JP4867418B2 - 転写用導電性フィルム及びそれを用いた透明導電層が付与された物体 - Google Patents

転写用導電性フィルム及びそれを用いた透明導電層が付与された物体 Download PDF

Info

Publication number
JP4867418B2
JP4867418B2 JP2006079773A JP2006079773A JP4867418B2 JP 4867418 B2 JP4867418 B2 JP 4867418B2 JP 2006079773 A JP2006079773 A JP 2006079773A JP 2006079773 A JP2006079773 A JP 2006079773A JP 4867418 B2 JP4867418 B2 JP 4867418B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
conductive
conductive layer
oxide
transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006079773A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007253425A (ja
Inventor
千恵子 山田
茂夫 黒瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2006079773A priority Critical patent/JP4867418B2/ja
Publication of JP2007253425A publication Critical patent/JP2007253425A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4867418B2 publication Critical patent/JP4867418B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、転写用導電性フィルム、それを用いた透明導電層が付与された物体に関する。
透明導電層は、プラズマディスプレイパネル電極、エレクトロルミネッセンスパネル電極、エレクトロクロミック素子電極、液晶電極、透明面発熱体、タッチパネルのような透明電極として用いることができるほか、透明な電磁波遮蔽膜として用いることができる。
現在、透明導電膜は主にスパッタリング法によって製造されている。スパッタリング法は、ある程度大きな面積のものでも、表面電気抵抗の低い導電膜を形成できる点で優れている。しかし、装置が大掛かりで成膜速度が遅いという欠点がある。
塗布法による透明導電膜の製造も試みられている。従来の塗布法では、導電性微粒子がバインダー溶液中に分散された導電性塗料を基板上に塗布して、乾燥し、硬化させ、導電膜を形成する。塗布法では、大面積の導電膜を容易に形成しやすく、装置が簡便で生産性が高く、スパッタリング法よりも低コストで導電膜を製造できるという長所がある。塗布法では、導電性微粒子同士が接触することにより電気経路を形成し導電性が発現される。しかしながら、従来の塗布法で作製された導電膜ではバインダーの存在のために導電性微粒子同士の接触が不十分で、得られる導電膜の電気抵抗値が高い(導電性に劣る)という欠点があり、その用途が限られてしまう。
バインダー樹脂を用いない塗布法として、例えば、特開平8−199096号公報には、錫ドープ酸化インジウム(ITO)粉末、溶媒、カップリング剤、金属の有機酸塩もしくは無機酸塩からなる、バインダーを含まない導電膜形成用塗料をガラス板に塗布し、300℃以上の温度で焼成する方法が開示されている。この方法では、バインダーを用いないので、導電膜の電気抵抗値は低くなる。しかしながら、高温での焼成が必要であり、基材としては、ガラス板のように高温にも耐え得る材料のものに限られてしまう。
特開平6−103839号公報には、透明導電性基板を転写によって製造する方法が開示されている。
WO01/87590号公報には、対象物体表面上に透明導電層を形成するための転写用導電性フィルムが開示されている。転写用導電性フィルムの導電層は、導電性微粒子を圧縮することにより形成されたものである。
WO2005/022559号公報には、対象物体表面上に透明導電層を形成するための転写用導電性フィルムが開示されている。転写用導電性フィルムの導電層は、導電性微粒子を圧縮することにより形成され、導電性微粒子の間隙には、導電性の金属酸化物に転換されるべき有機基含有金属酸化物が含浸されている。導電層が対象物体表面上に転写された後、有機基含有金属酸化物は導電性の金属酸化物に転換される。
特開平8−199096号公報 特開平6−103839号公報 WO01/87590号公報 WO2005/022559号公報
本発明者らの検討によれば、タッチパネル(TTP)のような透明電極用途には、透明導電層は、その表面の摺動特性に優れること、及び屈曲性に優れることが必要である。ここで、摺動特性とは、透明導電層の表面に指でタッチしたり又はペンで擦ったりしても、表面電気抵抗値が低いまま保たれていることを意味する。また、屈曲性とは、透明導電層を屈曲させて元に戻した後においても、表面電気抵抗値が低いまま保たれていることを意味する。従来の転写用導電性フィルムでは、対象物体への転写前すなわち接着剤層が硬化される前の状態においては、導電層は屈曲性を有している。しかしながら、対象物体への転写後すなわち接着剤層が硬化された後の状態においては、導電層の屈曲性は不十分であることが判明した。
