JP4872304B2 - アンテナ封入型合わせガラスの製造方法 - Google Patents

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本発明は、ガラス板間にアンテナ素子が封入されるアンテナ封入型合わせガラスの製造方法に関する。
従来から、基材シート上にアンテナ素子となる導体層と粘着層とを形成したアンテナシートが知られている(例えば、特許文献1参照)。このアンテナシートは、ガラスの表面にその粘着層により接着されることでガラスアンテナとして機能できる。
ところで、このようなアンテナシートは、ガラスの表面に貼り付けられるものである。このため、例えば車両のフロントウインドシールドの車内側表面に接着される場合、当該導体層を透明な保護層で覆う必要がある。該保護層は、外力により導体層が傷付き欠線するのを防ぐために設けられる。該保護層は、ガラスと屈折率が異なるためガラスとの境界線が見えたり、比較的広い面積でガラスを覆ってしまったりする場合があるである。このため、このようなアンテナシートでは、見栄えの問題や、車両乗員にとって目障りになる問題点がある。
一方、ガラス板間にアンテナ素子が封入されるアンテナ封入型合わせガラス(例えば、特許文献2参照)では、アンテナ素子がガラス板で保護される。該アンテナ封入型合わせガラスは、自動車ガラスに適用されても、アンテナ素子以外の領域において保護層による見栄え等の問題点は生じない。
かかるアンテナ封入型合わせガラスとしては、ガラス板の内面(合わせ面)に導体ペーストを所定パターンにプリントしてアンテナ素子を構成するプリントタイプと、ガラス板間に介在する中間膜(典型的にはポリビニルブチラールからなる膜)にアンテナ線を埋め込む中間膜埋込タイプがある。
特開2001−119219号公報 特開平2−82701号公報
上述のプリントタイプでは、線抵抗が大きいため、所望のアンテナ性能を確保するためにはアンテナパターンの線幅を大きくせざるを得ず、見栄え等の観点からの問題点が依然として解消されない。
この点、上述の中間膜埋込タイプは、線径を小さいアンテナ線を中間膜に埋め込むことができるため、見栄え等の観点からは有利である。
しかしながら、合わせガラスは、中間膜を2枚のガラス板間に挟み込み、圧着・熱処理を経て製造されるため、上述の中間膜埋込タイプでは、アンテナ線が埋め込まれた中間膜が、圧着等の熱処理工程で伸縮し、それに伴いアンテナ線の位置がずれることがある。かかる位置ずれ傾向は、アンテナ性能の観点から問題点をもたらし、また、アンテナパターンの位置が製品毎にばらつく大きな要因となり、アンテナ性能の安定性の観点からも問題点をもたらすことになる。
そこで、本発明は、製造工程中にアンテナパターンの位置ずれが生じ難い態様で、見栄え等が良好なアンテナ封入型合わせガラスを製造できるアンテナ封入型合わせガラスの製造方法を提供することを一目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一局面によれば、複数枚のガラス板を所定の湾曲した形状に成形する成形工程と、
前記複数枚のガラス板間にアンテナ素子と前記複数枚のガラス板を貼り合わせる中間膜とを介在させて、前記複数枚のガラス板とアンテナ素子と中間膜との積層体を形成する積層工程と、
該積層体を圧着する圧着工程と、を含むアンテナ封入型合わせガラスの製造方法であって、
前記積層工程において、粘着層が形成された剥離層に、前記アンテナ素子を構成する導体層と接着層とが、該導体層と該剥離層との間に該粘着層が介在するように積層された積層シート材を、前記複数枚のガラス板のうちの少なくとも1枚のガラス板における前記中間膜に対向する側の表面に貼り付けて、前記導体層を前記接着層により該表面に接着し、前記粘着層と共に前記剥離層を剥離することを特徴とするアンテナ封入型合わせガラスの製造方法が提供される。

本局面において、前記導体層は、線幅が0.15から0.4mmの範囲内にある所定パターンの線状部位を含んでよい。また、前記積層シート材が接着される表面は、曲率を有する前記一のガラス板の凸面側の表面であってよい。また、前記導体層は、前記合わせガラスが自動車に適用されたときの車内側となる側に接着層を介して積層された黒色層を有してもよい。また、前記導体層は、両側に黒色層を有してもよい。
