JP4875543B2 - 紙管の乾燥装置及び紙管の乾燥方法 - Google Patents
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Description
例えば、1.3mの長さの紙管を1分間に23本製造できるスパイラル機を3台備える紙管製造工場であれば、1日7時間スパイラル機を稼動したとすれば、23本×60分×7時間×3台で1日に合計28,980本の紙管が製造されることになる。
したがって、熱風乾燥機を使用して乾燥を行っているのは、生産された紙管の一部にしか過ぎず、更に乾燥時間の短縮を図ることのできる紙管の乾燥装置及び紙管の乾燥方法の開発が急務な課題となっている。
しかし、乾燥温度を上げ過ぎると局部的な過加熱によって紙管の表面にしわを発生させる等、品質に悪影響を及ぼす。したがって現状では80℃程度が乾燥温度の限界とされている。また除湿装置を運転する方法は設備コストの大幅な増大を招くので、その採用は現実問題として難しい。
しかし、この種の乾燥装置はそのほとんどがバッチ式であり、被乾燥物の出し入れの時間や、一度に処理できる被乾燥物の量に制限があること、そして上述したようにスパイラル機の処理速度が高速であることを考えると、紙管の乾燥の分野にバッチ式のマイクロ波乾燥装置を適用することは不可能である。
また、上述のように紙管を連続的に搬送するだけの構成では、紙管のサイズや紙管から除去する水分量の違いによってマイクロ波の照射量を調節したり、マイクロ波照射エリアの紙管の有無によってマイクロ波の照射と照射の停止とを切り替えることができない。
したがって、紙管の乾燥品質にばら付きが出てしまったり、マイクロ波照射エリアに紙管が存在しない場合にはマイクロ波照射エリアに電波が溜まって過熱され、スパークを生じさせる等のおそれが生ずる。
該乾燥室内のそれぞれの乾燥室ブロックに対して個別に設けられる複数の紙管の間欠送り手段と、
上記乾燥室内のそれぞれの乾燥室ブロックに対して個別に設けられマイクロ波を供給する紙管の送り方向に配置される複数のマイクロ波発生装置と、
上記投入口と排出口とに各別に接続される電波漏洩防止室と、を具備し、
上記間欠送り手段は、紙管を転がしながら搬送する送り方向に傾斜した搬送レールと、
該搬送レールの下流位置に設けられ、搬送されてきた紙管の搬送を停止ないし許容するストッパと、該ストッパの下流位置に設けられ、ストッパによって搬送が許容された紙管を後続の乾燥室ブロックまたは排出口に接続されている電波漏洩防止室に移送する羽根車と、を備えており、搬送レール上を転がしながら搬送されてくる紙管をストッパにより停止して所定本数まで整列させた後ストッパを倒して下流位置の羽根車による後続の乾燥室ブロックへの紙管の移送とマイクロ波の照射を実行するように構成されていることを特徴とするものである。
供給された紙管を乾燥室からの電波の漏洩を防止した状態で乾燥室の投入口に投入する投入時電波漏洩防止工程と、
乾燥室内に投入された紙管を間欠的に移送して乾燥室の排出口に導く間欠送り工程と、
間欠送りされる紙管に対して紙管の移送位置ごとに複数回マイクロ波を照射させるマイクロ波乾燥工程と、
移送された紙管を乾燥室からの電波の漏洩を防止した状態で乾燥室の排出口から排出させる排出時電波漏洩防止工程と、を具備し、
上記間欠送り工程とマイクロ波乾燥工程では、搬送レール上を転がしながら搬送されてくる紙管をストッパにより停止して所定本数まで整列させた後ストッパを倒して下流位置の羽根車による後続の乾燥室ブロックへの紙管の移送とマイクロ波の照射を実行するようにしたことを特徴とするものである。
また、紙管の送り方向に複数のマイクロ波発生装置を配置したことにより紙管を移送している状態で乾燥の程度を徐々に高めて行くことが可能となる。また、電波漏洩防止室の採用によって電波の漏洩が特に起こり易い乾燥室の投入口と排出口での電波の漏洩が防止される。
