JP4868759B2 - リチウム二次電池用正極板およびその製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用正極板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池用正極の改良に関し、特に正極活物質の充填状態を改良したリチウム二次電池用正極板に関する。
携帯電話やノートパソコン等の移動情報端末の小型・軽量化の急速な進展に伴って、軽量かつ高容量のリチウム二次電池の利用が拡大している。リチウム二次電池は、正負極間でのリチウムの移動により充放電を行う電池であり、その正極板には活物質としてコバルト酸リチウムやニッケル酸リチウム等のリチウム複合酸化物が使用されている。
このようなリチウム二次電池用正極板は、導電剤や結着剤等を配合した正極合剤スラリーを集電体表面に塗着し、乾燥した後、圧縮する方法により作製されており、圧縮時における加圧力を調整することにより所望の充填密度の正極板が作製される。この圧縮法においては、一般に、剛性が高い材質の大径ロールを使用し、より高い圧力で圧縮することにより、電極中の活物質充填密度を高めることができる。しかし、或る段階を超えると加圧力を増しても、電極板最表層の充填密度のみが高まり、その内部の充填密度が高まらないという現象が起きる。このような現象が起きた正極板は、合剤層内部の力学的構造が均一でなく、活物質充填密度が不均一になっているので、機械的強度や電気化学的特性に問題を有する。
特に、正極活物質であるリチウム複合酸化物は、無機物で硬度が大きく、かつ流動性が良くないために、加圧力を高めても高充填密度の電極が得られ難いとともに、加圧力を高め過ぎると、リチウム複合酸化物の結晶構造が破壊され、リチウムイオンの挿入離脱性能が低下するという問題がある。
他方、圧縮を複数回行うことにより徐徐に充填密度を高める方法もあるが、この方法によると圧縮に時間がかかるため生産性が低下するとともに、集電体が過剰に延伸して破断したり、湾曲が生じたりするなどの問題がある。
ところで、電極充填密度に関する先行技術文献情報としては下記があり、このうち特許文献1には、集電体近傍の合剤密度を極板表面近傍の合剤密度に比べ大きくすることにより、電極上にリチウムが析出することを防止する技術が記載されている。しかし、特許文献1の技術は、上記した従来技術にかかる圧縮法の問題点を解決するものではない。よって、この技術により、極板表面近傍の合剤密度を十分に高め、かつ集電体近傍の合剤密度を前記極板表面近傍以上に高めることはできない。
特開2002−260635公報(段落0005,0009,0038) 特開平7−94171公報(要約) 特開2003−68284公報(要約、段落0011)
本発明は、従来技術にかかる圧縮法における問題点を解消することを目的とするものであり、集電体近傍と電極板表層との充填密度の均一化が図れ、かつ正極板全体の単位当たりの充填密度を大幅に高めることのできるリチウム二次電池用正極板板の製造方法を提供するとともに、そのような製造方法により、発電性能や機械的強度に優れたリチウム二次電池用正極板を実現することを目的とする。
上記課題は次の構成により達成できる。
〈第1の発明〉
リチウムイオンを吸蔵・放出するリチウム複合酸化物を主体とする正極活物質と、導電剤と、結着剤と、を含有する正極合剤スラリーを金属箔からなる集電体の両面に塗布し乾燥することにより、正極合剤の塗着された正極板前駆体を作製する正極板前駆体作製工程と、前記正極板前駆体を加圧ローラーにより加圧して、正極板前駆体の合剤層を所定の厚みにまで圧縮し正極板となす加圧工程と、を備え、
前記正極板前駆体作製工程においては、平均粒子径が10μm〜20μmであり、BET比表面積が0.25m2/g〜0.70m2/gである正極活物質粒子を用い、前記加圧工程においては、ロール径が150mm以上360mm以下の加圧ローラーを用い、かつ前記加圧ローラーの加圧力を45kg/mm2以上190kg/mm2以下に制御することにより、活物質充填密度が3.63g/cm3以上3.95/cm3以下であり、活物質密度比d1/d8が数1の範囲内である正極板を作製することを特徴とするリチウム二次電池用正極板の製造方法。
(数1)
0.90≦d1/d8≦1.05

但し、圧縮後の正極合剤層を厚み方向に均等に8分割した場合における電極表面側の最表層の活物質密度をd1とし、集電体に接する集電体近傍層の活物質密度をd8とする。
