JP2019181312A - カラム - Google Patents

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【課題】効率良くマイクロ波照射を行なうことが可能なカラムを提供する。【解決手段】開口している第一の端部1011aと、開口している第二の端部1011bとを有し、マイクロ波を導入するための導入口が側面に設けられたマイクロ波反射性材料の筒状部材101と、第一の端部1011a側を塞ぐよう配置され、分離対象の固形物を分離する第一のフィルタ102と、第一の端部1011a側を塞ぐよう配置され、第一のフィルタ102を通過する内容物が通過可能で、マイクロ波を反射する第一の反射部材103と、筒状部材101の第二の端部1011b側を塞ぐよう配置され、分離対象となる固形物を内容物から分離する第二のフィルタ104と、第二の端部1011b側を塞ぐよう配置され、第二のフィルタ104を通過する内容物が通過可能で、マイクロ波を反射する第二の反射部材105と、を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、固相合成等の処理に用いられるカラムに関するものである。
従来の技術として、マイクロ波照射に対して透過性である反応セル、この反応セルに液体を添加するための通路、この反応セルから固体ではなく液体を取り出すための通路、この反応セルを保持するためのマイクロ波キャビティ、及びこのキャビティと波動連絡しているマイクロ波源を含むペプチドの固相合成に用いられる装置が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−15483号公報(第1頁、第1図等)
しかしながら、上記のような従来のマイクロ波を照射して行なわれるペプチド等の固相合成に用いられる装置は、固相合成の処理に利用する容器として、マイクロ波照射に対して透過性である反応セルを用いているため、反応セル内に照射されたマイクロ波が、反応セルの側面や上部や底面等から外部に透過してしまい、照射されたマイクロ波を反応セル内に閉じ込めることが難しく、容器内に効率良くマイクロ波照射を行なうことができなかった。このような反応セルに照射されたマイクロ波が反応セルから外部に透過しないようにするためには、例えば、固相合成に用いられる装置の反応セルが配置される部分を、マイクロ波反射性を有する部材等で覆う必要があり、装置の構造が限られてしまうという問題や、反応セルの取付等が複雑化してしまう、という問題があった。
また、上記のような装置を、ペプチドの固相合成以外の、マイクロ波を利用する処理に用いた場合においても同様の問題が生じていた。
このように、従来の技術においては、効率良くマイクロ波照射を行なうことができない、という課題があった。
この発明は上記のような課題を解消するためになされたものであり、効率良くマイクロ波照射をことができるカラムを提供することを目的とする。
本発明のカラムは、開口している第一の端部と、開口している第二の端部とを有し、マイクロ波反射性を有する材料により構成され、マイクロ波を内部に導入するための1以上の導入口が側面に設けられた筒状部材と、前記筒状部材の第一の端部側を塞ぐよう配置され、分離対象となる固形物を前記筒状部材の内容物から分離する第一のフィルタと、前記筒状部材の第一の端部側を塞ぐよう配置され、少なくとも前記第一のフィルタを通過する内容物が通過可能であり、マイクロ波を反射する第一の反射部材と、前記筒状部材の第二の端部側を塞ぐよう配置され、分離対象となる固形物を前記筒状部材の内容物から分離する第二のフィルタと、前記筒状部材の第二の端部側を塞ぐよう配置され、少なくとも前記第二のフィルタを通過する内容物が通過可能であり、マイクロ波を反射する第二の反射部材と、を備えたカラムである。
かかる構成により、導入口から導入したマイクロ波を、筒状部材の側面と第一の反射部材と第二の反射部材とで反射することで、効率良くマイクロ波照射を行なうことができる。また、第一のフィルタと第二のフィルタとで内容物のうちの固形物が外部に排出されないようにできる。また、第一の端部と第二の端部とからの内容物の適切な供給および排出が可能となる。
また、本発明のカラムは、前記カラムにおいて、前記第一の反射部材は、前記第一のフィルタに対して第一の端部側に配置されているカラムである。
かかる構成により、導入口から導入したマイクロ波を、第一のフィルタよりも第一の端部側で反射して、効率良くマイクロ波照射を行なうことができる。
また、本発明のカラムは、前記カラムにおいて、前記第一の反射部材は、前記第一のフィルタに対して第二の端部側に配置されており、前記固形物を通過可能であるカラムである。
かかる構成により、導入口から導入したマイクロ波を、第一のフィルタよりも第二の端部側で反射して、効率良くマイクロ波照射を行なうことができる。
また、本発明のカラムは、前記カラムにおいて、前記第一のフィルタと前記第一の反射部材とが重なるよう配置されているカラムである。
かかる構成により、第一のフィルタを第一の反射部材で補強することができる。これにより、例えば、第一のフィルタの選択の幅を広げることができる。
また、本発明のカラムは、前記カラムにおいて、前記第一のフィルタと前記第一の反射部材とが一体化されて、分離対象となる固形物を前記容器内の内容物から分離し、マイクロ波を反射するフィルタである第一の反射フィルタを構成しているカラムである。
かかる構成により、第一の反射フィルタで、導入口から導入したマイクロ波を反射することで、効率良くマイクロ波照射を行なうことができる。また、第一の反射フィルタで内容物のうちの固形物が外部に排出されないようにできる。また、第一の反射フィルタを介して第一の端部からの内容物の適切な供給および排出が可能となる。また、第一のフィルタと第一の反射部材とが一体化されていることにより取扱いが容易となる。
また、本発明のカラムは、前記カラムにおいて、前記第二の反射部材は、前記第二のフィルタに対して第二の端部側に配置されているカラムである。
かかる構成により、導入口から導入したマイクロ波を、第二のフィルタよりも第二の端部側で反射して、効率良くマイクロ波照射を行なうことができる。
また、本発明のカラムは、前記カラムにおいて、前記第二の反射部材は、前記第二のフィルタに対して第一の端部側に配置されており、前記固形物を通過可能であるカラムである。
かかる構成により、導入口から導入したマイクロ波を、第二のフィルタよりも第一の端部側で反射して、効率良くマイクロ波照射を行なうことができる。
また、本発明のカラムは、前記カラムにおいて、前記第二のフィルタと前記第二の反射部材とが重なるよう配置されているカラムである。
かかる構成により、第二のフィルタを第二の反射部材で補強することができる。これにより、例えば、第二のフィルタの選択の幅を広げることができる。
また、本発明のカラムは、前記カラムにおいて、前記第二のフィルタと前記第二の反射部材とが一体化されて、分離対象となる固形物を前記容器内の内容物から分離し、マイクロ波を反射するフィルタである第二の反射フィルタを構成しているカラムである。
かかる構成により、第二の反射フィルタで、導入口から導入したマイクロ波を反射することで、効率良くマイクロ波照射を行なうことができる。また、第二の反射フィルタで内容物のうちの固形物が外部に排出されないようにできる。また、第二の反射フィルタを介して第二の端部からの内容物の適切な供給および排出が可能となる。また、第二のフィルタと第二の反射部材とが一体化されていることにより取扱いが容易となる。
また、本発明のカラムは、前記カラムにおいて、前記導入口は、マイクロ波透過性の部材により塞がれた開口部であるカラムである。
かかる構成により、マイクロ波をカラム内に導入できるとともに、カラム内の内容物が導入口から外部に排出されないようにすることができる。
また、本発明のカラムは、前記カラムにおいて、前記導入口を介したマイクロ波の導入は、前記第一の端部と第二の端部との間で、前記筒状部材内に内容物を流した状態で行なわれる記載のカラムである。
かかる構成により、内容物を流した状態で、内容物の固形物がカラムから流れ出さないようにして、マイクロ波を照射した処理を行なうことできる。
また、本発明のカラムは、前記カラムにおいて、前記筒状部材の第一の端部の開口した部分から内容物を供給し、前記第二の端部の開口した部分から内容物を排出して前記容器内で行なわれる処理と、前記筒状部材の第二の端部の開口した部分から内容物を供給し、前記第一の端部の開口した部分から内容物を排出して前記容器内で行なわれる処理と、が行なわれるカラムである。
かかる構成により、カラム内に内容物を供給する方向を変更することができ、適切な処理を行なうことが可能となる。例えば、処理に応じて、内容物を供給する方向を変更することができる。
また、本発明のカラムは、固相合成に用いられるカラムであり、前記固形物は、固相合成に用いられる固相合成用担体であるカラムである。
かかる構成により、導入口から導入したマイクロ波を、筒状部材の側面と第一の反射部材と第二の反射部材とで反射することで、効率良くマイクロ波照射を行なうことができる。また、第一のフィルタと第二のフィルタとで内容物のうちの固相合成用担体が外部に排出されないようにできる。また、第一の端部と第二の端部とからの固相合成用担体以外の内容物の適切な供給および排出が可能となる。
また、本発明のカラムは、固相合成用担体に結合されたペプチドまたはヌクレオチド鎖を合成する固相合成に用いられるカラムであり、前記固形物は、固相合成に用いられる固相合成用担体であるカラムである。
かかる構成により、導入口から導入したマイクロ波を、筒状部材の側面と第一の反射部材と第二の反射部材とで反射することで、効率良くマイクロ波照射を行なうことができる。また、第一のフィルタと第二のフィルタとで内容物のうちのペプチドまたはヌクレオチド鎖の固相合成に用いられる固相樹脂等の固相合成用担体が外部に排出されないようにできる。また、第一の端部と第二の端部とからの固相合成用担体以外の内容物の適切な供給および排出が可能となる。
また、本発明のカラムは、前記導入口から導入したマイクロ波により、前記筒状部材内にマルチモードでマイクロ波照射が行なわれるカラムである。
かかる構成により、シングルモードのマイクロ波を利用する場合よりも、効率良くマイクロ波照射を行なうことができる。
本発明によるカラムによれば、効率良くマイクロ波照射を行なうことができる。
本発明の実施の形態1におけるカラムの一例を示す斜視図(図1(a))、およびそのIb−Ib線による断面図(図1(b)) 同カラムのフィルタを斜め上方からみた斜視図(図2(a))、反射部材を斜め上方からみた斜視図(図2(b))、反射部材と、反射部材上に配置された状態のフィルタとを斜め上方からみた斜視図(図2(c))、および反射部材と、反射部材上に配置された状態のフィルタとを斜め下方からみた斜視図(図2(d)) 本発明の実施の形態1におけるカラムを処理に利用する装置に取付けた状態の主要部の斜視図(図3(a))、およびそのIIIb−IIIb線による断面図(図3(b)) 同カラムの第一の変形例を説明するための断面図(図4(a)〜図4(c)) 同カラムの第二の変形例を説明するための断面図(図5(a)〜図5(c)) 本発明の実施の形態2におけるカラムの一例を示す斜視図(図6(a))、およびそのVIb−VIb線による断面図(図6(b))
以下、カラム等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態におけるカラムの一例を示す斜視図(図1(a))、およびそのIb−Ib線による断面図(図1(b))である。
図2は、本実施の形態におけるカラムの第一のフィルタを斜め上方からみた斜視図(図2(a))、第一の反射部材を斜め上方からみた斜視図(図2(b))、第一の反射部材と、第一の反射部材上に配置された状態の第一のフィルタとを斜め上方からみた斜視図(図2(c))、および反射部材と、反射部材上に配置された状態のフィルタとを斜め下方からみた斜視図(図2(d))である。
カラム1は、筒状部材101、第一のフィルタ102、第一の反射部材103、第二のフィルタ104、および第二の反射部材105を備えている。筒状部材101は、第一の端部1011a、第二の端部1011b、導入口1013、およびマイクロ波透過性部材1014を有している。
本実施の形態においては、カラム1が、固相樹脂に結合されたペプチドを合成する固相合成に用いられるカラムである場合を例に挙げて説明する。ただし、カラム1は、後述するように、ペプチドの固相合成以外の処理に用いられるカラムであっても良い。
ここでは、まず、ペプチドの固相合成の一例について簡単に説明する。固相合成は、ペプチドやヌクレオチド鎖等を化学的に合成する方法のひとつである。ペプチドの固相合成においては、例えば、固相の樹脂を用い、適切な溶媒に懸濁させた固相樹脂の表面に所望のアミノ酸を結合させ、そのアミノ酸に対して更に所望のアミノ酸を順次、脱水反応によって結合させて、ペプチド鎖を伸長することで、固相樹脂に結合されたペプチドを合成する。そして、例えば、この固相樹脂に結合されたペプチドを固相樹脂から切り離すことで、目的のペプチドを得ることができる。
ペプチドの固相合成においては、C末端側からN末端側へ向かってペプチドの合成が進められるため、まず、固相樹脂の表面に、C末端アミノ酸を結合させることで、合成が開始される。固相表面とアミノ酸との反応が終了した後、固相樹脂を溶媒で洗浄して、残ったアミノ酸などを除去する。除去後、固相樹脂に結合しているアミノ酸の保護基を除去(脱保護)すると、次の反応点となるアミノ基が再び固相樹脂の表面に出現する。更に、N末端が保護されたアミノ酸を加えて、固相樹脂の表面に出現したアミノ酸のN末端側に、N末端が保護されたアミノ酸のC末端側を脱水反応により結合させる。そして、使用するアミノ酸を順次変更しながらこれらの手順を繰り返すことで、目指す配列をもつペプチドを精度よく合成することができる。
固相樹脂としては、例えば、ポリスチレンや、ポリアミド等のポリマーが用いられる。ただし、固相樹脂はこれら以外の樹脂であっても良い。固相樹脂としては、例えば、直径が10μm〜1000μmの粒状(例えば、ビーズ状)の樹脂が用いられる。固相樹脂を懸濁させる溶媒としては、例えば、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)が用いられる。ただし、他の溶媒を用いても良い。固相樹脂は、例えば、ペプチド等を結合して合成するための固相合成用担体として用いられる。
なお、固相樹脂にC末端アミノ酸を直接、結合させる代りに、リンカー分子等を介して固相樹脂とC末端アミノ酸とを間接的に結合させても良い。リンカー分子としては、例えば、4−ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸(HMP)、又はベンズヒドリルアミン誘導体が挙げられる。
アミノ酸の保護基としては、例えば、Boc(t−ブトキシカルボニル)や、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)等が利用される。
保護基の除去、即ち脱保護は、例えば、ピペリジン等を脱保護剤として用いた塩基処理によって行なわれる。
固相樹脂にアミノ酸を順次結合していく処理は、アミノ酸を含む溶液内において行なわれる。例えば、固相樹脂にアミノ酸を順次結合していく処理は、アミノ酸と、活性化剤と、ラセミ化抑制剤等を有する溶液内で行なわれる。活性化剤は、脱保護された固相樹脂に結合されたアミノ酸(固相樹脂に結合しているペプチドの末端のアミノ酸も含む)と、溶液中のN末端が保護されたアミノ酸との結合を促進するために用いられる。活性化剤は、縮合剤とも呼ばれる。また、ラセミ化抑制剤は、ラセミ化の発生を抑制して、ラセミ化による反応の低下等を防ぐために用いられる。活性化剤としては、例えば、DIPCI(N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド)またはHBTU(N,N,N',N'−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスファート)等が用いられる。また、ラセミ化抑制剤としては、例えば、Oxyma(エチル(ヒドロキシイミノ)シアノアセタート)等が用いられる。
