JP4867788B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある)、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある)及び画像形成装置に関する。
静電荷像の現像は取扱いの便利性から殆ど乾式現像に移っているが、乾式現像剤としては磁力搬送性を備えかつ可視画像を形成できる磁性トナーを成分とする一成分系現像剤及び可視画像を形成する着色トナーと該トナーを保持搬送しかつ該トナーへ摩擦帯電を与える磁性キャリアとを成分とする二成分系現像剤があり、多色現像には色純度のよい二成分系現像剤が好ましい。
このような現像剤には、現像性、定着性の面から多くの機能特性が要求され、例えばトナーの静電的、熱的あるいは強度的な物理的性質、化学的性質あるいは流動、ブロッキング、粒度分布等の粉体特性等が要求され、これらを受けてトナー粒子の形状、材質更に形成方法、特性補完のための種々の添加剤等が検討されている。
また、現像剤の繰返し現像、長期現像、連続現像等の恒常性を保証するためには、現像剤中の構成粒子の消費選択性、変形、変質、感光体その他への汚染、損傷性がなく、クリーニング性が良好であることが求められている。
一方、トナーにおいては、粒子の搬送性や帯電性のため適当な流動性が必要であり、このために小粒径の無機粒子(平均粒径約5nm以上100nm以下)をトナー粒子に外部添加する方法、クリーニング性を付与するために平均粒径が約0.5μm以上5μm以下程度の無機粒子をトナー粒子に外部添加する方法、平均粒径が約0.05μm以上5μm以下の有機粒子をトナー粒子に外部添加する方法等が知られている。
これらの無機粒子、有機粒子等の外添剤を外部添加して含有させたトナーは画像出力枚数の増加につれ、外添剤のトナー粒子への埋没が生じ、外添剤により付与されていた流動性や帯電制御といった効果が消失しやすく、流動性低下、帯電性低下等による画質低下の原因となっていた。
そこで例えば、(1)トナー粒子表面にシリカが部分的に凝集した状態で付着させる(特許文献1)、(2)一次粒径100nm以下のシリカとチタニアを添加する(特許文献2)、(3)一次粒径1nm以上30nm以下のシリカと150nm以上5μm以下の無機酸化物を添加する(特許文献3)等が提案されている。
また、特許文献4では、樹脂と着色剤を含有する着色粒子表面に、疎水性シリカ微粉末を下記式を満足するように存在させる電子写真用トナーが記載されている。ただし、Si及びCはESCA測定による電子写真用トナー粒子の表面に存在するケイ素原子比率と炭素原子比率であり、Xは疎水性シリカ微粉末の着色粒子に対する添加率(質量%)である。
0.05<(Si/C)/X≦0.20
特許文献5では、トナー表面に付着させるシリカ微粒子の凝集体平均径rより大きな平均一次粒径Rを有する微粒子の比r/Rを、1〜1/10の範囲としたトナーが記載されている。
特許文献6では、少なくとも多数の母粒子と多数のシリカの粒子とを有するトナーにおいて、前記シリカが付着していない遊離母粒子の母粒子遊離率が10%以下に設定されているとともに、前記母粒子に付着していないシリカである遊離シリカのシリカ遊離率が0.2〜10%に設定されているトナーが記載されている。
特許文献7では、トナー粒子に対する添加剤微粒子の付着力と画質向上等のトナー特性との関係について、特定の添加剤とその付着力が所定の関係にあると目的を達成することできることが記載されている。
特開平2−289859号公報 特公平2−27664号公報 特公平2−45188号公報 特開2002−91064号公報 特開平5−119518号公報 特開2002−202622号公報 特開平7−199519号公報
本発明は、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、安定して高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナー、そのような静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤及び画像形成装置である。
本発明は、結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子に少なくとも1種の無機粒子が外部添加されており、前記無機粒子としてシリカ粒子を含み、未使用トナー、画像密度1%の低画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナー及び画像密度80%の高画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナーのXPS測定によるSiとCとのピーク面積比率をそれぞれ(Sib/Cb)、(SiL/CL)、(SiH/CH)としたときに、
1.2≦(Sib/Cb)/(SiL/CL)≦3.0
1.0≦(SiH/CH)/(SiL/CL)≦1.4
の関係にある静電荷像現像用トナーである。
また、前記静電荷像現像用トナーにおいて、前記ピーク面積比率(SiL/CL)が0.08以上であることが好ましい。
また、前記静電荷像現像用トナーにおいて、前記無機粒子としてさらにチタニア粒子を含み、画像密度1%の低画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナー及び画像密度80%の高画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナーのXPS測定によるTiとCとのピーク面積比率をそれぞれ(TiL/CL)、(TiH/CH)としたときに、
1.0≦(TiH/CH)/(TiL/CL)≦1.4
の関係にあることが好ましい。
また、前記静電荷像現像用トナーにおいて、前記無機粒子が少なくとも第1無機粒子と前記第1無機粒子よりも平均粒径の小さい第2無機粒子とを含み、前記第1無機粒子及び第2無機粒子のうち少なくとも1つがシリカ粒子であることが好ましい。
また、前記静電荷像現像用トナーにおいて、前記第1無機粒子及び第2無機粒子のうち少なくとも1つがシリカ粒子であり、もう一方がチタニア粒子であり、画像密度1%の低画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナー及び画像密度80%の高画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナーのXPS測定によるTiとCとのピーク面積比率をそれぞれ(TiL/CL)、(TiH/CH)としたときに、
1.0≦(TiH/CH)/(TiL/CL)≦1.4
の関係にあることが好ましい。
また、前記静電荷像現像用トナーにおいて、前記第1無機粒子の平均粒径が40nm以上200nm以下であり、前記第2無機粒子の平均粒径が10nm以上50nm以下であることが好ましい。
また、前記静電荷像現像用トナーにおいて、前記トナー粒子が、結着樹脂および着色剤を含むコア粒子と、前記コア粒子を被覆するシェル層とを有することが好ましい。
また、本発明は、結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子に湿式法により第1無機粒子を外部添加する湿式外添工程と、前記第1無機粒子が外部添加されたトナー粒子に乾式法により前記第1無機粒子よりも平均粒径の小さい第2無機粒子を外部添加する乾式外添工程と、を含み、前記第1無機粒子及び第2無機粒子のうち少なくとも1つがシリカ粒子であり、未使用トナー、画像密度1%の低画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナー及び画像密度80%の高画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナーのXPS測定によるSiとCとのピーク面積比率をそれぞれ(Sib/Cb)、(SiL/CL)、(SiH/CH)としたときに、
1.2≦(Sib/Cb)/(SiL/CL)≦3.0
1.0≦(SiH/CH)/(SiL/CL)≦1.4
の関係にある静電荷像現像用トナーの製造方法である。
また、前記静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記第1無機粒子が外部添加されたトナー粒子に剪断力を加える剪断力付加工程をさらに含み、前記乾式外添工程において、前記剪断力が付加されたトナー粒子に乾式法により前記第2無機粒子を外部添加することが好ましい。
また、前記静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記第1無機粒子の平均粒径が40nm以上200nm以下であり、前記第2無機粒子の平均粒径が10nm以上50nm以下であることが好ましい。
また、本発明は、前記静電荷像現像用トナーと、キャリアとを含有する静電荷像現像用現像剤である。
また、本発明は、像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー画像を中間転写体に転写する転写手段とを有し、前記現像手段を備えた複数の前記像保持体が、前記中間転写体に沿って直列に配置され、前記現像剤が、前記静電荷像現像用現像剤である画像形成装置である。
本発明の請求項1によると、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、安定して高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナーを提供することができる。
本発明の請求項2によると、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、より安定して高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナーを提供することができる。
本発明の請求項3によると、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、より安定して高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナーを提供することができる。
本発明の請求項4によると、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、より安定して高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナーを提供することができる。
本発明の請求項5によると、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、より安定して高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナーを提供することができる。
本発明の請求項6によると、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、より安定して高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナーを提供することができる。
本発明の請求項7によると、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、より安定して高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナーを提供することができる。
本発明の請求項8によると、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、安定して高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することができる。
