JP4869993B2 - 流動物押出用容器 - Google Patents

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Description

本発明は、液体或いはクリーム状の流動物を収容し、適宜押し出して使用する為の流動物押出用容器に関するものであって、特に、容器の使用感を向上させる技術に関する。
液体その他の流動物を滴下する容器としては、下記特許文献1に開示の点眼剤容器が挙げられるが、使用する度にキャップを取り外さねばならない他、比較的小型の部材と言うこともあり、落下による汚染又は紛失の可能性もあった。
その他キャップ一体型容器も紹介され、例えば、下記特許文献2及び特許文献3に開示された容器の様にヒンジを介して一体化され、当該ヒンジの開閉軸を中心として開閉する構造や、下記特許文献4に示す様にスライド動作を以ってノズルを露出する構造も紹介されている。
下記特許文献2及び特許文献3に開示の容器は、いずれも、ヒンジで規制された開閉がワンタッチで行えるキャップ一体型であるが、いずれにあってもキャップ開封後、収容体を直接指で圧搾するためには、いったん容器を持ち替えてなければならない。かかる操作の煩雑さを指摘する行は、これらの文献には存在せず、当然ながら、そこに記載されている事項からは、その煩雑さを解消する手段について何等の示唆も伺えない。
先行技術には、更に、抽出口を封じる栓、まぶた保持体、及び容器の圧搾手段の機能を兼ね備えたカバーを、容器に装着することによって、一の動作を以って滴下を行い得る手法(例えば、下記引用文献5参照。)も紹介されているが、かかる手法では、部材点数が多く、煩雑な組立作業も伴うという問題がある他、携帯に適した構成とも言えず実用性に乏しいという見方もできる。
特開2004−89609号公報 特開2005−22673号公報 特開2005−170454号公報 特開2005−144123号公報 実開平5−82440号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、簡単な一連の動作を以ってキャップを落下させることなく流動物の取り出しを行える簡素な構成を持った流動物押出用容器の提供を目的とする。
上記課題を解決する為になされた本発明による流動物押出用容器は、注入口を供えた中空の収容体と、前記注入口に装着されるキャップとで構成され、前記キャップは、抽出口を備えるキャップ本体と、当該キャップ本体の上端部を覆って抽出口を封じる為の蓋部と、当該蓋部と前記キャップ本体とを開閉自在に連結するヒンジ部とを一体成形してなり、前記収容体は、前記蓋部の開方向への限界角を超える押出操作を以って容積が小さくなる様に変形し、前記蓋部の開方向への限界角内への復帰を以って変形が回復する柔軟部を有することを特徴とする。尚、前記柔軟部の範囲は、前記収容体の全部でも良いし、一部でも良い。
前記押出操作における各構成要素の具体的な機能構成例として、前記蓋部の先端部に前記押出操作の操作部を備え、前記ヒンジ部に当該押出操作の支え部を備え、前記収容体における前記蓋部又はヒンジ部との接触箇所に柔軟部を備え、前記蓋部又はヒンジ部における前記収容体との接触箇所に加圧部を備える流動物押出用容器を挙げることができる。尚、ここで、受圧部たる前記柔軟部の柔軟性は、前記蓋部又はヒンジ部を介した指による加圧によって使用者が負担を感じることなく必要量を取出せるだけ収容体の容積を小さくでき、且つ加圧の解除を以って復帰できれば足りる。
前記ヒンジ部が、開放時には蓋部を開方向へ向かわせ閉鎖時には蓋部を閉方へ向かわせるスナップ板と、当該スナップ板を挟む一対のヒンジとからなる流動物押出用容器として構成することも可能である。
その際の前記押出操作における各構成要素の具体的な機能構成例として、前記蓋部の先端部に前記押出操作の操作部を備え、前記ヒンジの開閉軸を当該押出操作の支え部とし、前記押出操作の際の前記スナップ板における収容体との接触箇所を加圧部とし、前記収容体における前記スナップ板との接触箇所に柔軟部を備える流動物押出用容器を挙げることができる。
