JP4778147B2 - 収束光明暗視野顕微鏡装置および収束光明暗視野顕微鏡観察方法 - Google Patents

収束光明暗視野顕微鏡装置および収束光明暗視野顕微鏡観察方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種材料の組織構造の観察に適した収束光明暗視野顕微鏡装置および収束光明暗視野顕微鏡観察方法に関するものである。本発明の収束光明暗視野顕微鏡装置および収束光明暗視野顕微鏡観察方法の観察対象となり得る材料のとして、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等の高分子材料や、植物、病理組織等の生体材料や、塗液、乳液等の懸濁液や、半導体材料等が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
各種材料の組織構造は、その物性と密接に相関していることから、その組織構造を正確に評価・解析することが重要となる。そのために、多くの手法が開発され活用されているが、光学顕微鏡装置はその中でも、利用のしやすさや得られる情報の多様性等から、材料の組織構造観察法として最も一般的に利用される手法となっている。
【0003】
そして、従来の光学顕微鏡装置では、被検査物に対する照明法として、被検査物を一様に照射し、かつ像の分解能を高めるために、平行光を入射するケーラー照明法が通常用いられている。また、通常は、被検査物によって散乱されずに直接透過もしくは反射した直接光を含めて結像させる明視野顕微鏡装置が用いられるが、コンデンサーとして、対物レンズには照明光を入れず、被検査物からの回折光のみを観察できるようにしたものを使用した暗視野光学顕微鏡装置も従来から用いられている。以下これらを合わせて従来の光学顕微鏡装置と略称する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の光学顕微鏡装置による観察は、対物レンズによって被検査物の拡大された光学像を単に形成し、それを接眼レンズでさらに拡大して行うだけである。また、従来の暗視野光学顕微鏡装置は被検査物で散乱された像のみを観察しているだけなので、おもに微小な欠陥・異物のみを観察しており、大きな組織構造との関係を正確に知ることはできなかった。また従来の光学顕微鏡装置は、手法として明視野法、および暗視野法の二つしかなく、連続的に微妙なコントラストを観察像に付与することはできなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の収束光明暗視野顕微鏡装置および収束光明暗視野顕微鏡観察方法はこのような課題を解決するためになされたものである。
【0006】
本発明の収束光明暗視野顕微鏡装置は、空間の一点に収束する収束光を照明光として照射する照明手段と、前記照明光の前記収束点の手前で被検査物を載置する被検査物載置台と、前記照明光が前記被検査物において透過もしくは反射した光をひとたび前記収束点に収束させた後に入射するように配置された対物レンズと、前記収束点を含み前記照明光の光軸に直交する回折像面上に設置され、かつ前記被検査物によって回折または散乱されることなく前記回折像面上に形成される回折像の中心付近に入射する直接光のみを直線偏光に変換する直線偏光素子と、対物レンズの後方に設置され、入射する光を直線偏光に変換し、かつ偏光面を前記入射光の光軸周りで回転できる機能を有するアナライザーとを備えることを特徴とする。
【0007】
このように、平行光に代わって収束光を照明光として用いると、極めてコントラストの高い、焦点深度の深い収束光顕微鏡像を得ることができることに加え、収束点を含み光軸に直交する面(回折像面)に被検査物の回折像が形成されるので、この回折像も併せて観察できる。さらに回折像の中心付近に入射する直接光のみを直線偏光に変換する直線偏光素子(以下、単に直線偏光素子と略称する)と、対物レンズの後ろ側に設置され、入射光を直線偏光に変換するアナライザーを備えるため、アナライザーを入射光の光軸の周りに回転させることにより、直接光を完全に遮蔽したり完全に通過させたりもしくは連続的に直接光の光量を変化させて結像させることができる。これを利用して、微小な欠陥・異物と大きな組織構造の関係を正確に知ることができる。
【0008】
