JP5173173B2 - 導電性材料の配向方法、及びこの配向方法を用いた異方性材料または異方性材料を有する電子装置の製造方法 - Google Patents

導電性材料の配向方法、及びこの配向方法を用いた異方性材料または異方性材料を有する電子装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない導電性材料を配向させる方法に関し、更に、この配向方法を用いて異方性材料またはその異方性材料を有する電子装置を製造する方法に関する。
従来の磁場を用いた配向方法は、磁気異方性を有する材料を磁場で配向させる方法が主である(非特許文献1参照)。この場合、磁気異方性を有する材料が必要で、磁気異方性が無いまたは非常に小さい材料を配向させることができない。中でも、ほとんどの金属は結晶系が立方晶であるため、磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さず、磁場配向を行うことができない。
導電性材料が配向した材料を製造する方法としては、例えば、導電性物質からなる線材を絶縁性ポリマーで覆ったものを種々の方法で束ね、線材と直交する方向からスライスすることによって製造する方法(特許文献1または2参照)、絶縁性フィルムに穴を開け、その中に例えばめっきで金属を埋め込むことによって製造する方法(特許文献3参照)、凹凸のある導電性基板に異方性めっきを行った後、絶縁物質を埋め込むことにより製造する方法(特許文献4参照)等が提案されている。
一方、磁場を用いる技術については、絶縁性フィルムに穴を開け、その中に導電性粒子が分散している流動性がある高分子物質材料を注入し、次いで磁場を用いてこの導電性粒子を配向させることによって、導電性材料が配向した材料を製造する方法(特許文献5参照)が考案されている。
Tsunehisa, Kimura. Polymer Journal, Vol. 35, No. 11, 2003, 823-843. 特開2005−135772号 特開2005−116183号 特開平8−235935号 特開平8−124436号 特開2006−196475号
しかし、特許文献1または2に記載された、絶縁体の厚さ方向に導電材料の線材を埋め込んで異方性を持たせたものでは、導電材料の線材を埋め込むのに多くの工程が必要であり、また細密にこのような構造を形成するのは困難である。
また、特許文献3に記載された絶縁性フィルムに穴を開け、その中に導電性材料を埋め込んで異方性を持たせる方法では、フィルムに対する穴開け加工が必要であり、更に微細で深い穴の中に、歩留まりよく導電性材料を埋め込むことは困難である。
また、特許文献4に記載された異方性めっきを行う方法は、下地に凹凸がある導電性の基板が必要であり、異方性材料のみを得るには、この導電性基板から異方導電性材料を切り離す工程が別途必要になる。
一方、磁場を用いる技術については、特許文献5に開示された発明は、導電性材料として使用できるのは強磁性体のみであり、配線等によく用いられるAu、Ag、Cu、Al等の弱磁性体には適用できない。
従って、本発明の目的は、上述の課題を解決して、磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない導電性材料の配向方向を制御することを可能にして、各種の煩雑な工程を要せずに、所望の方向に導電性材料が配向した材料を製造する方法を提供し、また、この技術を用いた電子装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない導電性材料に時間変動磁場を印加することにより、この導電性材料に生じた誘導電流による誘導磁場と時間変動磁場との間の磁気的相互作用によって、導電性材料を配向させる方法を知見し、本発明を完成させるに至った。更に、この手法を用いることにより、異方性材料を製造する方法も知見し、本発明を完成させるに至った。これらは、固化可能な流動体中に導電性材料を浮遊、分散させることでも実施でき、時間変動磁場用いて所望の方向に導電性材料を配向させた後、流動体を固化させることにより所望の方向に異方性を有する異方性材料を製造する方法も知見し、本発明を完成させるに至った。更に、この異方性材料を有する電子装置を製造する方法も知見し、本発明を完成させるに至った。
本発明の導電性材料の配向方法の1つの実施態様は、磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない導電性材料に時間変動磁場を印加して誘導磁場を発生させ、時間変動磁場と誘導磁場の磁気的相互作用により、導電性材料を磁気的相互作用に応じた方向に配向させることを特徴とする。
ここで、「導電性材料」とは電気伝導性がある材料を意味し、「磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない導電性材料」とは、静磁場を印加しても実質的に磁場配向しない範囲の磁気異方性しか有さない、または磁気異方性が無い、または強磁性体のような強い磁気的相互作用を起こさない導電性材料を意味する。
また、「時間変動磁場」とは、導電性材料を貫く磁束の量が時間変化する磁場のことを意味する。ここで、時間変動磁場を導電性材料に印加することによって、導電性材料中に誘導電流が発生し、誘導電流は磁束の変化を打ち消す方向に誘導磁場を発生させる。このとき、発生した誘導磁場と時間変動磁場間で磁気的相互作用が起き、導電性物質は磁束の変化が少なくなる方向に移動または回転する。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様は、磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない導電性材料として、磁力線を押し出す磁気的性質を持つ反磁性体を用いることを特徴とする。例えば、反磁性体を磁石に近づけると、より磁束密度の高い磁石表面から遠ざかるように斥力を受ける。
導電性材料として反磁性体を用いる方法においては、導電性材料に磁場を印加した場合、導電性材料中の磁束密度は下がり、相対的に導電性材料周辺の磁束密度が上がる。例えば、導電性材料が3以上であり、これらの導電性材料が略同一平面上にあって、磁場を平面に対して垂直に印加した場合、導電性材料同士は磁気的相互作用により一定の距離を保つようになる。このような現象は、導電性材料同士の接触による異方性の低下を防ぐ効果がある。
本発明に係る磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない導電性材料として、その他、金属、特に結晶系が立方晶であるもの、2以上の物質からなる複合体、磁気異方性を有する導電性材料がランダムに集合することにより全体として磁気的相互作用が実質的に無い状態になっている導電性複合体等が考えられ、この磁気異方性を有する導電性材料として、カーボンナノチューブ、グラファイト、またはその両方を含む導電性樹脂等が考えられる。また、本発明に係る磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない導電性材料の形状が、略円柱であったり、粒子状であったりすることが考えられる。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様では、磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない導電性材料導電性材料を2以上含み、特に、種類及び/または形状において異なる2以上の導電性材料を含んで、その種類及び/または形状に合わせてそれぞれ2以上の方向に配向することを特徴とする。