本発明の目的は、対象物体の表面に低い電気抵抗値を有すると共に摺動特性及び屈曲性に優れる均一厚みの透明導電層を形成するための転写用導電性フィルムを提供することにある。また、本発明の目的は、物体の表面に低い電気抵抗値を有すると共に摺動特性及び屈曲性に優れる均一厚みの透明導電層が形成された物体を提供することにある。
本発明者らは、転写用導電性フィルムにおいて、導電性微粒子の圧縮層からなる導電層の上に設ける接着剤層に、活性エネルギー線反応性基とエーテル結合とを有するエーテル化合物を含有させることによって、摺動特性及び屈曲性に優れる透明導電層が得られることを見いだした。
本発明には、以下の発明が含まれる。
(1) 支持体と、前記支持体上の前記支持体とは剥離可能な導電層と、前記導電層上の接着剤層とを少なくとも含む転写用導電性フィルムであって、
前記導電層は、導電性微粒子の圧縮層であり、
前記接着剤層は、活性エネルギー線反応性基とアルキレンオキサイド単位とを有するエーテル化合物を少なくとも含む接着剤組成物から形成されている、転写用導電性フィルム。
前記導電性微粒子の圧縮層は、導電性微粒子を分散した液を支持体上に、塗布、乾燥して形成された導電性微粒子含有層を圧縮することにより得ることができる。前記導電性微粒子の圧縮層は、44N/mm2 以上の圧縮力で圧縮することにより得られたものであることが好ましい。
前記転写用導電性フィルムを製造するに際して、前記導電性微粒子の分散液は、少量の樹脂を含んでも良いが、特に樹脂を含まないことが好ましい。前記導電性微粒子の分散液が樹脂を含む場合には、前記樹脂の含有量は、体積で表して、前記導電性微粒子の体積を100としたとき、25未満の体積であることが好ましい。導電性微粒子含有層の圧縮の際に樹脂が含まれていないか、あるいは含まれていても少量であることにより、圧縮後に、導電性微粒子相互間の接触点が増え、導電層の膜強度が増すと共に導電性が良好となる。
前記導電性微粒子の圧縮層中の導電性微粒子相互の間には、空隙が存在している。この空隙中に、圧縮層上に形成される接着剤層の接着剤組成物が含浸する。
(2) 前記エーテル化合物は、エチレンオキサイド単位、及び/又はプロピレンオキサイド単位を有している、前記(1)に記載の転写用導電性フィルム。
(3) 前記接着剤層中において、前記エーテル化合物は、前記エーテル化合物以外の成分の合計量100重量部(不揮発分として)に対して10〜80重量部含まれている、前記(1)又は(2)に記載の転写用導電性フィルム。
(4) 前記導電性微粒子は、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、ガリウムドープ酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、硼素ドープ酸化亜鉛、及び酸化カドミウムからなる群から選ばれる導電性無機微粒子である、前記(1)〜(3)のうちのいずれかに記載の転写用導電性フィルム。
(5) 表面に接着剤層を有し、前記接着剤層上に透明導電層を有する透明導電層が付与された物体であって、
前記導電層は、導電性微粒子の圧縮層であり、
前記接着剤層は、活性エネルギー線反応性基とアルキレンオキサイド単位とを有するエーテル化合物を少なくとも含む接着剤組成物から形成されており、
前記導電層には、接着剤組成物が含浸されている、透明導電層が付与された物体。
このような透明導電層が付与された物体は、上記本発明の転写用導電性フィルムを用いて、転写用導電性フィルムの導電層を接着剤層を介して対象物体表面に転写することにより得ることができる。接着剤層を構成する接着剤組成物にはエーテル化合物が含まれており、導電層中に含浸されている接着剤組成物の一部は、透明導電層の表層部に存在している。そのために、透明導電層は、表面の摺動特性に優れ、屈曲性にも優れる。
なお、本発明において、「支持体とは剥離可能な導電層」あるいは「支持体から剥離可能な導電層」とは、支持体と導電層とが互いに剥離可能な状態であることを意味する。本発明の転写用導電性フィルムを実際に使用する際には、接着剤層を介して対象物体表面上に貼り付けられた導電層から支持体を剥離することが多い。
本発明の転写用導電性フィルムにおいて、転写に際して支持体から導電層を剥離しやすくするために、支持体と導電層との間に中間層を有することも好ましい。
本発明において、転写後の導電層がパターニングされている場合もある。
本発明によれば、対象物体の表面に低い電気抵抗値を有すると共に摺動特性及び屈曲性に優れる均一厚みの透明導電層を形成するための転写用導電性フィルムが提供される。この転写用導電性フィルムは、導電性微粒子の分散液の塗布、圧縮による導電性微粒子の圧縮層の形成、その後の接着剤層の塗布形成という簡便な操作で製造することができる。
上記本発明の転写用導電性フィルムを用いて、転写用導電性フィルムの導電層を接着剤層を介して対象物体表面に転写することにより、対象物体表面に、表面の摺動特性に優れ、屈曲性にも優れる透明導電層を形成することができる。
まず、本発明の転写用導電性フィルム(以下、単に導電性フィルムとも記す)について説明する。
図1は、転写用導電性フィルムの層構成例を示す断面図である。図1の導電性フィルムにおいて、支持体(1) 上に下地層(3) が形成され、下地層(3) 上に透明導電層(4) が形成され、透明導電層(4) 上に接着剤層(5) が形成されている。透明導電層(4) は、導電性微粒子の圧縮層からなり、支持体(1) とは剥離可能に設けられている。また、使用時まで接着剤層面を保護するために、接着剤層(5) 上に図示されない剥離フィルムが付与されていてもよい。
本発明における透明とは、可視光を透過することを意味し、光をある程度散乱しても透明の概念に含まれる。光の散乱度合いについては、転写用導電性フィルムの用途すなわち導電層が転写形成される対象物体の用途により要求されるレベルが異なり、一般に半透明といわれるような光の散乱のある場合も透明の概念に含まれる。