ここで直線偏光とは、進行する光波に相対したとき、一定の場所において電場ベクトルの終端が時間とともに描く軌跡が直線となるものおよびその状態のことである。電場とともに振動している磁場の振動方向と伝播方向を含む面は平面となり、ここではこの平面を偏光面と呼ぶ。また、直線偏光素子およびアナライザーにより変換された光の偏光面を直線偏光素子およびアナライザーの偏光面と呼ぶことがある。直線偏光素子またはアナライザーに光を透過させることにより、直線偏光にすることができる。
【0009】
ここで、直線偏光素子を透過し直線偏光に変換された直接光は、アナライザーで一部の光のみ透過する。このとき、直線偏光素子とアナライザーの偏光面の角度を垂直な状態から平行な状態まで変化させることにより、入射光がほとんど透過しない状態からほぼ完全に透過する状態まで連続的に変化させることができる。
【0010】
そのため、従来の光学顕微鏡装置では別個にしか得られなかった回折光による像(暗視野像)と直接光を含む像(明視野像)を同時に観察することができる。これを利用して、微小な欠陥・異物と大きな組織構造の関係を正確に知ることができる。
【0011】
一方、直線偏光素子とアナライザーの代わりに直接光のみを遮蔽する遮蔽板を用いた場合には、直接光を完全に遮蔽するか完全に透過するかの2種類の場合しかなく、暗視野像か明視野像のどちらか一方しか得られない。
【0012】
この収束光明暗視野顕微鏡装置では、回折像面上には、照明光による被検査物のフーリエ変換像すなわち回折像が形成される。この場合、対物レンズの前方にこの回折像を形成させることができるので、回折像そのものを観察したり、回折像に対して操作を加えて所望の処理を施したりすることができる。
【0013】
従来の光学顕微鏡装置では、回折像は対物レンズの後側焦点面、すなわち、鏡筒内部に形成されるので、接眼レンズをはずさない限り観察できないし、いわんや操作を加えたりすることは不可能である。
【0014】
回折像には被検査物の構造情報が集約されている。換言すると、被検査物の組織構造に応じた回折像が形成され、被検査物の組織構造が異なっていれば、その回折像も異なったものとなる。したがって、組織構造と回折像との関係が判っていれば、回折像から逆に被検査物の組織構造を知ることができる。したがって光学像に加えて回折像を観察・解析することは材料の物性解析にきわめて重要である。
【0015】
本発明においては、対物レンズは、回折像面および被検査物のいずれにもに焦準(ピント)を合わせることができるようになっていることが望ましい。これにより、被検査物の光学像と回折像を共に観察することができ、被検査物の構造情報の取得を増やすことができる。
【0016】
この収束光明暗視野顕微鏡装置は、回折像面の位置に配置され、被検査物において回折または散乱された回折光の一部を選択的に遮蔽する空間絞りを備えることが望ましい。
【0017】
この空間絞りにより、所望の回折光を選択して対物レンズに入射させることができるからである。対物レンズの焦準を被検査物に合わせれば、選択された回折光による被検査物の光学像を観察することができる。しかも、回折光の選択が自由なので、同一の被検査物について所望の回折光に応じた様々な光学像を観察することができる。さらに、回折光を選択するとともに、アナライザーを入射光の光軸の周りに回転させて直接光の強度を任意に変えることにより、様々な暗視野像と明視野像を連続的に観察することができる。
【0018】
この収束光明暗視野顕微鏡装置は、回折像面と被検査物との相対的な位置を任意に変更できる調整機構を備えていることが望ましい。通常は、収束する照明光の出射面となるコンデンサーレンズの位置を変えることにより収束点の位置、すなわち回折像面の位置を変える。回折像面と被検査物との距離を変えると、回折像の大きさが変化する。距離を離すほど、回折像を大きくすることができ、より詳細に回折像を観察することができる。
【0019】
この収束光明暗視野顕微鏡装置の直線偏光素子およびアナライザーの直線偏光面が互いに平行に配置されているときには、被検査物の明視野像が得られる。一方、直線偏光素子およびアナライザーの直線偏光面が互いに垂直に配置されているときには、被検査物の暗視野像が得られる。これにより明視野像と暗視野像を容易に切り替えられる。また、従来の光学顕微鏡装置では明視野像と暗視野像との切り替えのときにコンデンサーを交換する必要があったため、切り替えの途中で視野が消失したが、この収束光明暗視野顕微鏡装置ではコンデンサーを交換する必要がないため、切り替えの途中での視野の消失がない。そのため、明視野像と暗視野像との比較を容易に行うことができる。