ここで、「種類及び/または形状」とは、種類だけの場合、形状だけの場合、及び種類と形状の両方の場合を含む。本実施態様では、種類及び/または形状が異なる少なくとも2以上の導電性材料に時間変動磁場を印加することにより、それぞれの種類及び/または形状に対応した所望の2以上の方向に配向させることができる。同じ時間変動磁場を印加しても、導電性材料の種類や形状が異なると、誘導磁場の発生の仕方が異なるため、種類や形状が異なる導電性材料は、異なる方向に配向させることができる。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様は、導電性材料を流動性のある物質中に浮遊させ、時間変動磁場を印加することにより所望の方向に導電性材料を配向させることを特徴とする。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様は、流動性のある物質を固化させることによって、時間変動磁場を印加することにより所望の方向に配向させた導電性材料の向きを固定することを特徴とする。
本実施態様のように、固化すれば、時間変動磁場の印加を停止した後も導電性材料の配向は失われず、異方性材料としての用途も広がる。このような、流動性がある物質としては液体や流動性がある粒子、粉体等が挙げられ、その形態に適した固化法が選ばれる。粒子、粉体の場合は圧着や焼成などで固化するタイプが利用でき、液体は溶融した固体を冷却固化させたり、固体が溶けた溶液の溶媒を蒸散させることで固化させたり、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などの反応性がある樹脂を重合固化させて利用することができる。本明細書等で例示した流動性のある物質の他にも、固化可能な流動性のある物質であるならば、あらゆる物質が適応可能である。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様は、流動性がある物質である液体が、溶融状態の固体であり、冷却することによって液体を固化することを特徴とし、その中には、例えば、ホットメルト樹脂が考えられる。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様は、流動性がある物質である液体として、活性エネルギー線の照射によって固化する液体を用いることを特徴とする。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様は、流動性がある物質である液体として、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いることを特徴とする。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様は、流動性がある物質である液体として、加熱することによって固化する液体を用いることを特徴とする。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様は、流動性がある物質である液体として、加熱することによって固化する樹脂を用いることを特徴とする。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様は、時間変動磁場を1以上のコイルに流す電流を時間変化させることによって発生させることを特徴とする。
本実施態様のように、コイルに流す電流を時間変化させることで導電性材料を貫く磁力線の量を変化させることが可能であり、更に2以上のコイルを用いて交互に磁力線を印加することにより、磁力線の方向を時間変化させることができる。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様は、時間変動磁場を1以上の磁石と導電性材料との位置を変化させることで印加することを特徴とする。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様は、時間変動磁場が導電性材料を中心に回転する磁場であることを特徴とする。
本実施態様のように、例えば、異極が対向する2つの永久磁石をモーターを用いて回転させる場合、永久磁石間の導電性材料を貫く磁束の本数が変わるなら、それに対応した誘導電流が導電材料中に流れ、それに対応した誘導磁場が発生する。この回転を繰り返すことにより、導電性材料は、回転に伴う磁束の変化が最も小さくなる方向に収束して配向するようになる。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様は、時間変動磁場を1以上のコイルに流す電流を時間変化させ、かつ導電性材料とコイルとの位置を変化させることによって導電性材料に印加することを特徴とする。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様は、磁化率の異なる2以上の部材を含む基板(磁気モジュレーター)に磁場を印加して、基板中で磁化率の最も高い部材に磁力線を集中させることで所望の形状に曲がった磁力線を有する磁場を形成し、これを更に時間変化させることにより、導電性材料の配向方向の分布を任意にコントロールすることを特徴とする。この場合、磁場を時間変動させるために、コイルに流す電流を時間変化させたり、磁場源と磁気モジュレーターとの位置を時間変化させたり、磁場源と磁気モジュレーターの位置を固定しておいて導電性材料の位置を時間変化させたりすることができる。
本発明の導電性材料の配向方法のその他の実施態様は、モジュレーターが形成した磁束密度の疎密差に沿って導電性材料をトラッピングすることにより配向と同時に導電性材料の疎密もパターニングすることを特徴とする。
本発明の異方性材料(異方熱伝導性材料)の製造方法の1つの実施態様は、熱伝導性の高い導電性材料の粒子を熱伝導性の低い流動性物質に分散し、次いで導電性材料を時間変動磁場で配向させた後、流動性物質を固化させることによって製造することを特徴とする。
本発明の異方性材料(異方光学特性材料)の製造方法の1つの実施態様は、光学異方性を有する導電性粒子を透明性の高い流動性物質に分散し、次いで粒子を時間変動磁場で配向させた後、流動性物質を固化させることによって製造することを特徴とする。
本発明の異方性材料(機械的特性に異方性がある材料)の製造方法の1つの実施態様は、機械的な特性に異方性を有する導電性粒子を流動性物質に分散し、次いで粒子を時間変動磁場で配向させた後、流動性物質を固化させることによって製造することを特徴とする。
本発明の異方性材料(異方導電性材料)の製造方法の1つの実施態様は、形状に異方性を有する導電性粒子を流動性物質に分散し、次いで粒子を時間変動磁場で配向させた後、流動性物質を固化させることによって製造することを特徴とする。
本発明の異方性材料を有する電子装置を製造する方法の1つの実施態様は、上述した異方性材料が分散した流動性のある物質を電子装置に塗布した後時間変動磁場で配向させることで製造することを特徴とする.