本発明の請求項9によると、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、より安定して高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することができる。
本発明の請求項10によると、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、より安定して高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することができる。
本発明の請求項11によると、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、安定して高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用現像剤を提供することができる。
本発明の請求項12によると、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、安定して高画質の画像を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
従来、埋没に強い外添剤の設計の条件あるいは脱離に強い外添剤の設計の条件が検討されてきた。しかし、未使用の初期トナーの設計をしてもそのトナーが使用されるシステムや、トナーに加わるストレス等によって外添構造の変化の仕方が異なり、経時において特性に変化が生じていた。特に現像工程及び転写工程においてトナーの劣化形態が異なっていた。すなわち、現像工程は外添剤のトナー粒子への埋没を促進させ、転写工程は外添剤のトナー粒子からの脱離を促進させる。また、画像密度等の画像構造を変化させることにより、トナーの劣化形態が異なっていた。すなわち、低密度画像(例えば画像密度5%以下)の出力は現像装置におけるトナーの入れ替わり量が少ないため、現像装置内でのトナーへのストレスが強く、外添剤のトナー粒子への埋没を促進させ、高密度画像(例えば画像密度40%以上)の出力は現像装置におけるトナーの入れ替わり量が多いため、現像装置内でトナーへのストレスがあまりかからず、転写工程での外添剤の脱離が生じやすかった。
特に複数色に対応する各色の現像手段をそれぞれ備えた複数の像保持体が中間転写体に沿って直列に配置されたタンデムカラープロセスにおいては、各色で画像密度の異なる画像を出力するため、各色個々のトナーの外添構造変化の仕方が異なり、色合いが変化してしまう。タンデムカラープロセスでは、今までにない低画像密度の連続出力や高画像密度の連続出力が行われ、偏ったトナー劣化形態が生じ、クラウド、かぶり、転写不良等が生じてしまう。つまり、トナーには、低密度画像、高密度画像の連続出力(例えば連続1000枚以上)にも耐え、安定した外添構造を保つことが求められる。
また、これらのトナーの劣化は、出力速度(マグロール回転速度、感光体回転速度、転写ベルト回転速度等)によっても劣化形態が異なってくる。したがって、小型の画像形成装置から大型の画像形成装置、低速の画像形成装置から高速の画像形成装置にも対応でき、安定した画質の画像を提供するためには、未使用の初期トナーの外添状態と出力画像におけるトナーの外添状態を規定することが重要である。
また従来、経時でトナー表面の外添状態が変化することによる、帯電低下、アドミックス不良、転写不良等を改善するための提案が数多くなされている。外添剤の埋没、脱離を抑制する為に、(1)埋没しにくい大きめの外添剤や低比重の外添剤種を規定したり、(2)脱離しにくい小さめの外添剤や処理剤、添加量を規定したり、(3)これらを両立させる為に外添剤の付着力を規定したりしていた。しかしながら、大きい外添剤、付着強度が弱い低比重の外添剤は脱離し易く、逆に脱離しにくい外添剤は埋没し易い傾向がある。また、外添剤の付着力の規定も十分でない。なぜなら外添剤の埋没や脱離は現像時及び転写時に主として起こり、現像時ではトナーとキャリアやブレードとの摩擦、衝撃による埋没、転写時には静電気力、ファンデルワールス力等による脱離が生じ易い。特に、画像密度等の画像条件が変化すると、現像装置におけるトナーの入れ替わり量が変化し、低画像密度での画像出力時は外添剤が埋没し易く、高画像密度での画像出力時は外添剤が脱離し易い傾向があった。この為、未使用の初期トナーの外添状態を規定しても、市場では満足のいく画像品質を長期に得ることが難しかった。つまり、未使用の初期トナーの設計だけでなく、画像出力後の画像におけるトナー状態を設計することが重要である。
本発明者らは、さまざまな画像を出力した際にでも安定した画像品質を長期に維持できることを検討し、未使用の初期トナーの外添状態の規定だけでなく、高画像密度で画像出力した未定着画像におけるトナーの外添状態と、低画像密度で画像出力した未定着画像におけるトナーの外添状態とを規定することにより、さまざまな画像でも安定した画像品質を長期に維持できることを見出した。特に、タンデムカラープロセスにおけるカラー画像形成装置に有効である。タンデム型のカラー画像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の画像が高画像密度で、ブラック(K)の画像が低画像密度で(あるいはその逆)同時に長期出力されることが通常で起こりうる。そこで、本実施形態では、色毎に現像特性、転写特性等が変化する状況が生じうる、タンデム型のカラー画像形成装置においても安定した画像品質が得られる。
すなわち、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子に少なくとも1種の無機粒子が外部添加されており、その無機粒子としてシリカ粒子を含み、未使用のトナー(現像機に投入する前のキャリアと混合前の供給用トナー)と10,000枚画像出力後の未定着画像上のトナーのXPS測定におけるSiとCとの比率変化が少ない。すなわち、外添剤の付着状態の変化が少ない。具体的には、未使用トナー、画像密度1%の低画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナー及び画像密度80%の高画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナーのXPS測定によるSiとCとのピーク面積比率をそれぞれ(Sib/Cb)、(SiL/CL)、(SiH/CH)としたときに、
1.2≦(Sib/Cb)/(SiL/CL)≦3.0
1.0≦(SiH/CH)/(SiL/CL)≦1.4
の関係にある。これにより、画像密度によらず、かぶり、クラウド等が生じにくく、転写不良が起こりにくく、長期安定した画質が得られる。また、タンデムカラープロセスにおいて色差が生じにくい。また、
1.4≦(Sib/Cb)/(SiL/CL)≦2.5
1.0≦(SiH/CH)/(SiL/CL)≦1.3
の関係にあることが好ましい。
トナーは通常トナーカートリッジ等から排出されるため、流動性を有することが重要である。つまり、トナーカートリッジから現像機までは流動性を確保することが重要である。(Sib/Cb)/(SiL/CL)が1.2未満であると、トナーのトナーカートリッジからの排出性が悪くなり、詰りが生じたり、排出されない残トナー量が多くなる。(Sib/Cb)/(SiL/CL)が3.0を超えると、高画像密度と低画像密度におけるSi/C比を制御することが困難となる。
一方、(SiH/CH)/(SiL/CL)が1.0未満であると、低画像密度におけるSi比率が多いことを意味し、これは、高画像密度の画像を出力することで、外添剤の脱離が生じていることを示す。つまり、付着力の多いシリカ外添剤が、転写時等に転写部材に移行し定着画像上にはほとんど存在していないことを示す。これは転写性を悪化させ、画像劣化を生じさせる。また、感光体や転写ベルト等にシリカ外添剤による汚染を生じさせる等の問題を引き起こす。(SiH/CH)/(SiL/CL)が1.4を超えると、低画像密度におけるシリカ外添剤の埋没が激しくなり、現像剤の流動性悪化、アドミックス性の悪化等によるクラウドの発生、外添剤埋没による転写性の悪化等が生じる。
また近年、環境保護の面から回収トナーの廃棄が問題となっている。この問題を解決するには、廃棄トナーを生じないトナーリサイクル機構付きの画像形成装置を使用することが好ましい。しかし、リサイクルトナーはストレスを受ける機会が多くなるため、外添剤の埋没に起因する画質劣化の問題はより深刻であり、従来のトナーではリサイクルに耐えることができなかった。しかし、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、外添剤の埋没がほとんど発生しないため、トナーリサイクル機構に対応した、高耐用性のトナーである。
本実施形態において、ピーク面積比率(SiL/CL)が0.08以上であることが好ましく、0.1以上0.3以下であることがより好ましい。ピーク面積比率(SiL/CL)が0.08未満であると、外添剤量不足のため低流動性となる場合がある。ピーク面積比率(SiL/CL)が0.3を超えると、外添剤量過多のため帯電特性の悪化、外添剤によるシステム汚染が生じる場合がある。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子に少なくとも1種の無機粒子が外部添加されており、その無機粒子としてシリカ粒子及びチタニア(酸化チタン)粒子を含み、画像密度1%の低画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナー及び画像密度80%の高画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナーのXPS測定によるTiとCとのピーク面積比率をそれぞれ(TiL/CL)、(TiH/CH)としたときに、
1.0≦(TiH/CH)/(TiL/CL)≦1.4
の関係にあることが好ましい。また、
1.0≦(TiH/CH)/(TiL/CL)≦1.3
の関係にあることがより好ましい。(TiH/CH)/(TiL/CL)が1.0未満であると、外添剤脱離が生じている可能性があるため機内汚染、キャリア汚染となる場合がある。(TiH/CH)/(TiL/CL)が1.4を超えると、マシン内でのストレスにより外添剤が埋没し易いため流動性不良、転写不良となる場合がある。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子に2種以上の無機粒子が外部添加されていることが好ましく、少なくとも第1無機粒子と第1無機粒子よりも平均粒径の小さい第2無機粒子とが外部添加されており、第1無機粒子及び第2無機粒子のうち少なくとも1つがシリカ粒子であることがより好ましい。これにより、大径のものを用いても低抵抗化、感光体の研磨性等が生じず用いることができる。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーにおいて、第1無機粒子及び第2無機粒子のうち少なくとも1つがシリカ粒子であり、もう一方がチタニア粒子であり、
1.0≦(TiH/CH)/(TiL/CL)≦1.4
の関係にあることが好ましい。これにより、トナー追加時の帯電の電荷交換性を良化させることができる。
また、第1無機粒子の平均粒径が40nm以上200nm以下であり、第2無機粒子の平均粒径が10nm以上50nm以下であることが好ましい。これにより、流動性と転写維持性の両立が可能である。本実施形態において、第1無機粒子がシリカ粒子であり、第2無機粒子がシリカ粒子及びチタニア粒子のうち少なくとも1つであることが流動性、帯電特性等の点で好ましい。
シリカ粒子及びチタニア粒子以外にトナー表面に外添される無機粒子としては、例えば、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
また、目的に応じて外添剤表面に表面処理を施してもよい。表面処理剤としては、疎水化処理を行うためのシラン化合物、シランカップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
