JP2616370B2 - 多種品目同時化学反応装置 - Google Patents
多種品目同時化学反応装置Info
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- B01J2219/00277—Apparatus
- B01J2219/00279—Features relating to reactor vessels
- B01J2219/00281—Individual reactor vessels
- B01J2219/00286—Reactor vessels with top and bottom openings
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C40B—COMBINATORIAL CHEMISTRY; LIBRARIES, e.g. CHEMICAL LIBRARIES
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は温度検知手段を有する多
種品目同時化学反応装置に関する。
種品目同時化学反応装置に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】従来の固
相合成装置において、複数の反応容器に対してニードル
1本で全ての容器を担当するタイプの多種品目合成装置
では、反応を繰り返すうちに不完全な反応あるいはクロ
スコンタミネーションあるいは固相支持体のニードル付
着による、支持体持ち出し等を起こし易い。多種品目の
反応においては個々の化学誘導体が異なり、また全ての
品目を同一の方法や条件で反応させることは効率、例え
ば収量や反応生成物の純度の点で不利である。さらに1
本のニードルが多くの反応容器と各種試薬容器や洗浄ポ
ートの間を頻繁に移動(往復)させなければならず、移
動の時間的ロスあるいは副反応の引金にもなっている。
即ち、1本のニードルで複数の反応容器を担当すると1
つの容器にニードルが動作している時は他の反応容器は
待機しなければないらない上に、別の反応容器にニード
ルが移る毎に洗浄しなくてはならず、一反応に要する時
間が長くかかる。また移動の回数が多いことから装置の
機械的強度と耐久性にも不利である。
相合成装置において、複数の反応容器に対してニードル
1本で全ての容器を担当するタイプの多種品目合成装置
では、反応を繰り返すうちに不完全な反応あるいはクロ
スコンタミネーションあるいは固相支持体のニードル付
着による、支持体持ち出し等を起こし易い。多種品目の
反応においては個々の化学誘導体が異なり、また全ての
品目を同一の方法や条件で反応させることは効率、例え
ば収量や反応生成物の純度の点で不利である。さらに1
本のニードルが多くの反応容器と各種試薬容器や洗浄ポ
ートの間を頻繁に移動(往復)させなければならず、移
動の時間的ロスあるいは副反応の引金にもなっている。
即ち、1本のニードルで複数の反応容器を担当すると1
つの容器にニードルが動作している時は他の反応容器は
待機しなければないらない上に、別の反応容器にニード
ルが移る毎に洗浄しなくてはならず、一反応に要する時
間が長くかかる。また移動の回数が多いことから装置の
機械的強度と耐久性にも不利である。
【0003】反応容器内の試薬をニードルで1つずつ吸
入して排出するタイプの装置においては、試薬や洗浄液
等の排出が不完全であるばかりかその都度十分な洗浄が
不可欠であり、クロスコンタミネーションの原因をなし
ている。また、ニードルへの支持体の付着による持ち出
しが、収率の低下にもつながっている。複数容器の底部
を陰圧にして全反応容器から同時に減圧排出する装置で
は、容器と底部コンテナとの間に気密性ならびに各々の
品目による反応生成物の性状の違いから均一な排出を行
うこと等に問題がある。従来の方法では、反応後固相よ
り反応生成物を別の切断反応(クリーベイジ)によって
取り出すには反応装置外で行なう必要があり、このため
反応生成物である保護ペプチドレジンを別の容器に移さ
ねばならず、メカニカルロスの原因ともなり、効率の良
い固相合成法ではなかった。
入して排出するタイプの装置においては、試薬や洗浄液
等の排出が不完全であるばかりかその都度十分な洗浄が
不可欠であり、クロスコンタミネーションの原因をなし
ている。また、ニードルへの支持体の付着による持ち出
しが、収率の低下にもつながっている。複数容器の底部
を陰圧にして全反応容器から同時に減圧排出する装置で
は、容器と底部コンテナとの間に気密性ならびに各々の
品目による反応生成物の性状の違いから均一な排出を行
うこと等に問題がある。従来の方法では、反応後固相よ
り反応生成物を別の切断反応(クリーベイジ)によって
取り出すには反応装置外で行なう必要があり、このため
反応生成物である保護ペプチドレジンを別の容器に移さ
ねばならず、メカニカルロスの原因ともなり、効率の良
い固相合成法ではなかった。
【0004】また、化学反応をより効率よく、より確実
に行うためには、温度調節は大きな要因であり、さらに
反応を促進するために振盪法やガスでバブリングする方
法が採られている。一般的にペプチド合成では、アシル
化時に温度を上げることにより反応性が向上し、収率に
おいて好結果が得られる。従って、反応容器を含む反応
系全体を温度調節ブロック等で包んでしまうような手法
が行われている。化学反応系では従来ではヒートブロッ
ク中に反応容器を置き、該ヒートブロックで温度調節す
ることにより、間接的に反応容器内の温度コントロール
を行っている。この場合、反応容器中の温度を直接検知
した温度ではないことから、反応系の温度制御の精度向
上は極めて困難であった。そこで、本発明者らは反応容
器内にあるニードルに温度検知具をニードル側面に具備
せしめ、該熱電計から検知される温度をヒートブロック