以上説明したように本発明によれば、アンテナ素子を構成する導体層が接着層によりガラス板の表面(合わせ面)に接着された状態で、中間膜を介したガラス板の圧着工程が実行されるので、当該圧着工程中に中間膜の伸縮に伴ってアンテナ素子(導体層)がガラス板に対して位置ずれを起こすことが無く、アンテナ素子の位置精度が高いアンテナ封入型合わせガラスを製造することができる。また、アンテナ素子を構成する導体層の線幅を0.15から0.4mmの範囲内にすることで、見栄え等が良好なアンテナ封入型合わせガラスを得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明によるアンテナ封入型合わせガラスの適用例を示す。アンテナ封入型合わせガラス10は、通常的には、本適用例のように、自動車のフロントウインドシールドとして用いられるが、自動車のサイドガラスやリアガラスとして用いられてもよい。
合わせガラス10は、複数枚のガラス板12がそれぞれの間の中間膜14(図8参照)を介して圧着されたものである。中間膜14は、例えばポリビニルブチラール(PVB)により形成される。
合わせガラス10を構成するガラス板12間には、後述する如くアンテナ素子20が封入されている。アンテナ素子20は、図1に示すように、所定のパターンを有し、例えば、テレビ局やラジオ局からの電波、若しくは、携帯電話からの電波、又は、衛星からの電波を受信するものであってよい。なお、このように本実施例では、ガラス板12間にアンテナ素子20が封入されるので、アンテナ素子20がガラス板12により保護されることとなる。
図2は、本発明によるアンテナ封入型合わせガラスの製造工程の要部を示す工程図である。以下、説明上、合わせガラス10は2枚のガラス板12からなることとし、車両に取り付けられた際に車外側にくるガラス板に参照符合12aを,車内側にくるガラス板に参照符合12bを付す。
図2に示すように、本実施例の合わせガラスの製造工程は、ガラス成形工程100と、アンテナシート接着工程120と、ガラス合わせ工程140とからなる。
ガラス成形工程100では、2枚の素板がそれぞれ別々に切断・面取り工程(ステップ101)や、清浄乾燥工程(ステップ102)を経る。2枚の素板のうち車両内側のガラス板12bを構成することになる素板(内板)に対しては、ガラス板12b縁部にぼろ隠し用のプリントがなされる(ステップ103)。このプリントは、車外側ガラス板12a縁部に設けてもよいし、車外側、車内側両方に設けてもよい。その後、両板は互いに重ね合わせられ(ステップ104)、両板が重ね合わせられた状態で縁部が型枠で載置される。次に、前記重ね合わせられたガラス板は、軟化点以上の温度まで加熱され、自重により湾曲形状に曲げ加工される(ステップ105)。その後、徐冷処理を受けた(ステップ106)後、両板が再び分離される(ステップ107)。これにより、互いに略同一の曲率の表面を有するガラス板12a,12bが形成される。ガラス板12a,12bは、次いで、洗浄・乾燥工程(ステップ108)を経て、アンテナシート接着工程120へと移行する。
アンテナシート接着工程120では、ガラス板12bの車両外側の表面に、アンテナシート30が貼り付けられる。尚、ガラス板12bの車両外側の表面とは、上述の如く車室内側のガラス板12bにおける車両外側の表面、即ち、ガラス板12aと合わせる際にガラス板12aに対向する側の表面であり、以下、「合わせ面13a」と称する。
アンテナシート30は、図3に示すように、所定形状のシート材である。図4(図3のA−A断面)に示すように、アンテナシート30は、少なくともアンテナ素子20を構成する導体層32と接着層34とを含む積層シート材である。導体層32と接着層34とは、前記所定形状を画成する第1剥離層(台紙)31aと第2剥離層(保護フィルム)31bとの間に形成される。第1剥離層は、導体層32と接着層34がガラス板の合わせ面13aに固着されるまでの間、導体層32のアンテナパターンを保持するための台紙である。積層シート材は、台紙を備えることにより導体層の取り扱いと固着を容易になり、アンテナパターンの変形を防止することができる。第2の剥離層は、導体層32と接着層34がガラス板の合わせ面13aに固着されるまでの間、導体層を保護する保護フィルムである。積層シート材は、保護フィルムを備えることにより、導体層のアンテナパターンの外力による変形や断線を防止することができる。よって、第2の剥離層は、合わせ面13bへ積層シート材が配置・接着される直前に剥離されることが好ましい。導体層32と第2剥離層31bとの間には粘着層35が介在する。粘着層35は、容易に剥離可能な粘着力で導体層32と第2剥離層31bとを接着している。尚、第1剥離層31aには、剥離時の作業性を考慮して、所定の領域毎にスリット50が形成されてよい。
