JP4875301B2 - 希土類添加光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

希土類添加光ファイバ母材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、主に光増幅器として利用される希土類元素が添加された希土類添加光ファイバに関し、特にコアスートに希土類元素を気相状態で添加する希土類添加光ファイバ母材の製造方法およびこの希土類添加光ファイバ母材から作製された希土類添加光ファイバに関するものである。
近年の光ファイバ伝送路における情報量の増大に伴い波長分割多重(WDM)伝送を用いた通信容量の大容量化が進んでいる。WDMは、複数の波長の光を1本の光ファイバで伝送する方式である。そして、WDM伝送における大容量化のためには、信号光を電気変換せず、光のまま高い効率で増幅することができ、広帯域で利用可能な光ファイバ増幅器が不可欠となっている。
従来、広帯域で利用可能な光ファイバ増幅器として、希土類元素が添加された光ファイバを増幅媒体として用いることが広く行われている。特に、希土類元素の中でもEr(エルビウム)が添加されたエルビウム添加光ファイバ(EDF)を用いたエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)の研究・開発が行われ、実用化されている。このEDFAは、EDFに励起光を注入することで信号光を増幅する光ファイバ増幅器であり、EDFのコア部に添加されたエルビウムの電子が励起光のエネルギーにより励起され、それが基底レベルに戻る際に放出される誘導光を利用して信号光の増幅を行っている。
希土類元素の添加方法には2つの方法がある。1つは、気相軸付け法(Vapor-phase Axial Deposition method:VAD法)または外側気相堆積法(Outside Vapor Deposition method:OVD法)などで作製したコア用多孔質母材(以降、コアスートと呼ぶ。)を希土類元素に溶存させた液体に含浸させて希土類元素を添加する溶液含浸法であり、もう1つは、同じくVAD法またはOVD法などで作製したコアスートに気相で希土類元素を添加する気相添加法である。
溶液含浸法は、比較的容易に安定して希土類元素を添加することができるため、最も多く用いられている方法である。
気相添加法は、さらに2つの方法に分かれ、1つは、コアスート合成時に同時に添加する方法であり、もう1つは、コアスートを合成した後に添加する方法である。コアスート合成時に同時に添加する方法の一例として、例えばMCVD法において希土類元素塩化物を加熱、気化させ、気体の状態でSiCl4等の原料と共に酸化反応させてガラス微粒子を同時合成する方法や、VAD法、OVD法においてSiCl4、GeCl4と共に希土類元素を含有する気体を酸水素火炎中で同時に反応させてガラス微粒子を合成する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
一方、コアスートを合成した後、希土類元素を添加する方法においては、以下のようにして、コアスートから光ファイバ母材が作製される。すなわち、まずVAD法やOVD法などで合成したコアスートを加熱炉に収容し、同時に加熱炉下部に希土類塩化物を収容し、この状態で昇温することで希土類塩化物が気化してコアスート内に浸透し、同時にコアスートが透明ガラス化され希土類元素を含んだ希土類添加光ファイバ母材が作製される(例えば、非特許文献1参照)。
Jay Simpson, "Fabrication of Rare-Earth Doped Glass Fibers", Fiber Laser Sources and Amplifiers,1989,vol.1171
しかしながら、溶液含浸法に関しては、安定して希土類元素を添加することはできるが、希土類元素がクラスタリングを起こしやすいという問題がある。したがって、励起光のエネルギー吸収率を大きくしようとして希土類元素を高濃度で添加しようとすると濃度消光が起こり、変換効率が低下してしまうという課題がある。このため、この溶液含浸法では、変換効率をさらに向上させたいという最近の要求に対応することができない。
さらに、この溶液含浸法では、コアスートを溶液に浸すので、コアスートの強度が落ち、ガラス化工程時に割れやすくなる。そのため、例えばVAD法またはOVD法で合成したコアスートを溶液に浸す前に1200℃程度で仮焼結させ、密度を高くする必要がある。さらに含浸工程や乾燥工程は長時間を必要とするので、製造工程の時間短縮が難しいという問題もある。
