JP4866833B2 - 超音波探傷装置とその探触子ホルダ及び超音波探傷方法 - Google Patents

超音波探傷装置とその探触子ホルダ及び超音波探傷方法 Download PDF

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Description

本願発明は、超音波探傷装置とその探触子ホルダ及び超音波探傷方法に関するものである。
特開2002−37195号公報(図7、図8) 特開2004−170399号公報
航空機の主翼は、主翼の上面を構成する部材と、主翼の下面を構成する部材と、両部材を結合するスパーと呼ばれる部材を備える(特許文献1)。
このスパーは、図4(探傷時の平面図)へ示す通り、主翼の基部から先端にかけて(X軸方向について)約10mの長さを備える、樋状(断面視コ字状)に形成された部材である。
図12(A)へ示す通り、このスパーmのコーナーを形成する、縦面f1と横面f2とは、弧状に湾曲した面cによって繋がっている。即ち、縦面f1と横面f2とが交差する部位は湾曲面cとなっているのである。
この湾曲部分(湾曲面c)の内部について、超音波探傷によって、傷や剥離などの欠陥kを検出する場合、透過法と反射法の何れかを利用することになる。透過法では、被検材内部に、例えば剥離が有るか否かの検出を行うことができるが、剥離があった場合に、その剥離部分の位置が特定できない。一方、反射法では、超音波の入射角度に、精度が求められるものであるが、剥離の検出と共に、検出した剥離部分の位置を特定することができる。
また、透過法については、超音波の送信側と被検材とを挟んで反対側に、受信側を配位させる必要があり、周囲の状況によって探触子の走査の制約が大きい。この点、反射法では、送信と受信とを一体(同じプローブ)とすることができるので、透過法に比して走査の制約が少ない。
以上の点から、航空機の上記部材の探傷においては、反射法の採用が望まれる。
ここで、反射法を利用する上において、更に検討するに、従来のシングルプローブを用いたのでは、湾曲部に対して十分に精度を確保した探傷が行えない。
このため、本願発明者は、特に、コーナー上記湾曲部分の形状に対応して、高分解能の探傷が期待できるフェーズドアレープローブ(特許文献2)の採用を想起し、その利用を実現しようと鋭意研究を重ねたものである。
一方、上記のスパーの形状は単純な樋状ではなく、主翼が呈する3次元曲面に対応する曲面形状を備える(図3及び図4へ示すY軸方向、図3へ示すZ軸方向の夫々についてカーブを描いて、コーナーは伸びている)。このため、探触子の走査を予定する走査コースを決定するのに、スパー製造時のCADデータを利用して、コンピュータの制御により、探触子を走査する方法が考えられる。
しかし、探触子の走査位置をCADデータに負うものとしても、各位置における探触子の向き(入射角度)の設定を必要とし、制御(プログラム)が複雑なものとなる。また、このように走査の制御をCADデータに負うものとすると、実際の被検材において、製造上データに現れない形状を備えるものとなっているとき、そのような形状に対応した、探触子の適切な走査を行うことはできない。
例えば、上記のスパーmなど、最近の航空機の素材として、炭素フィルムを積層した素材が採用されつつある。このような素材は、製造工程中、個々の層に皺が生じるので、最終的に皺取りが行われて完成される。この皺取りは、表面の各位置を連続して押圧してゆくことにより、層間の空隙を手繰り寄せて、皺を採るものである。このような過程を経て形成された素材では、上記にて手繰り寄せられた部位の表面に隆起部nが生じている(図13(A)(B))。このような隆起部nは、CADのデータには現れない。
従って、現状において本願発明者は、簡便且つ確実に、反射法による探傷を行うためには、探傷面に、物理的に探触子のホルダを倣わせて(接触させて)、探触子と被検材表面との間隔を走査中一定に保つことが適切であると考えた。
しかし、スパーの長手方向(コーナーの伸びる方向)について、スパーのコーナーの開き角度が漸次変化するものである。即ち、スパーのコーナーの開き角度は一定ではない。
このため、例えば、特許文献2(図23)へ示すように、探触子のホルダに複数のローラを設けて、各ローラを被検材表面で転動させることにより、ホルダを被検材に倣わせる、即ち、ローラを介して探触子と被検材の探傷部位の表面との間隔を一定に保ち、入射角を一定に維持するものとしても、上記の開き角度の変化により、一部のローラが被検材の表面から離れ、そのような目的を達することができないでいた。このような状況では、フェーズドアレープローブの高分解能を生かした探傷は、十分に行えない。
本願発明は、各ローラの接触状態を維持することを可能として、このようなコーナーの開き角度の変化に影響を受けずに探傷を行えるものとし、これにて、本願発明は、上記の課題の解決を図るものである。
本願第1の発明は、縦と横の少なくとも2つの面が複合してコーナーを形成し、且つ、当該コーナーの伸びる方向についてコーナーの開き角度が変化する被検材に対して、当該コーナーの伸びる方向に沿って探傷を行う超音波探傷であり、次の構成を採る。
即ち、この超音波探傷装置は、超音波を発する探触子4と、探触子4を保持するホルダ1と、当該ホルダ1が少なくとも上記被検材の縦面f1と横面f2の何れかに近接離反できる自由度を以って固定され且つ当該ホルダ1を当該コーナーの伸びる方向に沿って走査する走査手段2と、ホルダ1に固定され上記被検材の縦面f1と当接する第1固定当接部と、ホルダ1に固定され上記被検材の横面f2と当接する第2固定当接部と、ホルダへ出没自在に取り付けられた第1及び第2の可動当接部と、第1及び第2可動当接部をホルダ1より突出する方向へ付勢する付勢手段とを備える。第1固定当接部と第2固定当接部は、第1可動当接部と第2可動当接部の間に位置する。第1可動当接部と第2可動当接部とは、一体となってホルダ1より出没する。走査時、上記両固定当接部と両可動当接部とが、上記の縦横双方の面f1,f2との当接状態を維持する。
尚、走査手段による走査には、被検材に対してホルダ1(探触子4)を移動させるのみならず、被検材に対してホルダ1(探触子4)を移動させる、或いはホルダ1と被検材の双方を移動させるものを含む。
本願第2の発明では、上記本願第1の発明にあって、次の構成を採る超音波探傷装置を提供する。
即ち、被検材の上記縦面f1と横面f2とは湾曲面cによって繋がったものである。そして、上記のホルダ1には、ボールが軸止されている。上記付勢手段は、当該ボール5をホルダ1より突出する方向へ付勢する。上記のボール5の半径は、被検材の上記湾曲面の曲率半径よりも大きなものである。当該ボール5が、上記第1及び第2固定当接部の双方を構成する。
本願第3の発明は、縦と横の少なくとも2つの面が複合してコーナーを形成し、且つ、当該コーナーの伸びる方向についてコーナーの開き角度が変化する被検材に対して、当該コーナーの伸びる方向に沿って探傷を行う超音波探傷であり、次の構成を採る。
即ち、この超音波探傷装置は、超音波を発する探触子4と、探触子4を保持するホルダ1と、当該ホルダ1が少なくとも上記被検材の縦面f1と横面f2の何れかに近接離反できる自由度を以って固定され且つ当該ホルダ1を当該コーナーの伸びる方向に沿って走査する走査手段2と、ホルダ1に固定され上記被検材の縦面f1と当接する第1固定当接部と、ホルダ1に固定され上記被検材の横面f2と当接する第2固定当接部と、第1及び第2固定当接部の間に位置し且つホルダへ出没自在に取り付けられた第1及び第2の可動当接部と、第1及び第2可動当接部をホルダ1より突出する方向へ付勢する付勢手段とを備える。第1可動当接部と第2可動当接部とは、一体となってホルダ1より出没する。走査時、上記両固定当接部と両可動当接部とが、上記の縦横双方の面f1,f2との当接状態を維持する。
本願第4の発明では、上記本願第3の発明にあって、次の構成を採る超音波探傷装置を提供する。
即ち、被検材の上記縦面f1と横面f2とは湾曲面cによって繋がったものである。そして、上記のホルダ1には、出没自在にボールが設けられている。上記付勢手段は、当該ボール5をホルダ1より突出する方向へ付勢する。上記のボール5の半径は、被検材の上記湾曲面の曲率半径よりも大きなものである。当該ボール5が、上記第1及び第2可動当接部の双方を構成する。
本願第5の発明では、上記本願第1乃至第4の何れかの発明にあって、次の構成を採る超音波探傷装置を提供する。
即ち、探触子4は、被検材の上記湾曲面cを探傷するものである。探触子4は、走査方向と交差する方向について複数の振動子が円弧状に配列された、フェーズドアレープローブであり、各振動子のビームが交差する点が、探触子4と上記湾曲面cとの間に位置するように調整されたことを特徴とする。
