. 上記マイクロ波発生装置の近傍には、高温になったマイクロ波発生装置を空冷する冷却ファンと、マイクロ波発生装置を冷却することによって高温となった空気を乾燥室内に供給する送風ダクトとが設けられていることを特徴とする請求項1記載の紙管の乾燥装置。
  3. 上記電波漏洩防止室には、紙管の投入方向または排出方向に一定の間隔を隔てて配置される2枚の電波漏洩防止ダンパが設けられており、これらの電波漏洩防止ダンパは互い違いに開閉を繰り返すように構成されていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の紙管の乾燥装置。
  4. 上記ストッパ、羽根車及び電波漏洩防止ダンパの回転軸の接続部と、上記電波漏洩防止ダンパの周面部には電波の外部への漏洩を防止するチョーク構造が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紙管の乾燥装置。
  5. 上記搬送レール、ストッパ及び羽根車はマイクロ波透過性に優れる材料によって形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙管の乾燥装置。
  6. 上記乾燥室の上流の乾燥室ブロックは、マイクロ波発生装置が配置されていない予備加熱ブロックになっており、当該予備加熱ブロックには、紙管の送り方向と直交する方向に形成された循環ダクトと、該循環ダクト内に熱風を供給する熱風供給装置と、上記循環ダクト内に熱風の循環流を形成する送風ファンとが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の紙管の乾燥装置。
  7. 上記乾燥室の下方には乾燥完了後の紙管を冷却しながら投入口側に戻す冷却装置が設けられており、
    該冷却装置は排出口の下方に設けられる空冷用の送風ファンと、上記乾燥室の下方に設けられる放冷用の戻し間欠送り手段とを具備することによって構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の紙管の乾燥装置。
  8. 紙管の通過を検出し、紙管の有無と通過した紙管のカウント数とによって紙管の供給及び停止を切り替える紙管通過検出工程と、
    供給された紙管を乾燥室からの電波の漏洩を防止した状態で乾燥室の投入口に投入する投入時電波漏洩防止工程と、
    乾燥室内に投入された紙管を間欠的に移送して乾燥室の排出口に導く間欠送り工程と、
    間欠送りされる紙管に対して紙管の移送位置ごとに複数回マイクロ波を照射させるマイクロ波乾燥工程と、
    移送された紙管を乾燥室からの電波の漏洩を防止した状態で乾燥室の排出口から排出させる排出時電波漏洩防止工程と、を具備し、
    上記間欠送り工程とマイクロ波乾燥工程では、搬送レール上を転がしながら搬されてくる紙管をストッパにより停止して所定本数まで整列させた後ストッパを倒して下流位置の羽根車による後続の乾燥室ブロックへの紙管の移送とマイクロ波の照射を実行するようにしたことを特徴とする紙管の乾燥方法。
  9. 上記マイクロ波乾燥工程では紙管のサイズ、紙管から除去する水分量またはマイクロ波照射エリアに存する紙管の有無によって点灯するマイクロ波発生装置の数を変更し、紙管の乾燥程度を調整するようにしたことを特徴とする請求項8記載の紙管の乾燥方法。
  10. 上記マイクロ波乾燥工程に先立って、投入された紙管に対して熱風を吹きかけて紙管を予備加熱する熱風乾燥工程を設けたことを特徴とする請求項8または9記載の紙管の乾燥方法。
  11. 上記排出時電波漏洩防止工程を実施後、乾燥完了後の紙管を冷却しながら投入口側に戻す冷却工程が設けられており、
    該冷却工程では乾燥完了後の紙管に対して選択的に風を当てて空冷し、その後当該紙管を間欠的に移送しながら放冷するようにしたことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の紙管の乾燥方法。
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