上記構成では、平均粒子径が10μm〜20μmであり、BET比表面積が0.25m2/g〜0.70m2/gである正極活物質粒子を用い、かつ加圧ロール径が150mm以上360mm以下の加圧ローラーで加圧力を45kg/mm2以上190kg/mm2以下として加圧圧縮するが、この条件であると、電極板の最表層のみが加圧され、内部層が殆ど圧縮されないという問題が発生しない。よって、活物質充填密度が3.63g/cm3以上3.95/cm3以下、活物質密度比d1/d8が数1の範囲内である正極板を作製することができる。この製造方法で作製された正極板は、合剤層全体に圧縮力が均一に及び、活物質密度の均一性がよいので、電気化学的特性や機械的強度に優れる。
上記第1の発明においては、前記正極板中の正極活物質の平均粒子径を、前記正極板前駆体作製工程で使用した正極活物質の平均粒子径の75%以上に加圧圧縮するのがよい。上記構成の正極板の製造方法を用いると、無用に加圧力を高めなくとも、合剤層の活物質密度を十分に高めることができるので、上記条件の範囲内で加圧力やローラーの回転速度等を調整して、正極活物質粒子の平均粒子径を加圧前の75%以上に止まるようにするのがよい。加圧前後における正極活物質の平均粒子径の減少(粒子の潰れ)が25%以内であれば、正極活物質の結晶構造の破壊に起因する電気化学的特性の減少よりも、本発明方法による充填密度の向上に伴う効果(2C放電容量維持率等の向上)の方が優位になるからである。
更に上記第1の発明においては、前記加圧工程における加圧ローラーによる加圧を1回のみとすることができる。
加圧圧縮回数を1回とすることにより、電極板の無用な延伸を抑制でき、集電体の破断や電極板の湾曲を抑制できる。よって、この構成によると、高充填密度で高品質のリチウム二次電池用正極板を製造することができる。
〈第2の発明〉
リチウムイオンを吸蔵・放出するリチウム複合酸化物を主体とする正極活物質と、導電剤と、結着剤と、を含有する正極合剤が集電体表面に圧縮形成されてなる正極合剤層を備えたリチウム二次電池用正極板において、前記正極合剤層中の正極活物質は、平均粒子径が10μm〜20μmで、BET比表面積が0.25m2/g〜0.70m2/gであり、前記活物質層の活物質充填密度が、3.63g/cm3 〜 3.95g/cm 3 であり、
前記活物質層を厚み方向に均等に8分割した場合における電極表面側の最表層の活物質密度をd1とし、集電体に接する集電体近傍層の活物質密度をd8とするとき、活物質密度比d1/d8が0.90〜1.05であることを特徴とするリチウム二次電池用正極板。
この構成のリチウム二次電池用正極板は、単位体積当たりの発電容量が大きく、しかも2C放電容量維持率やサイクル容量維持率に優れる。
本発明によると、集電体近傍と電極板表層との充填密度の均一化が図れ、かつ正極板全体の単位当たりの活物質充填密度を大幅に高めたリチウム二次電池用正極板を実現することができ、この正極板は単位体積当たりの発電容量が大きく、しかも2C放電容量維持率やサイクル容量維持率に優れる。
本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
[正極板の作製]
平均粒径16μm、BET比表面積0.26m2/gのコバルト酸リチウム94重量部とアセチレンブラック3重量部とポリフッ化ビニリデン(PVdF)3重量部とをN-メチルピロリドン液で攪拌して正極合剤スラリー作製し、これを厚さ15μmのアルミニウムからなる集電体(芯体)の両面に塗布し乾燥した。乾燥後の正極合剤層の厚み0.260mmであり、幅は120mmであった。このものを、直径260mmの金属ロールを用い、圧縮圧力45kg/mm2で1回ロールプレスして正極合剤層厚みが0.160mmの正極板を作製した。
ここで上記コバルト酸リチウムの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した値であり、BET比表面積とは、N2ガスを用いBET吸着等温式に基づいて算出した値である。
[負極及び電解液の作製]
リチウムイオンを吸蔵離脱させることのできるグラファイトを結着剤を使用して銅箔からなる集電体両面に塗着させた。これを負極板とした。電解液は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを等体積(25℃)で混合した混合溶媒にLiPF6を1mol/L溶解して作製した。
[電池組み立て]