固相合成において行なわれる様々な処理においては、マイクロ波を照射することで、処理の促進や、処理の高速化を図ることができる。例えば、特許文献1等にも開示されているように、固相樹脂に結合しているアミノ酸のN末端から、保護基を除去する際、即ち脱保護する際に、マイクロ波を照射することにより、脱保護の工程を促進して、処理時間を短縮できることが知られている。なお、固相樹脂に結合しているアミノ酸とは、固相樹脂に結合しているペプチドの末端のアミノ酸も含むと考えてよい。かかることは以下においても同様である。また、固相樹脂に結合している脱保護したアミノ酸と、溶液中のアミノ酸とを縮合させる際に、マイクロ波を照射することにより、縮合の処理時間を短縮させることができることが知られている。
本実施の形態のカラム1は、このような固相合成を構成する複数の処理の1以上を実行するために用いられる。カラム1は、例えば、固相合成を行なうための処理装置(図示せず)に取付けて用いられる。例えば、本実施の形態のカラム1を用いて行なわれる2以上の処理は、連続した2以上の処理であってもよく、不連続の2以上の処理であっても良い。本実施の形態のカラム1を用いて行なわれる1以上の処理は、固相合成の複数の処理のうちのどの処理であっても良い。本実施の形態のカラム1を用いて行なわれる1以上の処理は、例えば、固相樹脂を懸濁した液に対して、マイクロ波照射が行なわれる処理を含む1以上の処理であることが好ましい。例えば、この1以上の処理は、固相樹脂に結合されたN末端が保護されたアミノ酸に対して、脱保護を行なう処理を含んでいても良い。また、この1以上の処理は、固相樹脂に結合された脱保護されたアミノ酸に対して、脱水反応を行なうことによって、アミノ酸を縮合させる処理を含んでいても良い。また、本実施の形態のカラム1を用いて行なわれる1以上の処理は、固相樹脂を濾過により分離する処理を含む1以上の処理であることが好ましい。ここでの固相樹脂は、例えば、1以上のアミノ酸が連結された固相樹脂である。例えば、アミノ酸を結合させた後の固相樹脂が懸濁された液から、固相樹脂を濾過する処理であってもよく、N末端が保護されたアミノ酸が結合された固相樹脂に対して脱保護の処理を行なった後、固相樹脂が懸濁された液から、固相樹脂を濾過により分離する処理であってもよい。また、固相樹脂を洗浄用の液体(例えば溶媒)等で洗浄した後、固相樹脂を濾過する処理であっても良い。また、本実施の形態のカラム1で行なわれる1以上の処理は、上記で述べた処理の2以上の組合せであっても良い。例えば、本実施の形態のカラム1を用いて行なわれる1以上の処理は、N末端が保護されたアミノ酸が結合された固相樹脂に対して脱保護を行なう処理と、脱保護を行なった固相樹脂を濾過し、洗浄する処理と、洗浄後の固相樹脂の脱保護されたアミノ酸に、N末端が保護されたアミノ酸を縮合させる処理と、この固相樹脂を濾過し、洗浄する処理と、で構成される一のペプチド鎖の伸長処理の繰り返し等であっても良い。
筒状部材101は、筒状の形状を有している部材である。筒状部材101は、中空の部材である。筒状部材101は、軸方向に垂直な断面の断面形状が正円である円筒形状を有している。筒状部材101の軸方向の長さは問わない。また、筒状部材101の軸方向に垂直な断面の直径等は問わない。これらの長さ等は、なお、ここでは、筒状部材101の断面形状は、正円以外の形状であっても良く、例えば、多角形や、楕円等であっても良い。筒状部材101の内側面の断面形状は、軸方向のいずれの位置においても同じ形状およびサイズであることが好ましい。ただし、筒状部材101の内側面の断面形状は、軸方向の異なる位置に異なる形状やサイズであっても良く、軸方向において部分的に形状やサイズが異なっていても良い。筒状部材101は、筒状の容器と考えてもよい。
筒状部材101は、第一の端部1011aと第二の端部1011bとを有している。第一の端部1011aおよび第二の端部1011bは、軸方向の両端となる部分である。第一の端部1011aおよび第二の端部1011bは、いずれも開口している。開口している部分の内径は、ここでは、筒状部材101の他の部分の内径と同じとなっている。ただし、開口している部分の内径が、すこし、他の部分よりも広くなっていても良く、狭くなっていても良い。ここでは、筒状部材101を、軸方向が鉛直方向となるように用いる場合について説明する。また、ここでは、筒状部材101の第一の端部1011aが下端となり、第二の端部1011bが上端となるように用いる場合について説明する。なお、以下、第一の端部1011aの開口している部分を開口部1012a、第二の端部1011bの開口している部分を開口部1012bと呼ぶ。
筒状部材101は、マイクロ波反射性を有する材料により構成されている。マイクロ波反射性を有する材料とは、例えば、導電体である。マイクロ波反射性を有する材料は、例えば、ステンレス等の金属である。筒状部材101は、耐腐食性に優れた材料であることが好ましい。例えば、筒状部材101は、ステンレス製であることが好ましい。筒状部材101の外壁等の厚さは問わない。筒状部材101の内壁は、マイクロ波透過性が高く、耐腐食性等に優れたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やガラス等の材料でコーティングされていても良い。例えば、筒状部材101は、内壁が、これらのマイクロ波透過性が高く、耐腐食性等に優れた材料で構成され、外壁が、ステンレス等のマイクロ波反射性材料で構成された二重構造の容器であってもよい。
筒状部材101の側面には、マイクロ波を筒状部材101の外部から内部に導入するための導入口1013が設けられている。筒状部材101の側面は、筒状部材101の外周部分や側壁と考えてもよい。マイクロ波を導入する、ということは、マイクロ波を筒状部材101の内部に照射することと考えてもよい。導入口1013は、例えば、筒状部材101内に照射するマイクロ波を出射する部分、すなわちマイクロ波の出射部と考えてもよい。導入口1013の位置は、筒状部材101内にマイクロ波を出射する出射位置と考えてもよい。また、導入口1013に対する後述する第一のフィルタ102や、第一の反射部材103、第二のフィルタ104、第二の反射部材105等の位置関係についての説明は出射位置に対する位置関係についての説明に読み替えてもよい。導入口1013は、プレート状のマイクロ波透過性部材1014で塞がれた開口部である。導入口1013の形状は、例えば、矩形であっても、円形であってもよく、スリット状の形状であっても良く、その形状やサイズ等は問わない。また、ここでは、導入口1013が一つだけ設けられている場合を示しているが、導入口1013の数は、複数であってもよい。導入口1013は、筒状部材101の軸方向における中央近傍に設けられている。ただし、筒状部材101の側面の、導入口1013が設けられている位置等は問わない。
マイクロ波透過性部材1014は、マイクロ波透過性材料で構成された部材である。マイクロ波透過性材料は、例えば、PTFE等のフッ素化ポリマー、ガラス、ゴム、およびナイロン等の材料である。マイクロ波透過性部材1014は、耐腐食性に優れた材料であることが好ましい。ここでは、マイクロ波透過性部材1014が、PTFE製のプレート状の部材である場合について説明する。なお、マイクロ波透過性部材1014は、プレート状の部材でなくても良い。導入口1013は、マイクロ波透過性の材料で塞がれているため、この導入口1013を介して、外部からマイクロ波を、筒状部材101の内部に導入することができるとともに、筒状部材101内の内容物が導入口1013から外部に排出されることを防ぐことができる。
導入口1013の周りには、導入口1013を介して筒状部材101内に対してマイクロ波を導入するための導波管やアンテナ等を取付けるための継手(図示せず)等が設けられていてもよい。なお、導入口1013を、マイクロ波透過性部材1014で塞ぐ代わりに、マイクロ波を筒状部材101内に導入するためのアンテナ等で塞ぐようにしてもよい。
導入口1013を塞ぐように取付けられる導波管(図示せず)の筒状部材101側の開口部(図示せず)が、マイクロ波透過性材料の部材で塞がれている場合等においては、導入口1013は、マイクロ波透過性材料の部材で塞がれていなくても良い。また、導入口1013に取付けられるマイクロ波を照射するアンテナで導入口1013の開口部を塞ぐことができる場合、導入口1013は、マイクロ波透過性材料の部材で塞がれていない開口部であってもよい。
なお、どのように、導入口1013を介して、筒状部材101の内部にマイクロ波を導入するかは問わない。例えば、導入口1013に対して、マイクロ波照射装置(図示せず)等が照射するマイクロ波を伝播する導波管(図示せず)や、アンテナを有する同軸ケーブル(図示せず)等の導波路を接続して、この導波路を介してマイクロ波を照射しても良い。また、カラム1全体や、少なくとも筒状部材101の側面部分を、マイクロ波を伝播する導波管等に配置することで、導入口1013を介して、筒状部材101内にマイクロ波が導入されるようにしても良い。
なお、導入口1013は、筒状部材101の側面の、第一のフィルタ102および第一の反射部材103よりも第二の端部1011b側の領域であって、かつ第二のフィルタ104および第二の反射部材105よりも第一の端部1011a側である領域に設けることが好ましい。
筒状部材101は、例えば、固相合成を構成する処理のうちの1以上の処理が内部で行なわれる容器である。筒状部材101内には、例えば、固相合成に用いられる物質や、中間生成物や、溶媒等が供給され、保持される。固相合成に用いられる物質は、例えば、固相樹脂、アミノ酸、脱保護剤、活性化剤、ラセミ化抑制剤等である。この固相樹脂は、例えば、1以上のアミノ酸が予め連結済みの固相樹脂であってもよく、リンカー分子と、1以上のアミノ酸とが連結済みの固相樹脂であってもよく、アミノ酸が連結されていない固相樹脂であっても良い。また、この固相樹脂は、リンカー分子だけが結合された状態の固相樹脂であっても良い。例えば、筒状部材101にはこれらの物質や中間生成物が、適切な溶媒とともに保持される。なお、筒状部材101に対する内容物の供給と、内容物の排出とを連続的に行なうようにして、筒状部材101内に内容物を流した状態で連続的に処理を行なうようにしてもよい。
なお、筒状部材101内には、内容物を撹拌する撹拌手段(図示せず)が設けられていても良い。撹拌手段は、例えば、撹拌翼と、この撹拌翼の回転中心に取付けられた回転軸と、この回転軸を回転させるモータ等の回転装置とで実現される。また、撹拌手段は、液状の内容物内に気泡を噴出させることで内容物を気泡により撹拌(即ち、バブリングにより撹拌)する手段であってもよい。撹拌手段は、例えば、筒状部材101の側面等に設けられた、不活性ガス等のガスを吹き出す開口部やノズルと、これらに対してガスを供給するボンベ等のガス供給手段との組み合わせであっても良い。
筒状部材101の外周には、図示していないが、筒状部材101の温度を調整するための温水ジャケットや、冷水ジャケット、ヒータ等が設けられていても良い。
筒状部材101の形状や大きさは、例えば、筒状部材101内におけるマイクロ波のモードがマルチモードとなるように、形状や大きさが設定されていることが好ましい。例えば、筒状部材101は、導入口1013から導入したマイクロ波により、筒状部材101内にマルチモードでマイクロ波照射が行なわれるような形状や大きさ等であることが好ましい。例えば、マイクロ波のマルチモードとは、例えば、筒状部材101内でマイクロ波の定在波が発生しないモードである。
第一のフィルタ102は、例えば、固相合成に用いられる固相樹脂を筒状部材101内の内容物から分離するものである。固相合成に用いられる固相樹脂は、ここでは、例えば、内容物中の分離対象となる固形物と考えてよい。第一のフィルタ102は、例えば、濾過によって、内容物から固相樹脂よりもサイズ(例えば粒径等)が小さいもの(例えば、液体や、固相樹脂よりもサイズが小さい固体等)と、固相樹脂以上の大きさの固体を分離するためのものである。第一のフィルタ102は、マイクロ波透過性材料により構成されている。マイクロ波透過性材料とは、例えば、マイクロ波透過性が高い材料である。マイクロ波透過性が高い材料は、例えば、比誘電損失が小さい材料である。また、マイクロ波透過性材料は、例えば、耐腐食性に優れた化学的に不活性な材料で構成されていることが好ましい。例えば、第一のフィルタ102は、PTFE等のフッ素化ポリマーや、ポリプロピレン、石英、ガラス、ナイロン、ゴム等で構成されている。
第一のフィルタ102は、例えば、固相合成に用いられる固相樹脂を筒状部材101内の内容物から分離するための複数の孔を有する。孔は、例えば、表面1021から裏面に連通している孔である。第一のフィルタ102の表面1021は、ここでは、第一のフィルタ102の第二の端部1011b側の面である。第一のフィルタ102は、例えば、多孔質材料により構成されている。ただし、第一のフィルタ102は、メッシュ等であっても良い。第一のフィルタ102がメッシュの場合、上記の孔は、メッシュの開口部と考えてもよい。筒状部材101内の内容物は、例えば、上述したような、固相合成を行なうために用いられる固相樹脂を含む液体(例えば、懸濁液)である。この液体は、例えば、固相合成に用いられる上述したような活性化剤やアミノ酸等が溶解または懸濁している液体である。また、固相樹脂を含む液体は、固相樹脂と固相樹脂を洗浄するための溶媒等の液体の懸濁液等であっても良い。第一のフィルタ102が有する複数の孔は、例えば、内容物に含まれる固相樹脂を通過させないサイズの孔であって、内容物の固相樹脂以外を通過させることができるサイズの孔である。なお、この複数の孔は、例えば、内容物の固相樹脂以外の全てを通過させることができるサイズの孔であってもよく、内容物の固相樹脂以外の一部を通過させることができるサイズの孔であってもよい。内容物の固相樹脂以外とは、例えば、溶媒や、溶媒に溶けた状態の固相合成に用いられる活性化剤、脱保護剤等の物質や、溶媒に溶解または懸濁している状態のアミノ酸等であり、固相樹脂よりもサイズが小さいものである。第一のフィルタ102が有する複数の孔は、例えば、内容物に含まれる固相樹脂よりもサイズが小さく、内容物の固相樹脂以外よりもサイズが大きい孔である。例えば、第一のフィルタ102が有する複数の孔は、内容物に含まれる固相樹脂の粒径よりもサイズが小さい孔である。これにより、筒状部材101内の内容物のうちの、固相樹脂だけが、濾過により分離されて第一のフィルタ102の表面1021に残り、溶媒に溶解している活性化剤や脱保護剤等や、溶媒に溶解または懸濁しているアミノ酸等は、溶媒とともに、第一のフィルタ102が有する孔を通過することとなる。例えば、固相樹脂として、直径が50μm〜150μmの粒状の固相樹脂を用いる場合、第一のフィルタ102の孔の直径は、これらよりも小さい値、例えば、50μm未満等であることが好ましい。
なお、第一のフィルタ102により濾過されて分離される固相樹脂とは、固相樹脂単体であっても良く、リンカー分子や、1以上のアミノ酸や、ペプチド等が結合した状態の固相樹脂であってもよい。例えば、上述した第一のフィルタ102は、アミノ酸やペプチドが結合した状態の固相樹脂を、筒状部材101内の内容物から分離するための複数の孔を有しているものと考えてもよい。