本発明の異方性材料を有する電子装置の製造方法のその他の実施態様は、光硬化性樹脂に磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない導電性材料を分散させた液を電子装置に塗布した後、時間変動磁場を用いて導電性材料を配向させ、次いで光硬化性樹脂を光で半硬化させ、次いで基板の電極に電子装置を圧着し、最後に半硬化した光硬化性樹脂を熱本硬化させることにより、基板と電子装置を導通接続することを特徴とする。
本発明の時間変動磁場を用いた配向方法を用いることにより、導電性のある液体中の磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない材料の配向を実現することもできる。
本発明の導電性材料の配向方法に用いる装置の1つの実施態様として、上述のように回転時間変動磁場を用いて導電性材料を配向させるため、回転磁場を発生させることができる回転磁場発生装置が考えられる。
本発明の導電性材料の時間変動磁場を用いた配向方法によれば、煩雑な工程を必要とせずに、低いコストで短時間に、所望の方向に導電性材料を配向できる。
また、本発明の異方性材料の製造方法によれば、固化可能な流動性のある物質中で導電性材料の配向を固定することによって、所望の方向に異方性を有する異方性材料を製造することができ、設備、製造コストを低減でき、安全性においても有利な製造方法を提供できる。同様に、この異方性材料を有する電子装置を、低い設備投資コスト、低い製造コストで安全に製造することができる。
以下に図面や表を用いながら、本発明の時間変動磁場を用いた導電性材料の配向方法、時間変動磁場を用いた異方性材料の製造方法、及びその技術を適用した電子装置の製造方法に関する実施形態を説明する。本発明は、導電性材料を時間変動磁場で所望の方向に配向させる方法、その配向方法によって異方性がある材料の製造を行う方法、及びその技術を適用した電子装置の製造方法に関する。なお、以下の説明においては、磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない導電性材料、つまり、静磁場を印加しても実質的に磁場配向しない範囲の磁気異方性しか有さないまたは磁気異方性が無い導電性材料を、簡略化した用語として「磁気異方性が無い導電性材料」と称する。
ここで、本発明で言う磁場(磁界)H(単位はAT/m=アンペア-ターン/メートル)とは、電荷が動くことによって生じる場を意味し、電荷の動きに力を及ぼす。磁場の強さは磁束密度B(単位はT=テスラ)で表され、磁界と垂直な面積S(m2)を貫く磁束線の数Φ(単位はWb=ウェーバー)を面積で割ったものである。
式1 B=Φ/S (Wb/m2=T)
このような磁場は、電磁石のように電流を流すことで発生させたり、永久磁石のように物質が持つ電子スピンの磁気モーメントの方向を揃えることで発生させたりすることができる。また、磁束密度Bと磁場Hは、真空中では以下の関係式で表せる。
式2 B=μ0
ここで、μ0は真空の透磁率で、有理単位で4π×10−7(ヘンリー/メートル=H/m)、非有理単位で1(無名数)であり、磁束密度Bと磁場強度Hを結びつける係数である。また、磁場中に物質を置いた際の磁束密度Bと磁場の強さHとの比μをμ0で割ったものを透磁率K(ヘンリー/メートル=H/m)という。
式3 K=μ/μ0
磁場による物質の相互作用の強さは磁化率χで示され、その絶対値が大きい方がより強く物質に磁場が誘起され、誘起した磁場と強い磁気的相互作用を起こす。そして、上述した透磁率Kとは非有理単位で以下の関係式が成り立つ。
式4 K=1+χ
以下の説明においては、特に断りが無い限り、磁化率χは非有理単位で示す。
次に、代表的な物質の非有理単位での磁化率χ(cgs・emu)を表1〜表4に示す。表1は単体の磁化率を示し、表2は有機化合物のグラム磁化率を示し、表3は常磁性遷移元素のモル磁化率を示し、表4は強磁性体のモル磁化率を示す。
上述したように、磁場と物質との相互作用は、磁場の強さと磁化率χの絶対値で決まり、磁場が強く磁化率χの絶対値が大きい方(つまり、強い磁場と磁化率χの絶対値が大きい物質の組み合わせ)が磁気的相互作用が強くなる。具体的には、例えば、一般的に入手できる永久磁石(0.5T程度)は、磁化率χの大きいFe、Ni、Co等を引き付けるが、磁化率χが小さいガラス、アルミ、紙、プラスティック、水等を引き付けない。
このような差は、Fe、Ni、Co等のような磁化率χが大きい材料(強磁性体)は磁場によって強く磁化され、強く引き付けられるが、ガラス、アルミ、紙、プラスティック、水等は磁化率χが非常に小さいため、物質移動が行えるほど磁場と強い相互作用を起こさないことから説明できる。
表4で例示したような強磁性体粒子が分散した樹脂に磁場を印加すると、個々の粒子が強く磁化され、あたかも個々の粒子が磁石のように振舞うことによって、粒子が磁力線に沿って整列する。このような現象や、この現象を利用した技術は古くから数多く用いられている。
一方、磁場との相互作用が弱い弱磁性体であっても、磁気異方性を有する材料については磁場で配向することが知られている。磁気異方性とは、外部磁場によって励起される磁化に対して物質内で異方性があることを意味し、磁場内では磁気的相互作用によりトルクを発生し、より安定な方向に回転することが知られている。分子構造に異方性がある物質も、磁気的な異方性を持ち、例えば延伸して作った繊維は分子鎖が延伸方向に並んでいるため、繊維方向(//)とそれに垂直な方向(⊥)では磁化率が異なる。以上のようにして、磁気異方性を有する材料を所望の方向に配向させることができる。
次に、代表的な磁気異方性を有する物質の磁化率を表5に示す。ここで例示したのは、結晶構造に由来する磁気異方性を有する材料であるが、上述した通り高分子を延伸して得られた繊維や、磁化率の違う材料を組み合わせた材料など、人工的に磁気異方性を持たせた物質、材料に対しても適切な磁場を印加することにより配向させることができる。
このような磁気異方性を有する物質と磁場との相互作用は、磁場の強さと磁化率χの絶対値で決まり、磁場が強く磁化率χの絶対値が大きい軸が磁場に対して平行に配向しようとする力が強くなり、実際にどの方向に向くか(磁化容易軸)は結晶の3軸の磁気異方性の釣り合いで決定される。
しかし、本発明の時間変動磁場を用いた導電性材料の配向方法によれば、上述したような強磁性体や磁気異方性を有する物質でなくても、導電性材料を配向させることが可能になる。その配向の原理を、下記に説明する。
コイルに磁石を近づけると、コイルは磁石から遠ざかる方向に力を受けることが知られている。このような現象が見られるのは、コイルを貫く磁束Φの変化に逆らうようにコイル内に誘導電流が流れるためである。このような誘導電流は、レンツの法則に従って流れる。
図1には、コイルに棒磁石を近づけたとき(図1(a)参照)と、遠ざけたとき(図1(b)参照)に発生する誘導電流の流れる方向iを示している。
図1(a)に示すように、磁石を近づけることによってコイルを貫く磁束の量が増えるように変化した場合、その変化を打ち消す方向にコイルに電流が流れ、結果、コイルは磁石から遠ざかろうとする。逆に、図1(b)に示すように、磁石を遠ざけることによってコイルを貫く磁束の量が減るように変化した場合、その変化を打ち消す方向にコイルに電流が流れ、結果、コイルは磁石に近づこうとする。すなわち、コイルを貫く磁力線の量の変化を打ち消す方向にコイルは動く。
(時間変動磁場で導電性材料が配向する理由)
以上を踏まえて、時間変動磁場を用いてコイルを配向させる方法を、図2及び図3を用いて説明する。図2は、コイルの周りを永久磁石が回転している様子を示す斜視図であり、図3(a)は、コイルの周りを永久磁石が回転している様子を回転軸上方から観察した平面図であり、図3(b)は、コイルの周りを永久磁石が回転している様子を磁石の回転面から観察した側面図である。