前記柔軟部の構造としては、前記収容体の表面から膨出した柔軟部や、縦横約20mm以上の幅を有する略平坦な面を備える前記柔軟部が挙げられる。容器全体のサイズにあっても片手で把持し且つ操作するにあっては、長さは比較的影響が少ないものの、その最大幅としては掌の長さの略半分程度が限度である。即ち、上記課題の解決の為には、最大幅がその用途に応じて5cm以下であって、点眼剤用の容器として4cm以下、更に、スペースをとらない少量携帯用としては3cm以下1cm以上が望ましい。
前記の如く膨出した柔軟部に限らず、種々の柔軟部を加圧するに際しては、奥行き又は高さが前記キャップ本体の厚みより長い前記蓋部を備え、その表面に前記加圧部を備える流動物押出用容器としても良い。
操作性の向上を図るべく、前記蓋部の先端部に、操作部の一つとして指を引っ掛けるための鍔部を突設しても良い。
前記抽出口に、例えば、メガネ洗浄液やコンタクトレンズ洗浄剤等をはじめとする液体用の滴下ノズルを備え、更には、コンタクトレンズ用の装着液や眼科用剤を点眼量単位で滴下させる滴下ノズルを備えた構成としても良い。
また、蓋部の先端部に可撓性を有する舌片を備え、当該舌片が、折れ曲って当該蓋部の栓部を覆う長さを有する構造を採用し、更に、当該舌片が、前記蓋部が前記抽出口を封じている際に前記収容体の側面に倣って垂れた姿勢で存在する形状とする構成を採ってもよい。計量が必要な場合には、前記収容体に光透過性を与え、側面に内容量又は取出量を量る為の目盛りを付しても良い。
蓋部と前記キャップ本体とを開閉自在に連結するヒンジ部で一体化し、前記収容体が、前記蓋部の開方向への限界角を超える押出操作を以って容積が小さくなる様に変形し、前記蓋部の開方向への限界角内への復帰を以って変形が回復する柔軟部を有する構造を採用することによって、前記蓋部に対する一連の操作によってワンアクションで流動物を取出すことが可能となる。その結果、例えば、本流動物押出用容器を点眼剤用とした場合には、点眼薬をカバンから取出し、そのカバンを片手で保持したまま素早く、他方の手のみで点眼を行い、再び点眼薬をカバンに仕舞うと言った動作を容易に行うことができる、さらには、点眼時に、キャップ蓋部が指で押さえつけられることにより、キャップが視界に入りづらく、恐怖心を軽減できるという副次的な効果も得られる。
ここで、ワンアクションとは、ヒンジ部を掌側に向けた状態で小指から人差し指の四本、又はそのうちの一本以上の指で容器を握った上で行われる当該流動物押出用容器に対する一連の押出操作を指す。
当該押出操作は、前記蓋部の開放から収容体の加圧に至る操作指(ここでは親指だが、事情に応じて他の指に変更して良い。)の旋回動作と、身体全体を用いた押出先への照準動作からなる。従来手段との比較では、前記照準動作の点では本発明による流動体押出用容器と相違は無いものの、開封動作と前記収容体の圧搾動作とで、持ち替え(ほとんどの場合に両手の使用を必要とする)及び動作の途切れが伴う異なる動作を順次行う必要があった。本発明は、下記の如く、前記開封動作の延長が前記収容体の圧搾動作となるように、容器のキャップ、ヒンジ部、及び収容体の構造を工夫したものであると言える。なお、このような操作によって流動物を押し出す機構は、容器を一見しただけでは理解しづらいと思われるため、本流動物押出用容器の販売にあたっては、操作方法の説明を容器本体、包装体、または添付文書等のいずれかに表示することが好ましい。
前記操作指の旋回動作は、ヒンジ部とは逆側の容器側面を上向きに親指を滑らせつつ蓋部の先端を当該親指に引っ掛けて開放し、続いて当該蓋部を開方向の限界角に至るまで開き続け、限界角に至った時点で蓋部(の先端部)を介して収容体の柔軟部を加圧するものである。当該操作指の旋回動作に伴って適宜身体を動かし、内容物を滴下或いは押し出す箇所へ容器の抽出口を移動させる照準動作が行われる。尚、当初より照準が定まっている場合には、前記操作指の旋回動作のみが前記一連の押出操作となる。