本発明において、支持体(1) として、後述する圧縮工程の圧縮力を大きくしても割れることがない可撓性樹脂フィルムが好適である。本発明では、転写用導電性フィルムの製造において、高温での加圧工程や、焼成工程がないので、樹脂フィルムを支持体として用いることができる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ノルボルネンフィルム等が挙げられる。
下地層(3) は、導電性微粒子の圧縮層からなる導電層(4) を支持体上に形成し保持する役割を果たすために、ある程度の硬さとクッション性を有していることが好ましく、また一方で、転写に際して下地層(3) と導電層(4) との間で剥離されるために、下地層(3) は比較的硬いことが好ましく、支持体(1) と下地層(3) との密着性は、下地層(3) と導電層(4) との密着性よりも高いことが好ましい。下地層(3) は、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂等の中から選定して、樹脂の溶液を支持体(1) 上に塗布、乾燥して形成するとよい。この際の塗布は、公知の方法により行うことができる。例えば、エクストルージョンノズル法、ブレード法、ナイフ法、バーコート法、キスコート法、グラビアロール法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、カーテン法、スクイズ法などの塗布法によって行うことができる。下地層(3) の厚みは、限定されないが、例えば、0.5〜20μm程度とすればよい。
下地層(3) 上に、導電性微粒子の分散液を用いて透明導電層(4) を形成する。導電性微粒子としては、例えば、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、ガリウムドープ酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、硼素ドープ酸化亜鉛、酸化カドミウム等の導電性無機微粒子が用いられる。ITOがより優れた導電性が得られる点で好ましい。あるいは、ATO、ITO等の無機材料を硫酸バリウム等の透明性を有する微粒子の表面にコーティングしたものを用いることもできる。これら微粒子の粒子径は、導電層の用途に応じて必要とされる光散乱の度合いにより異なり、また、粒子の形状により一概には言えないが、一般に1.0μm以下であり、5nm〜100nmが好ましく、5nm〜80nmがより好ましい。また、シランカップリング剤で表面処理された粒子を用いてもよい。
導電性微粒子を分散する分散媒としては、特に限定されることなく、既知の各種液体を使用することができる。例えば、液体として、ヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、エチレンクロライド、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。これらのなかでも、極性を有する液体が好ましく、特にメタノール、エタノール等のアルコール類、NMP等のアミド類のような水と親和性のあるものは、分散剤を使用しなくても分散性が良好であり好適である。これら液体は、単独でも2種以上の混合したものでも使用することができる。また、液体の種類により、分散剤を使用することもできる。
また、分散媒として、水も使用可能である。水を用いる場合には、支持体(1) (下地層がない場合)又は支持体上に設けられた下地層(3) の表面が親水性のものである必要がある。樹脂フィルムや下地樹脂層は通常疎水性であるため水をはじきやすく、均一な膜が得られにくい。このような場合には、水にアルコールを混合するとか、あるいは下地樹脂層の表面をコロナ処理などにより親水性にする必要がある。
用いる分散媒の量は、特に制限されず、前記微粒子の分散液が塗布に適した粘度を有するようにすればよい。例えば、前記微粒子100重量部に対して、液体100〜100,000 重量部程度である。前記微粒子と分散媒の種類に応じて適宜選択するとよい。
前記微粒子の分散媒中への分散は、公知の分散手法により行うとよい。例えば、サンドグラインダーミル法により分散する。分散に際しては、微粒子の凝集をほぐすために、ジルコニアビーズ等のメディアを用いることも好ましい。
調製した導電性微粒子の分散液を支持体(1) (下地層がない場合)又は支持体上に設けられた下地層(3) 上に、塗布、乾燥し、導電性微粒子含有層を形成する。前記微粒子分散液の塗布は、特に限定されることなく、公知の方法により行うことができ、例えば、下地層の塗布で説明した方法と同様の塗布法によって行うことができる。乾燥温度は分散に用いた分散媒の種類によるが、10〜150℃程度が好ましい。10℃未満では空気中の水分の結露が起こりやすく、150℃を越えると樹脂フィルム支持体が変形する。
その後、前記導電性微粒子含有層をシートプレス、ロールプレス等により圧縮し、導電性微粒子の圧縮層を形成する。圧縮することで導電性微粒子相互間の接触点が増え接触面が増加する。このため、塗膜強度が上がると共に、電気抵抗値が低下する。導電性に優れ、膜強度に優れる導電層を得るために、圧縮は44N/mm2 以上の圧縮力で行うことが好ましく、135N/mm2 以上の圧縮力がより好ましく、180N/mm2 の圧縮力が更に好ましい。圧縮力を高くするほど装置の耐圧を上げなくてはならないので、一般には1000N/mm2 までの圧縮力が適当である。
このようにして、導電性微粒子の圧縮層からなる透明導電層(4) が形成される。導電性微粒子圧縮層の厚みは、用途にもよるが、0.1〜10μm程度とすればよい。また、10μm程度の厚い圧縮層を得るために、微粒子の分散液の塗布、乾燥、圧縮の一連の操作を繰り返し行っても良い。