したがって、紙管の乾燥の程度や紙管の有無によって乾燥室ブロックごとにマイクロ波発生装置の点灯と点灯の停止とを切り替えることができる。また、紙管の乾燥装置を設置する工場の面積やレイアウトに応じて乾燥室ブロックの数を可変とすることで紙管の乾燥装置の全長や乾燥処理能力を調節することが可能になる。
また、互い違いに開閉する電波漏洩防止ダンパの採用によって常時、乾燥室の投入口と排出口は外部雰囲気と遮断された状態で紙管の投入と排出が行われるようになり、乾燥室からの電波の漏洩が防止される。
また、マイクロ波が照射される乾燥室内に存する搬送レール、ストッパ及び羽根車をマイクロ波透過性に優れる材料によって形成した場合には紙管に対するマイクロ波の照射量が増大するから乾燥効率が向上する。
これに伴って薄紙と接着剤間での乾燥ムラがなくなり、均一で効率的な紙管の乾燥が実行されるようになる。またマイクロ波のみによる乾燥の場合に比べて消費電力も小さくなる。
また、戻し間欠送り手段として乾燥室内に設ける間欠送り手段と同期して作動する同様の構成の間欠送り手段を採用した場合には、上述した間欠送り手段の作用と同様の作用が得られ、紙管の乾燥と冷却を連続して実行できるようになる。
また、乾燥室からの電波の漏洩が問題となる紙管の投入、排出時に投入時電波漏洩防止工程を設けた場合には、乾燥室からの電波の漏洩を防止した状態で紙管の投入と排出とを安全に実行できるようになる。
また、紙管の移送位置ごとに複数回マイクロ波を照射させるマイクロ波乾燥工程の採用によってマイクロ波による効率的な紙管の乾燥が実行されるようになる。
また、マイクロ波乾燥工程に先立って熱風乾燥工程を設けた場合には薄紙と接着剤間の乾燥ムラが少なくなり、均一な紙管の乾燥が実行されるようになり、次工程で行う紙管に対するマイクロ波加熱による乾燥効率も促進されるようになる。したがって、マイクロ波のみによる乾燥の場合に比べて消費電力も小さくなる。
そして乾燥完了直後の高温になっている紙管を速やかに冷却して加工が可能な温度まで下げ、次工程である加工工程に向けての連続的な紙管の供給が可能になる。
したがって、従来の自然乾燥の場合に使用されていた多数の乾燥台車や広大な保管、乾燥スペースは不要となり、紙管の乾燥仕掛りや在庫の数も大幅に減少する。
また、乾燥室からの電波漏洩が生じない安全で効率的な紙管の乾燥が実現され、変形や反り、外観のしわ等が生じない高品質の紙管の乾燥が実行されるようになる。
また、本実施の形態では、図1、2に示すように乾燥室7は紙管Aの送り方向に分断された7つの乾燥室ブロック17を直列状態に連続配置することによって構成されている。
一方、後続の6つの乾燥室ブロック17には上述したマイクロ波発生装置11と間欠送り手段9とを一組ずつ個別に備えたマイクロ波乾燥装置25が各別に設けられている。
供給排出装置131は図4に拡大して示すように垂直コンベヤ式の昇降機133と、該昇降機133に乾燥前の紙管Aを供給する押出しシリンダ135と、昇降機133によって下方に搬送された乾燥後の冷却された紙管Aを外部に取り出すための取出し装置137とを備えることによって一例として構成されている。
また、上記昇降機133の上部下降側には投入側電波漏洩防止室13に紙管Aを供給するため供給シュート119が配設されており、昇降機133の下部には上昇側に上記押出しシリンダ135が、下降側に上記取出し装置137がそれぞれ配置されている。尚、冷却装置151については後述する。
尚、上記遮蔽ドラム27の下面には矩形平板状をした2枚の点検窓28が設けられている。
搬送レール35は紙管Aの送り方向に長い長尺な平板状の部材であり、一例として約850mmピッチの間隔を開けて約3度の傾斜角度で設置されている。
