JP2005075660A - セラミックス成形体の乾燥装置及び乾燥方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成で一連のライン上で効率よく連続して乾燥処理ができ、セラミックス成形体の内部に水分を残すことなく、比較的大きなセラミックス成形体に対して内部と外周部(表面に近い部分)との間に水分差を生ずることなく均一に乾燥することができるセラミックス成形体の乾燥装置及び乾燥方法を提供する。
【解決手段】 押出し成形されたセラミックス成形体8を搬送路7上で乾燥する乾燥装置1であって、前記セラミックス成形体8を投入する投入室2と、室内の相対湿度が30%以上に制御可能な第1加熱ゾーン3と、室内の相対湿度が20%以上で且つ室内温度が50〜150℃に制御可能な第2加熱ゾーン4と、室内温度が50〜150℃で且つ室内の相対湿度が50%以下に制御可能な第3加熱ゾーン5と、セラミックス成形体8を冷却して取出す冷却室6とを備え、前記投入室2、第1加熱ゾーン3、第2加熱ゾーン4、第3加熱ゾーン5及び前記冷却室6がこの順番で前記搬送路7に沿って連続して形成された。
【選択図】 図1
【解決手段】 押出し成形されたセラミックス成形体8を搬送路7上で乾燥する乾燥装置1であって、前記セラミックス成形体8を投入する投入室2と、室内の相対湿度が30%以上に制御可能な第1加熱ゾーン3と、室内の相対湿度が20%以上で且つ室内温度が50〜150℃に制御可能な第2加熱ゾーン4と、室内温度が50〜150℃で且つ室内の相対湿度が50%以下に制御可能な第3加熱ゾーン5と、セラミックス成形体8を冷却して取出す冷却室6とを備え、前記投入室2、第1加熱ゾーン3、第2加熱ゾーン4、第3加熱ゾーン5及び前記冷却室6がこの順番で前記搬送路7に沿って連続して形成された。
【選択図】 図1
Description
本発明は、セラミックス成形体、特にハニカム形状を有するセラミックス押出成形体の乾燥装置及び乾燥方法に関する。
ハニカム形状を有するセラミックスフィルタ(以下、単にフィルタと略す)は、ディーゼルエンジンから排出されるディーゼルパティキュレート除去用フィルタ、排気ガス浄化触媒用担体、高温ガス中の除塵用フィルタ等として広く使用されている。なかでも炭化ケイ素質、窒化ケイ素質などの非酸化物からなるフィルタは、耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性に優れることからディーゼルパティキュレート除去用フィルタとして注目されている。
これらのフィルタは、通常、窒化ケイ素、炭化ケイ素などのセラミックス粉末に水等を添加して混練し坏土に調製して、押出成形し、得られた成形体を乾燥後、電気炉を用いて焼成して作製される。その乾燥方法として、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電加熱乾燥等さまざまな方法がとられている。しかし、これらのセラミックス成形体の乾燥方法では、セラミックス成形体のサイズが大きくなると、表面だけが乾燥して内部に水が大量に残ってしまい、成形体外部と内部の間の乾燥状態に極端な差が生じるため、これに起因する成形体の変形、クラック(ひび)の発生等の問題があった。
このような問題を解決するために、ハニカム形状を有するセラミックス成形体を乾燥する際、ガラスエポキシ製の冶具で挟み、マイクロ波乾燥機によって貫通孔を持つセラミックス成形体を加熱しさらに、その貫通孔と平行な方向に熱風を与える事により、乾燥する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、特許文献1に記載のセラミックス成形体乾燥方法では、マイクロ波乾燥装置内で加熱処理した後、別の熱風装置内でさらに加熱処理するため、乾燥装置の全体構成が複雑になりプロセスが面倒になって、一連のライン上で効率よく連続的に乾燥処理することができない。また従来のセラミックス成形体乾燥方法では比較的小さなセラミックス成形体を短時間で変形を少なくして乾燥させるには効果的であるが、セラミックス成形体が大きくなると成形体内部と外部の水分差が拡大し、内部にクラックが発生することがある。