次に、透明導電層(4) 上に接着剤組成物からなる接着剤層(5) を形成する。得られた導電性微粒子の圧縮層中の導電性微粒子相互の間には空隙が存在しているので、接着剤組成物は圧縮層中に含浸する。
本発明において、活性エネルギー線反応性基とエーテル結合とを有するエーテル化合物(E)を必須成分として含み、前記エーテル化合物(E)以外の硬化性成分(C)を含んでおり、導電性フィルムの前記導電層(4) と転写対象物体の表面の双方に対して親和性があり、両者を強力に接着できる接着剤組成物を用いる。例えば、接着剤組成物は、活性エネルギー線反応性基とエーテル結合とを有するエーテル化合物(E)と、高分子樹脂(P)と、前記エーテル化合物(E)以外の硬化性成分(C)(例えばアクリル系モノマー(M))と、好ましくは光重合開始剤とを含む。
高分子樹脂(P)成分と、硬化性成分(C)(例えばアクリル系モノマー(M))とを併用して粘度調整することによって、粘着性を有しながら、紫外線等の活性エネルギー線照射によって硬化物となるような接着剤層を容易に形成できる。適度な粘着性を有していればよい。
高分子樹脂(P)としてはアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられる。アクリル系樹脂としては、公知のものを用いることができ、例えばアクリル樹脂103B、1BR−305(いずれも大成化工(株)製)等が挙げられる。
前記硬化性成分(C)は、前記エーテル化合物(E)以外のものであり、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の活性エネルギー線反応性基を有する化合物である。硬化後の接着剤組成物の十分な硬度を得るため、前記硬化性成分は、1つの分子内に2つ以上、好ましくは3つ以上の活性エネルギー線反応性基を含む多官能モノマーもしくはオリゴマーを含んでいることが好ましい。
前記硬化性成分(C)は、好ましくはアクリル系モノマー(M)を含んでいる。アクリル系モノマー(M)としては、具体的には、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、3-(メタ)アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。また、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等も挙げられる。
アクリル系モノマー(M)としては、公知のものを用いることができ、例えば、KAYARAD GPO-303 、KAYARAD TMPTA 、KAYARAD THE-330 (いずれも日本化薬(株)製)等の3官能以上のアクリル系モノマーが挙げられる。
また、前記硬化性成分(C)として、ビニル基を有する化合物を用いてもよい。ビニル基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ヒドロキノンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンポリビニルエーテル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
活性エネルギー線反応性基とエーテル結合とを有するエーテル化合物(E)は、対象物体への転写後の透明導電層の屈曲性を向上させ、また透明導電層表面の摺動特性を向上させるために含有される。
前記エーテル化合物(E)は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の活性エネルギー線反応性基と、エチレンオキサイド単位-[C2 4 O]-、プロピレンオキサイド単位-[C3 6 O]-、テトラメチレンオキサイド単位-[CH2 CH2 CH2 CH2 O]-等のアルキレンオキサイド単位を有している。前記エーテル化合物中におけるアルキレンオキサイド単位は、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。1分子中に含まれるアルキレンオキサイド単位の数は、ある程度大きい方がよい。例えば、3〜30程度がよく、5〜20程度が好ましい。
圧縮層中に含浸した接着剤組成物にアルキレンオキサイド単位が存在することによって、硬化後の接着剤組成物においてもある程度の柔軟性が得られるものと考えられる。そのため、透明導電層中に含浸した接着剤組成物によって対象物体への転写後においても透明導電層の屈曲性が向上し、また対象物体への転写後の透明導電層表面付近に存在する接着剤組成物によって透明導電層表面の摺動特性が向上すると考えられる。
前記エーテル化合物(E)は、接着剤組成物中への固定化のために、単官能のもの(例えば、エーテル結合含有(メタ)アクリレート)であってもよく、多官能のもの(例えば、エーテル結合含有ジ(メタ)アクリレート、エーテル結合含有トリ(メタ)アクリレートなどのエーテル結合含有マルチ(メタ)アクリレート)であってもよい。
前記エーテル化合物(E)としては、特に限定されることなく、種々のものを用いることができる。具体的な化合物としては、例えば、A−1206PE(エトキシ化ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート、新中村化学工業(株)製)、APG700(ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート、新中村化学工業(株)製)、A600(ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、新中村化学工業(株)製)、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート(PTMG、新中村化学工業(株)製)、エトキシグリセリントリアクリレート(A−GLY3E、新中村化学工業(株)製)等が挙げられる。