一方、気相添加法では、VAD法やOVD法を用いた場合には、プロファイル制御が容易でないという問題がある。また、MCVD法を用いた場合はVAD法やOVD法に比べてプロファイル制御は容易になるが、大型母材の形成が難しく大量生産に向かないという問題もある。
また、気相添加法のうちコアスートを合成した後に希土類元素を添加する方法では、希土類元素を気化させる温度、コアスートに希土類元素気体を浸透、沈着させる温度、コアスートを透明ガラス化させる温度を同時に最適な温度にする必要があり、希土類元素濃度の制御や高濃度添加が極めて困難であるという課題もある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高濃度の希土類元素を安定して添加することができる希土類添加光ファイバ母材の製造方法およびこの製造方法を用いて作製した希土類添加光ファイバを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る第1の希土類添加光ファイバ母材の製造方法は、VAD法またはOVD法のいずれか一方の方法によりコアスートを形成し、その後に、前記コアスートに希土類元素を気相状態で添加する希土類添加光ファイバ母材の製造方法において、希土類元素を含む気体を発生させる第1のヒートゾーンと、前記コアスートを加熱する第2のヒートゾーンとを設け、それぞれを独立に温度制御して希土類添加光ファイバ母材を作製する。
また、この発明に係る第2の希土類添加光ファイバ母材の製造方法は、前記コアスートのかさ密度が0.35g/cm3以下である。
また、この発明に係る第3の希土類添加光ファイバ母材の製造方法は、前記希土類元素として少なくともエルビウムを含む。
また、この発明に係る第4の希土類添加光ファイバ母材の製造方法は、前記希土類元素気体を得る際に、希土類金属とCl2を反応させることにより希土類塩化物気体を発生させる。
また、この発明に係る第5の希土類添加光ファイバ母材の製造方法は、前記希土類元素気体を発生させる第1のヒートゾーンの温度を制御することで、前記コアスートに添加される前記希土類元素の添加量を調整する。
また、この発明に係る第6の希土類添加光ファイバは、VAD法またはOVD法のいずれか一方の方法によりコアスートが形成され、該コアスートに希土類元素が気相状態で添加された希土類添加光ファイバであって、前記添加する希土類元素を含む気体を発生させる第1のヒートゾーンと、前記コアスートを加熱する第2のヒートゾーンとが、それぞれ独立に温度制御されて作製されている。
また、この発明に係る第7の希土類添加光ファイバは、コア領域に希土類元素が添加された希土類添加光ファイバであって、前記希土類元素の添加濃度が2000wtppm以上であり、前記希土類添加光ファイバを用いて光増幅器を構成して波長1480nmにおける双方向励起を行ったときの励起光から信号光へのパワー変換効率が90%以上である。
さらに、この発明に係る第8の希土類添加光ファイバは、前記希土類元素として少なくともエルビウムを含む。
本発明の製造方法を用いることにより希土類元素を安定して高濃度に添加することが可能となり、さらに、希土類元素を添加する工程とコアスートを透明ガラス化する工程を分離することができる。気相添加法を用いることにより、溶液含浸法に比べて透明ガラス化中に希土類添加光ファイバ母材が割れにくくなるため、大型母材の作製が可能となる。また、溶液に浸す必要がないので、溶液含浸法では溶液に浸す際に崩れてしまうような密度の低いコアスートでも希土類元素を添加することができる。さらに含浸法に比べて希土類元素のクラスタリングが低減されるため変換効率が高くなる。
以下に、本発明にかかる希土類添加光ファイバ母材の製造方法およびこの製造方法によって作製される希土類添加光ファイバの実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
本発明にかかる希土類添加光ファイバ母材の製造方法は、独立に温度制御可能な2つのヒートゾーンを持つ電気炉を用いて希土類を添加することを特徴とする。この電気炉は上下2段構成になっており、上段ヒートゾーンでコアスート、下段ヒートゾーンで希土類元素を含む気体を発生させる原料をそれぞれ独立に加熱する。
希土類元素を含む気体は、希土類金属を少なくとも1000℃以上に加熱した上でCl2ガスと反応させ、希土類塩化物気体として持ち出すか、あるいは希土類元素を含む化合物を少なくとも1000℃以上に加熱することで希土類元素を含む気体として持ち出すことができる。このとき、下段のヒートゾーンの温度を調整することで添加する希土類元素の量を制御することができる。