にフィードバックすることによって、反応容器内の温度
管理が容易に行われることを見いだし、本発明を完成し
た。
に行うためには、温度調節は大きな要因であり、さらに
反応を促進するために振盪法やガスでバブリングする方
法が採られている。一般的にペプチド合成では、アシル
化時に温度を上げることにより反応性が向上し、収率に
おいて好結果が得られる。従って、反応容器を含む反応
系全体を温度調節ブロック等で包んでしまうような手法
が行われている。化学反応系では従来ではヒートブロッ
ク中に反応容器を置き、該ヒートブロックで温度調節す
ることにより、間接的に反応容器内の温度コントロール
を行っている。この場合、反応容器中の温度を直接検知
した温度ではないことから、反応系の温度制御の精度向
上は極めて困難であった。そこで、本発明者らは反応容
器内にあるニードルに温度検知具をニードル側面に具備
せしめ、該熱電計から検知される温度をヒートブロック
にフィードバックすることによって、反応容器内の温度
管理が容易に行われることを見いだし、本発明を完成し
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、制御部
と連結し特定の温度に保持できるヒートブロックが設置
された反応容器であってかつ底部にフィルターを有する
複数の反応容器と、該制御部と連結した温度検知手段を
有するニードルであってかつ各反応容器に一対で対応し
て構成された反応液の吸引注入ラインとガス供給ライン
とが連結した複数のニードルと、各ニードルを保持し水
平および垂直方向に移動可能に配設されたアームと、各
反応容器に一対で対応して構成された反応容器の底部に
連結されるバブリング用ガスラインおよび不要物排出ラ
インと、該不要物排出ラインと連動するパージ部、およ
びニードルとパージ部の反応液接触部を洗浄する洗浄手
段を設けて構成したことを特徴とする多種品目同時化学
反応装置に関する。
と連結し特定の温度に保持できるヒートブロックが設置
された反応容器であってかつ底部にフィルターを有する
複数の反応容器と、該制御部と連結した温度検知手段を
有するニードルであってかつ各反応容器に一対で対応し
て構成された反応液の吸引注入ラインとガス供給ライン
とが連結した複数のニードルと、各ニードルを保持し水
平および垂直方向に移動可能に配設されたアームと、各
反応容器に一対で対応して構成された反応容器の底部に
連結されるバブリング用ガスラインおよび不要物排出ラ
インと、該不要物排出ラインと連動するパージ部、およ
びニードルとパージ部の反応液接触部を洗浄する洗浄手
段を設けて構成したことを特徴とする多種品目同時化学
反応装置に関する。
【0006】以下、図面を以て本発明を説明する。図1
はニードル(SUS製)1の先端部の拡大図を示す。ニ
ードル先端1aにシーズ熱電対あるいは白金抵抗体1b
(以下、温度検知具という)が納まる細い溝が切ってあ
り、そこに温度検知手段として温度検知具1bを収め、
これを耐薬品性の高い皮膜1cで被覆する。皮膜はなる
べく肉厚が薄く、固い方がよく、例えば好ましくはテフ
ロン熱収縮チューブ等が用いられる。該温度検知手段は
制御部に連結されており、検知した温度に基づき同様に
制御部に連結されているヒートブロック中のヒータの温
度が制御される。
はニードル(SUS製)1の先端部の拡大図を示す。ニ
ードル先端1aにシーズ熱電対あるいは白金抵抗体1b
(以下、温度検知具という)が納まる細い溝が切ってあ
り、そこに温度検知手段として温度検知具1bを収め、
これを耐薬品性の高い皮膜1cで被覆する。皮膜はなる
べく肉厚が薄く、固い方がよく、例えば好ましくはテフ
ロン熱収縮チューブ等が用いられる。該温度検知手段は
制御部に連結されており、検知した温度に基づき同様に
制御部に連結されているヒートブロック中のヒータの温
度が制御される。
【0007】図2はヒートブロックを具備した反応容器
5を示す図である。合成反応系においては、一般に温度
が高ければ活性化し反応を促進することができるので、
導線状のヒータ5c(セラミックヒータ等)が内蔵され
たヒートブロック5bを反応容器5aの周囲を取り囲む
ように設置する。さらに、ヒータ5cをヒートブロック
5bから貫通させて、制御部に連結する。ヒータ5cに
よって反応あるいはアミノ酸活性に至適な温度に設定
し、ニードル1でバブリングしながら攪拌混合を行う。
これにより、例えばペプチド合成においては、反応容器
内でのカップリング反応温度を上げて反応効率を高める
ことができる。反応容器の底部からバブリング用ガスを
導入する場合、前記のように温度検知手段を有するニー
ドルによって温度を検知するほか、バブリングによる気
泡膜や固相支持体の固化を防止することができる。特に
カップリング時の試薬は粘性が高く、反応容器内全体に
気泡膜が出きやすく、それが固相支持体とともに上昇し
て反応容器の上口部ではじけ、反応容器外に流出する危
険性があったが、このニードルの使用により回避するこ
とが可能である。
5を示す図である。合成反応系においては、一般に温度
が高ければ活性化し反応を促進することができるので、
導線状のヒータ5c(セラミックヒータ等)が内蔵され
たヒートブロック5bを反応容器5aの周囲を取り囲む
ように設置する。さらに、ヒータ5cをヒートブロック
5bから貫通させて、制御部に連結する。ヒータ5cに
よって反応あるいはアミノ酸活性に至適な温度に設定
し、ニードル1でバブリングしながら攪拌混合を行う。
これにより、例えばペプチド合成においては、反応容器
内でのカップリング反応温度を上げて反応効率を高める
ことができる。反応容器の底部からバブリング用ガスを
導入する場合、前記のように温度検知手段を有するニー
ドルによって温度を検知するほか、バブリングによる気