A−1206PE
CH2=CH-CO-O-(C2H4O)k-(C3H6O)m-(C2H4O)n-CO-CH=CH2
k+n≒6,m≒12
APG700
CH2=CH-CO-O-(CH(CH3)CH2O)m-(CH2CH(CH3)O)n-CO-CH=CH2
m+n=12
A600
CH2=CH-CO-O-(C2H4O)n-CO-CH=CH2
n=14
PTMG
CH2=CH-CO-O-(CH2CH2CH2CH2O)n-CO-CH=CH2
n=9
エトキシグリセリントリアクリレート
CH2[(OC2H4)k-OCO-CH=CH2]-CH[(OC2H4)m-OCO-CH=CH2]-CH2-(OC2H4)n-OCO-CH=CH2
k+m+n=3
前記接着剤組成物中において、前記エーテル化合物(E)は、前記エーテル化合物(E)以外の成分の合計量の100重量部(不揮発分として)に対して10〜80重量部含まれていることが好ましい。この範囲のエーテル化合物(E)によって、対象物体への転写後においても導電層の屈曲性、導電層表面の摺動特性が向上する。エーテル化合物(E)が10重量部未満であると、屈曲性、摺動特性の向上効果が少ない。エーテル化合物(E)が80重量部を超えると、エーテル結合の親水的性質により、接着剤中に吸湿しやすくなり、高温高湿下において導電層の電気抵抗値が高くなりやすい。
前記接着剤組成物中において、高分子樹脂(P)と硬化性成分(C)(好ましくはアクリル系モノマー(M))との混合比率によって、粘度、タック性、及び塗膜の硬化後の硬さが変化する。高分子樹脂(P)が多くなると接着剤組成物の粘度が高くなる。高分子樹脂(P)が適度な比率であれば、良好なタック性が得られ、硬化性成分(C)(好ましくはアクリル系モノマー(M))が多いほど硬化後の硬さが得られる。これらのことを考慮して、高分子樹脂(P)と硬化性成分(C)との配合比率を適宜決定すればよく、硬化性成分(C)としてアクリル系モノマー(M)を用いる場合には、高分子樹脂(P)とアクリル系モノマー(M)とは、不揮発分として重量比率P/M=0/100〜80/20で含まれることが好ましく、P/M=1/99〜50/50で含まれることがより好ましく、P/M=2/98〜30/70で含まれることがさらに好ましい。
前記接着剤組成物中には、通常、さらに光重合開始剤が含まれる。光重合開始剤としては、種々のものを用いることができ、例えば、 KAYACURE DETX-S(日本化薬(株)製)が挙げられる。光重合開始剤の量は、アクリル系樹脂(P)とアクリル系モノマー(M)を含む硬化性成分(C)の合計(P+C)重量に対して、0.01〜20重量%程度とすればよい。接着剤層が紫外線等の活性エネルギー線照射によって硬化することによって、転写用導電性フィルムを対象物体に接着させる際の生産性が高まる。また、光重合開始剤として、アクリル系モノマーに光重合開始剤を加えた公知のものを用いてもよい。アクリル系モノマーに光重合開始剤を加えたものとしては、例えば、紫外線硬化型樹脂SD−318(大日本インキ化学工業(株)製)、XNR5535(長瀬産業(株)製)等が挙げられる。
前記接着剤組成物中には、必要に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等の添加剤やオリゴマーを含ませてもよい。
本発明の転写用導電性フィルムの接着剤層(5) 上に剥離フィルムを付与し、使用時まで接着剤層面を保護してもよい。
接着剤層(5) の形成は、導電層(4) 上への接着剤組成物溶液の塗布、乾燥により行うことができる。接着剤組成物溶液の塗布は、特に限定されることなく、公知の方法により行うことができ、例えば、下地層の塗布で説明した方法と同様の塗布法によって行うことができる。塗布後に乾燥する。あるいは、別に用意した剥離処理された剥離用支持体上に接着剤組成物溶液を塗布、乾燥して接着剤層を形成し、剥離用支持体上のこの接着剤層と、支持体(1) 上の導電層(4) とが接するようにラミネートして接着(密着)させることによって、導電層(4) 上に接着剤層(5) を設けてもよい。この場合には、接着剤層(5) の形成と同時に、接着剤層上に剥離用支持体が付与され、使用時まで接着剤層面が保護される。
導電層(4) 中には、接着剤組成物の一部が含浸される。接着剤層の厚みは、接着剤のタック性などによるが、硬化前において、0.1μm〜20μm程度とすればよく、0.5μm〜10μmが好ましく、1.0μm〜5μmがより好ましい。
以上のようにして、本発明の転写用導電性フィルムを製造することができる。
次に、本発明の透明導電層が付与された物体について説明する。
図2は、透明導電層が付与された物体の層構成例を示す断面図である。図2において、物体(6) 表面上に接着剤層(5) を介して導電性微粒子の圧縮層からなる透明導電層(4) が付与されている。
対象となる物体(6) には、特に限定されることなく、可撓性のシートないしはフィルムの他、例えば、均一厚みの塗布層を形成しにくい板状の可撓性に乏しい物体ないしは支持体、圧縮層を直接的には形成しにくいガラスやセラミックス、金属のような物体等が含まれる。例えば、タッチパネル等の各種ディスプレイは本発明における対象物体の具体例として挙げられる。
本発明の透明導電層が付与された物体を得るには、まず、上述の転写用導電性フィルムの導電層(4) を支持体(1) から対象物体(6) 上に転写する。すなわち、導電性フィルムを対象物体(6) 面に、支持体(1) が外側となるように導電性フィルムの接着剤層(5) を介して貼り付け、貼り付け後、接着剤層(5) を好ましくは紫外線照射により硬化させ、その後、導電性フィルムの支持体(1) を剥離する。また、対象物体(6) 面上にも予め接着剤層(5) と同様の接着剤を塗布しておいてもよい。接着剤層(5) を硬化させた後の導電性フィルムの支持体(1) の剥離に際しては、転写に際して下地層(3) と導電層(4) との間で剥離が起こる。透明導電層(4) 表面は露出状態である。
