JP4874698B2 - 電子プローブマイクロアナライザ - Google Patents

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Description

本発明は、細く絞った電子プローブを試料に照射し、前記試料の表面から発生する特性X線を検出して分析を行う電子プローブマイクロアナライザ(以下、EPMAと略称する)に関わり、特に可視光を透過する薄片試料を分析する際に用いる光学観察系に関する。
細く絞った電子線を試料に照射し、前記試料の表面から発生する特性X線を検出して試料表面の微小部の分析を行うEPMAは多くの分野で利用されているが、主要な分野のひとつに地質鉱物分野がある。この分野においては、スライドガラスに貼り付けた岩石や鉱物を数十ミクロン程度の薄片に研磨し、透過型偏光顕微鏡で薄片試料に含まれる造岩鉱物の調査研究を行っている。薄片試料を透過型偏光顕微鏡で検鏡した後、さらに組成分析を所望する部位を分析するためにEPMAが必要不可欠な分析機器として使用されている。一般にスライドガラスに貼り付けられた薄片試料全体は数十mm角程度の大きさで作製される。しかし、分析を所望する部位は数ミクロンオーダーの小さな結晶粒の場合もあり、しかも透過偏光顕微鏡を用いて探し出される。そのため、EPMAで分析を行うときに、通常のEPMAが備えている光学顕微鏡を使用して所望の部位を見つけ出すことは極めて困難である。このため、地質鉱物分野で使用されるEPMAは、偏光をかけて薄片試料の観察と分析を行うための透過偏光顕微鏡の機能を備えていることが多い。このようなEPMAの概略構成例を図1に示す。
図1において、EPMA100の内部は鏡体外壁1により真空に保たれる。鏡体内部に配置された図示しない電子銃から放出された電子線2は、図示しない収束レンズと対物レンズ3により細く絞られ薄片試料4に照射される。試料に照射するために細く絞られた電子線は電子プローブと呼ばれ、EPMAの名前の由来となっている。薄片試料4は専用の試料ホルダ5に支持され、図示しない試料移動機構によって電子線2の照射位置を変えることができる。また、偏向コイル9によっても電子線2の照射位置を変えることができる。
電子線2の照射によって試料4から発生した特性X線6は、湾曲した回折面を持つ分光結晶7とX線検出器8等から構成される波長分散形X線分光器(以下、「X線分光器」と略称する)50によって分光、検出される。X線分光器50は、分光結晶7が分光結晶7の回折面中心とX線発生点を結ぶ直線上を移動し、試料4上のX線発生点(分析点)と分光結晶7の回折面中心とX線検出器8のスリット中心が常に半径が一定のローランド円周(図示せず)上に位置するとき正しくX線の検出が行われるように作られている。X線発生点が常にローランド円周上の決められた位置になるように、EPMA内に組み込まれている光学顕微鏡(Optical Microscope、以下OMと略称する)を用いる。OMは、落射照明装置S1と観察装置K1と有孔反射対物レンズ10とこれらを結ぶ光路上に配置された光学機構とからなる。
有孔反射対物レンズ10はカセグレン方式の対物レンズで、中心に電子線2を通過させるための貫通孔を有している。有孔反射対物レンズ10は、電子線2を集束するための対物レンズ3と光学軸が同軸となるように組み込まれる。X線分光器50は、薄片試料4の高さを変えてOMの焦点を合わせれば、OMの反射光学像の視野中心がX線発生点となるように調整される。
落射照明装置S1の照明ランプ13から放出された照明光15は照射レンズ14、光路分離部17、真空シールガラス12、反射ミラー11を経て有孔反射対物レンズ10により収束され、薄片試料4に照射される。薄片試料4の表面(以下、電子プローブの照射される側を「表面」と称す)で反射された光は、照明光の光路を逆に辿り、光路分離部17で照明光15の光路と分離される。分離された観察光16は、検光子19を通過し観察装置K1の観察用リレーレンズ18により集光され観察用カメラ20に入射する。
