JP4866662B2 - 非伸縮ヒンジ式ブレスレット - Google Patents

Description

本発明は、ヒンジ式非伸縮ブレスレットまたはリストバンドに関する。このブレスレットは、１つの宝飾品とすることもできるし、あるいは、手首に腕時計を装着するために用いることも可能である。

ヒンジ式非伸縮ブレスレットについては、先行技術文献により既知のところである（例えば、特許文献１参照）。このブレスレットには、ヒンジによって互いに留められた一連の構成部品が含まれている。各構成部品は、一方の側に、中央ナックルを備え、もう一方の側に２つの端部ナックルを備えており、これらの端部ナックル間に近傍構成部品の中央ナックルが挿入される。リンク間の組立ては、隣接リンクのナックルを自由に貫通するプッシュピンによって施される。これらのプッシュピンは、その脚部が端部ナックルの両側に係合し、プッシュピンのパイロット・ポイントが係合する穴を備えるＵ字形部品によって所定位置に保持される。Ｕ字形部品には、プッシュピンを所定位置に保持することにある機能的役割以外に、その外観がヒンジ式構成部品の外観と異なるため、これらの構成部品間の分離箇所が模様付けされるという点において、装飾的役割もある。

ブレスレットを平らにして置くと、Ｕ字形部品によってナックルが隠される。逆に、ブレスレットを曲げて、手首の形状に合わせると、ナックルが現れて、とりわけ、例えば、２色ブレスレットの場合のように、ナックルがＵ字形部品と異なる材料から造られている場合には、ブレスレットの美的外観に悪影響を及ぼすことになる。

スイス特許第６６３，１３６号明細書

本発明の目的は、とりわけ、ナックルが、２つの連続したリンク間に配置されたＵ字形部品と異なる材料で造られている場合に、その美的外観が改善される非伸縮ヒンジ式ブレスレットを提供することによって、前述の問題を克服し、併せて、他の問題も克服することにある。

本発明は、次々にヒンジで留められた複数のリンクを含んでいる非伸縮ヒンジ式ブレスレットに関する。リンクのそれぞれは、一方の側に雄ヒンジ構成部品を備え、もう一方の側に雌ヒンジ構成部品を備えている。１つのリンクの雄ヒンジ構成部品が、次のリンクの雌ヒンジ構成部品に挿入されてヒンジを形成し、ヒンジの接合部を形成するピンがそれらのヒンジ構成部品を通っている。ヒンジを覆うＵ字形部品が、ヒンジの両側に係合しかつピンの両端が係合する穴を備えた脚部を含む。２つの隣接リンク間に延びるカバーが、ヒンジとＵ字形部品の間に配置されている。

これらの特徴により、本発明によれば、ブレスレットが平らな位置にある場合と、曲がった位置にある場合の両方とも、ヒンジを覆い、これによって、とりわけ、ヒンジがＵ字形部品と異なる材料から造られている場合、ブレスレットの美的外観を大幅に改善することになるカバーを含む、ヒンジ式リンクを備えた非伸縮ブレスレットが提供される。

本発明の補完的特徴によれば、カバーは、その横方向エッジが２つの隣接リンクに設けられたハウジングに係合する弾性ストリップである。

従って、ストリップの弾性によって、ブレスレットが平らな位置にある場合に、リンクに一定の復元力をかけることが可能になる。

本発明のもう１つの特徴によれば、ストリップは、それを所定位置に保持するため、Ｕ字形部品の下方表面に設けられたラグと協働する開口を備えている。

本発明のある特定の実施形態によれば、リンクのそれぞれは、一方の側に、中央ナックルを備え、もう一方の側に、２つの端部ナックルを備えていて、近傍リンクの２つの端部ナックルの間に中央ナックルが挿入され、これらのナックル内をヒンジ・ピンが通り、Ｕ字形部品の脚部が端部ナックルの両側に係合している。

第１の変形によれば、ヒンジ・ピンは、その両端に、Ｕ字形部品の脚部に係合するパイロット・ポイントを備えたプッシュ・ピンである。

第２の変形によれば、中央ナックルと同じ長さで局所的に直径が細くなっている円筒管が中央ナックルに挿入され、ピンには、その全長の対応する場所に、管の細い直径部分と協働して、管を軸方向に動けなくするグルーブが備わっている。