第一のフィルタ102は、筒状部材101の第一の端部1011a側を塞ぐように配置されている。第一の端部1011a側を塞ぐように第一のフィルタ102を配置する、ということは、筒状部材101の第一の端部1011aの開口部1012aやその近傍が塞がれるように第一のフィルタ102を配置することである。第一の端部1011a側とは、例えば、第一の端部1011aであってもよく、第一の端部1011aの近傍であってもよい。第一のフィルタ102で筒状部材101を塞ぐということは、例えば、筒状部材101内の内容物が第一のフィルタ102を通ることなく第一の端部1011aから外部に移動しないように第一のフィルタ102を設けることである。第一のフィルタ102で筒状部材101を塞ぐことで、例えば、第一のフィルタ102を通過可能である筒状部材101内の内容物が、第一の端部1011a側の開口部1012aから第一のフィルタ102を通って筒状部材101の内部と外部との間で移動可能となる。なお、ここでの内容物は、筒状部材101内の内容物として供給されるものや、筒状部材101内に入れる直前のもの等の、筒状部材101内の内容物となるものも含む概念である。かかることは、以下においても同様である。
第一のフィルタ102は、軸方向の位置が、第一の端部1011aに対して第二の端部1011b側となる位置に配置されていてもよく、例えば、第一の端部1011aとの距離が、3cm以下、好ましくは1cm以下となる範囲で、第一の端部1011aよりも第二の端部1011b側となる位置に配置されていてもよい。ここでは、第一のフィルタ102は、後述する第一の反射部材103の第二の端部1011b側に重なるよう配置されている。このため、第一のフィルタ102は、第一の端部1011aよりも第一の反射部材103の厚さ分だけ第二の端部1011b側となる位置に配置されている。
なお、第一のフィルタ102を、筒状部材101の第一の端部1011aを塞ぐように配置してもよい。第一の端部1011aを塞ぐように配置する、ということは、例えば、第一の端部1011aの開口部1012aに第一のフィルタ102を配置して、第一のフィルタ102により第一の端部1011aの開口部1012aを塞ぐことである。
本実施の形態においては、一例として、PTFE製の多孔質材料で構成されるシート状の第一のフィルタ102を用いている場合について説明する。第一のフィルタ102は、表面が略平坦であり、表面1021が水平となるよう、筒状部材101内に配置されている。ただし、第一のフィルタ102の表面1021は、略平坦でなくても良く、例えば、凹凸が設けられていてもよい。また、第一のフィルタ102は、表面1021が水平に対して傾斜して配置されていても良い。
なお、ここでは第一のフィルタ102がシート状である場合について説明しているが、第一のフィルタ102は、平板状等の第一のフィルタであっても良い。また、第一のフィルタ102の厚さや、強度等は問わない。第一のフィルタ102は、略均等な厚さを有していることが好ましいが、不均一な厚さを有していても良い。また、第一のフィルタ102の平面形状は、例えば、第一の端部1011aの開口部1012aを塞ぐことが可能な形状およびサイズであればよい。
第一の反射部材103は、材料がマイクロ波反射性材料であり、筒状部材101内に導入されるマイクロ波を反射可能な複数の孔103aであって、少なくとも第一のフィルタ102を通過した筒状部材101内の内容物が通過可能な複数の孔103aを有する平板状の部材である。孔103aは、例えば、第一の反射部材103の第二の端部1011b側の表面1031から裏面1032に連通している。ここでは、孔103aの平面形状が円形である場合を示しているが、平面形状は、多角形等、円形以外であっても良い。複数の孔103aの数や配列パターン等は問わない。
各孔103aの直径は、少なくとも第一のフィルタ102を通過する内容物が通過可能なサイズで、かつ、導入口1013に導入されるマイクロ波を反射させるサイズに設定されている。少なくとも第一のフィルタ102を通過する内容物が通過可能なサイズとは、例えば、筒状部材101内の内容物のうちの、第一のフィルタ102を通過する内容物が通過可能なサイズ以上のサイズであれば良く、例えば、筒状部材101内の内容物のうちの、第一のフィルタ102で分離される固相樹脂を除いた部分が通過可能なサイズであっても良く、固相樹脂も含めた内容物が通過可能なサイズであっても良い。通常の固相合成においては、固相樹脂が、筒状部材101内の内容物の中ではサイズが最も大きいため、第一の反射部材103を固相樹脂が通過可能であれば、固相樹脂以外の内容物も第一の反射部材103を通過可能となる。
また、マイクロ波反射性材料の平板状の部材が有する複数の孔をマイクロ波が反射可能な複数の孔とするためには、例えば、複数の孔の直径をマイクロ波の半波長よりも小さい直径とすればよいことから、第一の反射部材103の複数の孔103aをマイクロ波を反射可能な複数の孔103aとするためには、各孔103aの直径を、導入口1013から導入されるマイクロ波の半波長よりも小さい直径とすればよい。
このため、第一の反射部材103に設けられた複数の孔103aを、少なくとも第一のフィルタ102を通過する内容物が通過可能なサイズで、かつ、導入口1013に導入されるマイクロ波を反射させるサイズの孔とするためには、第一の反射部材103に設けられた複数の孔103aの直径を、例えば、導入口1013から導入されるマイクロ波の半波長よりも小さく、第一のフィルタ102を通過する内容物が通過可能なサイズとすればよい。
本実施の形態においては、第一の反射部材103の一例として、固相樹脂よりも直径が大きく、導入口1013に導入されるマイクロ波を反射させるサイズの円形の複数の孔103aを有するステンレス製のパンチングメタルを用いている。これにより、第一の反射部材103は、第一のフィルタ102を通過する内容物が通過可能とし、かつ、導入口1013に導入されるマイクロ波を反射するようになっている。
なお、図1や、図2(b)、図2(d)等は、説明のための図であって、これらの図の第一の反射部材103に設けられている複数の孔103aのサイズと、第一の反射部材103のサイズとの関係や、複数の孔103aの数等は、説明のためのものであり、実際の第一の反射部材103とは必ずしも同じではない。なお、第一の反射部材103は、平板状の部材でなくても良い。
第一の反射部材103は、少なくとも第一のフィルタ102を通過した筒状部材101内の内容物が通過可能であって、導入口1013に導入されるマイクロ波を反射する部材であれば、どのような材料で構成されていてもよく、また、上記以外のどのような形状や構造を有していても良い。
例えば、第一の反射部材103は、ステンレス以外のマイクロ波反射性の材料(例えば、ステンレス以外の金属等)で構成されていても良い。ただし、第一の反射部材103の材料は、耐腐食性に優れ、化学的に安定な材料であることが好ましい。なお、第一の反射部材103の材料として、金属を用いるとともに、その表面を、PTFE等の耐腐食性を有するマイクロ波透過性を有する材料でコーティングすることで、マイクロ波反射性を損ねることなく、耐腐食性を向上させても良い。
例えば、第一の反射部材103は、少なくとも第一のフィルタ102を通過する筒状部材101内の内容物が通過可能なサイズの複数の開口部を有するステンレス等のマイクロ波反射性材料のメッシュであってもよい。このメッシュの開口部のサイズは、少なくとも第一のフィルタ102を通過する筒状部材101内の内容物が通過可能なサイズで、かつ、導入口1013に導入されるマイクロ波を反射させるサイズに設定されている。この開口部は、第一の反射部材103が有する孔に相当するものと考えても良い。これにより、第一の反射部材103は、導入口1013から筒状部材101内に導入されたマイクロ波を反射し、少なくとも第一のフィルタ102を通過する筒状部材101内の内容物を通過させることができる。例えば、複数の開口部を、その最も幅の広い部分の長さを、導入口1013に導入されるマイクロ波の半波長よりも小さくし、かつ、その開口部の最も幅の狭い部分が、第一のフィルタ102を通過する内容物よりも広い幅とすればよい。このメッシュの複数の開口部の平面形状等は問わない。
また、例えば、第一の反射部材103は、固相樹脂を通過可能な複数の孔であって、マイクロ波を透過させない複数の孔を有する多孔質の金属製のフィルタ等であっても良い。
なお、第一の反射部材103により、この第一の反射部材103に重ねて配置される後述する第一のフィルタ102を補強し、支持する場合、第一の反射部材103の材料は、金属等の強度の高い材料であることが好ましい。
なお、ここでの第一の反射部材103によるマイクロ波の反射は、第一の反射部材103に照射されたマイクロ波の全ての反射であっても良いが、全ての反射でなくても良い。例えば、照射されたマイクロ波の一部が、第一の反射部材103によって吸収されてもよい。
第一の反射部材103は、筒状部材101の第一の端部1011aを塞ぐように配置されている。第一の端部1011aを塞ぐように配置する、ということは、例えば、筒状部材101の第一の端部1011aの開口部1012aに第一の反射部材103を配置して、第一の反射部材103により、第一の端部1011aの開口部1012aを塞ぐことである。第一の反射部材103が筒状部材101の第一の端部1011aを塞ぐように配置する、ということは、例えば、筒状部材101内に導入されたマイクロ波が、第一の端部1011aの開口部1012aから外側に通過しないように、第一の反射部材103が筒状部材101に配置することと考えても良い。また、第一の反射部材103で筒状部材101を塞ぐ、ということは、例えば、筒状部材101内の内容物が第一の反射部材103を通ることなく第一の端部1011aから外部に移動しないように第一の反射部材103を設けることであってもよい。第一の反射部材103で筒状部材101を塞ぐことで、例えば、第一の反射部材103を通過可能である筒状部材101内の内容物が、第一の端部1011a側の開口部1012aから第一の反射部材103を通って筒状部材101の内部と外部との間で移動可能となる。
第一の反射部材103の第二の端部1011b側には、第一のフィルタ102が重ねて配置されている。第一のフィルタ102は、第一の反射部材103の第二の端部1011b側の表面1031上に配置されている。ここでは、第一の反射部材103は、平板状の部材であり、その表面1031は略平坦であり、表面1031が筒状部材101の軸方向に対して垂直となるよう、筒状部材101内に配置されており、その表面1031上に第一のフィルタ102が重ねて配置されている。第一の反射部材103の表面1031は、シート状や平板状の第一のフィルタ102が安定して載置可能な形状であることが好ましい。ただし、第一の反射部材103の表面1031は、略平坦でなくても良く、例えば、凹凸が設けられていてもよい。また、第一の反射部材103は、表面1031が筒状部材101の軸方向に対して傾斜して配置されていても良い。
なお、第一のフィルタ102が、第一の反射部材103の下側に重なるよう配置される場合、第一のフィルタ102は、第一の反射部材103の第一の端部1011a側に固定されることが好ましい。固定はどのように行なっても良く、例えば、第一のフィルタ102がシート状のフィルタである場合のように、第一のフィルタ102の硬さが不足している場合、第一のフィルタ102を、第一の反射部材103の下側に接着剤等で接着しても良く、留め具(図示せず)等で第一の反射部材103の下側に落下しないよう留めるようにしてもよい。かかることは、後述する第二のフィルタ104と第二の反射部材105とを重ねて配置する場合においても同様である。
なお、第一の反射部材103は、軸方向の位置が、第一の端部1011aに対して、第二の端部1011b側となる位置に配置されていても良い。例えば、第一の反射部材103は、第一の端部1011aとの距離が、3cm以下、好ましくは1cm以下となる範囲で、第一の端部1011aよりも第二の端部1011b側となる位置に配置されていてもよい。すなわち、第一の反射部材103は、筒状部材101の第一の端部1011a側を塞ぐように配置されていれば良い。第一の端部1011a側を塞ぐように第一の反射部材103を配置する、ということは、第一の端部1011aの開口部1012aやその近傍が塞がれるように、第一の反射部材103を配置することである。第一の端部1011a側とは、例えば、第一の端部1011aの開口部1012aであってもよく、その近傍であってもよい。
また、第一の反射部材103の平面形状は、例えば、第一の端部1011aの開口部1012aを塞ぐことが可能な形状およびサイズであればよい。
第二のフィルタ104は、例えば、固相合成に用いられる固相樹脂を筒状部材101内の内容物から分離するものである。第二のフィルタ104としては、例えば、上述した第一のフィルタ102と同様のものを用いることができるため、ここでは詳細な説明は省略する。なお、第二のフィルタ104は、第一のフィルタ102と同じものであってもよく、異なるものであってもよい。例えば、第二のフィルタ104の材質は、マイクロ波透過性材料であれば、第一のフィルタ102と同じ材質であってもよく、異なる材質であっても良い。また、例えば、第二のフィルタ104が有する複数の孔は、固相合成に用いられる固相樹脂を筒状部材101内の内容物から分離することが可能なサイズや形状等であれば、第一のフィルタ102と同じサイズや形状等の孔であっても良く、異なるサイズや形状等の孔であってもよい。
第二のフィルタ104は、筒状部材101の第二の端部1011b側を塞ぐように配置されている。第二の端部1011b側を塞ぐように第二のフィルタ104を配置する、ということは、筒状部材101の第二の端部1011bの開口部1012bやその近傍が塞がれるように第二のフィルタ104を配置することである。第二の端部1011b側とは、例えば、第二の端部1011bであってもよく、第二の端部1011bの近傍であってもよい。第二のフィルタ104で筒状部材101を塞ぐということは、例えば、筒状部材101内の内容物が第二のフィルタ104を通ることなく第二の端部1011bから外部に移動しないように第二のフィルタ104を設けることである。第二のフィルタ104で筒状部材101を塞ぐことで、例えば、第二のフィルタ104を通過可能である筒状部材101内の内容物が、第二の端部1011b側の開口部1012bから第二のフィルタ104を通って筒状部材101の内部と外部との間で移動可能となる。なお、ここでの内容物は、筒状部材101内の内容物として供給されるものも含む概念である。
第二のフィルタ104は、軸方向の位置が、第二の端部1011bに対して第一の端部1011a側となる位置に配置されていてもよく、例えば、第二の端部1011bとの距離が、3cm以下、好ましくは1cm以下となる範囲で、第二の端部1011bに対して第一の端部1011a側となる位置に配置されていてもよい。ここでは、第二のフィルタ104は、後述する第二の反射部材105の第一の端部1011a側に重なるよう配置されている。このため、第二のフィルタ104は、第二の端部1011bよりも第二の反射部材105の厚さ分だけ第一の端部1011a側となる位置に配置されている。
なお、第二のフィルタ104を、筒状部材101の第二の端部1011bを塞ぐように配置してもよい。第二の端部1011bを塞ぐように配置する、ということは、例えば、第二の端部1011bの開口部1012bに第二のフィルタ104を配置して、第二のフィルタ104により第二の端部1011bの開口部1012bを塞ぐことである。
第二の反射部材105は、少なくとも第二のフィルタ104を通過する内容物(例えば、第二のフィルタ104により固相樹脂が除去された後の内容物)が通過可能であり、マイクロ波を反射する部材である。第二の反射部材105としては、例えば、上述した第一の反射部材103と同様のものを用いることができるため、詳細な説明は省略する。ここでは、第二の反射部材105として、材料がマイクロ波反射性材料であり、筒状部材101内に導入されるマイクロ波を反射可能な複数の孔であって、少なくとも第一のフィルタ102を通過した筒状部材101内の内容物(例えば、固相樹脂を除去した後の内容物)が通過可能な複数の孔を有する平板状の部材を用いる場合を例に挙げて説明する。