磁力線はN極からS極に向かって発生しており、N極とS極との間の磁束密度は均一である。ここでいう均一とは、コイルの周りを永久磁石が回転する際、コイルとの間の距離に由来する磁束密度差が無視できるほど小さいという意味である。
そして、図2及び図3に示すように、永久磁石をコイルを中心に回転させることによって、コイルを貫く磁力線の量が増減する。このことを、図3を用いて説明する。例えば、図3(a)の左側の図は、コイル面と磁力線のなす角θが0°のときの模式図である。このとき、コイルを貫く磁力線の量Φは0である。そして、矢印の方向に磁石が回転すると、コイルを貫く磁力線は増加する。θ=90°のときの磁力線の量を例えばΦ90とすると、θ=x°の時のコイルを貫く磁力線の量はΦ90×sinx°になる。θが0°から90°に変化するとΦが増えるため、コイルはその変化を打ち消す方向に動く。以上の条件では、磁石間の磁束密度は均一であるため、コイルと磁石の回転面とのなす角ψを傾けることより、磁力線の増加を減らすことになる。
また、ディスクを傾けようとする磁気力はΔΦに比例するため、ディスクの傾きの変化量ΔψはΔθに比例する。図3(a)の左側の図に示す状態からスタートとする系では(ただしスタートのψ90≠90°)、θが0°から90°になるまでコイルを貫く磁力線の量Φは増え、その変化を打ち消すためにψ1は小さくなる。逆にθが90°から180°になる場合にはΦは小さくなり、その変化を打ち消すためにψ2は大きくなる。すなわちθが0°から90°になるときψはΔsinθ0〜90に比例して小さくなり、θが90°から180°になるときψはΔsinθ90〜180に比例して大きくなる。
ここで、Δsinθ0〜90とΔsinθ90〜180とは、基本的に大きさになるはずであるが、実際には、Δsinθ0〜90の過程でψがψ90よりも小さくなっているため、ΔΦ90〜180はΔΦ0〜90より小さくなる。すなわち、ψはθが90°変化するたびに増減を繰り返しながら、徐々にその変化量を小さくしていくことになる。
図4は、θとψの関係を模式的に示したグラフである。
最終的には、磁場の回転に伴う磁力線の量の変化が小さくなる角度にコイルは傾くことになる。この場合、ψは図4に示すように振幅を繰り返しながら0°に向かって収束する。
(時間変動磁場によって配向する方向)
導電性材料の形状がコイル以外の形状でも同じ理由で配向が起き、例えば導電性材料の形状がディスクやロッドのような略円柱形状である場合、磁場の回転に伴う導電性材料を貫く磁束の量の変化が最小になるように、導電性材料の回転対称軸と磁場の回転軸が平行になるような向きに配向する。
導電性材料の形状が略円柱形状以外の場合や、変動磁場が回転磁場以外の場合にも、導電性材料を貫く磁束の量の変化が最小になるように導電性材料は配向する。例えば、図5(a)に示すような三辺の長さがa>bの関係にある二等辺三角形のディスク形状の導電性材料に、矢印に示すような直線的に振幅する時間変動磁場を印加した場合、ディスクの面の法線と辺bとが磁力線の振幅の方向に対して直行するように配向する。この場合、辺bの法線を中心とする回転に自由度がある。このディスクに回転磁場を印加すると(図5(b)の矢印参照)、図5(b)に示すように面配向するが、次いで、面配向が緩和しないうちに上述の直線的に振幅する時間変動磁場をこの面配向したディスクに印加すると、図5(c)に示すように配向する。この状態では、直線的な振幅のみでは存在した辺bの法線を中心とする回転の自由度が無くなっている。このように、逐次または交互にさまざまな変動磁場を印加することによって、導電性材料の配向方向を更に精密に定めることができる。
(時間変動磁場の発生方法)
以上のように、回転運動や振幅運動をする永久磁石を用いることにより、導電性材料を配向させることができるが、その他の時間変動磁場の発生方法として、例えば、永久磁石と導電性材料の距離を変化させたり、半回転させることを始めとするあらゆる方法を用いることができるし、何度も変動磁場を印加したり、異なる動きを組み合わせたりすることもできる。更に、コイルに電流を流すことによって発生する磁場を用いることもできる。この場合、コイルに流す電流の量を時間変化させることによって、時間変動磁場を導電性材料に印加することもできるし、このコイルと導電性材料の位置を更に変化させることによって、より複雑に変化する時間変動磁場を発生させることもできる。
(磁力線の時間変化率を大きくする方法)
配向に必要な磁気的なエネルギーは、導電性材料を貫く磁力線の量の時間変化に比例するため、このような時間変動磁場は、導電性材料を貫く磁力線の時間変化量が大きくなるように印加することが好ましく、先に例示した回転磁場の場合、強い磁場を用いる方が好ましいので、その磁束密度は0.5T以上が好ましく、5T以上が更に好ましい。また、回転速度を早くすると磁力線の時間変化量が大きくなるため、回転速度を早くすることも好ましいので、具体的には100r/m以上が好ましく、1000r/m以上が更に好ましい。
(時間変動磁場で配向する導電性材料)
このような時間変動磁場によって配向する物質として、電気伝導性がある物質を挙げることができる。中でも、体積抵抗値の低い物質ほど時間変動磁場を用いた配向に好ましく適用することができ、好ましくは10^-2cm・Ω以下の物質であり、更に好ましくは10^-5cm・Ω以下の物質である。電気伝導性がある物質として、金属が挙げられ、特に反磁性体や結晶系が立方晶であるものが挙げられ、更に具体的な物質として、Au、Ag、Cu、Alなどの電子装置の配線などに用いられている金属や基板に用いられているSiなどの半導体を例示することができるが、これに限られるものではない。
また、本発明は磁気異方性が無い導電性材料を時間変動磁場で配向させることが特徴の1つといえるが、磁気異方性を有する材料、例えばカーボンナノチューブやグラファイトなどをランダムに樹脂に混練することにより作製した磁気的な異方性が無い導電性複合材料に対しても適応できる。
また、磁気異方性が無い導電性材料の形状としては、略円柱であったり、粒子状であったりすることが考えられる。
(流動性のある物質中で配向させる方法)
流動性のある物質中で、導電性材料を時間変動磁場で配向させる場合、熱エネルギーに由来するランダムな回転運動や、粘性抵抗に打ち勝つ必要がある。導電性材料を配向させるためには、強い磁場を用いたり、導電性材料を貫く磁力線の量を短時間で変化させたりすることが有利であり、粘度の低い流体を用いることによりプロセスを短時間で終わらせることもできる。
また、導電性材料が沈降しないように、比重を調整した流動性のある物質中で時間変動磁場を用いて配向させることが好ましい。
流動性がある物質中の導電性材料が沈降しないように、複合体を回転させながら配向させることもできる。
導電性がある液体中の磁気的異方性が無い絶縁体を、同様に時間変動磁場を用いて配向させることもできる。この場合も、磁束の変化量が最も小さくなる方向に配向する。
導電性がある材料を絶縁性の流動性がある物質中で配向させる場合も、絶縁性がある材料を導電性の流動性がある物質で配向させる場合も、導電性がある材料と絶縁性がある材料の体積抵抗値の差が大きいほうが配向に有利である。具体的には、(導電性がある材料の体積低効率)/(絶縁性がある材料の体積低効率)<10^-3であることが好ましく、(導電性がある材料の体積低効率)/(絶縁性がある材料の体積低効率)<10^-6であることが更に好ましい。
(磁場を集中させ、磁力線を曲げる方法)
磁場を所定の位置に集中させ磁力線を曲げる方法として、所定の形状に加工した磁石を所定の位置に設置して磁場を印加する方法や、磁力線がより磁化率χの大きい物質に集中することを利用することができる。前者の場合、永久磁石の微細加工が難しいこと、磁石の体積が小さくなると強い磁場を発生させることが難しくなること、等が欠点として挙げられ、微細な領域に磁力線を絞るのは難しい。一方、電磁石についても、所望の磁束密度分布を微細化するには電磁石も小さくする必要があり、自ずと限界が生じる。