また、本発明の希土類添加光ファイバ母材の製造方法は、希土類元素気体を得る際に、希土類金属を用いる。希土類金属はこれまで用いられていた希土類塩化物と比較して空気中で水分と反応しにくく、安定であるため保存が容易である。
本発明にかかる加熱炉の装置図を図1に示す。図1において、加熱炉30は中心部に炉心管を有している。この炉心管はSiCにて作製され、概略円筒状の上部炉心管11と下部炉心管12とが連結されて構成されている。そして、上部炉心管11の周囲に上段ヒーター15が、また下部炉心管12の周囲に下段ヒーター16がそれぞれ設けられている。上段ヒーター15と下段ヒーター16とは、独立に温度制御することができるようにされている。ここで、上段ヒーター15にて熱せられる領域を上段ヒートゾーンとし、下段ヒーター16にて熱せられる領域を下段ヒートゾーンとする。
上部炉心管11と下部炉心管12との連結部から試料保持具17がつり下げられている。希土類金属試料22は、この試料保持具17にセットされて、下部ヒートゾーンの中央部に位置するようにされている。そして、上部炉心管11は上方に移動可能にされており、上部炉心管11を上方に移動した状態で、上部炉心管11と下部炉心管12との間から希土類金属試料22の入れ替えが可能な構造となっている。
(実施例1)
以下に実施例1の上段ヒーター15および下段ヒーター16の温度制御の概略を示す。

上段ヒーター 下段ヒーター
1:脱水工程 1000℃ 昇温せず
2:エルビウム添加・ガラス化工程 1455℃ 1334℃
(1384℃)
本実施例では、まずコアスート21に対して該コアスートに含まれるOH基を取り除く(脱水する)脱水工程を行い、その後、コアスート21にErCl3を付着させるエルビウム添加工程とコアスート21を透明ガラス化するガラス化工程とを同時に行った。
VAD法を用いて作製したGeO2/Al23/SiO2コアスート21を2本用意した。この2本のコアスート21の平均かさ密度はそれぞれ0.22g/cm3、0.26g/cm3であった。このコアスート21を図1に示した加熱炉30を用いて脱水、エルビウム添加およびガラス化を行った。
(1:脱水工程)
上段ヒートゾーンにコアスート21を配置し、金属エルビウム22を下段ヒートゾーンにセットする。そしてまず、下段ヒートゾーンは昇温せずに上段ヒートゾーンのみ1000℃程度に昇温する。この状態で、ガス供給口12aより、ガス(He10リットル/分、酸素2リットル/分、塩素0.1リットル/分)を供給して炉心管内に充満させ、炉心管内が所定の圧力に保たれるよう、ガス排気口11bより適宜ガスを排出する。そして、コアスート21を上方から下方に移動させて、コアスート21の下端から順に上段ヒートゾーンを通過させ、これによりコアスート21の脱水を行った。
(2:エルビウム添加・ガラス化工程)
コアスート21の脱水終了後、ガス(He10リットル/分、塩素0.1リットル/分)を供給しつづけながら、下段ヒートゾーンを加熱してErCl3ガスを発生させる。本実施例では、2本のコアスート21に対して、下段ヒートゾーンの温度をそれぞれ1334℃と1384℃の2水準に変えて製造した。このように、金属エルビウムの加熱温度を1200℃〜1600℃の間で変化させることで、エルビウム添加濃度を調整できる。
そして、HeによりこのErCl3ガスを上段ヒートゾーンに移動させ、コアスートに浸透、沈着させる。そして、同時に上段ヒートゾーンを1455℃に昇温し、この状態で、コアスート21を上方から下方に移動させて、コアスート21の下端から順に上段ヒートゾーンを通過させ、これによりコアスート21のガラス化を行った。なお、エルビウム添加工程およびガラス化工程に要した時間は3時間であった。そして、この方法にて作製された希土類添加光ファイバ母材は表面の割れがないことが確認できた。また、本実施例により得られたコアロッドは外径が約25mmであり、長さが平行部で50mmであった。
また、希土類添加光ファイバ母材中のエルビウム濃度は下段ヒートゾーンの温度が1334℃のとき2000wtppm程度、1384℃のとき3000wtppm程度であった。このように下段ヒートゾーンの温度を調整することでエルビウム添加濃度を制御することができた。
(実施例2)
以下に実施例2の上段ヒーター15および下段ヒーター16の温度制御の概略を示す。

上段ヒーター 下段ヒーター
1:エルビウム添加工程 1000℃ 1384℃
2:酸化工程 (別な炉にて、室温から800℃まで10時間で昇温)
3:脱水工程 1000℃ 昇温せず
4:ガラス化工程 1455℃ 昇温せず
本実施例ではコアスート21(平均かさ密度0.23g/cm3)にErCl3を浸透、沈着させるエルビウム添加工程、ErCl3を酸化させる酸化工程を行った後、コアスート21を脱水・ガラス化した。