なお、第二の反射部材105は、第一の反射部材103と同じものであってもよく、異なるものであってもよい。例えば、第二の反射部材105の材質は、マイクロ波反射性を有する材料であれば、第一の反射部材103と同じ材質であってもよく、異なる材質であっても良い。また、例えば、第二の反射部材105が有する複数の孔は、固相合成に用いられる固相樹脂を除去した内容物を通過させることが可能なサイズや形状等であれば、第一の反射部材103が有する孔103aと同じサイズや形状等の孔であっても良く、異なるサイズや形状等の孔であってもよい。
第二の反射部材105は、筒状部材101の第二の端部1011bを塞ぐように配置されている。第二の端部1011bを塞ぐように配置する、ということは、例えば、筒状部材101の第二の端部1011bの開口部1012bに第二の反射部材105を配置して、第二の反射部材105により、第二の端部1011bの開口部1012bを塞ぐことである。第二の反射部材105が筒状部材101の第二の端部1011bを塞ぐように配置する、ということは、例えば、筒状部材101内に導入されたマイクロ波が、第二の端部1011bの開口部1012bから外側に通過しないように、第二の反射部材105が筒状部材101に配置することと考えても良い。また、第二の反射部材105で筒状部材101を塞ぐ、ということは、例えば、筒状部材101内の内容物が第二の反射部材105を通ることなく第二の端部1011bから外部に移動しないように第二の反射部材105を設けることと考えてもよい。第二の反射部材105で筒状部材101を塞ぐことで、例えば、第二の反射部材105を通過可能である筒状部材101内の内容物が、第二の端部1011b側の開口部1012bから第二の反射部材105を通って筒状部材101の内部と外部との間で移動可能となる。なお、ここでの内容物は、筒状部材101内の内容物として供給されるものも含む概念である。
第二の反射部材105の第一の端部1011a側には、第二のフィルタ104が重ねて配置されている。第二のフィルタ104は、第二の反射部材105の第一の端部1011a側の表面上に配置されている。ここでは、第二の反射部材105は、平板状の部材であり、その表面は略平坦であり、表面が筒状部材101の軸方向に対して垂直となるよう、筒状部材101内に配置されており、その表面上に第二のフィルタ104が重ねて配置されている。第二の反射部材105の表面は、シート状や平板状の第二のフィルタ104が安定して載置可能な形状であることが好ましい。ただし、第二の反射部材105の表面は、略平坦でなくても良く、例えば、凹凸が設けられていてもよい。また、第二の反射部材105は、表面が筒状部材101の軸方向に対して傾斜して配置されていても良い。ここでは、第二のフィルタ104が第二の反射部材105の下方に配置されるため、第二のフィルタ104は、落下しないように第二の反射部材105に留め具等で固定されているものとする。
なお、第二の反射部材105は、軸方向の位置が、第二の端部1011bに対して、第一の端部1011a側となる位置に配置されていても良い。例えば、第二の反射部材105は、第二の端部1011bとの距離が、3cm以下、好ましくは1cm以下となる範囲で、第二の端部1011bに対して第一の端部1011a側となる位置に配置されていてもよい。すなわち、第二の反射部材105は、筒状部材101の第二の端部1011b側を塞ぐように配置されていれば良い。第二の端部1011b側を塞ぐように第二の反射部材105を配置する、ということは、第二の端部1011bの開口部1012bやその近傍が塞がれるように、第二の反射部材105を配置することである。第二の端部1011b側とは、例えば、第二の端部1011bの開口部1012bであってもよく、その近傍であってもよい。
また、第二の反射部材105の平面形状は、例えば、第二の端部1011bの開口部1012bを塞ぐことが可能な形状およびサイズであればよい。
なお、第一の反射部材103および第二の反射部材105は、筒状部材101の内部に導入されたマイクロ波が、外部に漏洩せず、筒状部材101内に閉じ込められるように筒状部材101に取り付けることが好ましい。
なお、第一のフィルタ102を、筒状部材101の第一の端部1011a側を塞ぐよう配置するということは、筒状部材101を仕切るように、第一のフィルタ102および第一の反射部材103を配置することの一態様と考えてもよく、例えば、筒状部材101の内部と筒状部材101の外部とを仕切るように、第一のフィルタ102を配置することと考えてもよい。第一のフィルタ102を仕切るように配置する、ということは、例えば、第一のフィルタ102で仕切られた2つの領域間において、筒状部材101の内部の内容物が第一のフィルタ102を通ることなく移動しないように第一のフィルタ102を設けることである。かかることは、第一の反射部材103を、筒状部材101の第一の端部1011a側を塞ぐよう配置するということについても同様である。また、かかることは、第二のフィルタ104を、筒状部材101の第二の端部1011b側を防ぐように配置すること、および第二の反射部材105を、筒状部材101の第二の端部1011b側を防ぐように配置することについても同様である。
なお、カラム1は、分割および組立てが可能なものとしてもよい。例えば、筒状部材101を、着脱可能な2または3以上の筒状の部材とするとともに、これらの部材のうちの、第一の端部1011aを含む部材(図示せず)には、第一のフィルタ102および第一の反射部材103が取付けられており、分割された部材のうちの、第二の端部1011bを含む部材(図示せず)には、第二のフィルタ104および第二の反射部材105が取付けられているようにしてもよい。なお、筒状部材を着脱可能とするための構造については、公知技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。例えば、筒状の部材をつなぐ部分に継手等を設けるようにしても良い。また、第一のフィルタ102および第一の反射部材103の組、および第二のフィルタ104および第二の反射部材105の組の少なくとも一方を、カラム1から着脱可能としてもよい。なお、フィルタ等を着脱可能とする構造については、公知技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。このようにカラム1を着脱可能な構造とすることで、筒状部材101の第一のフィルタ102と第二のフィルタ104との間に、固相樹脂等の、第一のフィルタ102および第二のフィルタ104とを通過できない固形物を入れることができる。
また、筒状部材101の側面等に、固相樹脂等を入れるために用いる開閉可能な蓋や栓(図示せず)等を設けても良い。
図3は、本実施の形態のカラム1を固相合成に用いられる装置の主要部へ取付けた状態を示す斜視図(図3(a))、およびそのIIIb−IIIb線による断面図(図3(b))である。
次に、本実施の形態のカラム1の、固相合成に用いられる装置への取り付け方の一例について、図3を用いて説明する。筒状部材101の第一の端部1011a側を覆うように、開口部5011を底面5012に有する第一のキャップ501aを取り付ける。開口部5011は、処理に利用される液体(例えば、反応に用いられる溶液や洗浄等に用いられる洗浄液等)や気体等の供給および排出のために設けられている。第一のキャップ501aは、筒状部材101の側面との間に間隙が生じないように取り付けられる。第一のキャップ501aと、筒状部材101とに、継手を設けておくようにしてもよい。また、第一のキャップ501aと同様の第二のキャップ501bを、カラム1の筒状部材101の第二の端部1011b側を覆うように取り付ける。第一のキャップ501aの開口部5011には、処理に利用される液体や気体等を供給および排出するチューブ502aが取り付けられている。また、第二のキャップ501bの開口部5011には、処理に利用される液体や気体等を供給および排出するチューブ502bが取り付けられている。そして、このチューブ502aおよびチューブ502bの少なくとも一方には、例えば、ポンプ(図示せず)や、液体や気体等が入れられた容器が接続されている。
例えば、チューブ502aから液体や気体等をポンプ等により第一のキャップ501aに供給することで、カラム1の内部に液体や気体を供給することができる。また、カラム1の内部の内容物である液体や気体は、第二のキャップ501bの開口部5011から、チューブ502bを経て排出することができる。チューブ502aから液体や気体を供給しながら、チューブ502bからカラム1内の内容物を排出することで、カラム1内に内容物を連続的に流すことができる。
同様に、例えば、チューブ502bから液体や気体等を第二のキャップ501bに供給することで、カラム1の内部に液体や気体を供給することができる。また、カラム1の内部の内容物である液体や気体は、第一のキャップ501aの開口部5011から、チューブ502aを経て排出することができる。
チューブ502bから液体や気体を供給しながら、チューブ502aからカラム1内の内容物を排出することで、カラム1内に内容物を連続的に流すことができる。なお、カラム1内とは、例えば、筒状部材101の内側や、筒状部材101の内側の、第一のフィルタ102および第一の反射部材103の組と、第二のフィルタ104および第二の反射部材105の組とで挟まれた領域である。ここでの領域は、空間と考えても良い。
なお、第一のキャップ501aおよび第二のキャップ501bとしては、どのような材質を用いても良い。例えば、合成樹脂等のマイクロ波透過性の材料を用いてもよく、ステンレス等の金属のマイクロ波反射性の材料等を用いても良い。
また、チューブ502aと接続された第一のキャップ501aおよびチューブ502bと接続された第二のキャップ501bを、筒状部材101に取り付ける代わりに、内容物の供給および排出が可能な配管(図示せず)を、筒状部材101の第一の端部1011aおよび第二の端部1011bにそれぞれ直接接続するようにしても良い。
筒状部材101の導入口1013には、マイクロ波発振器6と接続された導波管601が接続される。導入口1013と導波管601の端部とはどのように接続するようにしても良い。例えば、筒状部材101の外側であって、導入口1013の外周となる部分に継手等を設けておくようにして、この継手により、導波管601を導入口1013と接続するようにしても良い。また、導波管601の端部に設けたフランジを、筒状部材101の側面の導入口1013の周囲にネジ止めするようにしてもよい。このように接続することにより、マイクロ波発振器6が出射したマイクロ波を、導波管601および導入口1013を経て、カラム1内に供給することができる。なお、導波管601と、筒状部材101との間には、マイクロ波漏洩防止のシール部材等を設けることが好ましい。なお、導波管601の開口部が、導入口1013を塞ぐよう配置されれば、導波管601は、筒状部材101に必ずしも取付けなくてもよく、導波管601の筒状部材101側の端部が、筒状部材101の導入口1013の周りと接するよう、カラム1および導波管601等を配置するようにしても良い。
また、ここでは、導入口1013を、導波管601を介してマイクロ波発振器6と接続しているが、導波管601の代わりに、同軸ケーブルおよびアンテナ等を用いて導入口1013をマイクロ波発振器6と接続しても良い。また、カラム1の導入口1013が設けられている部分を、マイクロ波発振器6と接続された導波管(図示せず)内に配置するようにしても良い。
なお、カラム1と接続するマイクロ波発振器6はどのようなマイクロ波発振器であってもよく、また、マイクロ波発振器6が出射するマイクロ波の周波数や強度等は問わない。マイクロ波発振器6は、例えば、マグネトロン、クライストロン、ジャイロトロン、または半導体型発振器等を有するマイクロ波発振器6である。マイクロ波発振器6が出射するマイクロ波の周波数は、例えば、915MHzであっても良く、2.45GHzであってもよく、5.8GHzであってもよく、その他の300MHzから300GHzの範囲内の周波数であっても良い。また、導波管601としては、例えば、マイクロ波発振器6が出射するマイクロ波の周波数等に応じた導波管が用いられる。なお、マイクロ波発振器6および導波管601を、容器101内にマイクロ波を照射する照射手段と考えてもよい。なお、この照射手段は、導入口1013から筒状部材101内に照射するものであれば、どのような手段であっても良い。例えば、上述したようなマイクロ波発振器6と同軸ケーブルおよびアンテナ(図示せず)等との組み合わせであってもよい。
なお、上記の装置との接続は、一例であり、カラム1は、接続する装置に応じてどのように接続してもよい。
(具体例)
以下、本実施の形態のカラム1を用いたペプチドの固相合成の処理の一例について説明する。ここでは、カラム1を、図3に示したように固相合成を行なう装置に取付けて処理を行なう例について説明する。また、ここでは、N末端が保護されたアミノ酸が結合されている固相樹脂に対して、脱保護を行なって、更にアミノ酸を脱水反応により結合させる処理について説明する。ただし、ここで固相合成に用いられる物質や、その配合等は一例であり、これ以外の物質等を用いても良いことはいうまでもない。また、ここで行なわれる処理の手順等も一例であり、これ以外の手順で処理を行なっても良い。また、カラム1内において、ここで述べる処理以外の固相合成の処理を行なっても良いことはいうまでもなく、ここで述べる処理の一部の処理だけを行なっても良いことはいうまでもない。
まず、カラム1の筒状部材101内の、第一のフィルタ102と第二のフィルタ104との間に、N末端がFmoc基等で保護されたアミノ酸が結合されている固相樹脂を筒状部材101内に供給する。筒状部材101内に、どのように固相樹脂を供給するかは問わない。例えば、カラム1から第二のフィルタ104と第二の反射部材105とを取り外した状態で、上記の固相樹脂を筒状部材101内に入れ、第二のフィルタ104と第二の反射部材105を第二の端部1011bに取付ける。
次に、図示しないポンプ等を用いて、チューブ502bから筒状部材101内に、DMF等を溶媒としたピペリジン溶液等の脱保護溶液を連続的に供給する。具体的には、チューブ502bから、筒状部材101の第二の端部1011b側に脱保護溶液を供給すると、供給された脱保護溶液は、第二の反射部材105と第二のフィルタ104とを通過して、筒状部材101内に供給される。また、筒状部材101内に所望の量の脱保護溶液が入った時点で、チューブ502aから筒状部材101内の内容物を排出する。具体的には、第一のフィルタ102および第一の反射部材103を介して、チューブ502aから筒状部材101内の内容物を連続的に排出する。これにより、筒状部材101内に内容物が流れるようになる。チューブ502aにも、内容物を排出するためのポンプ(図示せず)や、バルブ(図示せず)等を設けておくことで、排出を制御できるようにしてもよい。なお、内容物の供給量と排出量はほぼ同じ量とすることが好ましい。上記のように脱保護溶液を連続的に供給した状態でマイクロ波発振器6から出射した915MHzのマイクロ波を導入口1013から筒状部材101内に導入して、脱保護処理を行なう。筒状部材101には、第一のフィルタ102および第二のフィルタ104が設けられているため、第一のフィルタ102と第二のフィルタ104との間の領域には、脱保護溶液と固相樹脂とが存在することとなり、この領域で、脱保護処理が行なわれる。固相樹脂は、第一のフィルタ102および第二のフィルタ104を通過できないため、筒状部材101内に残るが、脱保護溶液は、第一のフィルタ102および第一の反射部材103を通過して順次、チューブ502aから排出される。導入口1013からカラム1内に導入されたマイクロ波は、筒状部材101の側面と、第一の反射部材103と第二の反射部材105とにより反射され、第一のフィルタ102と第二のフィルタ104との間の、固相樹脂と脱保護溶液とが存在する脱保護処理が行なわれる領域に照射され、マイクロ波がカラム1の外部には、透過しにくくすることができる。なお、導入口1013は、マイクロ波透過性部材1014で塞がれているため、この導入口1013から内容物が外部に漏れることはない。