そこで、ここでは、磁場を更に微細な領域に選択的に集中させる方法を考える。つまり、相対的に磁化率χが大きい物質に対して、磁場を印加することによって、磁化率χが大きい物質に磁力線が集中することを応用する。このような、磁力線を曲げることで磁力線の粗密差を作るため、磁化率が異なる部材をパターニングした基板を、本発明では磁気モジュレーターと呼ぶ。
磁気モジュレーターを用いた場合について、図6〜図8を用いて、更に詳細に説明する。まず、図6〜図8は、内部に部材Aを含んだ平板状の基板Bに、磁力線を基板面に対して垂直に印加する(縦磁場をかける)場合を示す。図面はこの部材Aを含んだ基板Bの断面を表した模式的断面図である。また、部材Aの磁化率は基板Bの磁化率よりも大きい。ただし、部材Aは基板Bの内部にあっても、表面にあっても構わない。また、部材A、基板Bの形状は、この実施形態の形状には限られず、その他のあらゆる形状が考えられる。
図6から明らかなように、磁力線は磁化率の高い部材Aに引き付けられ、部材Aのある位置に磁場が集中する。ここで、このような磁気モジュレーター上にコイルが複数個存在する状態で、回転時間変動磁場を印加すると、図7に示したように配向する。更に、導電性を有する材料のほうが、導電性を有する材料を分散させている流動性を有する物質よりも磁化率が大きい場合には、導電性を有する材料は図8のように、磁束密度の小さい部材Aの縁の磁束密度の大きい部分にトラッピングされる。
以上のように、基板面に対し平行に磁場をかけた場合には、磁力線は磁化率の高い部材Aに引き付けられ、部材Aのある位置に磁場が集中し、部材A上の磁束密度が小さくなる。この場合、磁化率χの差が大きい物質を用いて磁気モジュレーターを作製した方が磁力線の集中に有利であり、特に強磁性体は磁力線を集中させるのに効果的である。
このように、不均一な磁場と時間変動磁場を用いることにより、導電性材料の配向方向と疎密差をパターニングすることができる。
また、流動性のある物質に浮遊させ時間変動磁場を印加する導電性材料は、1つの材料には限られず、2以上の材料を浮遊させることもできる。この場合、各材料の形状が異なる場合には、各々の形状に応じて、2以上の方向に材料を配向させることができる。また同様に、材料の種類が異なる場合も、各々の材料の種類に応じて、2以上の方向に材料を配向させることができる。
(流動性のある物質について)
上述の固化可能な流動性のある物質として、時間変動磁場の効果で所望の向きに導電性材料を配向させた後固化できる物質であれば、あらゆるものを用いることができる。
特に、流動性のある物質が液体である場合が好ましく、液体の粘度が低いほど時間変動磁場を用いた配向に対する粘性抵抗が小さくなり、結果、配向をスムーズに行えるため、更に好ましい実施形態になる。これ以外にも、流動性がある粉や気体に対しても適応可能であり、物質の種類にはとらわれない。
この流動性のある物質として、硬化性のある有機成分および無機成分を適宜用いることができる。これらのうち、有機成分としては、各種エポキシ化合物、シロキサン化合物などのほか、硬化性のモノマーやオリゴマーなどのプレポリマーを使用することができ、これらをポリマーの状態で融解させたり、溶媒に溶解させて使用したり、流動性のある微粉末を使用したりすることもできる。これらのうち、熱可塑性樹脂としては、酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルブチラール、塩化ビニル、メタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、エチレン、アミド、セルロース、イソブチレン、ビニルエーテルなどからなるプレポリマーやポリマーを挙げることができる。また、熱硬化性樹脂としては、尿素、メラミン、フェノール、レゾルシノール、エポキシ、エピスルフィド、イソシアネート、イミドなどからなるプレポリマーやポリマーを挙げることができる。これらの化合物は、1種類、または2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。
このような硬化性のプレポリマーを流動性のある物質に配合する際には、プレポリマーを硬化させるための硬化剤、重合開始剤を必要に応じて配合することもできる。これらの硬化剤、重合開始剤の種類は、配合するプレポリマーの種類に応じて適宜選択することができる。このような硬化剤、重合開始剤としてエネルギー線により反応を開始する化合物を好ましく用いることができる。例えば、アクリルモノマー・オリゴマーの光ラジカル重合型樹脂、ポリエン-チオール硬化系の光マイケル付加型樹脂、エポキシおよびオキセタンおよびビニルエーテルモノマー・オリゴマーの光カチオン重合型樹脂が例示できる。また、これら配合には各種公知の光反応増感剤を使用することもできる。
反応を開始させる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線などが挙げられるが、特にこれらに制限されるものではない。また、活性エネルギー線を照射する際、その雰囲気に限定されるものではなく、大気、窒素やアルゴンなどの不活性ガス、真空中など様々な雰囲気下、温度環境下で照射することができる。
また、使用できる無機成分としては、各種金属アルコキシド、各種金属塩化物、水ガラス、コロイダルシリカ、各種ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素フッ化物、金属酸化物、金属窒化物、金属ケイ化物、金属ホスフェートの溶液を使用したり、流動性のある微粉末を使用したりすることができる。
このような無機成分を含む流動性のある物質は、ゾルゲル反応や高温焼付けなどを用いることで固化することができるが、この場合は、ゾルゲル反応の触媒も流動性のある物質に配合することができる。
上述のようなゾルゲル反応の触媒としては、無機成分を加水分解し重縮合させる、塩酸のような酸;水酸化ナトリウムのようなアルカリ;アミン;ジブチルスズジアセテ−ト、ジブチルスズジオクテ−ト、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレート、オクチル酸スズ等の有機スズ化合物;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、テトラアルキルチタネート等の有機チタネート化合物;テトラブチル
ジルコネート、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトライソブチルジルコネート、ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム等の有機ジルコニウム化合物;トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム等の有機アルミニウム化合物;ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト等の有機金属触媒等を挙げることができる。これらの中でも、市販品としてジブチルスズ化合物(三共有機化学(株)製SCAT−24)を具体的に挙げることができる。これらの化合物は、1種類、または2
種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。これらの有機成分および無機成分は、必要に応じて単体でも、有機・無機の組み合わせでも適宜組み合わせて使用することができる。
本発明で用いることができる流動性のある物質には、更に必要に応じて、溶媒を配合成分に応じて適宜選択することができる。このような溶媒としては、具体的には炭化水素(プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、イソヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アミルベンゼン、テレビン油、ピネンなど)、ハロゲン系炭化水素(塩化メチル、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、臭化メチル、臭化エチル、クロロベンゼン、クロロブロモメタン、ブロモベンゼン、フルオロジクロロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロクロロエタ
ンなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、2−オクタノール、n−ドデカノール、ノナノール、シクロヘキサノール、グリシドールなど)、エーテル、アセタール(エチルエーテル、ジクロロエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルベンジルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、シネオール、メチラール)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチ
ル−n−アミルケトン、ジイソブチルケトン、ホロン、イソホロン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなど)、エステル(ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−アミル、酢酸メチルシクロヘキシル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、ステアリン酸ブチルなど)、多価アルコールとその誘導体(エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメトキシエタノール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテルなど)、脂肪酸およびフェノール(ギ酸、酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、無水プロピオン酸、酪酸、イソ吉草酸、フェノール、クレゾール、o−クレゾール、キシレノールなど)、窒素化合物(ニトロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、ニトロベンゼン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジアミルアミン、アニリン、モノメチルアニリン、o−トルイジン、o−クロロアニリン、ジクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、アセトニトリル、ピリジン、α−ピコリン、2,4−ルチジン、キノリン、モルホリンなど)、硫黄、リン、その他化合物(二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、4,4−ジエチル−1,2−ジチオラン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、メタンチオール、プロパンスルトン、リン酸トリエチル、リン酸トフェニル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、ホウ酸アミルなど)、無機溶剤(液体アンモニア、シリコーンオイルなど)、水等を挙げることができる。
本発明に用いる液体には、更に必要に応じて、安定剤、カップリング剤などを適宜選択して配合することができる。このような安定剤としては、具体的には2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチル−フェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−アニリノ)−1,3,5−トリアジン等によって例示されるフェノール系酸化防止剤;アルキルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキ
ノリン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等によって例示される芳香族アミン系酸化防止剤;ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ}−5−tert−ブチル−フェニル]スルフィド、2−メルカプト−5−メチル−ベンゾイミダゾール等によって例示されるサルファイド系ヒドロペルオキシド分解剤;トリス(イソデシル)ホスファイト、フェニルジイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスファートジエチルエステル、ナトリウムビス(4−tert−ブチルフェニル)ホスファート等によって例示されるリン系ヒドロペルオキシド分解剤;フェニルサリチラート、4−tert−オクチルフェニルサリチラート等によって例示されるサリチレート系光安定剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸などによって例示されるベンゾフェノン系光安定剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等によって例示されるベンゾトリアゾール系光安定剤;フェニル−4−ピペリジニルカルボナート、セバシン酸ビス−[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル]等によって例示されるヒンダードアミン系光安定剤;[2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)]−2−エチルヘキシルアミン−ニッケル−(II)によって例示されるNi系光安定剤;シアノアクリレート系光安定剤;シュウ酸アニリド系光安定剤等を挙げることができる。また、このようなカップリング剤としては、具体的には、フッ素系のシランカップリング剤として、((トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、エポキシ変性シランカップリング剤として(信越化学工業株式会社製 KBM−403)、オキセタン変性シランカップリング剤として(東亞合成株式会社製 TESOX)、あるいは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランγ−メタクリロキシキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤や、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセトネート、チタニウムエチルアセトアセテート、チタニウムラクテート、チタニウムラクテートアンモニウム塩、テトラステアリルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、イソプロピルトリオクタイノルチタネート、イソプロピルジメタクリイソステアロイルチタネート、チタニウムラクテートエチルエステル、オクチレングリコールチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、トリイソステアリルイソプロピルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ブチルチタネートダイマー、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等のチタン系カップリング剤を挙げることができる。これらの化合物は、1種類、または2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。