その際、例えば、前記蓋部の先端部に前記押出操作の操作部を備え、前記ヒンジ部に当該押出操作の支え部を備え、前記収容体における前記蓋部又はヒンジ部との接触箇所に柔軟部を備え、前記蓋部又はヒンジ部における前記収容体との接触箇所に加圧部を備える構成を採ることによって、押出操作の際、前記蓋部の先端部が力点、前記ヒンジ部を支点、当該蓋部又はヒンジ部と収容体との接触箇所が作用点となり、当該流動物押出用容器について前記課題を解決するに当っての無駄な構成要素が外観的に排除され、デザイン面及び製造コスト面においても大いに有利となる。
前記ヒンジ部が、開放時には蓋部を開方向へ向かわせ閉鎖時には蓋部を閉方へ向かわせるスナップ板と、当該スナップ板を挟む一対のヒンジとからなる構成であれば、当該スナップ板による付勢を以って前記押出操作の際に適時適度な負荷が生じ、当該蓋部に対する操作の滑らかさと安定性が高まるのみならず、当該流動物押出用容器を保持する際の確実さも高まることとなる。また、当該スナップ板の肉厚と弾性を以って前記収容体に対して加圧する際のストローク(以下、加圧ストロークと記す。)を稼ぐことも可能となる。
前記収容体の表面から膨出した柔軟部を備えれば、前記スナップ板を付設し、或いは前記蓋部の形状を工夫しない場合であっても、前記収容体に対する加圧ストロークを稼ぐことが可能となる。
前記柔軟部として縦横約20mm以上の幅を有する略平坦な面を備える構成を採れば、角部や急激な湾曲成形がなされた部分に挟まれた領域において機能及び強度の面で実用的な柔軟部を形成することが可能となる。
奥行き又は高さが前記キャップ本体の厚みより長い前記蓋部の表面に、前記加圧部を備える構成とすれば、前記収容体の側面が単なる鉛直に立った面であっても、前記ヒンジ部の開閉軸の前記キャップ本体の外周線からの突出量を調整するだけで、蓋部の表面で前記収容体の柔軟部に対し実用性の有る加圧を行うことができる。
前記蓋部の先端部に、操作部たる鍔部を突設すれば、前記蓋部の開封が容易となる。
更に、前記蓋部の先端部に可撓性を有する舌片を備え、当該舌片を、折れ曲って当該蓋部の栓部を覆う長さを有するものとすれば、押出操作の際、使用者の手が抽出口に触れないように、前記舌片が抽出口近傍を覆うカバーとしての機能を得ることができる。
当該舌片の形態として、前記蓋部が前記抽出口を封じている際に前記収容体の側面に倣って垂れた姿勢で存在する形態を採用すれば、抽出口が閉じられた際にあっても、使用者の手が前記抽出口に近接或いは接触する面(裏面)に触れる事はなく、当該裏面や前記抽出口の汚染を防止することができる。
以下、本発明による流動物押出用容器の実施の形態を図面に基づき説明する。
本発明による流動物押出用容器(以下、容器と略記する。)は、柔軟性を有する収容体1と、その注入口に装着されたキャップ3とが、螺合又は嵌合等により一体化することで形成される。
前記キャップ3は、抽出口2を備えるキャップ本体4と、当該キャップ本体4の上端部を覆って抽出口2を封じる為の蓋部5と、当該蓋部5と前記キャップ本体4とを略一定の軌道を以って開閉自在に連結するヒンジ部6とを、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、或いはポリエチレンテレフタレート(PET)等で一体成形してなる。
前記収容体1は、前記キャップ3と同様の素材で成形され、前記蓋部5の開方向への限界角を超える押出操作を以って容積が小さくなる様に変形し、前記蓋部5の開方向への限界角内への復帰を以って変形が回復する柔軟部をその全体又は一部に有する。尚、前記収容体1の構造としては、製造コスト等の点で出来る限り方向性を持たない形態を選択することが望ましい。
図1に示す例は、前記蓋部5の先端部に前記押出操作の操作部を備え、前記ヒンジ部6に当該押出操作の支え部を備え、前記収容体1における前記ヒンジ部6との接触箇所に柔軟部を備え、前記ヒンジ部6における前記収容体1との接触箇所に加圧部を備えたものである。