脱保護処理が完了した後、チューブ502bからの脱保護溶液の供給を止めると、筒状部材101内の内容物のうちの脱保護溶液は、第一のフィルタ102および第一の反射部材103を通過して、チューブ502aから外部に排出され、筒状部材101内の内容物のうちの脱保護された固相樹脂は、脱保護溶液から分離されて、第一のフィルタ102の第二の端部1011b側の表面1021に残る。
次に、チューブ502bからDMFを筒状部材101内に供給して保持した後、チューブ502aからDMFを排出して、第一のフィルタ102の第二の端部1011b側の表面1021に残った脱保護された固相樹脂を洗浄する。この洗浄処理は複数回行なわれる。この洗浄処理も、連続的にDMFを供給および排出して筒状部材101内にDMFを流しながら行なうようにしても良い。
次に、脱保護された固相樹脂にアミノ酸を結合するために、HBTU(N,N,N',N'−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスファート)、DIPEA、Fmoc基でN末端が保護された結合用のアミノ酸、および溶媒として用いられるDMFを、チューブ502bから筒状部材101内に連続的に供給し、DMFに、HBTU、DIPEA、結合用のアミノ酸を溶解し、導入口1013からマイクロ波を導入して、N末端が保護されたアミノ酸と、固相樹脂に結合された脱保護されたアミノ酸とを、脱水反応により結合する。なお、チューブ502aからは内容物を連続的に排出して、マイクロ波の照射中は、内容物が筒状部材101内を流れるようにする。第一のフィルタ102および第二のフィルタ104が設けられているため、筒状部材101の第一のフィルタ102と第二のフィルタ104とで挟まれた領域には、DMFに、HBTU、DIPEA、結合用のアミノ酸を溶解させた結合用の溶液と、脱保護された固相樹脂とが保持され、チューブ502aからは、カラム1内の内容物のうちの第一のフィルタ102を通過した結合用の溶液だけが排出される。導入口1013からカラム1内に導入されたマイクロ波は、筒状部材101の側面と、第一の反射部材103と第二の反射部材105とにより反射され、第一のフィルタ102と第二のフィルタ104との間の固相樹脂と上記の結合用の溶液が存在するアミノ酸を結合する処理が行なわれる領域に照射され、マイクロ波がカラム1の外部の領域には、照射されにくくすることができる。
アミノ酸の結合が終了した後、チューブ502bからの上述した結合用の溶液の供給を止めると、カラム1内の結合用の溶液は、筒状部材101内から排出され、第一のフィルタ102の第二の端部1011b側の表面1021に、N末端が保護されたアミノ酸が新たに結合された固相樹脂が排出されずに残る。
その後、上記と同様にDMFを用いた洗浄処理を複数回繰り返す。
これにより、第一のフィルタ102の第二の端部1011b側の表面1021に、固相樹脂と結合されたペプチドを得ることができる。
更に、ペプチドに新たなアミノ酸を結合させる場合には、上記の脱保護の処理と、アミノ酸を結合する一連の処理を繰り返すようにすればよい。
第一のフィルタ102の第二の端部1011b側の表面1021に残った固相樹脂に結合されたペプチドからの固相樹脂を切り離す場合、例えば、トリフルオロ酢酸(TFA)とHOとで第一のフィルタ102の表面1021に残った固相樹脂を処理すればよい。また、切り離したペプチドは、例えば、エチルエーテル等で沈殿させ、乾燥すること等により収集する。
なお、カラム1に、窒素ガス等の気体を供給するためのノズル(図示せず)等を設けるようにして、このノズルから供給した気体によって生じる気泡等によりカラム1内の液体を撹拌しながら、上記の固相合成の処理のうちの1以上を行なうようにしても良い。
なお、上記の固相合成において、カラム内に液体等を流しながら行なわれた処理の1以上は、液体を流さずに行なうようにしてもよい。
以上、本実施の形態においては、マイクロ波反射性材料の筒状部材101の、開口している第一の端部1011a側と第二の端部1011b側とを塞ぐように、第一の反射部材103および第二の反射部材105とを備え、筒状部材101の導入口1013から筒状部材101内にマイクロ波を導入できるようにしたことにより、筒状部材101内に導入したマイクロ波が、筒状部材101の外部に透過されにくくして、効率良くマイクロ波照射を行なうことができる。これにより、例えば、マイクロ波照射による処理量を増加させること等が可能となる。
また、第一の端部1011aおよび第二の端部1011bが、内容物の少なくとも一部が通過可能な第一のフィルタ102、第一の反射部材103、第二のフィルタ104、および第二の反射部材105で塞がれているため、第一の端部1011aから第二の端部1011bに向かって、筒状部材101内に内容物を流しながらマイクロ波を照射して処理を行ったり、第二の端部1011bから第一の端部1011aに向かって、筒状部材101内に内容物を流しながら処理を行ったりすることが可能となり、様々な処理に柔軟に対応することができる。また、どちらの方向に内容物を流したとしても、第一の端部1011aおよび第二の端部1011bが、それぞれ第一のフィルタ102および第二のフィルタ104で塞がれているため、筒状部材101内の内容物のうちの分離対象となる固相樹脂が、筒状部材101内から外部に流出したりすることを防ぐことができる。
また、本実施の形態のカラム1においては、第一のフィルタ102が、金属等の反射性材料で構成された第一の反射部材103に重なるよう配置されるため、第一の反射部材103によって、第一のフィルタ102を補強し、支持することができる。このため、例えば、単独では筒状部材101を仕切るように配置することが困難な硬度の低い材料で構成された第一のフィルタ102や、シート状の第一のフィルタ102等を、筒状部材101内を仕切るように配置することができる。これにより、第一のフィルタ102の選択の幅を広げることができる。
また、同様に、第二のフィルタ104が、金属等の反射性材料で構成された第二の反射部材105と重なるよう配置されるため、第二の反射部材105によって、第二のフィルタ104を補強し、支持することができる。このため、例えば、単独では筒状部材101を仕切るように配置することが困難な硬度の低い材料で構成された第二のフィルタ104や、シート状の第二のフィルタ104等を、筒状部材101内を仕切るように配置することができる。これにより、第二のフィルタ104の選択の幅を広げることができる。
(第一の変形例)
図4(a)〜図4(c)は、本実施の形態のカラムの第一の変形例を説明するための断面図であり、図1(b)に相当する断面図である。
上記実施の形態においては、第一のフィルタ102を第一の反射部材103の第二の端部1011b側に重ねて配置した場合について説明したが、第一のフィルタ102が、第一の反射部材103よりも第二の端部1011b側に配置されれば、第一のフィルタ102を第一の反射部材103に直接重なるよう配置しなくてもよい。
例えば、図4(a)に示すように、第一のフィルタ102と第一の反射部材103とが直接重ならないよう配置しても良い。このような場合においても、第一のフィルタ102を透過したマイクロ波を、第一の反射部材103で反射して、第一の端部1011aの開口部1012aからマイクロ波が外部に透過することを防いで、マイクロ波を効率的に固相合成に利用することができる。ただし、この場合、第一のフィルタ102と、第一の反射部材103との間の、固相樹脂を含まない内容物には、マイクロ波が照射されることとなるため、第一のフィルタ102を第一の反射部材103上に重ねた場合に比べて、マイクロ波を効率的に利用できないことが考えられる。また、この場合、第一の反射部材103により、第一のフィルタ102を補強できなくなる。
また、第一のフィルタ102を第一の反射部材103よりも第二の端部1011b側に配置する代りに、図4(b)に示すように、第一のフィルタ102を、第一の反射部材103よりも、第一の端部1011a側に配置してもよく、このような場合においても、第一の反射部材103でマイクロ波を反射することで、筒状部材101の第一の端部1011aの開口部1012aからマイクロ波が透過しにくくして、マイクロ波を効率良く利用することが可能となる。なお、図4(b)においては、第一のフィルタ102が、第一の端部1011aの開口部1012aに配置されている例を示している。この場合、第一のフィルタ102で、筒状部材101の第一の端部1011aの開口部1012aから、筒状部材101内の固相樹脂が外部に移動することを防ぐことができるため、第一の反射部材103は固相樹脂を通過可能なものを用いてもよい。例えば、第一の反射部材103として、固相樹脂を通過可能な形状およびサイズの複数の孔を有するものを用いるようにする。ただし、この場合、第一の反射部材103と、第一のフィルタ102との間に存在する固相樹脂を含む内容物に対して、マイクロ波が照射されにくくなるため、第一の反射部材103と第一のフィルタ102との間の距離が広くなると、固相合成の処理の効率が低下する可能性がある。なお、この場合、第一のフィルタ102は、マイクロ波透過性材料以外の材料で構成されていてもよい。
また、第一のフィルタ102を、第一の反射部材103よりも、第一の端部1011a側に配置する場合の一態様として、図4(c)に示すように、第一のフィルタ102の第二の端部1011b側の面に第一の反射部材103を重ねて配置するようにしても良い。なお、図4(c)においては、第一のフィルタ102が、第一の端部1011aの開口部1012aに配置されている例を示している。この場合、第一の反射部材103と第一のフィルタ102との間の距離をなくして、上記のような固相合成の処理の効率低下を防ぐことができるとともに、第一のフィルタ102を、第一の反射部材103と重なるよう配置することで、第一のフィルタ102を、第一の反射部材103で補強したり支持したりすることが可能となる。上記の実施の形態や、図4(c)のように、第一のフィルタ102と、第一の反射部材103とを、重なるように配置することにより、第一のフィルタ102を、第一の反射部材103で補強することができ、第一のフィルタ102の選択の幅を広げることができる。
(第二の変形例)
図5(a)〜図5(c)は、本実施の形態のカラムの第二の変形例を説明するための断面図であり、図1(b)に相当する断面図である。
例えば、上記実施の形態においては、第二のフィルタ104を第二の反射部材105に重ねて配置した場合について説明したが、第二のフィルタ104が、第二の反射部材105よりも第一の端部1011a側に配置されれば、第二のフィルタ104を第二の反射部材105に直接重ねて配置しなくてもよい。
例えば、図5(a)に示すように、第二のフィルタ104と第二の反射部材105とが直接重ならないよう配置しても良い。このような場合においても、第二のフィルタ104を透過したマイクロ波を、第二の反射部材105で反射して、第二の端部1011bの開口部1012bからマイクロ波が外部に透過することを防いで、マイクロ波を効率的に固相合成に利用することができる。ただし、この場合、第二のフィルタ104と、第二の反射部材105との間に存在する、固相樹脂を含まない内容物にもマイクロ波が照射されることとなるため、第二のフィルタ104を第二の反射部材105と重ねた場合に比べて、マイクロ波を効率的に利用できないことが考えられる。また、この場合、第二の反射部材105により、第二のフィルタ104を補強できない。
また、第二のフィルタ104を第二の反射部材105よりも第一の端部1011a側に配置する代りに、図5(b)に示すように、第二のフィルタ104を、第二の反射部材105よりも、第二の端部1011b側に配置してもよく、このような場合においても、第二の反射部材105でマイクロ波を反射することで、筒状部材101の第二の端部1011bの開口部1012bからマイクロ波が透過しにくくして、マイクロ波を効率良く利用することが可能となる。なお、図5(b)においては、第二のフィルタ104が、第二の端部1011bの開口部1012bに配置されている例を示している。この場合、第二のフィルタ104で、筒状部材101の第二の端部1011b側の開口部1012bから、筒状部材101内の固相樹脂が外部に移動することを防ぐことができるため、第二の反射部材105は固相樹脂を通過可能なものを用いてもよい。例えば、第二の反射部材105として、固相樹脂を通過可能な形状およびサイズの複数の孔を有するものを用いてもよい。ただし、この場合、第二の反射部材105と、第二のフィルタ104との間に存在する固相樹脂を含む内容物に対して、マイクロ波が照射されにくくなる。なお、この場合、第二のフィルタ104は、マイクロ波透過性材料以外の材料で構成されていてもよい。
また、第二のフィルタ104を、第二の反射部材105よりも、第二の端部1011b側に配置する場合の一態様として、図5(c)に示すように、第二のフィルタ104の第一の端部1011a側の面に第二の反射部材105を重ねて配置するようにしても良い。なお、図5(c)においては、第二のフィルタ104が、第二の端部1011bの開口部1012bに配置されている例を示している。この場合、第二の反射部材105と第二のフィルタ104との間の距離をなくして、上記のような固相合成の処理の効率低下を防ぐことができるとともに、第二のフィルタ104を、第二の反射部材105と重なるよう配置することで、第二のフィルタ104を、第二の反射部材105で補強したり支持したりすることが可能となる。上記の実施の形態や、図5(c)のように、第二のフィルタ104と、第二の反射部材105とを、重なるように配置することにより、第二のフィルタ104を、第二の反射部材105で補強することができ、第二のフィルタ104の選択の幅を広げることができる。
なお、上記実施の形態1およびその第一の変形例のカラム1の、第二のフィルタ104および第二の反射部材105として、上記の第二の変形例において図5(a)〜図5(c)を用いてそれぞれ説明した第二のフィルタ104と第二の反射部材105との組み合わせのいずれか一つを用いてもよい。また、上記実施の形態1およびその第二の変形例の、第一のフィルタ102および第一の反射部材103として、上記の第一の変形例において図4(a)〜図4(c)を用いてそれぞれ説明した第一のフィルタ102と第一の反射部材103との組み合わせのいずれか一つを用いてもよい。例えば、カラム1は、上記実施の形態1およびその第一の変形例において説明した第一のフィルタ102と第一の反射部材103との組み合わせのいずれか一つと、上記実施の形態1およびその第二の変形例において説明した第二のフィルタ104と第二の反射部材105との組合せのいずれか一つとを有するものであればよい。
(実施の形態2)
本実施の形態のカラムは、上記実施の形態1において説明したカラム1において、第一のフィルタ102および第一の反射部材103と、第二のフィルタ104と第二の反射部材105と、の代りに、それぞれ、マイクロ波を反射するフィルタを用いるようにしたものである。
図6は、本実施の形態におけるカラムの一例を示す斜視図(図6(a))、およびそのVIb−VIb線による断面図(図6(b))である。ただし、図6(b)においては、バルブの断面等は省略している。
本実施の形態のカラム2は、筒状部材101、第一の反射フィルタ203、および第二の反射フィルタ205を備える。筒状部材101は、第一の端部1011a、第二の端部1011b、導入口1013、およびマイクロ波透過性部材1014を有している。なお、第一の反射フィルタ203および第二の反射フィルタ205以外の構成については、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