無機粒子は、一般に流動性を向上させる目的で使用される。その添加量としては、トナー100重量部に対して、0.01重量部以上20重量部以下が好ましい。
無機粒子の他に有機粒子を用いても良い。有機粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で使用され、具体的には例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
本実施形態において、トナー母粒子としては結着樹脂と着色剤を主成分とする公知のものを使用することができ、さらに離型剤等を含有していてもよい。
また、本実施形態に係るトナーは、トナー粒子が結着樹脂および着色剤を含むコア粒子と、結着樹脂を含み、コア粒子を被覆するシェル層とを有するコアシェル構造をとることが好ましい。これにより、表面ワックス量を抑え、流動性と帯電性を改善できる。
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体を挙げることができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン・アクリル酸アルキル共重合体、スチレン・メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス類等を挙げることができる。
また、着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の種々の顔料、または、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系等の各種染料を単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーにおける、前記着色剤の含有量としては、結着樹脂100重量部に対して、1重量部以上30重量部以下の範囲であることが好ましいが、また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ることができる。
離型剤の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系ワックス;石油系ワックス;及びそれらの変性物等を使用することができる。離型剤の添加量は、トナーに対して50重量%以下の範囲で添加することができる。
本実施形態に係るトナーには、上記したような成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分を添加することができる。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
帯電制御剤としては、例えば4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
また、無機粉体は主にトナーの粘弾性調整を目的として添加され、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、燐酸カルシウム、酸化セリウム等の下記に詳細に列挙するような通常、トナー表面の外添剤として使用されるすべての無機粒子が挙げられる。
(静電荷像現像用トナーの物性)
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒径D50vは4μm以上8μm以下の範囲であることが好ましい。トナーの体積平均粒径D50vが4μmより小さいと、帯電性が不十分となり周囲への飛散が起こって画像かぶりを引き起こしたり、転写しきれなかったトナーのクリーニングが十分に出来ずフィルミングの発生を引き起こしたりするので好ましくない。一方、体積平均粒径D50vが8μmを超えると、画像の解像度が低下し、高画質を達成することが困難となる傾向にある。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒度分布指標GSDvは、1.27以下であり、好ましくは1.25以下である。GSDvが1.27を超えると粒度分布がシャープとならず、解像性が低下し、トナー飛散やかぶり等の画像欠陥の原因となることがある。
なお、体積平均粒径D50v及び体積平均粒度分布指標GSDvは、コールターマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製)を用いて、100μmのアパーチャ径で測定することにより得ることができる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。コールターマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製)で測定されるトナーの粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。この際、D50vは体積平均粒径を表し、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2として求められる。なお、(D84p/D16p)1/2は数平均粒度分布指標(GSDp)を表す。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの、下記式で表される形状係数SF1は好ましくは110以上140以下の範囲、より好ましくは115以上130以下の範囲である。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100
〔ただし、上記式において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm)を表す。〕
トナーの形状係数SF1が110より小さい、または140を超えると、長期に渡って、優れた帯電性、クリーニング性、転写性を得ることができない場合がある。
なお、形状係数SF1はルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いて次のように測定する。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーについて最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、上記形状係数SF1として求める。
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法としては、従来の混練粉砕法や、着色剤、離型剤等を重合性単量体とともに懸濁させ、重合性単量体を重合する懸濁重合法、樹脂、着色剤、離型剤等のトナー構成材料を有機溶媒に溶解させ、水系溶媒中に懸濁状態で分散させた後に有機溶媒を除去する溶解懸濁法、樹脂を乳化重合により作製し、着色剤、離型剤等の分散液とともにヘテロ凝集させ、その後融合、合一する乳化重合凝集法等の湿式製法などがある。これらの中で、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化重合凝集法等の湿式製法が好ましく、トナー粒径制御性、狭粒度分布、形状制御性、狭形状分布、内部分散制御性の点から乳化重合凝集法が最適である。
一般に、乳化重合凝集法は、結着樹脂等を乳化し乳化粒子(液滴)を形成して粒径が1μm以下の樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液等を調整する工程(以下、「乳化工程」と称することがある)と、樹脂粒子分散液、及び着色剤を分散した着色剤分散液、離型剤を分散した離型剤分散液等を混合し、樹脂粒子、着色剤、離型剤をトナー粒径に凝集させる工程(以下、「凝集工程」と称することがある)、樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱し凝集体を融合しトナー粒子を形成する工程(以下、「融合工程」と称することがある)を含む。
(乳化工程)
乳化工程において、結着樹脂の乳化粒子(液滴)は、水系溶媒と、結着樹脂を含む混合液と、を混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。
その際、加熱するか、或いは、有機溶剤に結着樹脂を溶解させることにより、混合液の粘性を下げて乳化粒子を形成することができる。また、乳化粒子の安定化や水系溶媒の増粘防止のため、分散剤を使用することもできる。かかる乳化粒子の分散液のことを、「樹脂粒子分散液(樹脂分散液)」という。
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエン等が挙げられ、結着樹脂の種類、構造等に応じて適宜選択して用いることができる。
前記有機溶剤の使用量としては、樹脂の総量100重量部に対して、50重量部以上5000重量部以下の範囲であることが好ましく、120重量部以上1000重量部以下の範囲であることがより好ましい。
前記分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウムの等の水溶性高分子、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤、リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機化合物等が挙げられる。
前記分散剤として無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、微粒子を得る目的で、分散剤中にて無機化合物の粒子を生成する方法を採用してもよい。前記分散剤の使用量としては、樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上20重量部以下の範囲が好ましい。
乳化粒子を形成する際に用いる乳化機としては、例えば、ホモジナイザ、ホモミキサ、加圧ニーダ、エクストルーダ、メディア分散機等が挙げられる。樹脂の乳化粒子(液滴)の大きさとしては、その平均粒径(体積平均粒径)で0.01μm以上1μm以下の範囲が好ましく、0.03μm以上0.3μm以下の範囲がより好ましく、0.03μm以上0.4μm以下の範囲がさらに好ましい。
着色剤分散液は、着色剤と界面活性剤とを水系溶媒中で分散して着色剤分散液を得る工程を含む方法により製造される。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、前記結着樹脂を分散させる際に用いる分散剤と同様のものを用いることができる。
着色剤の分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。
前記着色剤の添加量としては、前記結着樹脂の総量に対して1重量%以上20重量%以下の範囲とすることが好ましく、1重量%以上10重量%以下の範囲とすることがより好ましく、2重量%以上10重量%以下の範囲とすることがさらに好ましく、2重量%以上7重量%以下の範囲とすることが特に好ましい。
また、離型剤も、界面活性剤を使用して離型剤の水分散液を調製したり、分散剤を使用して離型剤の有機溶剤分散液を調製する。かかる離型剤の水分散液あるいは有機溶剤分散液のことを、「離型剤分散液」という。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、前記結着樹脂を分散させる際に用いる分散剤と同様のものを用いることができる。
(凝集工程)
凝集工程においては、得られた樹脂粒子分散液、着色剤分散液及び離型剤分散液を、結着樹脂の融点付近の温度でかつ融点以下の温度で加熱して凝集し凝集体を形成する。加熱の時間としては、凝集が十分に行われる程度行えばよく、例えば、0.5時間以上10時間以下程度行えばよい。
乳化粒子の凝集体の形成は、撹拌下、乳化液のpHを酸性にすることによってなされる。当該pHとしては、2以上6以下の範囲が好ましく、2.5以上5以下の範囲がより好ましく、2.5以上4以下の範囲がさらに好ましい。この際、凝集剤を使用するのも有効である。