また、高周波方式の誘電加熱装置にポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂製のシート状冶具を用いて、乾燥する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、高周波方式の誘電加熱による加熱乾燥は、装置が大掛かりで非常に高価であるという問題がある。また、フッ素樹脂は誘電損失が少ないため、マイクロ波、電磁波を透過し、マイクロ波乾燥機と熱風を併用する場合、比較的小さなセラミック成形体を短時間かつ変形を少なく乾燥するには効果的であるが、セラミックス成形体が大きくなると内部と外部の残留水分差を拡大し、内部にクラックを発生するという問題がある。
本発明は、簡単な構成で一連のライン上で効率よく連続して乾燥処理ができ、セラミックス成形体の内部に水分を残すことなく、比較的大きなセラミックス成形体に対して内部と外周部(表面に近い部分)との間に残留水分差を生ずることなく均一に乾燥することができるセラミックス成形体の乾燥装置及び乾燥方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1の発明では、セラミックス成形体を搬送路上で乾燥する乾燥装置であって、前記セラミックス成形体を投入する投入室と、室内の相対湿度が30%以上に制御可能な第1加熱ゾーンと、室内の相対湿度が20%以上で且つ室内温度が50〜150℃に制御可能な第2加熱ゾーンと、室内温度が50〜150℃で且つ室内の相対湿度が50%以下に制御可能な第3加熱ゾーンと、セラミックス成形体を冷却して取出す冷却室とを備え、前記投入室、第1加熱ゾーン、第2加熱ゾーン、第3加熱ゾーン及び前記冷却室がこの順番で前記搬送路に沿って連続して形成されたことを特徴とするセラミックス成形体乾燥装置を提供する。
請求項2の発明では、前記第1〜第3加熱ゾーンの内部の温度及び湿度と各室のセラミックス成形体の温度を計測して各ゾーン内の温度及び湿度を修正できる制御装置を備えたことを特徴としている。
請求項3の発明では、前記第1加熱ゾーンと前記第2加熱ゾーンはマイクロ波を透過する透過壁により仕切られたことを特徴としている。
請求項4の発明では、前記第2加熱ゾーンと前記第3加熱ゾーンはマイクロ波を反射する反射壁により仕切られたことを特徴としている。
請求項5の発明では、セラミックス成形体を相対湿度が30%以上で加熱する高湿加熱ステップと、加熱された前記セラミックス成形体に対し相対湿度が20%以上で且つ室内温度が50〜150℃で水分を除去する高湿乾燥ステップと、乾燥が進んだセラミックス成形体に対し、相対湿度が50%以下で且つ室内温度が50〜150℃で前記成形体内に残留する水分を除去する低湿乾燥ステップとを有することを特徴とするセラミックス成形体乾燥方法を提供する。
請求項1の発明によれば、セラミックス成形体を相対湿度が30%以上の第1加熱ゾーンで加熱開始して予備加熱するため、成形体の内部と外部(表面に近い内部)に水分差が生じることなく、すなわち、成形体の表面側のみを乾燥させることなく、成形体全体を均一な水分状態で加熱し、次に相対湿度が20%以上で室内温度が50〜150℃に保持される第2加熱ゾーンで加熱するため、高湿度状態で成形体内部と外部の水分を均一にしながら水分を徐々に除去でき、次に相対湿度が50%以下で室内温度が50〜150℃に保持される第3加熱ゾーンで加熱するため、低湿度状態で水分が蒸気として飛散する前に成形体に付着することなく成形体内の水分を完全に除去して乾燥処理の仕上げを行うことができる。これにより、成形体の加熱開始から、成形体内の水分を全体的に均一に保ちながら徐々に除去する乾燥処理と、成形体内の水分を完全に除去する乾燥仕上げ処理を一連のライン上で成形体を搬送しながら連続して行うことができ、簡素な構成で加熱乾燥処理を効率よく行うことができる。これにより、簡単な構成で一連のライン上で効率よく連続して乾燥処理ができ、セラミックス成形体の内部に水分を残すことなく、比較的大きなセラミックス成形体に対して内部と外周部(表面に近い部分)との間に残留水分差を生ずることなく均一に乾燥することができる