また、本発明に用いる流動性のある物質には、磁化率を調整するために(以上例示した物質以外にも)各種物質を配合することができる。このような物質は、流動性のある物質が液体である場合、液体に溶けていても良いし溶けずに分散していても良い。あるいは、任意の溶媒に溶かしておき、この液体に乳化させて使用しても良い。このような磁化率を調整するための物質は磁化率の絶対値が大きいものが添加量の観点からも好ましく、具体的な磁化率を大きくする物質としてFe、Ni、Co等の強磁性体を例示することができ、上記の液体に添加することができる。この際、磁化率を調整する添加剤のみが磁場と相互作用を起こし流動性のある物質と分離しないように溶解して加えたり、100nm以下の微粒子で加えたりすることが好ましく、後者の場合その粒子径は20〜3nmの範囲が更に好ましい。
また、磁化率を小さくする物質には、磁化率が小さい物質であるビスマスや超伝導体等が挙げられる。また、これらの物質は、1種類、または2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。更に、流動性のある物質を構成する上記のような各種配合成分の配合割合や配合方法は、配合成分に応じて適宜決定することができる。
以上のようにして、時間変動磁場の効果により得られた、所望の方向に配向させた導電性材料が浮遊した流動性のある物質を固化することによって、所望の方向に熱的、光学的、機械的、または導電性に異方性を有する材料(異方性材料)を得ることができる。
熱的な異方性を有する材料を得る方法の様式としては、Agのロッド状フィラーを樹脂に分散させたものでフィルムを作り、時間変動磁場を用いて上記のロッドを面方向に立たせて熱伝導率を向上させることができ、より少ないAgロッドの添加量でも高い熱伝導率を有する高熱伝導性フィルムを形成することが可能である。
このようなフィルムは、電気的な異方性も有し、例えば異方導電性フィルムとしても応用できる。
光学的な異方性を有する材料を得る方法の様式としては、導電性材料自体が光に対する鏡のように光を反射する材料を利用することが好ましい形態として挙げられる。また、導電性材料に光を反射する材料をコーティングすることもできる。
機械的な異方性を有する材料を得る方法の様式としては、導電性材料の形状が繊維のようなアスペクト比の大きい構造を有するものを利用することが、好ましい実施形態として挙げられる。導電性材料として金属繊維を用いた場合、これを配向させることにより、任意の方向に対する機械的強度が高い複合材料を容易に製造することができる。
次に、本発明の磁気異方性が無い導電性材料に時間変動磁場を用いた配向方法、異方性材料の製造方法について、以下に実施例を説明する。
(実施例1)
実施例1では、本発明の時間変動磁場を用いた導電性材料の配向方法の一実施例を示す。
導電性材料分散液の作製
直径1mmのアルミニウム線を直径3mmで1回巻いたコイル(リング)をポリタングステン酸ナトリウムで比重を調整した水溶液に図9に示すように浮遊させた。
時間変動磁場の印加
図10の写真に示す装置を用いて、永久磁石をポリタングステン酸ナトリウム水溶液中で浮遊するアルミニウムのコイルを中心に、600r/mで10分間回転させた。
配向状態の観察
図11の(a)〜(d)は、図9の状態から約3分おきに撮影したアルミニウムのコイルの写真である。
図11から明らかなとおり、実施例1では、約10分でアルミニウムのコイルは配向した。上述のとおり、アルミニウムのコイルを貫く磁力線の磁石の回転に伴う変化量が最も小さくなる方向にコイルは配向した。
(実施例2)
実施例2では、本発明の時間変動磁場を用いた導電性材料の配向方法の一実施例を示す。
導電性材料分散液の作製
直径3mm、厚さ1mmのアルミニウムのディスクをポリタングステン酸ナトリウムで比重を調整した水溶液に、図12に示すように浮遊させた。
時間変動磁場の印加
実施例1と同様に図10の写真に示す装置を用いて、永久磁石をポリタングステン酸ナトリウム水溶液中で浮遊するアルミニウムのディスクを中心に、600r/mで15分間回転させた。
配向状態の観察
図13の(a)〜(d)は、図12の状態から約3分おきに撮影したアルミニウムのディスクの写真である。
図13から明らかなとおり、実施例2では、約15分でアルミニウムのディスクは配向した。上述のとおり、アルミニウムのディスクを貫く磁力線の磁石の回転に伴う変化量が最も小さくなる方向にディスクは配向した。
(実施例3)
実施例3では、本発明の時間変動磁場を用いた導電性材料の配向方法の一実施例を示す。
導電性材料分散液の作製
直径1mm、長さ5mmのアルミニウムのロッドをポリタングステン酸ナトリウムで比重を調整した水溶液に、図14に示すように浮遊させた。
時間変動磁場の印加
実施例1と同様に図10に示す装置を用いて、永久磁石をポリタングステン酸ナトリウム水溶液中で浮遊するアルミニウムのディスクを中心に、600r/mで20分間回転させた。
配向状態の観察
図15の(a)〜(d)は、図14の状態から約6分おきに撮影したアルミニウムのロッドの写真である。
図15から明らかなとおり、実施例3では、約20分でアルミニウムのロッドは配向した。上述したとおり、アルミニウムのロッドを貫く磁力線の磁石の回転に伴う変化量が最も小さくなる方向にディスクは配向した。
(実施例4)
実施例4では、本発明の時間変動磁場を用いた導電性材料の配向方法の一実施例を示す。
導電性材料分散液の作製
直径3mm、厚さ1mmのアルミニウムのディスク20枚を紫外線硬化型樹脂(協立化学産業株式会社製;W/R No. XVL-90)に浮遊させた。
時間変動磁場の印加
実施例4では、図16の写真に示す装置を用いて、アルミニウムのディスクが沈降しないように、試料を2r/mで回転させながら、磁石を逆方向に200r/mで20分間回転させた。
試料の紫外線硬化
試料と磁石を回転させながら、365nmの光を6000mJ/cm^2照射し、光硬化性樹脂を硬化させて試料を得た。試料の写真を図17に示す。
図17から明らかなとおり、すべてのディスクが同じ方向に配向した試料(異方性材料)を得ることができた。
コイルに棒磁石を近づけたとき((a)参照)、及び磁石を遠ざけたとぃ((b)参照)に発生する誘導電流の流れる方向を示す図である。 永久磁石を回転させてコイルを配向させる方法を説明するための斜視図である。 永久磁石を回転させてコイルを配向させる方法を説明するための、回転方向から観察した平面図((a)参照)、及び磁石の回転面から観察した側面図((b)参照)である。 θとψをプロットしたグラフである。 回転磁場と振幅磁場を用いて3角形のディスクを配向させる様子を示した図である。 磁気モジュレーターを用いて曲がった磁力線を示す図であって、特に、部材Aに磁力線が集中する様子を示した図である。 磁気モジュレーターを用いて曲がった磁力線を示す図であって、特に、磁気モジュレーター上のコイルが回転磁場で配向する様子を示した図である。 磁気モジュレーターを用いて曲がった磁力線を示す図であって、更に、コイルの方が分散している流動性がある物質よりも磁化率が大きい場合、磁力線の粗密差に従ってトラッピングされる様子を示した図である。 アルミニウムと同じ比重に調整されたポリタングステン酸水溶液中で浮遊するアルミニウムのコイル(1巻き)を示す写真である。 回転磁場発生装置の1つの実施例を示す写真である。 アルミニウムのコイルが回転磁場で配向する課程を約3分おきに撮影した写真である。 アルミニウムと同じ比重に調整されたポリタングステン酸水溶液中で浮遊するアルミニウムのディスクの写真である。 アルミニウムのディスクが回転磁場で配向する課程を約5分おきに撮影した写真である。 アルミニウムと同じ比重に調整されたポリタングステン酸水溶液中で浮遊するアルミニウムのロッドの写真である。 アルミニウムのロッドが回転磁場で配向する課程を約6分おきに撮影した写真である。 アルミニウムの沈降を防ぐために試料を回転させる装置、及び回転磁場発生装置の写真である。 試料と磁石を回転させながら光を照射し、光硬化性樹脂を硬化させて得た資料の写真である。

Claims (35)