用いられる凝集剤は、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体を好適に用いることができる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に好ましい。
前記無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩およびその重合体が好ましい。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より好ましい。
凝集時の反応液の固形分濃度は、通常5重量%以上20重量%以下の範囲で、好ましくは10重量%以上15重量%以下の範囲で行われる。反応液の固形分濃度が5重量%未満であると、あるいは20重量%を超えると、凝集が起こりにくい場合がある。
(融合工程)
融合工程においては、凝集工程と同様の撹拌下で、凝集体の懸濁液のpHを3以上7以下の範囲にすることにより、凝集の進行を止め、樹脂の融点以上の温度で加熱を行うことにより凝集体を融合させる。
前記加熱の温度としては、結着樹脂の融点以上であれば問題無い。
前記加熱の時間としては、融合が十分に行われる程度行えばよく、例えば、0.5時間以上10時間以下程度行えばよい。
前記融合工程においては、結着樹脂が融点以上に加熱されている時に、あるいは融合が終了した後に、架橋反応を行わせてもよい。また、凝集と同時に架橋反応を行うこともできる。架橋反応を行わせる場合には、例えば、結着樹脂として2重結合成分を共重合させた、不飽和スルホン化結晶性ポリエステル樹脂を用い、この樹脂にラジカル反応を起こさせ、架橋構造を導入する。この際、以下に示す重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クミルパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサクシネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラン、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジンジハイドロクロライド)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、4,4’−アゾビス(4−シアノワレリックアシド)等が挙げられる。
これら重合開始剤は、単独で使用することも、または2種以上を併用することもできる。重合開始剤の量や種類は、ポリマ中の不飽和部位量、共存する着色剤の種類や量によって選択される。
重合開始剤は、乳化工程前にあらかじめ結着樹脂に混合しておいてもよいし、凝集工程で凝集塊に取り込ませてもよい。さらには、融合工程、或いは融合工程の後に導入してもよい。凝集工程、融合工程、あるいは融合工程の後に導入する場合は、重合開始剤を溶解、または乳化した液を、粒子分散液(樹脂粒子分散液等)に加える。これらの重合開始剤には、重合度を制御する目的で、公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加してもよい。
(シェル層形成工程)
次に、必要に応じてシェル層を形成する方法について説明する。本実施形態に係るトナーにおいて、シェル層を形成する方法は、前記凝集粒子(コア粒子)に、樹脂粒子等を付着させて樹脂付着粒子を形成する凝集工程と、樹脂付着粒子を加熱してシェル層を形成する溶融工程と、を含む。樹脂粒子を主成分とするシェル層の形成方法については、生産性の観点から水中において行うことが好ましい。
シェル層の形成は、上記の如き乳化重合凝集法等による造粒中に樹脂粒子分散液を添加することにより同時に行う同プロセスとして行ってもよいし、またコア粒子作製後に別プロセスとして行ってもよいが、シェル層形成は、コア粒子作製後に水系媒体中において別プロセスとして行うことが好ましい。
シェル層形成工程において、被覆時の固形分濃度は10重量%以上50重量%以下の範囲であることが好ましく、20重量%以上50重量%以下の範囲であることがより好ましく、30重量%以上50重量%以下の範囲であることがさらに好ましい。10%重量以下においては分散安定性が低いだけでなく、分散安定性が低下することにより樹脂粒子のコア粒子表面への付着が不十分となってしまう場合がある。また、固形分濃度が50重量%以上では、付着時のスラリ粘度の増加により撹拌不良を引き起こし、粗大粉の発生の原因となる場合がある。
シェル層の形成において、コア粒子造粒後のスラリ液に樹脂粒子分散液を添加した後、強固なシェル層を得る目的で、スラリ液を加熱してもよい。この際、コア粒子の結着樹脂の融点またはガラス転移温度以下において加熱することが重要である。加熱温度が高すぎる場合には、粗大粉が発生するだけでなく、コア成分がシェル層表面に溶出してしまい、帯電特性および熱保管性を悪化させてしまう場合がある。
シェル層の形成において、樹脂粒子の被覆を促進させる目的で、凝集剤を用いてもよい。凝集剤としては、後述する凝集剤種が好適に用いられる。また、凝集剤を添加する時期としては、樹脂粒子の添加前後いずれでもよい。
本実施形態のトナーのシェル層作製において、樹脂粒子の添加量は、コア粒子の重量に対して5重量%以上25重量%以下の範囲であることが好ましく、7重量%以上20重量%以下の範囲であることがより好ましく、7重量%以上16重量%以下の範囲であることがさらに好ましい。添加量が5重量%未満の場合には、熱保管性が不十分となり、実機内においてブロッキングが発生しやすい。添加量が25重量%を超える場合には、熱保管性は問題ないものの、帯電特性および低温定着性が阻害されてしまう場合がある。
(洗浄、乾燥工程)
乳化重合凝集法等を用いてトナー粒子を作製した場合、塩酸、硫酸、硝酸等の強酸の水溶液で分散剤を除去後、ろ液が中性になるまでイオン交換水などですすぎ、更に任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナー粒子を得る。この場合、トナー粒子として十分な帯電特性、信頼性を確保するために、洗浄工程において、イオン交換水等で十分に洗浄することが好ましい。
乾燥工程では、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、任意の方法を採用することができる。トナー粒子は、乾燥後の含水分率を1.0%以下、好ましくは0.5%以下に調整することが望ましい。
(外添工程)
トナー粒子に少なくとも1種の無機粒子を外部添加し、本実施形態に係るトナーを得ることができる。
これら外添剤の添加方法としては、トナー母粒子と外添剤とを、V型ブレンダ、ヘンシエルミキサ、Q型ミキサ(三井鉱山製)、サイクロミックス、ノビルタ(ホソカワミクロン製)、カワタスーパーミキサ等の混合機を用いて乾式でトナー表面に付着させてもよいし、外添剤を水または水とアルコールとの混合溶媒等の水系の液体に分散させた後、スラリ状態のトナーに湿式で添加し乾燥させてトナー表面に外添剤を付着させてもよい。また、外添剤はイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基等で分散して湿式添加してもよい。
本実施形態に係る上記、
1.2≦(Sib/Cb)/(SiL/CL)≦3.0
1.0≦(SiH/CH)/(SiL/CL)≦1.4
の関係にあるトナーを得るためには、外部添加の方法としては、結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子に湿式法により第1無機粒子を外部添加する湿式外添工程と、第1無機粒子が外部添加されたトナー粒子に乾式法により第1無機粒子よりも平均粒径の小さい第2無機粒子を外部添加する乾式外添工程と、を含む方法が好ましい。また、第1無機粒子の平均粒径が40nm以上200nm以下であり、第2無機粒子の平均粒径が10nm以上50nm以下であることがより好ましい。すなわち、本方法では、大径外添剤の湿式外添+小径外添剤の乾式外添という2段階の工程を経ている。これにより、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、安定して高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナーを得ることができる。
また、本実施形態に係る上記の関係にあるトナーを得るために、外部添加の方法としては、結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子に湿式法により第1無機粒子を外部添加する湿式外添工程と、第1無機粒子が外部添加されたトナー粒子に剪断力を加える剪断力付加工程と、剪断力が付加されたトナー粒子に乾式法により第2無機粒子を外部添加する乾式外添工程と、を含む方法がより好ましい。すなわち、本方法では、大径外添剤の湿式外添+剪断力を与える乾式撹拌による付着強度調整+小径外添剤の乾式外添という3段階の工程を経ている。これにより、画像出力枚数が増加しても外添剤の埋没がほとんど発生せず、より安定して高画質の画像を得ることができる静電荷像現像用トナーを得ることができる。
ここで、前述の通り、第1無機粒子及び第2無機粒子のうち少なくとも1つがシリカ粒子であり、第1無機粒子がシリカ粒子であり、第2無機粒子がシリカ粒子及びチタニア粒子のうち少なくとも1つであることが好ましい。
湿式外添方法としては、例えば、トナー粒子が分散したトナー分散液を用い、そこに外添剤を添加する。ホモジナイザ(ウルトラタラックスT50、IKA社製)等を用いて混合し、トナーのガラス転移温度(Tg)近傍の温度(例えば、30℃以上80℃以下)で撹拌しながら加熱する。冷却後、外添トナーを濾別し、イオン交換水等で洗浄した後、乾燥し、必要に応じて粗大粒子を除去して外添トナーを得ることができる。湿式外添の利点としては、外添剤をトナー粒子の表面に均一に分散することができ、加熱温度と撹拌速度等により、外添剤の付着状態を制御することができる。
乾式外添方法としては、乾燥させたトナー粒子と外添剤とを上記混合機を用いて混合し、外添トナーを得ることができる。乾式外添方法の他の使用方法として、湿式外添で得られた外添トナーの乾燥品を単独で投入し、撹拌することで、外添剤の付着強度を調整したトナーを作製することもできる。
トナー粒子に剪断力を加える方法としては、例えば、ノビルタ(ホソカワミクロン製)を用いて、第1無機粒子が外部添加されたトナー粒子に乾燥状態で剪断力を加えて混合する方法等が挙げられる。これにより、外添剤の付着強度を調整することができる。
また、外添の際必要に応じて種々の添加剤を添加してもよい。これらの添加剤としては、他の公知の流動化剤、ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子、小径不定形樹脂粒子、酸化セリウム、ステアリン酸亜鉛等のクリーニング助剤または転写助剤等が挙げられる。
外添混合後の乾式篩分には、風力篩分機、円形振動篩、ジャイロシフタ、超音波振動篩、ターボスクリーナ等が用いられ、20〜300μm目開きの網が好適に用いられる。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂、マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10μm以上500μm以下の範囲であり、好ましくは30μm以上100μm以下の範囲である。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