当該例における蓋部5は、円形ドーム状に成形されており、当該蓋部5の裏面中央には、前記キャップ本体4の中央部に設けられた抽出口2を封じる為の栓7が突設されている(図1参照)。前記キャップ本体4の周縁部には、その抽出口2と同方向へ突出したリング状の突条8が設けられており、当該突条8の側面に形成されたリング状の凹凸と、蓋部5の周縁の裏側に形成されたリング状の凹凸とが相互に嵌まり合い、使用者の開閉操作に伴い、各凹凸の弾性を以って蓋部5の閉鎖状態が維持解除される。
ここで、当該蓋部5の閉鎖状態の維持解除に関する構造については、以下に示す例においても同様又は同程度の構造が採用されているものとする。
前記蓋部5の先端部には、使用者の指が係る鍔部9が前記操作部として突設されている。前記鍔部9は、押出操作の開始時において指が引っ掛かり易いように蓋部5の側方へ僅かに突出し、押出操作の間、始終一定の形状を維持して使用者の指と接することとなる。
上記容器によれば、図3の如く、前記ヒンジ部6の開閉軸を中心とした前記蓋部5の揺動を以って、片手で当該蓋部5の開閉を行うことができる。また、図1の矢印方向へ順次親指を動かす等の一連の押出操作を以って、ワンアクションで流動物を抽出口2から押し出すことができ、例えば、点眼剤用の滴下(点眼)容器として用いる際には素早く適量の点眼剤の点眼を行え、その際、当該蓋部5を落下し、紛失するおそれもない。
当該例にあっては、前記ヒンジ部6は、開放時には前記蓋部5を開方向へ向かわせ閉鎖時には当該蓋部5を閉方へ向かわせる板バネ的な付勢構造が与えられたスナップ板11と、当該スナップ板11を挟む一対のヒンジ12とで構成されているので(図2参照。)、前記蓋部5の開閉がスナップ的に素早く行われ、且つ揺動軌道が安定することから、前記ヒンジ部6の捻れ等で押出操作が滞ることもない。また、前記押出操作の際、前記操作部が力点、前記ヒンジ12の開閉軸を支点とし、当該スナップ板11の表面が蓋部5と収容体1との間に挟まれて作用点となり、当該収容体1を加圧する際のストロークを増加させる役割をも果たす。
また、付加的な構成要素として、前記蓋部5の先端部に可撓性を有する舌片10を一体的に垂設することもできる。
前記鍔部9は、押出操作の間、始終一定の形状を維持するが、前記舌片10は、押出操作の開始時、即ち、当該蓋部5が前記抽出口2を封じている際に、前記収容体1の側面に倣って垂れた姿勢で存在し(図10(A)参照)、前記鍔部9に指が掛かって蓋部5が開放するに従って当該蓋部5の裏側へ折れ曲り当該蓋部5の栓及びその周辺(以下、栓部と記す。)を覆うこととなる(図10(B)参照)。従って、当該舌片10にあっては、その様な可撓性と、栓部を覆うだけの長さ及び幅を有することが必要となる。
上記可撓性を与えるには、少なくとも、前記舌片10の基部が折れ曲がり、且つ復帰し得る素材で形成され、且つそれを許容する肉厚に設定されている必要がある。当該可撓性については、前記収容体1の柔軟部の構造とも共通するところである。当該舌片10の存在によって、当該栓部への人体等の直接的な接触による汚染が回避できるが、当該舌片10の裏面中央に指や収容体1が接触することによる間接的な栓部の汚染を防止することに配慮する必要もある。そこで、その様な間接的な栓部の汚染を防止すべく、当該舌片10は、人の指や収容体1の側面がなす曲面よりも常時小さく湾曲させることが望ましい。
上記容器によれば、図11の如く、前記ヒンジ部6を支点とした前記蓋部5の揺動を以って、片手で当該蓋部5の開閉を行うことができる事はもとより、上記構造を以って、当該蓋部5の舌片10を指が折り曲げつつ、その指が当該蓋部5の裏面に形成された栓部に触れることなく清潔にワンアクションで流動物を抽出口2から押し出すことができる。
図4に示す例は、収容体1の表面から膨出した柔軟部を備えた例の一つである。
当該例は、前記収容体1の上部を全体的に膨出させて薄肉としたものである。この様に、収容体1の上部を膨出させることによって、加圧ストロークを稼ぐことができ、更に、当該収容体1の上部が幅広となったことにより、前記キャップ本体4及び蓋部5も大径化され、前記蓋部5の旋回半径が大きくなった事を以って、前記収容体1の上部のみならず中間部に亘る広い領域に対して加圧できる構造となっている。