アンテナシート接着工程120では、アンテナシート30は、先ず第1剥離層(台紙)31aが剥離され(ステップ121)、ガラス板12bの合わせ面13aの所定位置に配置・接着される(ステップ122)。この際、図5(A)に示すように、導体層32が接着層34によりガラス板12bの合わせ面13aに接着される。尚、この接着層34と合わせ面13aとの接着を確実にするために、アンテナシート30をガラス板12bの合わせ面13aに対して押圧する処理がなされてもよい。
次いで、図5(B)に示すように、導体層32から第2剥離層(保護フィルム)31bが粘着層35と共に剥離される(ステップ123)。これにより、第1剥離層31aと第2剥離層31bとが除去され、ガラス板12bの合わせ面13a上には、導体層32と接着層34のみが残ることになる。尚、明らかなように、粘着層35と導体層32との間の粘着力は、接着層34の接着力に比して十分小さくなるように調整される。調整された粘着力は、第2剥離層31bを剥がす際に、導体層32が接着層34と共にガラス板12bの合わせ面13aから剥離したり、若しくは導体層32が接着層34から剥離したりしない程度とする。
その後、必要に応じて、アンテナ素子20(導体層32)を電極40(図8参照)に接続するための処理として、アンテナ素子20の端部をガラス板12bの縁部から折り返す(図8参照)などの処理がなれてよい(ステップ124)。
このようにしてガラス板12bに対するアンテナシート接着工程120が終了すると、ガラス板12bとガラス板12aを合わせるためのガラス合わせ工程140に移行する。
ガラス合わせ工程140では、前記複数枚のガラス板間にアンテナ素子と前記複数枚のガラス板を貼り合わせる中間膜とを介在させて、前記複数枚のガラス板とアンテナ素子と中間膜との積層体を形成し、これを圧着して合せガラスを得る。先ず、洗浄工程及びフィルム切断工程(ステップ141,142)を経てガラス板12a,12bと略同形に切り出された中間膜14が、ガラス板12a,12b間に介挿される(ステップ143)。このように中間膜14が、上述の導体層32が接着されているガラス板12bの合わせ面13aと、ガラス板12aの合わせ面との間に介挿され積層体を得る。次に、両ガラス板12a,12bが予備圧着され(ステップ144)、続いて、オートクレーブ(圧力釜)による本圧着処理がなされる(ステップ145)。その結果、両ガラス板12a,12bと中間膜14との間の接着面が完全に脱気・融着され、合わせガラス10が完成される。
ところで、この中間膜14とガラス板の界面の空気を脱気して両ガラス板12a,12bを完全に圧着させる工程では、圧力と共に熱の作用もある。よって、中間膜14が両ガラス板12a,12b間で収縮する。このため、中間膜14側にアンテナ線を形成する構成や、アンテナパターンがプリントされた別のフィルムを中間膜14とガラス板12との間に介挿する構成では、中間膜14の伸縮に伴ってアンテナ線やフィルムの位置ずれが生じやすい。
これに対して、本実施例では、上述の如く、アンテナ素子20が導体層32としてガラス板12bの合わせ面13aに接着層34で接着されている。よって、中間膜14の伸縮に伴って導体層32がガラス板12bの合わせ面13aに対してずれることがない。このように、本実施例によれば、製造工程中にアンテナ素子20がガラス板12bに対して位置ずれを起こすことが無い。その結果、アンテナ素子20(アンテナパターン)の位置精度が向上し、所期のアンテナ性能を実現することができる。また、製品毎に発生しうるアンテナ素子20(アンテナパターン)の位置のバラツキが大幅に低減され、アンテナ性能の安定化が可能となる。