前記二成分現像剤における本実施形態に係るトナーと上記キャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100以上30:100以下程度の範囲であり、3:100以上20:100以下程度の範囲がより好ましい。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、現像剤として、前記静電荷像現像用現像剤が用いられる。また、本実施形態に係る画像形成装置は、上記した手段以外の手段、例えば、像保持体を帯電する帯電手段、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段、像保持体表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段等を含むものであってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。画像形成装置1は、帯電部10と、露光部12と、像保持体である電子写真感光体14と、現像部16と、転写部18と、クリーニング部20と、定着部22とを備える。
画像形成装置1において、電子写真感光体14の周囲には、電子写真感光体14の表面を帯電する帯電手段である帯電部10と、帯電された電子写真感光体14を露光し画像情報に応じて静電潜像を形成する潜像形成手段である露光部12と、静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段である現像部16と、電子写真感光体14の表面に形成されたトナー画像を被転写体24の表面に転写する転写手段である転写部18と、転写後の電子写真感光体14表面上に残存したトナーを除去するクリーニング手段であるクリーニング部20とがこの順で配置されている。また、被転写体24に転写されたトナー画像を定着する定着手段である定着部22が転写部18の左側に配置されている。
本実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。まず、帯電部10により電子写真感光体14の表面が均一に帯電される(帯電工程)。次に、露光部12により電子写真感光体14の表面に光が当てられ、光の当てられた部分の帯電電荷が除去され、画像情報に応じて静電荷像(静電潜像)が形成される(潜像形成工程)。その後、静電荷像が現像部16により現像され、電子写真感光体14の表面にトナー画像が形成される(現像工程)。例えば、電子写真感光体14として有機感光体を用い、露光部12としてレーザビーム光を用いたデジタル式電子写真複写機の場合、電子写真感光体14の表面は、帯電部10により負電荷を付与され、レーザビーム光によりドット状にデジタル潜像が形成され、レーザビーム光の当たった部分に現像部16でトナーを付与され可視像化される。この場合、現像部16にはマイナスのバイアスが印加されている。次に転写部18で、用紙等の被転写体24がこのトナー画像に重ねられ、被転写体24の裏側からトナーとは逆極性の電荷が被転写体24に与えられ、静電気力によりトナー画像が被転写体24に転写される(転写工程)。転写されたトナー画像は、定着部22において定着部材により熱及び圧力が加えられ、被転写体24に融着されて定着される(定着工程)。一方、転写されずに電子写真感光体14の表面に残存したトナーはクリーニング部20で除去される(クリーニング工程)。この帯電からクリーニングに至る一連のプロセスで一回のサイクルが終了する。なお、図1において、転写部18で用紙等の被転写体24に直接トナー画像が転写されているが、中間転写体等の転写体を介して転写されても良い。
以下、図1の画像形成装置1における帯電手段、像保持体、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、定着手段について説明する。
(帯電手段)
帯電手段である帯電部10としては、例えば、図1に示すようなコロトロンなどの帯電器が用いられるが、導電性又は半導電性の帯電ロールを用いても良い。導電性又は半導電性の帯電ロールを用いた接触型帯電器は、電子写真感光体14に対し、直流電流を印加するか、交流電流を重畳させて印加してもよい。例えばこのような帯電部10により、電子写真感光体14との接触部近傍の微小空間で放電を発生させることにより電子写真感光体14表面を帯電させる。なお、通常は、−300V以上−1000V以下に帯電される。また前記の導電性又は半導電性の帯電ロールは単層構造あるいは多重構造でも良い。また、帯電ロールの表面をクリーニングする機構を設けてもよい。
(像保持体)
像保持体は、少なくとも潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。像保持体としては、電子写真感光体が好適に挙げられる。電子写真感光体14は、円筒状の導電性の基体外周面に有機感光体等を含む塗膜を有する。塗膜は、基体上に、必要に応じて下引き層、及び、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを含む感光層がこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等他の種類の感光層を使用してもよい。
(露光手段)
露光手段である露光部12としては、特に制限はなく、例えば、像保持体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光できる光学系機器等が挙げられる。
(現像手段)
現像手段である現像部16は、像保持体上に形成された潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー画像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、静電荷像現像用トナーをブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体14に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。電子写真感光体14には、通常直流電圧が使用されるが、更に交流電圧を重畳させて使用してもよい。
(転写手段)
転写手段である転写部18としては、例えば、図1に示すような被転写体24の裏側からトナーとは逆極性の電荷を被転写体24に与え、静電気力によりトナー画像を被転写体24に転写するもの、あるいは被転写体24の表面に被転写体24を介して直接接触して転写する導電性又は半導電性のロール等を用いた転写ロール及び転写ロール押圧装置を用いることができる。転写ロールには、像保持体に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよいし、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロールは、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード(周速)等により、任意に設定することができる。また、低コスト化のため、転写ロールとして単層の発泡ロール等が好適に用いられる。転写方式としては、紙等の被転写体24に直接転写する方式でも、中間転写体を介して被転写体24に転写する方式でもよい。
中間転写体としては、公知の中間転写体を用いることができる。中間転写体に用いられる材料としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンテレフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフロロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料等が挙げられるが、機械的強度の観点から熱硬化ポリイミド樹脂を用いた中間転写ベルトが好ましい。
(クリーニング手段)
クリーニング手段であるクリーニング部20については、像保持体上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等、適宜選定して差し支えない。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。中でも、耐摩耗性に優れていることから、特にポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。但し、転写効率の高いトナーを使用する場合にはクリーニング部20を使用しない態様もありえる。
(定着手段)
定着手段(画像定着装置)である定着部22としては、被転写体24に転写されたトナー像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであり、定着部材を具備する。
(被転写体)
トナー画像を転写する被転写体(用紙)24としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
本実施形態の画像形成装置の中間転写体は、中間転写ベルトが特に望ましい。例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の像保持体上に担持されたトナー像を中間転写ベルトに順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等に適用することができる。
図2は本実施形態に係る静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用現像剤が適用される画像形成装置の全体構成の一例を示した図であり、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタを示している。図2に示す画像形成装置は、本体50に、各色の階調データに対応して画像形成を行う画像形成部52、記録用紙(シート)を搬送するシート搬送系54、例えばパーソナルコンピュータや画像読み取り装置等に接続され、受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理装置56とを備えている。
画像形成部52は、水平方向に一定の間隔を置いて並列的に配置される複数のエンジンであるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット58Y,58M,58C,58K、この画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kの電子写真感光体14に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト60上に多重転写させる転写ユニット62、画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kに対してレーザ光を照射する光学系ユニット64を備えている。また本体50には、転写ユニット62によって二次転写された記録用紙(シート)上の画像を、熱および圧力を用いて記録用紙に定着させる定着器66を備えている。更に、画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kに対して各色のトナーを供給するためのトナーカートリッジ68Y,68M,68C,68Kが設けられている。
転写ユニット62は、中間転写体である中間転写ベルト60を駆動する駆動ローラ70、中間転写ベルト60に一定の張力を付与する張力付与ローラ71、重畳された各色のトナー像を記録用紙に二次転写するためのバックアップローラ72、中間転写ベルト60上に存在する残留トナー等を除去するクリーニング装置73を備えている。中間転写ベルト60は、この駆動ローラ70と張力付与ローラ71およびバックアップローラ72との間に一定の張力で掛け回されており、定速性に優れた専用の駆動モータ(図示せず)によって回転駆動される駆動ローラ70により、矢印方向に所定の速度で循環駆動される。この中間転写ベルト60は、例えば、電荷蓄積を起こさないベルト素材(ゴムまたは樹脂)にて抵抗調整されたものが使用されている。クリーニング装置73は、クリーニングブラシ73aおよびクリーニングブレード73bを備えており、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト60の表面から残留トナーや紙粉等を除去して、次の画像形成プロセスに備えるように構成されている。