泡膜や固相支持体の固化を防止することができる。特に
カップリング時の試薬は粘性が高く、反応容器内全体に
気泡膜が出きやすく、それが固相支持体とともに上昇し
て反応容器の上口部ではじけ、反応容器外に流出する危
険性があったが、このニードルの使用により回避するこ
とが可能である。
【0008】図3は、本発明の多種品目同時化学反応装
置の概略図である。ニードル1等を保持したアーム2を
水平方向および垂直方向に移動できるように各々モータ
ー3、4が装備されている。ニードル1には反応液ステ
ーション12に配置された原料、試薬等の反応液を反応
容器5に吸引注入する反応液の吸引注入ライン14(図
3には図示せず、図5を参照)と反応容器5にガスを注
入するためのガス供給ライン10a(図3には図示せ
ず、図5を参照)とが連結して接続されており、さらに
温度検知具1bの一端が導き出され(導線1d)、該導
線1dは制御部に接続される。パージ部は反応終了後あ
るいはレジン洗浄後、未反応の試薬、溶媒、洗浄液を反
応容器5の上面をシールし、ガス導入によるガス圧で不
要物排出ライン8(図3には図示せず、図5を参照)に
送るために配設され、図4に示すように密栓用のOリン
グ6を付けたパージノズル7から構成されている。反応
容器5にはヒートブロック5bが設置され、ニードル1
に固着させた温度検知具1bを介して制御部より温度調
節される。アーム2には図4に示すように、ニードル1
と密栓用のOリング6を付けたパージノズル7が固定さ
れ、図3に示すように各反応容器に一対で対応して複数
個具備されている。
置の概略図である。ニードル1等を保持したアーム2を
水平方向および垂直方向に移動できるように各々モータ
ー3、4が装備されている。ニードル1には反応液ステ
ーション12に配置された原料、試薬等の反応液を反応
容器5に吸引注入する反応液の吸引注入ライン14(図
3には図示せず、図5を参照)と反応容器5にガスを注
入するためのガス供給ライン10a(図3には図示せ
ず、図5を参照)とが連結して接続されており、さらに
温度検知具1bの一端が導き出され(導線1d)、該導
線1dは制御部に接続される。パージ部は反応終了後あ
るいはレジン洗浄後、未反応の試薬、溶媒、洗浄液を反
応容器5の上面をシールし、ガス導入によるガス圧で不
要物排出ライン8(図3には図示せず、図5を参照)に
送るために配設され、図4に示すように密栓用のOリン
グ6を付けたパージノズル7から構成されている。反応
容器5にはヒートブロック5bが設置され、ニードル1
に固着させた温度検知具1bを介して制御部より温度調
節される。アーム2には図4に示すように、ニードル1
と密栓用のOリング6を付けたパージノズル7が固定さ
れ、図3に示すように各反応容器に一対で対応して複数
個具備されている。
【0009】図3、図5においては、5本の反応レーン
が例示されているが、これをさらに多くまたはさらに少
なくすることも可能である。また図3、図4ではニード
ル1とパージノズル7が同一のアーム2に装着されてい
るが、図5のように、別々の駆動アーム2、2’に装着
してもよい。
が例示されているが、これをさらに多くまたはさらに少
なくすることも可能である。また図3、図4ではニード
ル1とパージノズル7が同一のアーム2に装着されてい
るが、図5のように、別々の駆動アーム2、2’に装着
してもよい。
【0010】反応容器5は底部にフィルターを有する使
い捨て可能なものが望ましく、例えばその底部にポリア
ルキレンフィルターを充填したポリプロピレン製の反応
容器が例示される。具体的にはポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリビニリデンフルオライド等が例示され、中
でもポリプロピレンが好ましい。フィルターの繊維の太
さ、反応容器内に充填するフィルター層の厚さ等は、特
に制限されるものではなく、通常の範囲のものでよく、
例えばレジンは200〜400メッシュ(125〜63
μm)なので、これを通過しないものならよく、通常5
〜10μm程度のものが使用される。
い捨て可能なものが望ましく、例えばその底部にポリア
ルキレンフィルターを充填したポリプロピレン製の反応
容器が例示される。具体的にはポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリビニリデンフルオライド等が例示され、中
でもポリプロピレンが好ましい。フィルターの繊維の太
さ、反応容器内に充填するフィルター層の厚さ等は、特
に制限されるものではなく、通常の範囲のものでよく、
例えばレジンは200〜400メッシュ(125〜63
μm)なので、これを通過しないものならよく、通常5
〜10μm程度のものが使用される。
【0011】反応容器本体の素材としては、固相レジン
に対して静電気などをおこしにくい素材であればよく、
特に安価で、生成したぺプチドの不特異的吸着の少ない
ポリプロピレンが好ましい。このような反応容器のフィ
ルターは目詰まりを起こしやすいという問題がないた
め、反応容器の使用時にフィルターを前処理する必要は
ない。従って、本発明におけるような多種品目同時化学
合成に適している。
に対して静電気などをおこしにくい素材であればよく、
特に安価で、生成したぺプチドの不特異的吸着の少ない
ポリプロピレンが好ましい。このような反応容器のフィ
ルターは目詰まりを起こしやすいという問題がないた
め、反応容器の使用時にフィルターを前処理する必要は
ない。従って、本発明におけるような多種品目同時化学
合成に適している。
【0012】図5は図3で示される多種品目同時化学反
応装置を使用した固相合成装置を示す概略図である。反
応容器5には前記のような固相レジンを充填した底部に
フィルターを有する使い捨て可能なものが使用され、各
反応容器には各ニードル1とパージ部では各パージノズ