尚、アンテナ素子20(アンテナパターン)の位置精度は、車両側との電気的接続態様に影響するのみならず、搭載時に周辺のグランドとなりうる部材との位置関係に影響する。その結果、アンテナ素子20の位置精度が、アンテナ性能にも影響する場合がある。具体例としては、アンテナ素子20が自動車のフロントウインドシールドとして搭載される場合では、ボディピラーとの位置関係が影響する。
このアンテナ性能への影響は、特にアンテナ素子20がデジタル放送などの高周波数の電波を受信するためのものである場合に顕著となる。従って、本実施例により製造されたアンテナ封入型合わせガラス10は、かかる用途の使用であっても、製品毎にバラツキの少ない所望のアンテナ性能を発揮することができる。
また、本実施例では、アンテナシート30(導体層32)は、凸面側となるガラス板12bの合わせ面13aに接着される。この場合、凹面側(例えば、ガラス板12aの車内側の表面)にアンテナシート30を貼り付ける場合とは対照的に、貼り付けの際にアンテナシート30に張りが生じる。そのため、アンテナシート30に皺が生じにくくなり、作業性が良好となる。また、導体層32がUVカット機能を備える中間膜14よりも車両内側に来るので、アンテナ素子20の耐候性が向上する。
本実施例において、アンテナシート接着工程120は、作業者の手作業を介して実現されてもよいが、ロボットなどを用いて自動化されても良い。また、アンテナシート30は、必ずしもそれぞれ分離した状態で納品される必要はない。他の納品形態としては、互いに分離可能な複数のアンテナシート30からなる連続体としてロールに巻かれた形態でもよく、ライン上でロールから巻きだしながら分離される形態のものであってよい。
図6は、図4以外のアンテナシート30のその他の実施例を示す図であり、図3のA−A断面図に相当する。
図6(A)に示すアンテナシート30は、導体層32の車内側に接着層を介して積層された黒色層37を有する。黒色層37は、反射率の低い黒色塗料からなり、さらに見栄え性の観点から、導体層32が車室内から目視できないように設けられる。また、黒色層37は、導体層32を保護し、強度・安定性を高める役割も果たす。図6(B)に示すアンテナシート30は、導体層32の両側に黒色層37を有する。このように、アンテナシート30は、導体層32や接着層34以外の各種層を適宜含んでよい。各層の厚さは適宜設定され、例えば図6(B)に示す積層シート材は、全体の厚さDが0.3mm程度であってよい。ここでは、ぼろ隠し用のプリントとして黒色塗料を用いた黒色層を用いる例を示した。しかし、前記黒色層は必ずしも黒色である必要はなく、灰色やこげ茶色など、可視光および紫外線を遮蔽できるものであれば使用することができる。
尚、導体層32は、軟銅等から形成されてよく、接着層34や粘着層35は、アクリル系粘着材から形成されてよく、第2剥離層31bは、ポリエステル系フィルムから形成されてよく、第1剥離層31aは、片面ポリラミネート上質紙や樹脂シート(例えばPET)に剥離処理を施したものであってもよい。
図3に示すようなアンテナ素子20のパターンは、上述のような各種層の積層シート材を、プレス機を用いて所定形状の型で打ち抜きすることで形成される。図7には、図4に示すアンテナシート30を製造する際の、積層シート材を打ち抜く様子が示されている。この場合、導体層32と接着層34とからなる積層シート材が、所定の線幅Wに型で打ち抜きされる。
導体層32の線幅Wは、端部や電極部などを除く部位であるアンテナパターン部において、0.15≦W≦0.4mm、好ましくは0.2≦W≦0.3mmとされる。これにより、合せガラスの見栄えが良好となり、また、自動車ガラスとして用いる場合に乗員にとって目障りとならないようにする観点からも有利となる。また、本実施例では積層シート材を打ち抜くことにより導体層32を形成する例を示した。しかし、導体層の形成方法は、導体ペーストを用いてプリントする方法や、アンテナ線にワイヤーを用いる方法で形成してもよい。また、接着層の形成方法はパターンを形成する前に導体層に積層して接着層を形成してもよく、導体層でパターンを形成した後に、その表面に接着層を形成してもよい。
尚、打ち抜き後、第2剥離層31bと粘着層35とからなる積層シート材に、当該打ち抜きされた導体層32及び接着層34が第1剥離層31aと共に合わせられ、その後、ローラに通してアンテナシート30が完成される。