シート搬送系54は、画像が記録される記録用紙(シート)を積載して供給する給紙装置77、給紙装置77から1枚ずつに分離された記録用紙を画像転写部に向けて搬送する搬送路80を備えている。また、搬送路80を介して搬送された記録用紙に対し、二次転写位置に設けられバックアップローラ72に圧接して記録用紙上に画像を二次転写する二次転写ローラ82を備えている。更に、定着器66によってトナー画像が定着された記録用紙を本体50の機外に排出する排出ローラ83、排出ローラ83によって排出された記録紙を積載する排出受け84を有する。
次に、図2に示す画像形成装置の動作について説明する。図示しない原稿読み取り装置によって読み取られた原稿の色材反射光像や、図示しないパーソナルコンピュータ等にて形成された色材画像データは、画像処理装置56に入力される。画像処理装置56では、入力されたデータに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色のデータに変換され、光学系ユニット64に出力される。
光学系ユニット64では、入力されたデータに応じて、半導体レーザ(図示せず)から出射されたレーザ光(LB−Y,LB−M,LB−C,LB−K)を、画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kの電子写真感光体14に照射している。画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kの電子写真感光体14では、帯電された表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kにて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kの電子写真感光体14上に形成されたトナー像は、中間転写体である中間転写ベルト60上に多重転写される。このとき、黒色のトナー像を形成する黒の画像形成ユニット58Kは、中間転写ベルト60の移動方向の最下流側に設けられ、黒色のトナー像は、中間転写ベルト60に対して最後に一次転写される。
一方、シート搬送系54では、画像形成のタイミングに合わせて給紙装置77から所定サイズの記録用紙が供給される。その後、トナー像が形成された中間転写ベルト60の移動タイミングに合わせて、記録用紙は、バックアップローラ72および二次転写ローラ82によって形成される二次転写位置に搬送される。二次転写位置にて下方から上方に向けて搬送される記録用紙には、圧接力および所定の電界を用いて、4色が多重されているトナー像が副走査方向に順次、転写される。そして、各色のトナー像が転写された記録用紙は、定着器66によって熱および圧力で定着処理を受けた後、排出ローラ83によって本体50の上部に設けられた排出受け84に排出される。
次に、画像形成部52における画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kについて詳述する。
図3は、画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kの構成を説明するための図であり、ここでは、イエロー(Y)の画像形成ユニット58Yとマゼンタ(M)の画像形成ユニット58Mとが示されている。他の画像形成ユニット58C,58Kもほぼ同様に構成されている。
画像形成ユニット58Y,58M,58C,58Kは、トナー像を保持させる像保持体としての電子写真感光体14、帯電部材である帯電ローラ90を用いて電子写真感光体14を帯電させる帯電器86、帯電器86によって帯電され、光学系ユニット64からのレーザ光(LB−Y,LB−M,LB−C,LB−K)によって電子写真感光体14上に形成された静電潜像を現像ローラ92によって現像する現像器87、中間転写ベルト60を挟んで電子写真感光体14に対向して設けられ、電子写真感光体14上に現像されたトナー像を中間転写ベルト60上に転写する一次転写ローラ88、転写後に電子写真感光体14上に残った残留トナーを除去するクリーニング装置73を備えている。
本実施形態に係るトナーを用いることにより、タンデム型カラー画像形成装置において色差が生じにくい。
前述した実施形態では、電子写真画像形成装置としてレーザービームプリンタを例示したが、これに限定する必要はなく、例えば、電子写真複写機、ファクシミリ装置、或いはワードプロセッサ等の電子写真画像形成装置に使用することも可能である。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<樹脂粒子分散液(1)の調製>
スチレン 370重量部
n−ブチルアクリレート 30重量部
アクリル酸 8重量部
ドデカンチオール 24重量部
四臭化炭素 4重量部
上記成分を混合して溶解し、これを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製)6重量部およびアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製)10重量部をイオン交換水550重量部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4重量部をイオン交換水50重量部に溶解したものを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら、内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、体積平均粒子径が155nmであり、ガラス転移温度Tg=59℃、重量平均分子量Mw=12,000の樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液(1)が得られた。
(体積平均粒子径)
樹脂粒子の体積平均粒子径は、レーザ回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)を用いて測定した。
(樹脂粒子の分子量)
樹脂粒子の分子量は、以下の条件で行った。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)は「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6mL/min、サンプル注入量10μL、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(示差走査熱量測定(DSC))
結着樹脂の融点、ガラス転移温度を示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC−50)の熱分析装置を用いて測定した。測定は、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で行い、融点,ガラス転移温度をJIS規格(JIS K−7121参照)により解析して得た。
<樹脂粒子分散液(2)の調製>
スチレン 280重量部
n−ブチルアクリレート 120重量部
アクリル酸 8重量部
上記成分を混合して溶解し、これを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製)6重量部およびアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製)12重量部をイオン交換水550重量部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム3重量部をイオン交換水50重量部に溶解したものを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら、内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、体積平均粒子径が105nmであり、Tg=53℃、重量平均分子量Mw=550,000の樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液(2)が得られた。
<着色剤分散液(1)(ブラック)の調製>
カーボンブラック(モーガルL、キャボット製) 50重量部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製) 5重量部
イオン交換水 200重量部
上記成分を混合して溶解し、ホモジナイザ(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間分散し、体積平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散した着色剤分散液(1)(ブラック)を調製した。
<着色剤分散液(2)(シアン)の調製>
シアン顔料C.I.PigmentBlue15:3(大日精化製) 70重量部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製) 5重量部
イオン交換水 200重量部
上記成分を混合して溶解し、ホモジナイザ(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間分散し、体積平均粒子径が250nmである着色剤(シアン顔料)粒子が分散した着色剤分散液(2)(シアン)を調製した。
<着色剤分散液(3)(マゼンタ)の調製>
マゼンタ顔料C.I.PigmentRed122(大日精化製) 70重量部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製) 5重量部
イオン交換水 200重量部
上記成分を混合して、溶解し、ホモジナイザ(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間分散し、体積平均粒子径が250nmである着色剤(マゼンタ顔料)粒子が分散した着色剤分散液(3)(マゼンタ)を調製した。
<着色剤分散液(4)(イエロー)の調製>
イエロー顔料C.I.PigmentYellow74(クラリアント製) 70重量部
ノニオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製) 5重量部
イオン交換水 200重量部
上記成分を混合して、溶解し、ホモジナイザ(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間分散し、体積平均粒子径が250nmである着色剤(イエロー顔料)粒子が分散した着色剤分散液(4)(イエロー)を調製した。
<離型剤分散液の調製>
パラフィンワックス(HNP0190、日本精蝋(株)製、融点85℃)50重量部
カチオン性界面活性剤(サニゾールB50、花王(株)製) 5重量部
イオン交換水 200重量部
上記成分を混合し、95℃に加熱して、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザ(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、体積平均粒子径が550nmである離型剤粒子が分散した離型剤分散液を調製した。
<トナー粒子(ブラック)の作製>
樹脂粒子分散液(1) 120重量部
樹脂粒子分散液(2) 80重量部
着色剤分散液(1) 200重量部
離型剤分散液 40重量部
カチオン性界面活性剤(サニゾールB50、花王(株)製) 1.5重量部
上記成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中で、ホモジナイザ(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら50℃まで加熱した。45℃で20分間保持した後、光学顕微鏡で確認したところ、平均粒径が約4.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に上記混合液に、樹脂粒子分散液(1)を緩やかに60重量部追加した。そして、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。光学顕微鏡にて観察したところ、平均粒径が約4.8μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
上記混合液にアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製)3重量部を追加した後、前記ステンレス鋼鉄フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌しながら105℃まで加熱し、4時間保持した。そして、冷却後、得られたトナー粒子分散液中のトナー粒子(ブラック)は、トナー形状係数SF1=130.5、体積平均粒径D50v=5.8μmであった。
<トナー粒子(シアン)の作製>
上記トナー粒子(ブラック)の作製において、着色剤分散液(1)(ブラック)の代わりに、着色剤分散液(2)(シアン)を用いたことを除き、トナー粒子(ブラック)の作製と同様にして、トナー形状係数SF1=131.0、体積平均粒径D50v=5.8μmのトナー粒子(シアン)が分散したトナー粒子分散液(シアン)を作製した。
<トナー粒子(マゼンタ)の作製>
上記トナー粒子(ブラック)の作製において、着色剤分散液(1)(ブラック)の代わりに着色剤分散液(3)(マゼンタ)を用いたことを除き、トナー粒子(ブラック)の作製と同様にして、トナー形状係数SF1=130.5、体積平均粒径D50v=5.8μmのトナー粒子が分散したトナー粒子分散液(マゼンタ)を作製した。
<トナー粒子(イエロー)の作製>
上記トナー粒子(ブラック)の作製において、着色剤分散液(1)(ブラック)の代わりに、着色剤分散液(4)(イエロー)を用いたことを除き、トナー粒子(ブラック)の作製と同様にして、トナー形状係数SF1=131.2、体積平均粒径D50v=5.8μmのトナー粒子(イエロー)が分散したトナー粒子分散液(イエロー)を作製した。
<外部添加剤の添加>
[湿式外添方法]
湿式外添には、上記トナー粒子分散液をそのまま用いた。固形分濃度からトナー粒子の乾燥重量を換算し外添剤量を決めた。所定量の外添剤を秤量し、トナー粒子分散液中に投入した。丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中で、ホモジナイザ(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて混合し、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら加熱した。45℃で20分間撹拌した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間加熱撹拌した。冷却後、この外添済みトナーを濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥し45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去して外添トナーを得た。
[乾式外添方法(1)]
乾式外添に用いるトナーは、上記トナー粒子分散液を冷却後、濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥したトナー粒子を用いた。ホソカワミクロン社製ノビルタに外添剤とトナー粒子、あるいは外添済みトナーを投入し、撹拌した後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去して、外添トナーを作製した。
[乾式外添方法(2)]
カワタスーパーミキサに外添剤とトナー粒子、あるいは外添済みトナーを投入し、混合を行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去して、外添トナーを作製した。
<キャリアの作製>
トルエン14重量部、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分モル比:80/20、重量平均分子量:70,000)2重量部、及びカーボンブラック(R330、キャボット社製)0.2重量部を混合し、10分間スターラーで撹拌させて、カーボンブラックが分散した被覆層形成用溶液を調製した。次に、この被覆液とフェライト粒子(体積平均粒径:38μm)100重量部とを真空脱気型ニーダに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを作製した。このキャリアは、800V/cmの電界印加時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
<実施例1>
上記トナー粒子分散液ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのそれぞれを固形分量100重量部に対し、信越化学社製コロイダルシリカ(体積平均粒径:150nm、ヘキサメチレンジシラザン(HMDS)処理品)2重量部を添加し、湿式外添方法により外添した。冷却後、この外添済みトナーを濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥し45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去して外添トナーを得た。更にこの外添トナーを乾式外添方法(1)で示したノビルタを用いて2000rpmで10分間混合し、更に該外添トナー100重量部に対して、トクヤマ社製フュームドシリカ(体積平均粒径:20nm、シリコーンオイル処理品)1重量部を添加し、乾式外添方法(2)で示したスーパーミキサにて周速20m/secで10分間混合し、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、外添トナーを得た。本トナーは、大径外添剤の湿式外添+剪断力を与える乾式撹拌による付着強度調整+小径外添剤の乾式外添という3段階の工程を経ている。
得られた外添トナー10重量部と、前記キャリア100重量部とをV−ブレンダーにより40rpmで20分間撹拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することによりカラー用電子写真用現像剤を作製した。
得られた外添トナーについて、5万倍の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により300個の平均粒径を測定し、分析したところ、コロイダルシリカ(第1無機粒子)の平均粒径が150nmであり、フュームドシリカ(第2無機粒子)の平均粒径が20nmであった。
<評価>
この現像剤について、以下に示す評価を行った。画像形成装置としてタンデム型のApeosPort6550(富士ゼロックス社製)を用いた。結果を表1〜6に示す。
(画像形成方法)
出力画像はA4紙で、画像密度80%の画像と1%の画像とした。
画像密度80%:イエローとマゼンタ
画像密度1%:シアンとブラック
出力枚数:10,000枚
画出し順序:
4色のTotalチャート 2枚(画像電子学会 ファクシミリチャートに類似のA3チャート)
4色の2cm×2cmのソリッド画像 1枚(XPS測定用)
4色画出しチャート 10,000枚
4色のTotalチャート 2枚
4色の2cm×2cmのソリッド画像 1枚
(XPS測定)
XPS測定は、キャリアと混合前の未使用トナー、高画像密度(80%)色(イエローとマゼンタ)の1枚目と10,000枚後の定着装置を通る前の未定着画像上のトナー、低画像密度(1%)色(シアンとブラック)の1枚目と10,000枚後の未定着画像上のトナーそれぞれについてXPS測定(XPS測定サンプルは2cm×2cmのソリッド画像を画像形成したもの)を行った。
XPSによる測定条件は、以下の通りとした。
X線光電子分光装置:日本電子社製JPS−9000MX
X線源:MgKα線
加速電圧:10.0kV
Emission電流:20mA
光電子エネルギーアナライザーのパスエネルギー:30V
Si、C、Tiの各元素のピーク強度(測定誤差も考慮し、1000の位を四捨五入した)より表面原子濃度を見積った。なお、表面原子濃度の計算は日本分光社提供の相対感光因子を用いた。バックグラウンド補正及び面積(Area)は日本電子社製分析アプリケーションソフトに従い導いた。
(画質評価)
[かぶり評価]
出力されたTotalチャートの初期(1枚目)と10,000枚出力後の出力チャートを用い、背景部のカブリを目視に以下の基準で評価した。
○:問題なし
△:やや悪い
×:許容できない
[画像濃度]
上記出力画像のソリッド部の画像濃度を、画像濃度計X−Rite(X−Rite社製)にて測定した。画像濃度の評価判断基準は以下の通りとした。
○:X−Riteの濃度が1.4以上
△:1.3以上1.4未満
×:1.3未満(濃度不十分)
(現像器汚れ評価)
初期(1枚目)と10,000出力後で、目視にて現像機周りの汚れを以下の基準で評価した。
○:現像機周りの汚れなし
△:やや汚れ有り
×:汚れ有り
(トナー排出性評価)
10,000枚出力後、トナー排出性を以下の基準で評価した。
○:トナー詰まりを生じない(初期とほとんど差が無いレベル)
△:トナー詰まりをやや生じた(初期と比べてやや劣るが問題なし)
×:トナー詰まりを生じた(許容できない)
<実施例2>
実施例1で用いたトクヤマ社製フュームドシリカの代わりに、テイカ社製ルチル型酸化チタン(体積平均粒径30nm、オクチルシラン処理品)を1重量部用いた。他の外添材料/外添手段は実施例1に従った。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1〜6に示す。
得られた外添トナーについて分析したところ、コロイダルシリカ(第1無機粒子)の平均粒径が150nmであり、酸化チタン(第2無機粒子)の平均粒径が30nmであった。
<実施例3>
実施例1で用いた信越化学社製コロイダルシリカの量を2重量部から0.7重量部に、トクヤマ社製フュームドシリカの量を1重量部から0.5重量部に減量した以外は実施例1に従った。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1〜6に示す。
得られた外添トナーについて分析したところ、コロイダルシリカ(第1無機粒子)の平均粒径が150nmであり、フュームドシリカ(第2無機粒子)の平均粒径が20nmであった。
<実施例4>
実施例1で用いたノビルタによる付着強度調整工程を行わない以外は実施例1に従った。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1〜6に示す。
得られた外添トナーについて分析したところ、コロイダルシリカ(第1無機粒子)の平均粒径が150nmであり、フュームドシリカ(第2無機粒子)の平均粒径が20nmであった。
<実施例5>
実施例1で用いた信越化学社製コロイダルシリカの量を2重量部から0.5重量部に、トクヤマ社製フュームドシリカの量を1重量部から0.3重量部に減量した以外は実施例1と同様にして外添トナーを得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1〜6に示す。
得られた外添トナーについて分析したところ、コロイダルシリカ(第1無機粒子)の平均粒径が150nmであり、フュームドシリカ(第2無機粒子)の平均粒径が20nmであった。
<比較例1>