ストッパ37は紙管Aに対して直接作用するストッパ作用片41と、ストッパ作用片41の駆動手段であるエアシリンダ43と、エアシリンダ43の摺動ロッドの直線方向の動きを上記ストッパ作用片41の回転方向の動きに変換するリンク機構45とを備えることによって構成されている。
そして、このようにして構成されるストッパ37の回転軸53における遮蔽ドラム27に対する接続部と、羽根車39の回転軸55における遮蔽ドラム27に対する接続部には軸部用のチョーク構造57が設けられている。
また羽根車39は投入口3の直下の位置にも設けられている。そして、乾燥室7内に設けられるすべての羽根車39はカウンター軸59及びチェーン駆動伝達機構61を介して1基の駆動モータ63から動力が伝達され、同時に回転するように構成されている。
また、上記搬送レール35、ストッパ37及び羽根車39はマイクロ波透過性に優れる材料によって形成されており、本実施の形態では図36中、比誘電率と電波の浸透深さが最も小さなポリ四フッ化エチレン製の材料(商品名「テフロン(登録商標)」)を使用して形成されている。
そして、このうち吹込みダクト65と調整ダクト77が遮蔽ドラム27に接続され、上記ファンダクト67内に送風ファン33が設けられている。またファンダクト67の側傍の遮蔽ドラム27の上面には一例として灯油またはガスを燃料とするバーナーが組み込まれた熱風供給装置21が設けられている。
尚、熱風供給装置21としては他に電気ヒータ、蒸気ヒータ、熱交換器を組み込んだものも適用可能である。
また、遮蔽ドラム27内に供給された熱風の一部は循環することなく、後続の乾燥室ブロック17の遮蔽ドラム27内を通って排出口5が形成されている最下流位置の乾燥室ブロック17における遮蔽ドラム27の上面に設けられている排風機79から外部に排気される。
マイクロ波発生装置11としては1.5kW程度の小型のマグネトロンが使用されており、電波をマイクロ波に変換することによって高温になった上記マグネトロンを冷却する目的でマグネトロンの近傍に冷却ファン81が設けられている。
電波漏洩防止ダンパ87は図17(a)(b)及び図18に示すように矩形平板状をしたダンパ本体97と、該ダンパ本体97の中心を通る左右の端面に形成され、上記回転軸89と嵌合する軸受部99とを備えている。
また、上記ダンパ本体97の周面部には周面部用のチョーク構造101が設けられており、上記回転軸89の遮蔽ドラム85に対する接続部には図示は省略するが、軸部用のチョーク構造57が設けられている。
この他、投入側電波漏洩防止室13の上流位置には、上記羽根車39と同様の構成の投入側羽根車103が設けられており、投入側羽根車103の回転軸105には、駆動モータ107の出力軸の回転がチェーン駆動伝達機構109を介して伝達されるようになっている。
また、上記投入側羽根車103の上流位置には上述したように一例として平板状の供給シュート119が設けられており、該供給シュート119の側傍に一定の間隔を隔てて紙管Aの通過を検出する1次センサ121と2次センサ123とが設けられている。
送風ファン153は排出側電波漏洩防止室15の下方に1基と、乾燥室7の下流側の下方に1基との計2基が一例として設けられており、排出側電波漏洩防止室15から排出され、戻し間欠送り手段155によって構成される戻し経路の上流部に移送された紙管Aに対して風を吹きかけて空冷するようになっている。
また、上記戻し間欠送り手段155は上述した間欠送り手段9と同期して作動するように構成されており、紙管Aの乾燥と、乾燥完了後の紙管Aの放冷とを連続して実行できるように構成されている。
また、本実施の形態では、上記マイクロ波乾燥工程に先立って、熱風乾燥工程を行い、排出時電波漏洩防止工程の後に冷却工程を行うようにし、該熱風乾燥工程と冷却工程を加えた7つの工程によって紙管の乾燥方法が構成されている。