第一の反射フィルタ203は、第一のフィルタ102と第一の反射部材103とが一体化されて構成されたフィルタであり、固相樹脂を筒状部材101内の内容物から分離し、導入口1013から導入されるマイクロ波を反射するフィルタである。第一の反射フィルタ203は、ステンレス等のマイクロ波反射性材料で構成されたフィルタであり、固相樹脂を筒状部材101内の内容物から分離するための複数の孔であって、導入口1013から導入されたマイクロ波を反射する複数の孔を有している。ただし、第一の反射フィルタ203は、マイクロ波を反射するものであって、固相樹脂を筒状部材101内の内容物から分離できるものあれば、その材料および形状等は問わない。例えば、第一の反射フィルタ203の材料としては、第一の反射部材103と同様の材料が利用可能である。また、第一の反射フィルタ203は、例えば、固相樹脂を内容物から分離するサイズを有し、かつ、導入口1013から導入されるマイクロ波を反射するサイズを有する複数の孔を有していればよい。固相樹脂を筒状部材101内の内容物から分離するための複数の孔のサイズや、導入口1013から導入されるマイクロ波を反射する孔のサイズ等については、上記実施の形態において説明しているため、ここでは詳細な説明は省略する。ステンレス等の金属製のフィルタとしては、例えば、ステンレス製等の金属製のメッシュや、複数の金属メッシュ等を重ねて焼結して一体化した金属フィルタ等が利用可能である。
第一の反射フィルタ203は、筒状部材101の第一の端部1011aを塞ぐよう、第一の端部1011aに配置されている。なお、第一の反射フィルタ203は、第一のフィルタ102と第一の反射部材103を一体化したものであることから、第一のフィルタ102および第一の反射部材103と同様に、筒状部材101の第一の端部1011a側を塞ぐように配置されていればよい。例えば、第一の反射フィルタ203は、第一の端部1011aよりも第二の端部1011b側となる位置に配置されていればよい。例えば、第一の反射フィルタ203は、第一の端部1011aとの距離が、3cm以下、好ましくは1cm以下となる範囲で、第一の端部1011aよりも第二の端部1011b側となる位置に配置されていてもよい。
第二の反射フィルタ205は、第二のフィルタ104と第二の反射部材105とが一体化されて構成されたフィルタであり、固相樹脂を筒状部材101内の内容物から分離し、導入口1013から筒状部材101内に導入マイクロ波を反射するフィルタである。第二の反射フィルタ205としては、第一の反射フィルタ203と同様のものが利用可能である。第一の反射フィルタ203と、第二の反射フィルタ205とは同じものを用いてもよく、異なるものを用いてもよい。
第二の反射フィルタ205は、筒状部材101の第二の端部1011bを塞ぐよう、第二の端部1011bに配置されている。なお、第二の反射フィルタ205は、第二のフィルタ104と第二の反射部材105とを一体化したものであることから、第二のフィルタ104および第二の反射部材105と同様に、筒状部材101の第二の端部1011b側を塞ぐように配置されていればよい。例えば、第二の反射フィルタ205は、第二の端部1011bに対して第一の端部1011a側となる位置に配置されていればよい。例えば、第二の反射フィルタ205は、第二の端部1011bとの距離が、3cm以下、好ましくは1cm以下となる範囲で、第二の端部1011bよりも第一の端部1011a側となる位置に配置されていてもよい。
なお、第一の反射フィルタ203が、ステンレス等の金属製のフィルタである場合、厚さによっては単独で筒状部材101内にフィルタを配置することが可能であるが、硬さや強度が不足していることにより、第一の反射フィルタ203を、単独で筒状部材101内に配置することが困難である場合には、補強用のフレーム等を第一の反射フィルタ203に取付けるようにしてもよい。かかることは、第二の反射フィルタ205についても同様である。
このような本実施の形態においても、上記実施の形態と同様に、筒状部材101内に導入したマイクロ波が、筒状部材101の外部に透過しにくくして、効率良くマイクロ波照射を行なうことができる。また、第一の反射フィルタ203および第二の反射フィルタ205を設けたことにより、内容物から固相樹脂を分離することができる。
また、第一の端部1011aおよび第二の端部1011bが、内容物の少なくとも一部が通過可能な第一の反射フィルタ203、および第二の反射フィルタ205で塞がれているため、第一の端部1011aから第二の端部1011bに向かって、筒状部材101内に内容物を流しながらマイクロ波を照射して処理を行ったり、第二の端部1011bから第一の端部1011aに向かって、筒状部材101内に内容物を流しながら処理を行ったりすることが可能となり、様々な処理に柔軟に対応することができる。また、どちらの方向に内容物を流したとしても、第一の端部1011aおよび第二の端部1011bが、それぞれ第一の反射フィルタ203および第二の反射フィルタ205で塞がれているため、筒状部材101内の内容物のうちの分離対象となる固相樹脂が、筒状部材101内から外部に流出したりすることを防ぐことができる。
なお、上記実施の形態2の第一の反射フィルタ203を、図1および図5(a)〜図5(c)に示したような、実施の形態1およびその第2の変形例においてそれぞれ説明したカラム1が有する第一のフィルタ102と第一の反射部材103との代わりに用いるようにしてもよく、上記実施の形態2の第二の反射フィルタ205を、図1および図4(a)〜図4(c)に示したような、実施の形態1およびその第一の変形例においてそれぞれ説明したカラム1が有する第二のフィルタ104と第二の反射部材105との代わりに用いるようにしても良い。例えば、カラムは、上記実施の形態1およびその第一の変形例においてそれぞれ説明した第一のフィルタ102と第一の反射部材103との組み合わせおよび第一の反射フィルタ203のいずれか一つと、上記実施の形態1およびその第二の変形例においてそれぞれ説明した第二のフィルタ104と第二の反射部材105との組み合わせおよび第二の反射フィルタ205のいずれか一つと、を有するものであればよい。
なお、上記各実施の形態において、導入口1013が設けられる位置は、筒状部材101の側面の、第一の反射部材103と第二の反射部材105との間であればよく、その位置は問わない。ここでの導入口1013、第一の反射部材103、および第二の反射部材105の位置とは、例えば、筒状部材101の軸方向の位置である。なお、第一のフィルタ102および第一の反射部材103の代わりに、第一の反射フィルタ203を用いる場合は、上記の第一の反射部材103は、第一の反射フィルタ203と読み替えるようにすればよい。同様に、第二のフィルタ104および第二の反射部材105の代わりに、第二の反射フィルタ205を用いる場合は、上記の第二の反射部材105は、第一の反射フィルタ205と読み替えるようにすればよい。
例えば、図4(a)に示すように、第一の反射部材103が、第一のフィルタ102に対して第一の端部1011a側に配置されており、第一の反射部材103と第一のフィルタ102とが重ならないよう離れて配置されている場合において、導入口1013を、第一のフィルタ102と第一の反射部材103との間に設けるようにしてもよい。
また、図5(a)に示すように、第二の反射部材105が、第二のフィルタ104に対して第二の端部1011b側に配置されており、第二の反射部材105と第二のフィルタ104とが重ならないよう離れて配置されている場合において、導入口1013を、第二のフィルタ104と第二の反射部材105との間に設けるようにしてもよい。
なお、上記各実施の形態において説明したカラム1および2を用いた固相合成により合成される1つのペプチドに合成されるアミノ酸の数は、2以上であればよく、その数は問わない。例えば、1つのペプチドに合成されるアミノ酸の数は、2個以上21個未満であっても良く、21個以上50個未満であっても良く、50個以上であっても良い。例えば、上記実施の形態において説明したカラム1および2を用いた固相合成により合成されるペプチドは、合成されたアミノ酸数が2個から約20個未満であるオリゴペプチドであっても良く、合成されたアミノ酸数が、約20個以上であるポリペプチドであっても良い。また、合成されるペプチドは、約50個以上のアミノ酸が結合されたポリペプチドの一態様であるタンパク質であっても良い。また、1つのペプチドに合成されるアミノ酸の種類や、1つのペプチドに合成されるアミノ酸の配列順番等は問わない。
また、上記各実施の形態において説明したカラム1および2を、任意の物質の作製に用いられる1または2以上のペプチドの固相合成に用いてもよい。例えば、上記各実施の形態1および2のカラムを、抗体の作製に用いられる1または2以上のペプチド(例えば、オリゴペプチドやポリペプチド)の固相合成に用いてもよい。例えば、上記各実施の形態1および2のカラムを、抗体の原料として用いられる1または2以上のペプチドの固相合成に用いてもよく、抗体を構成する1または2以上のペプチドやその一部(例えば、抗体を構成する1または2以上のポリペプチドやその一部)の固相合成に用いてもよい。
また、上記各実施の形態において説明したカラム1および2を、ペプチドの固相合成を含む処理に用いてもよい。例えば、カラム1または2のカラムを用いて所定のペプチドを固相合成した後、更に、カラム1または2のカラムを用いてこの固相合成した所定のペプチドに更に所定の物質(例えば、糖など)を結合させるようにしてもよい。例えば、カラム1および2を、糖ペプチドの固相合成に用いてもよい。
なお、上記各実施の形態においては、カラム1および2を固相樹脂に結合されたペプチドを合成する固相合成に用いる場合について説明したが、カラム1および2を用いて行なわれる処理は、ペプチドの固相合成の処理に限られるものではなく、カラム1およびカラム2は、ヌクレオチド鎖の固相合成のような、ペプチドの固相合成以外の処理に用いられるカラムであってもよい。例えば、カラム1およびカラム2はペプチドの固相合成以外の固相合成に用いられるカラムであっても良く、固相合成以外の処理に用いられるカラムであっても良い。
例えば、カラム1およびカラム2は、固相合成のように、筒状部材101内の内容物から固形物を分離する工程を含む処理に利用可能である。内容物から分離する固形物は、例えば、第一のフィルタ102と第二のフィルタ104との間に存在している固形物や、第一の反射フィルタ203と第二の反射フィルタ205との間に存在している固形物である。
例えば、上記各実施の形態で説明したカラムをこのような内容物から固形物を分離する工程を含む処理に用いる場合、上記各実施の形態におけるカラムの固相樹脂に関連した説明は、分離対象である固形物に関連した説明に読み換えるようにすればよい。例えば、上記各実施の形態における固相樹脂のサイズに応じて決定される構成は、分離対象である固形物のサイズに応じて決定される構成に変更すればよい。
例えば、上記各実施の形態において説明したカラム1および2において、第一のフィルタ102、第二のフィルタ104、第一の反射フィルタ203および第二の反射フィルタ205が有する複数の孔を、固相樹脂を分離するための複数の孔の代わりに、分離対象となる固形物を分離するための複数の孔とすることで、カラム1および2を、筒状部材101内の内容物から、分離対象となる固形物を分離する工程を含む処理に利用できるようにしても良い。
ここでの筒状部材101内の内容物は、例えば、液体を有する内容物である。内容物が有する液体は、例えば、原料等の処理対象であってもよく、溶媒等であっても良く、溶液であっても良く、その成分等は問わない。筒状部材101内の内容物は、例えば、液体と、分離対象となる固形物とを有していてもよい。内容物は、例えば、分離対象となる固形物の懸濁液であっても良い。ここでの固形物とは、例えば、固体の状態のものである。なお、固形物は、流動性を有さないものであって、フィルタ等で分離できるものと考えてもよい。例えば、ゲル状のものを、固形物と考えてもよい。分離対象となる固形物は、例えば、内容物の液体中において、流動性を有するような形状やサイズを有していることが好ましい。分離対象となる固形物は、例えば、粒状や、小片状、粉体状の固形物である。内容物から固形物を分離する工程を含む処理に利用されるカラム1および2が有する分離対象となる固形物を分離するための複数の孔を有する第一のフィルタ102、第二のフィルタ104、第一の反射フィルタ203および第二の反射フィルタ205は、例えば、液体および分離対象となる固形物よりも小さいサイズの固形物を通過させて、分離対象となる固形物以上のサイズの固形物を通過させないフィルタである。第一のフィルタ102、第二のフィルタ104、第一の反射フィルタ203および第二の反射フィルタ205を通過する内容物は、例えば、内容物中の分離対象となる固形物を除いた部分であり、例えば、内容物中の液体である。なお、筒状部材101内の内容物は、例えば、分離対象の固形物よりもサイズが小さい分離対象以外の固形物を有していても良い。
第一のフィルタ102、第二のフィルタ104、第一の反射フィルタ203および第二の反射フィルタ205を用いて分離される分離対象となる固形物は、例えば、マイクロ波を照射する処理等を行なう前から内容物に含まれていた固形物であっても良く、筒状部材101内においてマイクロ波を照射する処理等を行なうことによって生成された固形物であっても良い。
マイクロ波を照射する処理等を行なう前から内容物に含まれていた分離対象となる固形物とは、例えば、流動床の固体触媒や、マイクロ波の吸収性を調節するために用いられる流動性が得られるサイズ等を有するサセプタや、他の物質を吸着する吸着材や、固相担体等の処理に利用される固形物である。流動床の固体触媒としては、例えば、パラジウム炭素(Pd/C)触媒、白金炭素(Pt/C)触媒、固体酸触媒、ゼオライト系触媒等が挙げられる。また、マイクロ波を照射する処理等を行なう前から内容物に含まれていた分離対象となる固形物とは、固形状の不純物等であってもよい。
マイクロ波を照射する処理等を行なうことによって生成された分離対象となる固形物とは、例えば、マイクロ波を照射した筒状部材101内で、内容物中の液体から化学反応等により生成された固形物であってもよく、マイクロ波を照射した筒状部材101内で、内容物中の液体が固化したり、結晶成長したりすることによって生成された固形物であっても良い。
また、マイクロ波を照射する処理等を行なうことによって生成された固形物とは、例えば、マイクロ波を照射した筒状部材101内で、マイクロ波を照射する処理等を行なう前から内容物に含まれていた固形物と他の物質とを化学反応させること等により生成した固形物であってもよく、マイクロ波を照射した筒状部材101内で、マイクロ波を照射する処理等を行なう前から内容物に含まれていた固形物を化学反応させること等によって分解した固形物であってもよく、マイクロ波を照射する処理等を行なう前から内容物に含まれていた固形物の表面に、マイクロ波を照射して、同じ物質または異なる物質が、吸着、接着、成長させることで生成した固形物であってもよい。なお、ここで述べた他の物質や同じ物質は、固体であっても良く、液体であっても良く、気体であってもよい。なお、マイクロ波を照射する処理等を行なう前から内容物に含まれている固形物は、筒状部材101内の、第一のフィルタ102と第二のフィルタ104との間、または第一の反射フィルタ203と第二の反射フィルタ205との間に入れられているようにすることが好ましい。
分離対象となる固形物は、カラム1および2を用いた処理の対象となる固形物や、処理によって生成される固形物等の処理の目的物であっても良く、触媒やサセプタ等の処理に利用される固形物であっても良く、不要物であっても良く、これらの2以上が混合されているものであっても良い。分離対象となる固形物のサイズ等は問わない。分離対象となる固形物は、例えば、析出物であっても良い。分離対象となる固形物は、内容物中の、浮遊物や沈殿物であっても良い。カラム1および2において行なわれる処理がペプチドの固相合成である場合の分離対象となる固形物は、例えば、固相樹脂である。