上記トナー粒子分散液ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのそれぞれを冷却後、濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、35℃で凍結乾燥した。この乾燥したトナー100重量部と、信越化学社製コロイダルシリカ(体積平均粒径:150nm、HMDS処理品)0.2重量部及び、トクヤマ社製フュームドシリカ(体積平均粒径:20nm、シリコーンオイル処理品)2重量部を添加し、カワタスーパーミキサにて周速20m/secで10分間混合し、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、外添トナーを得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1〜6に示す。
得られた外添トナーについて分析したところ、コロイダルシリカ(第1無機粒子)の平均粒径が150nmであり、フュームドシリカ(第2無機粒子)の平均粒径が20nmであった。
<比較例2>
上記トナー粒子分散液ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのそれぞれを冷却後、濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、35℃で凍結乾燥した。この乾燥したトナー100重量部と、信越化学社製コロイダルシリカ(体積平均粒径:150nm、HMDS処理品)3重量部を添加し、カワタスーパーミキサにて周速10m/secで10分間混合し、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、外添トナーを得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1〜6に示す。
得られた外添トナーについて分析したところ、コロイダルシリカ(第1無機粒子)の平均粒径が150nmであった。
<比較例3>
上記トナー粒子分散液ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのそれぞれを固形分量100重量部に対し、信越化学社製コロイダルシリカ(体積平均粒径:150nm、HMDS処理品)2重量部を添加し、湿式外添法により外添した。冷却後、この外添済みトナーを濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥し45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去して外添トナーを得た。更に該外添トナー100重量部に対しトクヤマ社製フュームドシリカ(体積平均粒径:20nm、シリコーンオイル処理品)1重量部を添加し、乾式外添方法(1)で示したノビルタを用いて3000rpmで30分間混合し、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、外添トナーを得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1〜6に示す。
得られた外添トナーについて分析したところ、コロイダルシリカ(第1無機粒子)の平均粒径が150nmであり、フュームドシリカ(第2無機粒子)の平均粒径が20nmであった。
<比較例4>
上記トナー粒子分散液ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのそれぞれを固形分量100重量部に対し、トナーを濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥し45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去して未外添トナーを得た。更に該未外添トナー100重量部に対しトクヤマ社製フュームドシリカ(体積平均粒径:20nm、ヘキサメチレンジシラザン処理品)2重量部を添加し、スーパーミキサを用いて3000rpmで3分間混合し、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、外添トナーを得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1〜6に示す。
得られた外添トナーについて分析したところ、コロイダルシリカ(第1無機粒子)の平均粒径が150nmであり、フュームドシリカ(第2無機粒子)の平均粒径が20nmであった。
Figure 0004867788
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本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の他の例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る画像形成ユニットの構成の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 画像形成装置、10 帯電部、12 露光部、14 電子写真感光体、16 現像部、18 転写部、20 クリーニング部、22 定着部、24 被転写体、50 本体、52 画像形成部、54 シート搬送系、56 画像処理装置、58Y,58M,58C,58K 画像形成ユニット、60 中間転写ベルト、62 転写ユニット、64 光学系ユニット、66 定着器、68Y,68M,68C,68K トナーカートリッジ、70 駆動ローラ、71 張力付与ローラ、72 バックアップローラ、73 クリーニング装置、73a クリーニングブラシ、73b クリーニングブレード、77 給紙装置、80 搬送路、82 二次転写ローラ、83 排出ローラ、84 排出受け、86 帯電器、87 現像器、88 一次転写ローラ、90 帯電ローラ、92 現像ローラ。

Claims (12)

  1. 結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子に少なくとも1種の無機粒子が外部添加されており、
    前記無機粒子としてシリカ粒子を含み、
    未使用トナー、画像密度1%の低画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナー及び画像密度80%の高画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナーのXPS測定によるSiとCとのピーク面積比率をそれぞれ(Sib/Cb)、(SiL/CL)、(SiH/CH)としたときに、
    1.2≦(Sib/Cb)/(SiL/CL)≦3.0
    1.0≦(SiH/CH)/(SiL/CL)≦1.4
    の関係にあることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記ピーク面積比率(SiL/CL)が0.08以上であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記無機粒子としてさらにチタニア粒子を含み、
    画像密度1%の低画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナー及び画像密度80%の高画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナーのXPS測定によるTiとCとのピーク面積比率をそれぞれ(TiL/CL)、(TiH/CH)としたときに、
    1.0≦(TiH/CH)/(TiL/CL)≦1.4
    の関係にあることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記無機粒子として少なくとも第1無機粒子と前記第1無機粒子よりも平均粒径の小さい第2無機粒子とを含み、前記第1無機粒子及び第2無機粒子のうち少なくとも1つがシリカ粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記第1無機粒子及び第2無機粒子のうち少なくとも1つがシリカ粒子であり、もう一方がチタニア粒子であり、
    画像密度1%の低画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナー及び画像密度80%の高画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナーのXPS測定によるTiとCとのピーク面積比率をそれぞれ(TiL/CL)、(TiH/CH)としたときに、
    1.0≦(TiH/CH)/(TiL/CL)≦1.4
    の関係にあることを特徴とする請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記第1無機粒子の平均粒径が40nm以上200nm以下であり、前記第2無機粒子の平均粒径が10nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項4または5に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記トナー粒子が、結着樹脂および着色剤を含むコア粒子と、前記コア粒子を被覆するシェル層とを有すること特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子に湿式法により第1無機粒子を外部添加する湿式外添工程と、
    前記第1無機粒子が外部添加されたトナー粒子に乾式法により前記第1無機粒子よりも平均粒径の小さい第2無機粒子を外部添加する乾式外添工程と、
    を含み、
    前記第1無機粒子及び第2無機粒子のうち少なくとも1つがシリカ粒子であり、
    未使用トナー、画像密度1%の低画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナー及び画像密度80%の高画像密度で10000枚出力された後の未定着画像上のトナーのXPS測定によるSiとCとのピーク面積比率をそれぞれ(Sib/Cb)、(SiL/CL)、(SiH/CH)としたときに、
    1.2≦(Sib/Cb)/(SiL/CL)≦3.0
    1.0≦(SiH/CH)/(SiL/CL)≦1.4
    の関係にあることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  9. 前記第1無機粒子が外部添加されたトナー粒子に剪断力を加える剪断力付加工程をさらに含み、
    前記乾式外添工程において、前記剪断力が付加されたトナー粒子に乾式法により前記第2無機粒子を外部添加することを特徴とする請求項8に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  10. 前記第1無機粒子の平均粒径が40nm以上200nm以下であり、前記第2無機粒子の平均粒径が10nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項8または9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを含有することを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  12. 像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー画像を中間転写体に転写する転写手段とを有し、
    前記現像手段を備えた複数の前記像保持体が、前記中間転写体に沿って直列に配置され、
    前記現像剤が、請求項11に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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