また、投入時電波漏洩防止工程は、上記紙管通過検出工程から供給された紙管Aを乾燥室7からの電波の漏洩を防止した状態で上記予備加熱ブロック19に設けられている投入口3に投入する工程である。
また、熱風乾燥工程は、マイクロ波乾燥工程に先立って、投入された紙管Aに対して熱風Bを吹きかけて紙管Aを予備加熱する工程である。
尚、熱風乾燥工程では主に紙管Aの表面の乾燥を行い、次のマイクロ波乾燥工程による紙管Aの内部からの乾燥と相俟って紙管Aの均一な乾燥に寄与する。またマイクロ波乾燥工程でのマイクロ波加熱による乾燥効率の促進が図られ、熱風乾燥工程を設けない場合に比べて消費電力も小さくなる。
また、マイクロ波乾燥工程では紙管Aのサイズ、紙管Aから除去する水分量またはマイクロ波照射エリアに存する紙管Aの有無によって点灯するマイクロ波発生装置11の数を変更し、紙管Aの乾燥程度の調整が行われるようになっている。
また、冷却工程は、乾燥完了後の紙管Aを冷却しながら投入口3側に戻す工程である。
そして冷却工程では乾燥完了後の紙管Aに対する選択的な空冷と、放冷とを実施し、乾燥完了直後、表面温度が90℃程度になっている紙管Aを手で触ることができる45℃程度まで紙管Aの表面温度を下げながら供給排出装置131まで搬送する。
そして一旦5〜6%程度の含水率まで乾燥された紙管Aは乾燥後多少の湿気を吸って最終的に8%程度の含水率で落ち着き、乾物等の容器やトイレットペーパーの芯材等に加工する加工工程に供給される。
(1)乾燥室内への紙管の投入動作(図20〜26参照)
供給シュート119に供給された紙管Aは図20に示すように供給シュート119上に並び、投入側羽根車103に先頭の紙管Aが当接した状態で整列する。この状態がスタート時の状態である。
次に、図22に示すように上流側の電波漏洩防止ダンパ87が回転して開状態になり、先頭の紙管Aを転がし、下流側の電波漏洩防止ダンパ87に当接した状態で先頭の紙管Aを停止させる。
また、投入側羽根車103が回転して2番目の紙管Aを投入側電波漏洩防止室13に至らせる。
次に、図25に示すように投入口3の直下に位置する羽根車39を回転させると、先頭の紙管Aは搬送レール35上を転がってストッパ37のストッパ作用片41に当接した位置で停止する。
そして、投入側羽根車103を回転させて3番目の紙管Aを投入側電波漏洩防止室13内に至らせる。
以下同様の動作を繰り返し、予備加熱装置23内の搬送レール35上の紙管Aがいっぱいになったタイミングで図26に示すようにストッパ37におけるストッパ作用片41が移送を可能にする移送位置側に倒れ、ストッパ37の下流位置の羽根車39への紙管Aの移送と、後続の乾燥室ブロック17への移送とが間欠的に実施されて行く。
供給シュート119に供給された紙管Aは供給シュート119を転って途中、1次センサ121と2次センサ123とによって通過が検出されて投入側羽根車103に当接する位置に至る。そして、互い違いに開閉する投入側上流の電波漏洩防止ダンパ87、投入側下流の電波漏洩防止ダンパ87を経て、投入口3の直下の羽根車39に当接する位置に紙管Aは至る。
更に、予備加熱ブロック19の下流位置に設けられるストッパ37と羽根車39を経て後続の乾燥室ブロック17における搬送レール35上に順次紙管Aは間欠的に移送されて行く。
また、上記紙管Aは排出側電波漏洩防止室15内に設けられ、互い違いに開閉する排出側上流と排出側下流の2枚の電波漏洩防止ダンパ87を経て排出側羽根車111上に至り、排出される。
A.運転準備時(図28参照)
運転準備時には初期設定として、タクト信号を出力するためのタイマーの時間設定と、紙管Aの供給停止から全停止までのタイマーの時間設定と、サイズの違う紙管Aごとに定めるカウント数の設定とを行う。
次に、運転準備スイッチをON状態にしてタクト信号を出力させ、各ストッパ37を突出状態にし停止位置にする。また、タクト信号を受けて投入側下流位置と排出側下流位置の電波漏洩防止ダンパ87、投入側羽根車103、排出側羽根車111、すべての羽根車39が回転し、所定時間経過後に投入側上流位置と排出側上流位置の電波漏洩防止ダンパ87が回転する。