ル7が一対で対応して駆動する。ガスとしては反応に影
響を与えないものであればよく、例えば安価な窒素ガス
が好ましい。
応装置を使用した固相合成装置を示す概略図である。反
応容器5には前記のような固相レジンを充填した底部に
フィルターを有する使い捨て可能なものが使用され、各
反応容器には各ニードル1とパージ部では各パージノズ
ル7が一対で対応して駆動する。ガスとしては反応に影
響を与えないものであればよく、例えば安価な窒素ガス
が好ましい。
【0013】バブリング用ガスライン9は、より早く均
一な反応を行うために反応容器5の底部から反応容器内
にガスを導入して攪拌するためのものであり、不要物排
出ライン8は、反応終了後、未反応の試薬、溶媒、副生
成物等の不要な物質を反応容器5の底部から排出するラ
インである。バブリング用ガスライン9と不要物排出ラ
イン8は、反応容器5の底部と三方バルブ等を介して連
結されている。
一な反応を行うために反応容器5の底部から反応容器内
にガスを導入して攪拌するためのものであり、不要物排
出ライン8は、反応終了後、未反応の試薬、溶媒、副生
成物等の不要な物質を反応容器5の底部から排出するラ
インである。バブリング用ガスライン9と不要物排出ラ
イン8は、反応容器5の底部と三方バルブ等を介して連
結されている。
【0014】また、反応容器内の試薬、溶媒を排出する
ためのガス供給ライン10bが前記のパージノズル7と
連結しており、反応容器内の不要物を排液ボトル15に
排出する際にはガスが導入される。このバブリング用ガ
スライン9と不要物排出ライン8は、各反応容器5に一
対で対応して存在している。
ためのガス供給ライン10bが前記のパージノズル7と
連結しており、反応容器内の不要物を排液ボトル15に
排出する際にはガスが導入される。このバブリング用ガ
スライン9と不要物排出ライン8は、各反応容器5に一
対で対応して存在している。
【0015】また、反応液ステーション12に配置され
た原料、試薬等の反応液を反応液吸引注入器により吸引
し反応容器内に注入する反応液の吸引注入ライン14
は、洗浄液ボトル13から洗浄液を反応容器内に注入す
るラインでもある。反応液吸引注入器には、各反応容器
に一対で対応したシリンジとそれぞれ独立にピストンを
動かすモータが具備されており、各ラインの反応容器に
それぞれ異なる液量の反応液を供給することができる。
また、ガス供給ライン10aは、劣化を防ぐために、反
応液ステーション12にセットされた原料、試薬、溶
媒、触媒等を吸引注入ライン14を用いて注入した後、
バブリングしてそれらをよく混合するために用いられ
る。この反応液の吸引注入ライン14とガス供給ライン
10aは、ニードルと三方バルブを介したラインと連結
されている。
た原料、試薬等の反応液を反応液吸引注入器により吸引
し反応容器内に注入する反応液の吸引注入ライン14
は、洗浄液ボトル13から洗浄液を反応容器内に注入す
るラインでもある。反応液吸引注入器には、各反応容器
に一対で対応したシリンジとそれぞれ独立にピストンを
動かすモータが具備されており、各ラインの反応容器に
それぞれ異なる液量の反応液を供給することができる。
また、ガス供給ライン10aは、劣化を防ぐために、反
応液ステーション12にセットされた原料、試薬、溶
媒、触媒等を吸引注入ライン14を用いて注入した後、
バブリングしてそれらをよく混合するために用いられ
る。この反応液の吸引注入ライン14とガス供給ライン
10aは、ニードルと三方バルブを介したラインと連結
されている。
【0016】また、ニードル1およびパージ部のパージ
ノズル7の反応液接触部の洗浄手段として、洗浄ポート
11を設け、これらの反応液接触部を試薬注入後や反応
終了後に洗浄する。なお、反応液ステーション12、洗
浄液ボトル13等は合成経路に応じてその数を適宜選択
することができる。またコンピューター制御による自動
装置としてもよい。
ノズル7の反応液接触部の洗浄手段として、洗浄ポート
11を設け、これらの反応液接触部を試薬注入後や反応
終了後に洗浄する。なお、反応液ステーション12、洗
浄液ボトル13等は合成経路に応じてその数を適宜選択
することができる。またコンピューター制御による自動
装置としてもよい。
【0017】本発明の多種品目同時化学反応装置の使用
方法として、BOP/HOBtによるペプチド合成を例
として説明する。まず、レジンを入れた反応容器5を所
定の位置に配置し、HOBt(N−ハイドロキシベンゾ
トリアゾール)、NMM(N−メチルモルホリン)、ピ
ペリジン、メタノール、t−ブチルメチルエーテルおよ
び使用する各アミノ酸(粉末)とPyBOP(ベンゾト
リアゾール−1−イルオキシ−トリス−ピロリジノ−ホ
スホニウム ヘキサフルオロホスファイト)を混ぜたも
のを反応容器に対応した反応液ステーション12に配置
する。洗浄ボトル13内の溶媒にはDMF(ジメチルホ
ルムアミド)を使用する。以下のオペレーションはマイ
クロコンピュータにて制御される。
方法として、BOP/HOBtによるペプチド合成を例
として説明する。まず、レジンを入れた反応容器5を所
定の位置に配置し、HOBt(N−ハイドロキシベンゾ
トリアゾール)、NMM(N−メチルモルホリン)、ピ
ペリジン、メタノール、t−ブチルメチルエーテルおよ
び使用する各アミノ酸(粉末)とPyBOP(ベンゾト
リアゾール−1−イルオキシ−トリス−ピロリジノ−ホ
スホニウム ヘキサフルオロホスファイト)を混ぜたも
のを反応容器に対応した反応液ステーション12に配置
する。洗浄ボトル13内の溶媒にはDMF(ジメチルホ
ルムアミド)を使用する。以下のオペレーションはマイ
クロコンピュータにて制御される。
【0018】1.DMF洗浄 吸引注入ライン14より反応容器5にDMFを注入、バ
ブリング用ガスライン9よりガスを送りレジンを洗浄、