本発明の他の特徴及び利点については、本発明によるブレスレットの実施形態の１つに関する下記の詳細な説明からよりはっきりと明らかになるであろう。この例は、添付の図面に関連して、純粋に非制限的な例証を目的として示される。

本発明は、非伸縮ヒンジ式ブレスレットの２つの隣接リンク間にカバーを設けて、その２つのリンクを連結するヒンジを隠すという本発明の進んだ着想から進められたものである。従って、リンクを互いに接続するヒンジは、ブレスレットが平らであるか、曲がっているかにかかわらず、観察者に見えない状態のままであり、これによって、とりわけ、２色ブレスレットの場合のように、ヒンジがＵ字形部品とは異なる材料から造られている場合、その美的外観が大幅に改善される。

図１は、本発明によるブレスレットの２つの隣接リンクを接続するヒンジの分解透視図である。全体的参照番号１によって全体が表示されているこのヒンジには、ブレスレット・リンク６の両側に設けられた、中央ナックル２と２つの端部ナックル４が含まれている。これらのナックル２、４は、リンク６の中央ナックル２が隣接リンク６’の２つの端部ナックル４’の間に挿入されるように構成されている。ナックルは、リンクに溶接可能な管で形成されている。変形の１つによれば、ナックルをリンクに一体化することも可能である。言うまでもないが、この例は、純粋に例証を目的として示されており、雌ヒンジ構成部品に挿入される雄ヒンジ構成部品を含む他のタイプのヒンジを構想することも可能である。

外径が中央ナックルの穴の直径に対応する管８が中央ナックルの穴に入れられる。端部ナックル内の穴の直径が中央ナックル内の穴の直径よりわずかに小さいので、管は軸方向に動けなくなる。管８は、局所的に、その中央部またはその両端のそれぞれに、直径の細い部分またはネック１０を備えていることが望ましい。ナックルを整列させると、カバー１２をＵ字形部品１４の下に配置する。Ｕ字形部品１４の両側の脚部１６が双方の端部ナックル４のどちらかに係合する。Ｕ字形部品１４の脚部１６には、後述のピン２２の端部２０が係合する穴１８があけられている。

２つの隣接リンク間に延びるカバー１２は、Ｕ字形部品１４の下でナックルとＵ字形部品の間に配置される。このカバーの機能は、ブレスレットが平らな位置にある場合と、曲がった位置にある場合の両方とも、ナックルとピンによって形成されるヒンジを覆うことによって、とりわけ、ナックルがＵ字形部品と異なる材料から造られている場合に、ブレスレットの美的外観を大幅に改善することにある。

カバー１２には、それを動けなくすることができるように、Ｕ字形部品１４の底面に設けられたラグ２６と協働する開口２４が備わっている。

カバー１２は、その横方向エッジ２８が２つの隣接リンクの厚さ部分に配置されたそれぞれのハウジング３０と係合する弾性ストリップであることが望ましい。ブレスレットが平らな場合（図２及び図４参照）、ストリップの横方向エッジ２８は変形しない。しかし、そのユーザの手首に合わせて、ブレスレットが曲げられると（図３、図５参照）、ストリップの横方向エッジ２８が曲がって、弾性変形し、その結果、ブレスレットの平らな位置への復元力がリンクに加えられる。

本発明の特定の実施形態の１つによれば、リンクは、向かいあう双方の底エッジに沿って突合せ面３２を備えており、その突合せ面は隣接リンクの向かい合った突合せ面３２’と突き合わされる。これによって、例えば、ブレスレットの平らな位置に対して、遊びがα＝３０°程の傾斜に制限され、弾性ストリップがハウジングから外れなくなる。リンクの遊びをより大きくすることも想定内である。こうした場合、ストリップは、例えば、ネジのような適切な手段によって固定することが可能である。

弾性ストリップの横方向エッジ２８は、整列させられたリンクのそれぞれのハウジングとナックルに係合すると、Ｕ字形部品１４の脚部１６が端部ナックルの両側に係合し、ピン２２が、２つの隣接リンクを結合するため、Ｕ字形部品１４の脚部１６に開けられた穴１８、及び、端部ナックルと中央ナックルに挿入される。ピン２２は、その全長のあるポイント、この場合、その中央に、管８の中央に設けられたネック１０と協働して、ピン２２を軸方向に動けなくするためのグルーブ３４を備えている。実際、管８の内表面には、ネック１０によって、ピン２２の外表面に設けられたグルーブ３４と係合することになる隆起部分が形成されている（図７参照）。