本願第6の発明では、上記本願第1乃至第5の何れかの発明にあって、ホルダ1が、探触子4の取付部11と、探触子4の前後に配置された補助ローラ15,15とを備え、探触子4の上記取付部11は、被検材に対し出没自在にホルダ1へ設けられ、補助ローラ15,15の夫々も、被検材に対し出没自在にホルダ1へ設けられ、探触子4の取付部11は、補助ローラ15,15の出没に連動して、出没する超音波探傷装置を提供する。
本願第7の発明では、縦と横の少なくとも2つの面が複合してコーナーを形成し、且つ、当該コーナーの伸びる方向についてコーナーの開き角度が変化する被検材に対して、超音波を発する探触子を当該コーナーの伸びる方向に沿って走査することにより被検材を超音波探傷する超音波探傷装置に、用いられる探触子ホルダ1について、次の構成を採る。即ち、この探触子ホルダ1は、超音波探傷装置の走査手段2に軸止して使用されるものであり、超音波を発する探触子4と、ホルダ1に固定され上記被検材の縦面と当接する第1固定当接部と、ホルダ1に固定され上記被検材の横面と当接する第2固定当接部と、ホルダへ出没自在に取り付けられた第1及び第2の可動当接部と、第1及び第2可動当接部とをホルダ1より突出する方向へ付勢する付勢手段とを備える。第1固定当接部と第2固定当接部は、第1可動当接部と第2可動当接部の間に位置する。第1及び第2可動当接部は、一体となってホルダ1より出没する。
本願第8の発明は、縦と横の少なくとも2つの面が複合してコーナーを形成し、当該縦横の両面のは湾曲面を介して繋がっており、且つ、当該コーナーの伸びる方向についてコーナーの開き角度が変化する被検材に対して、当該コーナーの伸びる方向に沿って探傷を行う超音波探傷方法について、次の手段を採るものを提供する。
即ち、この超音波探傷方法は、超音波を発する探触子4と、探触子4を保持するホルダ1と、当該ホルダ1が少なくとも上記被検材の縦面f1と横面f2の何れかに近接離反できる自由度を以って固定され且つ当該ホルダ1を当該コーナーの伸びる方向に沿って走査する走査手段2と、ホルダに対して出没自在に取り付けられ且つ上記縦面と横面の夫々と当接する第1及び第2の可動当接部と、第1及び第2の当接部の間にてホルダに軸止されたボール5と、第1及び第2の可動当接部をホルダより突出する方向へ付勢する付勢手段とを用い、ボール5の半径を、被検材の湾曲面の曲率半径よりも大きいものとすることにより、ボール5を、被検材の縦面と横面の、2点で当接させる。
本願の各発明は、コーナーの伸びる方向について、コーナーの開き角度が変化したり、或いは、コーナーがカーブする、被検材のコーナーの超音波探傷において、このようなコーナーの変化に対応して探傷を行えるものを提供した。
特に、本願の第1、第2、第8の発明では、探触子を保持するホルダが、走査手段に対して、被検材の縦面と横面の何れかに近接離反できる自由度を以って固定されることにより、コーナーの開き角度の変化に対応して、両固定及び可動当接部の当接状態を維持できるものとしつつ、両固定当接部が、付勢手段の付勢を受けて、被検材のコーナーの縦及び横の両面と当接状態を維持することにより、両固定当接部が、当該コーナーをガイド(レール)として、ホルダをコーナーの伸びる方向に案内し、コーナーと平行として、ホルダに被検材を倣わせることができる。
更に、本願の第3及び第4の発明では、探触子を保持するホルダが、走査手段に対して、被検材の縦面と横面の何れかに近接離反できる自由度を以って固定されることにより、コーナーの開き角度の変化に対応して、両固定及び可動当接部の当接状態を維持できるものとしつつ、両可動当接部が、付勢手段の付勢を受けて、被検材のコーナーの縦及び横の両面と当接状態を維持することにより、両可動当接部が、当該コーナーをガイド(レール)として、ホルダをコーナーの伸びる方向に案内し、コーナーと平行として、ホルダに被検材を倣わせることができる。
このように、本願の各発明は、走査手段によるホルダの被検材に対する移動中、被検材のコーナーをガイドとして、ホルダを被検材に倣わせることを可能とし、走査中、コーナーの開き角度の変化に対応して、両固定及び可動当接部の少なくとも4点での当接状態を維持することができる。
また、本願第7の発明は、上記効果を奏する探傷装置に使用するに適したホルダを提供し得た。
より詳しくは、被検材の縦面と横面の夫々と当接する当接部が夫々1つのみ(被検材との接触点が縦横合計2点)であると、コーナーの開き角度が変わることによって、両当接部が被検材の両面との当接状態を維持しようとして、ホルダ(探触子)の走査予定ラインを外れて走査する事態が生じ、探触子と被検材との間の間隔(水ギャップ)が一定とならない。このように、コーナーから外れると、ホルダの向きを変えてしまい、例えば湾曲部の弧中の中心(湾曲部が呈する弧の二等分点)を探傷していた探触子の向きが、当該中心部から外れてしまう。
また、当接部の数を増やして、3点以上、例えば縦面に対して2点、横面に対して2点で当接するとしても、これらの4点の位置関係が固定されていると、コーナーの開き角度が変わることによって、当接部のうち、被検材から離れるものが出て、当接部が取り付けられたホルダ(探触子)の向きが変わり、やはり、ラインを外れて走査する事態が生じる。
しかし、本願発明では、被検材の縦面に第1可動当接部と第1固定当接部の2点で当接し、被検材の横面に第2可動当接部と第2固定当接部の2点で当接するものであり、ホルダにおいて位置を変えない第1及び第2固定当接部に対し、第1及び第2可動当接部は、ホルダに対して出没できるものであり、コーナーの軸方向に対するホルダ(探触子)の走査中に、縦面と横面とがなす角度(コーナーの開き角度)が変化しても、第1及び第2可動当接部の出没により、縦面に対する第1可動当接部と第1固定当接部の2点での当接、及び、横面に対する第2可動当接部と第2固定当接部の2点での当接を確保することができ、コーナーに対してホルダの位置を維持することができる。
即ち、両固定当接部の当該挙動によってホルダが、走査予定ラインから外れようとするのを、両固定当接部と両可動当接部とが、上記の縦横両面に挟まれた状態を維持することにより、縦横両面にガイド(拘束)されて、ホルダの挙動を、無制限に許容せず、上記走査予定ライン上にホルダ(探触子)を止(とど)める。
これによって、上記コーナーの開き角度の変化に拘わらず、探触子と被検材との間に一定の間隔を維持できるものとし、即ち、水ギャップを一定の間隔に維持できるものとし、入射角に精度を求められる反射法を利用して超音波探傷を行うことを可能とした。
上記効果を得ることより、特に、分解能において優れるフェーズドアレープローブを十分に利用することを可能とした。
また、本願第2の発明では、両固定当接部を、1つのボールにて構成する。これにより、当該ボールが第1及び第2固定当接部として、被検材のコーナーをガイド(カイドレール)として利用し、探触子(ホルダ)の走査コースを当該コーナーの伸びる方向に沿ったものとし、他の当接部(両固定当接部)を、当該走査コースから外さずに、確実に案内する。
具体的には、上記の第1固定当接部と、第2固定当接部とを、上記1つのボールの表面にて構成し、曲率半径についてボールを上記被検材の湾曲面よりも大きなものとすることによって、コーナーの開き角度が変化しても、1つのボールが、湾曲面を跨いで縦横両面と確実に当接できる。このように1つのボールを、被検材の縦面と横面の両面間に挟んだ状態とすることにより、コーナーの開き角度の変化に拘わらず、当該ボールにてコーナーを確実にトレースすることができる。そして、このボールのリードにより、ボール外側の両固定当接部を、確実にコーナーの伸びる方向に沿って案内することができる。
上述の通り、本願第2の発明は、被検材のコーナーに沿って、ホルダに被検材を倣わせる、構造が簡便で、より具体的な手段を提供し得た。
尚、ボールは、完全な球面を備えたものに限定するものではなく、ボール表面の一部が第1及び第2可動当接部として、球面の一部を構成するものであればよい。また、ボールの表面形状についても、完全な球面(正円の回転体)に限定するものではなく、例えば、楕円球面(楕円の回転体)を備えたものも含む。
また、本願第4の発明では、本願第2の発明と逆に、出没自在な両可動当接部を、1つのボールにて構成する。これにより、当該ボールが第1及び第2可動当接部として、被検材のコーナーをガイド(カイドレール)として利用し、探触子(ホルダ)の走査コースを当該コーナーの伸びる方向に沿ったものとし、他の当接部(両固定当接部)を、当該走査コースから外さずに、確実に案内する。特に、1つのボールを、走査中付勢手段の付勢にて、被検材の縦面と横面の両面間に挟んだ状態とすることにより、コーナーの開き角度の変化に拘わらず、当該ボールにてコーナーを確実にトレースすることができる。そして、このボールのリードにより、ボール外側の両固定当接部を、確実にコーナーの伸びる方向に沿って案内することができる。
本願第5の発明では、湾曲面に向けて凹曲面をなすよう、弧状に配列された複数の振動子を備えるフェーズドアレープローブを用い、当該アレープローブの各振動子が発する超音波ビームの交差点(クロスポイント)を、探触子と(被検材の)コーナーの湾曲面との間におくことによって、被検材の当該湾曲面に対して高精度な探傷を可能とした。
例えば、図12(A)へ示す通り、シングルプローブをホルダに複数並べて配列し、被検材の上記湾曲部の探傷を行うとしても、シングルプローブでは、コーナーの曲率が個々のプローブの大きさに比して小さい場合に、個々のプローブの大きさから、多数のプローブを配置することはできず、プローブのチャンネル数を多くすることはできない。従って、シングルプローブを用いたのでは、剥離探傷(被検材内部の剥離の有無や剥離の大きさの探傷)において、被検材から剥離を検出した場合であっても、その(剥離)面積を正確に求めることはできなかった。
これに対して、本願第5の発明では、図12(B)へ示す通り、フェーズドアレープローブを採用することにより、複数の振動子によって、高分解能の探傷が行える。即ち、多チャンネルによる超音波探傷が行え、剥離面積まで求めることができる。
特に、フェーズドアレープローブを構成する複数の振動子を被検材の湾曲面に対して、凹部をなすように円弧状に配列し、各振動子が発する超音波の交差点を、フェーズドアレーローブと被検材の湾曲面との間に設定することによって、このような被検材の湾曲面の内部について的確に上記の探傷を行うことができる。即ち、本願第5の発明は、コーナーに湾曲面を有する被検材の当該湾曲面の探傷に適した超音波探傷装置を提供し得た。
本願第6の発明では、探触子は、取付部を介して、被検材に対し出没自在に、ホルダに取り付けられており、当該取付部は、探触子の前後にて出没自在に配された補助ローラと、連動して出没するものであるため、コーナーの伸びる方向について、被検材に起伏があっても、上記補助ローラが被検材表面を倣い、起伏に応じて取付部を出没させて、水ギャップを一定に保つことができる。
本願第7の発明では、上記本願第1乃至第4の発明に係る超音波探傷装置に用いるに適した探触子ホルダを提供する。
本願第8の発明では、被検材のコーナーの開き角度の変化に拘わらず、探触子と被検材との間に一定の間隔(の水ギャップ)を維持できるものとし、入射角に精度を求められる反射法を利用して超音波探傷を行える方法を提供した。
以下、図面を参照しつつ、本願発明の好ましい実施の形態について、説明する。図1〜図13へ、本願発明の一実施の形態を示す。図1は、本願発明の一実施の形態を示す超音波探傷装置全体の略平面図である。図2は、図1のA−A略断面図である。図3は、図1及び図2に示す装置の略要部正面図である。図4は、探傷中のスパーの略平面図である。図5は、図3に示す探傷装置の要部拡大正面図である。図6は、図5に示す装置の略要部拡大正面図である。図7及び図8(A)(B)は、図6に示すホルダの動作説明図である。図9は、上記ホルダの略側面図である。図10は、上記ホルダの略縦断面図である。図11は、図10に示すホルダの底面図である。図12(A)は被検材であるスパーの探傷部位に対し従来のシングルプローブを用いて探傷を行う状態を示す説明図であり、図12(B)は当該スパーの探傷部位に対し本願発明に係るフェーズドアレープローブを用いて探傷を行う方法を示す説明図である。図13(A)は本願発明に係る(探触子の)取付部の動作状態を示す略側面図であり、図13(B)はその略正面図である。
説明の便宜上、図面において、適宜、Uは上方を、Sは下方を、Fは前方(探触子ホルダの走査中の進行方向)を、Bは後方(前方Fと逆方向)を示す。
この超音波探傷装置は、縦と横の少なくとも2つの面f1,f2が複合してコーナーを形成し、且つ、当該コーナーの伸びる方向についてコーナーの開き角度が変化する被検材(図12(B))に対して、当該コーナーの伸びる方向に沿って探傷を行うのに適した超音波探傷であり(図4)、図1〜図3及び図5へ示す通り、探触子のホルダ1と、ホルダ1の走査手段2と、水槽6と、データ処理部(図示せず。)とを備える。
以下、被検材を航空機のスパーmとする場合を例に採り、上記超音波探傷装置の各部の構成について、探傷走査の手順に則して、詳しく説明する。
上記の走査手段2は、ホルダ1を支持し、X軸(仮想軸)方向、当該X軸と直交するY軸(仮想軸)方向、X軸及びY軸と直交するZ軸(仮想軸)方向、の3方向について、ホルダ1を移動させることができる。
この実施の形態では、被検材の長手方向を水平とし、X軸とY軸とは、水平な面(仮想面)に属し、Z軸は当該水平面と直交する鉛直線(仮想線)である。尚、上記の前方Fと後方Bは、走査方向について前後を示している。また、上記の上方Uと下方Sは、Z軸方向について上下を示している。
但し、X軸、Y軸、Z軸の3軸は、互いに直交するものであれば、上記水平及び鉛直方向と一致しないものであってもよい。
具体的には、上記の走査手段2は、図1へ示す通り、X軸方向に沿って伸びるX軸ガイドレール20,20と、X軸ガイドレール20,20に乗せられX軸方向に沿って移動することができる主走査移動部21と、制御部(図示せず。)とを備える。
図1において、20bは指令室を、21cは探傷装置の操作盤を、夫々示している。
上記の制御部は、入力部と、記憶部と、演算制御部と、出力部とを備えたコンピュータである。この入力部は、上記の司令室20bや制御盤20cからの入力を受け付ける。また記憶部は入力されたデータ又は演算制御部によって演算された結果データを収納する。出力部は、演算制御部の指令に従い記憶部に格納されたデータに基き走査手段2の動作という形で、データの出力を行う。この制御部は、主として走査手段2のホルダ1の走査を制御する。
尚、上探傷により検出したデータの蓄積・処理は、データ処理部にて行う。但し、データ処理部が収集したデータは、上記司令室20bでモニタ出力できるものとするのが便利である。
図2へ示す通り、両X軸ガイドレール20,20は、水槽6を挟んで水平に伸び、水槽6よりも上方に主走査移動部21を支持する。この実施の形態では、X軸ガイドレール20,20自身も、支柱20a...20aによって、ほぼ水槽6の高さと同じ幅、地面より上方に支持されている。
図1及び図2へ示す通り、上記の主走査移動部21には、Y軸ガイドレール22と、Y軸ガイドレール22に案内されてY軸方向に沿って移動することができるY軸移動部23が設けられている。
Y軸ガイドレール22は、上記X軸方向と直交する方向へ水平に伸びるレールである。図1において、主走査移動部21には、2台のY軸移動部23が配置されている。但し、主走査移動部21に対して、Y軸移動部23は、1台であっても、3台以上配置するものであっても実施可能である。
Y軸移動部23には、Y軸移動部23に対しZ軸方向に沿って移動することができるZ軸移動部24が設けられている。具体的には、Y軸移動部23に、ピストンロッドと、当該ピストンロッドを収容し流体圧によりピストンロッドを出没させるシリンダといった周知のアクチュエータを設けて、ピストンロッドにZ軸移動部24を設けることにより、Z軸移動部24の上記Z軸についての移動を行うことができる。但し、当該Z軸についての移動は、流体圧に限らず、電動機や他の機械的手段によって行うものとしても実施可能である。
Z軸移動部24は、Y軸移動部23から下方に突出する。このZ軸移動部24は、図3へ示す通り、ホルダ保持腕25を備える。上記のホルダ1は、当該ホルダ保持腕25を介して、Z軸移動部24に設けられている。尚、図2において、ホルダ保持腕25及びホルダ1は、取り外された状態(ホルダ1のセット前の状態)を示している。
図3へ示す通り、上記の水槽6には、超音波の媒介となる液体、具体的には、水が収容されている。そして、水槽6内の水中に、被検材であるスパーmが配置される。この実施の形態において、本願発明に係る超音波探傷装置を用いたコーナー部分の探傷に際して、スパーmは、航空機の主翼に取り付けられた際に、縦になる面を横に寝かした状態(水平)として、即ち主翼へ縦に取り付けられる面を横面f2として、水槽6内に配置される(断面視コ字状のスパーmのコの字が上方に開いた状態となるように配置される)。具体的には、図3へ示す通り、水槽6内には、被検材の支持部材61が設けられており、当該支持部材61の上に、上記の通り、スパーmが載置される。
また、支持部材61に支持されたスパーmは、図4へ示す通り、その長手方向が上記X軸に沿うように配置される。
図1に示す通り、探傷前、主走査移動部21は、X軸ガイドレール20,20上において、水槽6の上方から外れた位置にあり、被検材の探傷に際して、電動機といった周知の駆動手段(図示せず。)により、X軸ガイドレール20,20上を移動して、水槽6の上方に運ばれる。
そして、Z軸移動部24を(Z軸方向に沿って)下方に垂下させ、ホルダ1を水槽6中のスパーmの呈するコの字の内側に移動させる。そして、電動機といった周知の駆動手段(図示せず。)により、Y軸移動部23をY軸ガイドレール22をガイドとしてY軸方向に沿って移動させ、ホルダ1をスパーmの縦面f1へ沿わせる。縦面f1へ沿わせる。そして、更に、Z軸移動部24を(Z軸方向に沿って)下方に垂下させ、ホルダ1を、スパーmのコーナーにおいて、縦面f1と横面f2の双方に沿わせる。
このように、ホルダ1をスパーmの縦面f1と横面2の双方に沿わせた状態にセットして、探傷走査を開始する。探傷走査は、X軸ガイドレール20,20上の主走査移動部21をX軸方向に移動させることによって行う。
図4へ示す通り、平面視において、スパーmは、前後でその幅が異なり、スパーmの基部側m1(主翼の基部と対応する側)のほうが、スパーmの先端側m2(主翼の先端と対応する側)よりも、幅が広くなっており、基端側m1から先端側m2に向けて、縦面f1はカーブしている。従って、スパーmの先端側から基端側或いは基端側から先端側へ向けて走査を行うものとすると、図4において破線で示すように、ホルダ1を、直線的にX軸方向に走査するのではなく、X軸方向への移動と共にY軸方向についても移動させることになる。即ち、走査線がカーブした軌跡を描くよう、ホルダ1を移動させることになる。また、図面には現れていないが、このようなカーブは、図3及び図4に示す状態におけるスパーmの上下方向についても、存在する。従って、スパーmの先端側から基端側或いは基端側から先端側へ向けて走査を行うと、Z軸方向についてカーブさせて移動させることになる。
このX軸方向への走査中の、Y軸方向及びZ軸方向への移動について説明する。
上記のホルダ保持腕25は、図5へ示す通り、主幹部26と、Y軸腕部27と、Z軸腕部28と、ホルダ保持手29と、センサ部25aとを備える。
この実施の形態において、主幹部26は、横方向(水平)に伸びる横部分26aと、横部分26先端から下方に伸びる縦部分26bとからなる。この横部分26aに、上記のセンサ部25aが設けられている。
Y軸腕部27は、主幹部26の先端部26aに設けられ、Y軸方向に沿って伸びる。又、Y軸腕部27の先端に、上記のZ軸腕部28が設けられており、Z軸腕部28は、Y軸腕部27の先端からZ軸方向に沿って伸びる。当該Z軸腕部28の先端に、上記のホルダ保持手29が設けられ、ホルダ1を保持する。
ホルダ保持腕25各部の構成について、より具体的に説明する。
上記のY軸腕部27は、主幹部26の先端部26aに遊嵌しており、Y軸方向について変位可能である。主幹部26の先端部26aと、Y軸腕部27の先端部27aとの間には、バネ27bが設けられており、Y軸腕部27の先端部27aを、スパーmの縦面f1に近づける方向、即ち図5に示す実施の形態では、主幹部26の先端から遠ざかる方向(図5の左方)に付勢する。Y軸腕部27の基端部には、抜け止め27cが設けられている。この抜け止め27cは、バネ27bの付勢を受けたY軸腕部27が、主幹部26の先端部26aから脱落するのを防止する突起である。
また、上記のZ軸腕部28は、Y軸腕部27の先端部27aに遊嵌しており、Z軸方向について変位可能である。Y軸腕部27の先端部27aと、Z軸腕部28の先端部28aとの間には、バネ28bが設けられており、Z軸腕部28の先端部28aを、スパーmの横面f2に近づける方向、即ち図5に示す実施の形態では、Y軸腕部27の先端部27aから遠ざかる方向(図5の下方)に、付勢する。Z軸腕部28の基端部には、抜け止め28cが設けられている。この抜け止め28cは、バネ28bの付勢を受けたZ軸腕部28が、Y軸腕部27の先端部27aから脱落するのを防止する突起である。
尚、図示はしないが、上記のホルダ保持腕25には、上記バネ28bと逆方向にZ軸腕部28を付勢するコンストンバネと、上記バネ27bと逆方向に付勢するコンストンバネとが設けられている。
前者のコンストンバネは、上方に向けてZ軸腕部28を付勢し、スパーmの横面f2に掛かるホルダ1の重量を相殺する。後者のコンストンバネは、スパーmの縦面f1と反対側に付勢し、当該縦面f1に掛かるホルダ1の重量を相殺する。
上記の通り、Y軸腕部27の先端部27aに対して、Z軸腕部28は遊嵌しており、図6へ示す通り、Z軸腕部28は自身の周方向R1について回動自在である。また、ホルダ保持手29は、第1の軸29aにて、Z軸腕部28に軸止されている。第1の軸29aの軸方向は、上記Z軸腕部28の軸方向と直交する。第1の軸29aの軸止にて、第1の軸29aの周方向R2へ、ホルダ保持手29は回動することができる。
第1の軸29aをZ軸腕部28が備え、第1の軸29aを受ける軸受け部分をホルダ保持手29が備える。但し、これとは逆に、第1の軸29aをホルダ保持手29が備え、第1の軸29aを受ける軸受け部分をZ軸腕部28が備えるものであっても実施可能である。また、第1の軸29aは、Z軸腕部28とホルダ保持手29の双方と独立した軸とし、Z軸腕部28とホルダ保持手29の双方が、第1の軸29aを受ける軸受け部分を備えるものであっても実施可能である。
更に、ホルダ保持手29には、ホルダ1(正確には後述するホルダ本体10)が、第2の軸29bにて軸止されている。第2の軸29bの軸方向は、上記Z軸腕部28の軸方向及び上記第1の軸29aの軸方向の双方と直交する。第2の軸29bによる軸止にて、ホルダ1(ホルダ本体10)は、第2の軸29bの軸周方向R3へ回動(揺動)することができる。
詳しくは、図9へ示す通り、ホルダ保持手29の先端は、2つの保持用部29c,29cが設けられている。両保持用部29c,29cは、間隔を開けて対面する2枚の突出片であり、両保持用部29c,29c間に、ホルダ1(ホルダ本体10)が配置され、第2の軸29b,29bにて、ホルダ1(ホルダ本体10)が保持用部29c,29cの夫々に軸止されている。第2の軸29b,29bは、夫々、同一線上に位置する。これにて、ホルダ1(ホルダ本体10)は、第2の軸29b,29bを中心として回動(揺動)することができる。
第2の軸29bは、上記の保持用部29cが備え、第2の軸29bを受ける軸受け部分は、ホルダ1(ホルダ本体10)が備える。但し、これとは逆に、第2の軸29bは、ホルダ1(ホルダ本体10)が備え、第2の軸29bを受ける軸受け部分は、保持用部29cが備えるものとしても実施可能である。また、第2の軸29bは、上記の保持用部29cとホルダ1(ホルダ本体10)の双方から独立した軸とし、保持用部29cとホルダ1(ホルダ本体10)の双方が、第2の軸29bを受ける軸受け部分を備えるものとしても実施可能である。
第2の軸29b,29b(の軸方向)をホルダ1の走査方向(F−B)と一致させた場合(厳密には走査線は図4で破線で示す通り曲線であるので、走査線の各位置における接線と一致させた場合)、上記のZ軸腕部28の周方向R1についての回動は、ホルダ1にヨーの動き(ヨーイング)の自由度を与え、また、上記第1の軸29aの軸周方向についての回動は、ホルダ1にピッチの動き(ピッチング)の自由度を与え、更に、上記第2の軸29b,29bの軸周方向についての回動は、ホルダ1にロールの動き(ローリング)の自由度を与えるものである。従って、ホルダ1が他から力を受ければ、上記の3つの自由度により、その向きを変更することができる。
尚、ヨー、ピッチ、ロールとは、本来航行中の航空機の機体の動きを説明する用語であるが、ここでは、航空機とは関係なく、走査中のホルダ1の動きを説明するのに用いる。
上記の、Y軸腕部27のY軸方向についての変位、及び、Z軸腕部28のZ軸方向についての変位は、主として、後述するスパーmのコーナーの開き角度の変化への対応に、供するものである。
従って、通常、このY軸腕部27及びZ軸腕部28の上記変位では、大きく変化する上記スパーmの、Y軸方向のカーブや、Z軸方向のカーブについては、対応できない。
以下、上記スパーmのY軸方向についてのカーブについての対応方法を中心に説明する。
上記のセンサー部25aには、図5へ示す通り、複数の位置センサー25b...25bが設けられている。各位置センサー25bは、Y軸方向に沿って、間隔を開けて配列されている。各位置センサー25bは、投光部にて光を発し所定の位置に光が遮られたときその位置を受光部検出する、或いは投光部にて光を発し所定の位置にて遮られていた光が透過したことを受光部が検出する、光学センサを採用することができる。この他、所定の位置が変位により物理的に接触したことを検知する、或いは所定の位置が変位により接触から開放されたことを検知する、感圧センサを採用することができる。
例えば、スパーmのコーナーにおいて、(Y軸方向について)幅の狭いスパーも先端側から幅が広い基端側へ向けて、ホルダ1を走査するものとすると、スパーmの縦面f1は、図5中左側へ逃げて行くことになる。このとき、バネ28bの付勢を受けているY軸腕部27が、図5の左側へ変位することにより、当該スパーmのカーブに対処することができる。しかし、Y軸腕部27が変位できる範囲を超えると対応できなくなる。そこで、上記の位置センサーがY軸腕部27の所定の変位を検出した際、当該検出情報を受けた制御部の指令により、Y軸移動部23を動かし、例えば、常にY軸腕部27がその変位幅の半分程度変位した状態(或いはバネ27bが常に無負荷の際の半分の長さに縮んだ状態)となるように、制御する。
上記のスパーmのY軸方向のカーブの幅は、スパーmの設計の情報により事前に分かっているので、スパーmの先端から基端へ掛けて、ホルダ1を走査する場合、予め制御部に対して、Y軸方向についての走査の開始位置と走査の終了位置の情報を入力しておけばよい。このように、上記の制御方法を採用することによって、始点と終点の2点の入力のみにて、走査開始位置と終了位置の間の中間位置の情報について何ら入力する必要なく、スパーmの上記走査方向のカーブ(Y軸方向についてのカーブ)に対応することができる。
スパーmのZ軸方向へのカーブについても、上記のY軸方向へのカーブと同様の制御を、Z軸方向について行うものとして対応することができる。例えば、Z軸方向に位置センサーを配列することによって、Z軸腕部28の変位を検出し、Z軸移動部24を制御部の指令によってZ軸方向に移動させるものとすればよいのである。
この実施の形態では、スパーmのZ軸方向についてのカーブは、上記Z軸腕部28のZ軸方向に対する変位の幅で対応できるものとして、上記Z軸方向についての位置センサーによる制御は行わない。上述の通り、設計時のデータにより、探傷走査中各軸方向への最大変位幅は、予め分かっているので、必要に応じて、上記Y軸移動部23及びZ軸移動部24の制御を行えばよい。
また、この実施の形態において、被検材を旅客機の主翼に用いられるスパーとしたので、上記のカーブに対する対応手段を必要としたが、上記のカーブがない或いはカーブがあっても変位の幅が大きくない、他の被検材のコーナーの探傷においては、上記Y軸移動部23及びZ軸移動部24の作動は不要である(この場合、上記のY軸移動部23及びZ軸移動部24を設けずに、主走査移動部21に直接、ホルダ保持腕25を設けるものとしても実施可能である)。
次に、前述のホルダ1の構成及びその動作について、説明する。
先ず、ホルダ1の構成について、詳しく説明すると、ホルダ1は、図9〜図11へ示す通り、ホルダ本体10と、探触子4と、取付部11と、ボール5,5と、ボール保持部材12,12と、付勢手段3と、右ローラ13...13と、左ローラ14...14とを備える。
図9へ示すように、ホルダ本体10が、上述のホルダ保持手29に軸止されている。探触子4は、上記の取付部11に取り付けられている。当該取付部11は、ホルダ本体10の下部(先端部)からスパーmに対して出没自在に、ホルダ本体10に収容されている。具体的には、取付部11は、図10へ示す通り、バネといった弾性部材或いは空気などの流体圧によるアクチュエータによる付勢機構11aにて、ホルダ本体10より突出する方向に常時付勢されている。但し、この実施の形態のように、取付部11をホルダ本体10から下方に向けて突出させる場合、上記の付勢機構によらずに、取付部11の自重によって、突出するものとしても実施可能である。
この実施の形態において、取付部11の下面に探触子4が取り付けられており、図9に示す状態において、下方Sに向けて超音波を発することができる。
図9〜図11へ示す通り、取付部11には、探触子4の前後に、補助ローラ15,15が軸止されている。
ホルダ本体10には、上記取付部11の前後2箇所において、ホルダ本体10より、出没自在に、ボール保持部材12,12が収容されている。図11において、斑点で示す部分が、当該出没部分を示している。
各ボール保持部材12,12には、軸50,50にて、上記のボール5,5が軸止されている。この軸50,50の軸方向は、上記第2の軸29aの軸方向と一致する。
図10へ示す通り、ボール保持部材12と、ホルダ本体10との間に、上記の付勢手段3が設けられている。付勢手段3は、バネといった弾性部材或いは空気などの流体圧を利用したアクチュエータである。
この実施の形態において、ホルダ本体10には、シリンダ10aが設けられ、当該シリンダ10aに受容されるピトスンロッド10bの先端に、上記ボール保持部材12が設けられている。また、この実施の形態において、上記付勢手段3は、コイルスプリングであり、上記ピストロッド10bの周囲に設けられている。このピストンロッド10bは、シリンダ10aをガイドとして、ボール取付部材12の出没を案内する。
この実施の形態では、上記の左右の両ローラ13...13,14...14が、特許請求の範囲の請求項1、2,7でいう、第1及び第2固定当接部であり、上記ボール5の被検材mとの当接部位51,52が、請求項1、2,7でいう、第1及び第2可動当接部を構成する。
具体的には、図6へ示すように、探傷走査に際して、上記ホルダ保持腕25の各部の調整により、スパーmの縦面f1に、左右の両ローラ13...13,14...14の何れか一方が、第1固定当接部として当接し、また、スパーmの横面f2に、左右の両ローラ13...13,14...14の何れか他方が、第2固定当接部として当接する。この図6において、右ローラ13...13が、スパーmの縦面f1と当接し、左ローラ14...14が、スパーmの横面f2と当接する状態を示している。
ボール5,5は、上記の左右のローラ13...13,14...14の列の間に位置するものであって、ボール5,5の中心は、左右のローラ13...13,14...14の列と等距離に位置する。詳しくは、ホルダ1を正面視(図6)した状態において、ボール5は、左右のローラ13,14間を結ぶ線分(仮想線)の二等分線上にあり、且つ、左右のローラ13,14と共に三角形の頂点となる(ボール5は、左右のローラ13,14を結ぶ線分上にはない)。
図12(B)へ示す通り、スパーmは、そのコーナーを形成する上記縦面f1と横面f2とが、弧状を呈する凹状の湾曲面cによって繋がっている。
この実施の形態において、探触子4は、当該湾曲部cを探傷するものとして、説明する。
上記ボール5の半径は、上記の湾曲面cの曲率半径よりも大きい。このように、ボール5の半径を設定することにより、図7へ示す通り、ボール5は、湾曲面cを跨いで、確実に縦面f1及び横面f2の2点で、スパーmと当接する。この実施の形態において、ボール5におけるスパーmとの当該当接部位51,52が、上記第1可動当接部と、第2可動当接部である。
例えば、図7に二点鎖線で示すように、ボール5の半径が、湾曲部cの曲率半径と同じか小さいと、縦面f1と横面f2の2点におけるボール5の当接が確保できない。従って、上記の通り、ボール5の半径を湾曲部cの曲率半径よりも大きなものとしておくのである。
また、ホルダ1を正面視(図6)した状態において、上記の第2の軸29bは、右ローラ13と、左ローラ14とから等距離にある。詳しくは、上記の第2の軸29bは、右ローラ13と左ローラ14とを結ぶ線分k1(仮想線)上にあって、右ローラ13と左ローラ14との間の二等分点に位置するか、若しくは、当該右ローラ13と左ローラ14とを結ぶ線分と直交する線分k2(仮想線)上において、当該右ローラ13と左ローラ14とを結ぶ線分k1とローラ15の中心との間に位置する。
ボール5は、上記の付勢手段3により付勢を受けたボール保持部材12が突出することにより、上記湾曲部cに向けて押圧されており、その結果、上記縦面f1及び横面f2に対するボール5の当接状態が維持される。
図8(A)へ示す通り、前述のY軸腕部27をY軸方向について(縦面f1に対して)付勢するバネ27b及び、Z軸腕部28をZ軸方向について(横面f2に対して)付勢するバネ28bは、夫々、均等な大きさの力F1,F2で、ホルダ1をスパーmのコーナーに向けて付勢する。このとき、前述の両コンストンバネにて、ホルダ1自身の荷重は、相殺されており、上記の縦面f1及び横面f2に対する力F1,F2の大きさの均等が保たれている。その結果、上記X軸方向とY軸方向の付勢力を合成した、コーナーの湾曲部cの中心(湾曲部cが呈する弧の二等分点)に向かう合力F3が発生する。この合力F3の大きさは、上記の付勢手段3の押圧力F4の大きさよりも大きく設定されている。
このため、コーナーの開き角度が大きくなると、合力F3に抗して、図8(B)へ示す通り、ボール5が没する方向(上方)へ押し戻れる。尚、コーナーの開き角度が小さくなる場合は、上記と逆に、ボール5は突出する。
以下、上記の通り構成されたホルダ1の走査中の、動作について説明する。
前述の通り、主移動走査部21のX軸方向についての移動によって、ホルダ1の探傷走査が行われる。この探傷走査の間に、主として、前述のホルダ1のロールの自由度により、コーナーの開き角度(縦面と横面とがホルダ1を挟む角度)が変化しても(例えば、図6にて実線で示す位置から一点鎖線で示す位置に縦面f1の向きが変化しても)、ホルダ1は、その姿勢を変えて角度の変化に対応することができ、当該姿勢の変更によっても、ボール5がスパーmのコーナーをガイドとして、当該コーナーの伸びる方向(図4)へ、ホルダ1を案内し、上記ボール5における2点及び両固定当接部による2点の合計4点の接触を維持することができる。但し、この実施の形態において、ボール5は、前後に2個、また、ローラは、左右あわせて8個設けられているので、合計12点でのスパーmに対する当接が維持されることになる。
探傷走査中、コーナーの開き角度が変化しても、ボール5は、その出没により、確実にコーナーをトレースする。
具体的には、上記の力F1,F2の合力F3の向きは、右ローラ13の被検材(図7へ示す状態においてスパーmの横面f2)との接点と、ボール5の被検材(図7へ示す状態においてスパーmの横面f2)との接点(第2可動当接部と被検材との接点)とを結ぶ線分と、左ローラ14の被検材(図7へ示す状態においてスパーmの縦面f1)との接点と、ボール5の被検材(図7へ示す状態においてスパーmの縦面f1)との接点とを結ぶ線分(第1可動当接部と被検材との接点)とがなす角を二等分する線分と一致する。
従って、縦面f1と横面f2とが、直角をなすとき、この合力F3は、縦面f1と横面f2の双方に対して45度の角度をなす。また、例えば縦面f1と横面f2とのなす角度が100度のとき、合力F3は、縦面f1と横面f2の双方に対して50度の角度をなす。横面f2を固定して考えた場合の、このような合力F3の向きの変動は、合力F3の大きさが付勢手段3の押圧力F4の大きさよりも大きく設定されているため、(Y軸腕部27とZ軸腕部28の変位を無視すると)主に、コーナーの開き角度が大きくなればボール5が押し戻されて没し逆にコーナーの開き角度が小さくなればボール5が突出するという上記ボール5の出没と、第2の軸29bを中心とするホルダ1の軸周方向R3に対する回動(揺動)によって実現され、このような合力F3の向きの変動により、縦面f1と横面f2に対して、均等な押圧力を維持することができ、ホルダ1のコーナーのトレースが正確に行えるのである(常時、湾曲面c上に探触子4を配位することができる)。また、その結果として、走査中、探触子4と湾曲部cとの間のギャップを、一定とすることができるのである。
次に上記探触子4について詳しく説明する。
この実施の形態において、探触子4に、このフェーズドアレープローブを採用する。図12(B)へ示す通り、フェーズドアレープローブは、走査方向(F−B)と交差する面(仮想面)上において、湾曲面cに向けて凹となるように、複数の振動子1a...1aが円弧状に配列されている。そして、図12(B)へ示すように、弧状に配列された振動子1a...1aの夫々から発された超音波ビームa...aが交差する交差点bを、湾曲面cと探触子4との間に位置するように調整しておく。
スパーmのコーナーの湾曲面cの探傷において、湾曲面cが呈する弧の二等分点を、フェーズドアレープローブの呈する弧の二等分線(仮想線)が通り、且つ、当該に二等分線が、湾曲面cが呈する弧の二等分点における接線と垂直に交差するように、フェーズドアレープローブの位置(取付部11の位置)を設定しておく。
湾曲部cを的確に探傷するために、フェーズドアレープローブの上記の配置及びその振動子1a...1aの上記の配列が最も好ましい。
前述の通りX軸方向についてスパーmのコーナーの開き角は変化する。しかし、上記の通り、ホルダ1の第2の軸29bを中心とする揺動及び上記ボール5の出没によって、ボール5及びローラ13...13,14...14による当接を維持するものであるため、上記の湾曲面cに対するフェーズドアレープローブの位置や、当該フェーズドアレープローブの超音波ビームa...aの交差点bの位置を、維持することができる。
前述の通り、最近のスパーmは、炭素繊維で形成されており、炭素繊維でできた複数のフィルムを積層して形成されており、製造過程において、フィルム間に生じた皺を取るために、皺を手繰り寄せる処理を行っている。このため、最終的に形成された製品には、皺取りによって生じた隆起部nがコーナーの湾曲部cに生じている。
この隆起部nの存在によって、探触子4と湾曲面cとの間のギャップが変化する。このギャップを一定とするために、上記の通り、補助ローラ15,15を備えた出没自在の取付部11に探触子4を設けておくことによって、図13(A)及び(B)へ示す通り、補助ローラ15,15が隆起部nに乗り上げて、取付部11を上方(没する方向)へ後退させ、探触子4と隆起部n(湾曲部c)との間のギャップを一定に保つことができる。
第1固定当接部及び第2固定当接部については、夫々ホルダ1に直接軸止されたローラ13,14としたが、その形状については、円柱状であっても、球状であっても、即ち、タイヤ型であっても、ボール型であっても何れでも実施可能である。
一方、上記の第1可動当接部と第2可動当接部とが、中心を同一とする球面を呈するのものであれば、上記のボール以外の構成を採るものであっても実施可能である。
また、第1及び第2の可動当接部を構成する上記のボール5は、被検材(スパー)の縦横夫々の面に対して、夫々1点で確実に当接し、その結果、2点での被検材との接触を確実に行えるものであればよく、球体であってもよいが、この他楕円球面であっても実施可能である。また、全体が完全な球面でなくとも、当接する範囲において、球面或いは上記の楕円球面となっておれば、採用可能である。例えば、軸止されている両端部分については、平らであってもよい。
ボール5及びローラ13,14の個数は、図示したものに限定するものではなく、変更可能である。但し、ホルダ1を正面視した際、1つのボール5に対して、2つローラ13,14が上述の通り、配置されるように実施する。
上記の実施の形態おいて、水浸式の探傷方法を採用したが、水浸式のものに限定するものではなく、ギャップ(探触子と被検材表面との間に)に探傷水を逐次放水しながら、探傷走査を行うものとしても実施可能である。また、上記の探傷走査において、被検材であるスパーを固定し、スパーに対して探触子(ホルダ)を移動させるものとしたが、探触子(ホルダ)は向きを変えるのみで、被検材が探触子(ホルダ)に対して移動するものとしても実施可能である。
更に、本願発明は、探触子4にフェーズドアレープローブを用いる場合に最適であるが、上記の通り、コーナーの湾曲面以外の部分の探傷を行う場合など、フェーズドアレープローブに限らず、探触子4にシングルアレープローブを採用して実施することも可能である。
上記の通り、本願発明は、被検材のコーナーを倣う超音波探傷において、特に、コーナーの開き角度の変化に影響を受けずに探傷走査を行えるものとしたものである。
本願発明は、上記のスパーといった航空機の部材に限らず、開き角度が変化するコーナーを備えた部材の探傷に広く利用することができる。また、探傷部位も、湾曲部に限らず、コーナーの他の部位の探傷に利用することができる。
次に、本願発明に係る探傷装置の、ホルダ1のより好ましい実施の形態について説明する(この実施の形態は、請求項1,7及び8に対応する)。
上述の実施の形態では、ローラ13,14の間に位置するボール5が、ホルダ1に対して出没する、第1及び第2の可動当接部を提供するものであり、ローラ13,14が第1及び第2の固定当接部を提供するものであったが、被検材mのコーナーを更に正確にトレースするためには、ローラ13,14の間に位置するボール5が、第1及び第2の固定当接部を提供し、ローラ13,14が第1及び第2の可動当接部を提供するのが、より好ましい。
図14を用いて、このような実施の形態について具体的に説明する。図14(A)(B)は、夫々、ホルダ1の使用状態を示す略正面図である。図14(A)へ示す通り、このホルダ1は、ホルダ本体10と、探触子4と、取付部11と、ボール5,5と、ボール保持部材12,12と、付勢手段3と、右ローラ13...13と、左ローラ14...14と、ローラ支持体17とを備える。
この実施の形態においても、ホルダ1以外の構成は、図1〜図13へ示す実施の形態と同様である。従って、ホルダ本体10が、ホルダ保持手29へ、第2の軸29bにて軸止されている点も、図1〜13へ示す実施の形態と同様である。
また、ホルダ1についても、特に言及しない事項については、図1〜図13へ示す実施の形態と同様である。
上記のボール保持部材12には、ボール5が軸止されている。図14(A)(B)において、k5が、ボール5の中心軸(回転軸)を示しており、この位置に前述の軸50が設けられている。この実施の形態において、ボール5は、ホルダ本体10に対して、上記中心軸k5を中心として回転することはできるが、ホルダ本体10に対して、それ以外の自由は与えられておらず、前述のホルダ本体10に対する出没はできない。即ち、この実施の形態において、ボール保持部材12は、図6〜図11に示すものと異なりホルダ本体10に対して出没せず、ホルダ本体10とボール保持部材12とは一体である(ボール保持部材12が、ホルダ保持手29へ軸止されていると考えてよい)。
この実施の形態においても、ボール5の半径が、コーナーの曲率半径より大きい。ボール5における、被検材mの縦面f1と横面f2との当接部位51,52を結ぶ線分k3(仮想線)と、上記中心軸k5とが、平行となるように、ホルダ本体10にボール5は軸止されている。k4は、線分k3と直交する線分を示しており、図6に示す線分k2に相当する。
上記のローラ支持体17は、このホルダ本体10に対して、被検材mに対して出没自在に取り付けられている。詳しくは、ローラ支持体17は、図14(A)(B)へ示す通り、先端に上記の右ローラ13が軸止された第1支持部17aと、先端に上記の左ローラ14が軸止された第2支持部17bと、両支持部17a,17bの後端を結合する結合部17cとを備えた、正面視略コ字状の部材である。ボール支持部材12は、ローラ支持体17の両支持部17a,17bの間に位置する。また、ボール支持部材12には、ボール5を軸止する部位(先端部)と反対側の部位(後端部)に、ローラ支持体17の結合部17cを貫く突起部18が設けられている。
ローラ支持体17は、上記突起部18及びボール支持部材12に案内され、両支持部17a,17bをボール支持部材12の表面に沿って摺動させることができ、これにて、左右のローラ13,14を被検材mに対して出没させることができる。
突起部18の先端側は、結合部17cより外部へ露出する。突起部18の当該露出する部分に、付勢手段3が設けられている。付勢手段3は、ローラ支持体17を付勢して、両ローラ13,14を被検材m側に向けて突出させる。この実施の形態において、付勢手段3は、コイルスプリングであり、突起部18の上記露出部分に装着されている。突起部18の先端には、付勢手段3である当該コイルスプリングの抜け止め部18aが受けられている。
上述の通り、ローラ支持体17は、付勢手段3の付勢を受けて、被検材m側へ左右のローラ13,14を突出させ、左ローラ14を縦面f1へ、右ローラ13を横面f2へ当接させる。
コーナーの伸びる方向にホルダ1を走査している際に、縦面f1と横面f2のなす角度(コーナーの開き角度)が狭まれば、縦面f1と横面f2に押し返され、両ローラ13,14は、付勢手段3の押圧に抗して、没する方向に後退する(突起部18の抜け止め部18aに近接する方向へ移動する)。
また、例えば、走査中、図14(A)に示す状態から、上記の縦面f1と横面f2のなす角度が大きくなれば、図14(B)へ示すように、付勢手段3の付勢を常時受けているローラ支持体17が、被検材m側に移動すると共に、ボール保持部材12が第2の軸29bを中心に回動して、ローラ支持体17の向きを変え、ボール5(両固定当接部)及び左右ローラ13,14(両可動当接部)の被検材mの縦面f1及び横面f2に対する当接を(4点での当接を)維持する。
走査中、図14(B)に示す状態から図14(A)へ示す状態に縦面f1と横面f2のなす角度が大きくなれば、ホルダ1各部の上記と逆の動作により、ボール5(両固定当接部)及び左右ローラ13,14(両可動当接部)の被検材mの縦面f1及び横面f2に対する当接を維持する。
図14に示す実施の形態のように、図6〜図11へ示すホルダ1と逆に、左右ローラ13,14を、第1及び第2の可動当接部とし、左右ローラ13,14間に位置するボール5にて第1及び第2の固定当接部を提供することにより、コーナーを、更に確実にトレースすることができる。
次に、図15及び図16を用いて、積層体である被検材の、皺取りによって生じた隆起部nに対し、探触子4と湾曲面cとの間のギャップを一定とする、より好ましい実施の形態について説明する。
前述の図13に示す実施の形態では、補助ローラ15,15を備えた出没自在の取付部11に探触子4を設けておくことによって、補助ローラ15,15が隆起部nに乗り上げて、探触子4と隆起部n(湾曲部c)との間のギャップを一定に保つものとした。そして、取付部11に補助ローラ15,15と探触子4とが一体に設けられたものであった。この図15及び図16へ示すものでは、探触子4は、取付部11に取り付けられるが、補助ローラ15,15は、取付部11に直接取り付けられるものではない。
即ち、このホルダ1は、図14を用いて説明した構成以外に、図15及び図図16へ示す通り、探触子4の取付部11と、補助ローラ15,15と、補助ローラ15,15の支持杆18,18と、両支持杆18,18の連結部18aと、押圧杆19と、押圧杆19の支持部19aと、第1付勢部材19bと、第2付勢部材11aと、第3付勢部材18b,18bと、取付部11の収容部(図示せず。)と、支持杆18,18の収容部(図示せず。)とを備える。
図16(A)へ示す通り、ホルダ本体10(ボール保持部材12)のボール5が露出する部位(下方S側を臨む部位)と反対側の部位(上方U側を臨む部位)に、上記の支持部19aが設けられている。押圧杆19は、その基端側がこの支持部19aに軸止されている。押圧杆19の先端側に、上記の第1付勢部材19bが設けられ、押圧杆19の先端側をボール5側へ付勢する。この実施の形態において、第1付勢部材19bは、押圧杆19の先端側とホルダ本体10との間に介された引きバネである。押圧杆19は、前後F,B方向に沿って配置され、第1付勢手段19bの付勢を受けて、支持部19aに軸止された基端側先を中心として回動し、先端側を下方に傾ける。
上記の取付部11と支持杆18,18とは、夫々の上記収容部に別々に収容されており、夫々の収容部をガイドとして、ホルダ本体10に対し、上下に摺動することができる。支持杆18,18の収容部は、図16(A)に示す通り、取付部11を挟んで、取付部11の収容部の前後(F,B)に配置されている。
取付部11と支持杆18,18の夫々の収容部は、上下に(左右ローラ13,14の出没方向と平行に)伸びる。このように配置された収容部の夫々に、取付部11と支持杆18,18とが収容されることにより、支持杆18,18は取付部11を挟んで、取付部11の前後(F,B)に配置される。取付部11と支持杆18,18の夫々の収容部は、上下端部が開口している。
上記の収容部へ収容されている取付部11の先端側(下端側)には、探触子4が設けられており、上記上下の摺動により、ホルダ本体10より下方S側にて探触子4を出没させることができる。取付部11の後端側(上端側)には、 杆当接部(第1杆当接部)11dと、当該杆当接部11dの支持体11cとが設けられている。
また、取付部11には、第2付勢部材11aと当接する当り部(第1当り部)11bが設けられており、当該当り部11bにて、第2付勢部材11aの付勢を受ける。第2付勢部材11aは、取付部11をホルダ本体10の上方S側(押圧杆19側)へ向けて付勢する。
上記の支持杆18,18の夫々の先端と後端とは、収容部(の上下の開口部)より外部へ露出する。即ち、両支持杆18,18の先端側は、ホルダ本体10の下方S側へ露出し、一方の支持杆18の後端側(上端側)は、ホルダ本体10の上方U側へ露出する。支持杆18の上記ホルダ本体10より上方に露出する部位に、押圧杆19と当接する杆当接部(第2杆当接部)18dが設けられている。図16へ示す通り、この例では、両支持杆18,18より前方Fに上記の支持部19aが位置しており、支持杆18,18のうち支持部19aに近い前方F側の支持杆18が、後端部を外部へ露出させ且つ当該後端部に上記杆当接部(第2杆当接部)18dを備える。
両支持杆18,18の先端側(下端側)には、夫々補助ローラ15,15が軸止されている。
両支持杆18,18には、上記第3付勢部材18b,18bと当接する当り部(第2当り部)18c,18cが設けられており、当り部18c,18cにて、第3付勢部材18b,18bの付勢を受ける。第3付勢部材18b,18bは、支持杆18,18をホルダ本体10の上方S側(押圧杆19側)へ付勢する。
取付部11の第1杆当接部11dと、支持杆18の第2杆当接部18dとは、何れも、上方に向けて先細りとなっている。取付部11が第2付勢部材11aの付勢を受けて上方に付勢されることにより、第1杆当接部11dは、先細りとなっているその先端部にて、押圧杆19と当接する。また、支持杆18が第3付勢部材18bの付勢を受けて上方に付勢されることにより、第2杆当接部18dも、先細りとなっているその先端部にて、押圧杆19と当接する。
何れの杆当接部11d,18bも、押圧杆19の先端と基端との間の部位と当接する。
図16(A)へ示す通り、第2付勢部材11aの付勢及び第3付勢部材18bの付勢により、両杆当接部11d,18bは、押圧杆19に対して当接した状態を維持する。その一方で、前述の第1付勢部材19bの付勢により、両杆当接部11d,18bは、上記の通り押圧杆19から下方に押し返され、取付部11と支持杆18とは、下方に押下げられる。この場合、両支持杆18,18は、連結部18aにて一体となっているので、杆当接部18bが設けられていない支持杆18も、下方に押し下げられる。このように押圧杆19から、取付部11及び両支持杆18,18が、押下げられることにより、図16(A)へ示す通り、探触子4はコーナーに対して適切な位置に配置され、前後の両補助ローラ15,15は、被検材mのコーナーの湾曲部cと当接する。
一方、前述の隆起部nがあると、図16(B)へ示す通り、前方F側の補助ローラ15が、当該隆起部nを乗り上げる。その結果、当該補助ローラ15が設けられた支持杆18は、(第1付勢部材19bの付勢よる)上記押圧杆19の押圧に抗して、押圧杆19を押し返し、押圧杆19の先端側を持ち上げる(基端を中心に先端側を逆転させる)。第2付勢部材11aにて付勢されている取付部11は、押圧杆19との当接を維持すべく、上方に移動し、探触子4を、没する方向に変位させる。このようにして、隆起部nがあっても、探触子4とコーナーの湾曲部cとの杆の間隔を適切に保つことができる。また、このとき、図16(B)へ示す通り、杆当接部18dが設けられていない支持杆18も、連結部18aにて、杆当接部18dが設けられている支持杆18と一体となっているので、上方へ移動する。
一方、ボール5の半径は、コーナーの曲率半径より大きいので、ボール5は、隆起部nを乗り上げない(図16(B))。
コーナーの伸びる方向への走査が進行して、両補助ローラ15,15が、上記隆起部nを乗り越えれば、再び、両補助ローラ15,15は、図16(A)に示す状態に復帰する。
上記の通り、押圧杆19は、その後端を支点として、第1付勢部材19bと、第1及び第2の杆当接部11d,18dから受ける力の均衡により、先端側の向きが決まる。従って、隆起部nにより、支持杆18が上方に摺動して、押圧杆19の先端側を持ち上げれば、押圧杆19に追従して、取付部11も上方に移動し、探触子4と隆起部nとの距離を保つ。上記の力の均衡は、両杆当接部11d,18dの位置の当接位置の選択や、各付勢部材の選択)により、調整することができる。特に、第1杆当接部11dの当接位置は、その支持体11c長さや向きの選択により、行うことができる。この実施の形態では、第1杆当接部11dの支持体11cは、前後F,B方向に伸びるものであり、その長さを選ぶことにより、第1杆当接部11dの押圧杆19との当接位置を調節することができる。
本願発明の一実施の形態を示す超音波探傷装置全体の略平面図である。 図1のA−A略断面図である。 図1及び図2に示す装置の略要部正面図である。 探傷中のスパーの略平面図である。 図3に示す探傷装置の要部拡大正面図である。 図5に示す装置の略要部拡大正面図である。 図6に示すホルダの動作説明図である。 (A)及び(B)は、図6に示すホルダの動作説明図である。 上記ホルダの側面図である。 図9に示すホルダの略縦断面図である。 図10に示すホルダの底面図である。 (A)は被検材であるスパーの探傷部位に対し従来のシングルプローブを用いて探傷を行う状態を示す説明図であり、(B)当該スパーの探傷部位に対し本願発明に係るフェーズドアレープローブを用いて探傷を行う方法を示す説明図である。 (A)は本願発明に係る探触子の取付部の動作状態を示す略側面図であり、(B)はその略正面図である。 (A)及び(B)は、夫々、ホルダ1について、他の実施の形態の使用状態を示す略正面図である。 (A)は、ホルダ1の補助ローラ15,15周辺の構成について、他の実施の形態の略側面図であり、(B)は(A)のA−A線における要部略断面図である。 (A)及び(B)は、図15に示すホルダ1の動作状態を示す、略側面図である。
符号の説明
1 ホルダ
2 走査手段
3 付勢手段
4 探触子
5 ボール
6 水槽
10 ホルダ本体
11 取付部
12 ボール保持部材
13 右ローラ
14 左ローラ
c 湾曲部
f1 縦面
f2 横面
m スパー

Claims (8)

  1. 縦と横の少なくとも2つの面が複合してコーナーを形成し、且つ、当該コーナーの伸びる方向についてコーナーの開き角度が変化する被検材に対して、当該コーナーの伸びる方向に沿って探傷を行うものであり、
    超音波を発する探触子と、探触子を保持するホルダと、当該ホルダが少なくとも上記被検材の縦面と横面の何れかに近接離反できる自由度を以って固定され且つ当該ホルダを当該コーナーの伸びる方向に沿って走査する走査手段と、ホルダに固定され上記被検材の縦面と当接する第1固定当接部と、ホルダに固定され上記被検材の横面と当接する第2固定当接部と、ホルダへ出没自在に取り付けられた第1及び第2の可動当接部と、第1及び第2可動当接部をホルダより突出する方向へ付勢する付勢手段とを備え、
    第1固定当接部と第2固定当接部は、第1可動当接部と第2可動当接部の間に位置し、
    第1可動当接部と第2可動当接部とは、一体となってホルダより出没するものであり、
    走査時、両固定当接部と両可動当接部とが、上記の縦横双方の面との当接状態を維持するものである超音波探傷装置。
  2. 被検材の上記縦面と横面とは湾曲面によって繋がっており、
    上記のホルダには、ボールが軸止され、
    上記のボールの半径は、被検材の上記湾曲面の曲率半径よりも大きなものであり、
    当該ボールが、上記第1及び第2固定当接部の双方を構成するものであることを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。
  3. 縦と横の少なくとも2つの面が複合してコーナーを形成し、且つ、当該コーナーの伸びる方向についてコーナーの開き角度が変化する被検材に対して、当該コーナーの伸びる方向に沿って探傷を行うものであり、
    超音波を発する探触子と、探触子を保持するホルダと、当該ホルダが少なくとも上記被検材の縦面と横面の何れかに近接離反できる自由度を以って固定され且つ当該ホルダを当該コーナーの伸びる方向に沿って走査する走査手段と、ホルダに固定され上記被検材の縦面と当接する第1固定当接部と、ホルダに固定され上記被検材の横面と当接する第2固定当接部と、第1及び第2固定当接部の間に位置し且つホルダへ出没自在に取り付けられた第1及び第2の可動当接部と、第1及び第2可動当接部をホルダより突出する方向へ付勢する付勢手段とを備え、
    第1可動当接部と第2可動当接部とは、一体となってホルダより出没するものであり、
    走査時、両固定当接部と両可動当接部とが、上記の縦横双方の面との当接状態を維持するものである超音波探傷装置。
  4. 被検材の上記縦面と横面とは湾曲面によって繋がっており、
    上記のホルダには、出没自在にボールが設けられ、上記付勢手段は、当該ボールをホルダより突出する方向へ付勢するものであり、
    上記のボールの半径は、被検材の上記湾曲面の曲率半径よりも大きなものであり、
    当該ボールが、上記第1及び第2可動当接部の双方を構成するものであることを特徴とする請求項3記載の超音波探傷装置。
  5. 探触子は、被検材の上記湾曲面を探傷するものであり、
    探触子は、走査方向と交差する方向について複数の振動子が円弧状に配列された、フェーズドアレープローブであり、各振動子のビームが交差する点が、探触子と上記湾曲面との間に位置するように調整されたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の超音波探傷装置。
  6. ホルダは、探触子の取付部と、探触子の前後に配置された補助ローラとを備え、探触子の上記取付部は、被検材に向けて出没自在にホルダへ設けられ、 補助ローラの夫々も、被検材に向けて出没自在にホルダへ設けられ、探触子の取付部は、補助ローラの出没に連動して、出没するものであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の超音波探傷装置。
  7. 縦と横の少なくとも2つの面が複合してコーナーを形成し、且つ、当該コーナーの伸びる方向についてコーナーの開き角度が変化する被検材に対して、超音波を発する探触子を当該コーナーの伸びる方向に沿って走査することにより被検材を超音波探傷する超音波探傷装置に、用いられる探触子ホルダであって、
    超音波探傷装置の走査手段に軸止して使用されるものであり、
    超音波を発する探触子と、ホルダに固定され上記被検材の縦面と当接する第1固定当接部と、ホルダに固定され上記被検材の横面と当接する第2固定当接部と、ホルダへ出没自在に取り付けられた第1及び第2の可動当接部と、第1及び第2可動当接部とをホルダより突出する方向へ付勢する付勢手段とを備え、
    第1固定当接部と第2固定当接部は、第1可動当接部と第2可動当接部の間に位置し、第1及び第2可動当接部は、一体となってホルダより出没するものであることを特徴とする探触子ホルダ。
  8. 縦と横の少なくとも2つの面が複合してコーナーを形成し、当該縦横の両面は湾曲面を介して繋がっており、且つ、当該コーナーの伸びる方向についてコーナーの開き角度が変化する被検材に対して、当該コーナーの伸びる方向に沿って探傷を行うものであり、
    超音波を発する探触子と、探触子を保持するホルダと、当該ホルダが少なくとも上記被検材の縦面と横面の何れかに近接離反できる自由度を以って固定され且つ当該ホルダを当該コーナーの伸びる方向に沿って走査する走査手段と、ホルダに対して出没自在に取り付けられ且つ上記縦面と横面の夫々と当接する第1及び第2の可動当接部と、第1及び第2の当接部の間にてホルダに軸止されたボールと、第1及び第2の可動当接部をホルダより突出する方向へ付勢する付勢手段とを用い、
    ボールの半径を、被検材の湾曲面の曲率半径よりも大きいものとすることにより、ボールを、被検材の縦面と横面の、2点で当接させるものであることを特徴とする超音波探傷方法。
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