  1. 磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない導電性材料を、静磁場を印加させずに配向させる方法であって、前記導電性材料に時間変動磁場を印加することにより前記導電性材料に誘導電流を発生させ、該誘導電流によって発生する誘導磁場と前記時間変動磁場との間の磁気的相互作用によって、前記導電性材料を配向させることを特徴とする導電性材料の配向方法。
  2. 前記導電性材料が反磁性体であることを特徴とする請求項1記載の導電性材料の配向方法。
  3. 前記導電性材料が金属であることを特徴とする請求項1または2記載の導電性材料の配向方法。
  4. 前記導電性材料の結晶系が立方晶であることを特徴とする請求項3記載の導電性材料の配向方法。
  5. 前記導電性材料が2以上の物質からなる複合体であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の導電性材料の配向方法。
  6. 前記導電性材料が、磁気異方性を有する導電性材料がランダムに集合することにより、全体として磁気的相互作用が実質的に生じない状態になっている導電性複合体であることを特徴とする請求項5記載の導電性材料の配向方法。
  7. 前記磁気異方性を有する導電性材料が、カーボンナノチューブ、グラファイト、またはその両方を含むものであることを特徴とする請求項6記載の導電性材料の配向方法。
  8. 前記導電性材料の形状が略円柱であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の導電性材料の配向方法。
  9. 前記導電性材料が粒子であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項記載の導電性材料の配向方法。
  10. 前記導電性材料が、磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない導電性材料を2以上含むことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項記載の導電性材料の配向方法。
  11. 前記導電性材料が、種類及び/または形状において異なる2以上の導電性材料を含み、その種類及び/または形状に合わせてそれぞれ2以上の方向に配向することを特徴とする請求項10記載の導電性材料の配向方法。
  12. 前記導電性材料を流動性のある物質に浮遊させた状態で前記時間変動磁場を印加することにより、前記導電性材料を前記時間変動磁場で配向させることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項記載の導電性材料の配向方法。
  13. 前記流動性のある物質が粒子であることを特徴とする請求項12記載の導電性材料の配向方法。
  14. 前記流動性のある物質が液体であることを特徴とする請求項12記載の導電性材料の配向方法。
  15. 前記流動性のある物質が、前記導電性材料を配向させた後固化可能な物質であることを特徴とする請求項12記載の導電性材料の配向方法。
  16. 前記流動性のある物質が、溶融状態の固体であり、冷却することによって固化することを特徴とする請求項15記載の導電性材料の配向方法。
  17. 前記流動性のある物質がホットメルト樹脂であることを特徴とする請求項16記載の導電性材料の配向方法。
  18. 前記流動性のある物質が活性エネルギー線によって固化する液体であることを特徴とする請求項15記載の導電性材料の配向方法。
  19. 前記活性エネルギー線によって固化する液体が、活性エネルギー線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項18記載の導電性材料の配向方法。
  20. 前記流動性のある物質が、加熱することによって固化する液体であることを特徴とする請求項15記載の導電性材料の配向方法。
  21. 前記加熱することによって固化する液体が、加熱することによって固化する樹脂であることを特徴とする請求項20記載の導電性材料の配向方法。
  22. 前記時間変動磁場を、1以上のコイルに流す電流を時間変化させることによって発生させることを特徴とする請求項1〜21の何れか1項記載の導電性材料の配向方法。
  23. 前記時間変動磁場を、1以上の磁石と前記導電性材料との位置を変化させることによって前記導電性材料に印加することを特徴とする請求項1〜21の何れか1項記載の導電性材料の配向方法。
  24. 前記時間変動磁場が、前記導電性材料を中心に回転する磁場であることを特徴とする請求項23記載の導電性材料の配向方法。
  25. 前記導電性材料が、回転につれて磁束の変化が最も小さくなる方向に収束して配向することを特徴とする請求項24記載の導電性材料の配向方法。
  26. 前記時間変動磁場を、1以上のコイルに流す電流を時間変化させ、かつ前記導電性材料と該コイルとの位置を変化させることによって前記導電性材料に印加することを特徴とする請求項22記載の導電性材料の配向方法。
  27. 請求項22〜26の何れか1項記載の方法で発生させた前記時間変動磁場の磁力線を磁化率の異なる2以上の部材からなるパターンに沿って曲げ、前記導電性材料を該パターンに沿って曲がった磁力線に対応した方向に配向させることを特徴とする導電性材料の配向方法。
  28. 請求項22〜26の何れか1項記載の方法で発生させた前記時間変動磁場によりパターン上に磁力線の粗密差をパターニングし、該パターンに沿って前記導電性材料を磁気トラップすることによって前記導電性材料の粗密をパターニングし、更に配向させることを特徴とする導電性材料の配向方法。
  29. 請求項1〜28の何れか1項記載の導電性材料の配向方法で流動性のある絶縁体中に分散させた前記導電性材料を配向させることにより、該絶縁体中の熱伝導性に異方性を持たせることを特徴とする異方性材料の製造方法。
  30. 請求項1〜28の何れか1項記載の導電性材料の配向方法で流動性のある絶縁体中に分散させた前記導電性材料を配向させることにより、該絶縁体中の光学特性に異方性を持たせることを特徴とする異方性材料の製造方法。
  31. 請求項1〜28の何れか1項記載の導電性材料の配向方法で流動性のある絶縁体中に分散させた前記導電性材料を配向させることにより、該絶縁体中の機械的特性に異方性を持たせることを特徴とする異方性材料の製造方法。
  32. 請求項1〜28の何れか1項記載の導電性材料の配向方法で流動性のある絶縁体中に分散させた前記導電性材料を配向させることにより、該絶縁体中の電気伝導性に異方性を持たせることを特徴とする異方性材料の製造方法。
  33. 請求項29〜32の何れか1項記載の製造方法により製造された異方性材料を電子装置に塗布した後、前記時間変動磁場を印加することにより、前記異方性材料を有する電子装置を製造することを特徴とする異方性材料を有する電子装置の製造方法。
  34. 前記異方性材料が前記導電性材料を光硬化性樹脂に分散させた液であり、該液を電子装置に塗布した後、前記時間変動磁場を用いて前記導電性材料を配向させてから前記異方性材料を光で半硬化させ、次いで基板の電極に該電子装置を前記異方性材料を通じて導通接続し、最後に熱本硬化させることを特徴とする請求項33記載の異方性材料を有する電子装置の製造方法。
  35. 導電性のある材料であってかつ液体中に含まれる磁気的相互作用が実質的に生じる範囲の磁気異方性を有さない材料を、静磁場を印加させずに配向させる方法であって、前記材料を含む前記液体に時間変動磁場を印加することにより前記液体中の前記材料に誘導電流を発生させ、該誘導電流によって発生する誘導磁場と前記時間変動磁場との間の磁気的相互作用によって、前記材料を配向させることを特徴とする材料の配向方法。
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