図5に示す例は、前記柔軟部として縦横に約20mm以上の幅を有する略平坦な面を備える容器の一例を示したものである。当該例は、容器を構成する収容体1及びキャップ3の断面を三角形状とすることにより、同じ断面積であっても前記柔軟部とし得る略平坦な一辺の幅を広く稼ぎ、当該柔軟部とすべき領域に柔軟さを与え易くする構造を採ったものである。而して、当該容器のヒンジ部6は、前記キャップ本体4における三角形状の一辺であって、当該柔軟部が設けられる面に面した上縁の一部に設けられることとなる。
当該例は、上記構造により、前記蓋部5の先端部に前記押出操作の操作部を備え、前記ヒンジ12に当該押出操作の支え部を備え、前記収容体1における前記スナップ板11との接触箇所に柔軟部を備え、前記スナップ板11における収容体1との接触箇所に加圧部を備えることとなる。当該例にあっては、略平坦な面である柔軟部を加圧し易い様に、前記ヒンジ部6と連結する側の蓋部5の上縁が、円弧状に突出した形に成形されている(図5(B)参照)。
図6及び図7に示す例は、前記蓋部5の高さを前記キャップ本体4の厚みより長くした例であり、図8及び図9に示す例は、前記蓋部5の奥行きを前記キャップ本体4の厚みより長くした例である。
これらの例は、前記蓋部5の高さを高くとり、或いは当該蓋部5の奥行きを長くとることによって、加圧ストロークを稼ぐことができ、前記蓋部5の旋回半径が大きくなった事を以って、前記収容体1の上部のみならず中間部に亘る広い領域に対して加圧できる構成である。更に、前記収容体1の幅に対するキャップ3の幅の割合を適宜変えることによって、図12又は図13の様な構成となり、需要者の手の大きさや内容物に応じて加圧領域の広狭を含む加圧の態様、及び操作性を調整することも可能となる。
図6及び図8に示す例は、前記蓋部5を曲線的なドーム状に設定し、且つ前記ヒンジ部6による当該蓋部5の揺動の中心をキャップ本体4及び収容体1の外周線より突出させたことにより、当該蓋部5の頂部が収容体1の側面を圧迫する様に構成したものであり、図7に示す例は、前記蓋部5を構成する五つの面が略直交する比較的嵩高の直方体状に設定し、且つ前記ヒンジ部6による当該蓋部5の揺動の中心を前記キャップ本体4及び収容体1の外周線より突出させたことにより、当該蓋部5の基部側の上縁が収容体1の側面を圧迫する様に構成したものである。
図9に示す例にあっては、前記ヒンジ部6による当該蓋部5の揺動の中心を前記キャップ本体4及び収容体1の外周線上に設けると共に、そのキャップ本体の側方に、開いた蓋部5が適当に収容体1の側方を加圧できる様、当該蓋部5の表部の形状に倣った受け部(凹み或いは逃げ部)13が設けられている。これとは逆に、当該キャップ本体4の下位に取り付けられる前記収容体1の側面に、開いた前記蓋部5の表部に加圧される柔軟部を当該収容体1の表面から膨出した形で設けても良い(図示省略)。
前記図8及び図9に示す例の様に、前記蓋部5の奥行きを長くとることで、先に一例を示した様に舌片10を設けなくとも、押出操作の際に、前記蓋部5の裏面に設けた栓部を避けて指を置くことが可能となる。
先に示した図4、図6乃至図9、並びに図12及び図13に示す例は、前記蓋部5の先端部に前記押出操作の操作部を備え、前記ヒンジ12に当該押出操作の支え部を備え、前記収容体1における前記蓋部5との接触箇所に柔軟部を備え、前記蓋部5における収容体1との接触箇所に加圧部を備える例である。
これらの容器を、点眼容器等の液体を滴下させる容器として用いる場合には、例えば、前記収容体1の側が小径で先広がりの抽出孔を有し、且つ滑らかな丸みを帯びた先端部を有する形状に成形する等により、先鋭でなく眼科用剤等の内溶液を点眼量単位で滴下させ得る構造が与えられた滴下ノズルを前記抽出口に備えれば良い。また、種々の内容物について計量して取り出すことが必要な場合には、前記収容体1の素材または肉厚を調整して当該収容体1に内容量を視認できる程度の光透過性を与え、当該収容体1の側面に内容量又は取出量を量る為の目盛り14を表示しても良い。