上記正極板及び負極板を所定寸法に切断した一対の電極にポリプロピレン製の微多孔膜からなるセパレータを介し巻回して巻回型電極体となし、これを円筒型外装缶内に挿入し、電解液を注液した後、外装缶の開口部をカシメ封口することにより、円筒型リチウム二次電池(電池設計容量1500mA)を作製した。
(実施例2)
正極板の圧縮に際し、直径360mmの金属ロールを使用し、圧縮圧力を50kg/mm2として正極板を作製したこと以外は上記実施例1と同様にして実施例2にかかるリチウム二次電池を作製した。
(実施例3)
正極板の圧縮に際し、直径150mmの金属ロールを使用し、圧縮圧力を46kg/mm2として正極板を作製したこと以外は上記実施例1と同様にして実施例3にかかるリチウム二次電池を作製した。
(実施例4)
正極板の圧縮に際し、直径190mmの金属ロールを使用し圧縮圧力は実施例1と同じとして正極板を作製したこと以外は上記実施例1と同様にして実施例4にかかるリチウム二次電池を作製した。
(比較例1)
正極板の圧縮に際し、直径130mmの金属ロールを使用し、圧縮圧力を46kg/mm2として正極板を作製したこと以外は上記実施例1と同様にして比較例1にかかるリチウム二次電池を作製した。
(比較例2)
正極板の圧縮に際し、直径450mmの金属ロールを使用し、圧縮圧力を57kg/mm2として正極板を作製したこと以外は上記実施例1と同様にして比較例2にかかるリチウム二次電池を作製した。
(比較例3)
正極板の圧縮に際し、実施例1と同様の直径の金属ロールを用い、圧縮圧力を40kg/mm2として正極板を作製したこと以外は上記実施例1と同様にして比較例3にかかるリチウム二次電池を作製した。
(比較例4)
正極板の圧縮に際し、実施例1と同様の直径の金属ロールを用い、圧縮圧力を250kg/mm2として正極板を作製したこと以外は上記実施例1と同様にして比較例4にかかるリチウム二次電池を作製した。
以下の実施例5、比較例5,6は、圧縮回数の影響を調べるためのものである。
(実施例5)
コバルト酸リチウム94重量部とアセチレンブラック3重量部とポリフッ化ビニリデン3重量部とN-メチルピロリドン液とを攪拌して正極合剤スラリーを作製し、これを厚さ15μmのアルミニウム集電体の両面に塗布し、乾燥した後、正極活物質密度が概ね3.70g/cm3になるように、直径250mmの金属ロールを使用し、圧縮圧力60kg/mm2、圧縮回数1回でロールプレスを行い、正極板を作製した。
(比較例5)
圧縮圧力40kg/mm2、圧縮回数を2回としたこと以外は、上記実施例5と同様にして比較例5にかかる正極板を作製した。
(比較例6)
圧縮圧力30kg/mm2、圧縮回数を3回としたこと以外は、上記実施例5と同様にして比較例6にかかる正極板を作製した。
以上で作製した各種正極板の特性を調べた。詳しくは、正極合剤層の断面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると共に、正極合剤層のSEM拡大画像を用いて活物質密度比の評価を行った。また、上記各電池について、2C放電容量維持率の測定を行った。また、圧縮回数と電極板の延びの関係を調べた。これらの条件とその結果を順次説明する。
〈SEM拡大画像作成条件〉。
正極板を1cm×1cmに切り、シリコンウエハ面に接着し固定し、その表面を熱硬化性樹脂で覆った後、クロスセクションポリシャ法を用いて断面加工を行った。次いで、SEMを介して電極表面側の正極合剤層および集電体近傍の正極合剤層の断面状態を観察すると共に、これらについて写真撮影した。活物質密度比の評価用の写真撮影は拡大倍率900倍、2500倍で行った。
〈活物質密度比の測定条件〉
画像処理ソフトを使用し上記で撮影した画像における正極合剤層の厚み方向の全厚を8個の層に均等分割し、電極最表層を第1層とし、集電体面に接する集電体近傍を第8層とし、その中間をdn(n=2〜7)とした。また、正極合剤層中の活物質粒子を白色、活物質以外を黒色にする2値化処理を行った。そして、正極合剤層の全厚の1/8を縦長とし、横長(集電体に平行な方向)を0.03mmとする区画を一区画とし、この区画内における白色面積を測定する方法により第1層から第8層までの活物質密度を測定した。
電極表面の第1層の活物質密度をd1、集電体面に接する集電体近傍層の活物質密度をd8として、d1/d8を求め、これを活物質密度比とした。表1には、d1/d8の結果を示し、d1/d8活物質密度比が0.90<d1/d8<1.05の範囲内にある場合を良(○)とした。活物質密度比がこの範囲内にあれば、正極合剤層全体が十分に均一であると言えるからである。
〈粒子の潰れの評価〉