そしてタクト信号が出力される度、上記制御動作を繰り返す。
1次センサ121がON状態、2次センサ123がON状態で紙管準備が完了する。
そして、運転スイッチをON状態にするとタクト信号が出力され、投入側羽根車103が回転し、予備加熱装置23が起動して所定の時間、熱風乾燥による予備加熱を実行する。続いてエアシリンダ43を作動させ、投入側羽根車103の回転数をカウントする。
設定した所定のカウント数に達したらストッパ37を倒して、上流側1段目のマグネトロンをON状態にする。以下順次、設定した所定のカウント数に達したら上流側2段目の乾燥室ブロック17から順番にストッパ37を倒して、マグネトロンをON状態にして行く。
停止スイッチをON状態にして投入側羽根車103を停止する。そして、タクト信号をカウントし、設定した所定のカウント数に達したら上流側1段目のマグネトロンをOFF状態にする。以下順次、設定した所定のカウント数に達したら上流側2段目の乾燥室ブロック17から順番にマグネトロンをOFF状態にして行く。
そして、すべてのマグネトロンがOFF状態になった後、運転準備スイッチをOFF状態にし、すべての駆動モータ63、91、107、115を停止すると共にエアシリンダ43を作動させてストッパ37を停止位置にする。
一時停止スイッチをON状態にして投入側羽根車103を停止する。また、タクト終了時にすべての駆動モータ63、91、107、115が停止し、マグネトロンもすべてOFF状態になる。
次に、一時停止スイッチをOFF状態にすると、すべてのマグネトロンがON状態になり、投入側羽根車103及びすべての駆動モータ63、91、107、115が回転を再開する。
2次センサ123がOFF状態になると紙管Aの供給は停止される。この場合、投入側羽根車103が回転を停止し、すべての駆動モータ63、91、107、115がタクト出力時に回転を停止する。そして所定の時間経過後、すべてのマグネトロンがOFF状態になる。
そして、1次センサ121がON状態になり、2次センサ123がON状態になると紙管Aの供給を再開する。この場合、投入側羽根車103が回転し、すべての駆動モータ63、91、107、115がタクト出力時に回転を再開し、すべてのマグネトロンがON状態になる。
そして、この状態から原位置復帰スイッチをON状態にすると、すべての駆動モータ63、91、107、115は回転を再開するようになり、投入側羽根車103が回転を再開して、すべての駆動モータ63、91、107、115もタクト出力時に回転を再開する。またすべてのマグネトロンがON状態になる。
そして運転スイッチをON状態にすると、エアシリンダ43が作動してストッパ37を倒し、投入側羽根車103が回転し、すべての駆動モータ63、91、107、115が回転するようになり、すべてのマグネトロンがON状態になる。
一方、図34は同条件で予備加熱装置23を停止させた状態で38のサンプルについて試験した試験結果を示している(尚、紙管Aの内径と長さについては変化がなかったので図中省略してある)。
乾燥後の紙管Aの表面温度については両者に明確な差が見られ、予備加熱を行った場合の方が平均値で15℃表面温度が高くなっている。また、紙管Aの内径と長さについては両者とも乾燥の前後で差は見られず、曲がりについては両者とも乾燥後に僅かではあるが発生しており、予備加熱を行った場合の方が幾分大きなっている。
図示の比較試験の結果から明らかなように設定時間と滞留時間とが長く、送り速度が遅い方が表面温度が高くなり、平均値で10℃程度、前者の方が紙管Aの表面温度が高くなる結果が得られた。