上記のように、カラム1および2を用いて行なわれる内容物から固形物を分離する処理は、例えば、内容物から分離対象となる固形物を分離する工程を1以上含む処理であればよい。
以下、上記各実施の形態において説明したカラム1および2のカラムを、ペプチドの固相合成以外の処理に用いる具体例について説明する。
(A)固形物と液体とを用いて固形物を生成する処理に用いる例
上記各実施の形態において説明したカラム1および2を、例えば、水熱合成によるゼオライト合成に用いても良い。例えば、Al(アルミニウム)源として、金属アルミニウムやアルミン酸ソーダ、水酸化アルミニウムなどを用い、Si(ケイ素)源としてシリカ粉末やシリカゲルなどを用い、アルカリ(水酸化ナトリウムや水酸化カリウム)と水存在下、マイクロ波照射による高温高圧熱水条件にて反応を行なうことで、結晶性アルミノケイ酸塩のゼオライト多結晶膜を生成することができる。処理が終了した後、例えば、第一のフィルタ102または第一の反射フィルタ203で、固形物であるゼオライト多結晶膜を分離することで、生成された物質を内容物から分離することができる。この場合、第一のフィルタ102または第一の反射フィルタ203と、第二のフィルタ104または第二の反射フィルタ205としては、例えば、分離対象となる固形物であるゼオライト多結晶膜を分離するための複数の孔を備えたフィルタを用いる。
(B)固形物の触媒を用いた処理に用いる例
(B−1)
上記各実施の形態において説明したカラム1および2を、例えば、バイオディーゼル燃料として利用可能なメチルエステルを生成する処理に用いても良い。例えば、筒状部材101に、廃食用油などの油脂(トリグリセリド)を多く含む物質と、流動床の固体触媒とを入れ、筒状部材101内にマイクロ波を照射することで、上記の物質のエステル交換反応と、遊離脂肪酸のエステル化反応とが一の容器内で同時に行なわれて、メチルエステルが生成される。ここで用いる固体触媒は、例えば、照射するマイクロ波に適した誘電損失係数・磁性損失係数の大きい特性をもつ物質と反応活性点を有する物質を組み込んだハイブリッド固体触媒である。この処理においては、筒状部材101内に処理対象となる物質等を入れるとともに、固体触媒を、第一のフィルタ102または第一の反射フィルタ203と、第二のフィルタ104または第二の反射フィルタ205と、の間に入れるようにして、マイクロ波を照射し、生成物の生成が終了した後、例えば、第一のフィルタ102または第一の反射フィルタ203で、固形物である固体触媒を分離することで、生成された物質を含む内容物から固体触媒を除去することができる。なお、第一のフィルタ102または第一の反射フィルタ203としては、分離対象となる固形物である固体触媒を分離するための複数の孔を備えたフィルタを用いる。かかることは、以下に説明するような他の流動床の固体触媒を用いた処理においても同様である。
(B−2)
上記各実施の形態において説明したカラム1および2を、例えば、鈴木−宮浦カップリングに代表されるPd(パラジウム)固体触媒反応に用いても良い。この処理は、例えば、ハロゲン化合物と有機ボロン酸化合物を原料とし、マイクロ波の吸収能が高い活性炭などの表面に金属Pdを担持させた流動床のPd/C(パラジウム/カーボン)固体触媒を用いて、トルエン等のマイクロ波吸収能の低い溶媒中でマイクロ波を照射してクロスカップリングを行なうことにより、ビアリール化合物などの芳香環−芳香環結合を有する物質を生成する処理である。この処理においては、筒状部材101内に処理対象となる物質等を入れるとともに、固体触媒を、第一のフィルタ102または第一の反射フィルタ203と、第二のフィルタ104または第二の反射フィルタ205と、の間に入れるようにして、マイクロ波を照射し、生成物の生成が終了した後、例えば、第一のフィルタ102または第一の反射フィルタ203で、固形物である固体触媒を分離することで、生成された物質を含む内容物から固体触媒を除去することができる。
(B−3)
上記各実施の形態において説明したカラム1および2を、例えば、アルミナ、シリカゲルなどの固相担体の広い表面を利用した、マイクロ波照射無溶媒反応に用いても良い。例えば、アルミナ、シリカゲルなどの多孔質の固相担体と触媒と塩基とを混合した流動床の固体触媒に、原料を混合したものを用いて、無溶媒で、マイクロ波を照射して種々の有機合成を行なうことで、種々の合成生成物を得ることができる。この処理においては、固体触媒を、第一のフィルタ102または第一の反射フィルタ203と、第二のフィルタ104または第二の反射フィルタ205との間とに入れるようにして、マイクロ波を照射し、生成物の生成が終了した後、例えば、第一のフィルタ102または第一の反射フィルタ203で、固形物である固体触媒を分離することで、生成された物質を含む内容物から固体触媒を除去することができる。
(C)マイクロ波サセプタを用いた処理に用いる例
上記各実施の形態において説明したカラム1および2を、例えば、マイクロ波を吸収しやすいSiC(炭化ケイ素)や、カーボン、フェライトなどのマイクロ波サセプタ(固形物)を利用する合成反応に用いても良い。例えば、マイクロ波吸収能の低いトルエン溶媒等の溶媒中において、原料と、マイクロ波サセプタの小片を共存させた状態で、マイクロ波を照射して加熱することで、種々の合成生成物を得ることができる。この処理において、原料を筒状部材101内に入れるとともに、マイクロ波サセプタを、第一のフィルタ102または第一の反射フィルタ203と、第二のフィルタ104または第二の反射フィルタ205との間に入れるようにしてマイクロ波を照射し、処理が終了した後、例えば、第一のフィルタ102または第一の反射フィルタ203で、固形物であるマイクロ波サセプタを分離することで、生成された物質を含む内容物からマイクロ波サセプタを除去することができる。この場合、第一のフィルタ102または第一の反射フィルタ203と、第二のフィルタ104または第二の反射フィルタ205としては、分離対象となる固形物であるマイクロ波サセプタを分離するための複数の孔を備えたフィルタを用いる。
(D)ペプチドの固相合成以外の固相合成に用いる例
例えば、上記各実施の形態において説明したカラム1および2を、ペプチドの固相合成以外の固相樹脂等を用いた固相合成、例えば、DNA等のヌクレオチド鎖の固相合成等に用いても良い。ヌクレオチド鎖の固相合成等のペプチドの固相合成以外の固相合成の方法等については、公知技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、上記の各実施の形態において説明したカラム1および2を、ペプチドの固相合成以外の固相合成に用いる場合、上記各実施の形態における、ペプチドの固相樹脂についての説明は、例えば、ペプチド以外の固相合成に用いられる固相樹脂についての説明に読み替えるようにすればよい。例えば、カラム1および2を、ヌクレオチド鎖の固相合成に用いる場合、上記各実施の形態における、ペプチドの固相樹脂についての説明は、例えば、ヌクレオチド鎖の固相合成に用いられる固相樹脂についての説明に読み替えるようにすればよい。
また、各実施の形態において説明したカラム1および2を、固相合成以外の処理に用いる場合、上記のペプチド以外の固相合成に用いる場合と同様に、上記各実施の形態における固相樹脂についての説明は、筒状部材101内の内容物に含まれる分離対象となる固形物についての説明と読み替えるようにしてもよい。
(実施の形態3)
以下、上記実施の形態1において説明した図1に示したカラム1を、ペプチドの固相合成以外の固相合成の処理であるマイクロ波を照射して行なわれるヌクレオチド鎖の固相合成に用いた場合について説明する。マイクロ波を照射して行なわれるヌクレオチド鎖の固相合成とは、例えば、マイクロ波を照射して行なわれる工程を1以上含むヌクレオチド鎖の固相合成である。
なお、上記実施の形態1の固相樹脂についての説明は、例えば、ヌクレオチド鎖の固相合成に用いられる固相樹脂についての説明と読み替えるようにすればよい。例えば、図1に示した実施の形態1のカラム1をヌクレオチド鎖の固相合成に用いる場合、ペプチドの固相合成に用いられる固相樹脂を内容物から分離する第一のフィルタ102は、ヌクレオチド鎖の固相合成に用いられる固相樹脂を内容物から分離する第一のフィルタ102とすればよい。例えば、第一のフィルタ102が有する複数の孔は、内容物に含まれるヌクレオチド鎖の固相合成に用いられる固相樹脂を通過させないサイズの孔であって、内容物のヌクレオチド鎖の固相合成に用いられる固相樹脂以外を通過させるサイズの孔とすればよい。なお、第一のフィルタ102、第一の反射部材103、第二のフィルタ104、および第二の反射部材105等の材質等は、例えば、上記実施の形態のカラム1と同様とすればよい。
ヌクレオチド鎖とは、2以上のヌクレオチドが結合したものである。ヌクレオチド鎖とは、例えば、2以上のヌクレオチドがホスホジエステル結合したものである。一のヌクレオチド鎖を構成するヌクレオチドの数は2以上であればその数は問わない。ヌクレオチド鎖は、例えば、約20以下の数のヌクレオチドが結合したオリゴヌクレオチドであっても良く、オリゴヌクレオチド以上の数のヌクレオチドが結合したポリヌクレオチドであっても良い。一のヌクレオチド鎖を構成する複数のヌクレオチドがそれぞれ有する塩基の種類や、一のヌクレオチド鎖を構成する複数のヌクレオチドの塩基の配列順番等は問わない。一のヌクレオチド鎖を構成する複数のヌクレオチドが有する糖は、例えば、デオキシ−D−リボースや、D−リボースであるが、これ以外の糖であってもよい。ヌクレオチド鎖は、例えば、複数のリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドが結合されたものである。ヌクレオチド鎖は、例えば、DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)等の核酸である。なお、本実施の形態で合成されるヌクレオチド鎖の固相樹脂と結合されている側とは反対側に結合されているヌクレオチドの末端は、例えば、図示しない保護基等が結合されていたり、リン酸基等がまだ付加されていない状態となっていたりすること等により、通常のヌクレオチドの末端とは、異なる構造を有していても良い。
固相樹脂にヌクレオチドを結合させてヌクレオチド鎖を伸長させていく固相合成の方法としては、リン酸トリエステル法、H−ホスホネート法、ホスホロアミダイト法などがあり、現在ではホスホロアミダイト法を用いた固相合成が最も使われている。ホスホロアミダイト法は、以下の(I)〜(IV)に示す4工程で構成され、これらの工程を繰り返し行って目的のヌクレオチド鎖が合成される。
ヌクレオチド鎖の固相合成に用いられる固相樹脂としては、上記実施の形態で説明したペプチドの固相合成に用いられる固相樹脂と材質およびサイズ等が同様のものが用いられる。ただし、ヌクレオチド鎖の固相合成に利用可能なものであれば、どのような固相樹脂を用いるかは問わない。
以下、ホスホロアミダイト法について簡単に説明する。なお、固相合成に用いられる固相樹脂としては、上記各実施の形態と同様の固相樹脂が利用可能である。ただし、固相樹脂のサイズや、材質等は、ペプチドの固相合成に用いられるものと同じものであっても良く、異なるものであっても良い。
(I)トリクロロ酢酸溶液等の脱保護剤により、固相樹脂に結合したヌクレオシドの5'−OH基の保護基であるDMTr(ジメトキシトリチル)基を外す。
(II)テトラゾール等のアクチベーターにより活性化したヌクレオシドホスホロアミダイト化合物を、上記の脱保護された固相樹脂に結合されたヌクレオシドと縮合させる。
(III)固相樹脂に結合されたヌクレオシドの、ヌクレオシドホスホロアミダイト化合物が結合しなかった5'−OH基を無水酢酸等によりアセチル化して保護する。
(IV)ヨウ素等の酸化剤により、亜リン酸トリエステルを酸化してリン酸トリエステルにする。
なお、上記(I)から(IV)までの工程は、例えば、それぞれマイクロ波を照射する処理を有している。上記(I)から(IV)までの工程を、1または2回以上繰り返し行うことで、目的の配列をもつヌクレオチド鎖を合成する。そして、最後に、ヌクレオチド鎖が結合した固相樹脂に濃アンモニア水等を加え、ヌクレオチドを固相樹脂から切り出すとともに脱保護を行う。
(具体例)
以下、上記実施の形態1において説明した図1に示したカラム1を、ヌクレオチド鎖の1つであるDNAの固相合成に用いた場合の処理の一例について具体的に説明する。ここでは、ホスホロアミダイト法を用いた固相合成を例に挙げて説明する。ただし、ここで説明するDNAの固相合成は一例であり、処理の内容等は適宜変更しても良い。なお、ここでは、カラム1を、図3に示したような固相合成を行なう装置に取付けて処理を行なう例について説明する。
まず、上記実施の形態1の具体例と同様に、カラム1の筒状部材101内の、第一のフィルタ102と第二のフィルタ104とで塞がれている内部に、5'末端がDMTr基で保護されたヒドロキシ基が結合されている固相樹脂を筒状部材101内に供給する。
次に、図示しないポンプ等を用いて、チューブ502bから筒状部材101内に、脱保護溶液として用いられる塩化メチレンなどを溶媒としたトリクロロ酢酸溶液を連続的に供給する。また、筒状部材101内に所望の量の脱保護溶液が入った時点で、チューブ502aから筒状部材101内の内容物を排出する。これにより、内容物が筒状部材101内を流れるようになる。トリクロロ酢酸溶液を連続的に供給した状態で、マイクロ波発振器6が出射した915MHzのマイクロ波を導入口1013から筒状部材101内に導入して、脱保護を行う。この工程は、上述した工程(I)に相当する。脱保護が完了した後、チューブ502bから脱保護溶液の供給を停止すると、筒状部材101の内容物のうちの脱保護溶液は外部に排出される。筒状部材101内の内容物のうちの脱保護された固相樹脂は脱保護溶液から分離されて、第一のフィルタ102の第二の端部1011b側の表面1021に残る。
筒状部材101内に、チューブ502bを用いて第二の端部1011bからアセトニトリルを供給して保持した後、第一の端部1011aからチューブ502aを用いてアセトニトリルを排出して、第一のフィルタ102の表面1021に残った脱保護された固相樹脂を洗浄する。この洗浄は複数回行われる。
次に、固相樹脂上の5'末端が脱保護されたヌクレオシドとヌクレオシドホスホロアミダイトを縮合させるために、例えば、アクチベーターとして、1H−テトラゾール、カップリングに用いる5'末端が保護されたヌクレオシドホスホロアミダイト化合物および溶媒として用いられるアセトニトリルを、チューブ502bを用いて第二の端部1011bから筒状部材101内に連続的に供給し、アセトニトリルに1H−テトラゾール、ヌクレオシドホスホロアミダイト化合物を溶解し、導入口1013からマイクロ波を導入して、ヌクレオシドホスホロアミダイトと固相樹脂に結合された5'位が脱保護されたヌクレオシドを結合し、亜リン酸トリエステルを得る。この工程は、上述した工程(II)に相当する。筒状部材101の内容物は、第一の端部1011aからチューブ502aを用いて連続的に排出される。ヌクレオシドホスホロアミダイトの連結処理が終了した後、チューブ502bからの供給を止めると、第一のフィルタ102の表面1021に、5'末端が保護された亜リン酸トリエステルが結合した固相樹脂が排出されずに残る。上記と同様にアセトニトリルを用いた洗浄処理を複数回繰り返す。