【0020】
この収束光明暗視野顕微鏡装置は、空間絞りを通過した光の方向と対物レンズの光軸とを略一致させる調整機構を備えていることが望ましい。空間絞りにより光量が減少するが、この2つの光軸を略一致させることにより、ひずみの少ない明るい像を得ることができる。
【0021】
この収束光明暗視野顕微鏡装置は、照明光に単色光を用いてもよい。単色光を用いることにより、白色光では得られなかった、組織構造を知る上で重要な像を得ることができる。
【0022】
このような収束光明暗視野顕微鏡装置を用いた本発明の顕微鏡観察方法の一つは、対物レンズの焦準を被検査物に合わせて被検査物を観察するものである。収束光を照明光として用いるので、極めてコントラストの高い、焦点深度の深い観察像を得ることができる。加えてアナライザーを回転させることにより、明視野から暗視野までを連続的に観察することができる。
【0023】
本発明の他の顕微鏡観察方法は、収束点を含む対物レンズの光軸に直交する回折像面に対物レンズの焦準を合わせることにより、回折像面上に形成された被検査物の照射光による回折像を観察するものである。
【0024】
被検査物について、回折像と組織構造との関係を予め取得しておけば、回折像を直接観察することにより、回折像のパターンの特徴から被検査物の組織構造を知ることができる。
【0025】
本発明の他の収束光位相差顕微鏡観察方法は、最初に対物レンズの焦準を被検査物に合わせて被検査物を観察した後、対物レンズの焦準を回折像面上に形成された回折像に合わせて回折像を観察するか、もしくは、最初に対物レンズの焦準を回折面上に形成された回折像に合わせて回折像を観察した後、対物レンズの焦準を被検査物に合わせて被検査物を観察するものである。
【0026】
光学像の観察だけでは分かりにくかった組織構造の全体的な特徴を把握したり、回折像の観察だけでは分かりにくかった回折像が由来する組織構造の詳細を知ることができる。
【0027】
本発明の他の顕微鏡観察方法は、空間絞りを用いて回折像面上の所望の領域のみの光を通過させ、空間絞りを通過した光について対物レンズの焦準を被検査物に合わせて被検査物を観察するものである。
【0028】
この空間絞りは、選択された回折光に基づく被検査物の明視野像を観察するためのものである。回折光の選択が自由なので、同一の被検査物について回折光に応じた様々な明暗視野像を観察することができる。これにより被検査物の組織構造をさらに詳しく知ることができる。
【0029】
本発明の他の顕微鏡観察方法は、回折像面に対物レンズの焦準を合わせることにより、回折像面上に形成された被検査物の照射光による回折像を観察し、回折像の所望の領域のみの光を通過させるように空間絞りを調整した後、対物レンズの焦準を被検査物に合わせることにより、空間絞りを通過した光によって被検査物を観察するものである。
【0030】
回折像に基づいて観察に用いる回折光を選択するので、いかなる回折光に基づく明暗視野像かを知ることができる。これにより被検査物の組織構造をさらに詳しく知ることができる。
【0031】
本発明の顕微鏡観察方法では、対物レンズが回折像面の近傍に位置したときに被検査物に焦準が合うように回折像面の位置を調整して被検査物を観察することが望ましい。回折像面は照射光が収束する位置なので、そこに対物レンズが置かれたときに回折光をロスすることなく最も像が明るくなるためである。
【0032】
空間絞りの形状または回折像面上での位置を変えることにより、もしくは、対物レンズの光軸に対する照明光の光軸の角度を変えることにより、対物レンズによる被検査物の光学像形成にあずかる回折光を選択して被検査物を観察することができる。
【0033】
本発明の顕微鏡観察方法では、空間絞りを通過した光の方向と対物レンズの光軸とを略一致させて被検査物を観察することが望ましい。空間絞りにより光量が減少するが、この2つの光軸を略一致させることにより、ひずみの少ない明るい像を得ることができる。
【0034】