パージ部にて反応容器上面を密閉し、反応容器5内のD
MFを排液ボトル15へ送り出す。 2.ピペリジン洗浄 ロボットアーム2にてニードル1を反応液ステーション
12中のピペリジン容器に移動させ、ピペリジンを吸引
注入ライン14内に吸引後、反応容器5へニードルを動
かしピペリジンを注入し、DMF洗浄の場合と同様にし
てバブリングして、レジンの保護基をはずす。反応後、
パージする。2サイクル以降は、ペプチドのNα位の保
護基をはずす工程となる。尚、ピペリジンの使用目的は
Nα保護基を外すことであり、この目的にかなうもので
あれば他の試薬で洗浄を行なうことも可能である。 3.ピペリジン洗浄 (2のピペリジン洗浄の工程と同じである) 4.DMF洗浄 (1のDMF洗浄の工程と同じである) 5.アミノ酸活性化 反応液ステーションに準備した次に合成するアミノ酸の
入った容器に、ロボットアーム2およびニードル1にて
HOBt、NMMを注入する。洗浄ポート11でニード
ル1および吸引注入ライン14内の液を排出した後、ア
ミノ酸の入った容器内をニードルの先端から送るガスで
バブリングして溶かす。尚、本反応は室温の状態で行わ
れる。 6.カップリング 5で活性化したアミノ酸を反応容器5に吸引注入ライン
14によって移し、バブリング用ガスライン9によりバ
ブリングし、反応終了後パージする。温度検知具を介し
て制御部より調整されるヒートブロックにより、反応容
器を通常、40〜60℃となるように保持する。この
時、保護アミノ酸の種類および目的とするペプチドの種
類により異なる温度が要求される。 7.DMF洗浄 (1のDMF洗浄の工程と同じである) 以上を、合成するペプチドのアミノ酸残基数だけ繰り返
す。その後、最終サイクルとして上記4ステップまで行
った後、ピペリジンと同様に、メタノールとt−ブチル
メチルエーテルで洗浄し、最後にパージ部より窒素ガス
を導入してレジンを乾燥させて終了する。本発明の多種
品目同時化学反応装置は、特にペプチド、核酸、糖鎖等
の生化学的物質の合成に適している。
ブリング用ガスライン9よりガスを送りレジンを洗浄、
パージ部にて反応容器上面を密閉し、反応容器5内のD
MFを排液ボトル15へ送り出す。 2.ピペリジン洗浄 ロボットアーム2にてニードル1を反応液ステーション
12中のピペリジン容器に移動させ、ピペリジンを吸引
注入ライン14内に吸引後、反応容器5へニードルを動
かしピペリジンを注入し、DMF洗浄の場合と同様にし
てバブリングして、レジンの保護基をはずす。反応後、
パージする。2サイクル以降は、ペプチドのNα位の保
護基をはずす工程となる。尚、ピペリジンの使用目的は
Nα保護基を外すことであり、この目的にかなうもので
あれば他の試薬で洗浄を行なうことも可能である。 3.ピペリジン洗浄 (2のピペリジン洗浄の工程と同じである) 4.DMF洗浄 (1のDMF洗浄の工程と同じである) 5.アミノ酸活性化 反応液ステーションに準備した次に合成するアミノ酸の
入った容器に、ロボットアーム2およびニードル1にて
HOBt、NMMを注入する。洗浄ポート11でニード
ル1および吸引注入ライン14内の液を排出した後、ア
ミノ酸の入った容器内をニードルの先端から送るガスで
バブリングして溶かす。尚、本反応は室温の状態で行わ
れる。 6.カップリング 5で活性化したアミノ酸を反応容器5に吸引注入ライン
14によって移し、バブリング用ガスライン9によりバ
ブリングし、反応終了後パージする。温度検知具を介し
て制御部より調整されるヒートブロックにより、反応容
器を通常、40〜60℃となるように保持する。この
時、保護アミノ酸の種類および目的とするペプチドの種
類により異なる温度が要求される。 7.DMF洗浄 (1のDMF洗浄の工程と同じである) 以上を、合成するペプチドのアミノ酸残基数だけ繰り返
す。その後、最終サイクルとして上記4ステップまで行
った後、ピペリジンと同様に、メタノールとt−ブチル
メチルエーテルで洗浄し、最後にパージ部より窒素ガス
を導入してレジンを乾燥させて終了する。本発明の多種
品目同時化学反応装置は、特にペプチド、核酸、糖鎖等
の生化学的物質の合成に適している。
【0019】
【作用】ヒートブロック−制御部−温度検知手段によ
り、反応容器内の温度を所定の温度に保持できることか
ら、反応速度が早くなる。また伸長した側鎖保護ペプチ
ドのの立体構造(アグリゲーション)形成のもとになる
水素結合等が壊され、反応にあづかる固相上のペプチド
鎖のアミノ基が溶媒中に露出して反応が進むので、欠陥
ペプチドの生成が防止される。更に、収率などでも好結
果が得られる。同様にアミノ酸容器内の温度を所定の温
度に保持できることから、活性試薬の活性エネルギーを
高めることができる。また、反応容器の下からバブリン
グする場合、ニードルで温度検知しながらバブリング時
の気泡膜や固相支持体の固化を防ぐことができる。さら
に本発明の装置は、反応液の吸引注入ラインを各反応容
器毎に独立してあること、不要物排出ラインも独立して
いること、各反応容器に一対で対応して各ニードルが各
反応容器を担当しているため、1反応あたりの所要時
間を短縮できる、さらに、反応液の接触部の洗浄手段
を具備することから、副反応やクロスコンタミネーショ
ンが解決できる、特定のフィルターを有する反応容器
を使用することから、同時クリーベイジ(固相より目的
とする反応生成物を取り出す反応)を本発明の装置内で
行なうことも可能である。また、不要物排出ラインを各
反応容器毎に独立してあることから、個々の反応をモニ
ターすることが可能である。
り、反応容器内の温度を所定の温度に保持できることか
ら、反応速度が早くなる。また伸長した側鎖保護ペプチ
ドのの立体構造(アグリゲーション)形成のもとになる
水素結合等が壊され、反応にあづかる固相上のペプチド