請求項2の発明によれば、各加熱ゾーンの室温や湿度、セラミックス成形体の温度を適宜計測して最適な温度及び湿度に修正することができ、セラミックス成形体の内部を均一な水分状態に保って、適正な乾燥効果が得られる。
請求項3の発明によれば、最初に加熱する第1加熱ゾーンと水分を均一に除去する第2加熱ゾーン間の仕切りをマイクロ波透過壁で形成するため、第1加熱ゾーンのマイクロ波が第2加熱ゾーンに達して第2加熱ゾーンの加熱作用を促進し、効率よく乾燥処理を行うことができる。この場合、第2加熱ゾーンは高湿度状態に保たれているため、加熱作用を高めても不均一な水分除去状態になることはない。
請求項4の発明によれば、第2加熱ゾーンと第3加熱ゾーン間の仕切りをマイクロ波反射壁で形成するため、低湿度で加熱する第3加熱ゾーンに第2加熱ゾーンのマイクロ波が影響することがなく、第3加熱ゾーンの温度制御を精度よく的確に行うことができる。したがって、低湿度での過剰加熱により表面付近の水分が早く蒸発して内部との間で水分差が起きることが防止され均一に成形体内部の残留水分を蒸発させることができる。
請求項5の発明によれば、成形体の加熱開始から、成形体内の水分を全体的に均一に保ちながら徐々に除去する乾燥処理と、成形体内の水分を完全に除去する乾燥仕上げ処理を一連のライン上で成形体を搬送しながら連続して行うことができ、簡素な構成で加熱乾燥処理を効率よく行うことができる。これにより、簡単な構成で一連のライン上で効率よく連続して乾燥処理ができ、セラミックス成形体の内部に水分を残すことなく、比較的大きなセラミックス成形体に対して内部と外周部(表面に近い部分)との間に残留水分差を生ずることなく均一に乾燥することができる
図1は本発明に係るセラミックス成形体乾燥装置の概略図である。
図示したように、本発明に係るセラミックス成形体乾燥装置1は投入室2、第1加熱ゾーン3、第2加熱ゾーン4、第3加熱ゾーン5及び冷却室6の5室(部屋とゾーン)が連続して構成される。各部屋及びゾーン2〜6にはこれらを通して連続するコンベヤ7が備わり、この上にセラミックス成形体8が載置され、投入室2から順に各ゾーン3〜5を通して冷却室6へ搬送される。セラミックス成形体8としてはセラミックス粉末に水を添加し、混練機で混練して坏土とした混練物を押出成形機で押出成形した押出成形体が好適なセラミックス成形体として挙げられるが、押出成形体に限定されるものではない。なお、具体的な例としては、例えば貫通孔を有する柱状の多孔質のハニカム状フィルタ等がある。
図示したように、本発明に係るセラミックス成形体乾燥装置1は投入室2、第1加熱ゾーン3、第2加熱ゾーン4、第3加熱ゾーン5及び冷却室6の5室(部屋とゾーン)が連続して構成される。各部屋及びゾーン2〜6にはこれらを通して連続するコンベヤ7が備わり、この上にセラミックス成形体8が載置され、投入室2から順に各ゾーン3〜5を通して冷却室6へ搬送される。セラミックス成形体8としてはセラミックス粉末に水を添加し、混練機で混練して坏土とした混練物を押出成形機で押出成形した押出成形体が好適なセラミックス成形体として挙げられるが、押出成形体に限定されるものではない。なお、具体的な例としては、例えば貫通孔を有する柱状の多孔質のハニカム状フィルタ等がある。
投入室2及び冷却室6は、それぞれ扉9,10及び扉18,19で仕切られ、第1〜第3加熱ゾーン3〜5間は、後述のように、マイクロ波透過壁20及びマイクロ波反射壁21で仕切られる。これらの透過壁20及び反射壁21にはそれぞれ成形体8が通過する開口が形成されている。この開口には扉又はカーテン等を設けてもよい。第1〜第3加熱ゾーン3〜5には、それぞれマイクロ波加熱装置11及び撹拌用スターラ15が備わる。また各ゾーン3〜5には、室内の温湿度センサ22及び成形体8の温度センサ23が備わる。