一方、薄片試料4の透過光学像を観察する場合は、落射照明装置S1は使用せず、透過照明装置S2と有孔反射対物レンズ10と光路に配置された光学機構を利用する。支持部材28で支持された透過照明装置S2の挿脱可動部27は、試料ホルダ5を使用するときのみ鏡体内に挿入され、集光レンズ26が薄片試料4の直下に位置するようになっている。反射ミラー25と集光レンズ26は挿脱可動部27の一部である。太い双方向矢印は挿脱可動部27の可動範囲を示している。
照明ランプ21から放出された照明光22は、照射レンズ23、偏光子24通過し、反射ミラー25で薄片試料4方向に曲げられ、集光レンズ26により集光され薄片試料4の裏面(以下、「表面」と反対側を「裏面」と称す)から薄片試料4を照明する。薄片試料4を透過した光は、上述の反射光の光路と同じ光路を辿り観察用カメラ20に入射する。この時、偏光子24と検光子19を調整し、分析部位の偏光透過光学像を観察できるようになっている。なおEPMA100においては、透過照明装置S2からの照明光22が効率よく観察装置K1で検出できるように、集光レンズ26と有孔反射対物レンズ10の光軸を一致させるための調整が必要である。
薄片試料を分析するようにしたEPMAにおいて、試料に裏面から照明し透過光を観察するようにした場合、できるだけ明るい照明光で常に見やすい透過光学像が得られるように工夫した技術が、例えば特許文献1、特許文献2に開示されている。
特公昭61−3066号 特開昭59−78438号
EPMAに装備されているOMの第1の役割は、X線分光器50の分光条件が満たされるように、分析点をX線分光器50のローランド円周上に位置合わせすることである。このため、一般にOMは位置合わせを精度良く行えるように、光学倍率は数百倍程度と比較的高倍で、視野も500μm径より狭く、焦点深度が数ミクロン以下と浅くなるように設計されている。一方、OMは分析点の光学的情報を得るという重要な役割も持っている。薄片試料を観察する際には、特に視野探しなどのために、低倍率で試料の比較的広い領域を観察したいという要求がある。
元々のEPMAは、図1の観察用カメラ20の部分にカメラの替わりに接眼鏡が設けられていた。そのため、オペレータは接眼鏡を直接覗きながら、分析を所望する部位の選定、分析点の高さ合わせ等の操作を行っていた。また、一般の透過型偏光顕微鏡においても、薄片試料下部から透過光を照明し、上方から透過光学像を観察する構造となっていることが多い。そのため、EPMAにおいて透過光学像を観察できるような機構を設ける場合、透過照明装置S2によって薄片試料4の裏面から透過光を照明し観察用カメラ20で透過光学像を観察する機構が必然的に取り入れられてきた。特許文献1及び2に開示されている改良技術は、いずれもオペレータが接眼鏡を直接覗く機構を前提としている。
従来の機構では、落射照明装置S1と透過照明装置S2を切り替えて、観察装置K1により反射光学像と透過光学像の観察を行っている。しかし、観察光学系の光路は高倍率を必要とする反射光学像観察に適するようになっているため、透過光学像に求められる視野の広さは犠牲になってしまう。この問題を解決するため、観察装置K1に倍率可変機構を組み込んだOM(以下、「ズームOM」と略称する)によって、反射光学像と透過光学像の倍率を変えて観察を行うEPMAも有る。ズームOMは低倍率で広い視野を観察することは可能であるが、分析点の位置合わせを精度よく行う際には高倍率観察に戻す必要が有る。そのため多数点の分析位置を決める場合は手間がかかり操作性が良くないという問題が有る。
また、OMによる分析点の位置合わせを精度よく行うため、有孔反射対物レンズ10は一般に分析対象となる試料のごく近傍に配置される必要がある。一方、有孔反射対物レンズ10を利用して試料表面の低倍率観察を可能にするためには、有孔反射対物レンズ10と薄片試料の間の距離を長く取ることが望ましい。電子線2と有孔反射対物レンズ10を同軸に配置する必要上、有孔反射対物レンズ10の位置は固定としなければならない。これらの制約条件から、有孔反射対物レンズ10を利用する場合の広い視野の確保には制限が生じる。特に、試料近傍に配置した有孔反射対物レンズ10からカメラまでの光路の確保も、偏向コイル9などの電子光学系を構成する部品により空間的な制限を受ける。即ち、ズームOMを採用しても、有孔反射対物レンズ10を含む観察光学系を共用する限り、「反射光学像と透過光学像に適した観察条件が異なる」という問題を解決する決め手とはならない。