鎖のアミノ基が溶媒中に露出して反応が進むので、欠陥
ペプチドの生成が防止される。更に、収率などでも好結
果が得られる。同様にアミノ酸容器内の温度を所定の温
度に保持できることから、活性試薬の活性エネルギーを
高めることができる。また、反応容器の下からバブリン
グする場合、ニードルで温度検知しながらバブリング時
の気泡膜や固相支持体の固化を防ぐことができる。さら
に本発明の装置は、反応液の吸引注入ラインを各反応容
器毎に独立してあること、不要物排出ラインも独立して
いること、各反応容器に一対で対応して各ニードルが各
反応容器を担当しているため、1反応あたりの所要時
間を短縮できる、さらに、反応液の接触部の洗浄手段
を具備することから、副反応やクロスコンタミネーショ
ンが解決できる、特定のフィルターを有する反応容器
を使用することから、同時クリーベイジ(固相より目的
とする反応生成物を取り出す反応)を本発明の装置内で
行なうことも可能である。また、不要物排出ラインを各
反応容器毎に独立してあることから、個々の反応をモニ
ターすることが可能である。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 ニューロキニンA(His-Lys-Thr-Asp-Ser-Phe-Val-Gly-
Leu-Met-NH2 )の合成 合成ペプチドとして、10アミノ酸残基(His-Lys-Thr-
Asp-Ser-Phe-Val-Gly-Leu-Met-NH2 )からなるペプチド
(以下、ペプチドAと略す)を用いてカップリング効率
に対する温度の影響および合成サイクル所要時間の影響
について検討を行った。このペプチドはニューロキニン
Aとして知られる物質である。10倍当量のアシル成分
を用いて、レジンはTentaGel-RAMのみを使用し、各アミ
ノ酸の導入を行い、PyBOP/HOBt法を用いて合成を行っ
た。合成には、本発明の多種品目同時化学反応装置を用
いた。サイクル所要時間は、通常サイクル(51分)と
迅速サイクル(25分)の2種を用いた。迅速サイクル
は、下記に示すように、通常サイクルのプロトコールを
ソウトウエアー上で変更して実施した。カップリング効
率に対する温度の影響(室温、40℃および60℃)
は、逆相HPLC上でのパターンで検討した。カップリ
ング時の温度コントロールは、図2に示されるように、
反応容器5aの周りにヒートブロック5bを具備し、温
度検知具1bを有するニードル1を用いることによっ
て、一定温度を保持した。
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 ニューロキニンA(His-Lys-Thr-Asp-Ser-Phe-Val-Gly-
Leu-Met-NH2 )の合成 合成ペプチドとして、10アミノ酸残基(His-Lys-Thr-
Asp-Ser-Phe-Val-Gly-Leu-Met-NH2 )からなるペプチド
(以下、ペプチドAと略す)を用いてカップリング効率
に対する温度の影響および合成サイクル所要時間の影響
について検討を行った。このペプチドはニューロキニン
Aとして知られる物質である。10倍当量のアシル成分
を用いて、レジンはTentaGel-RAMのみを使用し、各アミ
ノ酸の導入を行い、PyBOP/HOBt法を用いて合成を行っ
た。合成には、本発明の多種品目同時化学反応装置を用
いた。サイクル所要時間は、通常サイクル(51分)と
迅速サイクル(25分)の2種を用いた。迅速サイクル
は、下記に示すように、通常サイクルのプロトコールを
ソウトウエアー上で変更して実施した。カップリング効
率に対する温度の影響(室温、40℃および60℃)
は、逆相HPLC上でのパターンで検討した。カップリ
ング時の温度コントロールは、図2に示されるように、
反応容器5aの周りにヒートブロック5bを具備し、温
度検知具1bを有するニードル1を用いることによっ
て、一定温度を保持した。
【0021】 各サイクルのプロトコール 反応ステップ 通常サイクル 迅速サイクル 時間×回数 時間×回数 初期レジン洗浄 3分×1 1分×1 非ブロック化 4分×1 3分×2 PIP除去 1分×1 1分×4 カップリング 30分 10分 アミノ酸除去 1分×5 1分×4 所要時間 51分 25分
【0022】クリーベイジ後の粗ペプチドは、SynProPe
p(登録商標) RPC18 分析カラム(4.6×150mm)
を用いて逆相HPLCで分析し、その主ピークを分取し
た。この主ピークが目的物であることは、島津−クレイ
トスConcept 2Hを用いるFAB-質量分析により確認した。
次いで、SynProPep(登録商標) RPC18 分取用カラム(2
0×150mm)を用いて、プレパラティブに精製を行
い、凍結乾燥によってペプチドAを得た。このペプチド
は、島津プロテインシーケンサーPSQ-1 を用いるシーケ
ンス分析によりアミノ酸配列の確認を行った。さらに、
ラセミ化の検定をD/Lアミノ酸分析装置(島津−CA
T DLAA-1 )を用いて行った。
p(登録商標) RPC18 分析カラム(4.6×150mm)
を用いて逆相HPLCで分析し、その主ピークを分取し
た。この主ピークが目的物であることは、島津−クレイ
トスConcept 2Hを用いるFAB-質量分析により確認した。
次いで、SynProPep(登録商標) RPC18 分取用カラム(2
0×150mm)を用いて、プレパラティブに精製を行
い、凍結乾燥によってペプチドAを得た。このペプチド
は、島津プロテインシーケンサーPSQ-1 を用いるシーケ
ンス分析によりアミノ酸配列の確認を行った。さらに、
ラセミ化の検定をD/Lアミノ酸分析装置(島津−CA
T DLAA-1 )を用いて行った。
【0023】その結果を図6および図7に示す。図6は
室温において、2種のサイクルを用いて合成し、クリー