投入室2は乾燥装置1内に成形体8が投入される部屋である。後述するように、成形体の乾燥方法としてマイクロ波による乾燥を取り入れているためマイクロ波が乾燥装置1の外部に漏れる事を防ぐ必要がある。したがって、マイクロ波の照射される第1〜第3加熱ゾーンの前段階に投入室2を設け部屋の両サイドにマイクロ波を遮蔽する遮蔽扉9,10が備わる。成形体8がコンベヤ7に載置され、遮蔽扉9が開口し、投入室2内に成形体8が搬送される。この後、遮蔽扉9は閉じられ、遮蔽扉10が開口し、第1加熱ゾーン3へ成形体8が搬送される。なお、遮蔽扉9,10は装置1の外部へマイクロ波が漏れない構造、材質とする。
第1加熱ゾーン3はマイクロ波加熱装置11を具備し、室内の相対湿度を50%以上に調節される。この部屋で成形体8にマイクロ波を照射し、加熱を開始する。この第1加熱ゾーン3は後に続く第2、第3加熱ゾーン4,5での乾燥処理の前段階の加熱を行うゾーンである。このとき、マイクロ波によって加熱された成形体8は外部から乾燥し始めるので、内部と外周部の残留水分差から、変形やクラックを生じることを防ぐため、この部屋は高湿度状態とし、相対湿度は30%以上、より好ましくは40%以上とする。また、相対湿度の上限は80%とすると好ましく、上限が70%であるとさらに好ましい。第1加熱ゾーン3の室内には、室内の相対湿度を十分に保つため、蒸気供給管12と蒸気放出管13が備わり、比較的大きな成形体8が搬送された場合であっても室内を一定以上の湿度に保つことができる。この蒸気供給管12からの蒸気の供給はゾーン内に備わる温湿度センサ22の測定値を基に制御可能である。なお、後のゾーンで、より効果的に成形体8の乾燥処理を行うためには、この第1加熱ゾーン3での加熱温度は高い方が好ましい。加熱温度を成形体内部温度が成形体中に含有される有機バインダーのゲル化温度より高くなるように設定すると、有機バインダーが水を放出しやすくなり効率的な乾燥ができ、保形性にも優れるためさらに好ましい。好ましくは、30〜100℃がよい。
第2加熱ゾーン4は室内が50〜150℃に保持されマイクロ波加熱装置11を具備し、室内の相対湿度は20%以上の高湿度状態に調節される。この第2加熱ゾーン4は、加熱された成形体8の内部と外周部(表面近傍部)を均一にしながら水分を徐々に除去する高湿乾燥ゾーンである。したがって、第1加熱ゾーンの相対湿度より低湿度とすると乾燥が進行しやすいため好ましい。成形体8の内部と外周部の温度差を無くすために、常に室内は温度を一定にする必要がある。その温度は50〜150℃である、50℃未満であると、加熱した成形体8が冷却され、蒸気が結露、成形体を壊すため好ましくなく、一方150℃を超えると成形体内部に含まれるバインダーが変質するため、好ましくない。より好ましくは60〜110℃がよい。この第2加熱ゾーン4には発生した蒸気を外へ放出する蒸気放出管13と新たに所定の温度に制御された熱風を供給する熱風供給管14が備わる。15はマイクロ波を撹拌するためのスターラである。
第3加熱ゾーン5は温度が50〜150℃に保持され、相対湿度が50%以下の低湿度状態に保たれる。この第3加熱ゾーン5は第2加熱ゾーン4で均一に加熱され全体的に均一に水分が除去された成形体8から、残留する水分を完全に除去して乾燥を仕上げる低湿乾燥ゾーンである。成形体8から、効果的に水分を除去するために、室内の温度は50〜150℃がよい。50℃未満であると加熱された成形体8に水分が再付着、成形体を壊すため、好ましくなく、一方150℃を越えると、成形体8のバインダーが変質してしまうため好ましくない。より好ましくは80〜110℃である。また、湿度は相対湿度で50%以下がよい。湿度が50%を超えると、水分が蒸気として飛散する前に成形体8に付着、成形体を壊すため好ましくない。より好ましくは30%以下である。この部屋には成形体8の水分を効果的かつ完全に除去するために、湿度が所定値以下の熱風が供給される熱風供給管14と湿度を含んだ熱風が放出される蒸気放出管13が備わる。この第3加熱ゾーン5の温度、および湿度は備え付けの室内温湿度センサ22によってモニタリングされており、温度や湿度が所定範囲内に無ければ、熱風供給管14及び蒸気放出管13の流量制御により調節される。