図8は、上述の実施例により製造されるアンテナ封入型合わせガラス10における、アンテナ素子20の電極取り出し構造の第1実施例を示す斜視図である。
本実施例は、図3に示したアンテナシート30を使用して製造されたアンテナ封入型合わせガラス10に関する。本実施例では、アンテナ素子20の電極取り出し部が、導体層32の線幅Wの比較的大きい部位により構成される。即ち、本実施例の導体層32は、線幅Wが0.15≦W≦0.4mmである細線状部位32aと、同一材料からなる線幅の比較的大きい所定長さの延長部32bとが形成されるように上述の打ち抜きがされている。
図9は、図8のX−X断面を示している。細線状部位32a、及び、延長部32bの一部は、上述の如くガラス板12bの合わせ面13aに接着層34により接着されている。
尚、図9から、ガラス板12bに接着層34で接着されている導体層32が上記の本圧着工程後には中間膜14内に埋め込まれることが分かる。
延長部32bは、図8に示すように、ガラス板12bの縁部からガラス板12bの反対側の表面13bへと折り返される。この折り返しは、上述の図2に示したアンテナシート接着工程120において、図3に示す折り返し線Hに沿ってアンテナシート30をガラス板12bの表面13bへ折り返して貼り付けることにより実現される。
延長部32bの端部は、ガラス板12bの表面13b側に例えばプリントにより形成された電極40に接続される。この延長部32bの端部と電極40との接続は、上述の本圧着処理(ステップ145)後に、半田付けすることで実現されてよい。
電極40には、アンテナ素子20により受信した電波を増幅する車両側のアンプ(図示せず)が電線(図示せず)を介して接続される。アンテナ動作時、アンテナ素子20により受信した電波は、電極40を介して取り出され、必要に応じて所定の処理(増幅処理等)がなされ、テレビなどの所定の車載メディア装置に供給される。尚、アンテナ素子20により受信した電波は、電極40に接続されるブルートゥース(Bluetooth)送信機又は無線LAN送信機を介して、メディア装置に向けて無線にて送信されてもよい。
図10は、上述の実施例により製造されるアンテナ封入型合わせガラス10における、アンテナ素子20の電極取り出し構造の第2実施例を示す斜視図である。
本実施例では、アンテナ素子20の電極自体が、導体層32の所定形状の部位により構成される。即ち、本実施例の導体層32は、線幅Wが0.15≦W≦0.4mmである一定線幅の細線状部位32aと、所定形状の領域を持つ電極32cとが形成されるように打ち抜きされている。尚、図11は、本実施例に対応するアンテナシート30を示す。
図12は、図10のX−X断面を示している。細線状部位32a、及び、電極32cは、上述の如くガラス板12bの合わせ面13aに接着層34により接着されている。尚、この図12に示す例では、上述の図6(A)に示す積層構造のアンテナシート30が用いられている。このようにして電極32cが、導体層32として合わせガラス10の両ガラス板12a,12b間に封入されることになる。
ガラス板12bの表面13b側には、電極32cに対向する位置に電極40が例えばプリントにより形成されている。これにより、電極40と電極32cとの静電容量結合(電磁結合)を介した接続が実現される。電極40には、アンテナ素子20により受信した電波を増幅する車両側のアンプ(図示せず)が電線(図示せず)を介して接続される。アンテナ動作時、アンテナ素子20により受信した電波は、電極40と電極32cとの静電容量結合を介して取り出され、必要に応じて所定の処理(増幅処理等)がなされ、外部電線(図示せず)を介してテレビなどの所定の車載メディア装置に供給される。尚、アンテナ素子20により受信した電波は、電極40に接続されるブルートゥース(Bluetooth)送信機又は無線LAN送信機を介して、メディア装置に向けて無線にて送信されてもよい。
本実施例では、合わせガラス10上で電極40とアンテナ素子20の接続を半田付けする必要がなく、車載メディア装置とアンテナ素子20とを静電容量結合を介して接続できる。これにより、半田付け時に発生する熱に起因してガラス板12a,12bに熱応力が発生する不都合を防止できる。