ベイジによってレジンから切り離された粗ペプチドの、
逆相HPLCによる分析結果である。図7は室温、40
℃および60℃において、2種のプロトコールを用いて
合成された粗ペプチドの、逆相HPLCによる分析結果
である。
室温において、2種のサイクルを用いて合成し、クリー
ベイジによってレジンから切り離された粗ペプチドの、
逆相HPLCによる分析結果である。図7は室温、40
℃および60℃において、2種のプロトコールを用いて
合成された粗ペプチドの、逆相HPLCによる分析結果
である。
【0024】図6および図7における、HPLCの測定
条件は以下の通りである。 カラム:SynProPep(登録商標) RPC18 (4.6×150 mm) 溶離液:0.01N HCl/CH3 CN=85/15 〜55/45 (30 分) 溶出速度:1.0 ml/分, 210 nmで測定
条件は以下の通りである。 カラム:SynProPep(登録商標) RPC18 (4.6×150 mm) 溶離液:0.01N HCl/CH3 CN=85/15 〜55/45 (30 分) 溶出速度:1.0 ml/分, 210 nmで測定
【0025】図6に示すように、迅速サイクルによる合
成(10分間カップリング)では、主ピーク以外の数種
のピークがクロマトグラム上に認められた。また、通常
サイクルによる合成(30分間カップリング)において
も、同様に数種のピークがクロマトグラム上に認められ
た。尚、いずれのサイクルにおいても、主ピークがペプ
チドAであり、これより遅れて溶出する数種のピークが
ペプチドAの一部のアミノ酸を欠いた欠損ペプチドであ
ることは、シーケンス分析およびFAB-MS分析により確認
された。
成(10分間カップリング)では、主ピーク以外の数種
のピークがクロマトグラム上に認められた。また、通常
サイクルによる合成(30分間カップリング)において
も、同様に数種のピークがクロマトグラム上に認められ
た。尚、いずれのサイクルにおいても、主ピークがペプ
チドAであり、これより遅れて溶出する数種のピークが
ペプチドAの一部のアミノ酸を欠いた欠損ペプチドであ
ることは、シーケンス分析およびFAB-MS分析により確認
された。
【0026】さらに、図7に示すように、迅速サイクル
および通常サイクルによる合成のいずれにおいても、温
度の上昇に従って、欠損ペプチドによるピークが減少す
る傾向が認められた。また、いずれのサイクルにおいて
も、温度の上昇に従い、主ピーク(ペプチドA)の生成
効率が向上する傾向が認められた。また、60℃の場
合、迅速サイクル(10分間カップリング)の方が、主
ピーク(ペプチドA)の生成効率が高かった。これは、
高温で長時間反応を行うことによって副生成物が増加す
るためと推測される。また、ペプチドの合成においては
ラセミ化の問題は、極めて重要であり、一般により高い
温度においてアシル化成分のラセミ化の可能性があるこ
とが知られている。本実施例において得られたペプチド
Aについて、D/Lアミノ酸分析を行った結果、高温で
カップリングを行っても、顕著なラセミ化は認められな
かった。尚、本実施例においては、本発明の装置を用い
て1種のアミノ酸のみを合成したが、本発明の装置を用
いれば、同時に複数種のアミノ酸を合成することが可能
である。
および通常サイクルによる合成のいずれにおいても、温
度の上昇に従って、欠損ペプチドによるピークが減少す
る傾向が認められた。また、いずれのサイクルにおいて
も、温度の上昇に従い、主ピーク(ペプチドA)の生成
効率が向上する傾向が認められた。また、60℃の場
合、迅速サイクル(10分間カップリング)の方が、主
ピーク(ペプチドA)の生成効率が高かった。これは、
高温で長時間反応を行うことによって副生成物が増加す
るためと推測される。また、ペプチドの合成においては
ラセミ化の問題は、極めて重要であり、一般により高い
温度においてアシル化成分のラセミ化の可能性があるこ
とが知られている。本実施例において得られたペプチド
Aについて、D/Lアミノ酸分析を行った結果、高温で
カップリングを行っても、顕著なラセミ化は認められな
かった。尚、本実施例においては、本発明の装置を用い
て1種のアミノ酸のみを合成したが、本発明の装置を用
いれば、同時に複数種のアミノ酸を合成することが可能
である。
【0027】
【発明の効果】本発明の装置を用いることにより、合成
反応系の効率化を図ることができる。特に温度を上げ、
温度調節することにより活性化の促進、カップリング効
率の向上を図ることができる。従って、反応収量、合成
に要する時間、さらに合成品の純度においても高効率の
多種品目同時化学反応(たとえばペプチド固相合成)が
可能となる。また、ペプチド合成の容易さはその構成ア
ミノ酸の種類と配列とにより個々に大きく異なるため、
本発明の装置を用いることにより、各々の系で異なる試
薬、異なる反応方法を用いても同時に多種品目の合成が
行なえる。従って、本発明の装置は異なる方法で同一の
目的ペプチドを合成する際に、合成試薬の評価、合
成法の評価を並行して行なうこともできる。さらにまた
多種の類似化合物、関連化合物を同時に合成できるた
め、その応用範囲は広くエピトープマッピングや構造活
性相関の検討あるいはより活性の高いアナログのスクリ
ーニングに有用である。
反応系の効率化を図ることができる。特に温度を上げ、
温度調節することにより活性化の促進、カップリング効
率の向上を図ることができる。従って、反応収量、合成
に要する時間、さらに合成品の純度においても高効率の
多種品目同時化学反応(たとえばペプチド固相合成)が
可能となる。また、ペプチド合成の容易さはその構成ア
ミノ酸の種類と配列とにより個々に大きく異なるため、
本発明の装置を用いることにより、各々の系で異なる試
薬、異なる反応方法を用いても同時に多種品目の合成が