冷却室6は乾燥終了したセラミックス成形体8を自然冷却し、取出す部屋である。したがって、マイクロ波が装置外に漏れる事を防ぐ必要があるため、部屋の両サイドにマイクロ波を遮蔽する遮蔽扉18,19が備わる。まず、遮蔽扉18が開き、この冷却室6に成形体8が第3加熱ゾーン5からコンベヤ7により搬送され、この後、遮蔽扉18は閉じて遮蔽扉19が開き、装置1の外へ成形体8が搬送される。遮蔽扉18,19は装置1外部へマイクロ波が漏れない構造、材質であればよい。
第1〜第3加熱ゾーン3,4,5の室内温度、湿度と各ゾーンのセラミックス成形体8の温度は各ゾーンごとに室内温湿度センサ22及び成形体温度センサ23によりモニタリングされ、このデータを基に各ゾーンの温度、湿度を制御する。用いられるセンサは一般的なものでよい。但し、マイクロ波の影響を受けないようにするため、電磁波を遮蔽する構造とした状態で中に備え付けられる。
第1加熱ゾーン3と第2加熱ゾーン4間はマイクロ波を透過する透過壁20により仕切られる。第1加熱ゾーン3で加熱開始された成形体8は引き続き第2加熱ゾーン4で高湿度状態で温度を維持されながら内部まで温度を上昇させる。しかし、第2加熱ゾーン4では水分を除去して乾燥を行うため、必要以上の蒸気が供給されない方が好ましい。したがって、第1加熱ゾーン3と第2加熱ゾーン4は仕切られていて、蒸気の出入りが少なくかつ第1加熱ゾーン3のマイクロ波を用いて効率よく加熱するためマイクロ波を透過するような壁が好ましい。透過壁20は具体的にはポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂が好ましい。第1加熱ゾーン3と第2加熱ゾーン4は壁面により仕切られて成形体8が通る分だけ間口があいているような構造でもよいし、この開口に扉あるいはカーテンを取付ける構造であってもよい。
第2加熱ゾーン4と第3加熱ゾーン5はマイクロ波を反射する反射壁21により仕切られる。第2加熱ゾーン4で均一に加熱された成形体8は第3加熱ゾーン5に移送され、ここで成形体8の残留水分が除去される。第3加熱ゾーン5内の成形体8に第2加熱ゾーン4のマイクロ波が部分的に照射されると、その部分だけ成形体8のバインダーが変質してしまい好ましくない。一方、第2加熱ゾーン4では、効果的にマイクロ波がセラミックス成形体8に照射される必要があり、この第2加熱ゾーン4のマイクロ波が全体に均一に当たるように反射される材料であることが好ましい。具体的には反射壁21は鉄等の金属材質のものが好ましい。第2加熱ゾーン4と第3加熱ゾーン5は壁面により仕切られて成形体8が通る分だけ間口があいているような構造でもよいし、この開口に扉あるいはカーテンを取付ける構造であってもよい。
図2は本発明に係るセラミックス成形体の乾燥方法を示すフローチャートである。
セラミックス成形体8はコンベヤ7で乾燥装置1の投入室2内へ搬送される(ステップS1)。続いて、同じコンベヤ7で相対湿度が30%以上の第1加熱ゾーン3に搬送され、ここで加熱が開始され成形体8が高湿加熱される(ステップS2)。次に、相対湿度が20%以上で室温が50〜150℃の第2加熱ゾーン4に搬送され、ここで高湿状態で加熱され水分が除去される(ステップS3)。次に、相対湿度が50%以下で室温が50〜150℃の第3加熱ゾーン5に搬送され、ここで低湿状態で加熱され成形体8内に残留する水分を完全に除去する(ステップS4)。このように各ゾーンを順番に連続して通ることによりセラミックス成形体内の水分は徐々に取り除かれ(第2加熱ゾーン4)、続いて完全に乾燥する(第3加熱ゾーン5)。次に、冷却室6に搬送されて自然冷却され(ステップS5)、乾燥装置から取出される(ステップS6)。なお、各ゾーン3〜5において、成形体8が所定の温度又は乾燥状態になるような加熱時間を予め設定して、この設定した時間だけ各ゾーン内に滞留させるように時間制御してもよい。