これに伴って、従来の自然乾燥の場合に使用されていた多数の乾燥台車や広大な保管、乾燥スペースは不要となり、紙管Aの乾燥仕掛りや在庫の数も大幅に減少する。
また、マイクロ波を主体とした乾燥形態をとっているので乾燥温度を上げなくても上述のような効率的な乾燥が実現でき、紙管Aの変形や反り、外観のしわ等が発生しない高品質の紙管Aの乾燥が実行されるようになる。
また、乾燥完了後、直ちに加工装置ないし加工工程に供給しない場合には上記冷却装置ないし冷却工程を省略することが可能であり、紙管Aの冷却を促進させたい場合には送風ファン153の数を増やしたり、すべての紙管Aに対して空冷を実施するようにすることも可能である。また放冷のみで十分な場合には送風ファン153を省略することも可能である。
3 投入口
5 排出口
7 乾燥室
9 間欠送り手段
11 マイクロ波発生装置
13 投入側電波漏洩防止室
15 排出側電波漏洩防止室
17 乾燥室ブロック
19 予備加熱ブロック
21 熱風供給装置
23 予備加熱装置
25 マイクロ波乾燥装置
27 遮蔽ドラム
28 点検窓
29 支持架台
31 循環ダクト
33 送風ファン
35 搬送レール
37 ストッパ
39 羽根車
41 ストッパ作用片
43 エアシリンダ
45 リンク機構
47 羽根
49 羽根取付け板
51 セットカラー
53 回転軸
55 回転軸
57 軸部用のチョーク構造
59 カウンター軸
61 チェーン駆動伝達機構
63 駆動モータ
65 吹込みダクト
67 ファンダクト
69 異径ダクト
71 ストレートダクト
73 エルボダクト
75 レジューサダクト
77 調整ダクト
79 排風機
81 冷却ファン
83 送風ダクト
85 遮蔽ドラム
87 電波漏洩防止ダンパ
89 回転軸
91 駆動モータ
93 チェーン駆動伝達機構
95 支持フレーム
97 ダンパ本体
99 軸受部
101 図面部用のチョーク構造
103 投入側羽根車
105 回転軸
107 駆動モータ
109 チェーン駆動伝達機構
111 排出側羽根車
113 回転軸
115 駆動モータ
117 チェーン駆動伝達機構
119 供給シュート
121 1次センサ
123 2次センサ
124 シャッタ板
131 供給排出装置
133 昇降機
135 押出しシリンダ
137 取出し装置
139 昇降チェーン
141 紙管保持具
143 駆動モータ
151 冷却装置
153 送風ファン
155 戻し間欠送り手段
157 搬送レール
161 羽根車
A 紙管
B 熱風
C 加熱空気
M マイクロ波
Claims (11)
- 投入口と排出口が形成された2つの端面を除く他の面が遮蔽され紙管の送り方向に分断された複数の乾燥室ブロックを直列状態に連続配置することによって構成された乾燥室と、
該乾燥室内のそれぞれの乾燥室ブロックに対して個別に設けられる複数の紙管の間欠送り手段と、
上記乾燥室内のそれぞれの乾燥室ブロックに対して個別に設けられマイクロ波を供給する紙管の送り方向に配置される複数のマイクロ波発生装置と、
上記投入口と排出口とに各別に接続される電波漏洩防止室と、を具備し、
上記間欠送り手段は、紙管を転がしながら搬送する送り方向に傾斜した搬送レールと、
該搬送レールの下流位置に設けられ、搬送されてきた紙管の搬送を停止ないし許容するストッパと、該ストッパの下流位置に設けられ、ストッパによって搬送が許容された紙管を後続の乾燥室ブロックまたは排出口に接続されている電波漏洩防止室に移送する羽根車と、を備えており、搬送レール上を転がしながら搬送されてくる紙管をストッパにより停止して所定本数まで整列させた後ストッパを倒して下流位置の羽根車による後続の乾燥室ブロックへの紙管の移送とマイクロ波の照射を実行するように構成されていることを特徴とする紙管の乾燥装置。 - 上記マイクロ波発生装置の近傍には、高温になったマイクロ波発生装置を空冷する冷却ファンと、マイクロ波発生装置を冷却することによって高温となった空気を乾燥室内に供給する送風ダクトとが設けられていることを特徴とする請求項1記載の紙管の乾燥装置。