さらに、近年では分析の自動化のため、OMを使用して分析点の高さをX線分光器50の焦点位置に合わせこむ自動焦点機構(以下、「OMオートフォーカス」と略称する)の要求も強い。OMオートフォーカスを組み込む場合、例えば照明装置S1に可視光と赤外光のビームスプリッタを入れ、赤外光光路に自動焦点合わせ用のパターンを入れ、観察装置K1に組み込んだ赤外光専用センサーでパターンのぼけ方を検出して焦点合わせを行う。しかし、透過照明装置S2の使用時には透過照明装置S1を消光しなければならず、OMオートフォーカスは使用できない。もし、透過照明装置S1を同時に使用できるようにしたとしても、観察装置K1は透過照明装置S2からの光を同時に検出するのでOMオートフォーカスの正常な動作は保障されない。ズームOMを採用し、視野を広げるために有孔反射対物レンズ10を低倍率にした場合、原理的に自動焦点合わせの精度が悪化することは避けられないという問題も有る。
また、集光レンズ26の光軸を有孔反射対物レンズ10の光軸に一致させるために、透過照明装置S2の光学部品の位置合わせ調整を行う必要がある。この調整を鏡体内の真空を保ったまま行うことは困難なので、大気開放した状態で光軸調整を行うことになる。従って、取り付け作業や保守の際に手間がかかることになる。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであって、分析点の位置合わせを精度よく行う役割のための浅い焦点深度及び高倍率観察と、薄片試料の分析点探しを透過光学像によって行うときの広い視野及び低倍率観察という要求を満足し、EPMAの操作性向上と性能を両立させることができる光学観察系の提供を目的としている。
上記の問題を解決するために、本発明は、
電子線を細く絞った電子プローブを試料に照射し、前記試料の表面から発生する特性X線を検出して分析を行う電子プローブマイクロアナライザであって、
薄片試料を保持する試料ホルダと、前記電子プローブが照射される側から前記薄片試料に前記電子線と同軸とされた照明光を照射するための照明装置と、前記照明光が前記薄片試料から反射した反射光に基づいて反射光学像を観察する反射光学像観察装置と、前記照明光が前記薄片試料を透過した透過光に基づいて透過光学像を観察する透過光学像観察装置とを備え
前記透過光学像観察装置は、前記薄片試料の裏面側に配置されて受光部を構成する反射ミラーと、該反射ミラーによって反射された前記薄片試料からの透過光が入射する対物レンズとを具備することを特徴とする
また本発明は、前記照明装置に組み込まれた偏光子と前記透過光学像観察装置に組み込まれた検光子とを備え、前記偏光子と前記検光子とを用いて前記薄片試料の偏光透過光学像を観察することを特徴とする。
また本発明は、前記透過光学像観察装置は、前記薄片試料からの透過光を受光する受光部を前記薄片試料の直下に移動させるための可動部と、前記可動部を駆動する駆動手段を備えることを特徴とする。
また本発明は、前記薄片試料を保持する試料ホルダが前記電子プローブマイクロアナライザに装着されているか否かを検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
また本発明は、前記透過光学像観察装置が観察倍率を可変する倍率可変手段を備えることを特徴とする。
また本発明は、前記透過光学像観察装置の高さ位置を可変する可変手段を備え、前記可変手段により前記透過光学像の焦点合わせを行うことを特徴とする。
また本発明は、光学観察像を表示するための表示装置と、前記反射光学像又は前記透過光学像を前記表示装置に切り替えて表示するための切替手段とを備え、
前記反射光学像又は前記透過光学像の前記表示装置への表示切り替えを、機械的動作を伴わず前記切替手段による電気的信号の切り替えのみで行うようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記反射光学像と前記透過光学像を各々独立に表示する表示手段を備え、前記表示手段により前記反射光学像と前記透過光学像を同時観察可能であるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、電子線を細く絞った電子プローブを試料に照射し、前記試料の表面から発生する特性X線を検出して分析を行う電子プローブマイクロアナライザであって、
薄片試料を保持する試料ホルダと、前記電子プローブが照射される側から前記薄片試料に前記電子線と同軸とされた照明光を照射するための照明装置と、前記照明光が前記薄片試料から反射した反射光に基づいて反射光学像を観察する反射光学像観察装置と、前記照明光が前記薄片試料を透過した透過光に基づいて透過光学像を観察する透過光学像観察装置とを備え
前記透過光学像観察装置は、前記薄片試料の裏面側に配置されて受光部を構成する反射ミラーと、該反射ミラーによって反射された前記薄片試料からの透過光が入射する対物レンズとを具備するので、
反射光を検出する光路と透過光を検出する光路の光学的設計を独立に行うことができるため、透過光を集光するための対物レンズと前記薄片試料間の距離を長くして、より低倍視野まで観察が可能となる。そのため、X線分光器の集光条件を満足させるために必要な高倍率で浅い焦点深度を要求される反射光学像と、前記薄片試料上の所望の分析点を探し出すときに必要な低倍率で広い視野を要求される透過光学像を同時に得ることが可能となった。さらに、本方式で視野を低倍に設計することにより、透過光学像用の対物レンズを前記薄片試料に近接して設置する必要がなくなるため、透過光の光路に配置する光学部品の光軸調整も簡易化できる。
また本発明によれば、前記照明装置に組み込まれた偏光子と前記透過光学像観察装置に組み込まれた検光子とを備え、前記偏光子と前記検光子とを用いて前記薄片試料の偏光透過光学像を観察するようにしたので、
薄片試料中の分析を所望する部位を、偏光透過光学像を観察しながら決めることができる。また、前記反射光学像観察装置に偏光透過光学像を得るための検光子を設ける必要が無く、光量の減衰が抑えられ、よりシャープな反射光学像を得ることができる。
また本発明によれば、前記透過光学像観察装置は、前記薄片試料からの透過光を受光する受光部を前記薄片試料の直下に移動させるための可動部と、前記可動部を駆動する駆動手段を備えたので、
前記薄片試料以外の試料を分析するときは前記薄片試料専用の試料ホルダ以外の試料ホルダを装着することができ、操作性が向上する。
また本発明によれば、前記薄片試料を保持する試料ホルダが前記電子プローブマイクロアナライザに装着されているか否かを検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段を備えたので、
前記薄片試料を保持する試料ホルダ以外の形状を持つ試料ホルダが装着されていた場合に、誤って前記可動部を挿入させ前記透過光学像観察装置を損傷する事故を防止することができる。
また本発明によれば、前記透過光学像観察装置が観察倍率を可変する倍率可変手段を備えたので、
前記反射光学像が高さ合わせをし易い高倍率にしたまま、前記透過光学像が分析部位を探し易い低倍率にできるため、操作性が向上する。
また本発明によれば、前記透過光学像観察装置の高さ位置を可変する可変手段を備え、前記可変手段により前記透過光学像の焦点合わせを行うので、
前記反射光学像の焦点合わせ位置と独立して、前記透過光学像観察装置による前記透過光学像の焦点合わせが行える。そのため、前記薄片試料の厚さ内で任意の位置で焦点を合わせることができるとともに、前記薄片試料が貼り付けられているスライドガラスの厚さによって前記透過光学像の焦点位置が変化する場合にも、前記透過光学像のみの最適な焦点合わせが行える。
また本発明によれば、光学観察像を表示するための表示装置と、前記反射光学像又は前記透過光学像を前記表示装置に切り替えて表示するための切替手段とを備え、前記反射光学像又は前記透過光学像の前記表示装置への表示切り替えを、機械的動作を伴わず前記切替手段による電気的信号の切り替えのみで行うようにしたので、
前記反射光学像と前記透過光学像を交互に選択して観察を行う際に、簡単な操作で切り替えることができるため、表示装置が一つしかない場合であっても操作性が向上する。
また本発明によれば、前記反射光学像と前記透過光学像を各々独立に表示する表示手段を備え、前記表示手段により前記反射光学像と前記透過光学像を同時観察可能であるようにしたので、
反射光学像による分析点の正確な高さと偏光透過光学像による分析点の確認というそれぞれ観察目的の異なる操作を同時に行えるため、操作性が向上する。
以下図2を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。但し、これによって本発明の範囲を制限するものではない。なお、図1の構成要素と同一または類似の動作を行うものには共通の符号を付して説明の重複を避ける。
図2において、本発明を実施するEPMA200のOMは、落射照明装置S3と観察装置K2と有孔反射対物レンズ10とこれらを結ぶ光路に配置された光学機構とからなる。落射照明装置S3は、その光路内に偏光子33が配置されているところが落射照明装置S1と異なる。また、観察装置K2は、その光路内に検光子19が配置されていないところが観察装置K1と異なる。
落射照明装置S3の照明ランプ13から放出された照明光15は、照射レンズ14、偏光子33、光路分離部17、真空シールガラス12、反射ミラー11、有孔反射対物レンズ10を経て、薄片試料4の表面から薄片試料4を照明する。薄片試料4の表面で反射された光は、照明光の光路を逆に辿り、光路分離部17で照明光15の光路と分離される。分離された観察光16は、観察装置K2の観察用リレーレンズ18によって集光され、観察用カメラ20に入射する。
一方、薄片試料4の透過光学像を観察する場合は、観察装置K2を使用せず、観察装置K3とOMが備えている落射照明装置S3と有孔反射対物レンズ10とこれらを結ぶ光路に配置された光学機構を利用する。支持部材41によって支持された観察装置K3の挿脱可動部37は、試料ホルダ5を使用するときのみ鏡体内に挿入され、反射ミラー35が薄片試料4の直下に位置するようになっている。反射ミラー35は挿脱可動部37の一部である。太い双方向矢印は挿脱可動部37の可動範囲を示している。
薄片試料4の裏面を透過した透過光36は、反射ミラー35によって対物レンズ34方向に曲げられ、検光子39、観察用リレーレンズ38を経て観察用カメラ40に入射する。この時、落射照明装置S3の組み込まれた偏光子33と観察装置K2に組み込まれた検光子39を調整し、分析部位の偏光透過光学像を観察できるようになっている。
ここで、観察装置K3の安全機構の例について説明する。図4は、挿脱可動部37の挿入時に動作する安全機構の動作を説明するためのブロック図である。図4において、44は挿脱可動部37を駆動するアクチュエータ、45は試料ホルダ5を水平及び高さ方向に移動させる試料ステージ、46は試料ホルダ5のような薄片試料専用の試料ホルダが装着されているか否かを検出するセンサー、47はアクチュエータ44の制御装置である。センサー46は、試料ステージ45に装着されている試料ホルダの種類に応じた検出信号を制御装置47に送り、制御装置47は、試料ホルダ5が装着されている場合は挿脱可動部37の挿入動作を行うが、それ以外の試料ホルダが装着されている場合は挿脱可動部37の挿入動作を行わないように、アクチュエータ44に制御信号を送る。なお、制御装置47はアクチュエータ44を制御する専用の装置である必要は無く、例えばEPMA全体を制御する制御システム若しくはその一部に組み込まれた機能であっても良い。このような安全機構を設けることによって、人為的ミスによる観察装置K3の損傷事故を防止することができる。
上記したように本発明において、薄片試料4を表面から照明する光源を一つとし、反射光学像と透過光学像観察のためのカメラを各々独立して設けたことにより、従来構成では得られない種々の効果を得ることが可能となる。
例えば、観察装置K3の光路内に設けられた対物レンズ34は、反射光学像用の有効反射対物レンズ10とは独立に、薄片試料4と対物レンズ34間の距離を長くして、より低倍視野まで観察が可能なように設計できる。そのため、有孔反射対物レンズ10を使用して得られる反射光学像が浅い焦点深度を持つようにOMの性能を維持できるので、X線分光器50の集光条件を精度よく決めることができる。また、観察装置K2に透過偏光像を得るための検光子を設ける必要が無いので、光量の減衰が抑えられ、よりシャープな反射光学像を得ることができる。さらに、本方式で視野を低倍に設計することにより,薄片試料4に近接した場所に透過光用の対物レンズを設置する必要がなくなるため、透過光の光路上に配置される光学部品の光軸調整も簡易化できる。
また例えば、透過光学像の観察において倍率可変機能を付加する場合、観察装置K3の観察用リレーレンズ38を倍率可変が可能なレンズ(以下、「ズームレンズ」と略称する)を使用する構成とすればよいので、分析点の設定時にいちいち高倍率に戻す必要が無くなり操作性が向上する。
また例えば、図2に示す構成においてOMオートフォーカスを組み込む場合、例えば照明装置S3に可視光と赤外光のビームスプリッタを入れ、赤外光光路に自動焦点合わせ用のパターンを入れ、観察装置K2に組み込んだ赤外光専用センサーでパターンのぼけ方を検出して焦点合わせを行うようになるが、観察装置K2には反射光のみが到達するため、透過光学像を観察しながら自動焦点合わせを行うことが可能となる。
また、例えば観察装置K3は透過光学像の観察専用であるため、反射光学像の焦点合わせ位置と独立して、透過光学像の焦点合わせが行える。そのため、図示しない高さ可変機構により観察装置K3の高さ位置を可変できるようになっている。従って、薄片試料の厚さ内で任意の位置で焦点を合わせることができるとともに、前記薄片試料が貼り付けられているスライドガラスの厚さによって透過光学像の焦点位置が変化する場合にも、透過光学像のみの最適な焦点合わせが行える。
ここで、図3に示す模式図を参照して、観察装置K2とK3によって得られる光学観察像の表示について説明する。図3(a)は、照明装置S3により薄片試料4を照明し、切替器43により観察装置K2とK3の出力信号を切り替えるのみで、反射光学像と透過光学像を一つの表示装置42に切り替え表示する場合を示している。このとき、もし透過光学像の観察装置K3に装備されているズームレンズで低倍率観察を行っていたとしても、何らの機械的操作を行うことなく高倍率の反射光学像を表示することができる。また、図3(b)は、照明装置S3により薄片試料4を照明し、観察装置K2とK3に各々独立に接続した表示装置で反射光学像と透過光学像を同時に表示する場合を示している。反射光学像と透過光学像を同時に観察できるので、分析を所望する部位を素早く探すことができ、また分析部位の焦点合わせを焦点深度の浅い反射光学像で直ちに行うことができるので、操作性をより向上させることができる。
以上述べたように、薄片試料4を表面から照明する光源を一つとし、反射光学像と透過光学像観察のためのカメラを各々独立して設けたことによって、分析点の位置合わせを精度よく行う役割のための浅い焦点深度及び高倍率観察と、薄片試料の分析点探しを透過光学像によって行うときの広い視野及び低倍率観察という要求を満足し、操作性向上と性能を両立させることのできるEPMAを提供することができる。
従来のEPMAにおいて、薄片試料を分析する光学観察系の概略構成を示す図。 本発明に関わるEPMAにおいて、薄片試料を分析する光学観察系の概略構成を示す図。 本発明に関わる観察装置によって得られる光学観察像の表示方法を説明するための模式図。 本発明に関わる観察装置の安全機構の例を説明するための模式図。
符号の説明
(同一または類似の動作を行うものには共通の符号を付す。)
K1、K2、K3 観察装置 S1、S2,S3 照明装置
1 鏡体外壁 2 電子線