接着剤層(5) を構成する接着剤組成物にはエーテル化合物が含まれている。接着剤組成物の一部は透明導電層(4) 中に含浸している。透明導電層(4) 中に含浸している接着剤組成物によって、硬化後における透明導電層(4) の屈曲性が向上する。また、透明導電層(4) 中に含浸している接着剤組成物の一部は、透明導電層(4) の表層部に存在している。そのために、透明導電層(4) は、表面の摺動特性にも優れる。
導電層の転写に際して、転写対象物体を予め表面処理しておいてもよい。例えば、転写対象物体がガラスの場合、その表面をシランカップリング剤等で表面処理してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示すように、支持体(1) 上に下地樹脂層(3) 、透明導電層(4) 及び感光性接着剤層(5) をこの順で有する転写用導電性フィルムを次の手順で作成した。
(下地樹脂層の形成)
硬い下地樹脂層用にシリコーン樹脂を用いた。シリコーン樹脂溶液フレッセラN−180(松下電工製)のA液100重量部とB液300重量部を混合し、樹脂層用の塗布液とした。75μm厚のPETフィルム(1) (HSL、帝人デュポンフィルム製)の片面にコロナ処理を施した。PETフィルム(1) のコロナ処理された面に前記塗布液を塗布、乾燥し、70℃、24時間で硬化させ、0.7μm厚のシリコーン樹脂層(3) を形成した。
(透明導電層の形成)
一次粒径20nmのITO微粒子SUFP−HX(住友金属鉱山(株)製)100重量部にエタノール300重量部を加え、メディアをジルコニアビーズとして分散機にて分散した。得られた塗液を前記樹脂層(3) 上に、バーコーターを用いて塗布し、50℃の温風を送って乾燥した。得られたフィルムを圧縮前ITOフィルムと称する。ITO含有塗膜の厚みは1.7μmであった。
まず、圧縮圧力の確認のための予備実験を行った。
一対の直径140mmの金属ロール(ロール表面にハードクロムめっき処理が施されたもの)を備えるロールプレス機を用いて、ロールを回転させず且つ前記ロールの加熱を行わないで室温(23℃)にて、前記圧縮前ITOフィルムを挟み圧縮した。この時、フィルム幅方向の単位長さ当たりの圧力は660N/mmであった。次に、圧力を解放し、圧縮された部分のフィルム長手方向の長さを調べたら1.9mmであった。この結果から、単位面積当たりに347N/mm2 の圧力で圧縮したことになる。
次に、予備実験に使用したものと同様の前記圧縮前ITOフィルムを金属ロール間に挟み660N/mmの圧力で圧縮し、ロールを回転させ5m/分の送り速度で圧縮した。このようにして、硬い下地樹脂層(3) 上に圧縮されたITO層を有するフィルム(これを圧縮されたITOフィルムと称する)を得た。ITO圧縮層(4) の厚みは1.0μmであった。
(感光性接着剤層の形成)
アクリル樹脂1BR−305(固形分:39.5重量%、大成化工(株)製)100重量部に、紫外線硬化型樹脂液XNR5535(長瀬産業(株)製)117重量部、エチレンオキサイド含有紫外線硬化型樹脂液A−1206PE(新中村化学工業(株)製)39重量部、及びメチルエチルケトン246重量部を加えて、接着剤層用塗布液とした。
まず、シリコーン処理された剥離PETフィルム S314(東レ(株)製)に接着剤層用塗布液を塗布、乾燥して剥離PETフィルム上に8μm厚の接着剤層を形成した。
次に、前記ITO圧縮層(4) が形成されたフィルムと接着剤層が形成された剥離PETフィルムとを、ITO圧縮層(4) と接着剤層が接するようにラミネートした。このようにして、ITO圧縮層(4) 上に接着剤層(5) を形成し、転写用導電性フィルムとした。
(転写によるPETフィルムへの透明導電層の付与)
得られた転写用導電性フィルムのシリコーン剥離PETフィルムS314を剥がして、接着剤層(5) を露出させ、接着剤層(5) が188μm厚のPETフィルム(6) に接するようにラミネーターにて貼り付けた。紫外線を照射して、接着剤層(5) を硬化させた。その後、支持体PETフィルム(1) を剥がした。シリコーン樹脂層(3) と支持体(1) との密着性は、シリコーン樹脂層(3) とITO圧縮層(4) との密着性よりも高く、シリコーン樹脂層(3) は支持体(1) と共に剥がされた。PETフィルム(6) 上に露出したITO圧縮層(4) が形成された。図2に示すように、PETフィルム(6) 上に接着剤層(5) を介してITO圧縮層(4) が付与された。このようにして、ITO透明導電層が付与された導電性PETフィルムを得た。
(タッチパネルの作製)
ITO透明導電層が付与されたPETフィルムを上部電極、ドットスペーサーを印刷したガラスITOを下部電極としてそれぞれを対向させてタッチパネルを作製した。
[実施例2]
接着剤層用塗布液におけるA−1206PE(新中村化学工業(株)製)39重量部を、プロピレンオキサイド含有紫外線硬化型樹脂液APG700(新中村化学工業(株)製)39重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、転写用導電性フィルムを得た。得られた転写用導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にして、PETフィルムへの透明導電層の付与を行い、導電性PETフィルムを得た。そして、タッチパネルを作製した。
[実施例3]