本発明による流動物押出用容器は、点眼剤や種々の試薬を一とする液体或いは軟膏等のクリーム状の内容物の容器、或いは計量器として用いる事ができ、内容物をワンアクションで手軽に取り出し、滴下し、或いは調合することが可能となり、医薬の提供や研究分野等、種々の分野において幅広い実用効果を奏する。
本発明による流動物押出用容器の一例を示す側面図である。 本発明による流動物押出用容器の一例を示す背面図である。 本発明のよる流動物押出用容器を用いた押出操作の一例を示す説明図である。 本発明による流動物押出用容器の一例を示す側面図である。 本発明による流動物押出用容器の一例を示す上面図及び側面図である。 本発明による流動物押出用容器の一例を示す側面図である。 本発明による流動物押出用容器の一例を示す側面図である。 本発明による流動物押出用容器の一例を示す上面図及び側面図である。 本発明による流動物押出用容器の一例を示す上面図及び側面図である。 本発明による流動物押出用容器の一例を示す側面図である。 本発明のよる流動物押出用容器を用いた押出操作の一例を示す説明図である。 本発明による流動物押出用容器の一例を示す背面図である。 本発明による流動物押出用容器の一例を示す背面図である。
符号の説明
1 収容体,2 抽出口,3 キャップ,4 キャップ本体,
5 蓋部,6 ヒンジ部,
7 栓,8 突条,9 鍔部,10 舌片,11 スナップ板,12 ヒンジ,
13 受け部,14 目盛り,

Claims (10)

  1. 注入口を供えた中空の収容体と、前記注入口に装着されるキャップとで構成され、
    前記キャップは、抽出口を備えるキャップ本体と、当該キャップ本体の上端部を覆って抽出口を封じる為の蓋部と、当該蓋部と前記キャップ本体とを開閉自在に連結するヒンジ部とを一体成形してなり、
    前記収容体は、前記蓋部の開方向への限界角を超える押出操作を以って容積が小さくなる様に変形し、前記蓋部の開方向への限界角内への復帰を以って変形が回復する柔軟部を有し、
    前記蓋部の先端部に前記押出操作の操作部を備え、前記ヒンジ部に当該押出操作の支え部を備え、前記収容体における前記蓋部又はヒンジ部との接触箇所に柔軟部を備え、前記蓋部又はヒンジ部における前記収容体との接触箇所に加圧部を備える流動物押出用容器。
  2. 前記ヒンジ部が、開放時には蓋部を開方向へ向かわせ閉鎖時には蓋部を閉方へ向かわせるスナップ板と、当該スナップ板を挟む一対のヒンジとからなる前記請求項1に記載の流動物押出用容器。
  3. 前記蓋部の先端部に前記押出操作の操作部を備え、前記ヒンジの開閉軸を当該押出操作の支え部とし、前記押出操作の際の前記スナップ板における収容体との接触箇所を加圧部とし、前記収容体における前記スナップ板との接触箇所に柔軟部を備える前記請求項2に記載の流動物押出用容器。
  4. 前記収容体の表面から膨出した柔軟部を備える前記請求項1乃至請求項3の何れかに記載の流動物押出用容器。
  5. 前記柔軟部として縦横約20mm以上の幅を有する略平坦な面を備える前記請求項1乃至請求項4の何れかに記載の流動物押出用容器。
  6. 奥行き又は高さが前記キャップ本体の厚みより長い前記蓋部を備え、その表面に前記加圧部を備える前記請求項1乃至請求項5の何れかに記載の流動物押出用容器。
  7. 前記蓋部の先端部に、操作部たる鍔部を突設した前記請求項1乃至請求項6の何れかに記載の流動物押出用容器。
  8. 前記抽出口に液体用の滴下ノズルを備えた前記請求項1乃至請求項7の何れかに記載の流動物押出用容器。
  9. 眼科用剤を点眼量単位で滴下させる前記滴下ノズルを備えた前記請求項8に記載の流動物押出用容器。
  10. 前記蓋部の先端部に可撓性を有する舌片を備え、
    当該舌片は、折れ曲って当該蓋部の栓部を覆う長さ及び幅を有し、且つ当該蓋部が前記抽出口を封じている際に前記収容体の側面に倣って垂れた姿勢で存在する前記請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の流動物押出用容器。
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