(Er添加工程)
実施例1と同様にコアスート21を上段ヒートゾーンに、金属エルビウムを下段ヒートゾーンにセットする。この状態にて、上段ヒートゾーンを1000℃に昇温し、下段ヒートゾーンを1384℃に昇温する。この状態にて、ガス供給口12aから、ガス(He10リットル/分、Cl20.1リットル/分)を供給して、ErCl3ガスを発生させ、コアスート21の下端から順に上段ヒートゾーンを通過させ、これによりコアスート21にErCl3ガスを浸透、沈着させた。
(酸化工程)
この後、コアスート21を一旦取り出し、ヒートゾーンが1つであり、かつヒートゾーンがコアスートの全長を一度に加熱できる程度に広い図4に示す加熱炉50に収容し、10時間かけて室温から800℃まで加熱し、同時に、ガス(アルゴン2リットル/分、酸素8リットル/分)を供給することでコアスートに沈着したErCl3を酸化させた。
(脱水工程、ガラス化工程)
再びコアスート21を図1の加熱炉30にセットし、実施例1の脱水工程およびエルビウム添加・ガラス化工程とほぼ同様な条件にて、脱水工程およびガラス化工程を行った。この方法で得られた希土類添加光ファイバ母材中のエルビウム濃度は5000wtppm程度であった。希土類添加光ファイバ母材は実施例1と同様に表面の割れがないことが確認できた。また、本実施例により得られたコアロッドは外径が約25mmであり、長さが平行部で50mmであった。本実施例のように酸化工程を含めることにより、脱水、ガラス化時にエルビウムが揮発するのを防ぐことができ、より高濃度にエルビウムを添加することができる。
(実施例3)
以下に実施例3の上段ヒーター15および下段ヒーター16の温度制御の概略を示す。

上段ヒーター 下段ヒーター
1:エルビウム添加 1000℃ 1384℃
2:酸化工程 (上段ヒーターのみ室温から800℃まで10時間で昇温)
3:脱水工程 1000℃ 昇温せず
4:ガラス化工程 1455℃ 昇温せず
本実施例では実施例2と同様にコアスート21(平均かさ密度0.23g/cm3)にErCl3を付着させるエルビウム添加工程、ErCl3を酸化させる酸化工程を行った後、脱水・ガラス化した。
ただし、酸化工程は実施例2のように別の加熱炉50を用いずに、添加工程および酸化工程を行った加熱炉30をそのまま用いて行った。したがって、コアスート21を一旦加熱炉30から取り出すことなく、コアロッドを作製した。それ以外の条件は実施例2と同様である。ただし、酸化工程において、室温から800℃までの加熱は、上段ヒートゾーンを800℃に設定し、コアスート21を10時間かけて上段ヒートゾーンに移動することにより行った。
この方法で得られた希土類添加光ファイバ母材中のエルビウム濃度は5000wtppm程度であった。希土類添加光ファイバ母材は実施例1と同様に表面の割れがないことが確認できた。また、本実施例により得られたコアロッドは外径が約25mmであり、長さが平行部で50mmであった。
図3に示す装置によって、上記実施例1、2のエルビウム添加光ファイバ45に関して、励起光から信号光のパワー変換効率を測定した。測定は図3に示す1480nmの双方光励起で行った。信号光光源としてDFB光源41を使い1480nm励起光源47,53にて双方向励起を行っている。信号光と励起光の出力強度をパワーメータ57で測定し本文中に記載したパワー変換効率(PCE)を下記定義式を用いて導出した。

PCE=((Ps out−Ps in)/(PP F+PP B))×100[%]
ここで、Ps outは信号光の出力強度、Ps inは信号光の入力強度、PP Fは前方励起光の入力強度、PP Bは後方励起光の入力強度である。それぞれの強度はEDF端面のものである。信号光波長は1553nm、強度は−3dBmである。なお、この測定において融着ロス及び部品ロスは除外して測定している。
図2はパワー変換効率のエルビウム添加濃度依存性を示すグラフである。図2において、縦軸はパワー変換効率[%]、エルビウム添加濃度[ppm]を示している。点線が従来技術の含浸法、一点鎖線がMCVD法を用いた気相添加法(多孔質コアスートを合成する際にエルビウムを添加する方法)、実線が本実施例のパワー変換効率のエルビウム添加濃度依存性を示す。どの製法においてもエルビウム添加濃度が高くなるほどパワー変換効率が低下しているが、本実施例のものでは従来と比較してパワー変換効率の低下が低減されていることが分かる。
溶液含浸法で作製したEDFのパワー変換効率はエルビウム濃度がおおむね1000wtppm、1500wtppm、2000wtppmのとき、それぞれ90%、82%、75%である。エルビウム濃度が1500wtppmを超えると濃度消光によりパワー変換効率の低下が顕著になっていた。本実施例1,2のEDFではエルビウム濃度がおおむね2000wtppm、3000wtppm、5000wtppmのとき、それぞれ92%、88%、80%であった。本実施例ではエルビウムを1500wtppm以上添加しても顕著な効率低下は観測されなかった。