接着剤層用塗布液におけるA−1206PE(新中村化学工業(株)製)39重量部を、エチレンオキサイド含有紫外線硬化型樹脂液A600(新中村化学工業(株)製)39重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、転写用導電性フィルムを得た。得られた転写用導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にして、PETフィルムへの透明導電層の付与を行い、導電性PETフィルムを得た。そして、タッチパネルを作製した。
[比較例1]
アクリル樹脂1BR−305(固形分:39.5重量%、大成化工(株)製)100重量部に、紫外線硬化型樹脂液XNR5535(長瀬産業(株)製)156重量部、及びメチルエチルケトン246重量部を加えて、接着剤層用塗布液とした。
この接着剤層用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、転写用導電性フィルムを得た。得られた転写用導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にして、PETフィルムへの透明導電層の付与を行い、導電性PETフィルムを得た。そして、タッチパネルを作製した。
[性能評価]
次のようにして、各導電性PETフィルムについて屈曲試験を行い、各タッチパネルについて摺動試験を行った。
(屈曲試験)
作製した導電性PETフィルムに電極間の間隔が15mmになるように銀電極を配線し、φ10mmの円柱形の棒に導電性PETフィルムを導電層が外側になるようにして180度巻き付け、その状態で10秒間保持し、その後開放した。この屈曲操作を5回繰り返して行った。屈曲操作前(初期)、及びそれぞれの屈曲操作後の透明導電層表面の電気抵抗値(Ω/□)を測定した。
(摺動試験)
温度20℃、相対湿度60%の雰囲気下において、作製したタッチパネルの上部電極の表面を、ペン先が0.8mmの球状(半球状)に形成されたポリアセタール製のタッチペンにて、下部電極側に押圧した状態でペン先を往復移動させることによって摺動試験を行い、摺動試験前(初期)、及び摺動試験後の上部電極の表面の電気抵抗値(Ω/□)を抵抗測定装置(ロレスタEP、三菱化学(株)製)を用いて4端子法で測定した。摺動試験において、タッチペンには250gの荷重を加え、往復移動回数は20万回とした。
得られた結果を表1に示す。表1において、各電気抵抗値(Ω/□)と、初期の値を基準とした電気抵抗値の変化率を示す。
表1より、実施例1〜3では、いずれも屈曲性、摺動特性に優れていた。比較例1では、接着剤層用塗布液にエーテル化合物(E)が含まれていないので、屈曲試験、摺動試験において、電気抵抗値の上昇が認められた。
本発明の転写用導電性フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の透明導電層が付与された物体の一例を示す断面図である。
符号の説明
(1) :支持体
(3) :下地樹脂層
(4) :透明導電層
(5) :接着剤層
(6) :対象物体

Claims (5)

  1. 支持体と、前記支持体上の前記支持体とは剥離可能な導電層と、前記導電層上の接着剤層とを少なくとも含む転写用導電性フィルムであって、
    前記導電層は、導電性微粒子の圧縮層であり、
    前記接着剤層は、活性エネルギー線反応性基とアルキレンオキサイド単位とを有するエーテル化合物を少なくとも含む接着剤組成物から形成されている、転写用導電性フィルム。
  2. 前記エーテル化合物は、エチレンオキサイド単位、及び/又はプロピレンオキサイド単位を有している、請求項1に記載の転写用導電性フィルム。
  3. 前記接着剤層中において、前記エーテル化合物は、前記エーテル化合物以外の成分の合計量100重量部(不揮発分として)に対して10〜80重量部含まれている、請求項1又は2に記載の転写用導電性フィルム。
  4. 前記導電性微粒子は、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、ガリウムドープ酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、硼素ドープ酸化亜鉛、及び酸化カドミウムからなる群から選ばれる導電性無機微粒子である、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の転写用導電性フィルム。
  5. 表面に接着剤層を有し、前記接着剤層上に透明導電層を有する透明導電層が付与された物体であって、
    前記導電層は、導電性微粒子の圧縮層であり、
    前記接着剤層は、活性エネルギー線反応性基とアルキレンオキサイド単位とを有するエーテル化合物を少なくとも含む接着剤組成物から形成されており、
    前記導電層には、接着剤組成物が含浸されている、透明導電層が付与された物体。
JP2006079773A 2006-03-22 2006-03-22 転写用導電性フィルム及びそれを用いた透明導電層が付与された物体 Expired - Fee Related JP4867418B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006079773A JP4867418B2 (ja) 2006-03-22 2006-03-22 転写用導電性フィルム及びそれを用いた透明導電層が付与された物体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006079773A JP4867418B2 (ja) 2006-03-22 2006-03-22 転写用導電性フィルム及びそれを用いた透明導電層が付与された物体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007253425A JP2007253425A (ja) 2007-10-04