圧縮前の正極活物質の粒度分布を測定しこの平均粒子径をr1とし、圧縮後の正極板から回収した活物質を約400℃で1時間加熱し、バインダーを分解させてとり除いた後、粒度分布を測定し、この平均粒子径をr2とした。各々の正極板におけるr2/r1を求め、この百分率を形状維持率%とし、〔r2/r1〕×100 > 75である場合を良(○)とした。なお、活物質粒子の潰れがない場合は、形状維持率が100となる。
〈2C放電容量維持率の測定〉
各電池について、25℃において電流1500mA、終止電圧4.2Vの定電流充電を行い、続いて電圧4.2V、終止電流30mAの定電圧充電を行った後、電流値1500mAで2.75Vまで放電しこの時の放電容量を測定した。これを基準放電容量とした。他方、同様に充電した後、今度は電流値3000mAで2.75Vまで放電してこの時の放電容量を測定し、これを2C放電容量とした。上記基準放電容量に対する2C放電容量の百分率を2C容量維持率(%)とした。
〈25℃サイクル容量維持率の測定〉
上記と同様、25℃において、定電流充電(電流1500mA、終止電圧4.2V) − 定電圧充電(電圧4.2V、終止電流30mA)を行い、電流値1500mAで2.75Vまで放電する充放電を1サイクルとし、これを500サイクル繰り返した。各電池について、1サイクル目と500サイクル目における放電容量を測定し、1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量の百分率を25℃サイクル容量維持率(%)とした。
(結果)
実施例1〜4および比較例1〜3における各種条件と評価結果を表1に一覧表示する。また、実施例1、比較例3にかかる正極板の正極合剤層のSEM写真に基づく概念図をそれぞれ図1図2に示し、図3に圧縮回数と電極板の延びとの関係を示す。図1における符号1は電極表面側の正極合剤最表層であり、符号2は活物質粒子、符号3は集電体である。
Figure 0004868759
表1において、ロール径が150mmから360mmであり、加圧力が45kg/mm2から190kg/mm2であり、活物質充填密度が3.63g/cm3 〜3.95g/cm3である実施例1〜4の正極板は、活物質密度比d1/d8が0.90〜1.05と顕著に小さかった。そして、この正極板を用いてなる実施例1〜4にかかるリチウム二次電池は、2C放電容量維持率が82〜87%であり、25℃500サイクルにおける容量維持率が85〜90%と優れた電池性能を示した。
これに対して、ロール径または加圧力の何れかが上記範囲内にない比較例1〜4は、上記実施例1〜4に比較して活物質密度比d1/d8値が1より大きく離れており、2C放電容量維持率、25℃500サイクル容量維持率が共に大きく低下していた。
また、表1において、活物質粒子の形状維持率(%)について見ると、例えば実施例1の形状維持率は90%であり、比較例2のそれは98%であったが、2C放電容量維持率、25℃500サイクル容量維持率とも実施例1の方が顕著に優れていた。この理由としては、図1、2に示すように、実施例1の正極板では極板全体が均一に圧縮され活物質密度が均一であるのに対し(図1)、比較例2は極板表面近傍のみが高密度に圧縮され、中間層や集電体近傍の圧縮密度が小さくなった不均一構造が形成(図2)されているためと考えられる。
また、実施例3とその他の実施例や比較例との比較から、活物質粒子の潰れの程度は電池性能の差に直結するのではなく、活物質密度比との関連において電池性能に影響を与えることが判る。つまり、活物質密度比d1/d8が0.90〜1.05の範囲内にある場合には、活物質粒子の形状維持率が75%(実施例3)以上であれば十分な電池性能が担保できることが判る。これは、正極活物質の結晶構造の破壊に起因する電気化学的特性の減少よりも、正極板全体の活物質密度の均一化によるよる効果(2C放電容量維持率等の向上)の方が優位になるからであると考えられる。
図3に圧縮回数(加圧圧縮回数)と正極板の延びとの関係を示すが、図3から明らかなように、圧縮回数が増えると直線的に電極板が延びる傾向が認められる。このことは、圧縮回数を増やすことにより合剤の充填密度を高める方法によると、集電体の破損等が生じ易くなることを意味する。よって、好ましくは1回の圧縮で所望の活物質密度の正極板を得ることのできる製造方法がよい。
(その他の事項)
上記実施例では、正極活物質として平均粒径16μm、BET比表面積0.26m2/gのコバルト酸リチウムを用いたが、正極活物質は、平均粒子径が10μm〜20μmであり、BET比表面積が0.25m2/g〜0.70m2/gのものであればよい。この範囲内であれば、活物質の硬度が硬くなり、本発明で圧縮した場合においても結晶構造の破壊が少なく粒子形状がほとんど変化しないためである。
また、上記実施例では、正極活物質としてコバルト酸リチウムを用いたが、本発明は、結晶が硬く、粒子流動性が悪く、かつ過大な圧力が加わると、結晶構造が破壊されるという特性を有するリチウム複合酸化物全般に適用できる。コバルト酸リチウム以外のリチウム複合酸化物としては、例えばマンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、リチウムチタン酸化物、オリビン型燐酸鉄リチウムなどが挙げられる。
本発明は、圧縮方法を工夫して集電体近傍と電極板表層との充填密度の均一化を図ることにより、単位体積当たりの発電容量が大きく、2C放電容量維持率やサイクル容量維持率に優れたリチウム二次電池用正極板を提供する。この正極板はリチウム二次電池の電池性能を顕著に高めることができるので、その産業上の利用可能性は大きい。
ロールプレス後の正極合剤層が厚み方向均一に圧縮され、活物質密度が均一となっている状態を示す模式図である。 ロールプレス後に正極合剤最表層の活物質のみが密になった状態を示す模式図である。 実施例5、比較例5,6における圧縮回数と正極板の伸びとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 正極合剤最表層
2 正極活物質
3 集電体


Claims (4)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出するリチウム複合酸化物を主体とする正極活物質と、導電剤と、結着剤と、を含有する正極合剤スラリーを金属箔からなる集電体の両面に塗布し乾燥することにより、正極合剤の塗着された正極板前駆体を作製する正極板前駆体作製工程と、
    前記正極板前駆体を加圧ローラーにより加圧して、正極板前駆体の合剤層を所定の厚みにまで圧縮し正極板となす加圧工程と、
    を備え、
    前記正極板前駆体作製工程においては、平均粒子径が10μm〜20μmであり、BET比表面積が0.25m2/g〜0.70m2/gである正極活物質粒子を用い、
    前記加圧工程においては、ロール径が150mm以上360mm以下の加圧ローラーを用い、かつ前記加圧ローラーの加圧力を45kg /mm2以上190kg/mm2以下に制御することにより、活物質充填密度が3.63g/cm3以上3.95g/cm3以下であり、活物質密度比d1/d8が数1の範囲内である正極板を作製する
    ことを特徴とするリチウム二次電池用正極板の製造方法。

    (数1)

    0.90≦d1/d8≦1.05

    但し、圧縮後の正極合剤層を厚み方向に均等に8分割した場合における電極表面側の最表層の活物質密度をd1とし、集電体に接する集電体近傍層の活物質密度をd8とする。
  2. 請求項1に記載のリチウム二次電池用正極板の製造方法において、
    前記正極板中の正極活物質の平均粒子径が、前記正極板前駆体作製工程で使用した正極活物質の平均粒子径の75%以上である
    ことを特徴とするリチウム二次電池用正極板の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のリチウム二次電池用正極板の製造方法において、
    前記加圧工程における加圧ローラーによる加圧が1回のみである
    ことを特徴とするリチウム二次電池用正極板の製造方法。
  4. リチウムイオンを吸蔵・放出するリチウム複合酸化物を主体とする正極活物質と、導電剤と、結着剤と、を含有する正極合剤が集電体表面に圧縮形成されてなる正極合剤層を備えたリチウム二次電池用正極板において、
    前記正極活物質は、平均粒子径が10μm〜20μmで、BET比表面積が0.25m2/g〜0.70m2/gであり、
    前記正極合剤層の正極活物質充填密度が、3.63g/cm3 〜 3.95g/cm3であり、
    前記活物質層を厚み方向に均等に8分割した場合における電極表面側の最表層の活物質密度をd1とし、集電体に接する集電体近傍層の活物質密度をd8とするとき、活物質密度比d1/d8が0.90〜1.05である、
    ことを特徴とするリチウム二次電池用正極板。
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