言うまでもないが、本発明は、説明された実施形態に制限されるものではなく、当該技術者であれば、付属の請求項によって定義された本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな単純な改変や変形を企図することが可能である。すなわち、ヒンジ・ピンは、その外径が、ナックルの穴の内径に一致し、穴を自由に貫通する、図６に示すようなプッシュ・ピン３６とすることが可能であり、ピンのパイロット・ポイント３８が、Ｕ字形部品１４の脚部１６に開けられた穴１８と係合する。さらにもう１つの変形によれば、ヒンジ・ピンは、割りピン、刻みつきピン、または、他の任意の既知接続手段とすることが可能である。

本発明によるブレスレットの２つの隣接リンクを接続するヒンジの分解透視図である。 平らな位置にある、ヒンジによって接続された２つの隣接リンクの断面図である。 リンクが曲がった位置にある、図２と同様の図である。 平らな位置にある２つの隣接リンクの透視図である。 リンクが曲がった位置にある、図４と同様の図である。 プッシュ・ピンの図である。 ピンを軸方向に動けなくするための管の断面図である。

符号の説明

１ ヒンジ、２ 中央ナックル、４ 端部ナックル、６、６’ リンク、８ 円筒管、１０ 管の直径が細くなった部分、１２ カバー、１４ Ｕ字形部品、１６ 脚部、２２ ピン、２４ 開口、２６ ラグ、３０ ハウジング、３２、３２’ リンクの突合せ部分、３８ パイロット・ポイント

Claims (7)

1. 次々にヒンジで留められた複数のリンク（６、６’）を含み、前記リンクのそれぞれが、一方の側に雄ヒンジ構成部品を備え、もう一方の側に雌ヒンジ構成部品を備えていて、１つのリンク（６）の前記雄ヒンジ構成部品が、次のリンク（６’）の前記雌ヒンジ構成部品に挿入されて、ヒンジ（１）を形成するようになっており、前記ヒンジ構成部品が前記ヒンジ（１）の接合部を形成するピンによって横断され、前記ヒンジ（１）を覆うＵ字形部品（１４）が、前記ヒンジ（１）の両側に係合するとともに前記ピンの両端が係合する穴（１８）を備えた脚部（１６）を含む非伸縮ヒンジ式ブレスレットであって、２つの隣接リンク（６、６’）間に延びるカバー（１２）が、前記ヒンジ（１）と前記Ｕ字形部品（１４）の間に配置されていることを特徴とするブレスレット。
2. 前記カバー（１２）が、その横方向エッジ（２８）が前記２つの隣接リンク（６、６’）に設けられたそれぞれのハウジング（３０）に係合する弾性ストリップであることを特徴とする請求項１に記載のブレスレット。
3. 前記カバー（１２）が、そのカバーを所定位置に保持するため、前記Ｕ字形部品（１４）の底面に設けられたラグ（２６）と協働する開口（２４）を備えることを特徴とする請求項１または２に記載のブレスレット。
4. 各リンクが、一方の側に中央ナックル（２）を備え、もう一方の側に２つの端部ナックル（４）を備えており、リンクの１つ（６）の前記中央ナックルが、次のリンク（６’）の２つの端部ナックル（４’）間に挿入されることを特徴とする請求項１〜３の任意の１つに記載のブレスレット。
5. 前記中央ナックル（２）と同じ長さで、局所的に直径が細くなった部分（１０）がある円筒管（８）が前記中央ナックルの中に挿入され、前記ヒンジ・ピンが、その全長の対応する位置に、前記管の直径が細くなった部分と協働して、前記管が軸方向に動けないようにするためのグルーブ（３４）を備えるピン（２２）であることを特徴とする請求項４に記載のブレスレット。
6. 前記ヒンジ・ピンが、その端部の両方に、前記Ｕ字形部品（１４）の脚部（１６）に係合するパイロット・ポイント（３８）を備える、プッシュ・ピンであることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載のブレスレット。
7. 前記リンクが、その下方エッジに沿って、前記隣接リンクの向かい合った突合せ面（３２’）と接合する突合せ面（３２）を備え、前記リンクのあそびを制限することを特徴とする請求項１〜６の任意の１つに記載のブレスレット。

Images