セラミックス成形体8はコンベヤ7で乾燥装置1の投入室2内へ搬送される(ステップS1)。続いて、同じコンベヤ7で相対湿度が30%以上の第1加熱ゾーン3に搬送され、ここで加熱が開始され成形体8が高湿加熱される(ステップS2)。次に、相対湿度が20%以上で室温が50〜150℃の第2加熱ゾーン4に搬送され、ここで高湿状態で加熱され水分が除去される(ステップS3)。次に、相対湿度が50%以下で室温が50〜150℃の第3加熱ゾーン5に搬送され、ここで低湿状態で加熱され成形体8内に残留する水分を完全に除去する(ステップS4)。このように各ゾーンを順番に連続して通ることによりセラミックス成形体内の水分は徐々に取り除かれ(第2加熱ゾーン4)、続いて完全に乾燥する(第3加熱ゾーン5)。次に、冷却室6に搬送されて自然冷却され(ステップS5)、乾燥装置から取出される(ステップS6)。なお、各ゾーン3〜5において、成形体8が所定の温度又は乾燥状態になるような加熱時間を予め設定して、この設定した時間だけ各ゾーン内に滞留させるように時間制御してもよい。
1:乾燥装置、2:投入室、3:第1加熱ゾーン、4:第2加熱ゾーン、
5:第3加熱ゾーン、6:冷却室、7:コンベヤ、8:セラミックス成形体、
9:遮蔽扉、10:遮蔽扉、11:マイクロ波加熱装置、12:蒸気供給管、
13:蒸気放出管、14:熱風供給管、15:スターラ、18:遮蔽扉、
19:遮蔽扉、20:透過壁、21:反射壁、22:室内温湿度センサ、
23:成形体温度センサ。
5:第3加熱ゾーン、6:冷却室、7:コンベヤ、8:セラミックス成形体、
9:遮蔽扉、10:遮蔽扉、11:マイクロ波加熱装置、12:蒸気供給管、
13:蒸気放出管、14:熱風供給管、15:スターラ、18:遮蔽扉、
19:遮蔽扉、20:透過壁、21:反射壁、22:室内温湿度センサ、
23:成形体温度センサ。
Claims (5)
- セラミックス成形体を搬送路上で乾燥する乾燥装置であって、
前記セラミックス成形体を投入する投入室と、
室内の相対湿度が30%以上に制御可能な第1加熱ゾーンと、
室内の相対湿度が20%以上で且つ室内温度が50〜150℃に制御可能な第2加熱ゾーンと、
室内温度が50〜150℃で且つ室内の相対湿度が50%以下に制御可能な第3加熱ゾーンと、
セラミックス成形体を冷却して取出す冷却室とを備え、
前記投入室、第1加熱ゾーン、第2加熱ゾーン、第3加熱ゾーン及び前記冷却室がこの順番で前記搬送路に沿って連続して形成されたことを特徴とするセラミックス成形体乾燥装置。 - 前記第1〜第3加熱ゾーンの内部の温度及び湿度と各室のセラミックス成形体の温度を計測して各ゾーン内の温度及び湿度を修正できる制御装置を備えた請求項1に記載のセラミックス成形体乾燥装置。
- 前記第1加熱ゾーンと前記第2加熱ゾーンはマイクロ波を透過する透過壁により仕切られている請求項1又は2に記載のセラミックス成形体乾燥装置。
- 前記第2加熱ゾーンと前記第3加熱ゾーンはマイクロ波を反射する反射壁により仕切られている請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックス成形体乾燥装置。
- セラミックス成形体を相対湿度が30%以上で加熱する高湿加熱ステップと、
加熱された前記セラミックス成形体に対し相対湿度が20%以上で且つ室内温度が50〜150℃で水分を除去する高湿乾燥ステップと、
乾燥が進んだセラミックス成形体に対し、相対湿度が50%以下で且つ室内温度が50〜150℃で前記成形体内に残留する水分を除去する低湿乾燥ステップとを有することを特徴とするセラミックス成形体乾燥方法。
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