また、本実施例では、電極32cは、車内側ガラス板12bの合わせ面13aに設けられる。このため、本実施例の位置精度は、車外側ガラス板12aの車内側表面に電極32cを設ける場合に比して、電極32cと電極40との位置関係のずれに関して有利となる。さらに、本実施例によれば、上述の如く電極32cは、ガラス板12に接着される。このため、中間膜14の伸縮の影響による、電極32cと電極40との位置ずれが発生し難く、信頼性の高い静電容量結合を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述では、好ましい実施例として、アンテナシート30が中間膜14と車内側ガラス板12bの合わせ面13aとの間に設けられる例を開示しているが、本発明は、アンテナシート30が中間膜14と車外側ガラス板12aとの間に設けられる構成をなんら除外するものでない。この場合であっても、合わせガラス10の内部に高い位置精度でアンテナ素子20を接着・形成できるという効果を得ることができる。
また、中間膜14は必ずしも一層である必要は無く、2枚のガラス板12間に複数層存在してもよい。また、中間膜14は、遮音機能や熱線反射機能のような他の機能を備えていてもよい。
本発明によるアンテナ封入型合わせガラスが自動車のフロントウインドシールドとして適用された例を示す図である。 本発明によるアンテナ封入型合わせガラスの製造工程の要部を示す工程図である。 本発明の一実施例によるアンテナシート30を示す図である。 図3のA−A断面図である。 アンテナシート接着工程の説明図である。 図6Aはアンテナシート30のその他の実施例を示す図3のA−A断面図、図6Bはアンテナシート30のその他の実施例を示す図3のA−A断面図である。 図3及び図4に示すアンテナシート30を製造する際の積層シート材の打ち抜き態様を示す図である。 本発明により製造されるアンテナ封入型合わせガラス10における、アンテナ素子20の電極取り出し構造の第1実施例を示す斜視図である。 図8のX−X断面図である。 本発明により製造されるアンテナ封入型合わせガラス10における、アンテナ素子20の電極取り出し構造の第2実施例を示す斜視図である。 図10に示す実施例に対応するアンテナシート30を示す図である。 図10のX−X断面図である。
符号の説明
10 合わせガラス
12a,12b ガラス板
13a 合わせ面
14 中間膜
20 アンテナ素子
30 アンテナシート
32 導体層
31a 第1剥離層
31b 第2剥離層
34 接着層
35 粘着層

Claims (5)

  1. 複数枚のガラス板を所定の湾曲した形状に成形する成形工程と、
    前記複数枚のガラス板間にアンテナ素子と前記複数枚のガラス板を貼り合わせる中間膜とを介在させて、前記複数枚のガラス板とアンテナ素子と中間膜との積層体を形成する積層工程と、
    該積層体を圧着する圧着工程と、を含むアンテナ封入型合わせガラスの製造方法であって、
    前記積層工程において、粘着層が形成された剥離層に、前記アンテナ素子を構成する導体層と接着層とが、該導体層と該剥離層との間に該粘着層が介在するように積層された積層シート材を、前記複数枚のガラス板のうちの少なくとも1枚のガラス板における前記中間膜に対向する側の表面に貼り付けて、前記導体層を前記接着層により該表面に接着し、前記粘着層と共に前記剥離層を剥離することを特徴とするアンテナ封入型合わせガラスの製造方法。
  2. 前記導体層は、線幅(W)が0.15≦W≦0.4mmである所定パターンの線状部位を含む、請求項1に記載のアンテナ封入型合わせガラスの製造方法。
  3. 前記積層シート材が接着される表面は、湾曲した前記一のガラス板の凸面側の表面である、請求項1又は2に記載のアンテナ封入型合わせガラスの製造方法。
  4. 前記導体層は、前記合わせガラスが自動車に適用されたときの車内側となる側に接着層を介して積層された黒色層を有する、請求項1から3のいずれかに記載のアンテナ封入型合わせガラスの製造方法
  5. 前記導体層は、両側に黒色層を有する、請求項1から4のいずれかに記載のアンテナ封入型合わせガラスの製造方法。
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