JP4867418B2 true JP4867418B2 (ja) 2012-02-01

Family

ID=38628145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006079773A Expired - Fee Related JP4867418B2 (ja) 2006-03-22 2006-03-22 転写用導電性フィルム及びそれを用いた透明導電層が付与された物体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4867418B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4951119B2 (ja) 2008-06-09 2012-06-13 住友電気工業株式会社 加熱定着ローラー及びその製造方法
US8971781B2 (en) 2008-06-09 2015-03-03 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Roller for image-forming apparatus and process for producing the same

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2557884B2 (ja) * 1987-05-13 1996-11-27 電気化学工業株式会社 ガラス積層用接着剤組成物
JP3103681B2 (ja) * 1992-09-21 2000-10-30 住友金属鉱山株式会社 透明導電性基板の製造方法
JP3473146B2 (ja) * 1995-01-26 2003-12-02 三菱マテリアル株式会社 導電膜形成用組成物と透明導電膜被覆ガラス板の製造方法
JPH11115115A (ja) * 1997-10-21 1999-04-27 Oji Paper Co Ltd 強光沢シート状材料
CN1152778C (zh) * 2000-05-19 2004-06-09 Tdk株式会社 具有功能性层的功能性薄膜及带有该功能性层的物体
JP4635421B2 (ja) * 2003-09-02 2011-02-23 Tdk株式会社 転写用導電性フィルム、及びそれを用いた透明導電膜の形成方法
JP4666961B2 (ja) * 2004-06-29 2011-04-06 Tdk株式会社 透明導電層が付与された物体、及び転写用導電性フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007253425A (ja) 2007-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4582033B2 (ja) 転写用導電性フィルム及びそれを用いた透明導電層が付与された物体
JP4635925B2 (ja) 転写用導電性フィルム及びそれを用いた透明導電層が付与された物体
KR100791725B1 (ko) 기능성층을 갖는 기능성 필름 및 그 기능성층이 부여된 물체
JP5428498B2 (ja) タッチパネル用電極フィルム及びタッチパネル
TW575882B (en) Transparent conductive multi-layer structure and process for producing the same
US10668702B2 (en) Conductive films and electronic devices including the same
KR101408013B1 (ko) 투명 도전 필름
TW201348809A (zh) 層結構之電接點
JP2008251488A (ja) 透明導電材料及び透明導電体
JP4635421B2 (ja) 転写用導電性フィルム、及びそれを用いた透明導電膜の形成方法
JP4779244B2 (ja) 機能性層パターンの形成方法
JP4666961B2 (ja) 透明導電層が付与された物体、及び転写用導電性フィルム
JP2012151095A (ja) 透明導電性フィルム、静電容量式タッチパネルの透明電極及びタッチパネル
JP4133787B2 (ja) 転写用機能性フィルム、機能性層の形成方法、及び機能性層が付与された物体
JP4867418B2 (ja) 転写用導電性フィルム及びそれを用いた透明導電層が付与された物体
JP5704200B2 (ja) タッチパネル用電極フィルム及びタッチパネル
JP2007080822A (ja) 導電層を有する導電性フィルム及びその導電層が付与された物体
JP4037066B2 (ja) 機能性層を有する機能性フィルム及びその機能性層が付与された物体
JP2011171041A (ja) 透明導電体及び転写用導電性フィルム
JP3934386B2 (ja) 導電層を有する導電性フィルム及びその導電層が付与された物体
JP4679092B2 (ja) 透明面状発熱体及びその製造方法
JP2006156249A (ja) 透明導電体
JP4177323B2 (ja) 透明導電体
JP2010269569A (ja) 転写用導電性フィルム、その製造法及び導電性物体
JP4074288B2 (ja) 透明導電体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111018

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees