JP4866694B2 - 磁場及び/または電場を用いた配向方法、並びにこの配向方法を用いた配向材料の製造方法 - Google Patents

磁場及び/または電場を用いた配向方法、並びにこの配向方法を用いた配向材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、サイズと磁化率の異方性との関連において磁気的相互作用が実質的に生じる範囲にない部材、及び/またはサイズと誘電率の異方性との関連において電気的相互作用が実質的に生じる範囲にない部材(以下、「異方性の無い部材」という)を、磁場及び電場の少なくとも一方を用いて配向させる方法、及びこの配向方法を用いて異方性の無い部材が配向した材料を製造する方法に関する。
従来の磁場や電場を用いた部材の配向方法は、磁場を用いた配向に必要なサイズや磁化率の異方性、または電場を用いた配向に必要なサイズや誘電率の異方性を有する部材を用いる方法が主である。この場合、サイズと磁化率の異方性との関連において、磁場配向に必要なエネルギーを得ることができる範囲にある部材、及び/またはサイズと誘電率の異方性との関連において、電場配向に必要なエネルギーを得ることができる範囲にある部材(以下、「異方性を有する部材」という)への応用に限られており、部材が極めて小さくて、熱的な外乱に打ち勝って配向するのに必要なエネルギーが得られない場合や、部材の磁化率の異方性や誘電率の異方性が小さい場合には、これらの部材を配向させることが困難なことが知られている(非特許文献1参照)。
このような異方性の無い部材を配向させる方法としては、サイズが極めて小さいために、熱的な外乱に打ち勝って配向するのに必要な磁気エネルギーが得られない分子や高分子が結晶化する過程で、磁場を印加することにより配向させる方法(特許文献1参照)、結晶造核剤と高分子とを混練した配合物の結晶造核剤を磁場配向させることにより、結晶造核剤を中心に結晶化する高分子を間接的に磁場配向させる方法(特許文献2参照)等が提案されている。
Tsunehisa Kimura, Polymer Journal, Vol.35, No. 11,p823-843, 2003 特願平11−225161 特願2000−66747
しかし、特許文献1の記載のように、溶融した高分子を冷却し結晶化する過程で、磁場及び電場の少なくとも一方を用いて配向させるためには、溶融または固化段階で発生した配向に必要なサイズを有する微結晶を、高分子の流動性があるうちに配向させる必要があるため、比較的結晶化し易く結晶の大きさをコントロールしやすい分子に対してしか適用できない。また、結晶の大きさをコントロールするための温度のコントロールが難しく、更に粘性抵抗が大きい溶融高分子中で配向させるため、磁場配向に時間がかかるという問題も生じる。
また、特許文献2の記載のような、結晶造核剤を磁場配向させ、それを中心に結晶化する高分子を間接的に磁場配向させる方法では、適切な結晶造核剤と高分子との組み合わせのみに使用が限定されるため、使える材料がかなり制限され、更に粘性抵抗が大きい高分子中で配向させるため、磁場配向に時間がかかるという問題が生じる。
従って、本発明の目的は、上述の課題を解決して、簡便で広範な組み合わせに適用可能な手法を用いて、異方性の無い部材を所望の方向に配向させる方法を提供し、また、この技術を用いて所望の機能を有する配向材料を製造することにある。
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、異方性の無い部材、つまり、サイズと磁化率の異方性との関連において、磁気的相互作用が実質的に生じる範囲にない部材、及び/またはサイズと誘電率の異方性との関連において、電気的相互作用が実質的に生じる範囲にない部材を、異方性を有する部材、つまり、サイズと磁化率の異方性との関連において磁場配向に必要なエネルギーを得ることができる範囲にある部材、及び/またはサイズと誘電率の異方性との関連において電場配向に必要なエネルギーを得ることができる範囲にある部材に付着配向させて形成した複合部材を、磁場及び電場の少なくとも一方を用いて配向させることにより、異方性の無い部材を間接的に磁場及び/または電場を用いて配向させる方法を知見し、本発明を完成させるに至った。更に、2以上の異方性を有する複合部材を、磁場及び電場の少なくとも一方を用いて任意の方向に向けることにより、異方性の無い部材が配向した材料を製造する方法も知見し、本発明を完成させるに至った。これらは、固化可能な流動体中に異方性を有する複合部材を浮遊、分散させることにより実施でき、磁場及び電場の少なくとも一方を用いて所望の方向に異方性を有する複合部材を向けた後、流動体を固化させることにより、異方性の無い部材を間接的に配向させた配向材料を製造する方法も知見し、本発明を完成させるに至った。
なお、本明細書において、「A及びBの少なくとも一方」または「A及び/またはB」と記載した場合には、「Aのみの場合」、「Bのみの場合」、及び「AとBとを両方含む場合」の3つの場合が含まれることを意味する。
本発明の異方性の無い部材を配向させる方法の1つの実施態様は、異方性を有する部材に異方性の無い部材を付着配向させることにより異方性を有する複合部材を形成し、この異方性を有する複合部材に、磁場及び電場の少なくとも一方を印加して配向させることにより、異方性の無い部材を間接的に配向させることを特徴とする。またこのように配向させた異方性を有する複合部材を固定することにより、異方性の無い部材が配向した材料を製造することができる。
ここで、磁化率の異方性とは、外部磁場によって励起される磁化に対して物質内で異方性を有することを意味し、磁場内では磁気的相互作用によりトルクを発生し、より安定な方向に回転する。同様に、誘電率の異方性とは、外部電場によって励起される分極に対して物質内で異方性を有することを意味し、電場内では電気的相互作用によりトルクを発生し、より安定な方向に回転する。
この場合、分子構造に異方性を有する物質は、磁気及び電気的にも異方性を有し、例えば、延伸して作った繊維は分子鎖が延伸方向に並んでいるため、繊維方向(//)とそれに垂直な方向(⊥)では磁化率及び誘電率が異なる。つまり、磁気異方性及び誘電率に異方性がある物質は、物質内の電子状態に異方性を有し、上述したような繊維の場合、延伸した方向に分子が並ぶことにより、結合を通じた電子の分布に異方性が生じる。
また、結晶構造に異方性を有する物質も電子状態に異方性を有するため、磁場及び電場内で配向する。更に、磁気及び電気的な異方性が無い場合でも、形状に異方性を有する物質に適切な磁場を印加した場合には配向する。本発明では、このような部材(物質、材料)を磁気及び電気的な異方性を有する部材(物質、材料)と定義する。また、これ以外にも、粘土や、グラファイト等の層状化合物も磁化率の異方性及び誘電率の異方性が大きい物質として例示でき、適切な磁場または電場を印加することにより、任意の方向にこれらの部材を配向させることができる。
上述のような異方性を有する部材に、異方性の無い部材を付着配向させた複合部材を、磁場及び電場の少なくとも一方を用いて配向させることにより、間接的に異方性の無い部材が配向した材料を得ることができる。
ここで、磁場及び電場の少なくとも一方が印加されて配向する個々の磁化率及び/または誘電率の異方性を有する物質を「部材」と称し、所望の方向に配向した部材を含む本発明の製造物を「材料」と称する。
また、本発明における付着配向とは、異方性がある材料に異方性の無い部材が配向した状態で付着している状態を意味する。ここでいう付着とは、異方性を有する部材に物理的、あるいは化学的に異方性の無い部材が結合していることをさすが、結合の形態はこれらに限定されるものではなく、複合部材を磁場及び電場の少なくとも一方により配向させる際に、その結合が外れない程度の強度を有するものであれば、どのようなものであっても用いることができる。また、このような付着が生じる場所としては、異方性を有する部材の表面が挙げられるが、これ以外にも例えば層状化合物等に対しては、その層間への付着も考えられ、異方性を有する複合部材中の異方性の無い材料の含有量を増やす手段として好ましく用いることができる。
以上のような付着が起きる際、異方性を有する部材の表面と異方性の無い部材との間で異方的に相互作用が生じる組み合わせや、付着して異方性の無い部材同士の距離が近づくことによって生じる相互作用で異方的に配向する組み合わせ等を用いることができる。このような組み合わせを用いることにより、異方性の無い部材の吸着と配向とを同時に達成することができる。具体的な例としては、ラビングした表面と液晶との相互作用による付着配向、ガラス表面と長鎖アルキル基を有する界面活性剤との付着配向等が、一般的な例として挙げられる。前者の場合は、ラビングした表面と液晶とが異方的に相互作用することにより配向が起き、後者の場合は、ガラス表面に密に付着した界面活性剤分子の長鎖アルキル基間に働く異方的な分子間相互作用により配向が起きる。
以上例示したように、異方性の無い部材を異方性を有する部材に付着配向して形成した異方性を有する複合部材を、磁場及び電場の少なくとも一方を用いて配向させることにより、異方性の無い部材を間接的に配向させることができる。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、異方性の無い部材が配向に必要なエネルギーを得るのに必要なサイズを有していない部材であることを特徴とする。部材が配向するには、部材が周辺環境から受ける熱的なエネルギーを上回る磁気エネルギー及び電気エネルギーの少なくとも一方を受ける必要があり、これらのエネルギーの大きさは部材のサイズに比例する。つまり、サイズと磁化率の異方性との関連、及び/またはサイズと誘電率の異方性との関連において、磁気的及び/または電気的相互作用が実質的に生じる範囲にない部材は配向しない。すなわち、磁化率や誘電率の異方性が大きい部材であっても、そのサイズが極めて小さい場合には、配向に必要な磁気的及び/または電気的エネルギーが不足することになる。このような配向に必要なサイズを有さない部材を、配向するために必要な異方性を有する部材に付着配向させた複合部材を配向させることにより、間接的に配向させることができる。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、異方性の無い部材が分子であることを特徴とする。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、異方性の無い部材が光学的な異方性を有する分子であることを特徴とする。このような分子は、分子に対する光学的性質が光の入射方向によって変わるため、このような分子が配向した材料は光学的異方性を有する材料になる。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、異方性の無い部材が光学的異方性を有する色素であることを特徴とする。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、異方性の無い部材が光学的異方性を有する近赤外線カット色素であることを特徴とする。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、異方性の無い部材が光学的異方性を有する活性エネルギー線硬化型樹脂の開始剤であることを特徴とする。このような活性エネルギー線硬化型樹脂の開始剤を配向させることにより、重合の方向を配向させることができるため、活性エネルギー線による硬化性に異方性を有する樹脂材料を提供することができる。特に、開始剤がラジカル開始剤である場合には、開始剤由来のラジカルがカップリング反応で消費されるのを防ぐため、開始剤とプレポリマーとの反応効率を向上させることもできる。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、異方性を有する部材が層状化合物であることを特徴とする。この層状化合物は層間に異方性の無い部材を付着させることができるので、異方性を有する部材の表面のみに付着させた場合よりも、より多くの異方性が無い部材を、異方性を有する部材の表面や層間に付着させることができる。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、磁化率及び/または誘電率の異なる2以上の物質を含む基板に磁場及び電場の少なくとも一方を印加することにより、基板中の磁化率の最も高い物質に磁力線を集中させて所望の磁束密度分布を有する磁場を形成して磁場を複合部材に印加して、及び/または、基板中の誘電率の最も高い物質に電気力線を集中させて所望の電束密度分布を有する電場を形成して電場を複合部材に印加して、複合部材を、印加された磁場及び/または電場に応じた所望の方向に配向させることを特徴とする。
本実施態様の磁力線及び/または電気力線を集中させる手法によれば、基板と、磁場及び/または電場とが概略直交する面に複合部材が位置する場合には、磁化率及び/または誘電率が相対的に大きい物質に、磁力線及び/または電気力線が集中し、複合部材は磁気的及び/または電気的に安定な方向、つまり、磁気的に安定な方向、電気的に安定な方向、またはそれらが足し合わされた安定な方向に配向する。従って、基板に形成した磁化率及び/または誘電率が違う材料で形成された磁場及び/または電場のパターン、つまり、磁場によるパターン、電場によるパターン、または磁場及び電場が足し合わされたパターンンに沿って配向する。このように、不均一な磁場及び/または電場を用いることによって、複合部材をパターニングすることができる。
なお、基板と、磁場及び/または電場とが概略平行な面に複合部材が位置する場合は、磁化率及び/、または誘電率が相対的に小さい物質に磁力線/及び/または電気力線が集中し、この磁場及び/または電場のパターンに沿って複合部材を配向させて、異方性の無い部材を間接的に配向させた材料を製造することもできる。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、磁気及び/または電気モジュレーターが発生する磁束密度分布及び/または電束密度分布を有する磁場及び/または電場を用いて、形状に異方性を有するが磁気的には異方性の無い部材を配向させることにより、異方性を有する材料として用いることを特徴とする。磁化率及び/または誘電率に異方性の無い部材でも、形状に異方性があり、配向に必要なサイズを有する部材であるならば、上述のモジュレーターを用いて配向させることができる。例えば、このモジュレーターによって形成された、磁束密度及び/または電束密度に疎密差を有する磁場及び/または電場に、磁化率及び/または誘電率が負である扁平な形状の部材に印加すると、部材の方向による斥力の強さが異なるため、磁束及び/または電束の密度の低い部位に沿って、この扁平な形状の部材は配向する。逆に、磁化率及び/または誘電率が正の場合には逆に引力を受けて、磁束及び/または電束密度の高い部位に沿って、この扁平な形状の部材は配向する。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、回転磁場及び/または回転電場を用いて、異方性を有する部材の磁化困難軸及び/または誘電率が最も小さい軸を配向させる。つまり、複合部材の磁化困難軸、複合部材の誘電率が最も小さい軸、またはその両方が足し合わされた方向に配向させることを特徴とする。上述の扁平な部材とモジュレーターの組み合わせに対しては、平均的な磁束及び/または電束密度分布に沿って配向が起きる。
異方性を有する部材に磁場及び/または電場を印加すると、磁気的に安定な方向、電気的に安定な方向、またはその両方が足し合わされた安定な方向に配向するが、本実施態様のように、例えば、一軸回転する磁場及び/または電場を、磁気及び/または誘電率の異方性を有する部材に印加した場合、回転軸に対して物質の磁化困難軸、誘電率が最も小さい軸、またはその両方が足し合わされた軸が、磁場の回転軸に平行に配向する。このように、磁気及び/または誘電率を有する物質に印加する磁場及び/または電場は、この回転する磁場及び/または電場、もしくは回転以外の時間変動磁場を含め、時間的に変動する磁場及び/または電場を印可することも可能である。回転磁場の回転速度は、等速でも良いし、周期的に変速しても良く、後者の場合には、3軸の磁化率が異なる部材の2軸の回転の自由度を、磁場及び/または電場で固定することができる。ただし、上述の扁平な部材とモジュレーターの組み合わせに対しては、平均的な磁束及び/または電束密度分布に沿って配向が起きる。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、1以上の複合部材を流動性のある物質中に浮遊させ、磁場及び電場の少なくとも一方を印加することにより所望の方向に複合部材を配向させることを特徴とする。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、磁気異方性及び誘電率異方性の少なくとも一方が異なる少なくとも2以上の複合部材を流動性のある物質に浮遊させ、磁場及び電場の少なくとも一方を印加することにより、少なくとも2以上の所望の方向に複合部材を配向させることを特徴とする。
本実施態様では、磁気異方性及び誘電率異方性の少なくとも一方が異なる2以上の複合部材を、流動性のある物質に浮遊させ、磁場及び電場の少なくとも一方を印加することにより、それぞれの部材を、個々の磁気異方性、個々の誘電率異方性、またはその両方を足し合わせた方向に対応した方向に配向させることができる。なお、磁気異方性及び誘電率異方性の少なくとも一方が異なる2以上の異方性を有する複合部材に関して、磁気異方性及び/または誘電率異方性以外の材質、性質等については、同一の部材を用いることも、異なる部材を用いることもできる。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、流動性のある物質を固化させることで、磁場及び電場の少なくとも一方を印加することにより、所望の方向に配向された異方性を有する複合部材の向きを固定することを特徴とする。
本実施態様のように、固化すれば、磁場及び/または電場の印加を停止した後も、異方性を有する複合部材の配向は失われず、異方性の無い部材を間接的に配向させた材料としての用途も広がる。このような、流動性がある物質としては液体や流動性がある粉体等が挙げられ、その形態に適した固化法が選ばれる。粉体の場合には、圧着や焼成等で固化するタイプが利用でき、液体の場合には、溶融した固体を冷却固化させたり、固体が溶けた溶液の溶媒を蒸散させることで固化させたり、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の反応性がある樹脂を重合固化させて利用することができる。本明細書で例示した流動性のある物質の他にも、固化可能な流動性のある物質であるならば、あらゆる物質が適応可能である。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、流動性のある物質が液体であることを特徴とする。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、液体が、溶融状態の固体であり、冷却することによって液体を固化することを特徴とする。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、液体として、活性エネルギー線の照射によって固化する液体を用いることを特徴とする。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、液体として、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いることを特徴とする。活性化エネルギー線硬化型樹脂を用いることにより、異方性の無い部材の配向方向を速やかに固定することが可能であり、また部分的に逐次配向方向を変えながら硬化させることにより、1つの材料中に配向方向が違う部分をパターニングすることが可能である。また加熱しないため、熱に弱い異方性の無い部材に対しても好ましく適用可能である。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、前記活性エネルギー線硬化型樹脂の活性エネルギー線開始触媒として、粘土層間にインターカレーションされたラジカル開始触媒を用いることを特徴とする。ラジカル開始触媒から発生したラジカル同士のカップリング反応によるラジカルの消費を抑えることができるため、プレポリマーとの反応効率の向上が可能であり、更にラジカル開始剤をインターカレーションした粘土鉱物を配向させることにより、異方的に重合反応を進めることも可能である。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、液体として、加熱することによって固化する液体を用いることを特徴とする。
本発明の異方性の無い部材の配向方法のその他の実施態様は、液体として、加熱することによって固化する樹脂を用いることを特徴とする。
上述した方法を用いて、複合部材が任意の方向に配向した材料を製造することができる。具体的には、異方性の無い部材が光学的異方性を有する場合、材料は光学フィルターになる。
より具体的には、この光学フィルターは、粘土層状化合物に光学異方性を有する色素をインターカレーションして形成した複合部材を、磁場及び電場の少なくとも一方を印加して、任意の方向に配向させて製造することができる。
本発明の異方性の無い部材の配向方法、つまり異方性の無い部材を異方性を有する部材に付着配向させて複合部材を形成し、得られた複合部材を磁場及び電場の少なくとも一方を用いて配向させることにより、異方性の無い部材を間接的に配向させる方法によれば、異方性の無い部材を、簡便に磁場及び電場の少なくとも一方を用いて間接的に配向させることができる。
また、上述した配向方法を用いた配向材料の製造方法によれば、固化可能な流動性のある物質中で複合部材の配向を固定することによって、所望の方向に異方性の無い部材が配向した配向材料を製造することができるので、設備、製造コストを低減でき、安全性においても有利な製造方法を提供できる。
以下に図面や表を用いながら、本発明の異方性の無い部材の配向方法、及び異方性の無い部材が配向した材料の製造方法に関する実施形態を説明する。本発明は、異方性の無い部材を異方性を有する部材に付着配向させることにより複合部材を形成し、得られた複合部材を磁場及び電場の少なくとも一方を用いて所望の方向に配向させることによって、異方性の無い部材を間接的に配向させる方法、及びこの配向方法を用いて異方性の無い部材が配向した配向材料を製造する方法に関する。
ここで、本発明で言う磁場(磁界)H(単位はAT/mアンペア-ターン/メートル)とは、電荷が動くことによって生じる場をさし、電荷の動きに力を及ぼす。磁場の強さは磁束密度B(単位はT=テスラ)で表され、磁界と垂直な面積S(m2)を貫く磁力線の数Φ(単位はWb=ウェーバー)を面積で割ったものである。
このような磁場は、電磁石のように電流を流すことにより発生させたり、永久磁石のように物質が持つ電子スピンの磁気モーメントの方向を揃えることにより発生させたりすることができる。また、磁束密度Bと磁場Hは、真空中では以下の関係式で表せる。
ここで、μ0は真空の透磁率で、有理単位で4π×10-7(ヘンリー/メートル=H/m)、非有理単位で1(無名数)であり、磁束密度Bと磁場強度Hを結びつける係数である。また、磁場中に物質を置いた際の磁束密度Bと磁場の強さHとの比μをμ0で割ったものを透磁率κ(ヘンリー/メートル=H/m)という。
磁場による物質の相互作用の強さは磁化率χで示され、その絶対値が大きい方がより強く物質に磁場が誘起され、誘起した磁場との間で強い磁気的相互作用を起こす。そして、上述した透磁率κとは非有理単位で以下の関係式が成り立つ。
以下の説明においては、特に断りが無い限り、磁化率χは非有理単位で示す。次に、代表的な物質の磁気異方性を表1に示す。ここで例示したのは、結晶構造に由来する磁気異方性であるが、高分子を延伸して得られた繊維や、磁化率の違う材料を組み合わせた材料等、人工的に磁気異方性を持たせた物質や形状異方性がある材料に対しても、適切な磁場を印加することにより配向させることができる。
磁場と物質との相互作用は、磁場の強さと磁化率χの絶対値で決まり、磁場が強く磁化率χの絶対値が大きい軸ほど磁場に対して平行に配向しようとする力が強くなる。実際にどの方向に向くか(磁化容易軸)は、結晶の3軸の磁気的相互作用の釣り合いで決定される。
また、磁気異方性とは、外部磁場によって励起される磁化に対して物質内で異方性があることを意味し、磁場内では磁気的相互作用によりトルクを発生し、より安定な方向に回転する。分子構造に異方性を有する物質は、磁気的にも異方性を有し、例えば延伸して作った繊維は分子鎖が延伸方向に並んでいるため、繊維方向(//)とそれに垂直な方向(⊥)では磁化率が異なる。繊維が反磁性を示す場合は、その差を反磁性異方性磁化率χanisoと呼び、任意の軸に対する磁化率の差で表す。
このような異方性磁化率χanisoを持つ反磁性物質を磁束密度Bの磁場中に置くと、物質は磁気エネルギーEmagを獲得する。

ここでμ0は真空の透磁率、Vは物体の体積、θは磁場と繊維の長軸方向とのなす角度、Bは印加した磁場の磁束密度である。
磁気エネルギーEmagを配向角度θに対してプロットした関係を、図1に示す。χaniso>0の場合には、繊維軸方向が磁場と平行になったほうが磁気エネルギーは小さくなり安定である。その結果、磁場に平行に配向する。
このように一軸配向する繊維については、以上のように記述することができる。一方、磁気異方性が2以上の軸で異なる物質は、それぞれの軸の磁化率の数値の大きさによって、磁場に対してどの方向に物質が配向するかが定まる。
磁気異方性がある物質には、物質内の電子状態に異方性を有するものがある。上述したような繊維の場合、延伸した方向に分子が並ぶことにより、結合を通じた電子の流れに異方性が生じる。また、結晶構造に異方性を有する物質も磁場内で配向する。一方、磁気的な異方性が無い場合も、物質の形状に異方性がある場合には適切な磁場を印加することによって配向する。
また、粘土や、グラファイト等の層状化合物も磁気異方性が大きい物質として例示でき、適切な磁場を印加することで任意の方向に配向させることができる。
このような物質に磁場を印加すると磁気的に安定な方向に配向するが、例えば一軸回転する磁場を磁気異方性がある材料に印加した場合、回転軸に対して物質の磁化困難軸が磁場の回転軸に平行に配向する。また、このように、磁気異方性を有する物質に印加する磁場は回転磁場を含め、時間的に変動する磁場を印可することも可能である。
さて、上述したような磁場配向が生じさせるためには、部材が環境から受ける熱エネルギーよりも磁気エネルギーが勝る必要がある。具体的には、部材を流動性がある物質中に浮遊させた状態で配向させるには、流動性がある物質から部材が受ける外乱よりも、部材が受ける磁気力が勝る必要がある。なお、環境から部材が受ける熱エネルギーは、kTで示される。ここで、k=ボルツマン定数、T=環境温度である。
異方性磁化率χanisoの物質が配向する際に働く磁気的なエネルギーEmagは、式7に示すように、体積Vと比例するため、一般的に非常に小さい分子に働く磁気的エネルギーは非常に小さい。
配向に必要な部材の大きさlは式8で与えられる(一辺がlの立方体として計算)。
図2は、式8に示すような適当な異方性磁化率とサイズを有する部材が、磁場配向するために必要な磁束密度をグラフで示したものである。
高分子を含む一般的な分子のサイズである1nm以下のサイズの部材を配向させるためには、1000T以上の磁場が必要となるが、現実的に準備できる磁場は、超伝導磁石が発生する10〜30T程度である。一方、温度を下げることにより熱エネルギーを低くすることもできるが、室温の半分程度が現実的な限界になるため、分子のような極めて小さい物質を並べるためには効果が小さすぎる。
以上のように、現実的な条件ではサイズが小さすぎて配向しない分子(高分子)が存在するが、本発明では、これらの分子をサイズが大きく配向に必要な異方性を有する部材に付着配向させて、その複合体を配向させることにより、磁場及び電場の少なくとも一方を用いて分子を間接的に配向させることができる。
以上、磁場中における磁気異方性を有する物質の挙動について述べたが、電場中の誘電率異方性を有する物質の挙動も同等の原理で説明できる。
また、本発明における分子としては、異方性を有する部材に付着配向するものであればあらゆる分子を用いることができ、特に、付着に有利な分子構造を有するものを好ましく用いることができきる。このような分子構造は、付着される側である異方性を有する部材の性質によって、適切なものを選ぶことできる。例えば、異方性を有する部材の表面に分子を付着させるためには、異方性を有する部材の表面に付着しやすい構造を有する分子を選んだり、合成したりすることができる。
この付着に有利な組み合わせとして、付着される側の異方性を有する部材が金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩、セラミックス、粘土鉱物、炭素系材料等によって例示される物質や、これらの物質によって表面を覆われている部材に対しては、付着しやすい部材として、アミノ基、イミノ基、アミド基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、シラノール基、チオール基、等を表面に有する部材を例示することができる。具体的には、これらの置換基を有する分子や、これらの置換基を有する分子によって表面をコーティングされた粒子、これらの置換基を有する分子によって保護された金属コロイド等が挙げられ、これらを適宜組み合わせて用いることができる。中でも、タルクやスメクタイト等に代表される粘土層状化合物と、シランカップリング剤またはアミノ基を有する分子は強固に付着することができるので、これらの組み合わせを好ましい例として挙げることができる。また、上述の金属コロイドを付着させた複合部材は、配向の前または配向の後に加熱処理することにより金属コロイド同士を融着させて、導電性を有する部材が配向した材料を製造するのにも用いることができる。
付着した部材を配向させる方法としては、付着される側の異方性を有する部材の表面と付着した部材との相互作用を用いる方法や、付着した部材同士の相互作用を用いる方法や、付着される側の異方性を有する部材の表面にラビング等で異方性を持たせ、それに沿って付着した部材を配向させる方法や、異方性を有する部材表面に異方的に成長するめっきを施す方法等を用いることができる。
以上のように、異方性の無い部材を異方性を有する部材に吸着させ、かつ配向させて形成した異方性を有する複合部材を、磁場及び電場の少なくとも一方を用いて配向させることにより、異方性が無い部材を間接的に磁場及び電場の少なくとも一方を用いて配向させることができる。
(流動性のある物質中で磁場及び電場の少なくとも一方を用いて配向させる方法)
流動性のある物質中で、異方性を有する複合部材を磁場及び電場の少なくとも一方を用いて配向させる場合、熱エネルギーに由来するランダムな回転運動や、粘性抵抗に打ち勝つ必要がある。磁化率及び/または誘電率の異方性が小さい部材を配向させるためには、強い磁場または電場を用いることが有利であり、粘度の低い流体を用いることによってプロセスを短時間で終わらせることもできる。
また、異方性を有する複合部材が沈降しないように、比重を調整した流動性のある物質中において、磁場及び電場の少なくとも一方を配向させることが好ましい。
(磁場及び/または電場を集中させる方法)
磁場を所定の位置に集中させる方法として、所定の形状に加工した磁石を所定の位置に設置して磁場を印加する方法や、磁力線がより磁化率χの大きい物質に集中することを利用する方法を用いることができる。前者の場合、永久磁石の微細加工が難しいこと、磁石の体積が小さくなると、磁場が弱くなること等が欠点として挙げられ、微細な領域に磁力線を絞るのは難しい。一方、電磁石についても、所望の磁束密度分布を微細化するには電磁石も小さくする必要があり、自ずと限界が生じる。
そこで、ここでは磁場を更に微細な領域に選択的に集中させる方法を考える。つまり、相対的に磁化率χが大きい物質に対して、磁場を印加することによって、磁化率χが大きい物質に磁力線が集中することを応用する。このような、磁力線を曲げることにより磁力線の粗密差を作るために、磁化率が異なる物質をパターニングした基板を、本発明では磁気モジュレーターと呼ぶ。
次に、図3〜図5を用いて、更に詳細に説明する。図3は、内部に物質Aを含んだ平板状の基板Bに、磁力線を基板面に対して平行に印加する(横磁場をかける)場合を示す。図面は、この物体Aを含んだ基板Bの断面を表した模式的断面図である。また、物質Aの磁化率は物質Bの磁化率よりも大きい。ただし、物質Aは物質Bの内部にあっても、表面にあっても構わない。また、物質A、物質Bの形状は、この実施形態の形状には限られず、あらゆる形状が考えられる。
図3から明らかなように、磁力線は磁化率の高い物質Aに引き付けられ、物質Aがある位置に磁場が集中する。ここで、この磁気モジュレーター上に長軸方向の磁化率が最も大きいχ//>χのロッド形状の異方性を有する複合部材が複数個存在する場合、図4に示すように配向する。
更に、異方性を有する複合部材の方が、異方性を有する複合部材を分散させている流動性のある物質よりも磁化率が大きい場合、異方性を有する複合部材は、図5に示すように物質Aの縁の磁束密度の大きい部分にトラッピングされる。
以上のように、基板面に対し横磁場をかけた場合には、磁力線は磁化率の高い物質Aに引き付けられ、物質Aの縁に磁場が集中し、物質A上の磁束密度が小さくなる。磁化率χの差が大きい物質を用いて磁気モジュレーターを形成した方が磁力線の集中において有利であり、特に、強磁性体は磁力線を集中させるのに効果的である。また、このようなパターンは基板に磁化率の異なる材料や磁化率の異なる材料を含むインクを印刷することにより形成することもでき、印刷機としてインクジェットやスクリーン印刷機等を好ましく用いることができる。
以上のように、不均一な磁場を用いることにより、異方性を有する複合部材の配向方向と疎密差をパターニングすることができる。
また、流動性のある物質に浮遊させ配向させる異方性を有する複合部材は、1種類の部材には限られず、2以上の種類の部材を浮遊させることもできる。この場合、各部剤の異方性が異なる場合には、各々の異方性に応じて、2以上の方向に部材を配向させることができる。
以上、磁力線を磁化率の高い物質に集中させる方法を述べたが、同様に電気力線を誘電率の高い物質に集中させることができる。
(流動性のある物質について)
上術の固化可能な流動性のある物質として、異方性を有する複合部材を配向させた後固化できる物質であればあらゆるものを用いることができる。
特に、流動性のある物質が液体である場合が好ましく、液体の粘度が低いほど磁場及び電場の少なくとも一方を用いた配向に対する粘性抵抗が小さくなり、結果として、磁場及び/または電場による配向をスムーズに行えるため、更に好ましい実施形態になる。これ以外にも、流動性がある粉や、気体に対しても適応可能であり、物質の種類にはとらわれない。
この流動性のある物質として、硬化性のある有機成分及び無機成分を適宜用いることができる。これらのうち、有機成分としては、各種エポキシ化合物、シロキサン化合物等のほか、硬化性のモノマーやオリゴマー等のプレポリマーを使用することができ、これらをポリマーの状態で融解させたり、溶媒に溶解させて使用したり、流動性のある微粉末を使用したりすることもできる。これらのうち、熱可塑性樹脂としては、酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルブチラール、塩化ビニル、メタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、エチレン、アミド、セルロース、イソブチレン、ビニルエーテル等からなるプレポリマーやポリマーを挙げることができる。また、熱硬化性樹脂としては、尿素、メラミン、フェノール、レゾルシノール、エポキシ、エピスルフィド、イソシアネート、イミド等からなるプレポリマーやポリマーを挙げることができる。これらの化合物は、1種類でも使用できるし、2種類以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
このような硬化性のプレポリマーを流動性のある物質に配合する際には、プレポリマーを硬化させるための硬化剤、重合開始剤を必要に応じて配合することもできる。これらの硬化剤、重合開始剤の種類は、配合するプレポリマーの種類に応じて適宜選択することができる。このような硬化剤、重合開始剤として、エネルギー線により反応を開始する化合物を好ましく用いることができる。例えば、アクリルモノマー・オリゴマー等の光ラジカル重合型樹脂、ポリエン-チオール硬化系等の光マイケル付加型樹脂、エポキシやオキセタンやビニルエーテルモノマー・オリゴマー等の光カチオン重合型樹脂が例示できる。また、これら配合には、各種公知の光反応増感剤を使用することもできる。
このような重合開始剤や各種増感剤は、異方性を有する物質に吸着配向させて用いることもでき、重合開始剤が配向していることにより、配向した重合物を得ることができる。中でも、ラジカル重合開始剤を、粘土層間に吸着配向させた複合材料を用いることにより、発生したラジカル開始剤由来のラジカル種同士のカップリング反応による消費を抑え、プレポリマーとの反応効率を高める効果もある。
反応を開始させる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等が挙げられるが、特にこれらに制限されるものではない。また、活性エネルギー線を照射する際、その雰囲気に限定されるものではなく、大気中、窒素やアルゴン等の不活性ガス中、真空中を始めとする様々な雰囲気下、温度環境下で照射することができる。
また、使用できる無機成分としては、各種金属アルコキシド、各種金属塩化物、水ガラス、コロイダルシリカ、各種ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素フッ化物、金属酸化物、金属窒化物、金属ケイ化物、金属ホスフェートの溶液を使用したり、流動性のある微粉末を使用したりすることができる。
このような無機成分を含む流動性のある物質は、ゾルゲル反応や高温焼付け等を用いることで固化することができるが、この場合は、ゾルゲル反応の触媒も流動性のある物質に配合することができる。
上術のゾルゲル反応の触媒としては、無機成分を加水分解し重縮合させる、塩酸のような酸;水酸化ナトリウムのようなアルカリ;アミン;あるいはジブチルスズジアセテ−ト、ジブチルスズジオクテ−ト、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレート、オクチル酸スズ等の有機スズ化合物;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、テトラアルキルチタネート等の有機チタネート化合物;テトラブチル
ジルコネート、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトライソブチルジルコネート、ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム等の有機ジルコニウム化合物;トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム等の有機アルミニウム化合物;ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト等の有機金属触媒等を挙げることができる。これらの中でも、市販品としてジブチルスズ化合物(三共有機化学(株)製SCAT−24)を具体的に挙げることができる。これらの化合物は、1種類で使用することもできるし、2種類以上を適宜組み合わせて使用することもできる。これらの有機成分及び無機成分は、必要に応じて単体でも、有機・無機の組み合わせでも適宜組み合わせて使用することができる。
本発明で用いることができる流動性のある物質には、更に必要に応じて、溶媒を配合成分に応じて適宜選択することができる。このような溶媒としては、具体的には炭化水素(プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、イソヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アミルベンゼン、テレビン油、ピネン等)、ハロゲン系炭化水素(塩化メチル、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、臭化メチル、臭化エチル、クロロベンゼン、クロロブロモメタン、ブロモベンゼン、フルオロジクロロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロクロロエタン等)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、2−オクタノール、n−ドデカノール、ノナノール、シクロヘキサノール、グリシドール等)、エーテル、アセタール(エチルエーテル、ジクロロエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルベンジルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、シネオール、メチラール)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−アミルケトン、ジイソブチルケトン、ホロン、イソホロン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等)、エステル(ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−アミル、酢酸メチルシクロヘキシル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、ステアリン酸ブチル等)、多価アルコールとその誘導体(エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメトキシエタノール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル等)、脂肪酸及びフェノール(ギ酸、酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、無水プロピオン酸、酪酸、イソ吉草酸、フェノール、クレゾール、o−クレゾール、キシレノール等)、窒素化合物(ニトロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、ニトロベンゼン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジアミルアミン、アニリン、モノメチルアニリン、o−トルイジン、o−クロロアニリン、ジクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、アセトニトリル、ピリジン、α−ピコリン、2,4−ルチジン、キノリン、モルホリン等)、硫黄、リン、その他化合物(二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、4,4−ジエチル−1,2−ジチオラン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、メタンチオール、プロパンスルトン、リン酸トリエチル、リン酸トフェニル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、ホウ酸アミル等)、無機溶剤(液体アンモニア、シリコーンオイル等)、水等を挙げることができる。
本発明に用いる液体には、更に必要に応じて、安定剤、カップリング剤等を適宜選択して配合することができる。このような安定剤としては、具体的には2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチル−フェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−アニリノ)−1,3,5−トリアジン等によって例示されるフェノール系酸化防止剤、アルキルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等によって例示される芳香族アミン系酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ}−5−tert−ブチル−フェニル]スルフィド、2−メルカプト−5−メチル−ベンゾイミダゾール等によって例示されるサルファイド系ヒドロペルオキシド分解剤、トリス(イソデシル)ホスファイト、フェニルジイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスファートジエチルエステル、ナトリウムビス(4−tert−ブチルフェニル)ホスファート等によって例示されるリン系ヒドロペルオキシド分解剤、フェニルサリチラート、4−tert−オクチルフェニルサリチラート等によって例示されるサリチレート系光安定剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等によって例示されるベンゾフェノン系光安定剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等によって例示されるベンゾトリアゾール系光安定剤、フェニル−4−ピペリジニルカルボナート、セバシン酸ビス−[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル]等によって例示されるヒンダードアミン系光安定剤、[2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)]−2−エチルヘキシルアミン−ニッケル−(II)によって例示されるNi系光安定剤、シアノアクリレート系光安定剤、シュウ酸アニリド系光安定剤等を挙げることができる。またこのようなカップリング剤としては、具体的にはフッ素系のシランカップリング剤として、((トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、エポキシ変性シランカップリング剤として(信越化学工業株式会社製 KBM−403)、オキセタン変性シランカップリング剤として(東亞合成株式会社製 TESOX)、または、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランγ−メタクリロキシキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤や、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセトネート、チタニウムエチルアセトアセテート、チタニウムラクテート、チタニウムラクテートアンモニウム塩、テトラステアリルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、イソプロピルトリオクタイノルチタネート、イソプロピルジメタクリイソステアロイルチタネート、チタニウムラクテートエチルエステル、オクチレングリコールチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、トリイソステアリルイソプロピルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ブチルチタネートダイマー、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等のチタン系カップリング剤を挙げることができる。これらの化合物は、1種類、または2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。
また、本発明に用いる流動性のある物質には、磁化率及び/または誘電率を調整するために、以上例示した物質以外にも、各種物質を配合することができる。このような物質は、流動性のある物質が液体である場合、液体に溶けていても良いし、溶けずに分散していても良い。または、任意の溶媒に溶かしておいて、この液体に乳化させて使用しても良い。このような磁化率及び/または誘電率を調整するための物質は、磁化率及び/または誘電率の絶対値が大きいものが添加量の観点からも好ましく、具体的な磁化率を大きくする物質として、Fe、Ni、Co等の強磁性体を例示することができる。また、液体に添加することができて誘電率を大きくする物質として、イオン性物質や分子分極を起こしやすい物質を例示することができる。この場合、磁化率及び/または誘電率を調整する添加剤のみが磁場及び/または電場と相互作用を起こし、流動性のある物質と分離しないように溶解して加えることができる。その粒子径としては、100nm以下が好ましく、20〜10nmの範囲が更に好ましい。
また、磁化率を小さくする物質には、磁化率が低い物質であるビスマスや超伝導体等が挙げられる。誘電率を下げる物質としては、極性の低いフッ素系化合物や、密度の小さい気体を泡にして流動性のある物質に混ぜる手法を用いることができる。また、これらの物質は、1種類で使用することができるし、2種類以上を適宜組み合わせて使用することもできる。更に、流動性のある物質を構成する上述のような各種配合成分の配合割合は、配合成分に応じて適宜決定することができる。
上述の成分を溶媒と合わせて撹拌することによって、溶液または懸濁液とすることができる。撹拌は、プロペラ式ミキサー、プラネタリーミキサー、ハイブリッドミキサー、ニーダー、乳化用ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等の各種撹拌装置を適宜選択して行うことができる。また、必要に応じて、加熱、または冷却しながら撹拌することもできる。
(異方性は無いが、形状の異方性を有する部材を配向させる方法)
上述した磁化率及び/または誘電率の異なる2以上の物質を含む基板(磁気モジュレーターまたは電気モジュレーター)により発生させた磁束密度及び/または電束密度に分布を有する磁場及び/または電場を用いて、磁化率及び/または誘電率に異方性が無い材料を配向させることができる。磁場の場合を例にとって説明すると、図6(a)に示すように、磁化率の異方性が無いロッドに、ライン状に磁束密度の疎密差をパターニングした磁場を印加することによって、ロッドが反磁性体の場合には、磁束密度の低い部分に沿って配向し(図6(b)参照)、逆に常磁性体の場合は磁束密度の高い部分に沿って配向する(図6(c)参照)。
この場合、ロッドは異方性を有する部材として利用することができ、異方性の無い部材を吸着配向させ、次いで配向させることにより異方性の無い部材を間接的に配向させることができる。形状の異方性については例示したロッドには限らず、磁束密度の疎密差のパターンについてもライン形状には限らず、任意の方向へパターニングするために最適な組み合わせを適時選択することが可能である。また、形状の異方性を有する部材のサイズは、磁気エネルギーが熱エネルギーより大きくなるサイズ以上である必要がある。
以上、磁場を用いた場合を説明したが、電場を用いた場合についても、電気モジュレーターと形状の異方性を有する部材とを用いて、異方性の無い部材を配向させることが可能である。
以上のようにして、磁場及び/または電場の効果により、異方性を有する複合部材が所望の方向に配向されて浮遊した流動性のある物質を固化することによって、所望の方向に異方性の無い部材が配向した材料を得ることができる。
(光学異方性を有する材料の製造方法)
上述した方法を用いて、光学的異方性を有する材料を製造することができる。具体的には、異方性の無い部材が光学的異方性を有する場合、材料は光学的異方性を有する材料になる。より具体的には、光学フィルターは、粘土層状化合物に光学的異方性を有する色素をインターカレーションして形成した複合部材を、磁場及び/または電場により任意の方向に配向させて製造した材料である。このようにして製造することにより、簡便に光学異方性を有する材料を製造でき、また異方性の方向を任意の方向にパターニングすることもできる。
以下に、本発明の異方性の無い部材を、異方性を有する部材に付着配向させて形成した異方性を有する複合部材を、磁場及び電場の少なくとも一方を用いて間接的に配向させる異方性の無い部材の配向方法、及びこの配向方法を用いた異方性を有する材料の製造方法の実施例を説明する。
まず、実施例1では、本発明の異方性の無い部材を、異方性を有する部材に付着配向させて形成した異方性を有する複合部材を、磁場及び電場の少なくとも一方を用いて配向させる方法、及びこの配向方法を用いて異方性を有する材料を製造する方法の一実施例を示す。
異方性を有する複合部材の作製
異方性を有する部材である0.5gの粘土層状化合物(コープケミカル株式会社製;ソマシフME−100)に脱イオン水100mlを加え、1時間攪拌して分散させた。そこに、異方性の無い部材である色素分子(ローダミンB)0.288gを、脱イオン水100mlに溶解させた溶液を加え、室温で24時間攪拌し、この粘土層間に色素分子をインターカレーションした。次に、得られた分散液を遠心分離して(10分間、13000r/m)、沈殿物を得た。この沈殿物を脱イオン水で洗浄し、粘土層間にインターカレーションされなかった色素を沈殿物から取り除いた。洗浄の作業を13回行った後、沈殿物を室温で乾燥させて、異方性を有する複合部材であるローダミンB/ソマシフME−100複合体を得た。
液状複合樹脂の作製
光硬化性アクリル樹脂(協立化学産業(株)製;W/R No. XFL-06L)に、上述の複合体を、超音波ホモジナイザーを用いて0.25%分散させた。その分散液を厚さ100μmのスペーサーを取り付けたガラス板上に塗布し、もう一枚のガラス板で挟み込み、厚さ100μmの液状複合樹脂膜を作製した。
磁場の印加
次に、図7に示す回転磁場発生装置を用いて、この装置の回転軸と試料面とが平行になるように試料を取り付け、2Tの回転磁場を印加して(平行回転)、試料を作製した。更に、回転軸と試料面とが垂直になるように取り付けて、2Tの回転磁場(垂直回転)を印加した試料も作製した。
塗布液体の硬化
それぞれ60分間、上術の回転磁場を印加した後、磁場をそのまま印加しながら、UVを6000mJ/cm(365nm)照射して樹脂を硬化させ、磁場の印加方向の異なる2つの試料を得た。
配向状態の確認
ここで、平行回転磁場で作製した試料の偏光顕微鏡写真を、図8に示す。図8から明らかなように、粘土面が磁場の回転軸に垂直に交わる方向で配向している様子が確認できた。図中の実線の矢印は磁場の回転軸を示し、破線の矢印は偏光子の方向を示す。
光学的異方性の確認
次に、試料面の法線方向からの分光吸光度を、分光光度計(日本分光(株)製;V-550)を用いて測定した。図9に、無磁場で作った試料、平行回転磁場で作った試料、及び垂直回転磁場で作った試料の分光吸光度を示す。
図9から明らかなように、垂直回転磁場下で作製した試料は、無磁場で作製した試料よりも550nmの吸光度が減っている。一方、平行回転磁場下で作製した試料は、無磁場で作製した試料よりも550nmの急光度が増えている。逆に、430nmの吸光度は、平行回転磁場下で作製した試料では減り、垂直回転磁場下で作製した試料では増えている。
このような光学的異方性は、ローダミンBが層間に吸着配向したソマシフME−100の面が、磁場の回転軸に対して垂直に配向した結果発現したものであり、ローダミンB分子の425nmの吸収を示す構造と、550nmの吸収を示す構造とが粘土層間で光学的に異なる方向を向いていることが示された。
このように、同一の色素から作製した光学材料であっても、色素の配向方向を間接的に変えることによって、光学的な性質を変えられることが実証された。
実施例2では、本発明の異方性の無い部材を異方性を有する部材に付着配向させて形成した異方性を有する複合部材を、磁場及び電場の少なくとも一方を用いて配向させる方法、及びこの配向方法を用いて異方性を有する材料を製造する方法のその他の実施例を示す。
異方性を有す複合部材の作製
異方性を有する部材である粘土層状化合物(コープケミカル株式会社製;ソマシフME−100)8gを400mlの脱イオン水に加え、1時間攪拌し分散させた。そこに、塩化テトラメチルアミン(TMA)1.059gを脱イオン水400mlに溶解させた溶液を加え、室温で24時間攪拌を続けて、粘土層間にTMAをインターカレーションした。次に、得られた分散液を遠心分離して(10分間、13000r/m)、沈殿物を得た。沈殿物を脱イオン水で洗浄し、粘土層間にインターカレーションされなかったTMAを沈殿物から取り除いた。この洗浄の作業を13回行った後、沈殿物を室温で乾燥させて、親有機性粘土TMA/ソマシフME−100を得た。そして、0.5gのTMA/ソマシフME−100を50mlのアセトニトリルに加え、1時間攪拌して分散させた。そこに、異方性の無い部材であるIRカット色素分子(日本触媒(株)製;TX−EX−906B)0.342gをアセトニトリル50mに溶解したものを加え、室温で24時間攪拌を続けて、親有機性粘土層間に吸着させた。次に、得られた分散液を遠心分離して(10分間、13000r/m)、沈殿物を得た。沈殿物をエタノールで洗浄し、粘土層間にインターカレーションされなかった色素を、沈殿物から取り除いた。洗浄の作業を13回行った後、沈殿物を室温で乾燥させて、異方性を有する複合部材であるTX−EX−906B/TMA/ソマシフME−100複合体を得た。
液状複合樹脂の作製
光硬化性アクリル樹脂(協立化学産業(株)製;W/R No. XFL-06L)に、上述の複合体を超音波ホモジナイザーを用いて5%分散させた。その分散液を厚さ100μmのスペーサーを取り付けたガラス板上に塗布し、もう一枚のガラス板で挟み込み、厚さ100μmの液状複合樹脂膜を作製した。
磁場の印加
次に、図7に示す回転磁場発生装置の回転軸と試料面が平行になるように、試料を取り付けて、2Tの回転磁場(平行回転)を印加して、試料を作製した。更に、装置の回転軸と試料面が垂直になるように取り付けて、2Tの回転磁場(垂直回転)を印加した試料も作製した。
塗布液体の硬化
それぞれ60分間、上述の回転磁場を印加した後、磁場をそのまま印加しながらUVを6000mJ/cm(365nm)照射して樹脂を硬化させ、磁場の印加方向の異なる2つの試料を得た。
配向状態の確認
ここで、平行回転磁場で作製した試料の偏光顕微鏡写真を、図10に示す。図10から明らかのように、粘土面が、磁場の回転軸に対して垂直な方向に配向している様子が確認できた。図中の実線の矢印は磁場の回転軸を示し、破線の矢印は偏光子の方向を示す。
光学的異方性の確認
次に、試料面の法線方向からの分光透過率を、分光光度計(日本分光(株)製;V-550)を用いて測定した。図11に無磁場で作った試料、平行回転磁場で作った試料、及び垂直回転磁場で作った試料の分光透過率を示す。
図11から明らかなように、平行回転磁場下で作製した試料は、無磁場で作製した試料よりも930nm付近の透過率が下がっている。一方、垂直回転磁場下で作製した試料は、無磁場で作製した試料よりも可視光域の透過率が下がっている。
このような光学的な異方性は、IRカット色素分子の近赤外領域の吸収を示す構造が、粘土層間で配向していることが原因として考えられる。
以上のように、可視光域の透過率を下げずに、近赤外領域の透過率のみを下げることができるため、IRカット色素としての性能を向上させることができることが実証された。
実施例3では、本発明の異方性の無い部材を、異方性を有する部材に付着配向させて形成した異方性を有する複合部材を、磁場及び/または電場を用いて配向させる方法、及びこの配向方法を用いて異方性を有する材料を製造する方法の更にその他の実施例を示す。
粘土に対するUV励起型ラジカル剤の導入方法
1.0gのルーセンタイトSWNを250mLの塩酸(pH1)に加え、1時間攪拌して分散させた。そこに、0.108gの4,4’−ジアミノベンゾフェノンを250mLの塩酸(pH1)に溶解したものを加え、室温で5時間攪拌を続けて、イオン交換反応を行った。次に、得られた反応液を遠心分離して(5分間、13000r/m)、沈殿物を得た。そして、得られた沈殿物に脱イオン水を加え分散させた後、10分間、13000r/mで遠心分離することにより、未反応物の洗浄を行った。この洗浄作業を5回行った後、沈殿生成物を室内で乾燥させて、4,4’−ジアミノベンゾフェノン/ルーセンタイトSWN複合体を得た。
ESR測定によるラジカル量の測定
上述の複合体、及び4,4’−ジアミノベンゾフェノンをジメチルスルホキシドに1%分散させ、ESR測定を行った。77Kでサンプリング間隔を4秒、合計12回測定し、前半の6回はUVを照射しながら、次いで後半の6回はUVを消して測定を行い、ラジカル発生量の経時変化を観測した。図12に示すように、4,4’−ジアミノベンゾフェノン単体よりもルーセンタイトSWNに担持した試料の方が、ラジカル発生量が大幅に増加した。
樹脂弾性率の比較
次に、上述の複合体を含めた各種開始剤、磁場印加有無の各種条件下で硬化させたアクリル樹脂プレポリマー(ビスフェノールA型エポキシアクリレート)の引っ張り弾性率の比較を行った。硬化条件は、UV 6000mJ/cm2、引っ張り弾性率用のダンベルは3号ダンベルを用いた。
条件A; 4,4’−ジアミノベンゾフェノン0.4gがアクリル樹脂プレポリマー10gに溶解された樹脂をUV硬化させた硬化物に対して、引張り試験を行った。
条件B; 条件Aで作製した樹脂に、ルーセンタイトSWNを1%分散させた樹脂をUV硬化させて得た硬化物に対して、引張り試験を行った。
条件C; 条件Bで作成した樹脂に、2Tの回転磁場を60分間印加してUV硬化させて得た硬化物を、磁場の回転軸に直交する方向で引張り試験を行った。
条件D; 4,4’−ジアミノベンゾフェノ/ルーセンタイトSWN複合体0.4gをアクリル樹脂プレポリマー10gに分散させた樹脂を、UV硬化させて得た硬化物に対して引張り試験を行った。
条件E; 条件Dで作成した樹脂に2Tの回転磁場を60分間印加してUV硬化させて得た硬化物を、磁場の回転軸に直交する方向で引張り試験を行った。
それぞれの引張り試験の結果を下表に示す。
通常の光開始剤のみで硬化させた条件Aに比べて、粘度層状化合物を配合したBの方が、粘度層状化合物の添加による弾性率の向上が見られた。更に、粘度層状化合物を磁場配向させたCは、条件Bよりも配向に伴う弾性率の向上が見られた。条件Dは、条件Bよりも弾性率が高く、ラジカル量の増加に伴う反応効率の向上が原因と考えられる。更に、Dを配向させたEにおいては、弾性率の向上が大きかった、この原因としては、重合反応が異方的に進むためであることが考えられる。
以上のように、開始剤をインターカレーションした粘度層状化合物複合体を磁場配向させて硬化させることにより、硬化物の物性を向上させることができることが実証された。
異方性を有する反磁性体の磁気エネルギーを、配向角度に対してプロットしたグラフである。 磁場配向に必要なサイズ、磁束密度、磁気異方性をプロットしたグラフである。 磁気モジュレーターを用いて、磁力線を曲げる様子を示した図である。 磁気モジュレーター上に、ロッド形状の異方性を有する複合部材が複数個存在する場合のロッドの配向状態を示す図である。 流動性を有する物質に分散された異方性を有する複合部材が、物質Aの縁の磁束密度の大きい部分にトラッピングされる状態を示す図である。 磁気モジュレーターが発生した磁束密度の疎密差を有する磁場に従って、ロッドが配向する様子を示した図である。 回転磁場発生装置の写真である。 磁場配向したローダミンB/ソマシフME−100の偏光顕微鏡写真である。 ローダミンB/ソマシフME−100複合体の分光吸光度を示したグラフである。 磁場配向したTX−EX−906B/TMA/ソマシフME−100の偏光顕微鏡写真である. TX−EX−906B/TMA/ソマシフME−100複合体の分光吸光度を示したグラフである。 ラジカル開始剤単体と粘度層間にインターカレーションしたラジカル開始剤のラジカル発生量を比較したグラフである。

Claims (22)

  1. サイズと磁化率の異方性との関連において磁気的相互作用が実質的に生じる範囲にない、及び/またはサイズと誘電率の異方性との関連において電気的相互作用が実質的に生じる範囲にない部材(以下、「異方性の無い部材」という)を、サイズと磁化率の異方性との関連において磁気的相互作用が実質的に生じる範囲にある、及び/またはサイズと誘電率の異方性との関連において電気的相互作用が実質的に生じる範囲にある部材(以下、「異方性を有する部材」という)に付着配向させて形成した複合部材を、磁場及び電場の少なくとも一方を用いて配向させる場合において、
    磁化率及び/または誘電率の異なる2以上の物質を含む基板に磁場及び電場の少なくとも一方を印加することにより、前記基板中の磁化率の最も高い物質に磁力線を集中させて所望の磁束密度分布を有する磁場を形成し、該磁場を前記複合部材に印加して、及び/または、前記基板中の誘電率の最も高い物質に電気力線を集中させて所望の電束密度分布を有する電場を形成し、該電場を前記複合部材に印加して、前記複合部材を、印加された磁場及び/または電場に応じた所望の方向に配向させることを特徴とする異方性の無い部材の配向方法。
  2. サイズと磁化率の異方性との関連において磁気的相互作用が実質的に生じる範囲にない、及び/またはサイズと誘電率の異方性との関連において電気的相互作用が実質的に生じる範囲にない部材(以下、「異方性の無い部材」という)を、サイズと磁化率の異方性との関連において磁気的相互作用が実質的に生じる範囲にある、及び/またはサイズと誘電率の異方性との関連において電気的相互作用が実質的に生じる範囲にある部材(以下、「異方性を有する部材」という)に付着配向させて形成した複合部材を、磁場及び電場の少なくとも一方を用いて配向させる場合において、
    回転磁場及び/または回転電場を用いて前記異方性を有する部材の磁化困難軸及び/または誘電率が最も小さい軸を配向させることを特徴とする異方性の無い部材の配向方法。
  3. 前記異方性の無い部材が分子であることを特徴とする請求項1または2記載の異方性の無い部材の配向方法。
  4. 前記分子が光学的異方性を有する分子であることを特徴とする請求項記載の異方性の無い部材の配向方法。
  5. 前記分子が光学的異方性を有する色素であることを特徴とする請求項記載の異方性の無い部材の配向方法。
  6. 前記分子が近赤外線カット色素であることを特徴とする請求項記載の異方性の無い部材の配向方法。
  7. 前記分子が活性エネルギー線硬化型樹脂の開始剤であることを特徴とする請求項記載の異方性の無い部材の配向方法。
  8. 前記異方性を有する部材が、層状化合物であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の異方性の無い部材の配向方法。
  9. 前記異方性を有する部材が偏平な形状を有することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項記載の異方性の無い部材の配向方法。
  10. 1以上の前記複合部材を流動性のある物質中に浮遊させ、磁場及び電場の少なくとも一方を印加することにより所望の方向に前記複合部材を配向させることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の異方性の無い部材の配向方法。
  11. 磁化率の異方性及び誘電率の異方性の少なくとも一方が異なる2以上の前記複合部材を流動性のある物質に浮遊させ、磁場及び電場の少なくとも一方を印加することにより、少なくとも2以上の所望の方向に前記複合部材を配向させることを特徴とする請求項10記載の異方性の無い部材の配向方法。
  12. 前記流動性のある物質を固化させることにより、所望の方向に配向された前記複合部材の向きを固定することを特徴とする請求項10または11記載の異方性の無い部材の配向方法。
  13. 前記流動性のある物質が液体であることを特徴とする請求項1012の何れか1項記載の異方性の無い部材の配向方法。
  14. 前記液体が、溶融状態の固体であり、冷却することによって前記液体を固化することを特徴とする請求項13に記載の異方性の無い部材の配向方法。
  15. 前記液体として、活性エネルギー線の照射によって固化する液体を用いることを特徴とする請求項13記載の異方性の無い部材の配向方法。
  16. 前記液体として、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いることを特徴とする請求項15記載の異方性の無い部材の配向方法。
  17. 前記活性エネルギー線硬化型樹脂の活性エネルギー線開始触媒として、粘土層間にインターカレーションされたラジカル開始触媒を用いることを特徴とする請求項16記載の異方性の無い部材の配向方法。
  18. 前記液体として、加熱することによって固化する液体を用いることを特徴とする請求項13記載の異方性の無い部材の配向方法。
  19. 前記液体として、加熱することによって固化する樹脂を用いることを特徴とする請求項18記載の異方性の無い部材の配向方法。
  20. 請求項1219の何れか1項記載の方法を用いて、前記異方性の無い部材を所望の方向に配向させて固化することにより所望の配向材料を製造することを特徴とする配向材料の製造方法。
  21. 前記配向材料が光学的な異方性を有する光学フィルターであることを特徴とする請求項20記載の配向材料の製造方法。
  22. 粘土層状化合物に光学異方性を有する色素をインターカレーションして形成した前記複合部材を任意の方向に配向させることにより、前記光学フィルターを製造することを特徴とする請求項21記載の配向材料の製造方法。
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