本発明の顕微鏡観察方法では、照明光の収束点の位置を対物レンズの光軸方向において変えることにより回折像の大きさを調整することができることが望ましい。距離を離すほど、回折像の大きさを大きくすることができ、回折像のより詳細な観察ができる。
【0035】
本発明の顕微鏡観察方法では、照明光に単色光を用いてもよい。単色光を用いることにより、白色光では得られなかった、組織構造を知る上で重要な像を得ることができる。
【0036】
本発明のほかの顕微鏡観察法は、直線偏光素子の直線偏光面とアナライザーの直線偏光面が互いに平行もしくは垂直である状態にして被検査物を観察するものである。コンデンサーを使用せずに明視野像と暗視野像を容易に切り替えられる。
【0037】
本発明のほかの顕微鏡観察法は、アナライザーの直線偏光面を直線偏光素子の直線偏光面に対して平行な配置から垂直な配置へ、あるいは垂直な配置から平行な配置へ連続的に変えて被検査物を観察するものである。完全な暗視野像(すなわち、直接光を完全に遮断したもの)から完全な明視野像(すなわち、直接光を最大限透過させたもの)を連続的に観察することができる。
【0038】
本発明の顕微鏡観察方法は、高分子材料に対して好適に用いることができる。高分子材料の重要な組織構造について、従来の顕微鏡観察方法では得られなかった詳細な知見が得られる。
【0039】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態である収束光明暗視野顕微鏡装置の基本構成を示す図である。光源1とコンデンサレンズ2によって、空間の一点4に収束する収束光を照明光として照射する照明手段3が構成されている。光源1から出力される光は、白色光でもよいし、単色光でもよい。
【0040】
照明手段3の上方には、被検査物(標本)6を載置する被検査物載置台(ステージ)5が配置されている。ステージ5は、その中央に照明手段3からの照明光を透過する開口を有し、照明光はこの開口を通ってさらに上方の収束点4で収束する。これにより、収束点4を通り照明光の光軸7に垂直な平面8には、被検査物6のフーリエ変換像すなわち回折像が形成される。ここでは、この平面8を回折像面と呼ぶことにする。
【0041】
回折像面8の中心付近には直線偏光素子15が設けられている。この素子により直接光のみを直線偏光に変換する。図2は直線偏光素子15の平面図であり、回折光を透過する石英板等の中央にたとえば直径45〜50μmの円板状の自然光を直線偏光に変換する材料が取り付けられている。この直線偏光素子15は観察中でも容易に脱着可能となっている。
【0042】
なお、直線偏光素子15上の自然光を直線偏光に変換する材料の形状は必ずしも円板状でなくともよい。光源1とコンデンサレンズ2の間にある光源像結像位置付近に絞り板17を挿入することにより、絞り板17の形状に応じて方形、半円形、扇形、リング状等を適宜選択することができる。
【0043】
コンデンサレンズ2は、ステージ5に対して光軸7の方向に移動可能となっている。コンデンサレンズ2を光軸7の方向に移動させることにより、ステージ5に載置された被検査物6と収束点4との距離、すなわち、被検査物6と回折像面8との距離を変化させることができる。
【0044】
回折像面8上またはその近傍の位置には、回折像面8と平行に空間絞り9が設けられている。図3は空間絞り9の平面図であり、遮光板の中央に、たとえば直径数百ミクロンの円形開口が形成されている。この空間絞り9は、光軸7に直交する方向に移動可能となっており、回折像面8上に形成される回折像の観察視野を選択できる。また、この空間絞り9は観察途中でも、容易に脱着可能となっている。
【0045】
なお、空間絞り9に形成する開口形状すなわち観察視野は、必ずしも円形でなくてもよい。目的に応じて方形、半円形、扇形等を適宜選択することができる。
【0046】
空間絞り9のさらに上方には、対物レンズ10、アナライザー16、結像レンズ11および接眼レンズ12を備えた鏡筒13が配置されている。この鏡筒13の内部構成自体は、従来からある一般的なものであり、光軸7の方向に移動させることにより、焦準合わせを行うことができるようなっている。
【0047】
しかし、焦準合わせのための鏡筒移動可能範囲は、従来の一般的な顕微鏡装置に比べて十分に長いことが必要である。すなわち、少なくとも被検査物6と回折像面8の両方に焦準合わせができるようになっている。
【0048】
対物レンズ10は、被検査物6に焦準を合わせたときの位置が空間絞り9よりも後方(上方)になるような焦点距離を有している。したがって、焦準合わせ動作において、空間絞り9が邪魔になることがない。
【0049】
なお、図4に示すように、対物レンズ10が空間絞り9に最も近づいたときに被検査物6に焦準が合うように、回折像面8の位置を調整すると、最も明るい像を得ることができる。
【0050】
対物レンズ10が捕らえた像は、ポラライザー16を透過したのちに結像レンズ11の後方にある中間像位置14に形成され、接眼レンズ12はこの像を観察できるように焦準が調整されている。
【0051】
本発明による被検査物としては、高分子材料(たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリマーフィルム)、生体材料、セラミックス、金属他を挙げることができるが、組織構造を観察し得るという点で、ポリマーフィルムは最も典型的な対象材料である。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明の収束光明暗視野顕微鏡装置およびこれを用いた顕微鏡観察方法によれば、照明光として対物レンズの手前で一点に収束する収束光を用いるので、被検査物およびその回折像を、対物レンズを光軸方向に移動するだけで選択的に観察できる。また、空間絞りを適当に挿入または移動させることにより、所望の回折光による被検査物の光学像を得ることができる。さらに、直線偏光素子とアナライザーの直線偏光面の配置を互いに平行な配置と垂直な配置の間で連続的に変えることにより、暗視野像から明視野像までを連続的に観察することができる。したがって、従来の光学顕微鏡装置では得られなかった組織構造情報や配向情報を光学像または回折像として得ることができる。また、従来の光学顕微鏡装置では別々にしか得られなかった微小な欠陥・異物と大きな組織構造との関係を正確に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である収束光明暗視野顕微鏡装置の構成を示す図
【図2】直線偏光素子15を示す平面図
【図3】空間絞り9を示す平面図
【図4】対物レンズ10を空間絞り9に近接させた状態の収束光明暗視野顕微鏡装置を示す図
【符号の説明】
1…光源、2…コンデンサレンズ、3…照明手段、4…収束点、5…被検査物載置台(ステージ)、6…被検査物、7…光軸、8…回折像面、9…空間絞り、10…対物レンズ、11…結像レンズ(必ずしも必要ではない)、12…接眼レンズ、13…鏡筒、14…中間像位置、15…直線偏光素子、16…アナライザー、17…絞り板

Claims (20)

  1. 空間の一点に収束する収束光を照明光として照射する照明手段と、前記照明光の前記収束点の手前で被検査物を載置する被検査物載置台と、前記照明光が前記被検査物において透過もしくは反射した光をひとたび前記収束点に収束させた後に入射するように配置された対物レンズと、前記収束点を含み前記照明光の光軸に直交する回折像面上に設置され、かつ前記被検査物によって回折または散乱されることなく前記回折像面上に形成される回折像の中心付近に入射する直接光のみを直線偏光に変換する直線偏光素子と、対物レンズの後方に設置され、入射する光を直線偏光に変換し、かつ偏光面を前記入射光の光軸周りで回転できる機能を有するアナライザーとを備えることを特徴とする光学顕微鏡装置。
  2. 前記対物レンズは、前記回折像面および前記被検査物のいずれにも焦準を合わせることができることを特徴とする請求項1に記載の光学顕微鏡装置。
  3. 前記回折像面の位置に略一致するように配置され、前記被検査物において透過もしくは反射した回折光の一部を選択的に遮蔽する空間絞りを備えることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の光学顕微鏡装置。
  4. 前記回折像面と前記被検査物との相対的な位置を任意に変更できる調整機構を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学顕微鏡装置。
  5. 前記直線偏光素子の直線偏光面と前記アナライザーの直線偏光面とが互いに平行もしくは垂直に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学顕微鏡装置。
  6. 前記空間絞りを通過した光の方向と前記対物レンズの光軸とを略一致させる調整機構を備えていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の光学顕微鏡装置。
  7. 前記照明光が単色光であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学顕微鏡装置。
  8. 請求項1に記載の光学顕微鏡装置を用いた顕微鏡観察方法において、前記対物レンズの焦準を前記被検査物に合わせて前記被検査物を観察することを特徴とする顕微鏡観察方法。
  9. 請求項1に記載の光学顕微鏡装置を用いた顕微鏡観察方法において、前記収束点を含み前記対物レンズの光軸に直交する回折像面に前記対物レンズの焦準を合わせることにより、前記被検査物の前記照明光による回折像を観察することを特徴とする顕微鏡観察方法。
  10. 請求項2に記載の光学顕微鏡装置を用いた顕微鏡観察方法において、最初に前記対物レンズの焦準を前記被検査物に合わせて前記被検査物を観察した後、前記対物レンズの焦準を前記回折像面上に形成された回折像に合わせて前記回折像を観察するか、もしくは、最初に前記対物レンズの焦準を前記回折面上に形成された回折像に合わせて前記回折像を観察した後、前記対物レンズの焦準を前記被検査物に合わせて前記被検査物を観察することを特徴とする顕微鏡観察方法。
  11. 請求項3〜7のいずれか一項に記載の光学顕微鏡装置を用いた顕微鏡観察方法において、前記空間しぼりを用いて前記直接光および所望の回折光のみを通過させ、前記空間絞りを通過した光について前記対物レンズの焦準を前記被検査物に合わせて前記被検査物を観察することを特徴とする顕微鏡観察方法。
  12. 請求項3〜7のいずれか一項に記載の光学顕微鏡装置を用いた顕微鏡観察方法において、前記回折像面に前記対物レンズの焦準を合わせることにより、前記回折像面上に形成された前記被検査物の前記照射光による回折像を観察し、前記回折像の所望の領域のみの光を通過させるように前記空間絞りを調整した後、前記対物レンズの焦準を前記被検査物に合わせることにより、前記空間絞りを通過した光によって前記被検査物を観察することを特徴とする顕微鏡観察方法。
  13. 請求項3〜7のいずれか一項に記載の光学顕微鏡を用いた顕微鏡観察方法において、前記対物レンズが前記回折像面の近傍に位置したときに前記被検査物に焦準が合うように前記回折像面の位置を調整して前記被検査物を観察することを特徴とする顕微鏡観察方法。
  14. 前記空間絞りの形状または前記回折像面上での位置を変えることにより、もしくは、前記対物レンズの光軸に対する前記照明光の光軸の角度を変えることにより、前記対物レンズによる前記被検査物の光学像形成にあずかる回折光を選択して前記被検査物を観察することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の顕微鏡観察方法。
  15. 前記空間絞りを通過した光の方向と前記対物レンズの光軸とを略一致させて前記被検査物を観察することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の顕微鏡観察方法。
  16. 前記照明光の収束点の位置を前記対物レンズの光軸方向において変えることにより、前記回折像の大きさを調整することを特徴とする請求項8〜12、14、または15のいずれか一項に記載の顕微鏡観察方法。
  17. 前記照明光が単色光であることを特徴とする請求項8〜16のいずれか一項に記載の顕微鏡観察方法。
  18. 前記直線偏光素子の直線偏光面と前記アナライザーの直線偏光面が互いに平行もしくは垂直であることを特徴とする請求項8〜17のいずれか一項に記載の顕微鏡観察方法。
  19. 前記アナライザーの直線偏光面を前記直線偏光素子の直線偏光面に対して平行から垂直へ、もしくは垂直から平行へ、連続的に変えることを特徴とする請求項8〜17のいずれか一項に記載の顕微鏡観察方法。
  20. 前記被検査物が高分子材料であることを特徴とする請求項8〜19のいずれか一項に記載の顕微鏡観察方法。
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