3 対物レンズ 4 薄片試料
5 試料ホルダ 6 特性X線
7 分光結晶 8 X線検出器
9 偏向コイル 10 有孔反射対物レンズ
11、25、35 反射ミラー 12 真空シールガラス
13、21 照明ランプ 14、23 照射レンズ
15、22 照明光 16 観察光
17 光路分離部 18、38 観察用リレーレンズ
19、39 検光子 20、40 観察用カメラ
24、33 偏光子 26 集光レンズ
27、37 挿脱可動部 28、41 可動部支持部材
34 対物レンズ 36 透過光
42、42a、42b 表示装置 43 切替器
44 アクチュエータ 45 試料ステージ
46 センサー 47 制御装置
50 X線分光器 100、200 EPMA

Claims (8)

  1. 電子線を細く絞った電子プローブを試料に照射し、前記試料の表面から発生する特性X線を検出して分析を行う電子プローブマイクロアナライザであって、
    薄片試料を保持する試料ホルダと、前記電子プローブが照射される側から前記薄片試料に前記電子線と同軸とされた照明光を照射するための照明装置と、前記照明光が前記薄片試料から反射した反射光に基づいて反射光学像を観察する反射光学像観察装置と、前記照明光が前記薄片試料を透過した透過光に基づいて透過光学像を観察する透過光学像観察装置とを備え
    前記透過光学像観察装置は、前記薄片試料の裏面側に配置されて受光部を構成する反射ミラーと、該反射ミラーによって反射された前記薄片試料からの透過光が入射する対物レンズとを具備する、ことを特徴とする電子プローブマイクロアナライザ。
  2. 前記照明装置に組み込まれた偏光子と前記透過光学像観察装置に組み込まれた検光子とを備え、前記偏光子と前記検光子とを用いて前記薄片試料の偏光透過光学像を観察する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子プローブマイクロアナライザ。
  3. 前記透過光学像観察装置は、前記薄片試料からの透過光を受光する受光部を前記薄片試料の直下に移動させるための可動部と、前記可動部を駆動する駆動手段を備える、ことを特徴とする請求項1乃至2の何れかに記載の電子プローブマイクロアナライザ。
  4. 前記薄片試料を保持する試料ホルダが前記電子プローブマイクロアナライザに装着されているか否かを検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段を備える、ことを特徴とする請求項3に記載の電子プローブマイクロアナライザ。
  5. 前記透過光学像観察装置が観察倍率を可変する倍率可変手段を備える、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電子プローブマイクロアナライザ。
  6. 前記透過光学像観察装置の高さ位置を可変する可変手段を備え、前記可変手段により前記透過光学像の焦点合わせを行う、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電子プローブマイクロアナライザ。
  7. 光学観察像を表示するための表示装置と、前記反射光学像又は前記透過光学像を前記表示装置に切り替えて表示するための切替手段とを備え、
    前記反射光学像又は前記透過光学像の前記表示装置への表示切り替えを、機械的動作を伴わず前記切替手段による電気的信号の切り替えのみで行うようにした、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電子プローブマイクロアナライザ。
  8. 前記反射光学像と前記透過光学像を各々独立に表示する表示手段を備え、前記表示手段により前記反射光学像と前記透過光学像を同時観察可能であるようにした、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電子プローブマイクロアナライザ。
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