これは、本実施例の製造方法によれば、エルビウムの周囲にアルミニウムがより効率よく配位されるため、エルビウムイオン同士の会合(クラスタリング)による濃度消光が発生しないためと考えられる。また、MCVD法を用いた気相法よりも高い変換効率が得られるのは、VAD法を用いることにより、得られる光ファイバ中にガラスの構造欠陥が少ないことが影響しているものと考えられる。
また、溶液含浸法では含浸、乾燥時にコアスートが崩れるのを防ぐため、焼結してかさ密度を0.35g/cm3程度あるいはそれ以上に高める必要があったが、本発明の気相添加法を用いることで0.35g/cm3程度以下の密度のスートでも崩れてしまうことはない。
本実施例ではErCl3ガスを発生させる原料として金属エルビウムを用いたがErCl3やErCl3・6H2Oを用いても良い。その際はCl2を導入してErCl3ガスを発生させる必要はなく、ErCl3やErCl3・6H2Oをそのまま加熱すればErCl3ガスを発生させることができる。また、エルビウムを含んだ有機金属錯体を用いることも可能である。有機金属錯体は気化温度が無機金属材料よりも低いため、下段のヒートゾーンの温度を低く設定することができる。下段ヒートゾーンにP(リン)を含む化合物やAl(アルミニウム)を含む化合物を収容すればリンやアルミニウムを共添加することも可能である。
以上のように、本発明にかかる希土類添加光ファイバ母材の製造方法および希土類添加光ファイバは、光ファイバ増幅器に有用であり、特に、大容量の波長分割多重伝送(WDM)システムに用いられる光ファイバ増幅器に好適である。
実施例1および実施例2にて使用した加熱炉の断面図である。 パワー変換効率のエルビウム添加濃度依存性を示すグラフである。 エルビウム添加光ファイバの信号光のパワー変換効率を測定した装置の模式図である。 実施例2の酸化工程に使用する加熱炉の断面図である。
符号の説明
11 上部炉心管
12 下部炉心管
15 上段ヒーター
16 下段ヒーター
17 試料保持具
21 コアスート
22 希土類金属試料(金属エルビウム)
30 加熱炉

Claims (4)

  1. VAD法またはOVD法のいずれか一方の方法によりコアスートを形成し、その後に、前記コアスートに希土類元素を気相状態で添加して、コア領域に希土類元素が添加された希土類添加光ファイバであって、前記希土類元素の添加濃度が2000wtppm以上であり、前記希土類添加光ファイバを用いて光増幅器を構成して波長1480nmにおける双方向励起を行ったときの励起光から信号光へのパワー変換効率が90%以上であるところの前記希土類添加光ファイバの製造に用いる希土類添加光ファイバ母材を製造する希土類添加光ファイバ母材の製造方法において、
    前記添加する希土類元素を含む気体を発生させる第1のヒートゾーンと、前記コアスートを加熱する第2のヒートゾーンとを設け、前記第1のヒートゾーンに希土類元素を含む化合物または希土類金属を配置し、前記第2のヒートゾーンにかさ密度が0.35g/cm3以下のコアスートを配置し、前記第1のヒートゾーンおよび前記第2のヒートゾーンそれぞれの温度を独立に制御して、前記第1のヒートゾーンで前記希土類元素を含む気体を発生させるとともに該気体を前記第2のヒートゾーンで前記コアスートに浸透させて、前記コアスートに前記希土類元素を含む化合物を沈着させる工程と、
    前記コアスートに沈着した前記化合物を酸化する工程と、
    前記化合物が酸化した後のコアスートを脱水、ガラス化する工程と、
    を行って、前記希土類添加光ファイバ母材を作製することを特徴とする希土類添加光ファイバ母材の製造方法。
  2. 前記希土類元素として少なくともEr(エルビウム)を含むことを特徴とする請求項記載の希土類添加光ファイバ母材の製造方法。
  3. 前記希土類元素を含む気体を得る際に、前記希土類金属とCl2(塩素)を反応させることにより前記気体を発生させることを特徴とする請求項またはに記載の希土類添加光ファイバ母材の製造方法。
  4. 前記希土類元素を含む気体を発生させる第1のヒートゾーンの温度を制御することで、前記コアスートに添加される前記希土類元素の添加量を調整することを特徴とする請求項からのいずれか一項に記載の希土類添加光ファイバ母材の製造方法。
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