- 上記電波漏洩防止室には、紙管の投入方向または排出方向に一定の間隔を隔てて配置される2枚の電波漏洩防止ダンパが設けられており、これらの電波漏洩防止ダンパは互い違いに開閉を繰り返すように構成されていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の紙管の乾燥装置。
- 上記ストッパ、羽根車及び電波漏洩防止ダンパの回転軸の接続部と、上記電波漏洩防止ダンパの周面部には電波の外部への漏洩を防止するチョーク構造が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紙管の乾燥装置。
- 上記搬送レール、ストッパ及び羽根車はマイクロ波透過性に優れる材料によって形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙管の乾燥装置。
- 上記乾燥室の上流の乾燥室ブロックは、マイクロ波発生装置が配置されていない予備加熱ブロックになっており、当該予備加熱ブロックには、紙管の送り方向と直交する方向に形成された循環ダクトと、該循環ダクト内に熱風を供給する熱風供給装置と、上記循環ダクト内に熱風の循環流を形成する送風ファンとが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の紙管の乾燥装置。
- 上記乾燥室の下方には乾燥完了後の紙管を冷却しながら投入口側に戻す冷却装置が設けられており、
該冷却装置は排出口の下方に設けられる空冷用の送風ファンと、上記乾燥室の下方に設けられる放冷用の戻し間欠送り手段とを具備することによって構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の紙管の乾燥装置。 - 紙管の通過を検出し、紙管の有無と通過した紙管のカウント数とによって紙管の供給及び停止を切り替える紙管通過検出工程と、
供給された紙管を乾燥室からの電波の漏洩を防止した状態で乾燥室の投入口に投入する投入時電波漏洩防止工程と、
乾燥室内に投入された紙管を間欠的に移送して乾燥室の排出口に導く間欠送り工程と、
間欠送りされる紙管に対して紙管の移送位置ごとに複数回マイクロ波を照射させるマイクロ波乾燥工程と、
移送された紙管を乾燥室からの電波の漏洩を防止した状態で乾燥室の排出口から排出させる排出時電波漏洩防止工程と、を具備し、
上記間欠送り工程とマイクロ波乾燥工程では、搬送レール上を転がしながら搬送されてくる紙管をストッパにより停止して所定本数まで整列させた後ストッパを倒して下流位置の羽根車による後続の乾燥室ブロックへの紙管の移送とマイクロ波の照射を実行するようにしたことを特徴とする紙管の乾燥方法。 - 上記マイクロ波乾燥工程では紙管のサイズ、紙管から除去する水分量またはマイクロ波照射エリアに存する紙管の有無によって点灯するマイクロ波発生装置の数を変更し、紙管の乾燥程度を調整するようにしたことを特徴とする請求項8記載の紙管の乾燥方法。
- 上記マイクロ波乾燥工程に先立って、投入された紙管に対して熱風を吹きかけて紙管を予備加熱する熱風乾燥工程を設けたことを特徴とする請求項8または9記載の紙管の乾燥方法。
- 上記排出時電波漏洩防止工程を実施後、乾燥完了後の紙管を冷却しながら投入口側に戻す冷却工程が設けられており、
該冷却工程では乾燥完了後の紙管に対して選択的に風を当てて空冷し、その後当該紙管を間欠的に移送しながら放冷するようにしたことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の紙管の乾燥方法。
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