次に、固相樹脂上の未反応のヌクレオシドの5'位を保護するために、例えば無水酢酸、2,6−ルチジンのTHF(テトラヒドロフラン)溶液とN−メチルイミダゾールのTHF溶液を第二の端部1011bから筒状部材101内に連続的に供給し、導入口1013からマイクロ波を導入して、固相樹脂に連結したヌクレオシドの5'−OH基をキャッピングする。この工程は、上述した工程(III)に相当する。筒状部材101の内容物は、第一の端部1011aからチューブ502bを用いて連続的に排出される。キャッピングが終了した後、チューブ502aからの供給を止めると、キャッピング用の溶液は筒状部材101から排出され、第一のフィルタ102の表面1021に、5'末端が保護された固相樹脂が排出されずに残る。上記と同様にアセトニトリルを用いた洗浄処理を複数回繰り返す。
次に、亜リン酸トリエステルを酸化するために、例えばヨウ素/ピリジン/水混合物を第二の端部1011bから筒状部材101内に連続的に供給し、導入口1013からマイクロ波を導入して、亜リン酸トリエステルを酸化してヌクレオチドを得る。この工程は、上述した工程(IV)に相当する。筒状部材101の内容物は、第一の端部1011aからチューブ502aを用いて連続的に排出される。酸化が終了した後、チューブ502bからの供給を止めると、酸化用の溶液は第一の端部1011aを経て筒状部材101から排出され、第一のフィルタ102の表面1021に、ヌクレオチドが連結された固相樹脂が排出されずに残る。上記と同様にアセトニトリルを用いた洗浄処理を複数回繰り返す。
ヌクレオチドをさらに伸長させる場合には、上記の脱保護およびヌクレオシドホスホロアミダイトの連結、未反応の5'末端ヒドロキシ基の保護、酸化の一連の処理を繰り返せばよい。
ヌクレオチド鎖の伸長を終了し、第一のフィルタ102の表面1021に残った固相樹脂に結合されたヌクレオチド鎖の脱保護および固相樹脂からの切り出し行う場合、例えば濃アンモニア水を第一の端部1011aからチューブ502aを用いて筒状部材101内に供給し、導入口1013からマイクロ波を導入して、処理すればよい。脱保護および切り出したヌクレオチド鎖は、エタノールなどで沈殿させ、乾燥することなどにより収集する。
上記のように、DNAの固相合成に上記実施の形態1のカラム1を用いることで、上記実施の形態1と同様の効果を奏する。
また、上記のように、DNAの固相合成においては、工程(I)〜(IV)がそれぞれ終了する毎に、内容物から固相樹脂を分離して筒状部材101内に残し、溶媒等を排出し、更に、筒状部材101内に残した固相樹脂を、洗浄用の溶媒等で洗浄する必要があるが、固相合成に上記実施の形態1のカラム1を用いることで、第一のフィルタ102および第二のフィルタ104により、内容物から固相樹脂を分離して筒状部材101内に残すことができる。これにより、筒状部材101内に洗浄用の溶媒等を供給して、固相樹脂を洗浄したり、固相樹脂を分離した筒状部材101内に他の材料や溶媒、溶液等を供給したりして、一旦、固相樹脂を取り出すことなく、固相合成の他の工程等を行なうことが可能となる。ここで分離される固相樹脂は、例えば、生成物等が結合された固相樹脂であってもよい。
なお、上記で説明した固相合成において、マイクロ波を照射して行なわれる複数の処理のうちの一部だけをマイクロ波照射を行なって行なうようにし、他の処理は、マイクロ波照射を行なわずに行なうようにしてもよい。このような場合もマイクロ波を用いた固相合成と考えてもよい。
なお、上記においては、上記実施の形態1のカラム1を、ホスホロアミダイト法によるDNAの固相合成に用いた場合について説明したが、上記実施の形態1のカラム1を、リン酸トリエステル法や、H−ホスホネート法等の、ホスホロアミダイト法以外のDNAの固相合成に用いるようにしてもよく、このような場合においても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
また、上記においては、DNAの固相合成に用いた場合について説明したが、上記実施の形態1のカラム1は、DNA以外の他のヌクレオチド鎖の固相合成に用いるようにしてもよく、このような場合においても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
なお、上記のように実施の形態1のカラム1を用いてヌクレオチド鎖を固相合成する場合において、1つのヌクレオチド鎖に合成されるヌクレオチドの数は、2以上であれば、その数は問わない。例えば、上記実施の形態1のカラム1を、DNAの固相合成に用いる場合において、1つのDNAに合成されるデオキシリボヌクレオチドの数は、2以上であればその数は問わない。例えば、上記実施の形態1のカラム1を、RNAの固相合成に用いる場合において、1つのRNAに合成されるリボヌクレオチドの数は、2以上であればその数は問わない。
また、上記においては、DNAの固相合成に実施の形態1のカラム1を用いた場合について説明したが、例えば、図4(a)〜図4(c)、および図5(a)〜図5(c)に示したような、上記実施の形態1の変形例のカラム1、または図6に示したような、上記実施の形態2のカラム2をヌクレオチド鎖の固相合成に用いるようにしてもよく、このような場合においても、上記実施の形態1の各変形例や実施の形態2と同様の効果を奏する。
なお、上記各実施の形態においては、カラム1および2を用いて行なわれる固相合成に固相樹脂を用いる場合について説明したが、固相合成に利用可能な固相合成用担体であれば、固相樹脂以外の固相合成用担体を用いてもよい。
また、上記各実施の形態において説明したカラム1および2等のカラムは、図3に示したような固相合成やその他の処理を行なうための処理装置に取付けて利用するものと考えても良く、このような処理装置の一部を構成するものと考えても良い。例えば、カラム1および2に対して、マイクロ波発振器6および導波管601等を有する照射手段を取付けたものを処理装置と考えてもよい。また、カラム1および2等のカラムを、固相合成やその他の処理を行なうための処理装置と考えてもよい。
また、上記実施の形態においては、容器として用いられる筒状部材101が導入口1013を備えており、この導入口1013から筒状部材101内にマイクロ波を導入(言い換えれば、照射)する例について説明したが、筒状部材101は、筒状部材101内に照射されるマイクロ波の出射部(図示せず)を有していればよく、この出射部から筒状部材101内にマイクロ波を照射することができればよい。マイクロ波の出射部は、筒状部材101内に照射するマイクロ波を出射する部分である。出射部は、例えば、照射手段等が照射するマイクロ波を筒状部材101内に出射(言い換えれば、導入)することが可能であれば、どのような構造や形状等を有していても良い。例えば、上記実施の形態の導入口1013を、出射部の一例と考えてもよい。また、この出射部の位置を、上述したマイクロ波の出射位置と考えてもよい。
また、上記各実施の形態においては、筒状部材101内の第一の端部1011aの開口部1012aを、排出口として用いる場合について説明したが、第一の端部1011aの開口部1012aは、内容物の排出を行う排出口として用いてもよく、内容物の供給を行う供給口として用いてもよく、そのいずれとして用いるかは問わない。同様に、第二の端部1011bを、供給口として用いるか、排出口として用いるかは問わない。例えば、筒状部材101の、第一の端部1011aの開口部1012aを供給口として用い、第二の端部1011bの開口部1012bを排出口として用いても良い。また、カラム1または2を用いて行う処理のうちの一以上の処理を、筒状部材101の第二の端部1011bの開口部1012bから内容物を供給し、第一の端部1011aの開口部1012aから内容物を排出して行うようにし、この処理を除く他の一以上の処理を、第一の端部1011aの開口部1012aから内容物を供給し、第二の端部1011bの開口部1012bから内容物を排出して行うようにしてもよい。なお、これらの処理においては、内容物の供給および排出を連続的に行なっても良く、内容物の供給および排出を非連続に行なっても良い。内容物の供給および排出を非連続に行なうということは、例えば、内容物の供給および排出を一時停止させる状態を含むことである。内容物の供給および排出を非連続に行なうということは、例えば、内容物の供給および排出を断続的に行なうことと考えてもよい。
また、筒状部材101内には、第一の端部1011aと第二の端部1011bとの間で内容物が流れるようにしても良い。例えば、第一の端部1011aの開口部1012aから筒状部材101内に内容物を連続的に供給するとともに、第二の端部1011bの開口部1012bから筒状部材101内の内容物を連続的に排出して、筒状部材101内を第一の端部1011a側から、第二の端部1011b側に向かって内容物が流れるようにしても良い。この場合、例えば、第二のフィルタ104が、筒状部材101内の固相樹脂等の固形物が内容物とともに第二の端部1011bの開口部1012bから排出されることを防ぐフィルタとなる。また、第二の端部1011bの開口部1012bから筒状部材101内に内容物を連続的に供給するとともに、第一の端部1011aの開口部1012aから筒状部材101内の内容物を連続的に排出して、筒状部材101内を、第二の端部1011b側から、第一の端部1011a側に向かって内容物が流れるようにしても良い。
また、上記のように、筒状部材101内に内容物を連続的に流した状態で、導入口1013からマイクロ波を導入するようにしてもよい。例えば、カラム1または2を用いて行う処理のうちのマイクロ波を照射しながら行なう一以上の処理を、筒状部材101内に連続的に内容物を流しながら行うようにしてもよい。例えば、カラム1および2を、容器内を流れる内容物に対して処理を行なういわゆるフロー式のカラムとして用いてもよい。
また、カラム1または2を用いて行う複数の処理のうちの一以上の処理を、筒状部材101内に、第一の端部1011a側から、第二の端部1011b側に向かって内容物を流しながら行うようにし、この1以上の処理を除く他の一以上の処理を、筒状部材101内に、第二の端部1011b側から、第一の端部1011a側に向かって内容物を流しながら行うようにしてもよい。ここでの1以上の処理は、導入口1013からマイクロ波を導入しながら行なわれる処理である。なお、複数の処理の1以上の処理は、一の処理に含まれる複数の工程の1以上の工程と考えても良い。
また、上記各実施の形態においては、カラムが、筒状部材101の軸方向が鉛直方向となるよう用いられ、第一の端部1011aが筒状部材101の下端として用いられ、また、第二の端部1011bが筒状部材101の上端として用いられる場合を例に挙げて説明したが、第一の端部1011aが筒状部材101の上端として用いられ、第二の端部1011bが筒状部材101の下端として用いられてもよい。また、第一の端部1011aおよび第二の端部1011bが、筒状部材101の上端および下端のいずれでもなくても良い。例えば、第一の端部1011aおよび第二の端部1011bが、筒状部材101の略水平方向の両端であっても良い。
また、上記各実施の形態においては、カラムが、筒状部材101の軸方向が鉛直方向となるよう用いられる場合について説明したが、カラムは、例えば、筒状部材101の軸方向が水平方向となるよう用いられてもよい。また、カラムは、軸方向が、傾斜するよう用いられてもよい。例えば、軸方向が、水平方向に対して、30度程度まで傾斜するよう用いられてもよい。例えば、筒状部材101の軸方向が傾斜した状態で載置される台(図示せず)や、傾斜した状態でつり下げる装置等の、軸方向が傾斜した状態で保持する保持手段等を有していても良い。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかるカラムは、マイクロ波を照射して行なわれる処理に用いられる装置として適しており、特に、固形物を濾過する工程を含む処理に用いられる装置等として有用である。
1、2 カラム
6 マイクロ波発振器
101 筒状部材
102 第一のフィルタ
103 第一の反射部材
103a 孔
104 第二のフィルタ
105 第二の反射部材
203 第一の反射フィルタ
205 第二の反射フィルタ
501a 第一のキャップ
501b 第二のキャップ
502a、502b チューブ
5011 開口部
5012 底面
601 導波管
1011a 第一の端部
1011b 第二の端部
1012a、1012b 開口部
1013 導入口
1014 マイクロ波透過性部材
1021 表面
1031 表面
1032 裏面

Claims (15)

  1. 開口している第一の端部と、開口している第二の端部とを有し、マイクロ波反射性を有する材料により構成され、マイクロ波を内部に導入するための1以上の導入口が側面に設けられた筒状部材と、
    前記筒状部材の第一の端部側を塞ぐよう配置され、分離対象となる固形物を前記筒状部材の内容物から分離する第一のフィルタと、
    前記筒状部材の第一の端部側を塞ぐよう配置され、少なくとも前記第一のフィルタを通過する内容物が通過可能であり、マイクロ波を反射する第一の反射部材と、
    前記筒状部材の第二の端部側を塞ぐよう配置され、分離対象となる固形物を前記筒状部材の内容物から分離する第二のフィルタと、
    前記筒状部材の第二の端部側を塞ぐよう配置され、少なくとも前記第二のフィルタを通過する内容物が通過可能であり、マイクロ波を反射する第二の反射部材と、を備えたカラム。
  2. 前記第一の反射部材は、前記第一のフィルタに対して第一の端部側に配置されている請求項1記載のカラム。
  3. 前記第一の反射部材は、前記第一のフィルタに対して第二の端部側に配置されており、前記固形物を通過可能である請求項1記載のカラム。
  4. 前記第一のフィルタと前記第一の反射部材とが重なるよう配置されている請求項1から請求項3いずれか一項記載のカラム。
  5. 前記第一のフィルタと前記第一の反射部材とが一体化されて、分離対象となる固形物を前記容器内の内容物から分離し、マイクロ波を反射するフィルタである第一の反射フィルタを構成している請求項1記載のカラム。
  6. 前記第二の反射部材は、前記第二のフィルタに対して第二の端部側に配置されている請求項1から請求項5いずれか一項記載のカラム。
  7. 前記第二の反射部材は、前記第二のフィルタに対して第一の端部側に配置されており、前記固形物を通過可能である請求項1から請求項5いずれか一項記載のカラム。
  8. 前記第二のフィルタと前記第二の反射部材とが重なるよう配置されている請求項1から請求項7いずれか一項記載のカラム。
  9. 前記第二のフィルタと前記第二の反射部材とが一体化されて、分離対象となる固形物を前記容器内の内容物から分離し、マイクロ波を反射するフィルタである第二の反射フィルタを構成している請求項1から請求項5いずれか一項記載のカラム。
  10. 前記導入口は、マイクロ波透過性の部材により塞がれた開口部である請求項1から請求項9いずれか一項記載のカラム。
  11. 前記導入口を介したマイクロ波の導入は、前記第一の端部と第二の端部との間で、前記筒状部材内に内容物を流した状態で行なわれる請求項1から請求項10いずれか一項記載のカラム。
  12. 前記筒状部材の第一の端部の開口した部分から内容物を供給し、前記第二の端部の開口した部分から内容物を排出して前記容器内で行なわれる処理と、
    前記筒状部材の第二の端部の開口した部分から内容物を供給し、前記第一の端部の開口した部分から内容物を排出して前記容器内で行なわれる処理と、が行なわれる請求項1から請求項10記載のカラム。
  13. 前記カラムは、固相合成に用いられるカラムであり、
    前記固形物は、固相合成に用いられる固相合成用担体である請求項1から請求項12いずれか一項記載のカラム。
  14. 前記カラムは、固相合成用担体に結合されたペプチドまたはヌクレオチド鎖を合成する固相合成に用いられるカラムであり、
    前記固形物は、固相合成に用いられる固相合成用担体である請求項13記載のカラム。
  15. 前記導入口から導入したマイクロ波により、前記筒状部材内にマルチモードでマイクロ波照射が行なわれる請求項1から請求項14いずれか一項記載のカラム。
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