行なえる。従って、本発明の装置は異なる方法で同一の
目的ペプチドを合成する際に、合成試薬の評価、合
成法の評価を並行して行なうこともできる。さらにまた
多種の類似化合物、関連化合物を同時に合成できるた
め、その応用範囲は広くエピトープマッピングや構造活
性相関の検討あるいはより活性の高いアナログのスクリ
ーニングに有用である。
【図1】図1は、ニードル先端部の拡大図を示す。
【図2】図2は、ヒートブロックを具備した反応容器ま
たはアミノ酸容器を示す図である。
たはアミノ酸容器を示す図である。
【図3】図3は、本発明の多種品目同時化学反応装置の
概略図である。
概略図である。
【図4】図4は、本発明の多種品目同時化学反応装置に
おけるニードルとパージ部の概略図である。
おけるニードルとパージ部の概略図である。
【図5】図5は、本発明の多種品目同時化学反応装置を
使用した固相合成装置の概略図である。
使用した固相合成装置の概略図である。
【図6】図6は、本発明の装置を用いて、実施例1にお
いて異なるカップリングサイクルにより合成した粗ぺプ
チドのHPLCの結果である。
いて異なるカップリングサイクルにより合成した粗ぺプ
チドのHPLCの結果である。
【図7】図7は、本発明の装置を用いて、実施例1にお
いて異なるカップリング温度により合成した粗ぺプチド
のHPLCの結果である。
いて異なるカップリング温度により合成した粗ぺプチド
のHPLCの結果である。
1 ニードル 1a ニードル先端 1b 温度検知具 1c 皮膜 1d 導線 2 アーム 2’ アーム 3 モーター 4 モーター 5 反応容器 5a 反応容器 5b ヒートブロック 5c ヒータ 6 Oリング 7 パージノズル 8 不要物排出ライン 9 バブリング用ガスライン 10a ガス供給ライン 10b ガス供給ライン 11 洗浄ポート 12 反応液ステーション 13 洗浄液ボトル 14 反応液の吸引注入ライン 15 排液ボトル
Claims (1)
- 【請求項1】 制御部と連結し特定の温度に保持できる
ヒートブロックが設置された反応容器であってかつ底部
にフィルターを有する複数の反応容器と、該制御部と連
結した温度検知手段を有するニードルであってかつ各反
応容器に一対で対応して構成された反応液の吸引注入ラ
インとガス供給ラインとが連結した複数のニードルと、
各ニードルを保持し水平および垂直方向に移動可能に配
設されたアームと、各反応容器に一対で対応して構成さ
れた反応容器の底部に連結されるバブリング用ガスライ
ンおよび不要物排出ラインと、該不要物排出ラインと連
動するパージ部、およびニードルとパージ部の反応液接
触部を洗浄する洗浄手段を設けて構成したことを特徴と
する多種品目同時化学反応装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4359496A JP2616370B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 多種品目同時化学反応装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4359496A JP2616370B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 多種品目同時化学反応装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06190264A JPH06190264A (ja) | 1994-07-12 |
JP2616370B2 true JP2616370B2 (ja) | 1997-06-04 |
Family
ID=18464806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4359496A Expired - Fee Related JP2616370B2 (ja) | 1992-12-24 | 1992-12-24 | 多種品目同時化学反応装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2616370B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2295048A1 (en) * | 1997-06-16 | 1998-12-23 | Chemspeed Ltd. | Apparatus for heating/cooling gases,liquids and/or solids in a reaction vessel |
CA2294941A1 (en) * | 1997-06-16 | 1998-12-23 | Chemspeed Ltd. | Reaction vessel holding device |
CN106140028B (zh) * | 2016-08-19 | 2018-06-26 | 黄国镇 | 反应釜用定量送液装置及其使用方法 |
JP6941785B2 (ja) * | 2016-10-13 | 2021-09-29 | シンフォニアテクノロジー株式会社 | 培養容器連結装置、培養システムおよびニードルの洗浄方法 |
-
1992
- 1992-12-24 JP JP4359496A patent/JP2616370B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06190264A (ja) | 1994-07-12 |
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Legal Events
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